(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026635
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ベースアセンブリ、車両用周辺視認装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/06 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
B60R1/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130199
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松原 智哉
(72)【発明者】
【氏名】射場 亮輔
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF20
3D053GG06
3D053HH08
3D053HH09
3D053JJ59
3D053JJ60
(57)【要約】
【課題】車体との間のシール性を確保することができるベースアセンブリ、車両用周辺視認装置を提供することにある。
【解決手段】この発明は、ベース4と、ガスケット5と、カバー6と、を備える。ベース4は、固定部40と、取付部41と、を有する。ガスケット5は、固定部40に取り付けられて、固定部40とドア10との間に介在される。カバー6は、固定部40の下部および取付部41の下部に取り付けられて、固定部40の下部および取付部41の下部を覆う。固定部40の縁部には、リブ7が、設けられている。リブ7は、下側リブ71を有する。固定部40には、上排水口80と下排水口81とが上下に設けられている。ガスケット5には、最終排水口82が設けられている。この結果、この発明は、ドア10との間のシール性を確保することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、ガスケットと、カバーと、を備えるベースアセンブリであって、
前記ベースは、車体に固定される固定部と、上部に視認アセンブリが取り付けられる取付部と、を有し、
前記ガスケットは、前記固定部に取り付けられて、前記固定部と前記車体との間に介在され、
前記カバーは、前記固定部の下部および前記取付部の下部に取り付けられて、前記固定部の下部および前記取付部の下部を覆い、
前記固定部には、前記ガスケットに当接して前記ガスケットを前記車体に当てて前記ガスケットと前記車体との間をシールするリブが、設けられていて、
前記固定部の下部、前記ガスケットの下部および前記カバーの下部には、相互に向き合う下縁部が、それぞれ、設けられていて、
前記リブは、少なくとも、前記固定部の前記下縁部に対応する下側リブを有し、
前記固定部のうち前記下側リブよりも上の箇所には、
前記ベース、前記ガスケットおよび前記カバーにより囲まれた第1空間中の水を前記固定部および前記ガスケットに囲まれた第2空間中に流下させる上排水口と、
前記第2空間中の水を前記ベース、前記ガスケットおよび前記カバーにより囲まれ、かつ、前記第1空間よりも下に位置する第3空間中に流下させる下排水口と、
が、上下に設けられていて、
前記ガスケットのうち前記下側リブよりも下の箇所には、前記第3空間中の水を前記車体の外側に流下させる最終排水口が、設けられている、
ことを特徴とするベースアセンブリ。
【請求項2】
前記ガスケットのうち前記第2空間を囲む部分は、前記上排水口から前記下排水口にかけて傾斜している、
ことを特徴とする請求項1に記載のベースアセンブリ。
【請求項3】
前記第3空間を囲む前記ベースと前記カバーとの間の幅は、前記下側リブを介して相互に向き合う前記ベースと前記ガスケットとの間の幅よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のベースアセンブリ。
【請求項4】
前記ガスケットの前記下縁部の先端には、前記車体に当接するリップ部が設けられていて、
前記リップ部には、前記最終排水口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項5】
前記ガスケットのうち前記リブにより前記車体に当たる部分には、介在部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のベースアセンブリ。
【請求項6】
車体に固定される前記の請求項1から5のいずれか1項に記載のベースアセンブリと、
前記ベースアセンブリに取り付けられている視認アセンブリと、
を備える、
ことを特徴とする車両用周辺視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用周辺視認装置を構成するベースアセンブリに関する。また、この発明は、ベースアセンブリを備える車両用周辺視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用周辺視認装置を構成するベースアセンブリ、または、ベースアセンブリを備える車両用周辺視認装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、特許文献1の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。
【0003】
特許文献1のドアミラーは、ドアミラー本体と、取付ステート、ステーパッキンと、を備える。取付ステーの周縁には、凸条部が形成されている。ステーパッキンの一面の周縁には、ステー装着部が形成されている。ステー装着部が取付ステーの周縁に外嵌されている。ステーパッキンの他面の周縁には、2つの屈曲部からなるリップ部が形成されている。リップ部が車体に弾性変形して密着する。これにより、ステーパッキンと車体との間のシール性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベースアセンブリ、車両用周辺視認装置においては、前記の特許文献1にも記載されているように、車体との間のシール性を確保することが重要である。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、車体との間のシール性を確保することができるベースアセンブリ、車両用周辺視認装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のベースアセンブリは、ベースと、ガスケットと、カバーと、を備えるベースアセンブリであって、ベースが、車体に固定される固定部と、上部に視認アセンブリが取り付けられる取付部と、を有し、ガスケットが、固定部に取り付けられて、固定部と車体との間に介在され、カバーが、固定部の下部および取付部の下部に取り付けられて、固定部の下部および取付部の下部を覆い、固定部には、ガスケットに当接してガスケットを車体に当ててガスケットと車体との間をシールするリブが、設けられていて、固定部の下部、ガスケットの下部およびカバーの下部には、相互に向き合う下縁部が、それぞれ、設けられていて、リブが、少なくとも、固定部の下縁部に対応する下側リブを有し、固定部のうち下側リブよりも上の箇所には、ベース、ガスケットおよびカバーにより囲まれた第1空間中の水を固定部およびガスケットに囲まれた第2空間中に流下させる上排水口と、第2空間中の水をベース、ガスケットおよびカバーにより囲まれ、かつ、第1空間よりも下に位置する第3空間中に流下させる下排水口と、が、上下に設けられていて、ガスケットのうち下側リブよりも下の箇所には、第3空間中の水を車体の外側に流下させる最終排水口が、設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
この発明のベースアセンブリにおいて、ガスケットのうち第2空間を囲む部分が、上排水口から下排水口にかけて傾斜している、ことが好ましい。
【0009】
この発明のベースアセンブリにおいて、第3空間を囲むベースとカバーとの間の幅が、下側リブを介して相互に向き合うベースとガスケットとの間の幅よりも大きい、ことが好ましい。
【0010】
この発明のベースアセンブリにおいて、ガスケットの下縁部の先端には、車体に当接するリップ部が設けられていて、リップ部には、最終排水口が設けられている、ことが好ましい。
【0011】
この発明のベースアセンブリにおいて、ガスケットのうちリブにより車体に当たる部分には、介在部材が設けられている、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用周辺視認装置は、車体に固定されるこの発明のベースアセンブリと、ベースアセンブリに取り付けられている視認アセンブリと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明のベースアセンブリ、車両用周辺視認装置は、車体との間のシール性を確保することができる
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、この発明にかかるベースアセンブリ、車両用周辺視認装置の実施形態を示す車両用アウトサイドミラー装置の平面図である。
【
図2】
図2は、車両用アウトサイドミラー装置を示す車体取付側の側面図(
図1におけるII矢視図)である。
【
図3】
図3は、ガスケットを取り除いた状態の車両用アウトサイドミラー装置を示す車体取付側の側面図(
図2に対応する側面図)である。
【
図4】
図4は、排水経路を示す一部拡大側面図(
図3に対応する一部拡大側面面図)である。
【
図5】
図5は、視認アセンブリを取り除いたベースアセンブリを示す底面図(
図2におけるV矢視図)である。
【
図6】
図6は、排水経路を示す一部拡大断面図(
図5におけるVI-VI線一部拡大断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明にかかるベースアセンブリ、車両用周辺視認装置の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面においては、概略図であるため、主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略し、また、ハッチングの一部を省略し、あるいは、断面の一部を省略する。
【0016】
この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用周辺視認装置を車両(図示せず)に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
図1から
図3、
図5において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。
【0017】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかるベースアセンブリ、車両用周辺視認装置の構成について説明する。
図1から
図3において、符号1は、この実施形態にかかる車両用周辺視認装置である。
【0018】
(車両用周辺視認装置1の説明)
車両用周辺視認装置1は、この例では、車両用アウトサイドミラー装置であって、車両用のドアミラー(以下、「ドアミラー1」と称する)である。ドアミラー1は、車両の左右のドア10(
図6中の二点鎖線を参照)にそれぞれ装備される。
【0019】
以下、右のドア10に装備されるドアミラー1について説明する。ここで、右のドア10に装備されるドアミラー1において、右側は、車両の外側となり、一方、左側は、車両の内側となる。なお、左のドアに装備されるドアミラーは、右のドア10に装備されるドアミラー1の構成とほぼ左右対称である。このために、左のドアに装備されるドアミラーの説明を省略する。
【0020】
ドアミラー1は、
図1から
図3に示すように、視認アセンブリ2と、ベースアセンブリ3と、を備える。ベースアセンブリ3は、ドア10のパネル(ドアパネル、車体パネル、車体のアウターパネル)に固定される。視認アセンブリ2は、ベースアセンブリ3に回転中心線C周りに回転可能に取り付けられている。
【0021】
(視認アセンブリ2の説明)
視認アセンブリ2は、
図1から
図3に示すように、ハウジング20と、視認ユニット21と、電動格納ユニット(図示せず)と、ハーネスHと、を有する。なお、視認アセンブリ2は、ハウジング20に車両用灯具としてのサイドターンシグナルランプを取り付ける場合がある。
【0022】
ハウジング20は、中空状の箱形形状をなしていて、正面側(車両の後側)が開口されている。
【0023】
視認ユニット21は、この例では、ミラーであって、ハウジング20の開口部に配置されている。視認ユニット21は、ハウジング20に駆動機構(パワーユニット)を介して取り付けられている。視認ユニット21の鏡面(ミラー面)は、駆動機構により、垂直軸周りに左右方向に、かつ、水平軸周りに上下方向に回転可能であり、鏡面調整可能である。ミラーには、曇り取り用のヒータや自動防眩用のEC層などが装備される場合がある。
【0024】
なお、視認ユニット21としては、この例のミラーの代わりに、カメラであっても良い。視認ユニットがカメラの場合、ハウジング20の上下方向の寸法が大幅に小さくなる。なお、カメラにより撮像された車両の周囲の情報は、画像処理装置など(図示せず)を介して、車両の室内の表示装置(図示せず)に表示される。
【0025】
電動格納ユニットは、視認アセンブリ2を使用位置(
図1から
図3に示す状態)と後方格納位置(図示せず)との間を電動により回転させるものである(
図1中の回転中心線C周りに時計方向の実線矢印を参照)。
【0026】
電動格納ユニットは、ケーシング、シャフト、モータ、スイッチ機構、減速機構およびクラッチ機構などから構成されている。ケーシング内に、シャフト、モータ、スイッチ機構、減速機構およびクラッチ機構などが、収容されている。ケーシングは、ハウジング20内に収容されていて、ハウジング20に取り付けられている。
【0027】
一方、シャフトが、ベースアセンブリ3に取り付けられている。これにより、視認アセンブリ2は、ベースアセンブリ3に回転可能に取り付けられる。なお、シャフトの軸部の中心線は、視認アセンブリ2の回転中心線Cである。
【0028】
ハーネスHは、電動格納ユニットや駆動ユニットの電気機器や電子部品に接続されている。ハーネスHは、視認アセンブリ2のハウジング20内からベースアセンブリ3を経て車両内の電子制御や電源(バッテリー)などに接続されている。
【0029】
(ベースアセンブリ3の説明)
ベースアセンブリ3は、
図2および
図5に示すように、ベース4と、ガスケット5と、カバー(ベースアンダーカバー)6と、を備える。ベースアセンブリ3は、ドア10に固定手段(図示せず)により固定される。なお、固定手段としては、スクリューなどの適宜な手段を使用する。
【0030】
(ベース4の説明)
ベース4は、この例では、ダイカストや高剛性の樹脂などから構成されている。ベース4は、
図2および
図3に示すように、固定部40と、取付部41と、を有する。
【0031】
固定部40と取付部41とは、一体に構成されている。すなわち、固定部40の下部と取付部41の左側端部とは、一体に連結されている。
【0032】
固定部40は、ほぼ鉛直方向に設けられている。固定部40は、ドア10側から見てほぼ直角三角形状をなす。固定部40は、ドア10に固定される。固定部40のドア10に向き合う面には、ドア10に位置決めして固定する位置決め凸部42や取付ボス部43が、一体に設けられている。また、固定部40には、視認アセンブリ2のハウジング20内のハーネスHを、ハウジング20の外側に引き出す透孔44が設けられている。
【0033】
図6に示すように、固定部40の下部には、下縁部45が、ほぼ鉛直方向に、一体に設けられている。固定部40の下縁部45よりも上の箇所には、ガスケット5を保持する保持部46が、一体に設けられている。保持部46は、ほぼ水平方向に設けられているが、カバー6側からガスケット5側にかけて下向きに傾斜している。
【0034】
固定部40の下縁部45と保持部46との間には、連結部47が、一体に設けられている。連結部47は、断面ほぼL字形状をなしていて、下縁部45と保持部46とを連結する。
【0035】
取付部41は、ほぼ水平方向に設けられている。取付部41の上部には、視認アセンブリ2の電動格納ユニットのシャフトが取り付けられている。
【0036】
(ガスケット5の説明)
ガスケット5は、この例では、PE(ポリエチレン)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、POM(ポリアセタール、アセタール樹脂)、TEO(熱可塑性エラストマー)などから構成されている。すなわち、ガスケット5は、樹脂系またはゴム系の柔らかい弾性部材から構成されている。
【0037】
ガスケット5は、
図2、
図5および
図6に示すように、ベース4の固定部40に取付手段(図示せず)により取り付けられて、固定部40とドア10との間に介在される。なお、組み付け手段は、嵌合手段や弾性嵌合手段などの適宜な手段を使用する。
【0038】
ガスケット5は、
図2に示すように、ベース4の固定部40と同様に、ドア10側から見て、固定部40よりも一回り大きいほぼ直角三角形状をなす。ガスケット5は、ベース4の固定部40全体を覆う。
【0039】
ガスケット5には、透孔50が設けられている。このガスケット5の透孔50は、ベース4の透孔44から引き出されたハーネスHを、ベースアセンブリ3の外側に引き出すものである。
【0040】
図6に示すように、ガスケット5の下部には、下縁部51が、ほぼ鉛直方向に、一体に設けられている。このガスケット5の下縁部51と固定部40の下縁部45とは、相互に向き合う。
【0041】
ガスケット5の下縁部51よりも上の箇所には、固定部40の保持部46により保持されている本体部52が、ほぼ鉛直方向に、設けられている。下縁部51と本体部52との間には、連結部53が、一体に設けられている。連結部53は、本体部52から下縁部51にかけて下向きに傾斜していて、下縁部51と本体部52とを連結する。
【0042】
ガスケット5の下縁部51よりも下の箇所、すなわち、ガスケット5の下縁部51の先端には、ドア10に当接するリップ部54が、一体に設けられている。リップ部54は、断面L字形状をなす。
【0043】
ガスケット5のうちリブ7によりドア10に当たる部分には、介在部材55が、設けられている。介在部材55は、テープ形状をなしていて、ガスケット5に接着されている。介在部材55は、緩衝材の緩衝機能と防水材の防水機能とを兼ね備えた部材であって、合成ゴムの発泡体からなる。
【0044】
(カバー6の説明)
カバー6は、この例では、金型成形された樹脂から構成されている。カバー6は、
図3から
図6に示すように、ベース4の固定部40の下部および取付部41の下部に取付手段(図示せず)により取り付けられて、固定部40の下部および取付部41の下部を覆う。なお、組み付け手段は、嵌合手段や弾性嵌合手段などの適宜な手段を使用する。
【0045】
図6に示すように、カバー6の下部には、下縁部60が、ほぼ鉛直方向に、一体に設けられている。このカバー6の下縁部60とガスケット5の下縁部51と固定部40の下縁部45とは、それぞれ、相互に向き合う。カバー6の下縁部60の一部分には、ガスケット5のリップ部54に当たる当凸部61が、リップ部54に向けて一体に突出して設けられている。
【0046】
(リブ7の説明)
図3、
図4および
図6に示すように、ベース4の固定部40のドア10に向き合う面の周縁部には、リブ7がガスケット5側に向けて突出して一体に設けられている。リブ7は、この例では、
図3に示すように、上部分70が切り欠かれている。なお、リブ7は、切欠部分70を設けずに、固定部40の全周縁部に一体に設けたものであっても良い。
【0047】
リブ7は、ガスケット5の縁部に当接してガスケット5の縁部をドア10に当ててガスケット5とドア10との間をシールする。リブ7は、ベース4の固定部40の下縁部45に対応する下側リブ71を有する。なお、リブ7は、少なくとも、下側リブ71を有するものであっても良い。
【0048】
(空間S1、S2、S3の説明)
ベースアセンブリ3内部、すなわち、ベース4、ガスケット5およびカバー6により囲まれた内部は、第1空間S1を形成する。また、ベース4の固定部40の保持部46、連結部47およびガスケット5の連結部53に囲まれた内部は、第2空間S2を形成する。さらに、ベース4、ガスケット5およびカバー6により囲まれ、かつ、第1空間S1よりも下に位置する内部は、第3空間S3を形成する。
【0049】
第1空間S1を囲む固定部40の保持部46は、上排水口80に向けて下向きに傾斜している。また、第2空間S2を囲むガスケット5の連結部53は、上排水口80から下排水口81にかけて、下向きに傾斜している。第3空間S3を囲むベース4の下縁部45、ガスケット5の下縁部51およびカバー6の下縁部60は、下排水口81から最終排水口82にかけて、下向きに垂下している。
【0050】
(排水口80、81、82の説明)
図2から
図6に示すように、ベース4の固定部40のうち下側リブ71よりも上の箇所には、上排水口80と下排水口81とが、上下に設けられている。また、ガスケット5のうち下側リブ71よりも下の箇所には、最終排水口82が、設けられている。
【0051】
上排水口80は、固定部40の保持部46のガスケット5に当たる先端部分(下り傾斜の先端部分)に設けられている。上排水口80は、第1空間S1中の水Wを、固定部40の保持部46の傾斜に沿って、第2空間S2中に流下させる。
【0052】
下排水口81は、固定部40の連結部47の保持部46に向き合っている水平部分に設けられている。下排水口81は、第2空間S2中の水Wを、ガスケット5の連結部53の傾斜に沿って、第3空間S3中に流下させる。
【0053】
最終排水口82は、ガスケット5のリップ部54の鉛直部分に設けられている。最終排水口82は、第3空間S3中の水Wを、ベース4の下縁部45、ガスケット5の下縁部51およびカバー6の下縁部60の鉛直方向に沿って、ドア10の外側に流下させる。
【0054】
このように、第1空間S1→上排水口80→第2空間S2→下排水口81→第3空間S3→最終排水口82は、視認アセンブリ2のハウジング20内の水Wをドア10の外側に排出する、経路(排水路)を、構成する。
【0055】
第3空間S3を囲むベース4の下縁部45とカバー6の下縁部60との間の幅T1は、下側リブ71を介して相互に向き合うベース4の下縁部45とガスケット5の下縁部51との間の幅(すなわち、下側リブ71の突出寸法)T2よりも大きい。なお、T3は、ベース4の下縁部45、ガスケット5の下縁部51、下側リブ71および介在部材55からなるシール構造物がドア10にシールしている状態時の幅である。
【0056】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その排水作用について説明する。
【0057】
まず、洗車水や雨水などの水Wは、視認アセンブリ2のハウジング20と視認ユニット21との間の隙間からハウジング20内に侵入する。ハウジング20内の水Wは、ハーネスHを伝わって、ベースアセンブリ3内、すなわち、ベース4、ガスケット5およびカバー6により囲まれた第1空間S1内に侵入する。
【0058】
また、洗車水や雨水などの水Wは、視認アセンブリ2のハウジング20とベースアセンブリ3のベース4との間の隙間から、ベースアセンブリ3内、すなわち、ベース4、ガスケット5およびカバー6により囲まれた第1空間S1内に侵入する。
【0059】
第1空間S1内に侵入した水Wは、第1空間S1→上排水口80→第2空間S2→下排水口81→第3空間S3→最終排水口82を経て、ドア10の外側に排出される。
【0060】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、以上のごとき構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0061】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、ベース4の固定部40のうち下側リブ71よりも上の箇所に上排水口80と下排水口81とを上下に設け、ガスケット5のうち下側リブ71よりも下の箇所に最終排水口82を設けたものである。これにより、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、下側リブ71に切欠を設けずに、ベースアセンブリ3内、すなわち、ベース4、ガスケット5およびカバー6により囲まれた第1空間S1内に侵入した水Wを、上排水口80、下排水口81および最終排水口82を経て、ドア10の外側に排出させることができる。この結果、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、下側リブ71に切欠を設ける必要が無いので、車体との間のシール性を確保することができる。
【0062】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、ベース4の固定部40のうち第1空間S1を囲む保持部46を、上排水口80に向けて下向きに傾斜させているので、第1空間S1内の水Wを、保持部46の傾斜に沿って、上排水口80に向けて、スムーズに流下させることができる。この結果、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、排水効率が良い。
【0063】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、ガスケット5のうち第2空間S2を囲む連結部53を、上排水口80から下排水口81にかけて下向きに傾斜させているので、第2空間S2内の水Wを、連結部53の傾斜に沿って、下排水口81に向けて、スムーズに流下させることができる。この結果、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、排水効率が良い。
【0064】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、第3空間S3を囲むベース4の下縁部45、ガスケット5の下縁部51およびカバー6の下縁部60を、下排水口81から最終排水口82にかけて、下向きに垂下させてなるものであるから、第3空間S3中の水Wを、ベース4の下縁部45、ガスケット5の下縁部51およびカバー6の下縁部60の鉛直方向に沿って、最終排水口82に向けて、スムーズに流下させることができる。この結果、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、排水効率が良い。
【0065】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、第3空間S3を囲むベース4の下縁部45とカバー6の下縁部60との間の幅T1を、下側リブ71を介して相互に向き合うベース4の下縁部45とガスケット5の下縁部51との間の幅T2よりも大きく設けたので、シール構造物のシール状態時の幅T3を小さくすることができ、しかも、排水路の第3空間S3の幅T1を広く確保することができる。この結果、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、シール構造物のシール面(ドア10の外面)までの幅T3を省スペース化することができると共に、排水効率を維持することができる。
【0066】
この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、ガスケット5の下縁部51の先端に、ドア10に当接するリップ部54を設けたものであるから、リップ部54により、ガスケット5の下縁部51とドア10とのシール性を確保することができる。
【0067】
しかも、この実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、リップ部54に最終排水口82を設けたものであるから、シール性を確保することができると共に、排水効率を維持することができる。
【0068】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態にかかるベースアセンブリ3、車両用周辺視認装置1は、視認アセンブリ2をベースアセンブリ3に、電動格納ユニットを介して、電動および手動で、回転中心線C周りに回転可能に取り付けられているものである。しかしながら、この発明においては、視認アセンブリ2をベースアセンブリ3に、電動格納ユニットを介さずに、手動で、回転中心線C周りに回転可能に取り付けられているものであっても良い。また、視認アセンブリ2をベースアセンブリ3に固定して、回転中心線C周りに回転しないものであっても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 ドアミラー(車両用周辺視認装置)
10 ドア
2 視認アセンブリ
20 ハウジング
21 視認ユニット
3 ベースアセンブリ
4 ベース
40 固定部
41 取付部
42 位置決め凸部
43 取付ボス部
44 透孔
45 下縁部
46 保持部
47 連結部
5 ガスケット
50 透孔
51 下縁部
52 本体部
53 連結部
54 リップ部
55 介在部材
6 カバー(ベースアンダーカバー)
60 下縁部
61 当部
7 リブ
70 切欠部分
71 下側リブ
80 上排水口
81 下排水口
82 最終排水口
B 後
C 回転中心線
D 下
F 前
H ハーネス
L 左
R 右
S1 第1空間
S2 第2空間
S3 第3空間
T1、T2、T3 幅
U 上
W 水