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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026731
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】カーテンウォール
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
E04B2/96
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130330
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】野口 翔平
(72)【発明者】
【氏名】柏崎 永司
(72)【発明者】
【氏名】芦田 壮平
(72)【発明者】
【氏名】福山 圭輔
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB01
2E002PA01
2E002QA04
2E002QC00
2E002RB01
2E002XA08
(57)【要約】
【課題】カーテンウォールユニットに固定されたブラケットを方立に固定されたファスナーに容易に取り付け、ブラケットとファスナーの露出を抑制する。
【解決手段】カーテンウォールユニット3は、方立4の室外側で左右に隣接して配置されて、方立4に取り付けられる。ファスナー70は、方立4に固定され、方立4よりも室外側で、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置される。ブラケット80は、カーテンウォールユニット3の縦枠12、13に固定され、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置されて、ファスナー70に取り付けられる。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方立の室外側で左右に隣接して配置され、前記方立に取り付けられるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記方立に固定され、前記方立よりも室外側で、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されるファスナーと、
前記カーテンウォールユニットの縦枠に固定され、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されて、前記ファスナーに取り付けられるブラケットと、
を備えたカーテンウォール。
【請求項2】
請求項1に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記方立よりも室外側で、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されて、前記カーテンウォールユニットの上下方向の位置を調整する調整機構を備えたカーテンウォール。
【請求項3】
請求項2に記載されたカーテンウォールにおいて、
前記調整機構は、前記方立に固定されたボルト受け部と、前記カーテンウォールユニットの縦枠に連結され、前記ボルト受け部に載置された状態で前記カーテンウォールユニットを上下方向に移動する調整ボルトと、を有するカーテンウォール。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載されたカーテンウォールにおいて、
前記ファスナーは、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間で左右に突出して、前記ブラケットを係止する係止部を有し、
前記ブラケットは、前記係止部に引っ掛けられた状態で係止されて、前記ファスナーに連結する連結部を有するカーテンウォール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方立に取り付けられるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
方立式のカーテンウォールは、複数の方立と複数のカーテンウォールユニットを備えている。複数の方立は、左右方向に間隔をあけて、建物の壁部に設置される。カーテンウォールユニットは、方立の室外側に並べて配置されて、ブラケットとファスナーにより、方立に取り付けられる。また、従来、ユニット(カーテンウォールユニット)の縦材に固定した係止部材(ブラケット)を方立に固定した係止受部材(ファスナー)に係止して、ユニットを方立に取り付けるカーテンウォールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来のカーテンウォールでは、係止受部材が方立の凹部内に配置され、係止部材が方立の凹部内で係止受部材に係止される。方立により、係止受部材と係止部材が遮蔽されて、係止受部材と係止部材の室内側への露出が抑制される。ところが、係止受部材と係止部材が方立の凹部の内側に収容されるため、方立、係止受部材、及び、係止部材のそれぞれの形状が制限されることがある。また、係止部材を係止受部材に係止するときには、係止部材を方立及び係止受部材に当てずに凹部内に室外側から挿入し、係止部材を凹部内で係止受部材との係止位置に移動させる。そのため、従来のカーテンウォールでは、ユニット及び係止部材を慎重に移動させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4864919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、方立の室外側で、カーテンウォールユニットに固定されたブラケットを方立に固定されたファスナーに容易に取り付けるとともに、ブラケットとファスナーの露出を抑制して、カーテンウォールの意匠性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、方立の室外側で左右に隣接して配置され、前記方立に取り付けられるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記方立に固定され、前記方立よりも室外側で、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されるファスナーと、
前記カーテンウォールユニットの縦枠に固定され、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されて、前記ファスナーに取り付けられるブラケットと、
を備えたカーテンウォールである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、方立の室外側で、カーテンウォールユニットに固定されたブラケットを方立に固定されたファスナーに容易に取り付けられるとともに、ブラケットとファスナーの露出を抑制して、カーテンウォールの意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のカーテンウォールの正面図である。
図2】本実施形態のカーテンウォールの縦断面図である。
図3】本実施形態のカーテンウォールの横断面図である。
図4】本実施形態のカーテンウォールユニット、方立、及び、第1取付機構を示す横断面図である。
図5図4のX1-X1線で切断したカーテンウォールユニット、方立、及び、第1取付機構を示す縦断面図である。
図6】本実施形態の縦枠の係合部を係合するときの途中段階を示す横断面図である。
図7】本実施形態のカーテンウォールユニット、方立、及び、第2取付機構を示す横断面図である。
図8図7のX2-X2線で切断したカーテンウォールユニット、方立、及び、第2取付機構を示す縦断面図である。
図9図7のX3-X3線で切断したカーテンウォールユニットと第2取付機構を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のカーテンウォールの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のカーテンウォールは、方立式のカーテンウォールであり、複数のカーテンウォールユニットを備えている。カーテンウォール及びカーテンウォールユニットは、建物の壁部(外壁)に用いられて、建物の室内(屋内)と室外(屋外)の間に設置される。複数のカーテンウォールユニットは、互いに組み合わされて、建物の壁面を形成する。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール1の正面図であり、建物2の壁部2Aに設置されたカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット3を室外側からみて示している。図2は、本実施形態のカーテンウォール1の縦断面図であり、カーテンウォール1と建物2の一部を示している。図3は、本実施形態のカーテンウォール1の横断面図である。
図示のように、カーテンウォール1は、上下方向に延びる複数の方立4と、建物2の壁部2Aに並べて設置される複数のカーテンウォールユニット3を備えている。方立4がカーテンウォールユニット3の室内側に配置されて、カーテンウォールユニット3が方立4に取り付けられている。
【0011】
なお、建物2に設けたカーテンウォール1(カーテンウォールユニット3)を正面からみたときに(図1参照)、上下となる方向が上下方向であり、左右となる方向が左右方向である。図1では、上下方向は鉛直方向であり、左右方向は水平方向である。室内外方向S(図2図3参照)は、建物2に設けたカーテンウォール1における室内外方向(屋内外方向)である。このように、カーテンウォール1に関する方向は、建物2に設けた状態での方向で特定する。また、カーテンウォール1に関して室内側、室外側とは、建物2に設けた状態での室内側、室外側である。
【0012】
方立4は、カーテンウォール1の縦材であり、建物2の躯体に連結されている。複数の方立4は、左右方向に互いに間隔をあけて配置されて、建物2の壁部2Aに設置される。カーテンウォールユニット3は、カーテンウォール1を構成するパネルユニットであり、壁部2Aへの設置前に、予めユニットとして組み立てられる。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット3は、建物2の躯体の室外側に配置されて、建物2の壁部2Aの壁面を構成している。複数のカーテンウォールユニット3は、上下方向と左右方向に並べて配置されて、隣り合うカーテンウォールユニット3と互いに組み合わされている。
【0013】
カーテンウォールユニット3は、パネル体3Aと、パネル体3Aを囲む枠体5を備えている。パネル体3Aは、方形状のパネル状部材であり、枠体5の開口部5Aに配置されて、枠体5に保持されている。ここでは、パネル体3Aは、ガラスパネル体(例えば、複層ガラス)であり、枠体5に嵌め込まれて、枠体5に固定されている。枠体5は、方形状の開口枠であり、方立4に取り付けられている。また、枠体5は、互いに組み合わされた4つの枠10~13(上枠10、下枠11、一対の縦枠12、13)を有し、4つの枠10~13により、方形状の開口部5Aを形成している。
【0014】
枠体5の枠10~13は、枠体5を構成する枠材であり、例えば、押出成形により形成された形材からなる。上枠10と下枠11は、枠体5の上下の横枠であり、枠体5の上部と下部で左右方向(横方向)に沿って延びる。一対の縦枠12、13は、枠体5の左右の側部で上下方向(縦方向)に沿って延びる。上枠10、下枠11、及び、左右の縦枠12、13が枠組みされて、枠10~13の端部同士が接続されている。方立4は、縦枠12、13の室内側に配置されており、カーテンウォールユニット3は、左右方向に隣り合う2つの方立4の室外側に配置されている。一対の縦枠12、13は、それぞれ方立4の室外側に隣接して配置されて、方立4に沿って延びる。
【0015】
カーテンウォール1は、カーテンウォールユニット3を方立4に取り付ける取付機構6A、6B(第1取付機構6A、第2取付機構6B)(図1では、取付機構6A、6Bの位置を鎖線で示す)を備えている。取付機構6A、6Bは、枠体5の一対の縦枠12、13のそれぞれに連結されている。左右の方立4の室外側で、取付機構6A、6Bにより、一対の縦枠12、13のそれぞれが方立4に取り付けられて、枠体5及びカーテンウォールユニット3が2つの方立4に取り付けられている。また、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3は、互いの隣接する縦枠12、13の室内側に位置する共通の方立4の室外側に配置されて、共通の方立4に取り付けられている。
【0016】
第1取付機構6Aは、縦枠12、13の上下方向の上部に位置する上取付機構であり、第2取付機構6Bは、縦枠12、13の上下方向の中間部に位置する中間取付機構である。縦枠12、13の上部は、第1取付機構6Aにより方立4に取り付けられ、縦枠12、13の中間部は、第2取付機構6Bにより方立4に取り付けられている。縦枠12、13のそれぞれは、2つの取付機構6A、6Bにより1つの方立4に取り付けられ、枠体5及びカーテンウォールユニット3は、4つの取付機構6A、6Bにより、2つの方立4に取り付けられている。
【0017】
図4は、本実施形態のカーテンウォールユニット3、方立4、及び、第1取付機構6Aを示す横断面図であり、2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13側の部分を示している。また、図4では、上側からみた第1取付機構6Aを示している。図5は、図4のX1-X1線で切断したカーテンウォールユニット3、方立4、及び、第1取付機構6Aを示す縦断面図であり、左右方向の一方側からみた縦枠12、13の上部と第1取付機構6Aを示している。
【0018】
図示のように、2つのカーテンウォールユニット3は、方立4の室外側の位置で、互いに左右に隣接して配置されて、方立4に取り付けられている。また、2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13が取付機構6A、6B(図4図5では、第1取付機構6Aのみを示している)により1つの方立4に取り付けられている。2つのカーテンウォールユニット3が左右方向に隣接する箇所で、左右のカーテンウォールユニット3の縦枠12、13は、左右方向において対向して配置されている。
【0019】
方立4は、金属製のマリオン(例えば、鋼製のスチールマリオン)であり、方立4の長手方向(上下方向)に直交する断面形状は、矩形状に形成されている。また、方立4は、室外側に向けて配置された室外側面4Aと、左右方向の両側に位置する2つの見込み面4Bを有している。室外側面4Aは、方立4において最も室外側に位置する部分であり、凹凸のない平坦面に形成されて、左右方向に沿って配置されている。左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13は、方立4及び室外側面4Aよりも室外側に配置され、室内外方向Sにおいて方立4の室外側面4Aと対向している。左右の見込み面4Bは、方立4の左右の側方に向けて配置された側面部であり、室外側面4Aよりも室内側に位置して、方立4の見込み方向(室内外方向S)に沿って配置されている。
【0020】
縦枠12、13は、パネル体3Aを保持する保持部20、30と、保持部20、30の室内側に位置する室内側部21、31を有している。また、縦枠12、13は、室内側部21、31に形成された見込み部22、32、装着部23、33、室外側壁部24、34、係合部25、35、室内側壁部26、36、及び、収容部27、37を有している。装着部23、33には、取付機構6A、6Bの一部が装着され、収容部27、37には、取付機構6A、6Bの一部が収容される。室外側壁部24、34は、室内側部21、31の室外側の端部に位置するとともに、保持部20、30の一部(室内側の部分)でもある。
【0021】
保持部20、30は、縦枠12、13の室外側の部分(室外側部)であり、室内側部21、31の室外側に位置している。パネル体3Aの縦縁部が保持部20、30に装着されて、パネル体3Aが保持部20、30に保持されている。室内側部21、31は、縦枠12、13の室内側の部分であり、パネル体3Aよりも室内側に位置している。室内側部21、31は、パネル体3Aと方立4の間に位置しており、室内外方向Sにおいて、方立4の室外側面4Aと隣接して配置されている。左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3において、左右の保持部20、30は、左右方向に互いに対向し、左右の室内側部21、31は、左右方向に互いに対向している。
【0022】
見込み部22、32は、枠体5の開口部5Aを区画する板状部であり、パネル体3Aと方立4の間で、縦枠12、13の見込み方向(室内外方向S)に沿って配置されている。装着部23、33、室外側壁部24、34、係合部25、35、室内側壁部26、36、及び、収容部27、37は、縦枠12、13の見込み部22、32に対して枠体5の左右方向における外方側(枠体5の開口部5Aの反対側)に形成されている。また、装着部23、33、室外側壁部24、34、及び、室内側壁部26、36は、縦枠12、13の見込み部22、32から枠体5の左右方向における外方側に向かって突出している。枠体5の左右方向における外方側は、カーテンウォールユニット3の左右方向における外方側であり、枠体5の左右方向における内方側は、カーテンウォールユニット3の左右方向における内方側である。
【0023】
装着部23、33は、中空状の凸部であり、見込み部22、32の室内外方向Sにおける中間部に接続している。室外側壁部24、34は、装着部23、33の室外側(パネル体3A側)に形成されている。一対の縦枠12、13の係合部25、35のうち、一方の縦枠12の係合部25は、左右方向に突出する係合突部であり、他方の縦枠13の係合部35は、係合部25が挿入可能な係合凹部である。
【0024】
一方の縦枠12の係合部25は、突片である2つの係合片25A、25Bを有し、装着部23と室外側壁部24のそれぞれから他方の縦枠13の係合部35に向かって突出している。他方の縦枠13の係合部35は、溝状の凹部(係合溝)であり、溝壁である2つの係合壁35A、35Bを有している。係合部35の係合壁35A、35Bは、装着部33の室外側の壁部と室外側壁部34である。係合部35は、係合壁35A、35Bと見込み部32により溝状(凹状)に区画されて、枠体5の左右方向における外方側(係合部25側)に向かって開放されている。
【0025】
図6は、本実施形態の縦枠12、13の係合部25、35を係合するときの途中段階を示す横断面図である。
図示のように、縦枠12、13の係合部25、35を互いに係合するときには、カーテンウォールユニット3を左右方向に移動して、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13を左右方向において互いに接近させる。これにより、一方の縦枠12の係合部25(係合突部)が他方の縦枠13の係合部35(係合凹部)に挿入されて、係合部25、35が互いに係合する(図4参照)。
【0026】
係合部25、35の係合時には、係合部25の係合片25A、25Bが係合部35の係合壁35A、35Bの間に配置されて、室内外方向Sに対向する係合片25A、25Bと係合壁35A、35Bが係合する。室外側の係合壁35Aにはレインバリア38Aが取り付けられており、室外側の係合片25Aと係合壁35Aの間にレインバリア38Aが挟まれる。また、室内側の係合壁35Bにはウインドバリア38Bが取り付けられており、室内側の係合片25Bと係合壁35Bの間にウインドバリア38Bが挟まれる。
【0027】
係合片25A、25Bと係合壁35A、35Bにより、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の係合部25、35は、左右方向に移動可能に係合する。また、係合部25(係合片25A、25B)と係合部35(係合壁35A、35B)の係合により、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の室内外方向Sの移動が規制される。このように、係合部25、35は、カーテンウォールユニット3のインターロック部である。従って、カーテンウォールユニット3は、インターロック式のカーテンウォールユニットであり、係合部25、35により、左右に隣接する他のカーテンウォールユニット3と連結される。なお、上下に隣接する2つのカーテンウォールユニット3では、上枠10の係合部と下枠11の係合部が係合して、2つのカーテンウォールユニット3が互いに連結されている。
【0028】
室内側壁部26、36は、室内側部21、31及び縦枠12、13において最も室内側に位置する突片(室内側片)であり、見込み部22、32の室内側の端部に接続している。室内側壁部26、36の突出方向の先端部は、方立4の室外側面4Aの室外側に位置している。装着部23、33と室内側壁部26、36は、室内外方向Sに離隔して形成されて、室内外方向Sにおいて対向している。収容部27、37は、装着部23、33と室内側壁部26、36の間に形成された溝状の凹部(収容溝)であり、見込み部22、32、装着部23、33、及び、室内側壁部26、36により区画されている。また、収容部27、37は、室内側壁部26、36の室外側に形成されて、室内側壁部26、36により、室内側において閉鎖され、枠体5の左右方向における外方側に向かって開放されている。
【0029】
カーテンウォール1は、第1取付機構6Aに設けられた第1ファスナー40、第1ブラケット50、及び、調整機構60を備えている(図4図6参照)。第1ファスナー40は、縦枠12、13の上部に位置するファスナー(上ファスナー)であり、方立4(見込み面4B)に固定されている。第1ブラケット50は、縦枠12、13の上部に位置するブラケット(上ブラケット)であり、カーテンウォールユニット3の縦枠12、13のそれぞれに固定されている。第1取付機構6Aの調整機構60により、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置(高さ)が調整されて、第1取付機構6Aの第1ファスナー40と第1ブラケット50により、縦枠12、13の上部が方立4に取り付けられる。
【0030】
第1ファスナー40は、方立4に固定される固定部41と、第1ブラケット50が取り付けられる被取付部42を有し、方立4の左右方向の両側に設けられている。固定部41は、方立4の見込み面4Bに沿って配置されて、固定具であるボルト43により、方立4の見込み面4Bに固定されている。ボルト43は、固定部41を貫通して、方立4に形成されたネジ孔(雌ネジ部)に螺合している。被取付部42は、第1ファスナー40の室外側の端部に形成された板状の突片であり、固定部41及び方立4の見込み面4Bから左右方向(方立4の側方)に突出して、縦枠12、13及び第1ブラケット50の室内側に配置されている。また、被取付部42は、方立4から縦枠12、13よりも枠体5の左右方向における内方側(枠体5の開口部5A側)の位置まで配置されている。
【0031】
第1ブラケット50は、縦枠12、13に固定される固定部51と、第1ファスナー40に取り付けられる取付部52を有している。固定部51は、縦枠12、13の室内側部21、31及び装着部23、33に対して枠体5の左右方向における外方側に配置されて、装着部23、33に当接する。ボルト53が固定部51及び装着部23、33を貫通して、装着部23、33内の裏板54にボルト53が螺合している。固定部51及び第1ブラケット50は、固定具であるボルト53及び裏板54により、縦枠12、13の装着部23、33に固定されて装着されている。これにより、第1ブラケット50は、縦枠12、13の係合部25、35よりも室内側の位置で、縦枠12、13の上部に固定される。
【0032】
取付部52は、第1ブラケット50の室内側の端部に形成された板状の突片であり、縦枠12、13の室内側壁部26、36よりも上側で、枠体5の左右方向における内方側に突出して、第1ファスナー40の被取付部42の室外側に配置されている。また、取付部52は、縦枠12、13よりも枠体5の左右方向における内方側の位置まで配置されて、被取付部42に当接する。ボルト55が被取付部42及び取付部52を室内側から貫通して、取付部52の室外側に位置するナット56にボルト55が螺合している。
【0033】
取付部52及び第1ブラケット50は、取付具であるボルト55及びナット56により、第1ファスナー40の被取付部42に取り付けられている。これにより、第1ブラケット50は、縦枠12、13よりも枠体5の左右方向における内方側の位置で、かつ、第1ファスナー40及び方立4の室外側の位置で、被取付部42及び第1ファスナー40に取り付けられる。第1ブラケット50は、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13のそれぞれに固定されている。第1取付機構6Aの第1ブラケット50及び第1ファスナー40により、縦枠12、13の上部が方立4の見込み面4Bに取り付けられるとともに、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13が方立4に取り付けられる。
【0034】
調整機構60は、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を調整する調整ボルト61と、調整ボルト61を受けるボルト受け部62を有している。第1ブラケット50は、調整ボルト61が挿通する挿通部57を有しており、挿通部57を含む第1ブラケット50の一部は、調整機構60の一部を構成している。調整ボルト61、ボルト受け部62、第1ブラケット50の挿通部57、及び、調整機構60は、方立4(室外側面4A)よりも室外側の位置で、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置されている。調整機構60は、第1ブラケット50により、カーテンウォールユニット3の縦枠12、13に連結されるとともに、ボルト受け部62により、方立4に連結されている。
【0035】
挿通部57は、上下方向に沿って延びる挿通孔58を有し、枠体5の左右方向における外方側に向かって突出している。挿通孔58は、挿通部57を上下方向に貫通している。調整ボルト61は、挿通部57の上方から挿通孔58に挿入されて、挿通部57を上下方向に挿通し、挿通部57から上方と下方に突出する。調整ボルト61の上端部は、調整ボルト61の頭部であり、調整ボルト61の下端部は、調整ボルト61の先端部(ネジ先)である。調整ボルト61は、上下方向に沿って延び、挿通部57(挿通孔58)内に回転可能、かつ、上下方向に変位可能に配置される。
【0036】
調整ボルト61は、2つの連結ナット63、64(第1連結ナット63、第2連結ナット64)(図5参照)により、第1ブラケット50の挿通部57に連結されている。連結ナット63、64は、調整ボルト61の軸部に形成されたネジ部に螺合している。第1連結ナット63は、調整ボルト61の頭部と挿通部57の上端部の間に位置し、挿通部57の上端部に当接する。第2連結ナット64は、調整ボルト61の先端部と挿通部57の下端部の間に位置し、挿通部57の下端部に当接する。連結ナット63、64を挿通部57に向かって締め付けることで、調整ボルト61が挿通部57に固定される。連結ナット63、64を緩めることで、調整ボルト61の回転が可能になる。
【0037】
ボルト受け部62は、固定具であるボルト65により、方立4の室外側面4Aに固定されて、方立4から室外側に突出している。ボルト65は、ボルト受け部62を室外側から貫通して、方立4に形成されたネジ孔に螺合している。ボルト受け部62は、第1ブラケット50の固定部51の室内側に位置するとともに、第1ブラケット50の挿通部57及び調整ボルト61の下側に位置している。調整ボルト61は、載置部であるボルト受け部62に載置されて、ボルト受け部62により、回転可能に支持されている。ボルト受け部62は、調整ボルト61及び第1ブラケット50の上下方向の位置を維持する。
【0038】
調整ボルト61は、第1ブラケット50の挿通部57に回転可能に連結されて、挿通部57に保持され、縦枠12、13に固定された第1ブラケット50により、縦枠12、13に連結されている。カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を調整するときには、方立4に固定された第1ファスナー40に第1ブラケット50を取り付けていない状態で、第1ブラケット50の挿通部57及び調整ボルト61をボルト受け部62の上側に配置する。また、調整ボルト61の先端部を上方からボルト受け部62に載置して、ボルト受け部62により調整ボルト61の先端部を受ける。その状態で、調整ボルト61を用いて、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を調整する。
【0039】
連結ナット63、64を緩めた状態で、調整ボルト61を回転し、又は、第2連結ナット64を回転することで、調整ボルト61を第2連結ナット64に対して相対的に回転させる。調整ボルト61のネジ作用により、第2連結ナット64は、調整ボルト61の軸部(ネジ部)に沿って上下方向に移動する。第1ブラケット50の挿通部57は、第2連結ナット64に上方から当接しており、第2連結ナット64とともに調整ボルト61の軸部に沿って上下方向に移動する。
【0040】
カーテンウォールユニット3を方立4に取り付ける前に、第1ファスナー40とボルト受け部62を方立4に固定し、第1ブラケット50を縦枠12、13に固定する。その状態で、カーテンウォールユニット3を左右方向、及び、下方に移動して、調整機構60の調整ボルト61をボルト受け部62に載置してボルト受け部62で受ける。次に、連結ナット63、64を緩めた状態で、調整ボルト61又は第2連結ナット64を回転する。
【0041】
調整ボルト61は、ボルト受け部62に載置された状態(ボルト受け部62に受けられた状態)で、第2連結ナット64と第1ブラケット50を上下方向に移動する。同時に、調整ボルト61は、カーテンウォールユニット3を第1ブラケット50とともに上下方向に移動して、方立4に取り付けられるカーテンウォールユニット3の上下方向の位置(取付位置)を調整する。続いて、連結ナット63、64を締め付けて、調整ボルト61を挿通部57に固定する。
【0042】
調整機構60は、方立4よりも室外側で、かつ、左右のカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間で、カーテンウォールユニット3を上下方向に移動して、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を調整する。その状態で、第1ブラケット50を第1ファスナー40に取り付けて、カーテンウォールユニット3を調整後の位置で方立4に取り付ける。また、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3を同様の手順で方立4に取り付ける。
【0043】
左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の調整機構60は、方立4に固定された1つのボルト受け部62を共有している。そのため、2つのカーテンウォールユニット3の調整機構60の調整ボルト61は、縦枠12、13の間の1つのボルト受け部62を共通のボルト受け部62として、1つのボルト受け部62に載置されて受けられる。左右に隣接するカーテンウォールユニット3は、それぞれ調整機構60により、上下方向の位置が調整される。また、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13は、調整ボルト61、ボルト受け部62、及び、調整機構60を互いの間に収容して、調整ボルト61、ボルト受け部62、及び、調整機構60を遮蔽する。
【0044】
図7は、本実施形態のカーテンウォールユニット3、方立4、及び、第2取付機構6Bを示す横断面図であり、2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13側の部分を示している。また、図7では、上側からみた第2取付機構6Bを示している。図8は、図7のX2-X2線で切断したカーテンウォールユニット3、方立4、及び、第2取付機構6Bを示す縦断面図であり、図9は、図7のX3-X3線で切断したカーテンウォールユニット3と第2取付機構6Bを示す縦断面図である。図8図9は、左右方向の一方側からみた縦枠12、13の中間部と第2取付機構6Bを示している。
【0045】
図示のように、カーテンウォール1は、第2取付機構6Bに設けられた第2ファスナー70と第2ブラケット80を備えている。第2ファスナー70は、縦枠12、13の中間部に位置するファスナー(中間ファスナー)であり、方立4(室外側面4A)に固定されている。第2ブラケット80は、縦枠12、13の中間部に位置するブラケット(中間ブラケット)であり、カーテンウォールユニット3の縦枠12、13のそれぞれに固定されている。第2取付機構6Bの第2ファスナー70と第2ブラケット80により、縦枠12、13の中間部が方立4に取り付けられる。
【0046】
第2ファスナー70の全体及び第2ブラケット80の全体は、方立4及び室外側面4Aよりも室外側に配置されている。第2ファスナー70は、方立4に固定される固定部71と、それぞれ第2ブラケット80を係止する2つの係止部72を有し、方立4の室外側のみに設けられている。固定部71は、方立4の室外側面4Aに沿って配置されて、固定具であるボルト73により、方立4の室外側面4Aに固定されている。ボルト73は、固定部71を室外側から貫通して、方立4に形成されたネジ孔に螺合している。固定部71及び第2ファスナー70は、方立4(室外側面4A)から室外側に突出している。縦枠12、13の室内側壁部26、36は、固定部71に向かって突出しており、固定部71は、左右の縦枠12、13の室内側壁部26、36の間に配置されている。
【0047】
係止部72は、第2ファスナー70の室外側の部分に形成された板状の突片(係止片)であり、固定部71から左右に突出している。左右の係止部72のそれぞれに第2ブラケット80が係止されて、1つの第2ファスナー70に2つの第2ブラケット80が係止される。第2ブラケット80は、左右方向に突出する係止部72に連結されて、係止部72に取り付けられる。固定部71、係止部72、及び、第2ファスナー70は、方立4(室外側面4A)よりも室外側の位置で、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置されている。
【0048】
第2ファスナー70の左右の係止部72は、縦枠12、13の間で左右に突出するとともに、第2ファスナー70の左右に位置する縦枠12、13に向かって左右方向に突出している。係止部72は、室内外方向Sにおいて、縦枠12、13の装着部23、33と室内側壁部26、36の間に配置されて、縦枠12、13の収容部27、37に収容されている。係止部72の突出方向の先端部は、左右方向において、縦枠12、13(見込み部22、32)と対向している。
【0049】
第2ブラケット80は、縦枠12、13に固定される固定部81と、第2ファスナー70に連結する連結部82を有している。固定部81は、縦枠12、13の室内側部21、31及び装着部23、33に対して枠体5の左右方向における外方側に配置されて、装着部23、33に当接する。ボルト83が固定部81及び装着部23、33を貫通して、装着部23、33内の裏板84にボルト83が螺合している。固定部81及び第2ブラケット80は、固定具であるボルト83及び裏板84により、縦枠12、13の装着部23、33に固定されて装着されている。これにより、第2ブラケット80は、縦枠12、13の係合部25、35よりも室内側の位置で、縦枠12、13の中間部に固定される。
【0050】
第2ファスナー70の係止部72は、第2ブラケット80の固定部81よりも室内側に配置されており、係止部72及び第2ブラケット80の連結部82は、室内外方向Sにおいて、固定部81と方立4の間に配置されている。連結部82は、下向きのフック状の被係止部(フック部)であり、縦枠12、13の見込み部22、32に沿って室内側に突出している。また、連結部82は、室内外方向Sにおいて、縦枠12、13の装着部23、33と室内側壁部26、36の間に配置されて、縦枠12、13の収容部27、37に収容されている。固定部81、連結部82、及び、第2ブラケット80は、方立4(室外側面4A)よりも室外側の位置で、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置されている。
【0051】
第2ブラケット80の連結部82は、下向きの凹部85と、凹部85の室内側に位置する突起86を有している。凹部85は、上側に向かって窪んで形成されて、下側、及び、左右方向の両側に向かって開放されている。突起86は、下側に突出して形成されて、上下方向に沿って配置されている。連結部82を第2ファスナー70の係止部72に係止するときに、連結部82は、係止部72に上方から引っ掛けられる。これにより、係止部72は、連結部82の凹部85内に配置されて、連結部82の凹部85に嵌る。また、連結部82の突起86は、係止部72の室内側に配置されるとともに、係止部72と縦枠12、13の室内側壁部26、36の間に配置されて、係止部72に当接する。連結部82は、係止部72に引っ掛けられた状態で、係止部72に係止されて、縦枠12、13の収容部27、37内で、係止部72及び第2ファスナー70に連結する。
【0052】
第2ブラケット80は、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13のそれぞれに固定されて、方立4(室外側面4A)よりも室外側の位置で、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の縦枠12、13の間に配置されている。また、第2ブラケット80は、連結部82の係止部72への係止(連結)により、縦枠12、13の間で、係止部72及び第2ファスナー70に取り付けられる。縦枠12、13の室内側壁部26、36は、連結部82及び係止部72の室内側に位置し、連結部82と方立4(室外側面4A)の間に配置されている。連結部82は、室内側壁部26、36の室外側で、係止部72に係止される。
【0053】
第2取付機構6Bの第2ブラケット80及び第2ファスナー70により、縦枠12、13の中間部が方立4の室外側面4Aに取り付けられるとともに、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13が方立4に取り付けられる。左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13は、互いの間に第2取付機構6Bの第2ブラケット80と第2ファスナー70を収容して、第2ブラケット80と第2ファスナー70を遮蔽する。
【0054】
カーテンウォールユニット3を方立4に取り付ける前に、第2ファスナー70を方立4に固定し、第2ブラケット80を縦枠12、13に固定する。その状態で、カーテンウォールユニット3を左右方向、及び、下方に移動して、第2ブラケット80の連結部82を第2ファスナー70の係止部72に係止する。これにより、第2ブラケット80を縦枠12、13の収容部27、37内(室内側壁部26、36の室外側)で第2ファスナー70に取り付けて、カーテンウォールユニット3を方立4に取り付ける。また、左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3を同様の手順で方立4に取り付ける。
【0055】
左右に隣接する2つのカーテンウォールユニット3の第2取付機構6Bは、方立4に固定された1つの第2ファスナー70を共有している。そのため、2つのカーテンウォールユニット3の第2取付機構6Bの第2ブラケット80は、縦枠12、13の間の1つの第2ファスナー70を共通の第2ファスナー70として、1つの第2ファスナー70に取り付けられる。
【0056】
以上説明したように、第2ファスナー70を方立4よりも室外側に配置しており、第2ブラケット80を方立4に干渉されずに第2ファスナー70に取り付けることができ、カーテンウォールユニット3の施工を容易に行うことができる。また、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13と方立4により、第2取付機構6Bの第2ファスナー70と第2ブラケット80を遮蔽して、第2ファスナー70と第2ブラケット80の室内側への露出を抑制することができる。縦枠12、13の間で第2ブラケット80を第2ファスナー70に取り付けており、カーテンウォールユニット3と方立4の間の室内外方向Sにおける距離を短くして、カーテンウォールユニット3を方立4に接近させて設置することができる。
【0057】
従って、カーテンウォール1では、方立4の室外側で、第2ブラケット80を第2ファスナー70に容易に取り付けられるとともに、第2ブラケット80と第2ファスナー70の露出を抑制して、カーテンウォール1の意匠性を向上させることができる。調整機構60により、方立4の室外側で、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を容易に調整することができる。また、左右に隣接するカーテンウォールユニット3の縦枠12、13と方立4により、調整機構60を遮蔽して、調整機構60の室内側への露出を抑制することができる。調整機構60の調整ボルト61とボルト受け部62により、カーテンウォールユニット3を支持した状態で、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を容易に調整できるとともに、調整ボルト61とボルト受け部62の露出を抑制することができる。
【0058】
第2ブラケット80を第2ファスナー70に取り付けるときには、第2ブラケット80の連結部82を第2ファスナー70の左右に突出する係止部72に引っ掛けて係止する。そのため、第2ファスナー70の左右で、第2ブラケット80を第2ファスナー70に円滑に係止することができる。また、カーテンウォールユニット3の左右方向の移動により、第2ブラケット80を第2ファスナー70に係止することができる。これにより、カーテンウォールユニット3を上方から下方に向かって大きく移動しなくても、第2ブラケット80を第2ファスナー70に容易に取り付けることができる。
【0059】
なお、第2取付機構6Bにおいて、第2ファスナー70を左右に分割して、それぞれ1つの係止部72を有する2つの第2ファスナー70を方立4に固定してもよい。この場合には、左右の縦枠12、13のそれぞれに固定された第2ブラケット80は、互いに異なる第2ファスナー70に取り付けられる。また、第1取付機構6Aの調整機構60において、ボルト受け部62を左右に分割して、2つのボルト受け部62を方立4に固定してもよい。この場合には、左右の縦枠12、13のそれぞれに連結された調整ボルト61は、互いに異なるボルト受け部62に載置される。
【0060】
調整機構60は、調整ボルト61とボルト受け部62を有する調整機構に限定されず、カーテンウォールユニット3の上下方向の位置を調整可能な他の調整機構であってもよい。これに対し、調整機構60をカーテンウォール1に設けないようにしてもよい。また、第1取付機構6Aをカーテンウォール1に設けずに、第2取付機構6Bの第2ファスナー70と第2ブラケット80により、カーテンウォールユニット3を方立4に取り付けるようにしてもよい。
【0061】
以上のとおり、カーテンウォールは、
方立の室外側で左右に隣接して配置され、前記方立に取り付けられるカーテンウォールユニットを備えたカーテンウォールであって、
前記方立に固定され、前記方立よりも室外側で、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されるファスナーと、
前記カーテンウォールユニットの縦枠に固定され、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されて、前記ファスナーに取り付けられるブラケットと、
を備えたカーテンウォールである。
従って、方立の室外側で、カーテンウォールユニットに固定されたブラケットを方立に固定されたファスナーに容易に取り付けられるとともに、ブラケットとファスナーの露出を抑制して、カーテンウォールの意匠性を向上させることができる。
【0062】
カーテンウォールは、
前記方立よりも室外側で、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間に配置されて、前記カーテンウォールユニットの上下方向の位置を調整する調整機構を備える。
調整機構により、方立の室外側で、カーテンウォールユニットの上下方向の位置を容易に調整できるとともに、調整機構の露出を抑制することができる。
【0063】
前記調整機構は、前記方立に固定されたボルト受け部と、前記カーテンウォールユニットの縦枠に連結され、前記ボルト受け部に載置された状態で前記カーテンウォールユニットを上下方向に移動する調整ボルトと、を有する。
調整ボルトとボルト受け部により、カーテンウォールユニットを支持した状態で、カーテンウォールユニットの上下方向の位置を容易に調整できるとともに、調整ボルトとボルト受け部の露出を抑制することができる。
【0064】
前記ファスナーは、左右に隣接する前記カーテンウォールユニットの縦枠の間で左右に突出して、前記ブラケットを係止する係止部を有し、
前記ブラケットは、前記係止部に引っ掛けられた状態で係止されて、前記ファスナーに連結する連結部を有する。
そのため、ファスナーの左右で、ブラケットをファスナーに円滑に係止することができる。また、カーテンウォールユニットの左右方向の移動により、ブラケットをファスナーに係止することができる。これにより、カーテンウォールユニットを上方から下方に向かって大きく移動しなくても、ブラケットをファスナーに容易に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・カーテンウォール、2・・・建物、2A・・・壁部、3・・・カーテンウォールユニット、3A・・・パネル体、4・・・方立、4A・・・室外側面、4B・・・見込み面、5・・・枠体、5A・・・開口部、6A・・・第1取付機構、6B・・・第2取付機構、10・・・上枠、11・・・下枠、12・・・縦枠、13・・・縦枠、20・・・保持部、21・・・室内側部、22・・・見込み部、23・・・装着部、24・・・室外側壁部、25・・・係合部、25A・・・係合片、25B・・・係合片、26・・・室内側壁部、27・・・収容部、30・・・保持部、31・・・室内側部、32・・・見込み部、33・・・装着部、34・・・室外側壁部、35・・・係合部、35A・・・係合壁、35B・・・係合壁、36・・・室内側壁部、37・・・収容部、38A・・・レインバリア、38B・・・ウインドバリア、40・・・第1ファスナー、41・・・固定部、42・・・被取付部、43・・・ボルト、50・・・第1ブラケット、51・・・固定部、52・・・取付部、53・・・ボルト、54・・・裏板、55・・・ボルト、56・・・ナット、57・・・挿通部、58・・・挿通孔、60・・・調整機構、61・・・調整ボルト、62・・・ボルト受け部、63・・・第1連結ナット、64・・・第2連結ナット、65・・・ボルト、70・・・第2ファスナー、71・・・固定部、72・・・係止部、73・・・ボルト、80・・・第2ブラケット、81・・・固定部、82・・・連結部、83・・・ボルト、84・・・裏板、85・・・凹部、86・・・突起、S・・・室内外方向。
図1
図2
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図7
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図9