(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026819
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】情報システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20220203BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20220203BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20220203BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20220203BHJP
A63F 13/833 20140101ALN20220203BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/45
A63F13/52
A63F13/69
A63F13/833
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130456
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 茂
(72)【発明者】
【氏名】酒井 昭
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】井上 快
(72)【発明者】
【氏名】進邦 嗣郎
(72)【発明者】
【氏名】金原 俊明
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
(57)【要約】
【課題】多数の利用者によるゲーム動画の視聴を促進する。
【解決手段】情報システム100は、1以上のプレイヤPがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置30に送信する動画配信部111と、複数の端末装置30のうち1以上の端末装置30の利用者Uからの指示に応じてゲームに関する制約条件を設定する条件設定部112と、制約条件のもとでゲームを進行させるゲーム制御部211とを具備する。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する動画配信部と、
前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件を設定する条件設定部と、
前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部と
を具備する情報システム。
【請求項2】
前記配信動画は、前記制約条件を表す参照画像を含む
請求項1の情報システム。
【請求項3】
前記ゲームの状況を表すゲーム画像と前記制約条件を表す参照画像とを前記1以上のプレイヤに対して表示する表示制御部
を具備する請求項1または請求項2の情報システム。
【請求項4】
前記1以上のプレイヤについて前記制約条件のもとで所定の報酬条件が成立した場合に、当該プレイヤに報酬を付与する報酬付与部
を具備する請求項1から請求項3の何れかの情報システム。
【請求項5】
前記報酬付与部は、前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて設定された前記報酬を付与する
を具備する請求項4の情報システム。
【請求項6】
1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する一方、
前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件を設定し、
前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させる
コンピュータシステムにより実現される情報処理方法。
【請求項7】
1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する動画配信部、
前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件を設定する条件設定部、および、
前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部
としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する動画を配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、複数の利用者が参加可能なゲームを実行するゲームシステムが開示されている。複数の利用者のうち何れかの利用者は、他の利用者に対して操作対象に関する指示を付与することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば複数のプレイヤが対戦するゲームの状況を表す動画を複数の端末装置に配信する技術が提案されている。しかし、従来の技術のもとでは、端末装置の利用者はゲームの状況を表す動画を受動的に視聴するだけであるため、多数の利用者による動画の視聴を促進するには限界がある。以上の事情を考慮して、本発明は、多数の利用者による動画の視聴を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る情報システムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する動画配信部と、前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件を設定する条件設定部と、前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部とを具備する。
【0006】
本発明のひとつの態様に係る情報処理方法は、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する一方、前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件を設定し、前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させる。
【0007】
本発明のひとつの態様に係るプログラムは、1以上のプレイヤがプレイするゲームの状況を表すゲーム画像を含む配信動画を表示するための動画データを、複数の端末装置に送信する動画配信部、前記複数の端末装置のうち1以上の端末装置の利用者からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件を設定する条件設定部、および、前記制約条件のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部、としてコンピュータシステムを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る情報システムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】ゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
【
図4】情報システムおよび端末装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図5】端末装置の構成を例示するブロック図である。
【
図8】動画配信システムの構成を例示するブロック図である。
【
図9】設定条件を設定する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図10】制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図11】配信処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図12】第2実施形態におけるプレイ動画の模式図である。
【
図13】第2実施形態における情報システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図14】第3実施形態における情報システムおよび端末装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図15】第3実施形態における制御処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
【
図16】第3実施形態におけるプレイ動画の模式図である。
【
図17】第3実施形態における配信動画の模式図である。
【
図18】第4実施形態における指示受付画面の模式図である。
【
図19】変形例におけるプレイ動画の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報システム100の構成を例示するブロック図である。情報システム100は、プレイヤP1とプレイヤP2とがプレイする対戦ゲームの状況を表す配信動画Vb(
図6参照)を複数の端末装置30に配信するためのコンピュータシステムである。例えば多数の出場者が参加するイベント(esports)において、プレイヤP1とプレイヤP2とが対戦ゲーム(具体的には格闘ゲーム)により対戦する。配信動画Vbは、画像と音響とを含むコンテンツであり、対戦ゲームの進行に並行して実時間的に各端末装置30に配信(すなわちライブ配信)される。なお、以下の説明においては、プレイヤP1とプレイヤP2とを特に区別する必要がない場合には単に「プレイヤP」と表記する。他の符号についても同様である。
【0011】
図1に例示される通り、情報システム100は、動画配信システム10とゲームシステム20とを具備する。複数の端末装置30の各々と動画配信システム10とは、例えばインターネット等の通信網200を介して相互に通信可能である。同様に、動画配信システム10とゲームシステム20とは、通信網200を介して相互に通信可能である。ゲームシステム20は、対戦ゲームを提供するコンピュータシステムである。動画配信システム10は、ゲームシステム20が提供する対戦ゲームの状況を表す配信動画Vbを複数の端末装置30に配信するコンピュータシステムである。なお、動画配信システム10とゲームシステム20とを単体の装置により実現してもよい。
【0012】
複数の端末装置30の各々は、例えばスマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末である。なお、通信網200に接続されたテレビジョン受像機等、配信動画Vbを取得および表示できる任意の機器が端末装置30として利用される。端末装置30は可搬型および据置型の何れの形態でもよい。各端末装置30の利用者Uは、情報システム100から当該端末装置30に配信される配信動画Vbを視聴する。すなわち、利用者Uは、対戦ゲームの進行に並行して実時間的に、当該対戦ゲームの状況を表す配信動画Vbを視聴できる。
【0013】
図2は、ゲームシステム20の構成を例示するブロック図である。
図2に例示される通り、ゲームシステム20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と複数のゲームユニットG(G1,G2)とを具備する。なお、ゲームシステム20は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0014】
制御装置21は、例えばゲームシステム20の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。
【0015】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として利用される。通信装置23は、通信網200を介して動画配信システム10と通信する。
【0016】
各ゲームユニットG(G1,G2)は、プレイヤPがゲームをプレイするために使用するユーザインタフェースである。プレイヤP1はゲームユニットG1を使用し、プレイヤP2はゲームユニットG2を使用する。なお、対戦ゲームに専用される機器のほか、例えばスマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末も、ゲームユニットGとして利用される。
【0017】
各ゲームユニットGは、操作装置24と表示装置25とを具備する。操作装置24は、各プレイヤPによる操作を受付ける入力機器である。操作装置24は、例えば、プレイヤPが操作する複数の操作子、または、プレイヤPによる接触を検知するタッチパネルである。複数のゲームユニットGは、ゲームシステム20とは別体で構成されてもよい。例えば、複数のゲームユニットGの各々が、制御装置21と記憶装置22と通信装置23とを具備するゲームシステム20(ゲームサーバ)との間で通信網200を介して通信する構成も想定される。
【0018】
表示装置25は、例えば液晶パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)パネル等の表示パネルで構成され、制御装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。具体的には、表示装置25は、対戦ゲームの状況を表す
図3のプレイ動画Vaを表示する。プレイヤP1は、ゲームユニットG1の表示装置25が表示するプレイ動画Vaを視聴しながら当該ゲームユニットG1の操作装置24を操作することで対戦ゲームをプレイする。同様に、プレイヤP2は、ゲームユニットG2の表示装置25が表示するプレイ動画Vaを視聴しながら当該ゲームユニットG2の操作装置24を操作することで対戦ゲームをプレイする。ゲームユニットG1の表示装置25が表示するプレイ動画VaとゲームユニットG2の表示装置25が表示するプレイ動画Vaとの異同は不問である。なお、1個の表示装置25をプレイヤP1とプレイヤP2とが共用してもよい。また、対戦ゲームの状況に応じた各種の効果音を再生する放音装置(例えばスピーカ)を各ゲームユニットGに搭載してもよい。
【0019】
図3は、プレイ動画Vaを例示する模式図である。
図3に例示される通り、プレイ動画Vaは、対戦ゲーム画像Va1と参照画像Va2とを含む画像である。対戦ゲーム画像Va1は、対戦ゲームの状況を表す動画であり、仮想空間内に配置されたキャラクタO1およびキャラクタO2を含む。キャラクタO1は、プレイヤP1が操作するオブジェクトであり、キャラクタO2は、プレイヤP2が操作するオブジェクトである。プレイヤP1は、ゲームユニットG1の操作装置24を操作することで、キャラクタO2に対する攻撃および防御を含む複数の動作の何れかをキャラクタO1に実行させることが可能である。同様に、プレイヤP2は、ゲームユニットG2の操作装置24を操作することで、キャラクタO1に対する攻撃および防御を含む複数の動作の何れかをキャラクタO2に実行させることが可能である。
【0020】
参照画像Va2は、対戦ゲームについて設定される条件(以下「設定条件」という)Cbに関する画像である。第1実施形態における設定条件Cbは、対戦ゲームにおいてキャラクタO(O1,O2)が特定の動作(以下「条件動作」という)を実行することである。すなわち、条件動作をキャラクタOが実行することで設定条件Cbが成立する。設定条件Cbは、複数の端末装置30の利用者Uからの指示に応じて設定される。設定条件Cbの設定については後述する。
【0021】
参照画像Va2は、設定条件Cbとともに成立回数N1と成立回数N2とを含む。成立回数N1は、プレイヤP1について設定条件Cbが成立した回数を意味する。すなわち、成立回数N1は、プレイヤP1からの指示に応じてキャラクタO1が条件動作を実行した回数である。同様に、成立回数N2は、プレイヤP2について設定条件Cbが成立した回数を意味する。すなわち、成立回数N2は、プレイヤP2からの指示に応じてキャラクタO2が条件動作を実行した回数である。なお、以上の説明においてはプレイ動画Vaが対戦ゲーム画像Va1と参照画像Va2とを一体的に含む形態を例示したが、対戦ゲーム画像Va1と参照画像Va2とは別個の画像として表示されてもよい。参照画像Va2が対戦ゲーム画像Va1とは別個の画像として表示される構成によれば、各プレイヤPが対戦ゲームの状況を確認し易いという利点がある。
【0022】
図4は、情報システム100および端末装置30の機能的な構成を例示するブロック図である。
図4に例示される通り、ゲームシステム20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(ゲーム制御部211,条件判定部212,報酬付与部213および表示制御部214)を実現する。
【0023】
ゲーム制御部211は、設定条件Cbが適用される対戦ゲームの進行を制御する。具体的には、ゲーム制御部211は、プレイヤP1が指示した動作をキャラクタO1に実行させる制御と、プレイヤP2が指示した動作をキャラクタO2に実行させる制御とにより、キャラクタO1とキャラクタO2とを対戦させる。そして、ゲーム制御部211は、キャラクタO1とキャラクタO2との対戦の進行に応じてプレイヤP1およびプレイヤP2の勝敗を決定する。
【0024】
条件判定部212は、対戦ゲームの進行に並行して設定条件Cbの成否を判定する。具体的には、条件判定部212は、設定条件Cbを表す条件データQbを動画配信システム10から受信し、当該条件データQbが表す設定条件Cbの成否を判定する。第1実施形態の条件判定部212は、設定条件Cbの成否をプレイヤP1およびプレイヤP2の各々について個別に判定する。そして、条件判定部212は、プレイヤP1に関する設定条件Cbの成立回数N1と、プレイヤP2に関する設定条件Cbの成立回数N2とを計数する。なお、条件判定部212の機能をゲーム制御部211が実現してもよい。すなわち、条件判定部212はゲーム制御部211に内包されてもよい。
【0025】
報酬付与部213は、所定の条件(以下「報酬条件」という)が成立した場合にプレイヤPに報酬を付与する。報酬条件は、設定条件Cbの成立を含む条件である。具体的には、設定条件Cbの成立回数N(N1,N2)が所定の目標値Zに到達することが設定条件Cbとして例示される。すなわち、報酬付与部213は、設定条件Cbが成立したと条件判定部212が判定した回数を成立回数N(N1,N2)として計数し、成立回数Nが目標値Zに到達したか否かを判定する。なお、条件判定部212は報酬付与部213に内包されてもよい。
【0026】
例えば、報酬付与部213は、成立回数N1が目標値Zに到達した場合にプレイヤP1に報酬を付与する。すなわち、対戦ゲームにおいてキャラクタO1が条件動作を実行した回数(すなわち設定条件Cbの成立回数N1)が目標値Z以上である場合に、プレイヤP1に報酬が付与される。同様に、報酬付与部213は、成立回数N2が目標値Zに到達した場合にプレイヤP2に報酬を付与する。報酬の内容は任意であるが、例えば対戦ゲームにおいて使用可能なポイントの所定量が報酬としてプレイヤPに付与される。ポイントは、例えば対戦ゲームのプレイまたは対戦ゲームにおけるアイテムの獲得のために消費される価値である。各プレイヤPに付与される報酬の種類または数量を報酬付与部213が決定してもよい。
図3に例示される通り、報酬条件に係る目標値Zは、成立回数N(N1,N2)とともに参照画像Va2に表示される。なお、各プレイヤPに付与される報酬の種類または数量を参照画像Va2に表示してもよい。報酬がプレイ動画Vaに表示されることで、設定条件Cbの成立を目指す誘因(具体的にはキャラクタOに条件動作を実行させる誘因)を各プレイヤPに付与できる。
【0027】
図2に例示される通り、記憶装置22は、事前に登録された複数の登録者の各々について、当該登録者が保有するポイントの数量を保有ポイント数M(M1,M2,…)として記憶する。複数の登録者は、例えばプレイヤPまたは利用者Uを含む。すなわち、複数の登録者のうち特定の登録者がプレイヤPとしてプレイし、各登録者は、利用者Uとして配信動画Vbを視聴することも可能である。
【0028】
図4の報酬付与部213は、報酬条件が成立したプレイヤPの保有ポイント数Mに所定値を加算することで当該プレイヤPに報酬を付与する。第1実施形態の報酬付与部213は、複数の利用者Uの各々にも報酬を付与する。例えば、報酬付与部213は、報酬条件が成立した場合に、複数の利用者Uのうち対戦ゲームに実際に適用される設定条件Cb(Ca)を指示した1以上の利用者Uに対して報酬を付与する。具体的には、報酬付与部213は、設定条件Cbを指示した各利用者Uの保有ポイント数Mに所定値を加算する。以上の構成によれば、対戦ゲームに関与する誘因を多数の利用者Uに付与できるという利点がある。なお、報酬条件の成否に関わらず、設定条件Cbを指示した全部の利用者Uに報酬を付与する構成も想定される。
【0029】
なお、報酬条件の成立によりプレイヤPに付与される報酬を、各利用者Uが指示してもよい。具体的には、報酬付与部213は、報酬条件が成立したプレイヤPに付与される報酬の種類または数量を、複数の利用者Uからの指示に応じて決定する。例えば、複数の利用者Uによる多数決で報酬の種類を決定する構成、または、複数の利用者Uが指示した数量の代表値(例えば平均値)を報酬量として決定する構成が想定される。また、各利用者Uに付与される報酬を、各プレイヤPに対する報酬と同様に、各利用者Uが指示してもよい。
【0030】
図4の表示制御部214は、対戦ゲームの進行を表すプレイ動画Vaを各表示装置25に表示させる。具体的には、表示制御部214は、プレイ動画Vaを表す動画データDaを表示装置25に供給することで当該プレイ動画Vaを表示させる。なお、制御装置21がゲームユニットG毎(表示装置25毎)に設置された構成も想定される。以上の構成においては、各制御装置21により実現される表示制御部214が、当該制御装置21に対応する表示装置25にプレイ動画Vaを表示させる。
【0031】
また、第1実施形態の表示制御部214は、表示装置25に供給する動画データDaを通信装置23から動画配信システム10に送信する。なお、表示制御部214は、表示装置25に供給する動画データDaに対して圧縮処理等の各種の画像処理を実施した動画データDaを、通信装置23から動画配信システム10に送信してもよい。動画配信システム10に対する動画データDaの送信は、対戦ゲームが実行される期間内において周期的に反復される。すなわち、対戦ゲームの進行に並行して動画データDaが順次に動画配信システム10に送信(ストリーミング送信)される。なお、以上の説明から理解される通り、表示装置25に供給される動画データDaの形式と動画配信システム10に送信される動画データDaの形式との異同は不問である。動画配信システム10に送信される動画データDaは、当該動画配信システム10での処理に好適な任意の形式で生成される。
【0032】
図5は、複数の端末装置30の各々の構成を例示するブロック図である。
図5に例示される通り、端末装置30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33と表示装置34と操作装置35とを具備する。なお、端末装置30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0033】
制御装置31は、例えば端末装置30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0034】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として利用される。
【0035】
通信装置33は、通信網200を介して動画配信システム10と通信する。具体的には、通信装置33は、動画配信システム10から送信される動画データDbを通信網200から受信する。動画データDbは、配信動画Vbを表すデータである。
【0036】
表示装置34は、例えば液晶パネルまたは有機ELパネル等の表示パネルで構成され、制御装置31による制御のもとで画像を表示する。具体的には、表示装置34は、通信装置33が受信した動画データDbが表す配信動画Vbを表示する。なお、配信動画Vbの表示に並行して、対戦ゲームの状況に応じた各種の効果音を、端末装置30の放音装置(例えばスピーカ)から再生してもよい。
【0037】
図6は、配信動画Vbの模式図である。
図6に例示される通り、配信動画Vbは、プレイ動画Vaと関連動画Vcとを含む。プレイ動画Vaは、
図3を参照して前述した通り、対戦ゲームの状況を表す対戦ゲーム画像Va1と、設定条件Cbに関する参照画像Va2とを含む。関連動画Vcは、対戦ゲームに関連する各種の画像である。具体的には、関連動画Vcは、対戦ゲームをプレイしているプレイヤP1の動画Vc1と、同様に対戦ゲームをプレイしているプレイヤP2の動画Vc2とを含む。例えばプレイヤP1とプレイヤP2とが対戦ゲームをプレイしている会場の様子を撮像した動画を関連動画Vcが含んでもよい。
【0038】
図5の操作装置35は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。操作装置35は、例えば、利用者Uが操作する複数の操作子、または、表示装置34と一体に構成されたタッチパネルである。利用者Uは、操作装置35を操作することで、対戦ゲームに関する所望の条件(以下「指示条件」という)Caを指示することが可能である。具体的には、対戦ゲームに登場するキャラクタOが実行可能な複数の動作の何れかが指示条件Caとして指示される。
【0039】
図7は、利用者Uが指示条件Caを指示するために表示装置34に表示される画像(以下「指示受付画面」という)R1の模式図である。
図7に例示される通り、指示受付画面R1には、利用者Uが選択可能な複数の選択肢r1が配置される。複数の選択肢r1の各々は、対戦ゲームにおいてキャラクタOが実行可能な動作(すなわちプレイヤPが指示可能な動作)を表す。利用者Uは、操作装置35を操作することで複数の選択肢r1の何れかを選択可能である。利用者Uによる1個の選択肢r1の選択は、当該選択肢r1に対応する動作を指示条件Caとして指示することに相当する。指示受付画面R1は、例えば配信動画Vbと並列に表示装置34に表示される。したがって、利用者Uは、配信動画Vbを視聴しながら指示条件Caを指示できる。また、指示受付画面R1の表示/非表示が利用者Uからの指示に応じて切替わる構成も想定される。
【0040】
図4に例示される通り、端末装置30の制御装置31は、記憶装置Tに記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(表示制御部311,指示受付部312および指示送信部313)を実現する。
【0041】
表示制御部311は、通信装置33が受信する動画データDbが表す配信動画Vbを表示装置34に表示させる。利用者Uは、対戦ゲームの進行に並行して実時間的に、当該対戦ゲームの状況を表す配信動画Vbを視聴できる。指示受付部312は、利用者Uによる指示条件Caの指示を受付ける。指示送信部313は、指示受付部312が受付けた指示条件Caを表す指示データQaを通信装置33から動画配信システム10に送信する。配信動画Vbが配信される複数の端末装置30の各々から動画配信システム10に対して指示データQaが送信される。なお、配信動画Vbを表示する端末装置30とは別個の端末装置30から指示データQaが送信されてもよい。すなわち、表示制御部311が搭載される端末装置30と、指示受付部312および指示送信部313が搭載される端末装置30とは、相互に別個の装置でもよい。
【0042】
図8は、動画配信システム10の構成を例示するブロック図である。
図8に例示される通り、動画配信システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、動画配信システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0043】
制御装置11は、例えば動画配信システム10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0044】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。
【0045】
通信装置13は、ゲームシステム20との間で通信網200を介して通信する。具体的には、通信装置13は、プレイ動画Vaを表す動画データDaをゲームシステム20から受信し、対戦ゲームに適用される設定条件Cbを表す条件データQbをゲームシステム20に送信する。また、通信装置13は、複数の端末装置30の各々との間で通信網200を介して通信する。具体的には、通信装置13は、配信動画Vbを表す動画データDbを複数の端末装置30に送信し、指示条件Caを表す指示データQaを複数の端末装置30から受信する。
【0046】
図4に例示される通り、動画配信システム10の制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(動画配信部111,条件設定部112および条件通知部113)を実現する。動画配信部111を具備する装置と、条件設定部112および条件通知部113を具備する装置とを別体として構成してもよい。
【0047】
動画配信部111は、配信動画Vbを複数の端末装置30に配信する。具体的には、動画配信部111は、配信動画Vbを表す動画データDbを生成し、当該動画データDbを通信装置13から複数の端末装置30の各々に送信する。動画配信部111は、通信装置13がゲームシステム20から受信した動画データDaが表すプレイ動画Vaと、収録システム(図示略)により収録された関連動画Vcとを含む配信動画Vbの動画データDbを生成する。収録システムは、例えばプレイヤP1の動画Vc1とプレイヤP2の動画Vc2とを撮像する。
【0048】
条件設定部112は、通信装置13が複数の端末装置30から受信する指示データQaに応じて、対戦ゲームに適用される設定条件Cbを設定する。具体的には、条件設定部112は、複数の端末装置30から受信する指示データQa(すなわち利用者Uからの指示)を集計した結果に応じて設定条件Cbを設定する。例えば、条件設定部112は、対戦ゲームのキャラクタOが実行可能な複数の動作のうち、利用者Uによる指示の総数が最大である動作を設定条件Cbとして設定する。すなわち、複数の利用者Uによる多数決で設定条件Cbが設定される。以上の説明から理解される通り、条件設定部112は、複数の端末装置30の利用者Uからの指示に応じて対戦ゲームに関する設定条件Cbを設定する。条件通知部113は、条件設定部112が設定した設定条件Cbをゲームシステム20に通知する。具体的には、条件通知部113は、設定条件Cbを表す条件データQbを通信装置13からゲームシステム20に送信する。
【0049】
図9は、設定条件Cbの設定について情報システム100および端末装置30が実行する動作の具体的な手順を例示するフローチャートである。ゲームシステム20による対戦ゲームの開始前に
図9の処理が実行される。
【0050】
端末装置30の指示受付部312は、指示受付画面R1を表示装置34に表示させ(Sa1)、指示受付画面R1に対する利用者Uからの指示を受付ける(Sa2)。具体的には、指示受付部312は、利用者Uによる選択肢r1の選択(すなわち指示条件Caの選択)を受付ける。指示送信部313は、指示受付部312が受付けた指示条件Caを表す指示データQaを通信装置33から動画配信システム10に送信する(Sa3)。以上の動作が、複数の端末装置30の各々において実行される。
【0051】
動画配信システム10の条件設定部112は、複数の端末装置30から送信された指示データQaを通信装置13により受信する(Sb1)。条件設定部112は、複数の指示データQaから設定条件Cbを設定する(Sb2)。すなわち、複数の利用者Uからの指示に応じて設定条件Cbが設定される。条件通知部113は、条件設定部112が設定した設定条件Cbを表す条件データQbを、通信装置13からゲームシステム20に送信する(Sb3)。
【0052】
ゲームシステム20の条件判定部212は、動画配信システム10から送信された条件データQbを通信装置23により受信する(Sc1)。条件判定部212は、当該条件データQbが表す設定条件Cbを記憶装置22に格納する(Sc2)。設定条件Cbの設定に関する動作は以上の通りである。
【0053】
図10は、ゲームシステム20の制御装置21が対戦ゲームについて実行する処理(以下「制御処理」という)Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。
図9に例示した処理による設定条件Cbの設定後に、例えば対戦ゲームの運営者からの指示を契機として
図10の制御処理Sdが開始される。制御処理Sdが開始されると、制御装置21(条件判定部212)は、記憶装置22から設定条件Cbを取得する(Sd11)。
【0054】
制御装置21(ゲーム制御部211)は、プレイヤP1またはプレイヤP2からの指示に応じて対戦ゲームを進行させる(Sd12)。制御装置21(条件判定部212)は、設定条件Cbが成立したか否かをプレイヤP1およびプレイヤP2の各々について判定する(Sd13)。設定条件Cbが成立した場合(Sd13:YES)、制御装置21(条件判定部212)は、設定条件Cbの成立回数N(N1,N2)を更新する(Sd14)。具体的には、制御装置21は、プレイヤP1について設定条件Cbが成立した場合には成立回数N1を増加させ、プレイヤP2について設定条件Cbが成立した場合には成立回数N2を増加させる。プレイヤP1およびプレイヤP2の何れについても設定条件Cbが成立していない場合(Sd13:NO)には、成立回数Nは更新されない。
【0055】
制御装置21(報酬付与部213)は、報酬条件が成立したか否かをプレイヤP1およびプレイヤP2の各々について判定する(Sd15)。具体的には、制御装置21は、成立回数Nが目標値Zに到達したか否かを判定する。制御装置21(報酬付与部213)は、報酬条件が成立したプレイヤPに報酬を付与する(Sd16)。また、第1実施形態の制御装置21は、複数の利用者Uのうち特定の条件を充足する利用者Uにも報酬を付与する。例えば、設定条件Cbを指示した各利用者Uに報酬が付与される。報酬条件が成立していない場合(Sd15:NO)には、報酬の付与は実行されない。以上のように配信動画Vbを視聴する利用者Uに報酬が付与されることで、対戦ゲームに関与する誘因(例えばプレイヤPを応援する誘因、または各利用者Uが対戦ゲームをプレイする誘因)を多数の利用者Uに付与できる。
【0056】
制御装置21(表示制御部214)は、現時点における対戦ゲームの状況が反映されたプレイ動画Vaを各ゲームユニットGの表示装置25に表示させる(Sd17)。具体的には、制御装置21は、現時点のプレイ動画Vaの動画データDaを生成し、当該動画データDaを表示装置25に供給する。制御装置21(表示制御部214)は、表示装置25に表示させたプレイ動画Vaを表す動画データDaを、通信装置23から動画配信システム10に送信する(Sd18)。
【0057】
制御装置21は、対戦ゲームが終了したか否かを判定する(Sd19)。対戦ゲームが終了していない場合(Sd19:NO)、制御装置21は処理をステップSd12に移行する。すなわち、対戦ゲームが終了するまでステップSd12からステップSd19までの処理が反復される。対戦ゲームが終了した場合(Sd19:YES)、制御装置21は制御処理Sdを終了する。
【0058】
図11は、動画配信システム10の制御装置11が配信動画Vbの配信のために実行する処理(以下「配信処理」という)Seの具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば動画配信システム10の運営者からの指示を契機として
図11の配信処理Seが開始される。配信処理Seは、対戦ゲームの進行(制御処理Sd)に並行して実行される。
【0059】
配信処理Seが開始されると、制御装置11は、ゲームシステム20から送信された動画データDaを通信装置13により受信する(Se1)。制御装置11(動画配信部111)は、動画データDaが表すプレイ動画Vaと収録システムから別途に取得した関連動画Vcとを合成することで配信動画Vbを生成する(Se2)。制御装置11(動画配信部111)は、配信動画Vbを表す動画データDbを通信装置13から複数の端末装置30に送信する(Se3)。各端末装置30の制御装置31は、動画配信システム10から通信装置33が受信した動画データDbを利用して表示装置34に配信動画Vbを表示させる。
【0060】
動画配信システム10の制御装置11は、配信処理Seを終了するか否かを判定する(Se4)。配信処理Seを終了しない場合(Se4:NO)、制御装置11は処理をステップSe1に移行する。すなわち、各端末装置30に対する動画データDbの送信(Se1~Se3)が反復される。他方、例えばゲームシステム20による動画データDaの送信が終了した場合、または、動画配信システム10の運営者から終了が指示された場合に、制御装置11は配信処理Seを終了する(Se4:YES)
【0061】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、端末装置30の利用者Uが、配信動画Vbを受動的に視聴するだけでなく、対戦ゲームに適用される設定条件Cbの設定に関与できる。したがって、各端末装置30の利用者Uが配信動画Vbを視聴するだけの構成と比較して、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できる。
【0062】
第1実施形態においては、参照画像Va2を含む配信動画Vbが各利用者Uの端末装置30に表示される。すなわち、配信動画Vbを視聴する利用者Uが、対戦ゲームにおける設定条件Cbの成否に関する参照画像Va2を、対戦ゲーム画像Va1とともに確認できる。したがって、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。また、参照画像Va2は、設定条件Cbの成立回数N(N1,N2)を含む。成立回数Nは対戦ゲームの進行に連動して更新されるから、配信動画Vbの視聴を継続する誘因を多数の利用者Uに付与できるという利点もある。
【0063】
また、対戦ゲームの状況を表す対戦ゲーム画像Va1と、設定条件Cbに関する判定の結果に関する参照画像Va2とが、対戦ゲームのプレイヤP(P1,P2)に対して表示される。したがって、設定条件Cbが成立するように対戦ゲームをプレイする誘因をプレイヤPに付与できる。第1実施形態においては特に、対戦ゲームにおいてプレイヤPが操作するキャラクタOが条件動作を実行することが設定条件Cbとして設定されるから、設定条件Cbに関する条件動作を実行するようにキャラクタOを操作する誘因をプレイヤPに付与できる。
【0064】
第1実施形態においては、設定条件Cbを含む報酬条件が成立した場合に、プレイヤPに報酬が付与される。したがって、設定条件Cbが成立するように対戦ゲームをプレイする誘因をプレイヤPに付与できる。
【0065】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0066】
図12は、第2実施形態のゲームシステム20において各ゲームユニットGの表示装置25に表示されるプレイ動画Vaの模式図である。
図12に例示される通り、第2実施形態のプレイ動画Vaは、第1実施形態において例示した対戦ゲーム画像Va1で構成される。すなわち、プレイ動画Vaは参照画像Va2を含まない。
【0067】
図13は、第2実施形態における情報システム100の機能的な構成を例示するブロック図である。ゲームシステム20の表示制御部214は、
図12のプレイ動画Vaを表す動画データDaを各表示装置25に供給することで当該プレイ動画Vaを表示装置25に表示させる。また、表示制御部214は、動画データDaと判定データXとを通信装置23により動画配信システム10に送信する。判定データXは、条件判定部212が設定条件Cbを判定した結果に関するデータである。具体的には、判定データXは、設定条件Cbの成立回数N(N1,N2)を表す。
【0068】
配信処理Seにおいて、制御装置11(動画配信部111)は、ゲームシステム20から送信された動画データDaと判定データXとを受信する(Se1)。そして、制御装置11(動画配信部111)は、動画データDaが表すプレイ動画Vaと、判定データXに応じた参照画像Va2と、収録システムから取得した関連動画Vcとを合成することで、配信動画Vbを生成する(Se2)。具体的には、制御装置11は、複数の利用者Uからの指示に応じて設定された設定条件Cbと、判定データXが表す成立回数N(N1,N2)と、所定の目標値Zとを含む参照画像Va2を生成する。以上の手順で生成された配信動画Vbを表す動画データDbが通信装置13から各端末装置30に送信される(Se3)。
【0069】
以上の説明から理解される通り、各端末装置30の表示装置34に表示される配信動画Vbには、第1実施形態と同様に、対戦ゲーム画像Va1とともに参照画像Va2が含まれる。すなわち、配信動画Vbを視聴する利用者Uが、対戦ゲームにおける設定条件Cbの成否を、対戦ゲーム画像Va1とともに確認できる。したがって、第1実施形態と同様に、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できる。他方、ゲームシステム20の表示装置25には、参照画像Va2を含まないプレイ動画Va(対戦ゲーム画像Va1)が表示される。したがって、各プレイヤPが対戦ゲームのプレイに集中できるという利点がある。
【0070】
[第3実施形態]
第1実施形態および第2実施形態においては、対戦ゲーム内において成否が確定していない事項(具体的にはキャラクタOが条件動作を実行すること)を設定条件Cbとして例示した。第3実施形態における設定条件Cbは、対戦ゲームの進行を制約する事項(すなわち制約条件)である。具体的には、第3実施形態の設定条件Cbは、対戦ゲームにおける各キャラクタOの動作を特定の条件動作に限定することである。なお、条件動作を禁止することを設定条件Cbとしてもよい。
【0071】
図14は、第3実施形態における情報システム100および端末装置30の機能的な構成を例示するブロック図である。
図14に例示される通り、端末装置30および動画配信システム10の機能的な構成は第1実施形態と同様である。第3実施形態のゲームシステム20の制御装置21は、ゲーム制御部211と報酬付与部213と表示制御部214とを実現する。すなわち、第1実施形態における条件判定部212が第3実施形態においては省略される。
【0072】
設定条件Cbを設定するための動作は、
図9を参照して説明した第1実施形態の動作と同様である。具体的には、各端末装置30の指示受付部312は、指示受付画面R1に表示された複数の選択肢r1の何れかの選択を利用者Uから受付ける(Sa1,Sa2)。利用者Uによる選択肢r1の選択は、当該選択肢r1に対応する動作を指示条件Ca(条件動作)として指示することに相当する。指示送信部313は、利用者Uから受付けた指示条件Caを表す指示データQaを通信装置33から動画配信システム10に送信する(Sa3)。
【0073】
動画配信システム10の条件設定部112は、複数の端末装置30から送信された指示データQaを通信装置13により受信する(Sb1)。条件設定部112は、複数の指示データQaから設定条件Cbを設定する(Sb2)。例えば、条件設定部112は、対戦ゲームのキャラクタOが実行可能な複数の動作のうち、利用者Uによる指示の総数が最大である動作を設定条件Cb(条件動作)として設定する。条件通知部113は、条件設定部112が設定した設定条件Cbを表す条件データQbを、通信装置13からゲームシステム20に送信する(Sb3)。
【0074】
ゲームシステム20のゲーム制御部211は、動画配信システム10から送信された条件データQbを通信装置23により受信する(Sc1)。ゲーム制御部211は、当該条件データQbが表す設定条件Cbを記憶装置22に格納する(Sc2)。設定条件Cbの設定に関する動作は以上の通りである。
【0075】
図15は、第3実施形態における制御処理Sdの具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、設定条件Cbの設定後に制御処理Sdが開始される。制御処理Sdが開始されると、制御装置21(条件判定部212)は、記憶装置22から設定条件Cbを取得する(Sd21)。
【0076】
制御装置21(ゲーム制御部211)は、プレイヤP1またはプレイヤP2からの指示に応じて対戦ゲームを進行させる(Sd22)。第3実施形態の制御装置21は、設定条件Cbのもとで対戦ゲームを進行させる。すなわち、条件動作以外の動作をキャラクタOが実行することは禁止される。具体的には、制御装置21は、条件動作をプレイヤがP指示した場合には当該条件動作をキャラクタOに実行させる一方、条件動作以外の動作をプレイヤPが指示した場合には当該指示を無視する。
【0077】
制御装置21(報酬付与部213)は、報酬条件が成立したか否かをプレイヤP1およびプレイヤP2の各々について判定する(Sd23)。第3実施形態の報酬条件は、設定条件Cbを前提とした所定の条件である。具体的には、対戦ゲームにおいて設定条件Cbのもとて対戦相手に勝利することが報酬条件として設定される。設定条件Cbのもとで進行する対戦ゲームに何れかのプレイヤPが勝利した場合に、ステップSd23の判定結果が肯定となる。制御装置21(報酬付与部213)は、報酬条件が成立したプレイヤPに報酬を付与する(Sd24)。例えば所定量のポイントがプレイヤPに付与される。他方、報酬条件が成立していない場合(Sd23:NO)には、報酬の付与は実行されない。
【0078】
なお、制御装置21(報酬付与部213)は、第1実施形態と同様に、複数の利用者Uの各々にも報酬を付与する。例えば、報酬付与部213は、報酬条件が成立した場合に、複数の利用者Uのうち設定条件Cbを指示した1以上の利用者Uに報酬を付与する。具体的には、設定条件Cbを指示した各利用者Uの保有ポイント数Mに所定値が加算される。以上の構成によれば、対戦ゲームに関与する誘因を多数の利用者Uに付与できるという利点がある。なお、報酬条件の成否に関わらず、設定条件Cbを指示した全部の利用者Uに報酬を付与する構成も想定される。
【0079】
なお、第1実施形態と同様に、報酬条件の成立によりプレイヤPに付与される報酬を、各利用者Uが指示してもよい。具体的には、報酬付与部213は、報酬条件が成立したプレイヤPに付与される報酬の種類または数量を、複数の利用者Uからの指示に応じて決定する。例えば、複数の利用者Uによる多数決で報酬の種類を決定する構成、または、複数の利用者Uが指示した数量の代表値(例えば平均値)を報酬量として決定する構成が想定される。また、各利用者Uに付与される報酬を、各プレイヤPに対する報酬と同様に、複数の利用者Uからの指示に応じて決定してもよい。
【0080】
制御装置21(表示制御部214)は、現時点における対戦ゲームの状況が反映されたプレイ動画Vaを各表示装置25に表示させる(Sd25)。具体的には、制御装置21は、現時点のプレイ動画Vaの動画データDaを生成し、当該動画データDaを表示装置25に供給する。
【0081】
図16は、第3実施形態におけるプレイ動画Vaの模式図である。
図16に例示される通り、第3実施形態のプレイ動画Vaは、対戦ゲーム画像Va1と参照画像Va2とを含む画像である。対戦ゲーム画像Va1は、第1実施形態と同様に、対戦ゲームの状況を表す動画であり、仮想空間内に配置されたキャラクタO1およびキャラクタO2を含む。他方、参照画像Va2は、設定条件Cbに関する画像である。具体的には、利用者Uからの指示に応じた設定条件Cb(条件動作)を含む報酬条件が、参照画像Va2として表示装置25に表示される。以上の例示の通り、第3実施形態の表示制御部214は、対戦ゲームの状況を表す対戦ゲーム画像Va1と、設定条件Cb(制約条件)を表す参照画像Va2とを、各プレイヤPに対して表示する。なお、プレイ動画Vaが参照画像Va2を含まない第2実施形態の構成を、第3実施形態に適用してもよい。また、各プレイヤPに付与される報酬の種類または数量を参照画像Va2に表示してもよい。報酬がプレイ動画Vaに表示されることで、設定条件Cbに係る制約のもとでも好成績を目指す誘因を各プレイヤPに付与できる。
【0082】
制御装置21(表示制御部214)は、表示装置25が表示するプレイ動画Vaを表す動画データDaを、通信装置23から動画配信システム10に送信する(Sd26)。すなわち、対戦ゲーム画像Va1と参照画像Va2とを含むプレイ動画Vaの動画データDaが動画配信システム10に送信される。制御装置21は、対戦ゲームが終了したか否かを判定する(Sd27)。対戦ゲームが終了していない場合(Sd27:NO)、制御装置21は処理をステップSd22に移行する。すなわち、対戦ゲームが終了するまでステップSd22からステップSd27までの処理が反復される。対戦ゲームが終了した場合(Sd27:YES)、制御装置21は制御処理Sdを終了する。
【0083】
動画配信システム10が実行する配信処理Seは、
図11を参照して前述した第1実施形態の配信処理Seと同様の手順である。すなわち、プレイ動画Vaと関連動画Vcとを含む配信動画Vbの動画データDbが動画配信システム10から各端末装置30に送信される。各端末装置30の制御装置31は、動画配信システム10から通信装置33が受信した動画データDbを利用して表示装置34に配信動画Vbを表示させる。
【0084】
図17は、第3実施形態における配信動画Vbの模式図である。
図17に例示される通り、第3実施形態の配信動画Vbは、プレイ動画Vaと関連動画Vcとを含む。プレイ動画Vaは、
図16に例示した通り、対戦ゲームの状況を表す対戦ゲーム画像Va1と、設定条件Cb(制約条件)を表す参照画像Va2とを含む。関連動画Vcは第1実施形態と同様である。
【0085】
以上に説明した通り、第3実施形態においては、端末装置30の利用者Uが、配信動画Vbを受動的に視聴するだけでなく、対戦ゲームに適用される設定条件Cbの設定に関与できる。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できる。
【0086】
第1実施形態においては、参照画像Va2を含む配信動画Vbが各利用者Uの端末装置30に表示される。すなわち、配信動画Vbを視聴する利用者Uが、対戦ゲームにおける制約条件(参照画像Va2)を対戦ゲーム画像Va1とともに確認できる。したがって、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0087】
また、対戦ゲームの状況を表す対戦ゲーム画像Va1と設定条件Cbを表す参照画像Va2とが、対戦ゲームのプレイヤP(P1,P2)に対して表示される。したがって、利用者Uからの指示に応じた設定条件Cb(制約条件)を、対戦ゲームのプレイに並行して各プレイヤPが確認できる。また、第3実施形態においては、設定条件Cbを前提とする報酬条件が成立した場合にプレイヤPに報酬が付与される。したがって、設定条件Cbのもとで対戦ゲームをプレイする誘因をプレイヤPに付与できる。
【0088】
[第4実施形態]
前述の各形態においては、報酬条件が成立した場合に(Sd15:YES,Sd23:YES)、報酬付与部213が、所定量のポイントを報酬としてプレイヤPに付与する形態を例示した。第4実施形態の報酬付与部213は、複数の利用者Uからの指示に応じた報酬をプレイヤPに付与する。具体的には、利用者Uからの指示に応じた数量(以下「報酬量」という)のポイントがプレイヤPに付与される。
【0089】
第4実施形態における動作を
図9に沿って説明する。端末装置30の指示受付部312は、第1実施形態と同様の指示受付画面R1に加えて、利用者Uが報酬量を指示するための画像(以下「指示受付画面」という)R2を表示装置34に表示させる(Sa1)。
【0090】
図18に例示される通り、指示受付画面R2には、相異なる報酬量に対応する複数の選択肢r2が配置される。利用者Uは、操作装置35を操作することで複数の選択肢r2の何れかを選択可能である。指示受付部312は、利用者Uによる選択肢r1の選択(すなわち指示条件Caの選択)と選択肢r2の選択(報酬量の指示)とを受付ける(Sa2)。指示送信部313は、指示受付部312が受付けた指示条件Caと報酬量とを表す指示データQaを通信装置33から動画配信システム10に送信する(Sa3)。なお、利用者Uが報酬量を数値により指示できる構成も想定される。
【0091】
動画配信システム10の条件設定部112は、複数の端末装置30から送信された指示データQaを通信装置13により受信する(Sb1)。条件設定部112は、複数の指示データQaを利用して設定条件Cbと報酬量とを設定する(Sb2)設定条件Cbの設定の方法は第1実施形態と同様である。また、条件設定部112は、各利用者Uが指示した報酬量を集計した結果に応じ、対戦ゲームに実際に適用される報酬量を設定する。具体的には、条件設定部112は、利用者Uによる指示の総数が最大である報酬量を、対戦ゲームに実際に適用される報酬量として確定する。すなわち、複数の利用者Uによる多数決で報酬量が設定される。条件通知部113は、条件設定部112が設定した設定条件Cbと報酬量とをゲームシステム20に通知する(Sb3)。具体的には、条件通知部113は、設定条件Cbと報酬量とを表す条件データQbを通信装置13からゲームシステム20に送信する。条件データQbは通信装置23により受信され(Sc1)、当該条件データQbが表す設定条件Cbおよび報酬量が記憶装置22に記憶される(Sc2)。
【0092】
制御処理Sd(
図10,
図15)において報酬条件が成立した場合(Sd15:YES,Sd23:YES)、制御装置21(報酬付与部213)は、記憶装置22に記憶された報酬量のポイントをプレイヤPに付与する(Sd16,Sd24)。すなわち、報酬付与部213は、複数の利用者Uからの指示に応じた報酬をプレイヤPに付与する。
【0093】
第4実施形態においても第1実施形態または第3実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態においては、プレイヤPに付与される報酬の設定に端末装置30の利用者Uが関与できる。したがって、多数の利用者Uによる配信動画Vbの視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0094】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0095】
(1)前述の各形態においては、複数の利用者Uによる多数決で設定条件Cbを設定したが、利用者Uからの指示に応じて設定条件Cbを設定する具体的な方法は、以上の例示に限定されない。例えば、複数の利用者Uのうち所定の規則または無作為により選択された1以上の利用者Uからの指示に応じて設定条件Cbを設定してもよい。また、複数の利用者Uのうち所定の条件を充足する1以上の利用者Uからの指示に応じて設定条件Cbを設定してもよい。設定条件Cbの設定者として選択された利用者U(すなわち複数の利用者Uの代表者)の名称を、動画配信システム10が各利用者Uの端末装置30に報知してもよい。
【0096】
(2)各プレイヤPまたは各利用者Uに付与される報酬を複数の利用者Uからの指示に応じて報酬付与部213が決定する方法は任意である。例えば、複数の利用者Uのうち最先の利用者Uからの指示に応じて報酬の種類または数量を決定する構成、または、複数の利用者Uが指示した数量の累積値を報酬の数量として決定する構成が想定される。
【0097】
(3)第1実施形態においては、1種類の条件動作に関する設定条件Cbを例示したが、設定条件Cbが複数の条件動作を含んでもよい。すなわち、対戦ゲームにおいてキャラクタOが複数の条件動作の何れかを実行することが、設定条件Cbとして設定される。条件判定部212は、設定条件Cbに係る複数の条件動作の各々について成否を判定する。相異なる条件動作に対応する複数の設定条件Cbを条件設定部112が設定してもよい。条件判定部212は、複数の設定条件Cbの各々について成否を判定する。
【0098】
第3実施形態においても同様に、設定条件Cbが複数の条件動作を含んでもよい。ゲーム制御部211は、各キャラクタOの動作が複数の条件動作に制限される設定条件Cbのもとで対戦ゲームを進行させる。相異なる条件動作に対応する複数の設定条件Cbを条件設定部112が設定してもよい。ゲーム制御部211は、複数の設定条件Cbのもとで対戦ゲームを進行させる。また、第3実施形態においては条件動作以外の動作が禁止される形態を例示した。しかし、条件動作以外の動作も許容される構成のもとで、条件動作以外の動作が実行された場合には、報酬条件が成立しないと報酬付与部213が判定する形態も想定される。
【0099】
(4)前述の各形態においては、プレイヤP1とプレイヤP2とについて共通の設定条件Cbが設定される構成を例示したが、プレイヤP1およびプレイヤP2の各々について別個の設定条件Cbが設定されてもよい。すなわち、プレイヤP1に関する設定条件CbとプレイヤP2に関する設定条件Cbとは相違してもよい。各利用者Uは、プレイヤP1およびプレイヤP2の各々について指示条件Caを指示する。
【0100】
(5)前述の各形態においては、プレイヤP1による成立回数N1とプレイヤP2による成立回数N2とを個別に計数したが、プレイヤP1およびプレイヤP2の何れかについて設定条件Cbが成立した回数を成立回数Nとして計数してもよい。すなわち、成立回数Nは、プレイヤP1に関する成立回数N1と、プレイヤP2に関する成立回数N2との合計値である。
【0101】
(6)第1実施形態において、設定条件Cbが成立した場合に特別な演出効果を出力してもよい。例えば、設定条件Cbが成立した場合、ゲームシステム20の制御装置21は、
図19に例示される通り、特定の演出画像Eを表示装置25に表示させる。演出画像Eは、プレイヤPに対する報酬(ポイント)の付与を表現する画像である。また、制御装置21は、設定条件Cbが成立した場合に、特定の効果音を放音装置に再生させてもよい。同様に、端末装置30の制御装置31は、設定条件Cbが成立した場合に、所定の演出画像を表示装置34に表示させ、所定の効果音を放音装置に再生させる。
【0102】
(7)前述の各形態においては、ゲームシステム20において表示されるプレイ動画Vaと端末装置30において表示される配信動画Vbとが相違する場合を例示したが、プレイ動画Vaを配信動画Vbとして端末装置30に表示させてもよい。すなわち、プレイ動画Vaと配信動画Vbとは共通してもよい。
【0103】
(8)各利用者Uが所有する価値媒体の所定量の消費と引換えに、報酬条件の成立時にプレイヤPに報酬を付与してもよい。価値媒体は、例えば通貨(例えば電子マネー)またはポイントである。ポイントは、例えば、通貨の消費等により利用者Uが事前に取得するプリペイドポイントを含む。利用者Uが通貨またはポイントの所定量を消費する決済処理を条件として、指示条件Caおよび報酬量の指示が許可される。すなわち、プレイヤPに対する報酬は、各利用者Uからの投げ銭(寄付または応援行為)として実現されてもよい。
【0104】
(9)前述の各形態においては、各プレイヤPに付与される報酬としてポイントを例示したが、報酬の種類は以上の例示に限定されない。例えば、対戦ゲームにおいて使用可能なアイテム、または、対戦ゲームにおいて特定のイベントに参加できる権利を、報酬条件が成立した場合の報酬としてプレイヤPに付与してもよい。また、第4実施形態においては、報酬条件が成立したプレイヤPに付与される報酬の数量(報酬量)を各利用者Uからの指示に応じて設定したが、各利用者Uからの指示に応じて設定される事項は報酬量に限定されない。例えば、各端末装置30の利用者Uからの指示に応じて報酬の種類を設定してもよい。
【0105】
(10)前述の各形態においては、動画配信システム10が動画配信部111と条件設定部112と条件通知部113とを具備し、ゲームシステム20がゲーム制御部211と条件判定部212と報酬付与部213と表示制御部214とを具備する構成を例示したが、各要素が設置される場所は以上の例示に限定されにない。例えば、条件設定部112をゲームシステム20に搭載した構成、または、条件判定部212または報酬付与部213を動画配信システム10に搭載した構成も想定される。
【0106】
(11)前述の各形態においては、プレイヤP1とプレイヤP2とが対戦する対戦ゲームを例示したが、本発明におけるゲームの種類は任意である。例えば、物理抽選または電子抽選等の抽選処理が実行される抽選ゲーム、複数のプレイヤPが例えばスポーツまたはボードゲームで競技する競技ゲーム、プレイヤPが音楽にあわせて動作する音楽ゲーム、プレイヤPがキャラクタOを操作することで種々の目的を達成するアクションゲーム、プレイヤPがキャラクタOを操作することで種々の場所を探索する探索ゲーム等の任意のゲームに本発明は適用される。以上の例示からも理解される通り、本発明が適用されるゲームにおいてプレイヤPの人数は任意である。すなわち、複数のプレイヤPが対戦または協力するゲームのほか、1人のプレイヤPがプレイするゲームにも、本発明は適用される。
【0107】
(12)第1実施形態においては、キャラクタOが条件動作を実行することを設定条件Cbとして例示したが、設定条件Cbの内容は以上の例示には限定されず、ゲームの種類または内容に応じて適宜に選定される。例えば、抽選ゲームにおいて特定の賞に当選すること、競技ゲームにおいて特定の事象(例えば得点)が発生すること、音楽ゲームにおいて特定の時点にプレイヤPの動作が完全に一致すること、アクションゲームにおいてキャラクタOが特定の動作を実行すること、探索ゲームにおいて特定のキャラクタまたはアイテムが登場すること、複数の選択肢のうち特定の選択肢をプレイヤPが選択すること等、ゲーム内において成否が確定していない任意の事柄(すなわちゲームの進行に応じて成否が変化する事項)が、設定条件Cbとして設定される。以上の例示からも理解される通り、設定条件CbがキャラクタOに関する条件であることは必須ではない。
【0108】
(13)第3実施形態においては、キャラクタOの動作を特定の条件動作に限定することを設定条件Cb(制約条件)として例示したが、設定条件Cbの内容は以上の例示には限定されず、ゲームの種類または内容に応じて適宜に選定される。例えば、抽選ゲームにおいて抽選処理の回数を制限すること、競技ゲームにおいてゲームが展開される仮想的な環境(例えば競技場所)を制限すること、音楽ゲームにおいて再生される音楽を制限すること、アクションゲームにおいて所定の目的を達成するための時間を制限すること、探索ゲームにおいて使用できるアイテムを制限すること、複数の選択肢のうち特定の選択肢の選択を制限すること等、ゲームの進行を制約する任意の事柄が、設定条件Cbとして設定される。例えば、野球ゲームにおいて投手が投球可能な球種が特定の球種(例えばストレート)に制限されることが設定条件Cbとして例示される。以上の例示からも理解される通り、設定条件CbがキャラクタOに関する条件であることは必須ではない。
【0109】
(14)前述の各形態においては、各端末装置30の利用者Uからの指示に応じて設定条件Cbを設定したが、例えば対戦ゲームのイベントを運営する運営者からの指示に応じて設定条件Cbを設定してもよい。プレイヤPに付与される報酬についても同様に、利用者Uに代えて運営者からの指示に応じて設定してもよい。運営者が報酬を設定する構成においては、報酬条件が成立した場合に、報酬付与部213は、プレイヤPに加えて利用者Uにも報酬が付与されてもよい。
【0110】
(15)前述の各形態においては、配信動画Vbを表す動画データDbを動画配信システム10から端末装置30に送信したが、動画データDbの内容は以上の例示に限定されない。例えば、各プレイヤPによる操作の内容を表す動画データDb(いわゆるリプレイデータ)を動画配信システム10から端末装置30に送信してもよい。端末装置30の制御装置31は、ゲームシステム20の制御装置21が実行するゲームの制御(Sd12,Sd22)と同様の処理によりプレイ動画Vaを再現し、当該プレイ動画Vaを含む配信動画Vbを表示装置34に表示させる。以上に例示から理解される通り、配信動画Vbの配信は、端末装置30が配信動画Vbを表示可能な動画データDbを当該端末装置30に送信する処理を意味し、動画データDbの形式は任意である。すなわち、前述の各形態の例示のようにプレイ動画Vaを直接に表すデータのほか、プレイヤPによる操作の内容を表すリプレイデータも、動画データDbの概念には包含される。
【0111】
また、動画データDbが、配信動画Vbを構成する要素または各要素の位置を表す構成も想定される。端末装置30の表示制御部311は、動画データDbを利用して配信動画Vbを生成し、当該配信動画Vbを表示装置34に表示させる。また、配信動画Vbの一部が端末装置30の記憶装置32に記憶されてもよい。表示制御部311は、動画データDbが表す動画に対し、記憶装置32に記憶された画像を付加することで配信動画Vbを生成し、当該配信動画Vbを表示装置34に表示させる。
【0112】
以上の説明から理解される通り、動画データDb(Da)は、配信動画Vbを表示装置34に表示するためのデータとして包括的に表現される。すなわち、配信動画Vb自体を表すデータのほか、配信動画Vbを表示するための処理に利用されるデータ(例えば配信動画Vbの生成に利用されるデータ)も、動画データDbの概念には包含される。
【0113】
(16)前述の各形態において、各利用者Uからの指示に応じて設定された設定条件Cbがゲームに適用されることを各プレイヤPが拒否できる構成も想定される。各プレイヤPは、操作装置24を操作することで、設定条件Cbの容認/拒否を選択できる。設定条件CbをプレイヤPが拒否した場合、ゲーム制御部211は、当該設定条件Cbを無効化した状態でゲームを進行させる。すなわち、第1実施形態においては設定条件Cbの成否の判定が実行されず、第3実施形態においては設定条件Cbによる制約なしでゲームが進行される。また、報酬付与部213は、設定条件CbをプレイヤPが容認した場合に、報酬条件の成立により当該プレイヤPに報酬を付与し、設定条件CbをプレイヤPが拒否した場合には、報酬条件が成立したときでも当該プレイヤPに報酬を付与しない。以上の構成によれば、設定条件Cbの設定に関与する利用者Uと、報酬の獲得を目指すプレイヤPとの間で、駆引きを発生させることが可能である。
【0114】
(17)前述の各形態においては、プレイヤPおよび利用者Uの双方に報酬が付与される形態を例示したが、プレイヤPおよび利用者Uの一方のみに報酬が付与される構成も想定される。また、前述の各形態においては、プレイヤPおよび利用者Uに同種の報酬(ポイント)が付与される形態を例示したが、プレイヤPに付与される報酬の種類と利用者Uに付与される報酬の種類とは相違してもよい。例えば、対戦ゲームのプレイまたは対戦ゲームにおけるアイテムの獲得のために消費されるポイントがプレイヤPに付与され、動画配信システム10が配信する動画の視聴に関して消費されるポイントが利用者Uに付与される。利用者Uに付与されるポイントは、例えば、特定の動画の視聴、動画に関する物品の購入または動画の出演者に対する提供(いわゆる投げ銭)のために消費される。
【0115】
(18)前述の各形態に係る情報システム100の機能は、1以上のプロセッサ(制御装置11,制御装置21)とプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0116】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0117】
[付記A1]
本発明のひとつの態様(付記1)に係る情報システム(100)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する動画配信部(111)と、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件(Cb)を設定する条件設定部(112)と、前記ゲームを制御するゲーム制御部(211)と、前記ゲームにおける前記設定条件(Cb)の成否を判定する条件判定部(212)とを具備する。以上の構成によれば、端末装置(30)の利用者(U)は、ゲームの配信動画(Vb)を視聴するだけでなく、当該ゲームに適用される設定条件(Cb)の設定に関与できる。したがって、各端末装置(30)の利用者(U)が配信動画(Vb)を視聴するだけの構成と比較して、多数の利用者(U)による配信動画(Vb)の視聴を促進できる。
【0118】
「ゲーム」の種類は任意である。例えば、複数のプレイヤ(P)が対戦するゲーム、複数のプレイヤ(P)が共通の目的の達成を目指すゲーム、または1人のプレイヤ(P)が所定の目的の達成を目指すゲーム等、プレイヤ(P)の人数または関係を問わない任意の種類のゲームに本発明は適用される。
【0119】
「配信動画(Vb)」は、当該動画を視聴する利用者(U)がゲームの状況を把握可能な任意の画像である。典型的には、プレイヤ(P)が視認するプレイ動画(Va)と同様の配信動画(Vb)が端末装置(30)に配信されるが、プレイヤ(P)が視認するプレイ動画(Va)と端末装置(30)に配信される配信動画(Vb)とが一致する必要はない。
【0120】
「設定条件(Cb)」は、ゲーム内において成否が確定していない事柄(すなわちゲームの進行に応じて成否が変化する事柄)と、ゲームの進行を制約する事柄(すなわち制約条件)とを包含する。前者の設定条件(Cb)は、例えば、ゲームのなかで特定の事象が発生することである。特定の事象とは、例えばゲームに登場するキャラクタ(O)が特定の動作(例えば必殺技)を実行すること、または、ゲームの進行に応じて特定の状況が発生することである。また、後者の設定条件(Cb)は、例えば、ゲームに登場するキャラクタ(O)の動作に関する制約、ゲームにおいて使用されるアイテムに関する制約、またはゲームの進行に関する時間的な制約(例えば特定の目的の達成のための時間制限)である。
【0121】
端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて設定条件(Cb)を設定する具体的な方法は任意である。例えば、条件設定部(112)は、複数の利用者(U)からの指示を集計した結果に応じて設定条件(Cb)を設定する。例えば、事前に用意された複数の条件のうち、利用者(U)から指示された総数が最大である条件を設定条件(Cb)として選択すること(すなわち多数決)が想定される。また、複数の利用者(U)のうち特定の条件を充足する1以上の利用者(U)からの指示に応じて設定条件(Cb)を設定してもよい。
【0122】
「情報システム(100)」は、1以上の装置で構成され得る。例えば、情報システム(100)は、動画配信システム(10)とゲームシステム(20)とを具備する。動画配信システム(10)は、動画配信部(111)と条件設定部(112)とを具備し、ゲームシステム(20)はゲーム制御部(211)と条件判定部(212)とを具備する。ただし、動画配信システム(10)とゲームシステム(20)との機能的な区別は必須ではない。例えば、情報システム(100)が単体の装置で構成されてもよい。また、条件設定部(112)をゲームシステム(20)が具備する構成、または条件判定部(212)を動画配信システム(10)が具備する構成も想定される。
【0123】
[付記A2]
付記A1の具体例(付記A2)において、前記配信動画(Vb)は、前記条件判定部(212)による判定の結果に関する参照画像(Va2)を含む。以上の構成によれば、端末装置(30)を利用して配信動画(Vb)を視聴する利用者(U)が、設定条件(Cb)の成否に関する参照画像(Va2)をゲーム画像(Va1)とともに確認できる。したがって、多数の利用者(U)による配信動画(Vb)の視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0124】
なお、「参照画像(Va2)」は、例えば設定条件(Cb)の成立または不成立を直接的に表す画像、または設定条件(Cb)が成立した回数を表す画像等、設定条件(Cb)の成否を判定した結果に応じて変化する任意の画像である。なお、設定条件(Cb)の成否の判定は、典型的にはゲームシステム(20)が実行するが、動画配信システム(10)または他のコンピュータシステムが実行してもよい。
【0125】
[付記A3]
付記A2の具体例(付記A3)において、前記参照画像(Va2)は、前記設定条件(Cb)が成立した回数を含む。以上の構成によれば、設定条件(Cb)が成立した回数を含む参照画像(Va2)が端末装置(30)に表示される。したがって、配信動画(Vb)の視聴を継続する誘因を多数の利用者(U)に付与できる。
【0126】
[付記A4]
付記A1から付記A3の何れかの具体例(付記A4)に係る情報システム(100)は、前記ゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)と前記条件判定部(212)による判定の結果に関する参照画像(Va2)とを前記1以上のプレイヤ(P)に対して表示する表示制御部(214)を具備する。以上の構成によれば、利用者(U)からの指示に応じて設定された設定条件(Cb)の成否を、プレイヤ(P)がゲームのプレイに並行して確認できる。したがって、設定条件(Cb)が成立するようにゲームをプレイする誘因をプレイヤ(P)に付与できる。
【0127】
[付記A5]
付記A1から付記A4の何れかの具体例(付記A5)において、前記設定条件(Cb)は、前記ゲームにおいて前記1以上のプレイヤ(P)が操作するキャラクタ(O)が特定の動作を実行することである。以上の構成によれば、設定条件(Cb)に係る特定の動作を実行するようにキャラクタ(O)を操作する誘因をプレイヤ(P)に付与できる。
【0128】
[付記A6]
付記A1から付記A5の何れかの具体例(付記A6)に係る情報システム(100)は、前記1以上のプレイヤ(P)について前記設定条件(Cb)の成立を含む報酬条件が成立した場合に、当該プレイヤ(P)に報酬を付与する報酬付与部(213)を具備する。以上の構成によれば、報酬条件が成立したプレイヤ(P)に報酬が付与される。したがって、設定条件(Cb)が成立するようにゲームをプレイする誘因をプレイヤ(P)に付与できる。
【0129】
[付記A7]
付記A6具体例(付記A7)において、前記報酬付与部(213)は、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて設定された前記報酬を付与する。以上の構成によれば、プレイヤ(P)に付与される報酬の設定に端末装置(30)の利用者(U)が関与できる。したがって、多数の利用者(U)による配信動画(Vb)の視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0130】
[付記A8]
本発明のひとつの態様(付記A8)に係る情報処理方法は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する一方、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件(Cb)を設定し、前記ゲームを制御し、前記ゲームにおける前記設定条件(Cb)の成否を判定する。
【0131】
[付記A9]
本発明のひとつの態様(付記A9)に係るプログラムは、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する動画配信部(111)、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件(Cb)を設定する条件設定部(112)、前記ゲームを制御するゲーム制御部(211)、および、前記ゲームにおける前記設定条件(Cb)の成否を判定する条件判定部(212)、としてコンピュータシステムを機能させる。
【0132】
[付記A10]
本発明のひとつの態様(付記A10)に係る動画配信システム(10)は、1以上のプレイヤ(P)がゲームシステム(20)によりプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する動画配信部(111)と、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する設定条件(Cb)を設定する条件設定部(112)と、前記設定条件(Cb)を前記ゲームシステム(20)に通知する条件通知部(113)とを具備する。
【0133】
[付記B1]
本発明のひとつの態様(付記B1)に係る情報システム(100)は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する動画配信部(111)と、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件(Cb)を設定する条件設定部(112)と、前記制約条件(Cb)のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部(211)とを具備する。以上の構成によれば、端末装置(30)の利用者(U)は、ゲームの配信動画(Vb)を視聴するだけでなく、当該ゲームに適用される制約条件(Cb)の設定に関与できる。したがって、各端末装置(30)の利用者(U)が配信動画(Vb)を視聴するだけの構成と比較して、多数の利用者(U)による配信動画(Vb)の視聴を促進できる。
【0134】
「制約条件(Cb)」は、ゲームの進行を制約する事柄である。例えば、ゲームに登場するキャラクタ(O)の動作に関する制約、ゲームにおいて使用されるアイテムに関する制約、またはゲームの進行に関する時間的な制約(例えば特定の目的の達成のための時間制限)が、制約条件(Cb)の具体例である。
【0135】
端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて制約条件(Cb)を設定する具体的な方法は任意である。例えば、条件設定部(112)は、複数の利用者(U)からの指示を集計した結果に応じて制約条件(Cb)を設定する。例えば、事前に用意された複数の条件のうち、利用者(U)から指示された総数が最大である条件を制約条件(Cb)として選択すること(すなわち多数決)が想定される。また、複数の利用者(U)のうち特定の条件を充足する1以上の利用者(U)からの指示に応じて制約条件(Cb)を設定してもよい。
【0136】
「制約条件(Cb)のもとで」とは、制約条件(Cb)に背反する事項(例えば動作または状態)の発生がゲームにおいて禁止されることを意味する。例えば、複数のプレイヤ(P)が対戦するゲームに登場するキャラクタ(O)について「特定の動作のみで勝利する」という制約条件(Cb)が設定された場合、制約条件(Cb)により許容された特定の動作以外の動作を当該キャラクタ(O)が実行することが禁止された状態でゲームが進行する。
【0137】
「情報システム(100)」は、1以上のシステムで構成され得る。例えば、情報システム(100)は、動画配信システム(10)とゲームシステム(20)とを具備する。動画配信システム(10)は、動画配信部(111)と条件設定部(112)とを具備し、ゲームシステム(20)はゲーム制御部(211)を具備する。ただし、動画配信システム(10)とゲームシステム(20)との機能的な区別は必須ではない。例えば、情報システム(100)が単体の装置で構成されてもよい。また、条件設定部(112)をゲームシステム(20)が具備する構成も想定される。
【0138】
[付記B2]
付記B1の具体例(付記B2)において、前記配信動画(Vb)は、前記制約条件(Cb)を表す参照画像(Va2)を含む。以上の構成によれば、端末装置(30)を利用して配信動画(Vb)を視聴する利用者(U)が、制約条件(Cb)をゲーム画像(Va1)とともに確認できる。
【0139】
[付記B3]
付記B1または付記B2の具体例(付記B3)に係る情報システム(100)は、前記ゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)と前記制約条件(Cb)を表す参照画像(Va2)とを前記1以上のプレイヤ(P)に対して表示する表示制御部(214)を具備する。以上の構成によれば、利用者(U)からの指示に応じて設定された制約条件(Cb)を、プレイヤ(P)がゲームのプレイに並行して確認できる。
【0140】
[付記B4]
付記B1から付記B3の何れかの具体例(付記B4)に係る情報システム(100)は、前記1以上のプレイヤ(P)について前記制約条件(Cb)のもとで所定の報酬条件が成立した場合に、当該プレイヤ(P)に報酬を付与する報酬付与部(213)を具備する。以上の構成によれば、制約条件(Cb)のもとで報酬条件が成立したプレイヤ(P)に報酬が付与される。したがって、制約条件(Cb)のもとでゲームをプレイする誘因をプレイヤ(P)に付与できる。
【0141】
[付記B5]
付記B4の具体例(付記B5)において、前記報酬付与部(213)は、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて設定された前記報酬を付与する。以上の構成によれば、プレイヤ(P)に付与される報酬の設定に端末装置(30)の利用者(U)が関与できる。したがって、多数の利用者(U)による配信動画(Vb)の視聴を促進できるという効果は格別に顕著である。
【0142】
[付記B6]
本発明のひとつの態様(付記B6)に係る情報処理方法は、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する一方、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件(Cb)を設定し、前記制約条件(Cb)のもとで前記ゲームを進行させる。
【0143】
[付記B7]
本発明のひとつの態様(付記B7)に係るプログラムは、1以上のプレイヤ(P)がプレイするゲームの状況を表すゲーム画像(Va1)を含む配信動画(Vb)を、複数の端末装置(30)に配信する動画配信部(111)、前記複数の端末装置(30)のうち1以上の端末装置(30)の利用者(U)からの指示に応じて前記ゲームに関する制約条件(Cb)を設定する条件設定部(112)、および、前記制約条件(Cb)のもとで前記ゲームを進行させるゲーム制御部(211)、としてコンピュータシステムを機能させる。
【符号の説明】
【0144】
100…情報システム、200…通信網、10…動画配信システム、11,21,31…制御装置、12,22,32…記憶装置、13,23,33…通信装置、20…ゲームシステム、24,35…操作装置、25,34…表示装置、G(G1,G2)…ゲームユニット、30…端末装置、111…動画配信部、112…条件設定部、113…条件通知部、211…ゲーム制御部、212…条件判定部、213…報酬付与部、214…表示制御部、311…表示制御部、312…指示受付部、313…指示送信部。