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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022026987
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】情報検索表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/904 20190101AFI20220203BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220203BHJP
   G06F 3/04817 20220101ALI20220203BHJP
【FI】
G06F16/904
G06Q10/10
G06F3/0481 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130727
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】518203629
【氏名又は名称】ウーブン・コア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 公一郎
(72)【発明者】
【氏名】春田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】飯田 浩央
(72)【発明者】
【氏名】山岡 正明
【テーマコード(参考)】
5B175
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5B175HB03
5B175JA02
5E555AA02
5E555AA22
5E555AA28
5E555AA33
5E555BA01
5E555BA53
5E555BA86
5E555BB01
5E555BC17
5E555CB05
5E555CB34
5E555CB46
5E555CC24
5E555DB18
5E555DB54
5E555DB56
5E555DC26
5E555DC35
5E555DC45
5E555DD09
5E555EA08
5E555FA00
5L049AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組織内の情報を適切に検索して表示させる情報検索表示システム及び情報検索表示プログラムを提供する。
【解決手段】組織内の情報を検索して画面上に表示する情報検索表示システムにおいて、サーバ装置3は、組織内の人員及びファイルを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報と、各情報ユニットの特性を示す特性情報とを記憶する記憶部32と、検索語が入力されると特性情報に基づいて検索語と関連性のある情報ユニットを選択する選択部333と、相関情報に基づいて選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する相関性取得部334と、選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示するための表示データを生成する生成部335と、生成された表示データを出力する出力部336と、を備える。生成部335は、相関度合いに応じて連結線の表示態様が変わるように表示データを生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の情報を検索して画面上に表示する情報検索表示システムであって、
前記組織内の人員と前記組織のネットワーク内に保存されたファイルとを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報と、各情報ユニットの特性を示す特性情報とを記憶する記憶部と、
検索語が入力されると前記特性情報に基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択する選択部と、
前記相関情報に基づいて前記選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する相関性取得部と、
前記選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示するための表示データを生成する生成部と、
前記生成された表示データを出力する出力部と、を備え、
前記生成部は、前記相関度合い応じて前記連結線の表示態様が変わるように前記表示データを生成する、情報検索表示システム。
【請求項2】
前記相関度合いは、前記情報ユニット間のアクセス頻度又は前記情報ユニット間のアクセス回数が多いほど高い、請求項1に記載の情報検索表示システム。
【請求項3】
前記情報ユニットが共に前記組織内の人員である場合には、前記相関度合いは前記人員同士の接触頻度又は接触回数が多いほど高い、請求項1又は2に記載の情報検索表示システム。
【請求項4】
前記生成部は、前記情報ユニット同士の相関度合いが高いほどこれら情報ユニットに対応する前記アイコン同士を結ぶ連結線の本数が多くなるように前記表示データを生成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記情報ユニット同士の相関度合いが高いほどこれら情報ユニットに対応する前記アイコン同士を結ぶ連結線が太くなるように前記表示データを生成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項6】
前記生成部は、前記選択された情報ユニットのうち前記選択された他の全ての情報ユニットとの総相関度合いが高い情報ユニットに対応するアイコンほど中央に配置されるように前記表示データを生成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項7】
前記選択部は、前記特性情報に基づいて前記情報ユニットと前記検索語との関連度合いを算出すると共に、該関連度合いに基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択し、
前記生成部は、前記関連度合いが高い情報ユニットを相対的に大きいアイコンで表示するように前記表示データを生成する、請求項1~6のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項8】
前記生成部は、前記情報ユニットの種類に応じて該情報ユニットに対応するアイコンの表示態様が変わるように前記表示データを生成する、請求項1~7のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項9】
前記生成部は、前記情報ユニットに対応するアイコンがクリック若しくはダブルクリックされるか又は前記情報ユニットに対応するアイコン上にポインタが重ねられると、該情報ユニットの種類に関わらず、メッセージ入力ウィンドウをさらに表示するように前記表示データを生成する、請求項1~8のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項10】
前記記憶部は、前記相関情報及び前記特性情報を、それぞれ、これら相関情報及び特性情報が抽出された情報源と関連付けて記憶しており、
前記選択部は、検索対象となる情報源がユーザによって選択されると、前記検索語が入力されたときに、前記選択された情報源から抽出された前記特性情報に基づいて前記検索語との関連性のある情報ユニットを選択し、
前記相関性取得部は、前記選択された情報源から抽出された前記相関情報に基づいて、前記選択部によって選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報検索表示システム。
【請求項11】
記憶部を備え、組織内の情報を検索して画面上に表示するコンピュータのプログラムであって、
前記組織内の人員と前記組織のネットワーク内に保存されたファイルとを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報と、各情報ユニットの特性を示す特性情報とを前記記憶部に記憶し、
検索語が入力されると前記特性情報に基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択し、
前記相関情報に基づいて前記選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得し、
前記選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示すると共に相関度合い応じて前記連結線の表示態様が変わるように表示データを生成し、
前記生成された表示データを出力する、
ことを前記コンピュータに実行させる、情報検索表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報検索表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織内の人員に関するデータベースを作成し、このデータベースを用いて組織内の特定の人員に関する情報を検索したり、特定の特性を有する組織内の人員を検索したりすると共に、検索結果を画面に表示させる、情報検索表示システムが検討されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の情報検索表示システムは、組織内の人員それぞれに質問票に回答させること等により各人員の特性(知識、スキル又は経験等)を取得して作成されたデータベースと、このデータベースを用いて任意の特性を有する組織内の人員を検索可能な端末とを有する。この情報検索表示システムによれば、端末においてユーザが特性に関する検索を行うと、検索された特性を有する人員が表示される。
【0004】
また、検索結果を表示するにあたって、検索語が記載されたアイコンを中央に、検索結果のデータのサムネイル画像をアイコンの周りに表示することが検討されている(例えば、特許文献3)。特に、特許文献3では、複数の検索語がある場合に、検索語間の距離をこれら検索語同士の関連度合いに応じて変更することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-534185号公報
【特許文献2】特開2010-224941号公報
【特許文献3】特開2017-134847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の情報検索表示システムでは、任意の特性に関連する組織内の人員を検索することはできる。しかしながら、ユーザにとって組織内の人員の情報だけでは不十分な場合がある。
【0007】
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、組織内の情報を適切に検索して表示させることができる情報検索表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0009】
(1)組織内の情報を検索して画面上に表示する情報検索表示システムであって、前記組織内の人員と前記組織のネットワーク内に保存されたファイルとを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報と、各情報ユニットの特性を示す特性情報とを記憶する記憶部と、検索語が入力されると前記特性情報に基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択する選択部と、前記相関情報に基づいて前記選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する相関性取得部と、前記選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示するための表示データを生成する生成部と、前記生成された表示データを出力する出力部と、を備え、前記生成部は、前記相関度合い応じて前記連結線の表示態様が変わるように前記表示データを生成する、情報検索表示システム。
(2)前記相関度合いは、前記情報ユニット間のアクセス頻度又は前記情報ユニット間のアクセス回数が多いほど高い、上記(1)に記載の情報検索表示システム。
(3)前記情報ユニットが共に前記組織内の人員である場合には、前記相関度合いは前記人員同士の接触頻度又は接触回数が多いほど高い、上記(1)又は(2)に記載の情報検索表示システム。
(4)前記生成部は、前記情報ユニット同士の相関度合いが高いほどこれら情報ユニットに対応する前記アイコン同士を結ぶ連結線の本数が多くなるように前記表示データを生成する、上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(5)前記生成部は、前記情報ユニット同士の相関度合いが高いほどこれら情報ユニットに対応する前記アイコン同士を結ぶ連結線が太くなるように前記表示データを生成する、上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(6)前記生成部は、前記選択された情報ユニットのうち前記選択された他の全ての情報ユニットとの総相関度合いが高い情報ユニットに対応するアイコンほど中央に配置されるように前記表示データを生成する、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(7)前記選択部は、前記特性情報に基づいて前記情報ユニットと前記検索語との関連度合いを算出すると共に、該関連度合いに基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択し、前記生成部は、前記関連度合いが高い情報ユニットを相対的に大きいアイコンで表示するように前記表示データを生成する、上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(8)前記生成部は、前記情報ユニットの種類に応じて該情報ユニットに対応するアイコンの表示態様が変わるように前記表示データを生成する、上記(1)~(7)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(9)前記生成部は、前記情報ユニットに対応するアイコンがクリック若しくはダブルクリックされるか又は前記情報ユニットに対応するアイコン上にポインタが重ねられると、該情報ユニットの種類に関わらず、メッセージ入力ウィンドウをさらに表示するように前記表示データを生成する、上記(1)~(8)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(10)前記記憶部は、前記相関情報及び前記特性情報を、それぞれ、これら相関情報及び特性情報が抽出された情報源と関連付けて記憶しており、前記選択部は、検索対象となる情報源がユーザによって選択されると、前記検索語が入力されたときに、前記選択された情報源から抽出された前記特性情報に基づいて前記検索語との関連性のある情報ユニットを選択し、前記相関性取得部は、前記選択された情報源から抽出された前記相関情報に基づいて、前記選択部によって選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する、上記(1)~(9)のいずれか一つに記載の情報検索表示システム。
(11)記憶部を備え、組織内の情報を検索して画面上に表示するコンピュータのプログラムであって、前記組織内の人員と前記組織のネットワーク内に保存されたファイルとを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報と、各情報ユニットの特性を示す特性情報とを前記記憶部に記憶し、検索語が入力されると前記特性情報に基づいて前記検索語と関連性のある情報ユニットを選択し、前記相関情報に基づいて前記選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得し、前記選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示すると共に相関度合い応じて前記連結線の表示態様が変わるように表示データを生成し、前記生成された表示データを出力する、ことを前記コンピュータに実行させる、情報検索表示プログラム。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、組織内の情報を適切に検索して表示させることができる情報検索表示システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一つの実施形態に係る情報検索表示システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、端末装置の概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、サーバ装置の概略構成の一例を示す図である。
図4図4は、情報記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、プロファイリング部からサーバ記憶部に保存される特性・相関性テーブルの一つの例を示している。
図6図6は、検索データ表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7図7は、三つの検索語が入力されたときの、検索語と各情報ユニットとの関連度合い及び情報ユニット間の相関度合い等の一例を示す表である。
図8図8は、端末装置の表示部に表示される検索結果表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、一つの情報ユニットに関する情報ウィンドウの一例を示す図である。
図10図10は、お気に入りウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0013】
<情報検索表示システムの構成>
図1は、一つの実施形態に係る情報検索表示システム1の概略構成の一例を示す図である。情報検索表示システム1は、任意の組織内の情報を検索して画面に表示するために用いられる。本実施形態に係る情報検索表示システム1は、例えば、任意の組織内の人員の情報及び組織内のネットワークに保存されたファイルを含む情報ユニットに関する情報を検索して画面に表示するために用いられる。なお、「組織」という用語は、任意の共通の目的を達成するための任意の集合体を意味するものであり、営利、非営利、民営、公営のいずれも集合体であってもよい。したがって、「組織」は、例えば、一つの企業、一つの政府機関、複数の企業の共同体、複数の政府機関の共同体、企業及び政府機関の共同体を含む。
【0014】
情報検索表示システム1は、複数の端末装置2-1~2-nと、サーバ装置3とを含む。これら端末装置2-1~2-nは、情報検索表示サービスを提供する任意の組織に帰属している。端末装置2-1~2-nとサーバ装置3とは、ネットワーク4を介して相互に通信可能に接続される。端末装置2-1~2-nは、組織内の各人員に帰属する端末であり、例えば、PC(Personal Computer)又はタブレットである。サーバ装置3は、情報検索表示サービスを提供する組織によって管理される。図示した例では、情報検索表示システム1は、一つのサーバ装置3を有するが、複数のサーバ装置3を有しても良い。ネットワーク4は、インターネット、イントラネット又はLAN(Local Area Network)等である。なお、サーバ装置3は、情報検索表示装置の一例である。
【0015】
図2は、端末装置2の概略構成の一例を示す図である。端末装置2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを含む。
【0016】
端末通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2をサーバ装置3と通信可能にする通信インタフェース回路を有する。端末通信部21が有する通信インタフェース回路は、有線LAN、無線LAN等の通信インタフェース回路である。端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ装置3に送信するとともに、サーバ装置3から送信されたデータを端末処理部25に供給する。
【0017】
端末記憶部22は、プログラム又はデータを記憶するためのデバイスであり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。端末記憶部22は、端末処理部25による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム及びデータ等を記憶する。また、端末記憶部22は、後述する情報ユニットを構成するファイルを記憶していてもよい。
【0018】
操作部23は、ユーザによる端末装置2に対する操作を受付けるためのデバイスであり、例えば、マウス、キーボード及びタッチパネル等である。操作部23は、ユーザによる入力操作を受付ける。ユーザによる入力操作は、キーボードによる文字、数字、記号等の入力操作、マウスやタッチパネルによるクリック操作やタッチ操作を含む。操作部23は、ユーザによる操作を受付けた場合、その操作に対応する信号を生成し、端末処理部25に供給する。
【0019】
表示部24は、ユーザに対して画像等を表示するデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給されたデータに応じた画像等を表示する。
【0020】
端末処理部25は、一又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、端末装置2の動作を統括的に制御する。端末処理部25は、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scaled IC)、ASIC(Application Specific IC)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等でもよい。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて端末装置2の各種処理が適切な手順で実行されるように、端末通信部21及び表示部24の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて処理を実行する。端末処理部25は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0021】
端末処理部25は、送信処理部251及び表示処理部252を機能ブロックとして有する。これらの各部は、端末処理部25によって実行されるプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの各部は、ファームウェアとして端末装置2に実装されてもよい。
【0022】
図3は、サーバ装置3の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0023】
サーバ通信部31は、ネットワーク4を介してサーバ装置3を端末装置2と通信可能にする通信インタフェース回路を備える。サーバ通信部31が備える通信インタフェース回路は、有線LANの通信インタフェース回路等である。サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを端末装置2に送信するとともに、端末装置2から送信されたデータをサーバ処理部33に供給する。
【0024】
サーバ記憶部32は、プログラム又はデータを記憶するためのデバイスであり、例えば、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。プログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な一時的でない可搬型記憶媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部32にインストールされる。また、サーバ記憶部32は、後述する、抽出データ321及び特性・相関性テーブル322をデータとして記憶する。加えて、サーバ記憶部32は、後述する情報ユニットを構成するファイルを記憶している。
【0025】
サーバ処理部33は、一又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、例えばCPUであり、サーバ装置3の動作を統括的に制御する。サーバ処理部33は、DSP、LSI、ASIC、FPGA等でもよい。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいてサーバ装置3の各種処理が適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0026】
サーバ処理部33は、情報抽出部331と、プロファイリング部332と、選択部333と、相関性取得部334、生成部335と、出力部336とを機能ブロックとして備える。これらの各部は、サーバ処理部33によって実行されるプログラムによって実現される機能モジュールである。これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ装置3に実装されてもよい。
【0027】
<情報検索表示システムの処理>
このように構成された情報検索表示システム1では、様々な情報源から、組織内の情報ユニットに関するデータが抽出される。加えて、情報検索表示システム1では、抽出されたデータに基づいて、各情報ユニットの特性を示す特性情報と、情報ユニット間の相関を示す相関情報とが求められ、求められた特性情報及び相関情報は記憶部に記憶される。以下では、このように情報源から抽出したデータに基づいて特性情報及び相関情報を記憶部に記憶させる処理を情報記憶処理と称する。
【0028】
また、このように構成された情報検索表示システム1では、各端末装置2を操作するユーザによって検索語が入力されると、この検索語に関連する情報ユニットが、その端末装置2の表示部24に表示される。以下では、このように検索語に関連する情報ユニットを表示部24に表示させる表示データを出力する処理を、検索データ表示処理と称する。
【0029】
≪情報記憶処理≫
まず、情報検索表示システム1で行われる情報記憶処理について説明する。図4は、情報記憶処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態では、情報記憶処理は、サーバ装置3のサーバ処理部33において行われる。
【0030】
情報記憶処理では、まず、情報抽出部331が、多数の情報源から定期的にデータを抽出し、抽出された抽出データ321をサーバ記憶部32に記憶させる(ステップS11)。本実施形態では、情報抽出部331は、組織内の人員に関する情報及び組織内のサーバ装置に保存されたファイルに関する情報を多数の情報源から定期的に抽出する。情報抽出部331は、情報源における様々なデータ構造(例えば、HTMLフォーマット)を、サーバ記憶部32に記憶させるのに適し且つプロファイリング部332において分析するのに適する統一的なデータ構造へと変換して、抽出データ321をサーバ記憶部32に記憶させる。
【0031】
情報抽出部331は、組織内の端末装置2の端末記憶部22、サーバ装置3のサーバ記憶部32及び組織外のサーバ装置のサーバ記憶部からデータを抽出する。情報抽出部331は、組織内の端末装置2の端末記憶部22からデータを抽出してもよい。情報抽出部331が抽出を行うデータは、例えば、テキストデータ、音声データ、画像データ(静止画データ)及び映像データ(動画データ)等を含む。
【0032】
情報検索表示システム1では、情報ユニットとして、組織内の人員を把握する必要がある。したがって、情報抽出部331は、組織内の人員やその職位等のデータを含む組織内人員データを抽出する。具体的には、情報抽出部331は、例えば、サーバ記憶部32から、組織内人員データを管理するアプリケーション(例えば、Pingboard)のデータを定期的に抽出する。したがって、斯かるアプリケーションのデータは情報抽出部331が情報を抽出する情報源の一つである。
【0033】
また、情報検索表示システム1では、情報ユニットとして、組織内のサーバ装置3のサーバ記憶部32(及び組織内の端末装置2の端末記憶部22)に保存されたファイル(文章ファイル、表計算ファイル、プレゼンファイル、PDFファイル、等)を把握する必要がある。したがって、情報抽出部331は、組織内のサーバ装置3のサーバ記憶部32に保存されているファイルのデータを含むファイルデータを抽出する。具体的には、情報抽出部331は、定期的にサーバ記憶部32に保存されているファイルにアクセスして、それらファイルのデータを抽出する。したがって、斯かるファイルのデータは情報抽出部331が情報を抽出する情報源の一つである。
【0034】
また、情報検索表示システム1では、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報が求められる。したがって、情報抽出部331は、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報に関するデータを抽出する。
【0035】
情報抽出部331は、例えば、端末装置2を利用した各人員に関するアクセスログデータを定期的に抽出する。アクセスログデータは、組織内のサーバ装置3のファイルや組織外のサーバ装置を介して提供されているウェブサイトに、各人員がアクセスしたログであり、各端末装置2の端末記憶部22又はサーバ装置3のサーバ記憶部32に保存されている。情報抽出部331は、アクセスログデータをアクセスを行った人員と関連付けて抽出する。アクセスログデータは、情報抽出部331が情報を抽出する一つの情報源である。
【0036】
情報抽出部331は、例えば、組織内又は組織外のサーバ装置に保存されている、テキストコミュニケーションツール(電子メール、チャット、等)のデータを定期的に抽出する。テキストコミュニケーションツールのデータは、例えば、各メッセージの発信者(組織内の人員)の情報と共に抽出される。斯かるコミュニケーションツールとしては、例えば、gmail、Slack、chartwark(いずれも登録商標)等、様々なアプリケーションが用いられる。情報抽出部331は、これらテキストコミュニケーションツールのデータから、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報に関するデータを抽出する。各テキストコミュニケーションツールは、それぞれが、情報抽出部331が情報を抽出する一つの情報源である。
【0037】
また、情報抽出部331は、例えば、ビデオ会議ツールのデータを定期的に抽出する。ビデオ会議ツールのデータは、音声データ又は映像データとして抽出される。或いは、ビデオ会議ツールのデータは、音声データ又は映像データから音声をテキスト化したテキストデータとして抽出されてもよい。加えて、ビデオ会議ツールのデータは、ビデオ会議中にホワイトボードに描かれた文字や図表がテキスト化されたテキストデータを含んでもよい。情報抽出部331は、音声データ又は映像データから発言者の推定や発言者の感情を推定し、テキストデータに加えて、発言者のデータや発言者の感情データを抽出してもよい。ビデオ会議ツールのデータは、オンラインで繋がれた複数の端末装置2間で行われた会議の映像データ又はその映像データから抽出されたテキストデータ等であってもよいし、一つの会議室で行われた会議を撮影した映像データ又はその映像データから抽出されたテキストデータ等であってもよい。斯かるビデオ会議ツールとしては、例えば、skype、webex、hangouts(いずれも登録商標)等、様々なアプリケーションが用いられる。情報抽出部331は、これらテキストデータ、音声データ又は映像データから、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報に関するデータを抽出する。各ビデオ会議ツールは、それぞれが、情報抽出部331が情報を抽出する一つの情報源である。
【0038】
また、情報抽出部331は、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報に関するデータを抽出可能な上記以外のツールで用いられるデータを定期的に抽出してもよい。上記以外のツールとしては、例えば、組織内で用いられているグループウェア(例えば、G Suite、Microsoft Outlook、等(いずれも登録商標))や、共有の開発ツール(例えば、GitHub(登録商標))等が挙げられる。情報抽出部331は、これらデータから、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報に関するデータを抽出する。各ツールは、それぞれが、情報抽出部331が情報を抽出する一つの情報源である。
【0039】
本実施形態では、情報抽出部331は、各情報源からデータを抽出する際には、任意のスクレイピング手法により、不要な情報を削り取った上で抽出し、抽出したデータをサーバ記憶部32に記憶させる。したがって、このようにして生成された抽出データ321は、元データよりも小さいサイズのデータとなっている。また、抽出データ321は、プロファイリング部332が迅速に所望のデータにアクセスすることができるように、各データユニット毎にインデックス化された状態で、サーバ記憶部32に記憶される。また、抽出データ321は、そのデータが抽出された情報源と関連付けて、サーバ記憶部32に記憶されてもよい。
【0040】
情報記憶処理では、次いで、プロファイリング部332が、サーバ記憶部32に記憶された抽出データ321に基づいて、各情報ユニットの特性と、その特性に関する関連度を求める(ステップS12)。プロファイリング部332は、例えば、統計解析、テキストマイニング、画像マイニング及び音声マイニング等のデータ分析手法により、各情報ユニットの特性及びその関連度を求める。
【0041】
プロファイリング部332は、例えば、或る人員が閲覧したウェブサイト、その人員が送信した電子メールやチャットの内容、その人員のビデオ会議での発言等に基づいて、テキストマイニングにより各単語や文章の出現頻度、共出現の相関等を求める。また、プロファイリング部332は、サーバ記憶部32に保存されたファイルに含まれる文章や、そのファイルに関連する電子メールやチャットでの人員の発言等に基づいて、テキストマイニングにより各単語や文章の出現頻度、共出現の相関等を求める。そして、プロファイリング部332は、このようにして求められた各単語や文章の出現頻度に基づいて、その情報ユニット(人員又はファイル)の特性及びその特性に関する関連度を求める。プロファイリング部332は、例えば、出現頻度の高い単語や文章に含まれるキーワード或いはこれらに関連するキーワードをその情報ユニットの特性とする。また、プロファイリング部332は、或るキーワードを含むか又は或るキーワードに関連する単語の出現頻度に応じて、そのキーワードに対応する特性への関連度を算出する。プロファイリング部332は、斯かる単語の出現頻度が高いほどそのキーワードに対応する特性への関連度が高いものとして、関連度を算出する。
【0042】
また、プロファイリング部332は、例えば、上記キーワードに関連する単語や文章が発せられたときのその人員の感情データにも基づいて関連度を算出してもよい。例えば、プロファイリング部332は、上記キーワードに関連する単語や文章が発せられたときの人員の感情データがポジティブなものであればその人員はそのキーワードとの関連度が高いものとして関連度を算出する。
【0043】
情報記憶処理では、次いで、プロファイリング部332が、サーバ記憶部32に記憶された抽出データ321に基づいて、情報ユニット間の相関度合いを求める(ステップS13)。プロファイリング部332は、例えば、上述した統計解析等の分析手法に加えて、アクセスログの解析により、情報ユニット間の相関度合いを求める。
【0044】
プロファイリング部332は、例えば、情報ユニット同士で、上述したように算出された特性及びその特性との関連度が互いに近いものほど、情報ユニット間の相関度合いが高いものとして、相関度合いを算出する。また、プロファイリング部332は、アクセスログの解析により、情報ユニット間のアクセス頻度又はアクセス回数が多いほど、情報ユニット間の相関度合いが高いものとして、相関度合いを算出する。アクセス頻度やアクセス回数は、情報ユニットである人員同士がコミュニケーションツールで互いに連絡を取り合った頻度や回数や、情報ユニットである人員が情報ユニットであるファイルにアクセスした頻度や回数等を含む。また、プロファイリング部332は、情報ユニットが人員であるときには、人員同士の接触頻度又は接触回数が多いほど情報ユニット間の相関度合いが高いものとして、相関度合いを算出する。接触頻度や接触回数は、情報ユニットである人員同士が、同じ会議に出席した頻度や回数や、同じテレビ会議に参加した頻度や回数を含む。
【0045】
情報記憶処理では、次いで、プロファイリング部332が、各情報ユニットの特性情報(特性及びその特性との関連度)と、情報ユニット間の相関度合いとを、特性・相関性テーブル322として、サーバ記憶部32に保存する(或いは、保存されていた特性・相関性テーブル322を更新する)(ステップS14)。
【0046】
図5は、プロファイリング部332からサーバ記憶部32に保存される特性・相関性テーブル322の一つの例を示している。図5に示した例は、一つの情報ユニット(図5に示した例では、人員)に関する特性及び相関性についての特性・相関性テーブル322の例である。特性・相関性テーブル322は、図5(A)に示したように、情報ユニットに関する基本情報を含む。情報ユニットに関する基本情報は、その情報ユニットのID(重複の無い任意の番号)、属性(人員であるかファイルであるかの属性)、アクセス先(人員であれば連絡先、ファイルであれば保存先)、画面表示したときに用いられるアイコンの情報等を含む。また、特性・相関性テーブル322は、図5(B)に示したように、その情報ユニットの特性に関するキーワード、及び各キーワードに関する関連度(数値)を含む。加えて、特性・相関性テーブル322は、図5(C)に示したように、他の全ての情報ユニットとの相関度合い(数値)を含む。この結果、サーバ記憶部32は、組織内の人員と組織のネットワーク4内に保存されたファイルとを含む情報ユニット間の相関を示す相関情報(図5(C))と、各情報ユニットの特性を示す特性情報(図5(B))とを記憶している。
【0047】
≪検索データ表示処理≫
次に、情報検索表示システム1で行われる検索データ表示処理について説明する。図6は、検索データ表示処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、検索データ表示処理は、端末装置2の端末処理部25及びサーバ装置3のサーバ処理部33において行われる。
【0048】
まず、検索データ表示処理では、まず、端末装置2の送信処理部251が検索要求をサーバ装置3に送信する(ステップS21)。送信処理部251は、例えば、表示部24に入力画面を表示することによって、一語又は複数語の検索語の入力を受け付ける。検索語は、ユーザが組織内の情報ユニットの情報を必要とする用語である。したがって、例えば、ユーザがRNNの手法に関連する情報ユニット(例えば、RNNに精通している人員や、RNNに関する情報を含んだファイル、等)を検索したい場合には、ユーザは検索語としてRNNを入力する。送信処理部251は、入力された検索語を含む検索要求をサーバ装置3に送信する。
【0049】
なお、検索要求には、検索条件が含まれていてもよい。この場合、送信処理部251は、表示部24に表示された入力画面において、検索条件の入力も受け付ける。検索条件としては、例えば、検索範囲(例えば、人員のみ、又はファイルのみ、等)等が挙げられる。
【0050】
端末装置2から検索要求が送信されると、サーバ装置3の選択部333は、受信した検索語と各情報ユニットとの関連度合いを算出する(ステップS22)。検索語と各情報ユニットとの関連度合いは、サーバ記憶部32に保存されている特性・相関性テーブル322に基づいて、特に各情報ユニットの特性及びその関連度に基づいて算出される。
【0051】
例えば、検索語が、特性・相関性テーブル322のキーワードのいずれか一つと一致する場合には、そのキーワードに関する関連度が、検索語と各情報ユニットとの関連度合いとして算出される。また、検索語が、特性・相関性テーブル322のキーワードとは一致しない場合には、その検索語と関連性の高い一つ又は複数のキーワードに関する関連度が、検索語と各情報ユニットとの関連度合いとして算出される。
【0052】
加えて、複数の検索語が入力されている場合には、選択部333は、情報ユニット毎に、各検索語と一致又は関連するキーワードに関する関連度を算出すると共に、算出された全ての検索語に関する関連度に基づいて、検索語と各情報ユニットとの関連度合いを算出する。
【0053】
各情報ユニットについて検索語との関連度合いが算出されると、選択部333は、算出された関連度合いに基づいて、検索語と関連性のある情報ユニットを選択する(ステップS23)。上述したように関連度合いは各情報ユニットの特性情報(本実施形態では、各情報ユニットの特性、及び特性に関する関連度)に基づいて算出されることから、選択部333は、特性情報に基づいて検索語と関連性のある情報ユニットを選択しているといえる。
【0054】
具体的には、選択部333は、例えば、ステップS22で算出された関連度合いが高い方から順に所定数(例えば、10)の情報ユニットを選択する。或いは、選択部333は、関連度合いが高い所定数(例えば、5)の人員に関する情報ユニットと、関連度合いが高い所定数(例えば、5)のファイルに関する情報ユニットとを選択してもよい。
【0055】
検索語と関連性のある情報ユニットが選択されると、相関性取得部334が、情報ユニット間の相関を示す相関情報に基づいて、選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する(ステップS24)。本実施形態では、相関性取得部334は、サーバ記憶部32に保存されている特性・相関性テーブル322から、選択された情報ユニット同士の相関度合いを取得する。
【0056】
情報ユニットが選択されてこれら情報ユニット間の相関度合いが取得されると、生成部335が、端末装置2の表示部24に表示するための検索結果の表示データを生成する(ステップS25)。本実施形態の生成部335は、選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示するための表示データを生成する。以下では、図7及び図8を参照して、生成された表示データに基づいて端末装置2の表示部24に表示される検索結果表示画面について説明する。
【0057】
図7は、三つの検索語(検索語1、検索語2、検索語3)が入力されたときの、検索語と各情報ユニット(情報ユニットA~H)との関連度合い及び情報ユニット間の相関度合い等の一例を示す表である。図7に示した例は、複数の検索語が入力された場合を示しており、各検索語と各情報ユニットとの関連度が算出されている。加えて、各情報ユニットについて全ての検索語との関連度の合計が、入力された全ての検索語との関連度合いとして算出されている。
【0058】
また、図7に示した例では、情報ユニット間の相関度合いが取得されている。加えて、各情報ユニットについて他の全ての情報ユニットとの相関度合いの合計が、総相関度合いとして算出されている。また、このようにして算出された総相関度合いの自然対数(有効数字1桁)も算出されている(図7のln欄。カッコ内は有効数字が3桁の自然対数)。
【0059】
図8は、生成された検索結果の表示データに基づいて端末装置2の表示部24に表示される検索結果表示画面100の一例を示す図である。特に、図8は、図7に示した表に基づいて作成された検索結果表示画面100を示している。
【0060】
図8に示したように、検索結果表示画面100は、円形線101と、情報ユニットに対応するユニットアイコン102と、これらユニットアイコン102間を結ぶ連結線103と、「お気に入り」アイコン104と、検索語を入力するための検索ウィンドウ105とを含む。
【0061】
円形線101は、検索結果表示画面100に、同心円状に複数本が表示される。円形線101の中心は、検索結果表示画面100の中心である。円形線101は、目立たないように薄くて細い線として表示される。なお、円形線101は、検索結果表示画面100に表示されなくてもよい。
【0062】
情報ユニットに対応するユニットアイコン102は、対応する情報ユニットの種類に応じてその表示態様が変わる。例えば、情報ユニットの種類が人員であるときには、その情報ユニットに対応するユニットアイコン102は、その人員の写真を含むアイコンか、又は人のイラストを含むアイコンである。また、情報ユニットの種類がファイルであるときには、その情報ユニットに対応するユニットアイコン102は、ファイル等のイラストを含むアイコンである。この場合、ユニットアイコン102として、ファイルの種類ごとに異なるイラストのアイコンが用いられてもよい。また、情報ユニットの種類に応じて、ユニットアイコン102全体又はユニットアイコン102の枠の色が異なるようにしてもよい。
【0063】
また、ユニットアイコン102は、対応する情報ユニットの検索語との関連度合いに応じて、その表示態様が変化する。例えば、関連度合いが相対的に高い情報ユニットに対応するユニットアイコン102が相対的に大きく表示される。したがって、図8に示した例では、検索語との関連度合いの高い情報ユニットHが最も大きく表示される。或いは、関連度合いが相対的に高い情報ユニットに対応するユニットアイコン102の枠の色が相対的に濃く表示される。
【0064】
加えて、本実施形態では、選択された情報ユニットのうち選択された他の全ての情報ユニットとの総相関度合いが高い情報ユニットに対応するユニットアイコン102ほど中央側に配置される。本実施形態では、検索結果表示画面100には4本の円形線101が表示されているが、総相関度合いが高い情報ユニットに対応するユニットアイコン102は中央の円形線101上に配置され、総相関度合いが低い情報ユニットに対応するユニットアイコン102は外側の円形線101上に配置される。図7及び図8に示した例では、総相関度合いの自然対数の値が6である情報ユニットCが最も内側の円形線101上に配置され、総相関度合いの自然対数の値が3である情報ユニットE、Gが最も外側の円形線101上に配置されている。
【0065】
連結線103は、この連結線103が結ぶユニットアイコン102に対応する情報ユニット間の相関度合いに応じて、その表示態様が変わる。具体的には、本実施形態では、情報ユニット同士の相関度合いが高いほど、これら情報ユニットに対応するユニットアイコン102同士を結ぶ連結線103の本数が多くなる。
【0066】
図7及び図8に示した例では、相関度合いが最も高い情報ユニットBと情報ユニットCとのユニットアイコン102同士を結ぶ連結線103の本数が最も多い。一方、図7及び図8に示した例では、相関度合いの数値が10~20と小さい値になっている情報ユニットのユニットアイコン同士を結ぶ連結線103の本数は1本である。そして、相関度合いの数値が10未満の情報ユニットのユニットアイコン同士の間には連結線が表示されない。
【0067】
なお、本実施形態では、相関度合いに応じて、ユニットアイコン102同士を結ぶ連結線103の本数が変化している。しかしながら、相関度合いに応じて、他の表示態様を変えるようにしてもよい。したがって、例えば、情報ユニット同士の相関度合いが高いほど、これら情報ユニットに対応するユニットアイコン102同士を結ぶ連結線103を太くしてもよい。
【0068】
生成部335が検索結果の表示データを生成すると、出力部336は、サーバ通信部31を介して、生成された検索結果の表示データを端末装置2に送信する(ステップS26)。なお、検索結果の表示データを端末装置2に送信することは、出力部336が検索結果の表示データを出力することの一例である。
【0069】
端末装置2の表示処理部252は、送信された検索結果の表示データに基づいて、検索結果を表示部24に表示する(ステップS27)。この結果、表示部24には、図8に示したような検索結果表示画面100が表示される。
【0070】
その後、表示部24に表示された検索結果表示画面100において、ユーザが操作を行うと、送信処理部251が操作要求をサーバ装置3に送信する(ステップS28)。送信処理部251は、例えば、表示部24に表示されたユニットアイコン102上にポインタを重ねる操作を受け付ける。また、送信処理部251は、例えば、表示部24に表示されたユニットアイコン102や「お気に入り」アイコン104をクリック又はダブルクリックする操作を受け付ける。送信処理部251は、受け付けた操作に伴う動作要求をサーバ装置3に送信する。
【0071】
操作要求がサーバ装置3に送信されると、生成部335は、動作要求に応じて、端末装置2の表示部24に表示するための動作結果の表示データを生成する(ステップS29)。例えば、端末装置2において受け付けた操作が、一つのユニットアイコン102上にポインタを重ねる操作である場合には、生成部335は、ユニットアイコン102の種類にかかわらず、ポインタが重ねられたユニットアイコン102上にメッセージ入力ウィンドウが表示するように、表示データを生成する。このようなメッセージ入力ウィンドウには、例えば、ユーザによってそのユニットアイコン102に対応する情報ユニットに関する質問が入力される。サーバ装置3は、その情報ユニットに関するキーワードに基づいて質問に対する回答を作成し、生成部335は、この回答を含む表示データを生成する。
【0072】
また、例えば、端末装置2において受け付けた操作が、一つのユニットアイコン102をクリック又はダブルクリックする操作である場合には、生成部335は、クリック又はダブルクリックされたユニットアイコン102上又はその近傍に、図9に示したような情報ウィンドウを表示するように、表示データを生成する。情報ウィンドウは、クリック又はダブルクリックされたユニットアイコン102に対応する情報ユニットに関する情報を含む。具体的には、情報ウィンドウは、例えば、その情報ユニットの名称や種類等の基本情報、その情報ユニットの属性情報(例えば、その情報ユニットへの関連度が高いキーワード)を含む。図9に示した例では、情報ウィンドウは、更に何らかの動作をするためのアクションボタンを含んでいる。
【0073】
なお、本実施形態では、ユニットアイコン102上にポインタが重ねられるとメッセージ入力ウィンドウが表示され、ユニットアイコン102がクリック又はダブルクリックされると情報ウィンドウが表示される。しかしながら、これら操作によって、逆の動作が行われてもよい。したがって、ユニットアイコン102がクリック又はダブルクリックされると、メッセージ入力ウィンドウが表示されるようにしてもよい。
【0074】
加えて、例えば、端末装置2において受け付けた操作が、「お気に入り」アイコン104をクリック又はダブルクリックする操作である場合には、生成部335は、「お気に入り」アイコン104の下に、お気に入りウィンドウを表示するように、表示データを生成する。お気に入りウィンドウは、例えば、図10に示したように、ユーザによってお気に入り登録された情報ユニットを並べて表示する。
【0075】
生成部335が動作結果の表示データを生成すると、出力部336は、サーバ通信部31を介して、生成された動作結果の表示データを端末装置2に送信する(ステップS30)。端末装置2の表示処理部252は、送信された動作結果の表示データに基づいて、動作結果を表示部24に表示する(ステップS31)。この結果、表示部24には、図8に示したような検索結果表示画面100に、図9に示した情報ウィンドウや図10に示したお気に入りウィンドウを重ねた表示画面が表示される。
【0076】
<効果・変形例>
以上で説明したように、上記実施形態に係る情報検索表示システム1では、サーバ装置3は、組織内の人員に対応するアイコンと組織のネットワーク内に保存されたファイルに対応するアイコンとを一つの画面上に表示させるための表示データを生成する。また、サーバ装置3は、これらアイコン間を結ぶ連結線を、相関度合いに応じて表示態様が変わるように表示データを生成する。この結果、ユーザは、自分の必要とする情報を良く知る人員や、自分の必要とする情報が開示されているファイルに容易にアクセスすることができるようになる。
【0077】
また、サーバ装置3は、情報ユニット間のアクセス頻度や接触頻度などに基づいて、連結線の表示態様を変えている。この結果、ユーザは、例えば、ファイルの内容を良く知る人員などに容易にアクセスすることができるようになる。さらに、サーバ装置3は、相関度合いに応じて、ユニットアイコン同士を結ぶ連結線の本数や太さを変えている。この結果、ユーザは、ユニットアイコンに対応する情報ユニット同士の関連度合いを視覚的に把握することができる。
【0078】
加えて、サーバ装置3は、情報ユニットのうち他の全ての情報ユニットとの総関連度合いが高い情報ユニットに対応するアイコンほど中央に配置されるように表示データを生成する。この結果、ユーザは、自分が必要としている情報のキーとなる人員又はファイルを視覚的に把握することができる。
【0079】
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
【0080】
例えば、上記実施形態では、生成部335及び出力部336は、サーバ装置3のサーバ処理部33に機能ブロックとして備えられている。しかしながら、これら各部は、端末装置2の端末処理部25に機能ブロックとして備えられてもよい。この場合には、サーバ処理部33おいて求められた検索語との関連度合い及び相関度合いの情報(図7の表で示したような情報)が、サーバ処理部33から、サーバ通信部31を介して端末処理部25へ送信される。
【0081】
また、上記実施形態では、プロファイリング部332は、全ての情報源から抽出したデータに基づいて、情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報を求めている。しかしながら、プロファイリング部332は、一部の情報源から抽出したデータに基づいて、情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報を求め、求められた特性情報及び相関情報をこれら情報が抽出された情報源と関連付けて記憶してもよい。この場合、サーバ記憶部32には、情報源の組合せ毎に、各情報ユニットの特性情報及び情報ユニット間の相関情報が記憶される。
【0082】
この場合、送信処理部251は、検索語の入力に加えて、検索条件として、検索対象とする情報源の入力を受け付ける。検索対象とする情報源の入力は、例えば、全ての情報源のうちユーザが検索対象としたい情報源を選択することによって行われてもよいし、全ての情報源のうちユーザが検索対象としたくない情報源を選択することによって行われてもよい。検索対象とする情報源の種類は、送信処理部251からサーバ装置3に送信される検索要求に含まれる。
【0083】
このように検索対象とする情報源が入力されると、サーバ装置3の選択部333は、検索対象とする情報源から抽出したデータに基づいて求められた各情報ユニットの相関情報に基づいて、検索語と各情報ユニットとの関連度合いを算出する。そして、選択部333は、このようにして算出された関連度合いに基づいて、検索語と関連性のある情報ユニットを選択する。加えて、相関性取得部334は、検索対象とする情報源から抽出したデータに基づいて求められた情報ユニット間の相関情報に基づいて、選択された情報ユニット間の相関度合いを取得する。生成部335は、このようにして選択された情報ユニットに対応するアイコンと、これらアイコン間を結ぶ連結線とを表示すると共に相関度合いに応じて連結線の表示態様が変わるように表示データを生成する。
【0084】
この結果、所望の情報源の情報のみに基づいて検索語と関連性のある情報ユニットが選択される。また、連結線の表示態様が、所望の情報源の情報のみに基づいて求められた相関度合いに応じた表示態様となる。したがって、ユーザは、自分が必要とする情報とは関係のない情報を多く含んでいると考えられる情報源からの情報を排除することができ、よってユーザは自分の必要とする情報をより知る人員や、自分の必要とするファイルをより高い精度で見つけることができるようになる。
【符号の説明】
【0085】
1 情報検索表示システム
2 端末装置
3 サーバ装置
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部
331 情報抽出部
332 プロファイリング部
333 選択部
334 相関性取得部
335 生成部
336 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10