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特開2022-27056情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027056
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220203BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20220203BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20220203BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20220203BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/00 301D
G07G1/06 B
G07G1/12 351Z
G07G1/12 321L
G06Q20/32 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020130837
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小口 健太郎
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA03
3E142DA04
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA08
3E142GA03
3E142GA16
3E142GA41
5L055AA64
(57)【要約】
【課題】店舗内での商品の決済から退出までの一連の流れをより適切に管理する。
【解決手段】利用者が所持する利用者端末と、利用者端末と通信可能なサーバと、プリンタと、を含む情報処理システムである。利用者端末は、店舗内に存在する商品から商品情報を取得する取得部と、取得部により取得された商品情報に対応付けられた商品の決済処理が完了したことがサーバから通知された場合に、商品が決済済みであることを示す第1情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有する。サーバは、利用者端末から取得した商品情報に対応付けられた決済要求に基づいて、商品の決済処理を行う決済処理部を有する。プリンタは、利用者端末の表示部に表示された第1情報に基づいて、店舗を退出するための第2情報を印字媒体に印字する印字部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能なサーバと、プリンタと、を含む情報処理システムであって、
前記利用者端末は、
店舗内に存在する商品から商品情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された商品情報に対応付けられた商品の決済処理が完了したことが前記サーバから通知された場合に、前記商品が決済済みであることを示す第1情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、
前記サーバは、前記利用者端末によって取得された商品情報に対応付けられた商品の決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部を有し、
前記プリンタは、前記利用者端末の表示部に表示された前記第1情報に基づいて、前記店舗を退出するための第2情報を印字媒体に印字する印字部を有する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記印字媒体は、前記決済処理部により決済された商品が収納された収納体の外面に貼付可能な媒体を含む、
請求項1に記載された情報処理システム。
【請求項3】
前記第2情報は、前記店舗を退出するタイミングに応じて変動する変動情報を含む、
請求項1又は2に記載された情報処理システム。
【請求項4】
前記プリンタは、前記利用者端末の表示部に表示された前記第1情報に基づいて、前記サーバから前記商品の決済内容に関する情報を取得する取得部を有し、
前記印字部は、前記取得部により取得された前記商品の決済内容に関する情報に基づき、前記印字媒体にレシート情報を印字する、
請求項1から3のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項5】
前記プリンタは、前記サーバによって決済処理が行われた商品に基づいて、前記印字部に印字させる前記印字媒体の数量を決定する制御部を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項6】
前記第1情報は、前記商品の決済処理を識別する識別情報に関連付けられており、
前記プリンタは、前記第2情報を印字媒体に印字する際に、前記第2情報の基礎となる前記第1情報に関連付けられた前記識別情報を2回以上参照することを禁止する制御部を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項7】
前記第1情報は、前記商品の決済処理を識別する識別情報に関連付けられており、
前記プリンタは、前記利用者に対応付けられた同行者が所定の条件を満たす場合に、1つの前記識別情報に対して前記利用者によって指定される複数の回数、前記第2情報を印字媒体に印字するように前記印字部を制御する制御部を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、前記店舗の所定の領域から前記利用者を退出させるための退出ゲートの開閉を制御する制御装置をさらに含み、
前記制御装置は、前記第1情報を取得した場合に、前記退出ゲートを開放状態とするように制御する、
請求項1から7のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項9】
前記第1情報は、前記商品の決済処理を識別する識別情報に関連付けられており、
前記制御装置は、1つの前記識別情報に対して1回のみ前記退出ゲートを開放状態とするように制御する、
請求項8に記載された情報処理システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記利用者が前記領域から退出前であって、前記退出ゲートが閉鎖状態のときに前記第1情報取得した場合、前記退出ゲートを開放状態とし、
前記利用者が前記領域から退出後であって、前記退出ゲートが開放状態のときに前記第1情報を取得した場合、前記退出ゲートを閉鎖状態とするように制御する、
請求項8又は9に記載された情報処理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記利用者の入力情報に基づいて前記退出ゲートの開放時間を調整する、
請求項8又は9に記載された情報処理システム。
【請求項12】
利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能なサーバと、プリンタと、の間で行われる情報処理方法であって、
前記利用者端末が、店舗内に存在する商品から商品情報を取得し、
前記サーバが、前記利用者端末によって取得された商品情報に対応付けられた商品の決済要求を前記利用者端末から取得して、前記商品情報に対応付けられた商品の決済処理を行い、
前記サーバが、前記決済処理が完了したことを前記利用者端末に通知し、
前記利用者端末が、前記商品が決済済みであることを示す第1情報を表示部に表示させ、
前記プリンタが、前記利用者端末の表示部に表示された前記第1情報に基づいて、前記店舗を退出するため第2情報を印字媒体に印字する、
情報処理方法。
【請求項13】
利用者が所持する利用者端末において実行されるプログラムであって、
コンピュータに、
店舗内に存在する商品から商品情報を取得する機能と、
取得した前記商品情報に対応付けられた商品の決済処理を前記利用者端末と通信可能なサーバに要求する機能と、
前記商品情報に対応付けられた商品の決済処理が完了したことが前記サーバから通知された場合に、前記商品が決済済みであることを示す第1情報を前記利用者端末の表示部に表示させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスーパーマーケット等の小売業において、購入する商品のバーコードを顧客に読み取らせ、精算まで行うセルフレジシステムが種々提案されている。
例えば、商品の重量を測定するスケールが設けられたセルフレジ端末において重量エラーの発生時に、重量検出エリア外に画像変化があった場合には画像変化があった部分を強調してセルフレジ端末の画面上の強調表示エリアに表示することで、顧客が重量エラーの原因に自ら気付くことができるようにしたセルフレジシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-153224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、セルフレジシステムよりもさらに省力化させることで業務効率化を図るべく、レジレスシステム(つまり、レジスタがないシステム)の実現が要請されている。
レジレスシステムでは、例えば、利用者が自ら所持する端末を使用して店舗内の商品のバーコードをスキャンして決済を行うことが想定されているが、店舗側では、適切な管理ができないため、利用者が商品を決済せずに店舗を退出してしまう恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、店舗内での商品の決済から退出までの一連の流れをより適切に管理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、利用者が所持する利用者端末と、前記利用者端末と通信可能なサーバと、プリンタと、を含む情報処理システムであって、前記利用者端末は、店舗内に存在する商品から商品情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された商品情報に対応付けられた商品の決済処理が完了したことが前記サーバから通知された場合に、前記商品が決済済みであることを示す第1情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、前記サーバは、前記利用者端末から取得した前記商品情報に対応付けられた決済要求に基づいて、前記商品の決済処理を行う決済処理部を有し、前記プリンタは、前記利用者端末の表示部に表示された前記第1情報に基づいて、前記店舗を退出するための第2情報を印字媒体に印字する印字部を有する、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、店舗内での商品の決済から退出までの一連の流れをより適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の自動決済退出システムが適用される例示的な店舗の一部の平面図である。
図2】第1の実施形態の自動決済退出システムのシステム構成の一部を概略的に示す図である。
図3】店舗のレジレスエリアを退出する利用者を示す図である。
図4】店舗のレジレスエリアで発行されるレシートの一例を示す図である。
図5】第1の実施形態の自動決済退出システムのシステム構成の一部を概略的に示す図である。
図6】利用者端末の店舗アプリケーションの画面遷移例を示す図である。
図7】ラベルプリンタの画面遷移例を示す図である。
図8】決済済ラベルの設定例を説明する図である。
図9】第1の実施形態の自動決済退出システムの各装置の内部構成を示すブロック図である。
図10】利用者データベースのデータ構成例を示す図である。
図11】購入実績データベースのデータ構成例を示す図である。
図12】第1の実施形態の自動決済退出システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図13】第1の実施形態の自動決済退出システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図14】第1の実施形態の自動決済退出システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図15】第2の実施形態の自動決済退出システムが適用される例示的な店舗の一部の平面図である。
図16】第2の実施形態の自動決済退出システムにおいてシステム構成の一部を概略的に示す図である。
図17】決済済コードの転送例を概念的に示す図である。
図18】利用者端末の店舗アプリケーションの画面の設定例を説明する図である。
図19】変形例に係る利用者端末とラベルプリンタを概略的に示す図である。
図20図19に示す利用者端末とラベルプリンタの内部構成を示すブロック図である。
図21】変形例に係る自動決済退出システムのシステム構成を概略的に示す図である。
図22図21の自動決済退出システムが適用される店舗の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)第1の実施形態
以下、情報処理システムの一例である自動決済退出システムについて説明する。
図1に、本実施形態の自動決済退出システム1が適用される例示的な店舗(例えば、食品等の商品を扱うスーパーマーケット等の小売業)の一部の平面図を示す。図1では、店舗の中のレジエリアと袋詰めエリアを示している。
図1に示す店舗のレジエリアには、通常レジエリア21と、セルフレジエリア22と、レジレスエリア23とを含む。
通常レジエリア21では、店舗スタッフは、利用者が買い物カートに詰めた商品のバーコード等をスキャンする操作を行い、利用者から提供される現金又はキャッシュカードによってレジスタCRを操作して商品の決済を行う。通常レジエリア21では、店舗スタッフ1人で多数の利用者に対応しなければならないため、利用者の待ち行列が生じやすい。また、利用者は、レジでの決済が完了した後に、袋詰めエリアで商品をマイバッグやレジ袋等の収納体に詰める必要があることから、利用者の動線FL1は、レジ→袋詰めエリアのテーブル→エレベータEV又はエスカレータES、といった流れになり、円滑に店舗を退出することが難しい。
セルフレジエリア22では、利用者自ら、買い物カートに詰めた商品のバーコード等をスキャンする操作を行い、セルフレジスタを利用して現金又はキャッシュカードによって商品の決済を行う。セルフレジエリア22では、利用者がすべての商品のスキャン操作をその場で行い、また、セルフレジスタの操作に手間取ることがあるため、利用者の待ち行列が生じやすい。セルフレジの場合は、セルフレジスタにおいて利用者が袋詰めを行うのが通常であるが、場合によっては袋詰めエリアを利用することもある。その場合には、利用者の動線FL1は、レジ→袋詰めエリアのテーブル→エレベータEV又はエスカレータES、といった流れになり、円滑に店舗を退出することが難しい。
【0010】
レジレスエリア23では、本実施形態の自動決済退出システム1が適用される。
図2に示すように、レジレスエリア23には、レジレス対応機器2が配置されている。レジレス対応機器2は、ラベルプリンタ4、レシートプリンタ6、及び、コードリーダ8を含む。限定しないが、ラベルプリンタ4及びレシートプリンタ6は、例えばサーマルプリンタである。
レジレス対応機器2は、店舗を退出するための決済済ラベルCPを発行するとともに、必要に応じてレシートRP(レシート情報の一例)を発行する。
レジレスエリア23を利用する利用者は、後述する店舗アプリケーションを利用して、レジレスエリア23に入る時点で(例えば、食品エリアにいる間に)自身が所持する利用者端末3を利用して商品の決済が完了している。商品の決済が完了すると、後述するように、利用者端末3には、商品の決済が完了したことを示す決済済コードC2が表示される。レジレスエリア23では、利用者は、レジレス対応機器2を利用して利用者端末3に表示される決済済コードC2から決済済ラベルCPを発行させる。次いで、利用者は、図3に示すように、収納体UBに決済済ラベルCPを貼付して、レジレスエリア23を退出する。収納体UBは、利用者のマイバッグや利用者が購入したレジ袋等である。
【0011】
決済済ラベルCPは、印字面と、印字面の裏側である粘着面とを有する。粘着面には、粘着層が形成されている。粘着面によって決済済ラベルCPを利用者のマイバックやレジ袋等の収納体UBに貼付することができる。
決済済ラベルCPの印字面には、図3に例示するように、マーク201及び文字列202が印字される。マーク201及び文字列202は、店舗を退出するための第2情報の一例である。
マーク201や文字列202等が印字された決済済ラベルCPが利用者の収納体に貼付されていることで、店舗スタッフは、収納体UBの中身を確認しなくても収納体UBに含まれる商品が決済済みであることを認識することができる。つまり、決済済ラベルCPは、利用者が商品について決済済みであることを示す簡易的な証明書として機能する。レジレスエリア23を出た利用者は、収納体UB内の商品が決済済みであることを店舗スタッフに説明することなく、また、袋詰めエリアに立ち寄ることなく(図1の動線FL2参照)、円滑に退店することができる。結果として、レジレスシステムを採用する場合に、店舗内での商品の決済から退出までの一連の流れをより適切に管理することができる。
【0012】
レジレスエリア23において、レジレス対応機器2が発行するレシートRPの一例を図4に示す。
レシートRPには、決済済ラベルCP(図3参照)と同様に、マーク201及び文字列202が含まれてもよい。利用者は、必要に応じてレシートRPのマーク201等を店舗スタッフに提示することで、商品が決済済みであることを簡易的に証明することもできる。
【0013】
(1-1)システムの概要と運用例
以下、本実施形態の自動決済退出システム1の概要と運用例について、図5図8を参照して説明する。
図5は、本実施形態の自動決済退出システム1のシステム構成の一部を概略的に示す図である。図5に示すように、本実施形態の自動決済退出システム1は、店舗で買い物を行う利用者Uが所持する利用者端末3と、アプリケーションサーバ5と、決済代行サーバ7とを含む。本実施形態の例では、店舗は、食品等の商品を扱うスーパーマーケット等の小売業である。
図5は、自動決済退出システム1の全体構成のうち、店舗の利用者が商品の決済を完了させ、それによって利用者端末3に決済済コードが表示されるまでの処理に関連する部分を示している。
【0014】
利用者端末3には、店舗で買い物を行うときに当該店舗内の商品の価格を利用者Uに提示し、商品の決済処理をアプリケーションサーバ5に要求するための店舗アプリケーションがインストールされている。利用者端末3は、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバ5と通信可能である。ネットワークNWは、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。
店舗アプリケーションは、商品に表示されているコード情報から商品ID等の商品情報を取得し、アプリケーションサーバ5に通知する。「商品情報」とは、商品を特定する情報である。例えば、商品名称、商品コード、商品ID、商品型式等は、商品情報の一例である。商品IDは、商品を特定する識別情報である。
アプリケーションサーバ5は、店舗アプリケーションから取得した情報に基づいて商品の決済処理を行い、当該商品が決済済みであることを示す情報を店舗アプリケーションに送信する。店舗アプリケーションは、アプリケーションサーバ5から受信した情報に基づいて、商品が決済済みであることを示す第1情報として、例えばコード情報を利用者端末3の表示部に表示させる。
【0015】
アプリケーションサーバ5は、店舗アプリケーションからの決済要求に応じて、商品の決済処理を行い、決済処理が完了した後に決済IDを店舗アプリケーションに返すように構成される。決済IDは、商品の決済処理を識別する識別情報である。
【0016】
決済代行サーバ7は、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバ5と通信可能であり、店舗内の利用者Uの商品の決済を代行するサービスを提供する。
【0017】
利用者が利用者端末3において店舗アプリケーションを起動すると、利用者端末3に備わる撮像機能が連動し、撮像された画像(図示せず)が利用者端末3に表示される。利用者が商品を店舗の棚から手に取り、商品に表示されているコード情報を利用者端末3に表示させる(つまり、利用者がスキャン操作を行う)ことで、店舗アプリケーションは、コード情報の読み取り(スキャン)を行う。商品のコード情報には、例えば、対応する商品Pの商品ID(商品情報の一例)と期限情報(例えば、賞味期限情報)が含まれる。コード情報のコード形式は問わないが、バーコード(1次元コード)とする場合には、例えばGS1-128等のCODE128を採用することができる。CODE128は、アスキーコード128文字を全てバーコード化できるため、商品IDと賞味期限情報を含むように構成することができる。賞味期限情報を店舗アプリケーション上で表示させる必要がなければ、コード情報C1はJAN13等であってもよい。
【0018】
店舗アプリケーションは、商品のコード情報から当該商品の価格情報を取得してもよいし、アプリケーションサーバ5に問い合わせることで当該商品の価格情報を取得してもよい。
利用者は、利用者端末3に表示される情報を見て、購入予定リスト(カゴ)に商品を追加するか否かの選択を行うことができる。商品を購入予定リストに追加する場合には、利用者は、手に取った商品を店舗の実際のカゴ又は買い物カートの中に入れる。
【0019】
図6の画面G1~G3は、利用者が購入予定リストを確認し、商品の決済を行う場合の店舗アプリケーションの利用方法を示している。店舗アプリケーションを実行することで利用者は、店舗において購入対象とする商品が決済済みであることを示す決済済コードを表示させることができる。
【0020】
利用者は、商品の価格を確認して購入予定リストに追加した後、決済を行う場合には、画面G1においてボタンb2(「カゴの中を見る」)を操作し、購入予定リストBLを含む画面G2を表示させる。購入予定リストBLには、それまでに追加された商品の一覧(各商品の商品名称、数量、価格)と価格の合計金額とが含まれる。
図示しないが、利用者は、例えば予算オーバーのため購入予定リストBLから特定の商品の購入を中止する場合には、当該商品を購入予定リストBLから削除する操作を行うことができる。その場合、利用者は、店舗のカゴ又は買い物カートの中から購入を中止する商品を店舗の棚に戻す。
【0021】
画面G2において、購入予定リストBLが確定した場合、利用者がボタンb3(決済ボタン)を操作することで、店舗アプリケーションは、アプリケーションサーバ5に対して決済要求を行い、後述するようにネットワーク上で決済処理が完了する。決済処理が完了すると、店舗アプリケーションは、コード情報である決済済コードC2を含む画面G3を表示する。決済済コード(第1情報の一例)は、商品の決済が完了したことを示しており、決済を特定する決済IDを含む。ここでは、決済済コードとして2次元コードの例を示しているが、バーコード等であってもよい。
後述するように、決済済コードは、決済済ラベルを発行するために使用される。
【0022】
以上の店舗アプリケーションに対する利用者の操作は、例えば、食品エリア(図1参照)において行われる。
次に、図2を再度参照して、レジレスエリア23に配置されるレジレス対応機器2について説明する。
ラベルプリンタ4は、決済済ラベルCPを発行するためのプリンタである。ラベルプリンタ4は、ケーブル110を介してコードリーダ8に接続されている。
図2に示すように、利用者は、コードリーダ8を利用して利用者端末3に表示された決済済コードC2を読み込ませることで、ラベルプリンタ4から決済済ラベルCPを発行させることができる。
レシートプリンタ6は、レシートRPを発行するためのプリンタである。レシートプリンタ6とラベルプリンタ4は、ケーブル112によって接続されている。ラベルプリンタ4は、必要に応じてレシートRPを発行するようにレシートプリンタ6を制御する。
なお、図2に示す例では、コードリーダ8とラベルプリンタ4、及び、ラベルプリンタ4とレシートプリンタ6がそれぞれ有線で接続される場合を示したが、その限りではなく、無線により通信可能に構成されてもよい。
【0023】
図7は、利用者がラベルプリンタ4に決済済コードを読み込ませる操作(スキャン操作)を行うときのラベルプリンタ4の表示パネル44aの画面の遷移例を示している。図7において、パターン1は1枚の決済済ラベルCPを発行する場合、パターン2は複数枚の決済済ラベルCPを発行する場合を示している。
パターン1において、スキャン操作を行う前には、ラベルプリンタ4の表示パネル44aには、決済済コードのスキャン操作を促す文字列が表示される(画面g2)。ここで、利用者がコードリーダ8を利用してスキャン操作を行うと、ラベルプリンタ4がコードリーダ8を介して決済済コードを読み込み、決済済ラベルCPを発行していることを示す画面g3を表示する。画面g3には、レシートRPを発行させるためのボタンb5が含まれる。利用者がレシートRPも発行させたい場合にはボタンb5を操作することで、ラベルプリンタ4がレシートプリンタ6を制御し、それによってレシートプリンタ6からレシートRPが発行される。
【0024】
決済済ラベルCPに印字されるマーク201(変動情報の一例)は、印字タイミング、すなわち利用者が店舗を退出するタイミング(より具体的にはレジレスエリア23)を退出するタイミングに応じて変動することが好ましい。例えば、図8では、来店した曜日によってマーク201の図柄を異ならせることができるマーク201の設定例が示される。このように設定することで、悪意のある利用者が同じ決済済ラベルCPを使い回す(再利用する)ことを防止できる。
マーク201の図柄を異ならせる設定に限られず、図8に示したように、決済済ラベルCPを発行した日付(文字列)を強調して印字してもよい。また、マーク201の図柄を曜日に対応させる場合に限られず、例えば、数パターンの図柄を日ごとに切り替えてもよい。日ごと、曜日ごとに決済済ラベルCPの色や模様を変えてもよい。
また、決済済ラベルCPの使い回しの防止をより効果的に行う観点から、(i) 日によってランダムにマークの図柄を変更する手段、(ii) 1日のうち時間帯に応じて異なる図柄をランダムに決定する手段、(iii) 日ごと、曜日ごと、時間帯に応じて、図柄の色や模様をランダムに異ならせる手段、(iv) ランダムに決定される複数桁の数字(乱数)をラベルに印字する手段等を講じてもよい。
【0025】
図7を再度参照すると、パターン2では、利用者は先ず、画面g1において決済済ラベルCPの発行枚数を選択する操作を行う。画面g1にはプルダウンメニューb6が含まれており、プルダウンメニューb6を操作することで決済済ラベルCPの発行枚数を選択することができる。次いで表示される画面g2,g3はパターン1の場合と同じである。
例えば、利用者が購入した商品が大量であるために商品を複数の収納体に分けて入れる場合や、複数の商品を収納体に入れずに運ぶために決済済ラベルCPを個々の商品に直接貼付したい場合等、利用者が複数の決済済ラベルCPを発行したい場合がある。そのような場合を考慮して、複数枚の決済済ラベルCPを発行できるようにしたのがパターン2である。
複数枚の決済済ラベルCPを発行することは、利用者とその同行者が退店するときに便利でもある。例えば、決済済ラベルCPを店舗スタッフに提示することで利用者が退店する仕組みを採用する場合には、利用者とその同行者の各々が決済済ラベルCPを店舗スタッフに提示することができる。
【0026】
また、決済済ラベルCPの発行枚数は、購入した商品の容量や種類、購入したレジ袋の枚数に基づいて決定してもよい。その場合、ラベルプリンタ4は、アプリケーションサーバ5に問合せをして商品の購入内容の情報である購入データ(後述する)を取得し、取得した購入データに基づいて決済済ラベルCPの発行枚数を決定する。
例えば、購入した商品に温かい商品と冷たい商品が含まれている場合、それぞれ別々の袋に収納できるように決済済ラベルCPの発行枚数を2枚としてもよい。つまり、購入した商品の種類に基づいて決済済ラベルCPの発行枚数を決定してもよい。購入した商品に温かい商品と冷たい商品が含まれているか否かは、例えば、商品IDを基に判断できる。
また、レジ袋の最大収納容量や最大荷重が決まっている場合、レジ袋の最大収納容量や最大荷重と、購入した商品の累積容量や累積重量とに基づいて、決済済ラベルCPの発行枚数を決定してもよい。
購入した商品にレジ袋に入らない商品(例えば、ペットボトルのケースや、複数個のティッシュボックスが含まれる梱包商品等)が含まれている場合には、そのような商品ごとに決済済ラベルCPが貼付できるように、決済済ラベルCPの発行枚数を決定してもよい。購入した商品にレジ袋に入らない商品が含まれているか否かは、例えば、商品IDを基に判断できる。
【0027】
(1-2)システム内の各装置の構成
次に、図9を参照して、本実施形態の自動決済退出システム1内の各装置の構成について説明する。図9は、本実施形態の自動決済退出システム1において利用者端末3、ラベルプリンタ4、アプリケーションサーバ5、及び、レシートプリンタ6の内部構成を含むブロック図である。
【0028】
(1-2-1)利用者端末3
図9に示すように、利用者端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、撮像部35、コードリーダ36、及び、通信部37を備える。
制御部31は、マイクロプロセッサを主体として構成され、利用者端末3全体を制御する。例えば、制御部31に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ32に記録されている店舗アプリケーションのプログラムをロードして実行し、その実行結果を表示部34に表示する。
ストレージ32は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSD(Solid State Drive)である。ストレージ32は、店舗アプリケーションのプログラムのほか、店舗アプリケーションを実行することで作成されたデータ、ファイル等を記憶する。
【0029】
店舗アプリケーションを実行することで、制御部31は、以下の機能を実現する。
(1-i) 店舗内に存在する商品に表示されているコード情報から当該商品の商品情報や賞味期限情報等を取得する取得部としての機能
(1-ii) 商品の価格問合せをアプリケーションサーバ5に送信し(つまり、商品価格の情報を要求し)、アプリケーションサーバ5から取得した商品価格の情報を表示部34に表示させる機能
(1-iii) 商品の決済処理を要求する決済要求をアプリケーションサーバ5に送信し、決済処理が完了した後に、当該決済処理を特定する決済IDをアプリケーションサーバ5から取得する機能
(1-iv) アプリケーションサーバ5から取得した決済IDに対応する決済済コードを作成し、表示部34に表示させる表示制御部としての機能
【0030】
なお、(1-i)において商品から商品情報を取得する方法は限定せず、様々な方法を採ることができる。例えば、商品情報に対応するコード情報が商品に表示されている場合には、当該コード情報を読み取ることで商品情報を取得することができる。また、商品情報に対応する文字情報が商品に表示されている場合には、当該文字情報を含む画像を撮像し、当該画像から画像認識技術によって文字情報を取得することもできる。コード情報は、1次元コード(バーコード)でも2次元コード(例えば、QRコード(登録商標))でもよい。
【0031】
操作入力部33は、例えば、利用者端末3の表示パネルに設けられたタッチパネル型入力デバイスである。操作入力部33は、表示パネルに対する操作入力を店舗アプリケーションに通知する。
表示部34は、例えば液晶表示パネルや有機ELパネルを含み、店舗アプリケーションの実行結果を表示する。また、表示部34は、撮像部35によって生成されるデジタル画像信号を表示する。
撮像部35は、例えば、光学レンズと、光学レンズからの入射光を電気信号に変換する撮像素子(イメージセンサ)と、を有し、デジタル画像を逐次生成し、表示部34に出力する。
【0032】
コードリーダ36は、撮像部35によって生成される画像信号に含まれるコード情報を解析して、コード情報からデータ(つまり、商品ID等の商品情報や賞味期限情報)を抽出(取得)する。
通信部37は、アプリケーションサーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0033】
(1-2-2)アプリケーションサーバ5
図9に示すように、アプリケーションサーバ5は、制御部51、ストレージ52、及び、通信部53を備える。
制御部51は、マイクロプロセッサを主体として構成され、アプリケーションサーバ5全体を制御する。例えば、制御部51に含まれるマイクロプロセッサは、ストレージ52に記録されているサーバプログラムをロードして実行する。
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、サーバプログラムのほか、利用者データベース(利用者DB)及び購入実績データベース(購入実績DB)を記憶する。利用者データベース及び購入実績データベースは、サーバプログラムを実行するときに、適宜、制御部51からアクセスされる。利用者データベース及び購入実績データベースについては、後で例示により説明する。
図示しないが、ストレージ52は、店舗で販売される各商品の価格のデータ(つまり、各商品IDに対応する価格のデータ)を記憶している。価格のデータは、利用者端末3から価格問合せを受けたときに制御部51によって参照される。
通信部53は、利用者端末3、ラベルプリンタ4、及び決済代行サーバ7との間で通信を行うための通信インタフェースである。
【0034】
図10に、利用者データベースの構成例を示す。
図10に例示する利用者データベースの各レコードは、「利用者ID」、「利用者名称」、「決済手段」の各フィールドの値を含む。ここで、「利用者ID」フィールドの値は、利用者に割り当てられる識別情報である。「利用者名称」フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録される。「決済手段」フィールドの値は、利用者が店舗アプリケーションを利用者端末3にインストールするタイミング、又は、インストール後の任意のタイミングで、利用者の操作入力に基づいて取得され、利用者データベースに記録あるいは更新される。
「決済手段」フィールドの値は、利用者に対して商品の決済を行うのに必要なデータであり、例えば、クレジットカード番号の情報、及び/又は、電子マネーに関連する情報(プリペイド番号等)である。「決済手段」フィールドの値は、利用者IDに対応する利用者が決済を行うときに決済代行サーバ7に提供される。
【0035】
図11に、購入実績データベースの構成例を示す。
図11に例示する購入実績データベースの各レコードは、「利用者ID」、「決済ID」、「決済発生日時」、及び、「購入内容」の各フィールドの値を含む。ここで、「決済ID」フィールドの値は、対応する利用者の個々の決済ごとに一意に割り当てられるデータである。「決済発生日時」フィールドの値は、決済IDによって特定される決済が発生した日時を示す。以下の説明では、購入実績データベースの各レコードのデータ(決済IDによって特定されるレコードのデータ)を「購入データ」という。
「購入内容」フィールドは、「商品ID」、「商品名称」、「価格」、及び、「個数」の各サブフィールドを含む。各サブフィールドの値は、決済IDによって特定される決済の対象となる購入内容の詳細のデータを示す。
なお、店舗のPOS(図示せず)は、購入実績データベースからデータを読み出すことで、店舗アプリケーションを利用した売上データと、店舗アプリケーションを利用せずに決済された売上げデータとを集計することができる。
【0036】
サーバプログラムを実行することで、制御部51は、価格情報提供部511及び決済処理部512の機能を実現する。
価格情報提供部511は、商品の価格情報を利用者端末3の店舗アプリケーションに提供する機能である。決済処理部512は、利用者端末3から得られる決済ボタンの操作指示(つまり、決済要求)に応じて、購入予定リストに追加された決済処理を、決済代行サーバ7と協働して行う機能である。決済処理部512は、利用者名称及び決済手段のデータを利用者データベースから読み出して、決済代行サーバ7に提供する。決済処理部512はまた、店舗アプリケーションから決済要求を受信したときに、購入実績データベースに新たなレコードを作成する。
【0037】
(1-2-3)ラベルプリンタ4
図9に示すように、ラベルプリンタ4は、制御部41、ストレージ42、操作入力部43、表示部44、搬送部45、印字部46、及び、通信部47を備える。
制御部41は、マイクロプロセッサを主体として構成され、ラベルプリンタ4の全体を制御する。
ストレージ42は、不揮発性のメモリであり、例えばフラッシュメモリ等のSSDである。ストレージ42は、ファームウェアのほか、レシートプリンタ6を制御する制御プログラムや決済済ラベルのラベルレイアウトのデータを格納する。
【0038】
制御部41は、印字データのライン毎のデータであるラインデータを順次、印字部46へ送出する。搬送部45および印字部46は、順次送出されるラインデータに基づいて印字を行う。
搬送部45は、プラテンローラ(図示せず)、および、図示しないモータ駆動回路およびモータを含み、ラベルプリンタ4内の連続紙の搬送を行う。連続紙は、例えば帯状の台紙に複数枚のラベルが仮着された状態の用紙である。ファームウェアによる搬送要求に基づき、モータ駆動回路が、プラテンローラの回転を制御するモータを駆動することによって、連続紙を搬送させる。
印字部46は、サーマルヘッドおよびヘッド駆動回路(共に図示せず)を含む。ヘッド駆動回路は、ラインデータに基づきサーマルヘッドの各発熱素子に選択的に電流を流すことで、連続紙のラベル上に印字を行う。
通信部47は、アプリケーションサーバ5及びレシートプリンタ6との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0039】
制御部41は、利用者端末3に表示された決済済コードに基づいて、アプリケーションサーバ5から商品の決済内容に関する情報を取得する取得部として機能する。
例えば、制御部41は、利用者による所定の操作入力(例えば、図7のボタンb5の操作入力)に応じてレシートの発行要求を受けると、通信部47を介して、決済済コードから抽出された決済IDに対応する購入データ(つまり、購入実績データベースにおいて決済IDに対応するレコードのデータ;商品の決済内容に関する情報)をアプリケーションサーバ5から受信する。制御部41はさらに、予め定義された通信プロトコルに基づいて、通信部47を介して、レシートプリンタ6に対してレシートを発行させる制御データ(発行指示)を送信する。発行指示には、アプリケーションサーバ5から取得した購入データが含まれる。
【0040】
(1-2-4)レシートプリンタ6
図9に示すように、レシートプリンタ6は、制御部61、搬送部62、印字部63、及び、通信部64を備える。
制御部61は、マイクロプロセッサを主体として構成され、レシートプリンタ6の全体を制御する。
制御部61は、発行するレシートのレイアウトデータを記憶する不揮発性メモリを有する。制御部61は、ラベルプリンタ4から受信する制御データに基づいてレシートを印字、発行するように、搬送部62及び印字部63を制御する。
搬送部62及び印字部63は、限定するものではないが、例えば、ラベルプリンタ4の搬送部45及び印字部46と同様の構成とすることができる。制御部61は、レシートを印字する際には、ラベルプリンタ4から受信する制御データに含まれる商品の決済内容の情報を上記レイアウトデータにはめ込むことで、レシート用の印字データを作成する。
通信部64は、ラベルプリンタ4との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0041】
(1-3)自動決済退出システム1の動作
次に、図12及び図13を参照して、本実施形態の自動決済退出システム1の動作について説明する。図12は、利用者が商品の決済を要求する場合の自動決済退出システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【0042】
先ず図12を参照すると、例えば図6の画面G2に示したように、利用者が決済ボタンを操作すると(ステップS20:YES)、店舗アプリケーションは、表示されている購入予定リストを含む決済要求をアプリケーションサーバ5に送信する(ステップS22)。
なお、利用者が、最後にカゴに入れる操作を行ってから所定時間経過しても決済ボタンの操作を行わない場合には、利用者が決済を忘れている場合があるため、店舗アプリケーションは、購入予定リストに含まれる商品が未決済であることを示す警告メッセージを表示させてもよい。
【0043】
アプリケーションサーバ5は、店舗アプリケーションから決済要求を受信すると、利用者名称及び決済手段のデータを利用者データベースから読み出し、読み出した利用者名称及び決済手段のデータと、決済額(購入予定リストの合計金額)のデータとを含む決済要求を決済代行サーバ7に送信する(ステップS24)。決済代行サーバ7は、アプリケーションサーバ5から提供されたデータに基づいて決済処理を行い(ステップS26)、決済処理が完了すると、アプリケーションサーバ5に決済完了通知を送信する(ステップS28)。
決済が完了すると、アプリケーションサーバ5は、新たな決済IDを発行するとともに(ステップS30)、購入実績データベースに新たなレコードを作成することで購入実績データベースを更新する(ステップS32)。
【0044】
次いで、アプリケーションサーバ5は、ステップS22の決済要求に対応する決済完了通知を店舗アプリケーションに送信する(ステップS34)。この決済完了通知には、ステップS30で発行された決済IDが含まれる。店舗アプリケーションは、受信した決済完了通知に含まれる決済IDを含む2次元コードである決済済コードを作成し(ステップS36)、例えば図6の画面G3に示したように、利用者端末3に表示する(ステップS38)。
【0045】
図13は、利用者が利用者端末3に表示された決済済コードを使用して、決済済コード及びレシートを発行する場合の自動決済退出システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
先ず、利用者端末3を所持する利用者は、コードリーダ8を利用して利用者端末3に表示された決済済コードをラベルプリンタ4に読み取らせる処理を行う(ステップS40)。それによって、ラベルプリンタ4は、読み取った決済済コードから決済IDを抽出する。
次いで、ラベルプリンタ4は、決済済ラベルを発行する(ステップS42)。
【0046】
ラベルプリンタ4は、利用者による所定の操作入力(例えば、図7のボタンb5の操作入力)に応じてレシートの発行要求を受けると(ステップS44:YES)、アプリケーションサーバ5に対して購入データ要求を送信する(ステップS46)。購入データ要求は、決済IDを含み、当該決済IDに対応する購入データを要求するものである。
購入データ要求を受信すると、アプリケーションサーバ5は、購入実績データベースから、購入データ要求に含まれる決済IDに対応する購入データを取得し(ステップS48)、取得した購入データをラベルプリンタ4に返す(ステップS50)。
次いで、ラベルプリンタ4は、アプリケーションサーバ5から受信した購入データを含む発行指示をレシートプリンタ6に送信する(ステップS52)。レシートプリンタ6は、発行指示に基づいてレシートを発行する(ステップS54)。
【0047】
図14は、決済済ラベルCPの発行枚数を、購入した商品の容量や購入したレジ袋の枚数によって決定する場合のシーケンスチャートである。
利用者端末3を所持する利用者が、コードリーダ8を利用して利用者端末3に表示された決済済コードをラベルプリンタ4に読み取らせる処理を行うと(ステップS40)、ラベルプリンタ4は、アプリケーションサーバ5に対して購入データ要求を送信する(ステップS41a)。
購入データ要求を受信すると、アプリケーションサーバ5は、購入実績データベースから、購入データ要求に含まれる決済IDに対応する購入データを取得し(ステップS41b)、取得した購入データをラベルプリンタ4に返す(ステップS41c)。
次いで、ラベルプリンタ4は、アプリケーションサーバ5から受信した購入データに基づいて決済済ラベルの発行枚数を決定する(ステップS41d)。上述したように、決済済ラベルの発行枚数は、購入データに含まれる各商品の容量や種類、購入データに含まれるレジ袋の枚数に応じて決定される。例えば、各商品の容量の総和が大きいほど多くの収納体が必要となるため、決済済ラベルの発行枚数をより多くする。なお、各商品の容量に関する情報は、商品IDを基に図示しない商品データベースを参照して取得することができる。また、購入データにはレジ袋の購入枚数が含まれているため、購入データに含まれるレジ袋の購入枚数を決済済ラベルの発行枚数としてもよい。
次いで、ラベルプリンタ4は、決済済ラベルを発行する(ステップS42)。図14にはステップS42以降の処理が記載されていないが、図13のステップS42以降と同様に、レシートを発行することもできる。
【0048】
なお、本実施形態の自動決済退出システム1では、悪意のある第三者が他人の利用者端末3に表示された決済済コードを撮影し、撮影によって得られた決済済コードの画像をコードリーダ8にかざして決済済ラベルを取得できる可能性がある。すなわち、そのような第三者が、悪意で取得した決済済ラベルを店舗スタッフに提示する等して未決済の商品を店外に持ち出す恐れがある。その対策として、ラベルプリンタ4は、決済済ラベルを発行する際に、当該決済済ラベルの基礎となる決済済コードに関連付けられた決済ID(識別情報の一例)を2回以上参照することを禁止してもよい。
この場合、ラベルプリンタ4の制御部41は、コードリーダ8で読み取られた決済済コードから抽出した決済IDをストレージ42に逐次記録する。ラベルプリンタ4の制御部41は、コードリーダ8で読み取られた決済済コードから抽出した決済IDを、ストレージ42に記録されている各決済IDと比較し、ストレージ42に記録されているいずれの決済IDとも一致しない場合に限り、決済済ラベルを発行するように制御する。それによって、決済済ラベルを発行する際に、特定の決済IDが2回以上参照されることが禁止される。
【0049】
また、本実施形態の自動決済退出システム1では、図7のパターン2で決済済ラベルを発行する場合に、ラベルプリンタ4の制御部41は、利用者の同行者が所定の条件を満たす場合に、1つの決済IDに対して当該利用者によって指定される複数の回数、決済済ラベルを発行するように印字部46を制御してもよい。このように制御することで、利用者の同行者以外の第三者が不正に決済済ラベルを取得することを防止できる。
ここで、所定の条件は適宜決定することができる。例えば、利用者が予め家族等を同行者として登録してもよい。この場合、例えば、所定の認証手段によって同行者が登録された同行者であることが確認できた場合に限り、利用者と同行者を含む複数の決済済ラベルを発行することが許可される。
別の例では、店舗への入場時に利用者と同行者の画像を取得し、利用者と同行者を関連付けてもよい。その場合、ラベルプリンタ4は、決済済ラベルを発行する際に、入場時に利用者に関連付けられた同行者の人数を勘案した枚数の決済済ラベルの発行を許可する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の自動決済退出システム1によれば、利用者端末3の店舗アプリケーションが商品から商品IDを取得し、アプリケーションサーバ5が、商品IDに対応付けられた決済要求を店舗アプリケーションから取得して、商品の決済処理を行う。アプリケーションサーバ5は、決済処理が完了した後に、商品決済が完了したことを示す決済IDを利用者端末3に提供する。すなわち、自動決済退出システム1では、レジレスの環境で商品の決済を完了させることができる。
さらに、利用者端末3は、アプリケーションサーバ5から取得した決済IDに対応する決済済コードを表示させる。ラベルプリンタ4は、利用者端末3に表示された決済済コードに基づいて、商品が決済済みであることを示すマーク及び文字列を含む決済済ラベルを発行する。
したがって、本実施形態の自動決済退出システム1は以下の効果を得ることができる。
【0051】
(i) 利用者は、ラベルプリンタ4によって発行された決済済コードをマイバッグやビニール袋等の収納体に貼付することで、収納体の中の商品が決済済みであることを簡易的に証明することができる。そのため、商品が決済済みであるか否かについて間接的に店舗スタッフに伝えることができ、商品が決済済みであるか否かについて店舗スタッフから問合せを受けることを避けられる。すなわち、利用者が自ら商品のセルフスキャンから決済まで行うシステムにおいて、商品が決済済みであることを店舗スタッフに直接伝えることなく、素早く、かつ円滑に退店することができる仕組みを構築することができる。すなわち、レジレスシステムにおいて、店舗内での商品の決済から退出までの一連の流れをより適切に管理することができる。
【0052】
(ii) 従来のシステムでは、利用者は、セルフレジあるいは通常レジを行う人の列に並んで決済証明としてレシートを受け取るか、又は、例えばスマートフォンの画面を見せる等によって店舗スタッフに決済済みであることを提示した後に退店する必要があった。これでは、店内の人同士の近接が避けられず、また、店舗スタッフにとってもスマートフォンの画面を見て、決済済みであることを確認しなくてはならない負担が生ずる。それに対して、本実施形態の自動決済退出システム1では、利用者は、決済済ラベルを収納体に貼付するだけで商品が決済済みであるか否かについて間接的に店舗スタッフに伝えることができ、店舗スタッフは、利用者から離れた位置にいても決済済ラベルを容易に確認することができるため、従来のシステムの不都合が解消される。
【0053】
(iii) 利用者の収納体に貼付された決済済ラベルを確認することで、店舗スタッフは、収納体内の商品が決済済みであるかどうか疑うことがなくなり、利用者に問い合わせることがなくなるため、顧客満足度の向上に繋がる。
【0054】
(iv) 店舗アプリケーションを利用して利用者が自ら商品のスキャン操作を行い、商品の決済まで行うことができるため、店舗での利用者のレジ待ちを大幅に削減することができる。また、利用者がレジを通過する機会が少なくなるため、店舗内で人同士が接触する機会を大幅に削減することができる。
(v) 店舗での利用者のレジ待ちを大幅に削減することができるため、店舗に対する顧客満足度が向上し、利用者の来店頻度が向上することが期待される。
(vi) 本実施形態では、商品から商品ID及び賞味期限情報を取得する方法としてコード情報を読み取る方法を例示したが、この方法は、RFID等の無線通信を利用して取得する方法や、画像認識技術を利用して取得する方法と比較して安価である。
【0055】
本実施形態の自動決済退出システム1によれば、利用者は、決済済みの商品についてのレシートを発行させることができる。レシートも、商品が決済済みであることを示す証明書としても機能する。
具体的には、ラベルプリンタ4は、利用者端末3に表示された決済済コードから決済IDを抽出し、アプリケーションサーバ5から当該決済IDに対応する購入データ(つまり、商品の決済内容に関する情報)を取得する。ラベルプリンタ4は、レシートプリンタ6を制御し、取得した購入データに基づいてレシートを発行させる。
したがって、本実施形態の自動決済退出システム1は以下の効果を得ることができる。
【0056】
(vii) ラベルプリンタ4がアプリケーションサーバ5から購入データを取得し、かつレシートプリンタ6を制御してレシートを発行させるため、高価なPOSレジやコンピュータ装置を店舗に導入する必要がなく、安価なチェックアウトシステムを構築することができる。
(viii) レシートには、店舗独自のクーポン情報や販促情報を印字させることができる。そのため、レシートを取得した利用者又はその家族に、店舗に再度来店する動機付けを与えることができる。
(ix) 利用者は、レシートを取得することで家計簿管理に利用することができる。レジレスシステムでは決済処理がサーバで完了するため、レシートが発行されない場合には、決済処理の内容が適時に利用者に提示されないか、あるいは、決済処理の内容が適時に利用者に対して記録として提供されない。そこで、レシートを発行できるように構成することで、利用者は、決済処理の内容を適時に取得することができ、家計簿管理に活用することができる。
【0057】
なお、アプリケーションサーバ5による機能の少なくとも一部を利用者端末3のソフトウェアにより実現してもよいし、利用者端末3による機能の少なくとも一部をアプリケーションサーバ5のソフトウェアにより実現してもよい。また、上述した利用者端末3の機能、及び、アプリケーションサーバ5の機能の各々を、必要に応じて、利用者端末3及びアプリケーションサーバ5の間で分散させて実現してもよい。
また、ラベルプリンタ4により決済済ラベルの代わりにレシートRPを発行させてもよく、決済済ラベルCPとレシートRPが1枚綴りとなったラベルを発行してもよい。その場合、レシートプリンタ6を設置しなくてもよい。
【0058】
また、レジレスエリア23では、利用者がカゴや買い物カートから商品を取り出して収納体UBに収納するが、その際に、収納体UBの重量を測る重量計を設置しておいてもよい。この場合、ラベルプリンタ4は、重量計と通信可能である。ラベルプリンタ4は、重量計によって計測された収納体UBの重量と、決済済コードに基づいて取得した購入データから得られる購入商品の総重量との差が所定の閾値よりも大きい場合には、決済済ラベルを発行しないように制御してもよい。
【0059】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態に係る自動決済退出システムについて、図15図17を参照して説明する。
本実施形態の自動決済退出システムが適用されるレジレスエリア23は、利用者が決済処理の完了後に、店舗の専用の退出ゲートを通過するように構成されている。
図15に、本実施形態の自動決済退出システムが適用される例示的な店舗の一部の平面図を示す。図15図1と異なるのは、レジレスエリア23を区画された閉鎖エリアとし、レジレスエリア23からの利用者の退出は、退出ゲート11を通して行われる点にある。
図16に、本実施形態の自動決済退出システムのシステム構成の一部を示す。図16に示すように、本実施形態の自動決済退出システムは、第1の実施形態の自動決済退出システム1に加えて、レジレスエリア23から利用者を退出させるための退出ゲート11と、退出ゲート11を制御するゲート制御装置9と、を備える。
【0060】
ゲート制御装置9は、例えばコードリーダ91を備える。利用者が利用者端末3に表示された決済済コードC2をコードリーダ91に読み取らせると、ゲート制御装置9は、退出ゲート11が開放状態となるように退出ゲート11を制御する。
好ましくは、ゲート制御装置9は、退出ゲート11を閉鎖状態から開放状態とした場合、開放状態とする時間を所定時間に制限する。それによって、退出ゲート11が開放されている間に、決済済コードC2をコードリーダ91に読み取らせていない別の人がレジレスエリア23から退出することを防止できる。
好ましくは、ゲート制御装置9は、駅構内の自動改札装置と同様に、高さ検知センサを備えることで、退出ゲート11を通過する人が大人であるか否かを判別し、利用者と一緒に子供やベビーカーが支障なく通過できるように退出ゲート11を制御する。
ゲート制御装置9は、決済済コードC2をコードリーダ91に読み取らせていない大人がレジレスエリア23から退出しようとしていると判断した場合、例えば音声による警告出力を行うか、あるいは店舗の管理者の端末に警告メッセージを送信してもよい。
【0061】
図16では、利用者端末3に表示された決済済コードC2をコードリーダ91にかざす場合を示しているが、その限りではない。本実施形態では、ラベルプリンタ4は、決済済ラベルに決済済コードC2を印字してもよいし、決済済コードC2がレシートに印字されるようにレシートプリンタ6を制御してもよい。その場合には、利用者が決済済ラベル又はレシートに印字された決済済コードC2をコードリーダ91にかざすことで、ゲート制御装置9が退出ゲート11を開放状態とするように制御してもよい。
【0062】
本実施形態の自動決済退出システムによれば、利用者は、利用者端末3に表示された決済済コードをかざすのみで、素早く、かつ円滑にレジレスエリア23から退出することができる。また、利用者がレジレスエリア23から退出する際に、例えば店舗の出口において利用者端末3の表示画面や決済済ラベル、レシート等を店舗スタッフが確認する必要がないため、店舗側の負担が少ないという利点がある。
本実施形態の自動決済退出システムでは、利用者が決済済ラベルを収納体に貼付することは要しない。利用者がレジレスエリア23の退出ゲート11を通過できたことをもって、当該利用者が所持する収納体に含まれる商品が決済済みであることが確認できるためである。したがって、本実施形態の自動決済退出システムでは、レジレス対応機器2(ラベルプリンタ4、レシートプリンタ6、コードリーダ8)をレジレスエリア23に設けなくても構わない。
【0063】
なお、本実施形態の自動決済退出システムでは、悪意のある第三者が他人の利用者端末3に表示された決済済コードを撮影し、撮影によって得られた決済済コードの画像をコードリーダ91にかざしてレジレスエリア23から退出することができる可能性がある。すなわち、そのような第三者が未決済の商品を店外に持ち出す恐れがある。その対策として、ゲート制御装置9は、1つの決済済コードに対して1回のみ退出ゲート11を開放状態とするように制御してもよい。
決済済コードは決済IDに対応している。そこで、ゲート制御装置9は、コードリーダ91で読み取られた決済済コードから抽出した決済IDをメモリに逐次記録する。ゲート制御装置9は、コードリーダ91で読み取られた決済済コードから抽出した決済IDを、メモリに記録されている各決済IDと比較し、メモリに記録されているいずれの決済IDとも一致しない場合に限り、退出ゲート11を開放状態とするように制御する。
【0064】
本実施形態の自動決済退出システムでは、利用者が例えば家族等の他の同行者と一緒に来店している場合、利用者に対して発行された決済済コードによって他の同行者もレジレスエリア23から退出することができる仕組みとする必要がある。
そこで、例えば、利用者に対して発行された決済済コードを当該利用者の同行者に転送できるようにしてもよい。例えば、図17を参照すると、店舗アプリケーションは、決済処理が完了した後に利用者端末3の画面G3a(図6の画面G3に対応する画面)において、決済済コードC2とともに、決済済コードC2を転送するためのボタンb7を表示してもよい。ボタンb7が操作されると、店舗アプリケーションは、予め登録された利用者(例えば、利用者U1~U3)に決済済コードC2を転送する。そうすることで、利用者だけでなく当該利用者の同行者も、コードリーダ91に決済済コードC2をかざしてレジレスエリア23から退出することができる。
【0065】
利用者だけでなく当該利用者の同行者もレジレスエリア23から退出することができるようにするため、図7のパターン2で示したように、利用者の入力に応じた人数分の複数の決済済ラベルをラベルプリンタ4が発行できるようにしてもよい。この場合、ラベルプリンタ4は、各決済済ラベルに決済済コードを印字する。それによって、利用者の同行者は、決済済ラベルに印字された決済済コードをコードリーダ91にかざしてレジレスエリア23から退出することができる。
【0066】
同行者も含めて複数人が退出ゲート11を通してレジレスエリア23(所定の領域の一例)から退出できるようにするために、決済済コードを転送する方法や複数の決済済ラベルを発行する方法以外の方法を採ることもできる。
例えば、他の方法では、ゲート制御装置9は、利用者がレジレスエリア23の退出前であって、退出ゲート11が閉鎖状態のときに決済済コードを取得した場合、退出ゲート11を開放状態とし、利用者がレジレスエリア23の退出後であって、退出ゲート11が開放状態のときに決済済コードを取得した場合、退出ゲート11を閉鎖状態とするように制御してもよい。利用者がレジレスエリア23の退出前であるか退出後であるかの判断は、退出ゲート11の上部に監視カメラを配置し、監視カメラで取得した画像を基に利用者の位置を認識することにより行うことができる。
この仕組みでは、利用者は、レジレスエリア23から退出するときには、利用者端末3に表示された決済済コードをコードリーダ91にかざして退出ゲート11を開け、同行者が退出ゲート11を通過した後に再度決済済コードをコードリーダ91にかざして退出ゲート11を閉じるようにする(つまり、2回かざす)。それによって、利用者は、退出ゲート11が開放状態となる時間を、同行者の人数に応じて自ら調整できるようにする。また、決済済コードを使用しない来店者がレジレスエリア23から外に出ることを防止することができる。
【0067】
さらに別の方法では、ゲート制御装置9は、利用者の入力情報に基づいて退出ゲート11の開放時間を調整してもよい。例えば、コードリーダ91の近くにテンキーを含む入力装置(図示せず)を設け、利用者が入力装置に退出ゲート11を通過する人数を入力する。ゲート制御装置9は、入力装置に入力された人数の値に基づいて退出ゲート11の開放時間を決定する。このとき、入力装置に入力された人数の値が大きいほど、退出ゲート11の開放時間を長くする。
この方法によっても、利用者の同行者を円滑にレジレスエリア23から退出させることができ、また、決済済コードを使用しない来店者が外に出ることを防止することができる。
この方法では、利用者とともに退出ゲート11を通過する人数のデータがゲート制御装置9のメモリに蓄積させることができる。すなわち、店舗は、曜日、時間帯ごとの来店人数のデータを集計することができることから、商品の販促やマーケティング等の活動に活用することができる。
【0068】
(3)実施形態の変形例
次に、実施形態の変形例に係る自動決済退出システムについて説明する。
【0069】
(3-1)第1変形例
以下、第1変形例について、図18を参照して説明する。
図8では、来店した曜日によって決済済ラベルCPのマーク201の図柄を異ならせるマーク201の設定例を示したが、図18の画面G3b(図6の画面G3に対応する画面)に示すように、マーク201を決済済コードC2とともに利用者端末3に表示してもよい。こうすることで、店舗のスタッフが利用者端末3に表示された決済済コードを確認する場合や、コードリーダ91の代わりに決済済コードC2やマーク201を読み取る読取装置を設けて解析し、退出ゲート11を制御する場合等に、悪意のある利用者が同じ決済済ラベルCPを使い回す(再利用する)ことが防止できる。
なお、利用者端末3に表示させるのは、マーク201に限られず、決済を行った日付等でもよい。
【0070】
(3-2)第2変形例
次に、第2変形例について、図19及び図20を参照して説明する。
本変形例では、第1の実施形態の自動決済退出システム1の利用者端末3及びラベルプリンタ4に代えて、それぞれ利用者端末3A及びラベルプリンタ4Aが適用される。
図19に示すように、本変形例では、決済済コードC2が利用者端末3Aに表示された状態において、利用者が例えば所定の発行指示操作(図示せず)を行うことで、ラベルプリンタ4Aから決済済ラベルCPを発行させることができる。ここで、利用者端末3Aとラベルプリンタ4Aは、無線通信により通信可能に構成されている。無線通信のプロトコルは限定するものではないが、例えば、無線通信は、無線LAN(IEEE802.11規格)やBluetooth(登録商標)による通信である。
【0071】
図20に、利用者端末3A及びラベルプリンタ4Aの構成を示すブロック図を示す。
利用者端末3Aが利用者端末3(図9参照)と異なるのは、ラベルプリンタ4Aを制御するプリンタドライバがインストールされている点と、第2通信部38が追加された点である。第1通信部37は、図9の利用者端末3の通信部37と同様に、アプリケーションサーバ5との間で通信を行うための通信インタフェースである。
ラベルプリンタ4Aがラベルプリンタ4(図9参照)と異なるのは、第2通信部48が追加された点である。第1通信部47は、図9のラベルプリンタ4の通信部47と同様に、アプリケーションサーバ5及びレシートプリンタ6との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0072】
本変形例では、利用者による決済済ラベルの発行指示操作が行われた場合、利用者端末3Aでは、店舗アプリケーションとプリンタドライバが連携し、プリンタドライバがラベルプリンタ4Aと通信を行うことで、決済済ラベルが発行される。そのため、利用者は、図2に示したように利用者端末3Aに表示された決済済コードをコードリーダ8に読み取らせる操作を行うことなく、より簡便に決済済ラベルを発行させることができる。
本変形例では、第1の実施形態と同様に、ラベルプリンタ4Aが決済済ラベルを発行する場合について説明したが、その限りではない。ラベルプリンタ4Aが、決済済ラベルに代えてレシートを発行してもよい。
【0073】
(3-3)第3変形例
次に、第3変形例について、図21及び図22を参照して説明する。
第1の実施形態の自動決済退出システム1は、店舗において利用者が商品のスキャン操作を行い、当該商品をかご又は買い物カートに入れ、キャッシュレスにより商品の決済が完了する仕組みである。しかし、この仕組みでは、利用者が商品のスキャン操作をせずに当該商品を収納体に入れ、退店することも可能である。このような万引き行為を防止するための追加の仕組みについて、第3変形例として説明する。
【0074】
図21に示すように、本変形例に係る自動決済退出システム1Bでは、店舗内に1又は複数の撮像装置14が設置される。各撮像装置14は、店内の定点の画像を逐次取得し、各撮像装置14に接続されたコンピュータ装置15に送信する。コンピュータ装置15は、人工知能を利用した画像解析を行い、利用者の不審な行動を検出するように構成されている。
【0075】
コンピュータ装置15は、画像から利用者の不審な行動を検出できるが、不審な行動を行った利用者を特定しにくい場合がある。そこで、図21に示すように、店内の各買い物カートCTにビーコン信号を定期的に発信する無線タグ12を取り付け、ビーコン信号を受信する受信機13を例えば店舗の天井等に設置する。無線タグ12と受信機13との通信プロトコルは限定しないが、例えばBluetooth (登録商標) Low Energy(BLE)を利用することができる。受信機13は、ビーコン信号の到来角度を算出して、到来角度のデータをコンピュータ装置15に通知する。コンピュータ装置15は、受信した到来角度のデータに基づいて各買い物カートCTの店内の位置(座標)を実時間で特定する。
【0076】
図22に、店舗の平面図の一例を示す。図22には、例示的な配置の複数の撮像装置14のほか、無線タグ12のビーコン信号に基づく1台の買い物カートの時刻の経過に応じた位置情報である動線データFLの例を示している。
コンピュータ装置15は、各撮像装置14によって撮像された画像に基づく利用者の不審な行動の検出結果(時刻、定点の座標)と、各買い物カートCTの店内の時刻に応じた位置情報とを突合させることで、不審な行動を行った利用者(特定の買い物カートを利用する利用者)を特定することができる。不審な行動を行った利用者を特定した場合には、コンピュータ装置15は、店舗スタッフが認識できるようにアラート通知を出力(表示出力、又は音声出力)する。
アラート通知が出力された場合、万引き行為を間接的に抑止するために、店舗からの退店時のランダムチェックを行うことが好ましい。ランダムチェックでは、例えば10人の利用者のうちランダムに選択された1人の収納体を店舗スタッフが目視で確認する。ランダムチェックを行うことで、万引き行為を行った利用者が退店する前に未決済の商品を自発的に棚に戻すことが期待される。
【0077】
なお、コンピュータ装置15が、例えば撮像装置14により不審な行動を行った利用者を特定した場合(例えば、撮像装置14の顔認識機能により利用者個人を特定した場合)、当該利用者の利用者端末3にエラーが表示される(例えば、決済しようとしても決済エラーが表示される)ように制御してもよいし、当該利用者の利用者端末3に決済済コードが表示されないように制御してもよい。また、当該利用者の利用者端末3に決済済コードが表示されている場合でも当該決済済コードによってラベルププリンタ4が決済済ラベルを発行しないように制御してもよい。
【0078】
(3-4)第4変形例
次に、第4変形例について説明する。
上述した各実施形態では、商品から商品IDや賞味期限情報を取得する方法として、商品のコード情報を読み取る場合について説明したが、その限りではない。
商品から商品IDや賞味期限情報を取得する他の方法として、商品や棚札、若しくは商品の外装品に取り付けられている無線タグ、又は、商品の近傍に配置されている無線タグ等から商品IDや賞味期限情報を受信する方法を採ることができる。この場合、情報を受信するときの通信方法(例えば、通信プロトコルや使用周波数等)は問わない。通信方法の例として、例えばNFC(Near field communication)等のRFID(Radio Frequency Identification)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【0079】
例えば商品や棚札等に、当該商品の商品IDや賞味期限情報が記録されたNFCタグが取り付けられ、利用者端末3にNFCリーダが搭載されている場合を想定する。その場合、利用者が商品に自身の利用者端末3を近付けることで、利用者端末3のNFCリーダが商品のNFCタグから商品の商品IDや賞味期限情報を受信する。利用者端末3の店舗アプリケーションは、受信した商品の商品IDを含む価格問合せをアプリケーションサーバ5に送信する。価格問合せを受信したアプリケーションサーバ5は、上述した実施形態と同様に、商品の価格を決定し、商品価格の情報を店舗アプリケーションに返す。
【0080】
商品の外観の画像から当該商品の商品IDを特定することもできる。例えば、利用者端末3が撮像部を有する場合、撮像部によって取得した商品の画像を店舗アプリケーションがアプリケーションサーバ5に送信する。アプリケーションサーバ5は、取得した商品の画像から当該商品の商品IDを特定する。商品IDの特定に際しては、学習済みモデルを用いた人工知能を利用することができる。この場合、商品の画像は、商品情報の一例である。このとき、アプリケーションサーバ5は、商品IDと商品の賞味期限情報とが対応付けられたデータベースにアクセスして、特定した商品IDに対応する賞味期限情報を取得できるように構成することができる。
商品から取得できる複数の情報を組み合わせて、当該商品の商品IDや賞味期限情報を取得してもよい。例えば、商品や棚札等から取得するコード情報、文字情報、無線タグから得られる情報、商品の外観の画像等のうち少なくとも2以上の情報を組み合わせて、商品の商品IDや賞味期限情報を取得することができる。
【0081】
上述した実施形態では、第1情報が決済済コードである場合について説明したが、その限りではない。決済済コードに代えて、決済IDを示す文字列を利用者端末3に表示させてもよい。その場合、ラベルプリンタ4は、コードリーダ8に代えて撮像装置に接続され、撮像装置によって取得された文字列の画像を解析して決済ID(文字列)を認識し、決済済ラベルを発行し、レシートを発行するように制御してもよい。
【0082】
以上、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及び、プログラムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述した各実施形態及び各変形例に記載した個々の技術的特徴は、技術的矛盾がない限り、適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1,1B…自動決済退出システム
2…レジレス対応機器
3,3A…利用者端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…撮像部
36…コードリーダ
37…通信部(第1通信部)
38…第2通信部
4,4A…ラベルプリンタ
41…制御部
42…ストレージ
43…操作入力部
44…表示部
44a…表示パネル
45…搬送部
46…印字部
47…通信部(第1通信部)
48…第2通信部
5…アプリケーションサーバ
51…制御部
511…価格情報提供部
512…決済処理部
52…ストレージ
53…通信部
6…レシートプリンタ
61…制御部
62…搬送部
63…印字部
64…通信部
7…決済代行サーバ
8…コードリーダ
9…ゲート制御装置
91…コードリーダ
11…退出ゲート
12…無線タグ
13…受信機
14…撮像装置
15…コンピュータ装置
21…通常レジエリア
22…セルフレジエリア
23…レジレスエリア
100…スキャン領域
110,112…ケーブル
201…マーク
202…文字列
CT…利用者
BL…購入予定リスト
NW…ネットワーク
P…商品
PL…商品ラベル
CP…決済済ラベル
RP…レシート
UB…収納体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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