(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026589
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】駆動装置および駆動装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F16H 37/06 20060101AFI20220203BHJP
F16H 1/28 20060101ALI20220203BHJP
F16H 19/04 20060101ALI20220203BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20220203BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
F16H37/06 D
F16H1/28
F16H19/04 J
H02K7/116
H02K15/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130134
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 陽介
【テーマコード(参考)】
3J027
3J062
5H607
5H615
【Fターム(参考)】
3J027FA36
3J027FB34
3J027FC01
3J027GA01
3J027GB03
3J027GC25
3J027GC26
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
3J027GE07
3J027GE23
3J062AA33
3J062AB05
3J062AC07
3J062BA12
3J062BA31
3J062CA17
3J062CA35
3J062CG02
3J062CG15
3J062CG83
5H607AA14
5H607BB01
5H607BB10
5H607BB14
5H607EE33
5H607EE36
5H607JJ05
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB08
5H615SS10
5H615SS20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薄型であり高い駆動力を出力できる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置1は、モータ本体および前記モータ本体によって中心軸線J2周りに回転させられるピニオンギヤ5A、5Bを有する複数のギヤドモータ20A、20Bと、複数の前記ピニオンギヤに噛み合うメインギヤ3と、を備える。複数のギヤドモータの出力の和に対して前記メインギヤの出力が、65%以上である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ本体および前記モータ本体によって中心軸線周りに回転させられるピニオンギヤを有する複数のギヤドモータと、
複数の前記ピニオンギヤに噛み合うメインギヤと、を備え、
複数のギヤドモータの出力の和に対して前記メインギヤの出力が、65%以上である、
駆動装置。
【請求項2】
複数のギヤドモータの出力の和に対して前記メインギヤの出力が、90%以上である、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
それぞれの前記ギヤドモータは、前記モータ本体の動力を減速して前記ピニオンギヤに伝える伝達機構を有する、
請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記伝達機構は、遊星歯車機構である、
請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
それぞれの前記ギヤドモータの前記モータ本体は、ステッピングモータである、
請求項1~4の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記メインギヤは、複数の前記ギヤドモータの中心軸線と直交する方向に駆動するラックギヤである、
請求項1~5の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
複数の前記ギヤドモータのうち少なくとも1つの外周面には、前記ギヤドモータを中心軸線周りに回転させるための調整部が設けられる、
請求項1~6の何れか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
モータ本体および前記モータ本体によって中心軸線周りに回転させられるピニオンギヤを有する複数のギヤドモータと、複数の前記ピニオンギヤに噛み合うメインギヤと、をそれぞれフレームに組み付ける組み付け工程と、
前記フレームに対する前記ギヤドモータの組み付け位置を調整する調整工程と、
前記調整工程において調整された位置に基づき、前記ギヤドモータを前記フレームに固定する固定工程と、を有し、
前記調整工程は、複数の前記ギヤドモータを駆動させ、一方で、調整する前記ギヤドモータのみを前記フレームに対して移動させる移動手順を行い、前記メインギヤの出力が最も大きくなる位置を見つける工程である、
駆動装置の製造方法。
【請求項9】
前記移動手順は、調整する前記ギヤドモータのみを前記フレームに対して中心軸線周りに回転移動させる手順である、
請求項8に記載の駆動装置の製造方法。
【請求項10】
それぞれの前記ギヤドモータは、前記モータ本体の動力を減速して前記ピニオンギヤに伝える伝達機構を有する、
請求項8又は9に記載の駆動装置の製造方法。
【請求項11】
それぞれの前記ギヤドモータの前記モータ本体は、ステッピングモータである、
請求項8~10の何れか一項に記載の駆動装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置および駆動装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の電子機器の薄型化が進む一方で、搭載されるギヤドモータにも薄型化が求められている。特許文献1には、このような薄型の電子機器に搭載するギヤボックス装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような薄型の駆動装置において更なる高出力化が求められる場合がある。本発明者らは、並行して並べた複数個のモータを用いて1つのメインギヤを駆動させることで駆動装置の薄型化と高出力化を実現することを想到した。このような構成では、モータの位相差などによって高い駆動力を出力し難いという問題があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、薄型であり高い駆動力を出力できる駆動装置の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様の駆動装置は、モータ本体および前記モータ本体によって中心軸線周りに回転させられるピニオンギヤを有する複数のギヤドモータと、複数の前記ピニオンギヤに噛み合うメインギヤと、を備える。複数のギヤドモータの出力の和に対して前記メインギヤの出力が、65%以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、薄型であり高い駆動力を出力できる駆動装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の駆動装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の駆動装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る駆動装置1について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において特に断りのない限り、各中心軸線J1、J2に平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、+Z側を単に「軸方向一方側」と呼び、-Z側を単に「軸方向他方側」と呼ぶ。また、各中心軸線J1、J2周りの周方向を単に「周方向」とよび、各中心軸線J1、J2に対する径方向を単に「径方向」と呼ぶ。
【0011】
さらに、本明細書の説明の簡易のために、Y軸方向を単に上下方向と呼び、+Y軸方向を単に上側とよび、-Y方向を単に下側と呼ぶ。なお、本明細書における上下方向は、説明の便宜のために設定する方向であって、駆動装置1の使用時の姿勢を限定するものではない。
【0012】
<駆動装置>
図1は、一実施形態の駆動装置1の斜視図である。
図2は、駆動装置1の断面図である。本実施形態の駆動装置1は、Y軸方向に沿う寸法が抑制された薄型の電子機器に搭載される。
【0013】
図1に示すように、駆動装置1は、第1のギヤドモータ2Aと、第2のギヤドモータ2Bと、ラックギヤ(メインギヤ)3と、フレーム10と、アタッチメント40と、を備える。
【0014】
第1および第2のギヤドモータ2A、2Bは、Z軸方向に沿って延びる円柱状である。第1および第2のギヤドモータ2A、2Bは、X軸方向に隣り合って配置される。
【0015】
図2に示すように、第1のギヤドモータ2Aは、第1の中心軸線J1に沿って延びる。また、第2のギヤドモータ2Bは、第2の中心軸線J2に沿って延びる。第1の中心軸線J1と第2の中心軸線J2とは、互いに平行に延びる。
【0016】
第1のギヤドモータ2Aは、第1のモータ本体20Aと、第1のモータ本体20Aに接続される第1の遊星歯車機構(第1の伝達機構)30Aと、第1の遊星歯車機構30Aに接続される第1のピニオンギヤ5Aと、を有する。第1のモータ本体20Aのモータシャフト29、第1の遊星歯車機構30Aおよび第1のピニオンギヤ5Aは、第1の中心軸線J1周りを回転する。
【0017】
同様に、第2のギヤドモータ2Bは、第2のモータ本体20Bと、第2のモータ本体20Bに接続される第2の遊星歯車機構(第2の伝達機構)30Bと、第2の遊星歯車機構30Bに接続される第2のピニオンギヤ5Bと、を有する。第2のモータ本体20Bのモータシャフト29、第2の遊星歯車機構30Bおよび第2のピニオンギヤ5Bは、第2の中心軸線J2周りを回転する。
【0018】
第1および第2のモータ本体20A、20Bは、各中心軸線(すなわち第1の中心軸線J1又は第2の中心軸線J2)に沿って延びる。第1および第2のモータ本体20A、20Bは、全体として各中心軸線J1、J2を中心とする円柱状である。本実施形態において、第1および第2のモータ本体20A、20Bは、ステッピングモータである。
【0019】
第1および第2のモータ本体20A、20Bは、各中心軸線J1、J2周りに回転するロータ21と、ロータ21を径方向外側から囲むステータ22と、さらにステータ22を径方向外側から囲むモータケース23と、を有する。ロータ21は、各中心軸線J1、J2に沿って延びるモータシャフト29を有する。
【0020】
第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bは、それぞれ第1および第2のモータ本体20A、20Bのモータシャフト29に接続される。第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bは、それぞれ第1および第2のモータ本体20A、20Bから出力された動力を減速して第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bに伝える減速機構である。本実施形態において、第1の遊星歯車機構30Aの減速比と、第2の遊星歯車機構30Bの減速比とは、互いに等しい。
【0021】
第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bは、それぞれ、ギヤハウジング39と、第1太陽ギヤ33aと、3つの第1遊星ギヤ33bと、第1キャリア31と、3つの第2遊星ギヤ34bと、第2キャリア32と、3つの第3遊星ギヤ35bと、第3キャリア36と、を有する。
【0022】
ギヤハウジング39は、フレーム10に固定される。すなわち、第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bは、ギヤハウジング39においてフレーム10に支持される。ギヤハウジング39は、内歯ギヤ39aと、軸受部39dと、を有する。
【0023】
内歯ギヤ39aは、各中心軸線J1、J2を中心として軸方向に延びる筒状である。内歯ギヤ39aは、第1遊星ギヤ33b、第2遊星ギヤ34bおよび第3遊星ギヤ35bに噛み合う。軸受部39dは、内歯ギヤ39aの軸方向他方側の端部に位置する。軸受部39dは、中心軸線J1、J2を中心として筒状に延びる。軸受部39dの内周面には滑り軸受が装着される。軸受部39dは、後述する円柱部36fを回転可能に支持する。
【0024】
第1太陽ギヤ33aは、モータシャフト29に固定され、モータシャフト29とともに各中心軸線J1、J2を中心として回転する。3つの第1遊星ギヤ33bは、各中心軸線J1、J2の周方向に等間隔に配置される。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aに噛み合う。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aの回転に伴い、各中心軸線J1、J2の周りを公転回転する。
【0025】
第1キャリア31は、第1円盤部31bと、3本の第1サブシャフト31aと、第2太陽ギヤ31cと、を有する。第1円盤部31bは、各中心軸線J1、J2を中心として径方向に延びる。3本の第1サブシャフト31aは、第1円盤部31bから軸方向一方側に延びる。第2太陽ギヤ31cは、各中心軸線J1、J2を中心として第1円盤部31bから軸方向他方側に延びる。
【0026】
3本の第1サブシャフト31aは、それぞれ第1遊星ギヤ33bを回転可能に支持する。第1キャリア31は、3つの第1遊星ギヤ33bの公転回転に伴い、各中心軸線J1、J2を中心として回転する。
【0027】
第2太陽ギヤ31cは、第1キャリア31の一部であるため、第1遊星ギヤ33bの公転回転に伴い、各中心軸線J1、J2を中心として回転する。
【0028】
3つの第2遊星ギヤ34bは、各中心軸線J1、J2の周方向に等間隔に配置される。3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cに噛み合う。3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cの回転に伴い、各中心軸線J1、J2の周方向に公転回転する。
【0029】
第2キャリア32は、第2円盤部32bと、3本の第2サブシャフト32aと、第3太陽ギヤ32cと、を有する。第2円盤部32bは、各中心軸線J1、J2を中心として径方向に延びる。3本の第2サブシャフト32aは、第2円盤部32bから軸方向一方側に延びる。第3太陽ギヤ32cは、各中心軸線J1、J2を中心として第2円盤部32bから軸方向他方側に延びる。
【0030】
3本の第2サブシャフト32aは、それぞれ第2遊星ギヤ34bを回転可能に支持する。第2キャリア32は、3つの第2遊星ギヤ34bの公転回転に伴い、各中心軸線J1、J2を中心として回転する。
【0031】
第3太陽ギヤ32cは、第2キャリア32の一部であるため、第2遊星ギヤ34bの公転回転に伴い、各中心軸線J1、J2を中心として回転する。
【0032】
3つの第3遊星ギヤ35bは、各中心軸線J1、J2の周方向に等間隔に配置される。3つの第3遊星ギヤ35bは、第3太陽ギヤ32cに噛み合う。3つの第3遊星ギヤ35bは、第3太陽ギヤ32cの回転に伴い、各中心軸線J1、J2の周方向に公転回転する。
【0033】
第3キャリア36は、第3円盤部36bと、3本の第3サブシャフト36aと、出力部36cと、を有する。第3円盤部36bは、各中心軸線J1、J2を中心として径方向に延びる。3本の第3サブシャフト36aは、第3円盤部36bから軸方向一方側に延びる。出力部36cは、各中心軸線J1、J2を中心として第3円盤部36bから軸方向他方側に延びる。
【0034】
3本の第3サブシャフト36aは、それぞれ第3遊星ギヤ35bを回転可能に支持する。第3サブシャフト36aは、3つの第3遊星ギヤ35bの公転回転に伴い、各中心軸線J1、J2を中心として回転する。
【0035】
出力部36cは、各中心軸線J1、J2を中心として延びる円柱部36fと、円柱部36fの先端面から軸方向に沿って延びる嵌合軸部(凸部)37と、を有する。円柱部36fは、ギヤハウジング39の軸受部39dによって回転可能に支持される。また、出力部36cの軸方向他方側(-Z側)を向く端面には、保持穴36dが設けられる。保持穴36dには、シャフト36pが挿入される。
【0036】
第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bは、各中心軸線J1、J2を中心として配置される。第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bには、軸方向に貫通する貫通孔5hが設けられる。貫通孔5hには、シャフト36pが挿入される。
【0037】
シャフト36pは、各中心軸線J1、J2を中心として延びる。シャフト36pの軸方向一方側の端部は、出力部36cに支持され、軸方向他方側の端部は、軸受6を介してアタッチメント40に支持される。シャフト36pは、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bの各中心軸線J1、J2周りの回転を補助する。
【0038】
第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bの軸方向一方側(+Z側)を向く面には、嵌合凹部38が設けられる。嵌合凹部38には、嵌合軸部37が挿入される。これにより、第1のピニオンギヤ5Aは、第1の遊星歯車機構30Aを介して、第1のモータ本体20Aに回転させられる。同様に、第2のピニオンギヤ5Bは、第2の遊星歯車機構30Bを介して、第2のモータ本体20Bに回転させられる。
【0039】
図1に示すように、ラックギヤ3は、上下方向を板厚方向とする板状である。ラックギヤ3は、MIM(Metal Injection Molding、金属粉末射出成形)によって成形される。第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bは、各中心軸線J1、J2と直交する方向(本実施形態においてX軸方向)に隣り合って配置される。ラックギヤ3は、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bが並ぶ方向に沿って直線状に延びる。ラックギヤ3は、一対のシャフト36p並びに第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bに対し下側に位置する。
【0040】
ラックギヤ3は、X軸方向に沿って並ぶ複数の歯面を有するギヤ本体部3bと、ギヤ本体部3bのZ軸方向の両側からそれぞれ突出する一対のスライド部3aと、を有する。スライド部3aは、ラックギヤ3の延在方向(X軸方向)に沿って延びる。
【0041】
ラックギヤ3のギヤ本体部3bは、第1のピニオンギヤ5Aおよび第2のピニオンギヤ5Bに噛み合う。ラックギヤ3は、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bから出力される動力が伝わることで、X軸方向に沿って移動する。すなわち、ラックギヤ3は、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの中心軸線J1、J2と直交する方向に駆動する。
【0042】
フレーム10は、複数(本実施形態では2つ)の第1および第2のギヤドモータ2A、2Bを支持する。本実施形態のフレーム10は、MIMによって成形される。
【0043】
フレーム10には、複数の固定部15が設けられる。固定部15は、上下方向と直交する平面(XZ平面)に沿う板状である。固定部15には、板厚方向に貫通する固定孔15aが設けられる。固定孔15aには、駆動装置1を外部部材(例えば、駆動装置1が格納される電子機器)に固定するためのネジが挿入される。フレーム10は、固定部15において、外部部材にネジ固定される。
【0044】
また、フレーム10には、支持枠部12が設けられる。支持枠部12は、フレーム10の軸方向他方側(-Z側)の端部に位置する。支持枠部12は、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bを四方から囲む枠状である。支持枠部12に囲まれた平面視矩形状の包囲空間は、上下方向に開口する。支持枠部12の開口には、上側からアタッチメント40が挿入される。
【0045】
支持枠部12の下端部には、ラックガイド部(図示略)が設けられる。ラックガイド部は、ラックギヤ3のスライド部3aを摺動可能に支持する。これにより、支持枠部12は、ラックギヤ3のX軸方向に沿う移動をガイドする。
【0046】
アタッチメント40は、支持枠部12の内部に挿入され支持枠部12に固定される。これにより、アタッチメント40は、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bの周囲においてフレーム10を補強する。アタッチメント40は、軸受6を保持する。すなわち、アタッチメント40は、軸受6を介して、シャフト36pを回転可能に支持する。本実施形態のアタッチメント40は、MIMによって成形される。
【0047】
(駆動装置の作用効果)
本実施形態の駆動装置1によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bによって1つの駆動対象であるラックギヤ3を駆動する。このため、駆動装置1は、ラックギヤ3を高主力で駆動することができる。加えて、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの回転を平行運動に変換することができる。
【0048】
本実施形態の駆動装置1によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bは、X軸方向に沿って並んで配置される円柱状である。このため、駆動装置1のY軸方向の寸法を抑制することができ、駆動装置1をY軸方向に薄型の電子機器に搭載しやすくなる。すなわち、本実施形態によれば、第1および第2のモータ本体20A、20Bを用いることで駆動装置1の出力を確保しつつ、Y軸方向の寸法を抑制できる。また、ステータを軸方向に積層する場合と比較して、ロータマグネットを軸方向に沿って長くする必要がなく、衝撃等が加わった場合であっても、ロータマグネットの損傷を抑制できる。
【0049】
一般的にモータが回転中に出力するトルクには、周期的な変動量(以下、トルクリップルと呼ぶ)が含まれる。2つのモータの動力を1つのギヤに合成して出力させると、トルクリップルの周期によって合成した駆動力が小さくなる場合がある。本実施形態の第1および第2のモータ本体20A、20Bは、ステッピングモータであるため、トルクリップルが大きくなりやすい。このため、トルクリップルの周期によってラックギヤ3から出力される駆動力が安定し難いという問題がある。
【0050】
本実施形態によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bにおいて、第1および第2のモータ本体20A、20Bの動力は、伝達機構である第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bにおいて減速された後に、ラックギヤ3で合成される。すなわち、第1および第2のモータ本体20A、20Bの動力は、減速された後に合成される。このため、トルクリップルの周期も、第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bによって減速され、合成される際にトルクリップルのずれが駆動力に影響を及ぼし難くなる。すなわち、本実施形態によれば、ラックギヤ3において高い駆動力を出力することができる。
【0051】
なお、本実施形態によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bにおいて、伝達機構として遊星歯車機構を採用することで、大きな減速比を得ている。このため本実施形態の駆動装置1は、トルクリップルのずれに起因する駆動力の低下をより一層抑制できる。特に、本実施形態の第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bは、3段の遊星ギヤ(第1、第2および第3遊星ギヤ33b、34b、35b)を有し、大減速を実現しているため、この効果を顕著に得ることができる。
【0052】
本実施形態の第1および第2の遊星歯車機構30A、30Bの減速比は、例えば、約120である。また、本実施形態の第1および第2のモータ本体20A、20Bのステップ角は、22.5°である。ステッピングモータのトルクリップルは、ステップ角に相関する。このため、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bにおいてトルクリップルが発生する回転角は、0.2°程度となり、合成時のトルクリップルの影響を小さくできる。
【0053】
このような構成によって、本実施形態の駆動装置1は、複数のギヤドモータ(すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2B)の出力の和に対するラックギヤ3の出力が、65%以上とされている。すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの出力をそれぞれP1、P2とし、ラックギヤ3の主力をP3とするとき、以下の式が成り立つ。
(P1+P2)×0.8≦P3
本実施形態によれば、ラックギヤ3において高い駆動力を出力することができる。この場合、ラックギヤ3の出力は、複数のギヤドモータ(すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2B)の出力の平均値に対して、1.3倍以上となる。すなわち、本実施形態の駆動装置1によれば、複数のギヤドモータ2A、2Bを組み合わせることで、1つのギヤドモータのみを用いる場合と比較して、上下方向の厚さを大型化することなく出力を高めることができる。
【0054】
なお、後述する調整工程を行うことにより、ラックギヤ3における駆動力をさらに高めることができる。より具体的には、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの出力の和に対してラックギヤ3の出力を90%以上とすることができる((P1+P2)×0.9≦P3)。この場合、ラックギヤ3の出力は、複数のギヤドモータ(すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2B)の出力の平均値に対して、1.8倍以上となる。
【0055】
ここで、モータ本体がステッピングモータである場合、複数のギヤドモータの出力の和に対するラックギヤ3の出力の比率は、モータ本体の駆動周波数によって変化する場合がある。そこで、本明細書では、モータ本体がステッピングモータである場合、複数のギヤドモータの出力の和に対するラックギヤ3の出力の比率の値は、モータ本体の駆動周波数を2400pps(パルス/秒)とした際の値で評価するものとする。
【0056】
<製造方法>
次に、駆動装置1の製造方法について説明する。
駆動装置1の製造方法は、組み付け工程と、調整工程と、固定工程と、を主に有する。以下、各工程について詳細に説明する。
【0057】
(組み付け工程)
組み付け工程は、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bと、ラックギヤ3と、アタッチメント40と、をそれぞれフレーム10に組み付ける工程である。
【0058】
組み付け工程において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bは、予め組み立てられている。すなわち、本実施形態の製造方法において、第1のモータ本体20Aのモータケース23と第1の遊星歯車機構30Aのギヤハウジング39は、互いに固定されている。また、第1の遊星歯車機構30Aの出力部36cには、第1のピニオンギヤ5Aが固定される。同様に、第2のモータ本体20Bのモータケース23と第2の遊星歯車機構30Bのギヤハウジング39は、互いに固定されている。第2の遊星歯車機構30Bの出力部36cには、第2のピニオンギヤ5Bが固定される。
【0059】
本実施形態の組み付け工程において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bは、フレーム10に組み付けられるものの、フレーム10に固定されない。一方で、組み付け工程において、アタッチメント40は、フレーム10に固定されることが好ましい。アタッチメント40は、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bを囲む。このため、アタッチメント40がフレーム10に固定されることで、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bがフレームから離脱することを抑制でき、後工程のハンドリングの容易性を高め易い。
【0060】
(調整工程)
調整工程は、フレーム10に対する第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの組み付け位置を調整する工程である。
【0061】
調整工程は、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bを駆動させ、一方で、調整するギヤドモータ(例えば、第2のギヤドモータ2B)のみをフレーム10に対して移動させる移動手順を有する。調整工程は、これにより、ラックギヤ3の出力が最も大きくなる位置を見つける工程である。
【0062】
本実施形態の調整工程では、第1のギヤドモータ2Aをフレーム10に固定した後に、第2のギヤドモータ2Bをフレーム10に対して移動して位置を調整する。これにより、第1のギヤドモータ2Aのトルクリップルの位相に対して、第2のギヤドモータ2Bのトルクリップルの位相を最適化する。
【0063】
なお、第2のギヤドモータ2Bをフレーム10に固定した後に、第1のギヤドモータ2Aをフレームに対して移動して位置を調整してもよい。また、3以上のギヤドモータを有する駆動装置においては、移動させるギヤドモータを順次変更していき、それぞれのギヤドモータに対して最適な位置を決めればよい。
【0064】
本実施形態の調整工程では、まず、第1のギヤドモータ2Aのギヤハウジング39を、レーザ溶接などの固定手段によってフレーム10に固定する。本実施形態では、第1のギヤドモータ2Aは、フレーム10に完全に固定される。しかしながら、調整工程における第1のギヤドモータ2Aのフレーム10への固定は、位置ずれを制限するような仮固定であってもよい。この場合、調整工程の後の固定工程において、第2のギヤドモータ2Bとともに、第1のギヤドモータ2Aをフレーム10に完全に固定する。
【0065】
移動手順では、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bを駆動させながら、第2のギヤドモータ2Bの位置を変化させ、ラックギヤ3の駆動力が最も大きくなる第2のギヤドモータ2Bの位置を決定する。移動手順において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bには、同期されたパルス信号が入力される。このため、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bは、同方向に同速度で回転してラックギヤ3を移動させる。
【0066】
移動手順において、ラックギヤ3には、ラックギヤ3の駆動力を測定するための測定装置が取り付けられる。また、簡易的な測定をする場合には、測定装置に代えて、ラックギヤ3の駆動に反力を与える重量可変の錘を取り付けてもよい。この場合、錘の重量を徐々に増加又は減少させて持ち上げることができることができる最大の錘の重量をラックギヤ3の駆動力とする。
【0067】
図1に示すように、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bにおいて、ギヤハウジング39の外周面には、凹部(調整部)39pが設けられる。移動手順において、第2のギヤドモータ2Bの凹部39pには、調整治具9が挿入される。第2のギヤドモータ2Bは、調整治具9によって第2の中心軸線J2周りに回転させられる。
【0068】
移動手順において、第2のギヤドモータ2Bは、第2の中心軸線J2周りに所定の角度毎に移動させられる。さらに、駆動装置1は、それぞれの角度位置において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bを駆動させ、ラックギヤ3の駆動力が測定される。作業者は、第2のギヤドモータ2Bを所定の角度範囲内で複数回移動させ、それぞれの角度位置でラックギヤ3の駆動力の測定を行う。作業者は、それぞれの角度位置におけるラックギヤ3の駆動力の測定結果の内、最も駆動力が高い1つの角度位置を選んで、第2のギヤドモータ2Bの角度位置とする。
【0069】
(固定工程)
作業者は、次に、調整工程において調整された位置に基づき、第2のギヤドモータ2Bをフレーム10に固定する固定工程を行う。第2のギヤドモータ2Bの固定は、例えばレーザ溶接によって行われる。
【0070】
(製造方法の作用効果)
本実施形態によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bのうち一方の位置を保持し他方を移動させながら、ラックギヤ3の駆動力を実測する。これにより、第1のギヤドモータ2Aの第1のピニオンギヤ5Aと第2のギヤドモータ2Bの第2のピニオンギヤ5Bとの相対的な回転角を最適化させることができる。すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bのトルクリップルの位相差や、各ギヤの噛み合い状況を最適化させ、最も効率的なラックギヤ3の駆動を実現することができる。
【0071】
本実施形態の調整工程を含む組み立て方法を採用することで、駆動装置1は、ラックギヤ3における駆動力をさらに高めることができる。すなわち、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの出力の和に対してラックギヤ3の出力を90%以上とすることができる。
【0072】
本実施形態において、移動手順は、調整するギヤドモータ(本実施形態では第2のギヤドモータ2B)のみをフレーム10に対して中心軸線(本実施形態において第2の中心軸線J2)周りに回転移動させる手順である。このため、第2のギヤドモータ2Bの移動および位置調整が容易となる。
【0073】
なお、移動手順としては、調整するギヤドモータを中心軸線と直交する方向に平行移動させることが考えられる。より具体的には、例えば、第1のギヤドモータ2Aをフレーム10に固定し、さらに、第2のギヤドモータ2Bをラックギヤ3が延びる方向(すなわち、X軸方向)に移動する。これにより、ラックギヤ3の駆動力が最も大きくなる位置を見つける。このような移動手順を採用する場合においても、ラックギヤ3の駆動力を高めて効率の高いく駆動装置を構成できる。
【0074】
本実施形態によれば、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの外周面には、それぞれの第1および第2のギヤドモータ2A、2Bをそれぞれの中心軸線J1、J2周りに回転させるための凹部39pが設けられる。これにより、調整工程において第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの位置調整を容易とすることができる。
【0075】
なお、本実施形態での駆動装置1は、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの両方の外周面に、凹部39pが設けられる。このため、駆動装置1は、調整工程において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの何れが固定され、何れが調整されてもよい。しかしながら、複数のギヤドモータのうち少なくとも1つの外周面に凹部39pが設けられていれば、凹部39pが設けられたギヤドモータを調整してラックギヤ3の駆動力を高めることができる。
【0076】
また、本実施形態では、調整治具9によって挿入される調整部として、凹部39pを採用する場合について説明した。しかしながら、調整部の構成は、本実施形態に限定されない。調整部は、例えば、ギヤドモータの外周面に設けられる凸部であってもよい。
【0077】
本実施形態の組み付け工程では、それぞれのギヤドモータ20A、20Bにおいて、モータケース23とギヤハウジング39とが、予め互いに固定されている。しかしながら、組み付け工程において、モータケース23とギヤハウジング39とが互いに固定されていなくてもよい。この場合、調整工程において、調整するギヤドモータのモータケース23とギヤハウジング39とを相対的に回転させることで、ギヤドモータをフレーム10に対して移動させる。この場合であっても、ラックギヤ3の駆動力が最も大きくなる位置を見つけて、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの相対的な位置関係を調整できる。
【0078】
同様に、本実施形態の組み付け工程では、それぞれのギヤドモータ20A、20Bにおいて、遊星歯車機構30A、30Bの出力部36cとピニオンギヤ5A、5Bとが、互いに固定されている。しかしながら、組み付け工程において、出力部36cとピニオンギヤ5A、5Bとが互いに固定されていなくてもよい。この場合、調整工程において、調整するギヤドモータの出力部36cとピニオンギヤ5A、5Bとを相対的に回転させることで、ギヤドモータをフレーム10に対して移動させる。この場合であっても、ラックギヤ3の出力が最も大きくなる位置を見つけて、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの相対的な位置関係を調整できる。
【0079】
すなわち、移動手順における、「調整するギヤドモータのみをフレームに対して移動させる」とは、調整するギヤドモータ(例えば、第2のギヤドモータ2B)の一部をフレーム10に対して移動させる場合も含む。
【0080】
なお、駆動装置1の製造ラインにおいて、上述の調整工程は、全ての駆動装置1に対して行うことが最も好ましい。しかしながら、製造ロットと、調整角度との関連を明らかにして、製造ロットごとに調整工程を簡素化して行ってもよい。すなわち、製造ロットに対して特定の個数の駆動装置1だけ上述の調整工程を行い、調整角度の傾向を把握した後に、他の駆動装置1において把握した傾向に基づいて角度調整のみを行う製造ラインを採用してもよい。
【実施例0081】
次に、上記した調整工程を含む駆動装置1の製造方法の作用効果を検証する検証試験を実施した。
【0082】
ここでは、駆動装置1のサンプルとして、サンプルNo.1~No.5を用意した。駆動装置1のサンプルとしては、上述の実施形態と同様の構成を有する。以下に説明する各サンプルは、全て同じ構成を有し、サンプルごとの個体差のみを内包する。
【0083】
各サンプルの駆動装置1において、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの減速比は、118.31(すなわち、約120)である。また、各サンプルの駆動装置1において、第1および第2のモータ本体20A、20Bは、2相のステッピングモータであり、ステップ角はともに22.5°である。さらに、各サンプルの駆動装置1において、第1および第2のモータ本体20の動作電圧は、ともに5.0Vである。
【0084】
表1は、サンプルNo.1~No.5において、調整工程を行う前後のラックギヤ3の出力(駆動力)の変化を示す。なお、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの出力は、第1および第2のギヤドモータ2A、2Bを組み付け工程前にトルク測定し、当該トルクからラックギヤ3の駆動力を出力として算出した値の和である。また、調整前後のラックギヤ3の測定値は、ラックギヤ3に重量可変の錘を負荷として与え、駆動させることができた錘の重量から算出した。
【0085】
【0086】
表1の結果から、調整工程を行う製造方法を採用し、駆動装置1を製造することで、ラックギヤ3の出力の値を第1および第2のギヤドモータ2A、2Bの出力の和に対して90%以上とできることが確認された。
【0087】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0088】
例えば、駆動装置1は、第1および第2のギヤドモータ2A、2B以外のギヤドモータをさらに備え、ラックギヤ3の動力をさらに高めてもよい。また、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bによって駆動されるメインギヤは、ラックギヤ3に限らず、例えば他のピニオンギヤであってもよい。さらに、第1および第2のピニオンギヤ5A、5Bが他のピニオンギヤを介してラックギヤを駆動させてもよい。
1…駆動装置、3…ラックギヤ(メインギヤ)、5A、5B…ピニオンギヤ、10…フレーム、20A、20B…ギヤドモータ、30A、30B…遊星歯車機構、39p…凹部(調整部)、J1、J2…中心軸線