(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026664
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/25 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130235
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 忠
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064EA30
3E064HM03
3E064HN13
(57)【要約】
【課題】再封止が可能であり、かつ、開口部の幅が小さい場合であっても再封止後の開放が容易である包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋101は、出口部4を有する袋本体1と、再封止部2とを備える。再封止部2は、1対の壁面部3a,3bに挟まれるように配置されており、再封止部2は、第1チャック部21と、第1チャック部21に着脱可能な第2チャック部22と、1対のてこ部材41,42とを含む。第1チャック部21と第2チャック部22とが結合している状態では、出口部4は閉鎖されており、1対のてこ部材41,42の各々は、前端部45と、後端部46とを含む。1対のてこ部材41,42は、後端部46が押されたときには、支点部47を支点として前端部45同士が互いに離隔することによって第1チャック部21と第2チャック部22とを互いに離隔させて出口部4を開放するように配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を排出するための出口部を有する袋本体と、前記出口部を再封止するための再封止部とを備える包装袋であって、
前記袋本体は、互いに対向するように配置された1対の壁面部を含み、
前記再封止部は、前記1対の壁面部に挟まれるように配置されており、
前記再封止部は、
前記出口部から前記内容物が排出される方向に交差する方向に配置された第1チャック部と、
前記第1チャック部に対向して配置され、前記第1チャック部に着脱可能な第2チャック部と、
前記1対の壁面部にそれぞれ固定された1対のてこ部材とを含み、
前記第1チャック部と前記第2チャック部とが結合している状態では、前記出口部は閉鎖されており、
前記1対のてこ部材の各々は、
前記第1チャック部および前記第2チャック部の近傍まで延在するか、または、前記第1チャック部および前記第2チャック部を保持するかのいずれかである前端部と、
前記出口部から遠い側に配置された後端部とを含み、
前記1対のてこ部材の少なくとも一方は、前記後端部同士を近づける向きに前記後端部が押されたときに支点となる支点部を備え、
前記1対のてこ部材は、前記後端部同士を近づける向きに前記後端部が押されたときには、前記支点部を支点として前記前端部同士が互いに離隔することによって前記第1チャック部と前記第2チャック部とを互いに離隔させて前記出口部を開放するように配置されている、包装袋。
【請求項2】
前記支点部は、回転軸を備え、前記1対のてこ部材は、前記回転軸を介して互いに接続されている、請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記前端部は、前記第1チャック部および前記第2チャック部をそれぞれ保持し、前記前端部は、前記第1チャック部および前記第2チャック部よりもさらに前記内容物が出る側に向かって突出した突出部を備える、請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記前端部は、前記第1チャック部および前記第2チャック部と平行に、前記1対のてこ部材の少なくとも一方から他方に向かって突出し、当接面を有する凸部を備え、前記1対のてこ部材の各々は、前記当接面の投影領域内において前記1対の壁面部の各々に溶着されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関するものである。より特定的には、出口を再封止可能な包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
袋の開口部を再封止可能にするためには、開口部付近にファスナーを取り付けることが考えられる。特許第6456092号(特許文献1)には、ファスナーによって繰り返し開閉することを可能にした包装袋が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
袋がファスナーの嵌合によって閉鎖されている状態から、閉鎖を解除するためには、互いに嵌合しているファスナー片同士を引き離す向きに一定以上の力を加えることによって、嵌合を解除することが必要である。しかし、詰替えパウチのように開口部の幅が小さい場合には、嵌合が解除されるほどの力を限られた短い区間に集中して加えることは難しい。したがって、再封止可能にした構成を、詰替えパウチに応用することは難しかった。
【0005】
そこで、本発明は、再封止が可能であり、かつ、開口部の幅が小さい場合であっても再封止後の開放が容易である包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に基づく包装袋は、内容物を排出するための出口部を有する袋本体と、上記出口部を再封止するための再封止部とを備える。上記袋本体は、互いに対向するように配置された1対の壁面部を含む。上記再封止部は、上記1対の壁面部に挟まれるように配置されている。上記再封止部は、上記出口部から上記内容物が排出される方向に交差する方向に配置された第1チャック部と、上記第1チャック部に対向して配置され、上記第1チャック部に着脱可能な第2チャック部と、上記1対の壁面部にそれぞれ固定された1対のてこ部材とを含む。上記第1チャック部と上記第2チャック部とが結合している状態では、上記出口部は閉鎖されている。上記1対のてこ部材の各々は、上記第1チャック部および上記第2チャック部の近傍まで延在するか、または、上記第1チャック部および上記第2チャック部を保持するかのいずれかである前端部と、上記出口部から遠い側に配置された後端部とを含む。上記1対のてこ部材の少なくとも一方は、上記後端部同士を近づける向きに上記後端部が押されたときに支点となる支点部を備える。上記1対のてこ部材は、上記後端部同士を近づける向きに上記後端部が押されたときには、上記支点部を支点として上記前端部同士が互いに離隔することによって上記第1チャック部と上記第2チャック部とを互いに離隔させて上記出口部を開放するように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開口部の幅が小さい場合であっても、再封止および開放が可能な包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に基づく実施の形態1における包装袋の側面図である。
【
図2】本発明に基づく実施の形態1における包装袋の、内容物が入って未開封の状態での部分断面図である。
【
図3】本発明に基づく実施の形態1における包装袋の開封された直後の状態での部分断面図である。
【
図4】
図3における出口部およびその近傍の拡大図である。
【
図5】本発明に基づく実施の形態1における包装袋の出口部を開放した状態の断面図である。
【
図6】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の平面図である。
【
図7】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の正面図である。
【
図8】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の背面図である。
【
図9】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の側面図である。
【
図10】
図6におけるX-X線に関する矢視断面図である。
【
図11】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の分解図である。
【
図12】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の溶着される領域の説明図である。
【
図13】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部が壁面部に溶着される様子の説明図である。
【
図14】本発明に基づく実施の形態1における包装袋に備わる再封止部の後端部が押されて第1チャック部と第2チャック部とが結合を解除した状態の斜視図である。
【
図15】本発明に基づく実施の形態2における包装袋の開封された直後の状態での部分断面図である。
【
図16】本発明に基づく実施の形態2における包装袋の出口部を開放した状態の断面図である。
【
図17】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の正面図である。
【
図18】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の平面図である。
【
図19】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の背面図である。
【
図20】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の側面図である。
【
図21】
図18におけるXXI-XXI線に関する矢視断面図である。
【
図22】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の分解図である。
【
図23】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の溶着される領域の説明図である。
【
図24】本発明に基づく実施の形態2における包装袋に備わる再封止部の後端部が押されて第1チャック部と第2チャック部とが結合を解除した状態の斜視図である。
【
図25】本発明に基づく実施の形態3における包装袋の出口部を開放した状態の断面図である。
【
図26】本発明に基づく実施の形態3における包装袋の出口部を開放した状態の断面図である。
【
図27】本発明に基づく実施の形態3における包装袋に備わる再封止部の分解図である。
【
図28】本発明に基づく実施の形態3における包装袋に備わる再封止部の第1の部品の平面図である。
【
図29】本発明に基づく実施の形態3における包装袋に備わる再封止部の第2の部品の平面図である。
【
図30】本発明に基づく実施の形態3における包装袋に備わる再封止部の組立作業の説明図である。
【
図31】本発明に基づく実施の形態3における包装袋に備わる再封止部の側面図である。
【
図32】本発明に基づく実施の形態4における包装袋に備わる再封止部の平面図である。
【
図33】本発明に基づく実施の形態4における包装袋に備わる再封止部の側面図である。
【
図34】
図32におけるXXXIV-XXXIV線に関する矢視断面図である。
【
図35】本発明に基づく実施の形態4における包装袋に備わる再封止部の分解図である。
【
図36】本発明に基づく実施の形態4における包装袋に備わる再封止部が壁面部に溶着される様子の説明図である。
【
図37】本発明に基づく実施の形態4における包装袋の開封された直後の状態での部分断面図である。
【
図38】本発明に基づく実施の形態4における包装袋の出口部を開放した状態の断面図である。
【
図39】本発明に基づく実施の形態5における包装袋の側面図である。
【
図40】本発明に基づく実施の形態5における包装袋に備わる1対のてこ部材を組み合わせた状態の斜視図である。
【
図41】本発明に基づく実施の形態5における包装袋に備わる1対のてこ部材を組み合わせた状態の側面図である。
【
図42】本発明に基づく実施の形態5における包装袋の再封止部およびその近傍の斜視図である。
【
図43】本発明に基づく包装袋の製造方法の第1の説明図である。
【
図44】本発明に基づく包装袋の製造方法の第2の説明図である。
【
図45】本発明に基づく包装袋を製袋機によって製造する様子の第1の説明図である。
【
図46】本発明に基づく包装袋を製袋機によって製造する様子の第2の説明図である。
【
図47】本発明に基づく包装袋を製袋機によって製造する様子の第3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面において示す寸法比は、必ずしも忠実に現実のとおりを表しているとは限らず、説明の便宜のために寸法比を誇張して示している場合がある。以下の説明において、上または下の概念に言及する際には、絶対的な上または下を意味するとは限らず、図示された姿勢の中での相対的な上または下を意味する場合がある。
【0010】
(実施の形態1)
(構成)
図1~
図14を参照して、本発明に基づく実施の形態1における包装袋について説明する。本実施の形態における包装袋101の外観を
図1に示す。ただし、
図1に示したものは、内容物を入れる前の状態の包装袋101である。したがって、
図1では、上端の辺7がまだ溶着されていない。実際には、辺7の開口部から内容物を入れた後に辺7を溶着することによって内容物を封止する。
【0011】
内容物が入って未開封の状態の包装袋101の上部の断面図を
図2に示す。包装袋101は袋本体1を備え、袋本体1は出口部4を有する。包装袋101は、袋本体1の内部に収納された状態で再封止部2を備える。
【0012】
袋本体1は、透明なものとして形成されていても、不透明なものとして形成されていてもよい。
【0013】
袋本体1を透明なものとする場合、袋本体1は、たとえば、合成樹脂製フィルムなどの積層フィルムからなるものであってもよい。袋本体1は、たとえば、基材層、中間層、最内層の積層体であってもよい。基材層は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどの二軸延伸フィルムなどからなるものであってよい。中間層は、ガスバリア、補強などの目的で、必要に応じて積層されるものであってよい。中間層は、たとえばアルミニウム箔、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムなどの単層または複数層からなるものであってよい。中間層は、ない場合もありうる。最内層は、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどの厚さ40μmから200μmのヒートシール性樹脂からなるものであってよい。
【0014】
袋本体1を不透明なものとする場合、袋本体1は、アルミニウム箔で形成されてもよい。袋本体1は、透明な材料に、金属蒸着、印刷などを施すことにより、不透明なものとして作製されてもよい。
【0015】
以下では、袋本体1は、透明なものとして形成されているものとして、説明を続ける。袋本体1は透明であるので、袋本体1の内側に配置されたものが透けて見えている。
【0016】
包装袋101を初めて開封する際には、
図1に一点鎖線で示される切り取り線に沿って先端部6を切り離す。この状態の断面図を
図3に示す。
図3における出口部4およびその近傍の拡大図を
図4に示す。この状態では、まだ再封止部2が閉鎖されている。さらに
図5に矢印90で示すように、再封止部2の後端部を押し挟むことによって、再封止部2は開放され、出口部4は開放される。この状態になれば、内容物5は、矢印91に示すように包装袋101から出て行くことが可能となる。
【0017】
包装袋101は、内容物5を排出するための出口部4を有する袋本体1と、出口部4を再封止するための再封止部2とを備える。袋本体1は、互いに対向するように配置された1対の壁面部3a,3bを含む。再封止部2は、1対の壁面部3a,3bに挟まれるように配置されている。再封止部2は、出口部4から内容物5が排出される方向に交差する方向に配置された第1チャック部21と、第1チャック部21に対向して配置され、第1チャック部21に着脱可能な第2チャック部22と、1対の壁面部3a,3bにそれぞれ固定された1対のてこ部材41,42とを含む。再封止部2は、たとえば合成樹脂成型品であってよい。再封止部2は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などにより形成されたものであってよい。
【0018】
第1チャック部21および第2チャック部22は、たとえばチャック帯である。これは、「ファスナー」とも呼ばれる。
図2~
図4に示すように、第1チャック部21と第2チャック部22とが結合している状態では、出口部4は閉鎖されている。
図5に示すように、出口部4が開放されるためには、第1チャック部21と第2チャック部22との結合が解除されていることが必要である。
【0019】
なお、ここで示す例では、第1チャック部21が雄部材であり、第2チャック部22が雌部材である。ただし、これはあくまで一例であり、逆に第1チャック部が雌部材であり、第2チャック部が雄部材である構成も考えられる。また、第1チャック部および第2チャック部は、雄部材と雌部材との組合せに限らず、何らかの2つの部材の組合せによって結合および分離を繰り返すことができるものであればよい。以下では、第1チャック部21が雄部材であり、第2チャック部22が雌部材である例に基づいて、説明を続ける。
【0020】
第1チャック部21は、てこ部材41と同じ材料で形成されていてもよい。第1チャック部21は、てこ部材41と同じく、たとえばポリエチレン系樹脂などで形成されていてもよい。第1チャック部21は、てこ部材41と一体的に成型されたものであってもよい。雌部材である第2チャック部22は、てこ部材42と同じ材料で形成されていてもよいが、第2チャック部22は、第1チャック部21より軟らかく密着性の高い、異なる材料で形成されていることが好ましい。第2チャック部22とてこ部材42とは、二色成型によって一体的に成型されたものであってよい。
【0021】
再封止部2を単独で取り出したところを
図6に示す。1対のてこ部材41,42の各々は、第1チャック部21および第2チャック部22を保持する前端部45と、出口部4から遠い側に配置された後端部46とを含む。
図6では、再封止部2を示しているが、特に、手前にあるてこ部材41が見えている。
図6においては、てこ部材42は、てこ部材41の奥側に隠れているので、見えていない。再封止部2を、
図6における矢印88の向きから見たところを、
図7に示す。再封止部2を、
図6における矢印89の向きから見たところを、
図8に示す。
図7および
図8に示すように、前端部45は、両端にくちばし状部43を備える。くちばし状部43は前端部45の一部である。くちばし状部43は、端に向かうにつれて薄くなっている。てこ部材41は、てこ部材42に向かって張り出すように1枚の板部48を備える。てこ部材42は、てこ部材41に向かって張り出すように2枚の板部49を備える。2枚の板部49の間の隙間の幅は、板部48の厚みとほぼ等しい。1枚の板部48は、2枚の板部49の間に挟まれるように位置している。
【0022】
再封止部2を、
図6における右側から見たところを
図9に示す。てこ部材41に設けられた板部48の一部は、てこ部材42に設けられた板部49と重なっている。板部48の頂点は、てこ部材42に当接しており、支点部47となっている。板部49の頂点は、てこ部材41に当接しており、支点部47となっている。
図6におけるX-X線に関する矢視断面図を、
図10に示す。再封止部2の分解図を
図11に示す。
【0023】
1対のてこ部材41,42の少なくとも一方は、後端部46同士を近づける向きに後端部46が押されたときに支点となる支点部47を備える。支点部47は厳密な固定された1つの点とは限らず、回転するにつれて位置が変化するものであってもよい。すなわち、一定の領域内で支点が徐々に変化するものであってもよい。この場合、このような領域の全体を支点部47とみなす。1対のてこ部材41,42は、後端部46同士を近づける向きに後端部46が押されたときには、支点部47を支点として前端部45同士が互いに離隔することによって第1チャック部21と第2チャック部22とを互いに離隔させて出口部4を開放するように配置されている。
【0024】
後端部46が正しく押されるためには、ユーザは、押すべき位置を認識できることが好ましい。袋本体1が透明である場合には、ユーザはてこ部材41,42を目視することができるので、後端部46の位置も把握することができる。袋本体1が不透明である場合、ユーザは、後端部46を直接目視することはできないが、その場合であっても、ユーザが押すべき位置を認識できるように、押すべき位置の目印となるような表示を袋本体1の表面に設けることが好ましい。また、その位置を押すことにより出口部4を開放できる旨を、袋本体1の表面に表示しておくことが好ましい。
【0025】
図5に示した状態から、
図3または
図4に示すように第1チャック部21と第2チャック部22とを結合させることによって、再閉鎖を行なうことができる。さらに再度開放すべき場合には、後端部46同士を近づける向きに後端部46を押せばよい。こうすることによって、
図5に示す状態となり、出口部4は再び開放される。その後は、必要に応じて閉鎖および開放を繰返すことができる。
【0026】
なお、ここでは、包装袋101が未開封の状態では、
図2に示すように、第1チャック部21と第2チャック部22とが結合しており、開封後、すなわち先端部6を切除した後で第1チャック部21と第2チャック部22との間の結合を解除する操作を加えて初めて出口部4が開放されるものとして説明したが、これはあくまで一例である。包装袋101が未開封の状態であっても、第1チャック部21と第2チャック部22との間の結合が解除されていてもよい。その場合には、先端部6を切除することによって包装袋101を開封した時点で、既に出口部4は開放されていることになる。その場合にも、再封止部2の第1チャック部21と第2チャック部22とを結合させることで出口部4を閉鎖することができ、さらに後端部46を押すことによって出口部4を開放することができる。すなわち、必要に応じて閉鎖および開放を繰返すことができる。
【0027】
図4に示したように、再封止部2は、シール用リブ26において、袋本体1に対して溶着されている。再封止部2を異なる向きから見ると、
図12に示すようになる。
図12において、溶着される領域はハッチングで示されている。線シール部62および端部シール部68が溶着される領域である。線シール部62はシール用リブ26に沿って溶着が行なわれる領域を意味する。端部シール部68は、前端部45の両端に設けられたくちばし状部43(
図6~
図8参照)において溶着される領域である。くちばし状部43は端に向かうにつれて薄くなっているので、端部シール部68はこの傾斜した面に沿って形成される。
【0028】
溶着の際には、
図13に示すように、壁面部3a,3bとてこ部材41,42とを、ヒートシールバー27によって挟み込んだ状態で、加熱および加圧が行なわれる。壁面部3a,3bが、複数層からなる場合は、壁面部3a,3bの最内層とてこ部材41,42とが当接した状態で、加熱および加圧が行なわれる。てこ部材41,42の前端部45に設けられた凸部23同士は当接する。シールバー27によって加わる力は、凸部23によって受け止められる。ここで示す例では、凸部23の断面形状がほぼ長方形となっていて、凸部23の先端は平坦となっているが、凸部23の先端は平坦とは限らず、丸みを帯びていてもよい。シールバー27によって加わる圧力は、凸部23によって受けられるので、第1チャック部21および第2チャック部22に過度の力が加わることは避けられる。シールバー27によって加わる圧力および熱によって、壁面部3aとてこ部材41のシール用リブ26とが溶着し、壁面部3bとてこ部材42のシール用リブ26とが溶着する。
【0029】
このとき、たとえば、てこ部材41がシール用リブ26を含めてポリエチレン系樹脂で形成されており、壁面部3a,3bの最内層が直鎖状低密度ポリエチレンで形成されているとすると、熱溶着性に優れているので、好ましい。
【0030】
また、くちばし状部43も壁面部3a,3bに対して熱溶着シールされて、端部シール部68を構成するので、再封止部2と壁面部3a,3bとの間から内容物5が漏れ出すことはない。
【0031】
ここで示した例では、シール用リブ26および凸部23が第1チャック部21および第2チャック部22よりも前側、すなわち、図中上側に位置しているが、これはあくまで一例である。シール用リブ26および凸部23が第1チャック部21および第2チャック部22よりも後ろ側、すなわち、図中下側に位置していてもよい。
【0032】
後端部46が押されて第1チャック部21と第2チャック部22とが結合を解除した状態の斜視図を
図14に示す。
図14では、第1チャック部21および第2チャック部22は図示省略されている。
図14では、袋本体1も図示省略されている。前端部45の中央は互いに離隔して開いている。前端部45の両端は、袋本体1に溶着されているので、くっついたままの状態となっている。
【0033】
(作用・効果)
本実施の形態における包装袋101では、1対の壁面部3a,3bに挟まれるように配置された再封止部2を備え、再封止部2は、第1チャック部21および第2チャック部22を備えるので、容易に再封止をすることができる。さらに、再封止部2は、てこ部材41,42を含むので、袋本体1の外からてこ部材41,42の後端部46を押し挟むことによって、容易に第1チャック部21および第2チャック部22の結合を解除して出口部4を開放することができる。てこ部材41,42を利用するので、ユーザによっては押しやすく、出口部4の開口部の幅が小さい場合であっても、第1チャック部21および第2チャック部22の結合を容易に解除することができる。したがって、本実施の形態によれば、再封止が可能であり、かつ、開口部の幅が小さい場合であっても再封止後の開放が容易な包装袋を提供することができる。
【0034】
本実施の形態で、
図4および
図13に示したように、前端部45は、第1チャック部21および第2チャック部22と平行に、1対のてこ部材41,42の少なくとも一方から他方に向かって突出し、当接面を有する凸部23を備え、1対のてこ部材41,42の各々は、前記当接面の投影領域内において1対の壁面部3a,3bの各々に溶着されていることが好ましい。この構成を採用することにより、溶着時に加わる圧力を凸部23で受け止めることができ、第1チャック部21および第2チャック部22が圧力によって破損することを防止することができる。ここでは、てこ部材41,42の各々に同じ高さの凸部23が設けられた例を示したが、これはあくまで一例である。てこ部材41,42のうち一方にのみ2倍の高さの凸部を設けておいて、他方には凸部を設けない構成であってもよい。
【0035】
(実施の形態2)
(構成)
図15~
図24を参照して、本発明に基づく実施の形態2における包装袋について説明する。本実施の形態における包装袋102を開封した直後の状態を
図15に示す。包装袋102の先端部6が切り離されている。この状態では、出口部4は、まだ開放されていない。てこ部材41,42は、シール部25において壁面部3a,3bにそれぞれ固定されている。1対のてこ部材41,42の後端部46が押されることによって、
図16に示すように、第1チャック部21と第2チャック部22との結合が解除されて、出口部4は開放される。再封止の際には、第1チャック部21と第2チャック部22とを互いに押し付けることによって結合し、
図15に示す状態に戻り、再封止がなされる。
【0036】
包装袋102においては、再封止部2が備える1対のてこ部材41,42は、実施の形態1で説明したものと異なる。
【0037】
図15に示すように、てこ部材41は板部48を備える。板部48の形状は、ほぼ三角形となっている。板部48の頂点が支点部47となっている。てこ部材42は、てこ部材41に向かって張り出す板部を備えておらず、平坦となっている。
【0038】
再封止部2を前方、すなわち、袋本体1の開口部から見たところを、
図17に示す。再封止部2の平面図を
図18に示す。てこ部材41に備わる板部48が破線で示されている。再封止部2を後方から見たところを、
図19に示す。再封止部2を側方から見たところを
図20に示す。
図18におけるXXI-XXI線に関する矢視断面図を
図21に示す。再封止部2の分解図を
図22に示す。本実施の形態における包装袋102のてこ部材42の溶着部を
図23に示す。
図23において、溶着部はハッチングで示されている。
【0039】
後端部46が押されて第1チャック部21と第2チャック部22とが結合を解除した状態の斜視図を
図24に示す。
図24では、第1チャック部21および第2チャック部22は図示省略されている。
図24では、袋本体1も図示省略されている。前端部45の中央は互いに離隔して開いている。前端部45の両端は、袋本体1に溶着されているので、くっついたままの状態となっている。
【0040】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。本実施の形態における包装袋102では、実施の形態1における包袋袋101に比べて再封止部2の構造をより単純にすることができる。また、てこ部材42に用いる材料の体積を減らすことができる。
【0041】
(実施の形態3)
(構成)
図25~
図31を参照して、本発明に基づく実施の形態3における包装袋について説明する。本実施の形態における包装袋103を開封した直後の状態を
図25に示す。包装袋102の先端部6が切り離されている。この状態では、出口部4は、まだ開放されていない。1対のてこ部材41,42の後端部46が押されることによって、
図26に示すように、第1チャック部21と第2チャック部22との結合が解除されて、出口部4は開放される。
【0042】
本実施の形態における包装袋103の基本的な構成は、実施の形態1で説明した包装袋101と共通するが、てこ部材41,42の構造が異なる。本実施の形態における包装袋に用いられるてこ部材41,42を分解したところを
図27に示す。てこ部材41を単独で取り出したところの平面図を
図28に示す。てこ部材42を単独で取り出したところの平面図を
図29に示す。てこ部材41,42が組み合わさる様子を断面図で示したところを
図30に示す。てこ部材41は、矢印92に示すようにてこ部材42に対して取り付けられる。てこ部材41,42を組み合わせた状態での側面図を
図31に示す。
【0043】
本実施の形態では、
図28に示すように、てこ部材41の板部48に凸部51が設けられている。凸部51は、板部48の表裏両面において板部48の厚み方向に一定の長さだけ突出している。凸部51は、回転軸となるためのものである。
図30に示すように、てこ部材42の2枚の板部49には、それぞれ貫通孔52が設けられている。凸部51の外径と貫通孔52の内径はほぼ等しい。矢印92に示されるように凸部51を貫通孔52に挿入する際には、板部49は弾性変形することによって凸部51および板部48を板部49同士の間に受け入れる。この挿入作業を容易にするために、
図29および
図30に示されるように板部49には、切欠き58を設けておくことが好ましい。
図29において示される切欠き58は、
図30において板部49の上端に示される切欠き58を表している。この切欠き58は、凸部51を誘導するための切欠きである。
【0044】
以上のように、本実施の形態における包装袋103においては、支点部は、回転軸を備え、1対のてこ部材41,42は、前記回転軸を介して互いに接続されている。
【0045】
(作用・効果)
本実施の形態では、てこ部材41に凸部51が設けられ、てこ部材42に貫通孔52が設けられているので、これらを組み合わせることによって、安定した回転軸を構成することができる。こうして、てこ部材41,42の開閉を容易に円滑に行なうことができる。
【0046】
(実施の形態4)
(構成)
図32~
図38を参照して、本発明に基づく実施の形態4における包装袋について説明する。本実施の形態における包装袋104は、実施の形態1で説明した包装袋101に比べて、基本的な構成は共通するが、てこ部材41,42の構造が異なる。本実施の形態における包装袋に備わる再封止部2を単独で取り出した状態での平面図を
図32に示す。再封止部2は、突出部54を備える。再封止部2の側面図を
図33に示す。
図32におけるXXXIV-XXXIV線に関する矢視断面図を
図34に示す。再封止部2を分解したところを
図35に示す。
【0047】
本実施の形態においては、てこ部材41,42の前端部45は、第1チャック部21および第2チャック部22をそれぞれ保持し、前端部45は、第1チャック部21および第2チャック部22よりもさらに内容物5が出る側に向かって突出した突出部54を備える。ここで示す例では、突出部54には開口部54eが設けられている。
【0048】
本実施の形態における包装袋の袋本体1と再封止部2との間の溶着の際の様子を
図36に示す。
【0049】
本実施の形態における包装袋104の出口部4が閉鎖されている状態を
図37に示す。包装袋104の出口部4が開放された状態を
図38に示す。
【0050】
(作用・効果)
本実施の形態では、てこ部材41,42の前端部45に突出部54が設けられているので、後端部46同士を互いに近づける向きに力が作用したときには、突出部54が壁面部3a,3bを大きく押し広げる形となり、出口部4を容易に大きく開放することができる。
【0051】
本実施の形態で示したように、突出部54に開口部54eを設けることによって、用いる材料の体積を減らすことができる。また、開口部54eを設けることによって、軽量化を図ることができる。
【0052】
(実施の形態5)
(構成)
図39~
図42を参照して、本発明に基づく実施の形態5における包装袋について説明する。本実施の形態における包装袋105の外観を
図39に示す。ただし、
図39に示したものは、内容物を入れる前の状態の包装袋105である。したがって、
図39では、上端の辺7がまだ溶着されていない。実際には、辺7の開口部から内容物を入れた後に辺7を溶着することによって内容物を封止する。
【0053】
包装袋105は、袋本体1と、袋本体1の内部に配置された再封止部2iとを備える。再封止部2iの一部である1対のてこ部材41,42を取り出したところを
図40に示す。再封止部2iは、てこ部材41,42と、第1チャック部21と、第2チャック部22とを含む全体であるので、
図40に示したものは、あくまで、再封止部2iの一部である。1対のてこ部材41,42を組み合わせた状態での側面図を
図41に示す。再封止部2iおよびその近傍の様子を
図42に示す。
【0054】
包装袋105は、内容物を排出するための出口部4を有する袋本体1と、出口部4を再封止するための再封止部2iとを備える。袋本体1は、互いに対向するように配置された1対の壁面部3a,3bを含む。再封止部2iは、1対の壁面部3a,3bに挟まれるように配置されている。再封止部2iは、出口部4から前記内容物が排出される方向に交差する方向に配置された第1チャック部21と、第1チャック部21に対向して配置され、第1チャック部21に着脱可能な第2チャック部22と、1対の壁面部3a,3bにそれぞれ固定された1対のてこ部材41,42とを含む。第1チャック部21と第2チャック部22とが結合している状態では、出口部4は閉鎖されている。1対のてこ部材41,42の各々は、第1チャック部21および第2チャック部22の近傍まで延在する前端部45iと、出口部4から遠い側に配置された後端部46とを含む。1対のてこ部材41,42の少なくとも一方は、後端部46同士を近づける向きに後端部46が押されたときに支点となる支点部47を備える。1対のてこ部材41,42は、後端部46同士を近づける向きに後端部46が押されたときには、支点部47を支点として前端部45i同士が互いに離隔することによって第1チャック部21と第2チャック部22とを互いに離隔させて出口部4を開放するように配置されている。
【0055】
本実施の形態では、第1チャック部21および第2チャック部22は、てこ部材41,42によって保持されているのではなく、てこ部材41,42に近接する位置に配置されている。てこ部材41,42の前端部45iは、第1チャック部21および第2チャック部22の近傍まで延在しているので、前端部45i同士を互いに遠ざけることによって、第1チャック部21および第2チャック部22を押し広げることができる。
【0056】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、第1チャック部21および第2チャック部22がてこ部材41,42によって保持されているのではなく、てこ部材41,42とは異なる位置に配置されているので、第1チャック部21および第2チャック部22の構造は従来と同様のものを採用することができる。てこ部材41,42は、第1チャック部21および第2チャック部22を保持する必要はないので、てこ部材41,42の体積を小さくすることができる。
【0057】
(製造方法1)
図43を参照して、本発明に基づく包装袋の製造方法について説明する。たとえば実施の形態4において説明した包装袋104を製造する場合を想定して説明する。包装袋104においては、てこ部材41,42は、第1チャック部21および第2チャック部22を備えている。第1チャック部21および第2チャック部22が正しく嵌合できるためには、これらの相対的な位置が正確に合っている必要がある。第1チャック部21および第2チャック部22は、てこ部材41,42に固定されているので、結局のところ、てこ部材41,42の相対的な位置決めを正確に行なう必要がある。
【0058】
そこで、包装袋の一部であるてこ部材41,42を組み立てるために、
図43に示すような方法が採用可能である。ここで示す例では、てこ部材41,42は突出部54を備え、突出部54には開口部54eが設けられている。この開口部54eを位置決めに利用することが可能である。すなわち、位置決めピン55を開口部54eに挿入することで、てこ部材41,42間の相対的な位置決めを行なうことができる。
図43においては、てこ部材41,42の形状は簡略化されて図示されている。実際には、てこ部材41は板部48を備え、てこ部材42は板部49を備えるが、
図43では、板部48,49は図示省略されている。ここで示したように、開口部54eおよび位置決めピン55を用いることで、てこ部材41,42の相対的な位置決めを容易に正確に行なうことができる。この状態で、矢印93,94に示すように、てこ部材41,42を組み合わせる。位置決めピン55によって相対的な位置は既に合っているので、第1チャック部21と第2チャック部22とが適正に結合することができる。
【0059】
(製造方法2)
図44を参照して、本発明に基づく包装袋の製造方法について説明する。たとえば実施の形態1において説明した包装袋101を製造する場合を想定して説明する。包装袋101においては、てこ部材41とてこ部材42とが、つながった状態で製造される。てこ部材41,42は、接続部56を介してつながった状態で一体的に成型される。てこ部材41には、第1チャック部21が取り付けられる。てこ部材42には、第2チャック部22が取り付けられる。このように、一体的に成型することとすれば、相対的な正確な位置関係を保ったままてこ部材41,42を組み立てることができる。一体的に成型されたてこ部材41,42は、接続部56に対して垂直に交差する直線57を以て、折り曲げられる。こうすることによって、第1チャック部21と第2チャック部22とを、容易に正しく嵌合させることができる。接続部56は後で切除される部分である。ここで示したように、てこ部材41,42がつながった状態で両者を一体的に成型することによって、てこ部材41,42の相対的な位置決め精度を容易に高めることができる。
【0060】
(製造方法3)
図45~
図47を参照して、本発明に基づく包装袋の製造方法について説明する。たとえば実施の形態1において説明した包装袋101を製造する場合を想定して説明する。ここでは、製袋機を用いて包装袋を製造することを前提として説明する。
図45に示すように、袋本体1の材料として、裏フィルム71、表フィルム72、および底マチフィルム73の3枚のフィルムが長尺状で供給される。これらは、製袋機において、矢印95の向きに進行する。
【0061】
図46に示すように、再封止部2が供給される。ここでは、再封止部2は、てこ部材41,42の内側の面に第1チャック部21および第2チャック部22が既に固定されたものである。たとえば
図43または
図44に示した方法により、再封止部2は、予め、てこ部材41,42、第1チャック部21および第2チャック部22が組み立てられたものであってもよい。ピックアップ装置60が、供給された再封止部2をピックアップし、矢印96の向きに回動することによって、この再封止部2を、裏フィルム71と表フィルム72との間に挿入する。
図46では、表フィルム72が透明であることにより、表フィルム72の向こう側に配置された再封止部2が見えている。再封止部2は、仮止め部61において仮止めされる。仮止めは、溶着によってされるものであってもよい。さらに、材料が矢印95の向きに進んだ後に、線シール部62において溶着が行なわれる。線シール部62における溶着は、表裏両面において行なわれる。すなわち、裏フィルム71と再封止部2との間で溶着が行なわれ、同時に、表フィルム72と再封止部2との間で溶着が行なわれる。線シール部62における溶着は、
図13に示したような方法で行なってもよい。なお、前記仮止めを行なうことなく、線シール部62における溶着を行なってもよい。さらに材料が矢印95の向きに進んだ場合の続きを、
図47に示す。
【0062】
袋底シール部63における溶着が行なわれる。次に、袋サイドシール部64a,64bにおける溶着が行なわれる。再封止部2の前端部45の両端、すなわち、くちばし状部43を壁面部3a,3bで挟み込み、端部溶着部65が形成される。これにより、てこ部材41,42のくちばし状部43の先端同士は隙間なく当接した状態となって溶着される。すなわち、くちばし状部43において第1チャック部21および第2チャック部22がない領域においては、てこ部材41,42の材料同士が直接溶着してよい。第1チャック部21および第2チャック部22が端まで、あるいは、端のきわめて近傍まで延在している場合には、第1チャック部21および第2チャック部22の端近傍の一部は熱溶着によって潰れてもよい。内容物5が漏れ出ないように溶着が行なわれる。
【0063】
さらに、材料が矢印95の向きに進行した後、不要部67を切り離し、直線66に沿って切断が行なわれる。こうして、包装袋101が単独で取り出される。
【0064】
(開放状態での固定)
ここまで各実施の形態においては、てこ部材41,42の後端部46をユーザが押し挟むことによって、第1チャック部21と第2チャック部22との閉鎖状態が解除されて、出口部4が開放される構成について説明してきたが、出口部4が開放された状態で固定することができる構成も考えられる。たとえば、再封止部2,2iの互いに当接する箇所に凹凸を設け、前端部45,45iが開いた状態で、これらの凹凸が嵌合して固定できる構成とすればよい。凹凸を複数箇所に設けて、前端部45,45iの開き具合を多段階で調整できるようにしてもよい。出口部4の開放状態を固定するためには、てこ部材41,42の一方にフック部を設け、他方に引っ掛けるようにしてもよい。フック部の掛合を解除することにより、再び閉鎖することも可能である。出口部4が開放された状態で固定することができれば、再封止部2,2iから手を離すことができるので、手を使って柔軟な袋本体1を支えやすくなる。再封止部2,2iを押さえ続けなくてもよくなることにより、両手が自由に使えることとなれば、粘性のある内容物を包装袋から絞り出して取り出すことも容易となる。
【0065】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
【0066】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0067】
1 袋本体、2,2i 再封止部、3a,3b 壁面部、4 出口部、5 内容物、6 先端部、7 辺、21 第1チャック部、22 第2チャック部、23 (当接面を有する)凸部、25 シール部、26 シール用リブ、27 シールバー、41,42 てこ部材、43 くちばし状部、45,45i 前端部、46 後端部、47 支点部、48,49 板部、51 (回転軸のための)凸部、52 (回転軸のための)貫通孔、54 突出部、54e (突出部に設けられた)開口部、55 位置決めピン、56 接続部、57 (折り返す基準となる)直線、58 切欠き、60 ピックアップ装置、61 仮止め部、62 線シール部、63 袋底シール部、64a,64b 袋サイドシール部、65 端部溶着部、66 直線、67 不要部、68 端部シール部、71 裏フィルム、72 表フィルム、73 底マチフィルム、88,89,90,92,93,94 矢印、91 (内容物が排出される向きを示す)矢印、95 (材料が進む向きを示す)矢印、96 (ピックアップ装置の回転を示す)矢印、101,102,103,104,105 包装袋。