(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026711
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】電力変換アダプタ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220203BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20220203BHJP
B60L 53/22 20190101ALI20220203BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/16
B60L53/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130304
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中田 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 定典
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA02
5G503BA01
5G503BB02
5G503CA11
5G503DA08
5G503DA17
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125CC06
5H125FF12
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】交流充電用のコネクタを備えていない車両でも、交流充電器による外部充電を可能とする。
【解決手段】電力変換アダプタ10は、交流充電用車両コネクタと互換性を有したコネクタ11と、直流充電用車両コネクタに連結可能なプラグ12と、コネクタ11とプラグ12との間に接続されたAC/DCコンバータ13と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流充電用車両コネクタと互換性を有したコネクタと、
直流充電用車両コネクタに連結可能なプラグと、
前記コネクタと前記プラグとの間に接続されたAC/DCコンバータと、
を備える電力変換アダプタ。
【請求項2】
前記AC/DCコンバータは、絶縁型である請求項1に記載の電力変換アダプタ。
【請求項3】
前記AC/DCコンバータは、力率制御機能を備える請求項1又は請求項2に記載の電力変換アダプタ。
【請求項4】
前記AC/DCコンバータは、双方向型である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電力変換アダプタ。
【請求項5】
前記プラグが連結された車両との通信機能を有しており、かつ前記AC/DCコンバータを制御する制御回路を備える請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電力変換アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の外部充電に使用する電力変換アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車のように、二次電池やコンデンサなどの充放電可能な蓄電装置を備えるとともに、車外の充電器から蓄電装置を充電することが可能な車両がある。なお、以下の説明では、車外の充電器からの蓄電装置の充電を外部充電と記載する。充電器には、交流電力を車両に供給する交流充電器と、直流電力を車両に供給する直流充電器と、が存在している。また、交流充電器、直流充電器のそれぞれにも、複数の規格が存在している。
【0003】
交流充電器による外部充電に対応した車両として、特許文献1~3に記載のものが知られている。これらの車両は、AC/DCコンバータを備えており、交流充電器から供給された交流電力を直流電力に変換して蓄電装置に充電している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-093891号公報
【特許文献2】特開2014-187762号公報
【特許文献3】国際公開第2011/080814号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充電器の充電プラグの形状は、充電規格により異なっている。そのため、直流充電器、交流充電器の双方に対応する車両には、充電プラグを連結する車両コネクタとして少なくとも、直流充電用、交流充電用の2種のコネクタを設ける必要がある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、交流充電用のコネクタを備えていない車両でも、交流充電器による外部充電を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する電力変換アダプタは、交流充電用車両コネクタと互換性を有したコネクタと、直流充電用車両コネクタに連結可能なプラグと、前記コネクタと前記プラグとの間に接続されたAC/DCコンバータと、を備える。
【0008】
上記電力変換アダプタのコネクタは交流充電器の充電プラグに、プラグは直流充電用の車両コネクタにそれぞれ連結可能である。こうした電力変換アダプタを介して交流充電器と車両とを連結すると、交流充電器が出力した交流電圧が直流電圧に変換されて車両に供給される。そのため、直流充電用の車両コネクタを通じて、交流充電器による車両の外部充電を行える。
【0009】
なお、上記電力変換アダプタにおけるAC/DCコンバータは、絶縁型としてもよい。こうした場合、車両の電力系と交流充電器とが絶縁分離される。
また、同AC/DCコンバータは、力率制御機能を備えるようにしてもよい。こうした場合、無効電力を低減できる。
【0010】
さらに、同AC/DCコンバータは、双方向型としてもよい。こうした場合、電力変換アダプタを通じた車両から外部への交流給電が可能となる。
加えて、上記電力変換アダプタは、上記プラグが連結された車両との通信機能を有しており、かつ上記AC/DCコンバータの動作を制御する制御回路を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、交流充電用のコネクタを備えていない車両でも、交流充電器による外部充電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】同電力変換アダプタを適用可能な車両の一例の電源装置の構成を示す図。
【
図4】同車両での交流充電器による外部充電の実施態様を示す図。
【
図5】第2実施形態の電力変換アダプタと、同電力変換アダプタが連結される車両コネクタの周辺部と、を併せ示す斜視図。
【
図6】同実施形態の電力変換アダプタの変形例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、電力変換アダプタの第1実施形態を、
図1~
図4を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の電力変換アダプタ10は、交流充電用の車両コネクタに互換性を有したコネクタ11と、直流充電用の車両コネクタに連結可能なプラグ12と、を備えている。本実施形態では、コネクタ11として、交流充電方法の規格の一つである「SAE J1772」規格に準拠したコネクタを採用している。また、本実施形態では、プラグ12として、直流急速充電方法の規格の一つである「CHAdeMO」規格に準拠したプラグを採用している。
【0014】
図2に、電力変換アダプタ10の電気回路構成を示す。電力変換アダプタ10は、双方向型のAC/DCコンバータ13をその内部に有している。AC/DCコンバータ13は、コネクタ11とプラグ12との間に接続されている。すなわち、コネクタ11は、AC/DCコンバータ13の交流電圧が入出力される端子に接続されており、プラグ12は、AC/DCコンバータ13の直流電圧が入出力される端子に接続されている。本実施形態の電力変換アダプタ10におけるAC/DCコンバータ13は、絶縁型であり、かつ力率制御機能を有している。
【0015】
また、電力変換アダプタ10は、AC/DCコンバータ13を制御する制御回路16をその内部に有している。制御回路16は、接続線16Aを通じて、コネクタ11に設けられた通信用の端子に接続されている。制御回路16は、また、接続線16Bを通じて、プラグ12に設けられた通信用の端子に接続されている。
【0016】
図3は、本実施形態の電力変換アダプタ10を用いて交流充電器により外部充電が可能な車両の電源装置の一例を示す。同図に示す車両の電源装置20は、充放電可能な蓄電装置21を備えている。蓄電装置21は、例えばリチウムイオン二次電池のような二次電池である。蓄電装置21は、インバータ22を介して走行モータ23に接続されている。
【0017】
また、電源装置20は、「CHAdeMO」規格に準拠した直流充電用の車両コネクタ24を備えている。上述のように本実施形態の電力変換アダプタ10のプラグ12は、「CHAdeMO」規格に準拠しているため、車両コネクタ24に連結可能である。車両コネクタ24は、直結ライン25を介して蓄電装置21に接続されている。直結ライン25には、第1リレー26が設置されている。第1リレー26は、外部からの電気信号により開閉される。第1リレー26は、例えば無接点リレーである。
【0018】
さらに、車両コネクタ24は、第2リレー27を介して高圧ライン28に接続されている。第2リレー27は、外部からの電気信号により開閉される。第2リレー27は、例えば無接点リレーである。
【0019】
高圧ライン28は、双方向DC/DCコンバータ29を介して蓄電装置21に接続されている。双方向DC/DCコンバータ29は絶縁型であり、外部から入力される駆動信号に応じて駆動されるスイッチング素子を複数有している。双方向DC/DCコンバータ29は、各スイッチング素子の開閉駆動を通じて、高圧ライン28と蓄電装置21との間の直流電力の伝達方向や、出力電圧・出力電流を制御する。
【0020】
一方、高圧ライン28には、DC/ACコンバータ30が接続されている。DC/ACコンバータ30は、高圧ライン28上の直流電圧を、商用電源と同じ電圧振幅と周波数を有する交流電圧に変換して、車内に設けられた交流電圧取り出し用のアウトレット31に出力する。
【0021】
さらに、高圧ライン28には、補機用DC/DCコンバータ32が接続されている。補機用DC/DCコンバータ32は、高圧ライン28上の直流電圧を降圧して、車両に設けられた各種の補機33に出力する。補機33には、例えばライトやワイパー、電動ポンプ、オーディオ類、計器類、低圧蓄電装置が含まれる。
【0022】
こうした電源装置20におけるインバータ22、双方向DC/DCコンバータ29、DC/ACコンバータ30、及び補機用DC/DCコンバータ32は、動作に伴う発熱が大きい。そのため、インバータ22、双方向DC/DCコンバータ29、DC/ACコンバータ30、及び補機用DC/DCコンバータ32はそれぞれ、図示しない冷却システムにより冷却されている。
【0023】
また、電源装置20は、制御回路34を備えている。制御回路34は、第1リレー26、第2リレー27、及び双方向DC/DCコンバータ29を制御する。制御回路34は、車内通信回線35を介して車両コネクタ24に接続されている。
【0024】
以上のように構成された車両の電源装置20の制御回路34は、車両コネクタ24を通じた外部充電、外部給電のいずれも行っていないときには、第1リレー26及び第2リレー27を共に開いた状態とする。また、上記電源装置20では、車両の走行中、インバータ22の駆動制御により、走行モータ23の力行/回生運転が行われる。走行モータ23の力行運転は、蓄電装置21の端子間直流電圧をインバータ22が交流電圧に変換して走行モータ23に供給することで行われる。また、走行モータ23の回生運転により発電された交流電圧は、インバータ22により直流電圧に変換されて蓄電装置21に充電される。
【0025】
さらに、車両の走行中に制御回路34は、蓄電装置21の端子間電圧を一定の直流電圧(高圧ライン電圧VB)に変換して高圧ライン28に出力するように双方向DC/DCコンバータ29を駆動する。高圧ライン電圧VBは、補機33の駆動電圧(本実施形態では12V)よりも高い電圧となっている。高圧ライン28上の高圧ライン電圧VBは、補機用DC/DCコンバータ32により降圧されて補機33に供給される。また、高圧ライン28上の高圧ライン電圧VBは、DC/ACコンバータ30により商用電源と同じ電圧振幅と周波数を有する交流電圧に変換されてアウトレット31に供給される。
【0026】
こうした電源装置20は、「CHAdeMO」規格に準拠した直流急速充電器による蓄電装置21の外部充電が可能である。直流急速充電器は、車両への出力電圧を調整するためのDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータを制御する制御回路と、を備えている。また、直流急速充電器の充電プラグには、同充電プラグが車両コネクタ24に連結された際に車内通信回線35に接続される通信用の端子が設けられており、制御回路はその通信用の端子に接続されている。これにより、直流急速充電器の充電プラグが車両コネクタ24に連結されると、直流急速充電器の制御回路と車両の電源装置20の制御回路34との間に通信が確立される。電源装置20の制御回路34は、制御回路との通信を通じて、直流急速充電器の給電方式を確認すると、第1リレー26を閉じる一方で、第2リレー27を開く。これにより、直結ライン25を介して蓄電装置21が車両コネクタ24に直結された状態で、直流急速充電器による外部充電が行われる。なお、こうした外部充電中に制御回路34は、蓄電装置21の充電状態に応じた出力電圧を直流急速充電器に指令する。この指令に応じて制御回路がDC/DCコンバータを駆動することで、外部充電中の直流急速充電器の出力電圧が調整される。
【0027】
さらに、上記車両の電源装置20は、本実施形態の電力変換アダプタ10を用いることで、交流充電器による蓄電装置21の外部充電が可能となる。
図4に、電力変換アダプタ10を用いた交流充電器50による外部充電の実施態様を示す。交流充電器50は、「SAE J1772」規格に対応した交流充電用の充電プラグ50Aを備えている。交流充電器50による蓄電装置21の外部充電に際して、本実施形態の電力変換アダプタ10は、充電プラグ50Aと車両コネクタ24との間に介設される。すなわち、電力変換アダプタ10のコネクタ11に充電プラグ50Aを連結するとともに、プラグ12を車両コネクタ24に連結する。
【0028】
このときには、電力変換アダプタ10の制御回路16と電源装置20の制御回路34との間に通信が確立される。電源装置20の制御回路34は、制御回路16との通信により、電力変換アダプタ10から車両への給電方式を確認すると、第1リレー26を開く一方で、第2リレー27を閉じる。これにより、高圧ライン28、双方向DC/DCコンバータ29を経由して車両コネクタ24と蓄電装置21とを繋ぐ通電経路が形成される。
【0029】
また、電力変換アダプタ10の制御回路16と交流充電器50の制御回路51との間にも通信が確立される。電力変換アダプタ10の制御回路16は、交流充電器50の制御回路51との通信により、準拠する規定に従い、充電プラグ50Aとコネクタ11との連結状態や交流充電器50の状況を確認する。
【0030】
電力変換アダプタ10のAC/DCコンバータ13は、交流充電器50から入力された交流電圧を高圧ライン電圧VBに変換するとともに、力率を制御して、車両コネクタ24に出力する。車両コネクタ24に入力された直流電力は、閉じられた第2リレー27を通って高圧ライン28に供給される。このときの蓄電装置21の充電は、双方向DC/DCコンバータ29を駆動して、高圧ライン28上の高圧ライン電圧VBを降圧して蓄電装置21に供給することで行われる。なお、制御回路34は、蓄電装置21の充電状況に応じて、蓄電装置21に対する双方向DC/DCコンバータ29の出力電圧を調整している。
【0031】
ちなみに、こうした交流充電器50による外部充電中の高圧ライン28には、高圧ライン電圧VBが供給されている。そのため、外部充電中もDC/ACコンバータ30や補機用DC/DCコンバータ32を駆動することで、アウトレット31や補機33への給電を継続できる。
【0032】
ところで、車両用の充電器の一種として、車両の充電機能に加えて、車両に蓄えた電力を家庭等に給電する機能を兼ね備えた、いわゆるV2H(Vehcle to Home)機器がある。本実施形態の電力変換アダプタ10を用いれば、「SAE J1772」規格に対応した交流充電用の充電プラグを備えるV2H機器と、「CHAdeMO」規格に対応した車両コネクタを備える車両と、の接続が可能となる。こうした場合、電力変換アダプタ10のAC/DCコンバータ13は、V2H機器による車両から家庭への給電時には、車両から出力された直流電圧を商用電源と同じ電圧振幅と周波数を有する交流電圧に変換してV2H機器に送るように駆動される。
【0033】
さらに、電力変換アダプタ10を用いて、家庭等の商用電源用のアウトレットからの給電により蓄電装置21を充電することも可能である。この場合には、商用電源用のアウトレットに連結可能なプラグと、交流充電用のプラグが両端にそれぞれ設けられたケーブルを用いる。そして、そのケーブルと電力変換アダプタ10とを介して、商用電源用のアウトレットと車両とを接続する。
【0034】
以上の本実施形態の電力変換アダプタ10によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の電力変換アダプタ10を用いることで、交流充電用のコネクタを備えていない車両でも、交流充電器による外部充電が可能となる。
【0035】
(2)電力変換アダプタ10のAC/DCコンバータ13が絶縁型であるため、交流充電器50と車両の電力系とを絶縁分離した状態で外部充電を行える。
(3)電力変換アダプタ10のAC/DCコンバータ13は、力率制御機能を備えているため、無効電力を低減できる。
【0036】
(4)AC/DCコンバータ13が双方向型であるため、車両から外部への交流電圧の供給が可能となる。
(5)プラグ12が連結された車両との通信機能を有した、AC/DCコンバータ13の制御回路16を備えている。そのため、本実施形態の電力変換アダプタ10に対応した車両であれば、同電力変換アダプタ10を用いての交流充電器50からの外部充電を自動的に実施できる。
【0037】
(6)車両に交流充電用の車両コネクタを設けずとも、交流充電器による蓄電装置21の外部充電が可能なため、車両の電源装置20の部品点数、及びコストを削減できる。
(第2実施形態)
次に、電力変換アダプタの第2実施形態を、
図5~
図7を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施形態にあって、上記実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0038】
図5には、本実施形態の電力変換アダプタ100、車体における電力変換アダプタ100の連結部分の斜視構造が示されている。本実施形態の電力変換アダプタ100は、外形状は異なるものの、基本的な構成は第1実施形態の電力変換アダプタ10と同じである。すなわち、電力変換アダプタ100は、交流充電用の車両コネクタに互換性を有したコネクタ11と、直流充電用の車両コネクタに連結可能なプラグ12と、を備えている
電力変換アダプタ100の電気回路の構成は、
図2に示した第1実施形態の電力変換アダプタ10のものと同様の構成となっている。すなわち、電力変換アダプタ100は、コネクタ11とプラグ12との間に接続されたAC/DCコンバータ13と、AC/DCコンバータ13を制御する制御回路16をその内部に有している。
【0039】
こうした本実施形態の電力変換アダプタ100に対応した車両の車体Cには、電力変換アダプタ100を嵌め込み可能な窪み120が設けられている。そして、その窪み120の奥部には、「CHAdeMO」規格に対応した車両コネクタ24が設置されている。
【0040】
同車両は、
図3に示したものと同様の電源装置20を備えている。なお、同車両における電源装置20の双方向DC/DCコンバータ29は、窪み120の形成箇所における車体Cの内側の部分に設置されている。
【0041】
以上のように構成された本実施形態の電力変換アダプタ100は、第1実施形態の電力変換アダプタ10と同様に機能する。なお、上述したように、双方向DC/DCコンバータ29は、冷却システムにより冷却されている。一方、電力変換アダプタ100は、車両に組付けられた際に双方向DC/DCコンバータ29の近傍に位置している。そのため、電力変換アダプタ100は、冷却システムにより、双方向DC/DCコンバータ29と共に冷却される。
【0042】
なお、電力変換アダプタ100に対応した車両は、
図6に示すようなコネクタ11の種別が異なる別タイプの電力変換アダプタ200にも対応している。電力変換アダプタ200は、「SAE J1772」規格に対応したコネクタの代わりに、直流充電、交流充電の双方に対応した充電方式の規格の一つである「COMBO」規格に対応したコネクタ211を備えている。一方、電力変換アダプタ200には、
図5に示した電力変換アダプタ100と同様の「CHAdeMO」規格に対応したプラグを備えている。「COMBO」規格に対応したコネクタ211は、交流充電用の端子部211Aと直流充電用の端子部211Bとを備えている。
【0043】
図7に示すように、コネクタ11の交流充電用の端子部211Aは、AC/DCコンバータ13を介してプラグ12に接続されている。一方、コネクタ11の直流充電用の端子部211Bは、プラグ12に直結されている。なお、電力変換アダプタ200は、車両との通信、及びAC/DCコンバータ13の制御を行う制御回路16を備えている。
【0044】
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
〇「SAE J1772」以外の交流充電方法の規格に準拠したコネクタ11を採用してもよい。
【0045】
〇「CHAdeMO」以外の直流充電方法の規格に準拠したプラグ12を採用してもよい。
〇電力変換アダプタ10、100、200に対応する車両の電源装置20の構成は、適宜に変更してもよい。例えば、双方向DC/DCコンバータ29を備えておらず、電力変換アダプタ10、100、200が車両コネクタ24に出力した直流電圧を蓄電装置21に直接供給するように電源装置20を構成してもよい。
【0046】
〇電源装置20において蓄電装置21と車両コネクタ24とが絶縁分離されている場合等には、非絶縁型のAC/DCコンバータ13を採用してもよい。
〇蓄電装置21から電力変換アダプタを通じて車外に交流電力の給電を行わない場合等には、単方向のAC/DCコンバータ13を採用してもよい。
【0047】
〇車両との通信機能を、制御回路34から割愛してもよい。また、AC/DCコンバータ13が外部制御に依らず受動的に動作するように構成されている場合等には、制御回路34を省略してもよい。
【符号の説明】
【0048】
10、100、200…電力変換アダプタ、11、211…コネクタ、12…プラグ、13…AC/DCコンバータ、16…制御回路。