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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026607
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】制御機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20220203BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130163
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 芳利
(72)【発明者】
【氏名】藤江 聡明
【テーマコード(参考)】
5E322
5H040
【Fターム(参考)】
5E322AA03
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322CA05
5H040AA27
5H040AS22
5H040AY02
5H040CC05
5H040CC38
(57)【要約】
【課題】バッテリに熱が伝わり難くする。
【解決手段】制御機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置された回路基板と、前記筐体の内部において、前記回路基板と異なる位置に配置されており、電源装置からの電力によって充電され、前記回路基板に電力を供給するバッテリと、前記回路基板と前記バッテリとの間に設けられた隔壁と、を備え、前記回路基板と前記隔壁との間に間隔が空けられている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御機器であって、
筐体と、
前記筐体の内部に配置された回路基板と、
前記筐体の内部において、前記回路基板と異なる位置に配置されており、電源装置からの電力によって充電され、前記回路基板に電力を供給するバッテリと、
前記回路基板と前記バッテリとの間に設けられた隔壁と、
を備え、
前記回路基板と前記隔壁との間に間隔が空けられている、制御機器。
【請求項2】
請求項1に記載の制御機器であって、
前記バッテリは、前記筐体の側面に隣接して配置されている、制御機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の制御機器であって、
前記バッテリと前記筐体の外部とを連通する通気経路を備える、制御機器。
【請求項4】
請求項3に記載の制御機器であって、
前記通気経路は、前記筐体の内部と外部とを連通する貫通孔である、制御機器。
【請求項5】
請求項4に記載の制御機器であって、
前記筐体は、底板であって、表と裏に空間を有する底板を有し、
前記回路基板と前記電源装置と前記バッテリは、前記底板の表に配置され、
前記貫通孔は、前記底板に形成された開口を含む、制御機器。
【請求項6】
請求項5に記載の制御機器であって、
前記開口は、前記バッテリの鉛直上方に設けられている、制御機器。
【請求項7】
請求項6に記載の制御機器であって、
前記開口には、前記電源装置に電力を供給する電線が通過可能である、制御機器。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の制御機器であって、 前記開口と前記バッテリとの間に、前記隔壁の端部から前記開口に向かって延出し、前記回路基板からの熱を前記隔壁から前記開口まで誘導する誘導壁を備える、制御機器。
【請求項9】
請求項5から請求項8のうちのいずれか一項に記載の制御機器であって、
前記バッテリは、前記底板の側の少なくとも一部が、前記底板から離間している、制御機器。
【請求項10】
請求項4に記載の制御機器であって、
前記貫通孔は、前記筐体の側面及び下面に形成され、前記間隔と前記筐体の外部とを連通するスリットを含む、制御機器。
【請求項11】
請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載の制御機器であって、
前記バッテリは、前記筐体の側面及び前記隔壁から離間して配置されている、制御機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御機器に関する。
【背景技術】
【0002】
家屋の防犯、防災のためのセキュリティシステムが知られている。下記の特許文献1には、家屋の防犯、防災のためのセキュリティシステムに用いられるセキュリティ機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-185132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホームセキュリティシステムを構成する端末やセキュリティ機器は、セキュリティ上、常時通電が一般的であり、商用交流(以下AC電源という)で動作する。更に、セキュリティ機器は、AC電源の停電時に備えて、内部にバッテリを備え、AC電源の通電時にはバッテリを充電しておき、停電時には、バッテリを電源装置として監視などの動作を継続する。このように、セキュリティ機器のバッテリは、充電と放電のいずれかの状態で長期間に亘って使用状態におかれるから、使用温度範囲が定められているバッテリを、セキュリティ機器内に収納しておくにはかなりの制約を伴う。しかも、動作を保証する停電期間を長くしようとすれば、保証期間に見合ったバッテリ容量を確保することが求められるが、その一方で、セキュリティシステムを構成するセキュリティ機器等の小型化も要請されている。また、セキュリティ機器の基板で生じた熱がバッテリを劣化させる可能性もある。さらに、ファンを用いて、基板で生じた熱を冷却することも考えられるが、ファンの音により利用者に不快感を与えてしまう可能性もあるため、ファンを用いずに冷却することが望まれていた。なお、このような課題は、セキュリティ機器だけでなく、設備監視用機器や設備制御機器に当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、制御機器が提供される。この制御機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置された回路基板と、前記筐体の内部において、前記回路基板と異なる位置に配置されており、電源装置からの電力によって充電され、前記回路基板に電力を供給するバッテリと、前記回路基板と前記バッテリとの間に設けられた隔壁と、を備え、前記回路基板と前記隔壁との間に間隔が空けられている。この形態によれば、隔壁及び回路基板と隔壁との間に間隔により、回路基板で生じた熱がバッテリに伝わり難くできる。その結果、バッテリの熱による劣化を抑制し、バッテリの寿命を長くできる。
【0007】
(2)上記形態の制御機器において、前記バッテリは、前記筐体の側面に隣接して配置されていてもよい。この形態によれば、バッテリの熱を筐体の側面から放熱できる。
【0008】
(3)上記形態の制御機器において、前記バッテリと前記筐体の外部とを連通する通気経路を備えてもよい。この形態によれば、通気経路を通して熱を筐体の外部に排出するので、熱がバッテリに伝わり難くできる。
【0009】
(4)上記形態の制御機器において、前記通気経路は、前記筐体の内部と外部とを連通する貫通孔であってもよい。この形態によれば、貫通孔から筐体の外に熱を排出できるので、熱がバッテリに伝わり難くできる。
【0010】
(5)上記形態の制御機器において、前記筐体は、底板であって、表と裏に空間を有する底板を有し、前記回路基板と前記電源装置と前記バッテリは、前記底板の表に配置され、前記貫通孔は、前記底板に形成された開口を含んでもよい。この形態によれば、開口から熱を排出できる。
【0011】
(6)上記形態の制御機器において、前記開口は、前記バッテリの鉛直上方に設けられていてもよい。熱せられた空気は、上昇する。この形態によれば、バッテリの鉛直上方に開口が設けられているので、その開口から熱を排出できる。
【0012】
(7)上記形態の制御機器において、前記開口には、前記電源装置に電力を供給する電線が通過可能であってもよい。この形態によれば、排熱用の開口と、電線を通す開口を共通化できるので、省スペースとなる。
【0013】
(8)上記形態の制御機器において、前記筐体は、本体ケースと、蓋とを備え、前記蓋は、前記蓋が前記本体ケースに取り付けられたときに、前記開口と前記バッテリとの間に挿入されるリブを備えてもよい。この形態によれば、リブにより熱がバッテリに伝わり難くできる。
【0014】
(9)上記形態の制御機器において、前記バッテリは、前記底板の側の少なくとも一部が、前記底板から離間して配置されていてもよい、この形態によれば、底板からの熱を伝わり難くでき、隙間を断熱層として用いることができる。
【0015】
(10)上記形態の制御機器において、前記貫通孔は、前記筐体の側面及び下面に形成され、前記間隔と前記筐体の外部とを連通するスリットを含んでいてもよい。この形態によれば、筐体の外部からスリットを通して温度の低い空気を流入させることで、筐体内部の温度を下げることができる。
【0016】
(11)上記形態の制御機器において、前記バッテリは、前記筐体の側面及び前記隔壁から離間して配置されていてもよい。この形態によれば、筐体の側面や隔壁からバッテリへ熱が伝わり難くできる。
【0017】
なお、本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、制御機器の他、制御機器における放熱方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】セキュリティシステムが設置された家を示す説明図である。
図2】セキュリティ機器の正面図である。
図3】セキュリティ機器の右側面図である。
図4】セキュリティ機器の左側面図である。
図5】セキュリティ機器の上面図である。
図6】セキュリティ機器の下面図である。
図7】セキュリティ機器の背面図である。
図8】蓋を外した本体ケースの正面図である。
図9】本体ケースの斜視図である。
図10】蓋を裏面側から見た斜視図である。
図11】バッテリの収納構造を示す平面図である。
図12】バッテリの収納構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、セキュリティシステムが設置された家10を示す説明図である。この家10は、玄関20、LDK30、和室40、洋室50がある家である。玄関20には、扉22があり、LDK30、和室40、洋室50には、それぞれ窓32、42、52がある。セキュリティシステムは、セキュリティ機器100と、各種センサ102、103、104、105、106を備え、家10への侵入を検知する。具体的には、扉22、窓32、42、52には、それぞれ侵入センサ102、103、104、105が設置されている。洋室50には、カメラ106が設置されている。セキュリティ機器100は、玄関20とLDK30との間の壁60に設置されている。なお、セキュリティ機器100の設置場所については、家10の屋内の壁であれば、とくに制限はない。
【0020】
セキュリティ機器100が警戒状態のときに、扉22や窓32、42、52が開けられると、対応する侵入センサ102、103、104、105が検知し、セキュリティ機器100に対して、扉22や窓32、42、52が開けられた旨の検知情報を送信する。また、セキュリティ機器100が警戒状態のときに、カメラ106は、洋室50で動く物を検知した場合には、セキュリティ機器100に対して、動く物を検知した旨の検知情報を送信する。センサは、侵入センサ102~105やカメラ106に限られず、ガス漏れセンサ、火災センサを含んでいてもよい。
【0021】
図2から図7は、それぞれ、セキュリティ機器100の正面図、右側面図、左側面図、上面図、下面図、背面図を示す。セキュリティ機器100は、本体ケース110と、蓋180と、アンテナ190を備える。本体ケース110と蓋180とを合わせて、セキュリティ機器100の筐体を為している。本体ケースの上面110t、下面110b、左側面110l、右側面110rは、取付面である壁60と略垂直である。ここで、上、下、左、右は、正面から見たときの方向である。本体ケース110の右側面110rの鉛直上方の略半分、左側面110lの鉛直上方の略半分、及び下面110bの略中央には、それぞれスリット112r、112l、112bが形成されている。スリット112r、112l、112bは、本体ケース110の内部と外部とを連通する。本体ケース110の内部には、後述する回路基板、電源装置、バッテリが配置される。アンテナ190は、本体ケース110の右側面110rに配置されている。アンテナ190は、各種センサ102、103、104、105、106と通信を行い、検知情報を受信する。蓋180の下部の略中央には、スリット182と、開口184が形成されている。スリット182の奥側には、スピーカが設置されている。スピーカは、セキュリティ機器100が検知情報を受信したときに警報を発する。スリット182の右側の開口184の中には、停止ボタン143が配置されている。停止ボタン143は、スピーカの警報を停止する。本体ケース110の背面側には、取付面である壁60と略平行な底板120とバッテリ底板172が配置されている。バッテリ底板172には、バッテリが配置されている。底板120を挟んでその表と裏には、空間が形成され、底板120の表には、バッテリ以外の回路基板、電源装置が配置される。ここで表は、正面側、裏は背面側を意味する。バッテリ底板172は、鉛直上方に、スリット174を備え、底板120は、バッテリ底板172よりも鉛直上方に開口122、124を備える。
【0022】
図8は、蓋180を外した本体ケース110の正面図であり、図9は、本体ケース110の斜視図である。本体ケース110は、底板120と、隔壁130を備える。底板120は、壁60から数mmから10mm程度離間する上げ底構造を有する。本体ケース110の内部には、回路基板140、142、146、148と、AC電源装置150(以下「電源装置150」と呼ぶ。)とバッテリ170が収納されている。電源装置150は、回路基板140、142、146に電力を供給すると共に、バッテリ170の充電を行う。バッテリ170は、停電の発生していない非停電時では、電源装置150から充電される状態にあるが、停電が発生した停電時には、電源装置150に代わって回路基板140、142、146に電力を供給する。なお、バッテリ170は、常時充電と給電を行い、非停電時においても、回路基板140、142、146に電力を供給してもよい。
【0023】
回路基板140は、底板120上で、正面から見て右下の位置に配置されている。回路基板140には、通信回路が搭載されており、アンテナ190と接続されている。また、回路基板140は、電線176によりバッテリに接続されている。この電線176は、バッテリ170への電力の充放電に用いられる。電線176は、クリップ177により、底板120に係止されている。回路基板140の板上には、回路基板142、146が配置されている。回路基板142には、停止ボタン用マイクロスイッチ143s、CPU144を含む制御回路が配置されている。回路基板146は、本体ケース110の中央下部に配置され、回路基板146には、スピーカ160が配置されている。回路基板148は、底板120の上で、正面から見て左上の位置に配置されている。回路基板148は、電源回路を有しており、電源装置150と接続されている。電源装置150は、底板120の上で、回路基板140、142、146、148と異なる位置、具体的には、正面から見て右上の位置に配置されている。バッテリ170は、左側面110lに隣接し、底板120の上で、回路基板140、142、146、148、及び電源装置150と異なる位置、具体的には、正面から見て左下の位置に配置されている。ここで、バッテリ170が、左側面110lに隣接するとは、バッテリ170が左側面110lと接触し、あるいは、バッテリ170が左側面110lとわずかな隙間を空けて配置されていることを意味する。隙間は、後述するように、リブにより空けられていてもよい。
【0024】
隔壁130は、バッテリ170と回路基板140との間に、形成されている。隔壁130と回路基板140とは、数mmから10mm程度離間している。また、バッテリ170と回路基板148とは、30mmから40mm程度離間している。バッテリ170と回路基板148との間の底板120には、貫通孔としての開口122、124が開けられている。開口122、124のz方向の大きさは、20mから25mm程度である。隔壁130と回路基板140との間の空間は、開口122、124につながると共に、本体ケース110の下面のスリット112ともつながっている。なお、隔壁130と回路基板140との間は、離間していなくても良い。回路基板140上の電子部品と隔壁130とは、離間し、回路基板140上の電子部品と隔壁130との間に空間が形成される。
【0025】
回路基板140、142が発生させた熱は、図8の矢印に示すように、隔壁130により誘導され、開口122、124から排出される。
【0026】
図10は、蓋180を裏面側から見た斜視図である。なお、図10は、上下をひっくり返して蓋180を図示している。蓋180は、スリット182、開口184に加え、裏面に隔壁130の端部から開口122、124に向かって延出する、誘導壁であるリブ186を備える。リブ186は、蓋180を本体ケース110に取り付けたときに、開口122、124と、バッテリ170との間に挿入される。リブ186は、バッテリ170と回路基板148との間の空気の移動を遮蔽、誘導し、熱がバッテリ170に伝わり難くする。また、リブ186は、バッテリ170と回路基板148との間の空気の熱を開口122、124に誘導する。
【0027】
図11は、バッテリ170の収納構造を示す平面図である。図11では、蓋180のリブ186も図示している。バッテリ170と本体ケース110の左側面110lとの間にリブ114が設けられ、バッテリ170と隔壁130との間にリブ134が設けられている。リブ114は、バッテリ170と本体ケース110の左側面110lとの間に、隙間を形成し、リブ134は、バッテリ170と隔壁130との間に、隙間を形成する。その結果、隔壁130及び本体ケース110の左側面110lからバッテリ170に熱が伝わり難くできる。また、蓋180のリブ186は、開口122、124とバッテリ170との間に挿入されており、リブ186の左側面110l側は鉛直上方、すなわち、開口122に向けて折れ曲がっている。そのため、リブ186は、矢印に示すように、バッテリ170の熱をスリット112lに誘導し排熱できる。また、リブ186は、図11の矢印に示すように回路基板140、142からの熱をスリット122、124に誘導し排熱できる。なお、本実施形態では、蓋180にリブ186が設けられているが、本体ケース110側にあるいは、蓋180と本体ケース110の両側にリブ186が設けられていてもよい。なおリブ186は、蓋180あるいは本体ケース110と別部材とし、蓋180あるいは本体ケース110に固定される構造であってもよい。リブ186は、補強と排熱誘導の両方の機能を有していても良い。
【0028】
図12は、バッテリ170の収納構造を示す断面図である。バッテリ底板172のスリット174より鉛直下方側のバッテリ170側の面には、リブ178が形成されている。これにより、バッテリ170と底板120との間に空間を形成でき、空間を断熱層として断熱できる。スリット174は、矢印に示すように、バッテリ170と底板120との間の空気を底板120の裏側に誘導できる。
【0029】
セキュリティ機器100の動作中は、回路基板140、142、146、148上の回路部品が発熱する。その結果、特に、回路基板140、142、146、148上において、温度が高くなる。一方、バッテリ170は、充放電中でなければ、発熱しない。セキュリティ機器100が電源装置150の電力で動作している間は、バッテリ170は、ほぼ満充電であり、充放電されないので、発熱しない。隔壁130を形成する樹脂の熱伝導率は、0.数W・m/Kであり、金属に比べると、熱伝導率が低い。また、隔壁130は、回路基板140とバッテリ170の間の空気の移動を抑制するので、空気の対流による回路基板140からバッテリ170への熱の移動を抑制する。セキュリティ機器100は、このように、隔壁130を備えることで、バッテリ170への熱の移動を抑制できる。また、バッテリ170は、左側面110lに隣接しているため、バッテリ170に伝わった熱は、左側面110lから放熱できる。その結果、バッテリ170の熱により劣化を抑制し、バッテリ170の寿命を長くできる。
【0030】
本実施形態では、回路基板140と隔壁130との間に間隔が開けられている。この間隔には、空気があり、空気は、熱を断熱する断熱層として機能するので、隔壁130、及びバッテリ170への熱の移動を抑制できる。
【0031】
本実施形態では、上げ底構造の底板120の隔壁130の鉛直上方に開口122、124を備えており、回路基板140と隔壁130との間の間隔にたまった熱を、開口122、124から本体ケース110の外に排出できる。このとき、回路基板140と隔壁130との間の間隔及び、開口122、124は、熱を本体ケース110の外に排出する通気経路として機能する。また、開口122、124は、バッテリ170の鉛直上方にある。熱くなった空気は、軽いので、開口122、124、あるいは、左側面のスリット112から排出され、バッテリ170を加熱しない。さらに、空気が本体ケース110の外部から本体ケース110の下面110bのスリット112を通って熱せられていない空気が本体ケース110の内部に流れるので、回路基板140を冷却できる。本体ケース110の下面110bのスリット112から、本体ケース110の内部を通って、開口122、124あるいは、本体ケース110の左側面110lのスリット112に至る空気の流れを形成し、本体ケース110の内部を冷却できる。
【0032】
本実施形態において、開口122、124は、電源装置150に接続される電線が通過可能であってもよい。排熱用の開口と、通線用の開口とを強要できるので、省スペースとなる。
【0033】
本実施形態によれば、バッテリ170を収納する領域には、リブ115が設けられ、バッテリ170と、隔壁130及び本体ケース110の左側面110lとの間に、隙間が形成されている。そのため、隔壁130及び本体ケース110の左側面110lからバッテリ170に熱が伝わり難くできる。また、バッテリ170を収納する領域の底板120には、リブ125が設けられ、バッテリ170の鉛直上側が底板120から離間している。これにより、バッテリ170と底板120との間に断熱層を形成でき、断熱できる。また、リブ125の鉛直上方の底板スリット127から、バッテリ170と底板120との間の空気を底板120の裏側に誘導することで、バッテリ170の熱を排熱できる。
【0034】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…家、120…玄関、22…扉、30…LDK、32…窓、40…和室、42…窓、50…洋室、52…まど、60…壁、100…セキュリティ機器、102、103、104、105…侵入センサ、106…カメラ、110…本体ケース、110b…下面、110l…左側面、110r…右側面、110t…上面、112…スリット、112r…スリット、114…リブ、115…リブ、120…底板、122…開口、127…底板スリット、130…隔壁、134…リブ、140、142、146、148…回路基板、143…停止ボタン、143s…停止ボタン用マイクロスイッチ、144…CPU、150…AC電源装置(電源装置)、160…スピーカ、170…バッテリ、172…バッテリ底板、174…スリット、176…電線、177…クリップ、178…リブ、180…蓋、182…スリット、184…開口、186…リブ、190…アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12