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特開2022-27202画像処理装置および設定データ管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027202
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】画像処理装置および設定データ管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220203BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220203BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/00 350
B41J29/38
G03G21/00 396
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131053
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平澤 由
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2H270KA59
2H270NC02
2H270NC26
2H270ND28
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC58
5C062AF06
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】画像処理装置の設定が、管理者の意図しない設定となっている状態を解消する。
【解決手段】画像形成装置(100)の制御部(110)は、予め設定された更新間隔に基づいて、ネットワーク接続部(130)を介してサーバ(200)から取得した更新データ(221)を用いて、記憶部(120)に記憶された設定データ(121)の更新を行う設定更新と、更新間隔中に、ユーザにより設定データ(121)の設定が変更されているか否かの判定を行う変更有無判定と、を実行し、変更有無判定において変更されていると判定した場合、サーバ(200)から更新データ(221)を取得し、当該更新データ(221)を用いて、記憶部(120)に記憶された設定データ(121)の更新を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理を行う画像処理部と、
設定データを記憶する記憶部と、
前記設定データの更新に用いる更新データを記憶するサーバとネットワークを通じて接続するネットワーク接続部と、
前記設定データが示す設定に基づいて、前記画像処理部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
予め設定された更新間隔に基づいて、前記ネットワーク接続部を介して前記サーバから取得した更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う更新処理と、
前記更新間隔中に、ユーザにより前記設定データの設定が変更されているか否かの判定を行う判定処理と、を実行し、
前記判定処理において変更されていると判定した場合、前記サーバから更新データを取得し、当該更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記更新間隔が所定期間以上に設定されている場合、前記判定処理を実行し、
前記更新間隔が前記所定期間未満に設定されている場合、前記判定処理を実行しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記更新間隔が前記所定期間以上に設定されている場合、前記判定処理を前記所定期間より短い固定幅の間隔にて複数回実行する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、
前記制御部は、
前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記固定幅を変更可能である、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、
前記制御部は、
前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記更新間隔を変更可能である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、
前記制御部は、
前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記設定データの設定が変更されたことを示す設定変更情報を前記記憶部に記憶し、
前記判定処理において、前記記憶部に前記設定変更情報が記憶されている場合、前記設定データの設定が変更されていると判定し、前記設定データの更新を行う、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記判定処理において、前記設定データの設定が変更されていると判定した場合、
前記更新データのバージョン情報が前記設定データのバージョン情報以上であれば、前記設定データの更新を行い、
前記更新データのバージョン情報が前記設定データのバージョン情報未満であれば、前記設定データの更新を行わない、
ことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
【請求項8】
設定データの更新に用いる更新データを記憶するサーバ、および
画像処理を行う画像処理部と、
前記設定データを記憶する記憶部と、
前記サーバとネットワークを通じて接続するネットワーク接続部と、
前記設定データが示す設定に基づいて、前記画像処理部を制御する制御部と、を有する複数の画像処理装置、を備え、
前記制御部は、
予め設定された更新間隔に基づいて、前記ネットワーク接続部を介して前記サーバから取得した更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う更新処理と、
前記更新間隔中に、ユーザにより前記設定データの設定が変更されているか否かの判定を行う判定処理と、を実行し、
前記判定処理において変更されていると判定した場合、前記サーバから更新データを取得し、当該更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う、
ことを特徴とする、設定データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバから取得した更新データを用いて設定データの更新を行う画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置が、サーバに設定データを要求する設定データ取得要求を送信すると、サーバが設定データを画像処理装置に送信する。そうして、画像処理装置が、送信されてきた設定データを自機に登録することで、画像処理装置を設定データに基づいて動作させることができる管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-72318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像処理装置は、予め設定されている期間(以下、「更新間隔」と表記する)が経過する度に更新データ取得要求をサーバに送信し、サーバから受信した更新データを用いて設定データを更新する。また、画像処理装置に登録された設定データの設定は、画像処理装置のユーザにより変更される場合がある。この場合、当該設定が、画像処理装置の管理者が意図しない設定となるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、設定データの設定について、画像処理装置の管理者が意図しない設定となっている状態を解消することができる画像処理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る画像処理装置は、画像処理を行う画像処理部と、設定データを記憶する記憶部と、前記設定データの更新に用いる更新データを記憶するサーバとネットワークを通じて接続するネットワーク接続部と、前記設定データが示す設定に基づいて、前記画像処理部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、予め設定された更新間隔に基づいて、前記ネットワーク接続部を介して前記サーバから取得した更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う更新処理と、前記更新間隔中に、ユーザにより前記設定データの設定が変更されているか否かの判定を行う判定処理と、を実行し、前記判定処理において変更されていると判定した場合、前記サーバから更新データを取得し、当該更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う。
【0007】
本発明の態様2に係る画像処理装置は、上記態様1において、前記制御部は、前記更新間隔が所定期間以上に設定されている場合、前記判定処理を実行し、前記更新間隔が前記所定期間未満に設定されている場合、前記判定処理を実行しなくてもよい。
【0008】
本発明の態様3に係る画像処理装置は、上記態様2において、前記制御部は、前記更新間隔が前記所定期間以上に設定されている場合、前記判定処理を前記所定期間より短い固定幅の間隔にて複数回実行してもよい。
【0009】
本発明の態様4に係る画像処理装置は、上記態様3において、更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、前記制御部は、前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記固定幅を変更可能であってもよい。
【0010】
本発明の態様5に係る画像処理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、前記制御部は、前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記更新間隔を変更可能であってもよい。
【0011】
本発明の態様6に係る画像処理装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、更に、前記ユーザが前記設定データの設定を変更可能な操作パネルを備え、前記制御部は、前記ネットワーク接続部を介して取得した情報、又は、前記操作パネルを介した入力に基づき、前記設定データの設定が変更されたことを示す設定変更情報を前記記憶部に記憶し、前記判定処理において、前記記憶部に前記設定変更情報が記憶されている場合、前記設定データの設定が変更されていると判定し、前記設定データの更新を行ってもよい。
【0012】
本発明の態様7に係る画像処理装置は、上記態様6において、前記制御部は、前記判定処理において、前記設定データの設定が変更されていると判定した場合、前記更新データのバージョン情報が前記設定データのバージョン情報以上であれば、前記設定データの更新を行い、前記更新データのバージョン情報が前記設定データのバージョン情報未満であれば、前記設定データの更新を行わなくてもよい。
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る設定データ管理システムは、設定データの更新に用いる更新データを記憶するサーバ、および、画像処理を行う画像処理部と、前記設定データを記憶する記憶部と、前記サーバとネットワークを通じて接続するネットワーク接続部と、前記設定データが示す設定に基づいて、前記画像処理部を制御する制御部と、を有する複数の画像処理装置、を備え、前記制御部は、予め設定された更新間隔に基づいて、前記ネットワーク接続部を介して前記サーバから取得した更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う更新処理と、前記更新間隔中に、ユーザにより前記設定データの設定が変更されているか否かの判定を行う判定処理と、を実行し、前記判定処理において変更されていると判定した場合、前記サーバから更新データを取得し、当該更新データを用いて、前記記憶部に記憶された前記設定データの更新を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係る画像処理装置、または、設定データ管理システムによれば、画像処理装置の設定が、管理者の意図しない設定となっている状態を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置が適用される設定データ管理システムを示す概略図である。
図2図1に示す設定データ管理システムに含まれる画像形成装置及びサーバの概略構成を示すブロック図である。
図3図2に示す画像形成装置に記憶されている設定データが保有し得る各種の情報を表形式で例示した図表である。
図4図2に示す画像形成装置に記憶されている変更履歴ログ、バージョン情報および実行結果レコードが保有し得る各種の情報を表形式で例示した図表である。
図5】更新タイミングの設定画面と、設定チェック時刻の設定画面の一具体例を示す図である。
図6図2に示す画像形成装置が実行する特徴的な動作を示すフローチャートである。
図7図6に示されるメインフローのサブルーチンである「第1設定更新処理」を示すフローチャートである。
図8図7に示される第1設定更新処理のサブルーチンである「設定更新処理」を示すフローチャートである。
図9図6に示されるメインフローのサブルーチンである「第2設定更新処理」を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<設定データ管理システム>
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置が適用される設定データ管理システム1を示す概略図である。
【0017】
設定データ管理システム1は、ネットワークに接続された、画像処理を行う複数の画像処理装置と、サーバ200と、サーバ200にアクセス可能な管理者用の情報処理装置300と、画像処理装置にアクセス可能な情報処理装置400と、から構成されている。図1では、画像処理装置が画像形成装置100である例を示している。なお、図1には示していないが、情報処理装置300は、画像処理装置にアクセス可能であってもよい。
【0018】
画像形成装置100のそれぞれは、設定データを記憶している。それぞれの画像形成装置100において、設定データの内容の少なくとも一部を、更新データを用いて書き換えることで、設定データの更新が実行される。設定データ管理システム1の管理者は、情報処理装置300を通じて、サーバ200に新たな更新データを記憶させる。換言すれば、管理者は、サーバ200に記憶されている更新データを変更する。
【0019】
設定データ管理システム1では、それぞれの画像形成装置100が設定データを参照してサーバ200に自らアクセスし、最新の更新データを取得する。そうして、それぞれの画像形成装置100において、更新データが適用されて設定データが自動的に更新される。このような画像形成装置100等の動作について、詳細に後述される。
【0020】
<画像形成装置>
画像形成装置100は、記録媒体に画像を形成し定着させる装置である。記録媒体は、典型的にはシート材である。画像形成装置100の具体例としては、電子写真方式の画像形成装置が挙げられるが、インクジェット方式などの他の方式の画像形成装置であってもよい。
【0021】
図2は、画像形成装置100及びサーバ200の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御部110と、記憶部120と、ネットワーク接続部130と、画像形成部140と、操作パネル150と、を備える。画像形成部140は、本発明に係る画像処理部の一例であり、画像処理、具体的には記録媒体に画像を形成し定着させる処理を行う機構部である。
【0022】
制御部110は、ネットワーク接続部130を通じた外部機器からの印刷指示に従って、画像形成部140を制御し、所要の画像を記録媒体に形成定着させる機能ブロックである。図2に示されるように、制御部110は、情報処理部111、ROM部112(ROM:Read Only Memory)、RAM部113(RAM:Random Access Memory)を有する。情報処理部111は、情報の処理を実行する機能部である。
【0023】
情報処理部111は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、CPU(Central Processing Unit)等のIC(Integrated Circuit)で構成され得る。ROM部112は、情報処理部111が実行することにより画像形成装置100の所要の各機能を実現させるプログラムを記憶している。RAM部113は、情報処理部111が所要の各機能を実現するに当たり、プログラムやデータを一時的に展開するメモリである。
【0024】
記憶部120は、不揮発性のメモリである。記憶部120は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等のICで構成され得る(EEPROM:登録商標)。本実施形態に係る画像形成装置100は、記憶部120に、設定データ121、変更履歴ログ122(設定変更情報)、バージョン情報123、実行結果レコード124および設定チェック時刻125を記憶している。
【0025】
ネットワーク接続部130は、画像形成装置100がネットワークを通じて外部機器と接続するための通信インターフェースである。設定データ管理システム1において、画像形成装置100は、サーバ200、情報処理装置300および情報処理装置400と通信を行うことが可能である。操作パネル150は、画像形成装置100のユーザの操作入力を受け付ける入力インターフェースである。
【0026】
<設定データ>
制御部110は、ネットワーク接続部130や画像形成部140を制御し、画像形成装置100の所要の動作を実現するに当たり、記憶部120の設定データ121を参照する。設定データ121は、そのような動作を実現するために必要な、パラメータ、参照データ、デフォルトデータ等に関する情報を保有しているファイルである。
【0027】
図3は、設定データ121が保有し得る各種の情報を表形式で例示した図表である。本実施形態に係る画像形成装置100において、設定データ121は、設定データ121の更新を実行する設定更新に必要な情報を保有する。設定更新は、本願発明に係る「更新処理」の一例である。設定更新を実行する頻度や、その時刻に関する情報であるアクセス頻度情報、アクセス時刻情報は、その例である。
【0028】
図3の具体例において、アクセス頻度情報は「毎週日曜日」となっている。この場合、画像形成装置100の電源オンの状態が継続している際に、毎週日曜日に、アクセス時刻情報が示す時刻に設定更新を実行することが規定されている。アクセス頻度情報の他の例としては、「毎日」、「毎月」、「電源ON時」などが挙げられる。
【0029】
また、設定データ121は、設定更新に必要な情報として、サーバ200の所定のパス(フォルダ)、あるいは、所定のデータやファイルへのアクセスに関する情報を保有する。図3の具体例において、種別の情報はサーバ200の方式を示すパスの情報は、更新データ221が保管されているサーバ200のパスを指す。ファイル名の情報は、更新データ221のファイル名を指す。
【0030】
認証方式の情報は、サーバ200が外部危機からのアクセスに対して認証を行う方式を示す。アカウントの情報及びパスワードの情報は、更新データ221が保管されているサーバ200のパスへのアクセスが許可されるアカウントと、そのパスワードを示す。これらの情報に基づいて、制御部110は、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200が記憶する更新データ221や、それが保持されたパスへのアクセスを実行する。
【0031】
さらに、設定データ121には、設定更新の実行に必要な管理者パスワードを保有し得る。また、設定データ121は、図3に項目が例示される、画像形成装置100の各種機能の動作に関する情報を保有する。
【0032】
設定データ121に含まれ得る各種情報の少なくとも一部は、更新データ221を用いた設定データ121の更新の他、画像形成装置100のユーザが画像形成装置100に直接アクセスすることで変更することが可能である。例えば、上記ユーザは情報処理装置400を操作することにより画像形成装置100にアクセスし、設定データ121の設定、すなわち、設定データ121に含まれ得る情報を変更することが可能である。制御部110は、ネットワーク接続部130を介して取得した上記操作の信号に基づき、設定データ121に含まれ得る情報を変更する処理を実行する。以降、当該処理を「変更処理」と表記する。
【0033】
なお、制御部110は、ユーザによる、画像形成装置100の操作パネル150を介した入力に基づき、変更処理を実行してもよい。つまり、操作パネル150は、ユーザが設定データ121の設定を変更可能な入力インターフェースと表現することもできる。
【0034】
<変更履歴ログ>
図4は、変更履歴ログ122、並びに、後述するバージョン情報123および実行結果レコード124が保有し得る各種の情報を表形式で例示した図表である。
【0035】
変更履歴ログ122は、変更処理の実行履歴を示すログである。図4に示されるように、変更履歴ログ122は、変更処理による、設定データ121に含まれ得る各種情報の変更に関する情報を時系列で保有する。図4の具体例において、この情報は、変更処理が実行された日付および時刻、変更された項目、この項目において変更されたパラメータ、このパラメータが変更前後でどのように変更されたかを示す情報を含む。
【0036】
本実施形態に係る制御部110は、変更処理によって変更した項目が、所定の項目である場合、変更履歴ログ122にこの変更処理に関する情報を格納する。換言すれば、制御部110は、変更処理によって変更した項目が、所定の項目以外の項目である場合、変更履歴ログ122にこの変更処理に関する情報を格納しない。当該所定の項目は、例えば、図3に示す「各種機能」であってもよい。
【0037】
<バージョン情報>
バージョン情報123は、設定更新によって、更新データ221が適用されて、設定データ121の更新が行われた直近の場合の、更新データ221に関する情報を保有するレコードである。図4に示されるように、バージョン情報123は、適用された更新データ221のファイル名の情報と、適用された更新データ221の更新日時の情報を保有する。
【0038】
<実行結果レコード>
実行結果レコード124は、設定更新の結果に関する情報を保有するレコードである。図4に示す具体例において、実行結果レコード124は、設定更新によって、更新データ221が適用された、設定データ121の更新が行われた直近の、設定更新の実行日時である、最終更新日時情報を保有している。また、図4に示す具体例において実行結果レコード124は、直近の設定更新の実行日時である、最終アクセス日時情報と、その結果である、最終アクセス結果情報とを保有している。なお、実行結果レコード124に格納される情報は、図4に示すような、設定更新が正常に実行された、すなわち、設定更新が成功したことを示す情報に限定されない。実行結果レコード124に格納される情報の他の例としては、更新データ221のバージョンが、バージョン情報123が示すバージョン以下であったため設定更新を実行しなかったことを示す情報が挙げられる。また、さらに別の例としては、更新データ221の復号に失敗したことを示す情報や、サーバ200との接続に失敗したことを示す情報などが挙げられる。
【0039】
<設定チェック時刻>
制御部110は、設定データ121が変更処理によって変更されているか否かの変更有無判定を定期的に、例えば毎日所定時刻に行う。変更有無判定は、本願発明に係る「判定処理」の一例である。設定チェック時刻125は、この変更有無判定を行う時刻を示すデータである。
【0040】
<更新タイミングおよび設定チェック時刻の設定>
本実施形態に係る画像形成装置100において、設定更新を実行するタイミングである更新タイミングと、変更有無判定を実行するタイミングである設定チェック時刻とを管理者が設定および変更可能である。
【0041】
図5は、更新タイミングの設定画面と、後述する設定チェック時刻の設定画面の一具体例を示す図である。これら設定画面は、典型的には、管理者が情報処理装置300を操作することにより、当該情報処理装置300の表示部に表示される画面である。管理者は設定画面が表示された状態で情報処理装置300を操作し、更新タイミングおよび設定チェック時刻を設定する。
【0042】
図5における更新タイミングの設定画面の具体例において、設定更新を実行する間隔である更新間隔と、設定更新を実行する更新時刻が設定可能である。更新間隔は、「電源ON時」、「オフ」、「毎日」、「毎週」、「毎月」から選択可能である。「電源ON時」とは、画像形成装置100の電源がオンに転じられたときに設定更新を実行することを指す。「オフ」とは、定期的な設定更新を実行しないことを指す。「毎日」とは、毎日の更新時刻に設定更新を実行することを指す。「毎週」とは、毎週、所定の曜日の更新時刻に設定更新を実行することを指す。「毎月」とは、毎月、所定の日付の更新時刻に設定更新を実行することを指す。
【0043】
なお、図5における更新タイミングの設定画面の具体例において、「毎週」が選択された場合は所定の曜日を、「毎月」が選択された場合は所定の日付を選択可能である。また、「電源ON時」は、他の選択肢と併せて選択可能であってもよい。
【0044】
画像形成装置100の制御部110は、ネットワーク接続部130を介して情報処理装置300から取得した操作信号に基づき、設定データ121のタイミング設定や、設定チェック時刻125を変更する。また、制御部110は、変更されたタイミング設定が示す更新タイミングにて、設定更新を実行し、変更された設定チェック時刻125が示す時刻にて、変更有無判定を実行する。
【0045】
なお、更新タイミングおよび設定チェック時刻の設定は、管理者以外の画像形成装置100のユーザが行ってもよい。また、管理者を含む画像形成装置100のユーザは、操作パネル150を介した入力により、制御部110に更新タイミングおよび設定チェック時刻の設定を行わせてもよい。換言すれば、制御部110は、操作パネル150を介した入力に基づき、更新タイミングおよび設定チェック時刻の設定を行ってもよい。
【0046】
<サーバ>
図2に示されるように、サーバ200は、サーバ制御部210と、サーバ記憶部220と、ネットワーク接続部230とを備えている。ネットワーク接続部230は、サーバ200がネットワークを通じて他のネットワーク端末と接続するための通信インターフェースである。サーバ記憶部220は、種々のデータやファイルを記憶するメモリである。サーバ制御部210は、これら機能ブロックを統括し、サーバ200の動作を実行する機能ブロックである。
【0047】
サーバ200は、ネットワークに接続された外部機器から、サーバ記憶部220内にデータを記憶させること(アップロード)を許可し得る。またサーバ200は、ネットワークに接続された外部機器に、サーバ記憶部220に記憶されたデータを送信すること(ダウンロード)を許可し得る。
【0048】
あるいはサーバ200は、ネットワークに接続された端末に、サーバ200のサーバ記憶部220に記憶されたデータについての付加情報、例えばファイル名やファイルの作成日時や更新日時を参照させることができる。設定データ管理システム1のサーバ200は、このような機能を備えた、公知技術による一般的なサーバである。
【0049】
このようなサーバは、企業内ネットワークやその他のネットワークにおいて既に多用されている。そのため、設定データ管理システム1の管理者は、サーバ200として既設のサーバをそのまま利用することで、設定データ管理システム1を構築し得る。
【0050】
サーバ記憶部220は、特定のパスに、更新データ221を記憶している。更新データ221は、設定データ121の内容の少なくとも一部を書き換えるためのデータを保有しているファイルである。例えば、更新データ221は、設定データの「各種機能」を書き換えるためのデータを保有している。このように更新データ221は設定データの121の内容の全部についての情報を保有している必要はない。
【0051】
また、サーバ記憶部220は、上記特定のパスに、更新データ221のバージョン情報222を記憶している。バージョン情報222は、更新データ221のファイル名の情報と、更新データ221の更新日時の情報を保有する。この更新日時の情報は、換言すれば、更新データ221が作成された日時の情報と表現することもできる。なお、バージョン情報222は、更新データ221の付加情報として、更新データ221に含まれる情報であってもよい。
【0052】
また、サーバ記憶部220は、上記特定のパスに、画像形成装置ログ223を記憶している。画像形成装置ログ223は、個々の画像形成装置100毎に生成される複数のログファイルであり、具体的には、個々の画像形成装置100からアップロードされた実行結果レコード124を、画像形成装置100毎に時系列で記憶している複数のログファイルである。サーバ記憶部220において、更新データ221、および、画像形成装置ログ223に含まれる各ログファイルには、ファイル名、ファイル更新日時の情報が付されている。ここで、ファイル更新日時とは、当該電子ファイルの内容が新規作成あるいは修正により作成されて、電子ファイルとして内容が確定して保存された日時である。
【0053】
<画像形成装置の動作:メインフロー>
図6は、本実施形態に係る画像形成装置100が実行する特徴的な動作を示すフローチャートである。画像形成装置100は、電源オンとなると、図6のフローチャートに示される動作のフローを実行する。以下では、図6のフローチャートに沿って、画像形成装置100の特徴的な動作が説明される。
【0054】
ステップS100:電源がオンとなり画像形成装置100が起動すると、制御部110の情報処理部111は、記憶部120の設定データ121における設定更新のアクセス頻度情報を参照する。アクセス頻度情報が「電源オン時」であるか否かに基づき、情報処理部111は、電源オンの際に設定更新を実施するか否かを判断する。実施すると判断される場合(S100でYES)、フローはステップS105に進む。それ以外の場合(S100でNO)、フローはステップS101に進む。
【0055】
ステップS101:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121における設定更新のアクセス頻度情報及びアクセス時刻情報を参照する。それらの情報に基づき、情報処理部111は、現在の日時が、設定更新を実施する日時か否かを判断する。設定更新を実施する日時であると判断される場合(S101でYES)、フローはステップS105に進む。それ以外の場合(S101でNO)、フローはステップS102に進む。
【0056】
ステップS102:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121における設定更新のアクセス頻度情報を参照する。アクセス頻度情報が「毎週」又は「毎月」であるか否かにに基づき、情報処理部111は、更新間隔の設定が1週間以上であるか否かを判断する。すなわち、情報処理部111は、アクセス頻度情報が示すアクセス頻度が毎週または毎月であるか否かを判断する。更新間隔の設定が1週間以上であると判断される場合(S102でNO)、フローはステップS103に進む。それ以外の場合(S102でNO)、フローはステップS106に進む。
【0057】
ステップS103:情報処理部111は、記憶部120の設定チェック時刻125を参照する。これに基づき、情報処理部111は、現在の時刻が、変更有無判定を伴う第1設定更新処理を実施する時刻か否かを判定する。第1設定更新処理を実施する時刻であると判断される場合(S103でYES)、フローはステップS104に進む。それ以外の場合(S103でNO)、フローはステップS106に進む。
【0058】
ステップS104:画像形成装置100は、「第1設定更新処理」を実行する。「第1設定更新処理」のフローは図7に示されている。次にフローはステップS106に進む。
【0059】
ステップS105:画像形成装置100は、「第2設定更新処理」を実行する。「第2設定更新処理」のフローは図9に示されている。次にフローはステップS106に進む。
【0060】
ステップS106:情報処理部111は、画像形成装置100のユーザの主導の操作による、電源オフの要求があるか否かを判断する。電源オフの要求があると判断される場合(S106でYES)、フローはステップS107に進む。それ以外の場合(S106でNO)、フローはステップS101に戻る。
【0061】
ステップS107:情報処理部111は、画像形成装置100が電源オフに移行する処理を実行する。次にフローは終了する。
【0062】
<画像形成装置の動作:第1設定更新処理>
図7は、図6に示されるメインフローの、ステップS104として示されたサブルーチンである「第1設定更新処理」を示すフローチャートである。以下に、図7のフローチャートに沿って、「第1設定更新処理」が説明される。この第1設定更新処理は、すなわち、設定データ121の更新間隔が毎週または毎月である場合において、設定チェック時刻に実施される処理であって変更有無判定を含む。
【0063】
ステップS200:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121におけるアクセス設定の情報を参照し、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200の所定のパスにある更新データ221の参照できるかどうか接続を試みる。なお、図3に示された設定データ121の具体例では、所定のパスは、「\\xxx.yyy.zzz.aaa\data\」であり、更新データ221のファイル名は「setting.zip」である。ここで、「xxx.yyy.zzz.aaa」は、サーバ200のIPアドレス(internet Protocol Address)を示している。「\data」は、ディレクトリを示している。
【0064】
ステップS201:情報処理部111は、サーバ200の更新データ221の接続ができたか否かを判断する。接続できたと判断される場合(S201でYES)、フローはステップS202に進む。それ以外の場合(S201でNO)、フローはステップS208に進む。
【0065】
ステップS202:続いて、情報処理部111は、ネットワーク接続部130を通じて、更新データ221のバージョン取得要求をサーバ200に送信する。バージョン取得要求は、更新データ221のバージョン情報222を取得するための要求である。次にフローはステップS203に進む。
【0066】
ステップS203:情報処理部111は、ネットワーク接続部130を通じて、更新データ221のバージョン情報222を受信する。次にフローはステップS204に進む。
【0067】
ステップS204:情報処理部111は、記憶部120に変更履歴ログ122が記憶されているか否かを判断する。ステップS204の処理、すなわち、情報処理部111が記憶部120に変更履歴ログ122が記憶されているか否かを判断する処理が、変更有無判定である。情報処理部111は、記憶部120に変更履歴ログ122が記憶されていると判断された場合(S204でYES)、フローはステップS205に進む。それ以外の場合(S204でNO)、フローはステップS209に進む。
【0068】
ステップS205:情報処理部111は、ステップS203で受信したバージョン情報222が示すバージョンが、記憶部120のバージョン情報123が示すバージョン以上であるか否かを判断する。記憶部120のバージョン情報123が示すバージョン以上であると判断された場合(S205でYES)、フローはステップS206に進む。それ以外の場合(S205でNO)、フローはステップS209に進む。
【0069】
なお、「バージョン情報222が示すバージョンが、記憶部120のバージョン情報123が示すバージョン以上である」とは、バージョン情報222に含まれる更新日時が、バージョン情報123に含まれる更新日時と同じか、または、バージョン情報123に含まれる更新日時より後であることを指す。
【0070】
ステップS206:画像形成装置100は、「設定更新処理」を実行する。「設定更新処理」のフローは図8に示されている。次にフローはステップS207に進む。
【0071】
ステップS207:情報処理部111は、記憶部120に記憶されている変更履歴ログ122を消去する処理を実行する。次にフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0072】
ステップS208:サーバ200の所定のパスにある更新データ221の参照に成功しないと、フローは本ステップに至る。情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として「ネットワーク接続エラー」を、最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが試行されたからである。設定データ121の更新は実施されていないため、最終更新日時情報は変更されない。また、バージョン情報123も変更されない。次に、「第1設定更新処理」のフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0073】
ステップS209:記憶部120に変更履歴ログ122が記憶されていない、または、サーバ200に現時点で置かれている更新データ221についての「バージョン」が、記憶部120のバージョン情報123に記憶されたデータに基づく「バージョン」以上でないと、フローは本ステップに至る。情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として「更新不要」を、最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが実施されたからである。設定データ121の更新は実施されていないため、最終更新日時情報は更新されない。また、バージョン情報123も変更されない。次にフローはステップS210に進む。
【0074】
ステップS210:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121におけるアクセス設定の情報を参照し、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200の所定のパスにある画像形成装置ログ223のうちの自機のログファイルにログ情報、すなわち実行結果レコード124を記録する。詳細は後述するが、ログ情報には、設定データ121の更新があった場合の更新ログを含む。
【0075】
なお、図3に示された設定データ121の事例によると、所定のパスは「\\xxx.yyy.zzz.aaa\data\」である。自機のログファイルのファイル名は、自機の識別情報(ID)が用いられた名称である。所定のパスに自機のログファイルが無い場合には、情報処理部111は、所定のパスに自機のログファイルを生成してから、ログ情報を書き込む。
【0076】
書き込まれるログ情報は、記憶部120の実行結果レコード124と、バージョン情報123とが保有する情報である。次に、「第1設定更新処理」のフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0077】
<画像形成装置の動作:設定更新処理>
図8は、図7に示される第1設定更新処理の、ステップS206として示されたサブルーチンである「設定更新処理」を示すフローチャートである。以下に、図8のフローチャートに沿って、「設定更新処理」が説明される。
【0078】
ステップS300:情報処理部111は、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200に、更新データ221の取得要求を送信する。画像形成装置100において先に設定データ121の更新のために利用された更新データ221とは異なる「バージョン」の更新データ221を取得するためである。
【0079】
ステップS301:続いて、情報処理部111は、取得要求に応じてサーバ200から送信されてきた更新データ221を、ネットワーク接続部130を通じて受信し、RAM部113に記憶する。
【0080】
ステップS302:続いて、情報処理部111は、記憶部120の設定データ121における管理者パスワードの情報を参照して、暗号化されている更新データ221の復号を実施し、RAM部113に展開する。
【0081】
ステップS303:続いて、情報処理部111は、更新データ221の復号が成功したか否かを判断する。復号が成功したと判断される場合(S303でYES)、フローはステップS304に進む。それ以外の場合(S303でNO)、フローはステップS309に進む。
【0082】
ステップS304:情報処理部111は、RAM部113に展開された、更新データ221を複合したデータを用いて、設定データ121の内容を書き換え、設定データ121を更新する。
【0083】
ステップS305:続いて、情報処理部111は、RAM部113の更新データ221と、それを復号したデータとを削除する。これらは設定データ121に反映されて不要となったからである。
【0084】
ステップS306:続いて、情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として「設定成功」を書き込む。併せて、最終更新日時情報および最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが実施され、また、設定データ121の更新が実施されたからである。
【0085】
ステップS307:続いて、情報処理部111は、記憶部120のバージョン情報123に、ステップS203で受信したバージョン情報を書き込む。設定データ121の更新が実施されたからである。次に、フローはステップS308に進む。
【0086】
ステップS308:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121におけるアクセス設定の情報を参照し、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200の所定のパスにある画像形成装置ログ223のうちの自機のログファイルにログ情報、すなわち実行結果レコード124を記録する。次に、「設定更新処理」のフローは終了し、「第1設定更新処理」(または後述する「第2設定更新処理」)へと戻る。
【0087】
ステップS309:ステップS302での復号に成功しないと、フローは本ステップに至る。情報処理部111は、RAM部113の更新データ221を削除する。
【0088】
ステップS310:続いて、情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として、「復号エラー」を、最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが実施されたからである。設定データ121の更新は実行されていないため、最終更新日時情報は変更されない。また、バージョン情報123も変更されない。次に、フローはステップS308へ進む。
【0089】
<画像形成装置の動作:第2設定更新処理>
図9は、図6に示されるメインフローの、ステップS105として示されたサブルーチンである「第2設定更新処理」を示すフローチャートである。以下に、図9のフローチャートに沿って、「第2設定更新処理」が説明される。この第2設定更新処理は、すなわち、設定データ121の更新間隔がいずれであっても、設定データ121のタイミング設定が示す頻度で、または、タイミング設定において「電源ON時」が設定されている場合には電源ON時に実施される処理である。ここで、タイミング設定が示す頻度で実施される第2設定更新処理は、上述した「設定更新」に相当し、本願発明に係る「更新処理」の一例であるといえる。
【0090】
ステップS400:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121におけるアクセス設定の情報を参照し、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200の所定のパスにある更新データ221の参照できるかどうか接続を試みる。
【0091】
ステップS401:続いて、情報処理部111は、サーバ200の更新データ221の接続ができたか否かを判断する。接続できたと判断される場合(S401でYES)、フローはステップS202に進む。それ以外の場合(S401でNO)、フローはステップS408に進む。
【0092】
ステップS402:情報処理部111は、ネットワーク接続部130を通じて、更新データ221のバージョン取得要求をサーバ200に送信する。バージョン取得要求は、更新データ221のバージョン情報222を取得するための要求である。次にフローはステップS403に進む。
【0093】
ステップS403:情報処理部111は、ネットワーク接続部130を通じて、更新データ221のバージョン情報222を受信する。次にフローはステップS404に進む。
【0094】
ステップS404:情報処理部111は、受信したバージョン情報222が示すバージョンが、記憶部120のバージョン情報123が示すバージョン以下であるか否かを判断する。バージョン情報123が示すバージョン以下であると判断された場合(S404でYES)、フローはステップS407に進む。それ以外の場合(S404でNO)、フローはステップS405に進む。
【0095】
なお、「バージョン情報222が示すバージョンが、記憶部120のバージョン情報123が示すバージョン以下である」とは、バージョン情報222に含まれる更新日時が、バージョン情報123に含まれる更新日時と同じか、または、バージョン情報123に含まれる更新日時より前であることを指す。
【0096】
ステップS405:画像形成装置100は、「設定更新処理」を実行する。「設定更新処理」のフローは図8に示されている。次にフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0097】
ステップS406:サーバ200の所定のパスにある更新データ221の参照に成功しないと、フローは本ステップに至る。情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として「ネットワーク接続エラー」を、最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが試行されたからである。設定データ121の更新は実施されていないため、最終更新日時情報は変更されない。また、バージョン情報123も変更されない。次に、「第1設定更新処理」のフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0098】
ステップS407:サーバ200に現時点で置かれている更新データ221についての「バージョン」が、記憶部120のバージョン情報123に記憶されたデータに基づく「バージョン」と同一であると、フローは本ステップに至る。情報処理部111は、記憶部120の実行結果レコード124に、最終アクセス結果情報として「同データ以下のため反映せず」を、最終アクセス日時情報として現在の日時の情報を書き込む。サーバ200の更新データ221へのアクセスが実施されたからである。設定データ121の更新は実施されていないため、最終更新日時情報は更新されない。また、バージョン情報123も変更されない。次にフローはステップS408に進む。
【0099】
ステップS408:情報処理部111は、記憶部120の設定データ121におけるアクセス設定の情報を参照し、ネットワーク接続部130を通じてサーバ200の所定のパスにある画像形成装置ログ223のうちの自機のログファイルにログ情報、すなわち実行結果レコード124を記録する。次に、「第2設定更新処理」のフローは終了し、メインフローへと戻る。
【0100】
<作用・効果>
本実施形態に係る画像形成装置100の制御部110は、予め設定された更新間隔に基づいて、ネットワーク接続部130を介してサーバ200から取得した更新データ221を用いて、記憶部120に記憶された設定データ121の更新を行う設定更新を実行する。また、制御部110は、更新間隔中に、ユーザにより設定データ121の設定が変更されているか否かの判定を行う変更有無判定を実行する。そして、制御部110は、変更有無判定において変更されていると判定した場合、サーバ200から更新データ221を取得し、当該更新データ221を用いて、記憶部120に記憶された設定データ121の更新を行う。
【0101】
上記構成によれば、画像形成装置100のユーザが設定データ121の設定を変更したとしても、更新間隔中に設定データ121の設定が変更されているか否かを判定する。そして、変更されていると判定した場合、サーバ200から更新データ221を取得して設定データ121を更新する。これにより、画像形成装置100の管理者が意図しない設定(すなわち、ユーザが行った設定)となっている状態を解消することができる。
【0102】
なお、「更新間隔中」とは、予め設定された更新タイミングに基づき実行された設定更新の直後から、次の更新タイミングの直前までの期間を指す。すなわち、設定更新が実行される時点は、「更新間隔中」に含まれない。図3の例の場合、更新タイミングは、毎週日曜日の9時である。
【0103】
また、制御部110は、更新間隔が所定期間(例えば、1週間)以上に設定されている場合、変更有無判定を実行し、所定期間未満に設定されている場合、変更有無判定を実行しない。
【0104】
更新間隔が長い(例えば、1週間、1か月等)の場合、設定が変更された状態が長時間継続されるおそれがある。一方、更新間隔が短い(例えば、1日等)の場合、設定が変更されたとしても、次の更新処理の実行タイミングがすぐに訪れるため、比較的短時間で設定が変更された状態が解消される。このため、更新間隔が短い場合は変更有無判定の必要性が低い。
【0105】
上記構成によれば、更新間隔が所定期間未満に設定されている場合は変更有無判定を実行しないので、必要性の低い変更有無判定を実行してしまうことを防ぐことができる。また、更新間隔が所定期間以上である場合は変更有無判定を実行し、設定が変更されていると判定した場合、サーバ200から更新データ221を取得して設定データ121を更新するので、管理者が意図しない設定が長期間継続することを防ぐことができる。
【0106】
また、制御部110は、更新間隔が所定期間以上に設定されている場合、変更有無判定を所定期間より短い固定幅の間隔(例えば、1日)にて複数回実行する。つまり、固定幅の間隔とは、変更有無判定を行う設定チェック時刻から、次の設定チェック時刻までの期間を指す。
【0107】
上記構成によれば、変更有無判定が、更新間隔中に複数回実行されるので、管理者が意図しない設定が継続する時間をより短くすることができる。
【0108】
また、制御部110は、ネットワーク接続部130を介して取得した情報、または、操作パネル150を介した入力に基づき、固定幅を変更可能である。
【0109】
上記構成によれば、変更有無判定の実行間隔である固定幅をユーザが変更可能であるので、ユーザにとって好ましい間隔で変更有無判定を行うことができる。
【0110】
また、制御部110は、ネットワーク接続部130を介して取得した情報、または、操作パネル150を介した入力に基づき、更新間隔を変更可能である。
【0111】
上記構成によれば、更新間隔をユーザが変更可能であるので、ユーザにとって好ましい間隔で設定更新を行うことができる。
【0112】
また、制御部110は、ネットワーク接続部130を介して取得した情報、または、操作パネル150を介した入力に基づき、設定データ121の設定が変更されたことを示す変更履歴ログ122を記憶部120に記憶する。そして、制御部110は、変更有無判定において、記憶部120に変更履歴ログ122が記憶されている場合、設定データ121の設定が変更されていると判定し、設定データ121の更新を行う。
【0113】
上記構成によれば、変更履歴ログ122が記憶されている場合、ユーザにより設定が変更されたと判定するので、ユーザにより設定が変更されたか否かを簡易かつ確実に判定することができる。
【0114】
また、制御部110は、変更有無判定において、設定データ121の設定が変更されていると判定した場合、更新データ221のバージョン情報222が示すバージョンが、設定データ121のバージョン情報123が示すバージョン以上であれば設定データ121の更新を行う。一方、更新データ221のバージョン情報222が示すバージョンが、設定データ121のバージョン情報123が示すバージョン未満であれば設定データ121の更新を行わない。
【0115】
上記構成によれば、設定データのバージョン情報と更新データのバージョン情報とが示すバージョンが同じであっても設定データの更新を行うので、ユーザの設定変更を管理者が意図する設定に戻すことができる。
【0116】
本実施形態に係る設定データ管理システム1は、サーバ200と、複数の画像形成装置100を備える。各画像形成装置100の制御部110は、予め設定された更新間隔に基づいて、ネットワーク接続部130を介してサーバ200から取得した更新データ221を用いて、記憶部120に記憶された設定データ121の更新を行う設定更新を実行する。また、制御部110は、更新間隔中に、ユーザにより設定データ121の設定が変更されているか否かの判定を行う変更有無判定を実行する。そして、制御部110は、変更有無判定において変更されていると判定した場合、サーバ200から更新データ221を取得し、当該更新データ221を用いて、記憶部120に記憶された設定データ121の更新を行う。
【0117】
上記構成によれば、画像形成装置100のユーザが設定データ121の設定を変更したとしても、更新間隔中に設定データ121の設定が変更されているか否かを判定する。そして、変更されていると判定した場合、サーバ200から更新データ221を取得して設定データ121を更新する。これにより、画像形成装置100の管理者が意図しない設定(すなわち、ユーザが行った設定)となっている状態を解消することができる。また、上記構成によれば、設定データ管理システム1は、複数の画像形成装置100の設定を同一に保つことができる。
【0118】
<変形例>
本実施形態で管理者が設定および変更可能である更新時刻および設定チェック時刻は、固定、すなわち変更不可であってもよい。また、本実施形態で管理者が設定および変更可能である更新間隔は、毎週または毎月で固定であってもよい。この例の場合、メインフローにおけるステップS102は省略されてもよい。
【0119】
第1設定更新処理において、ステップS205は、ステップS204より前に実行されてもよい。
【0120】
本実施形態では、設定データ121の所定の項目が変更処理によって変更された場合のみ、制御部110は当該変更処理に関する情報を変更履歴ログ122に格納していた。これに対し、制御部110は、変更処理により変更された項目がいずれの項目であったとしても、当該変更処理に関する情報を変更履歴ログ122に格納してもよい。
【0121】
また、設定データ管理システム1に含まれる画像処理装置は、画像形成装置100に限定されない。画像処理装置は、例えば、記録媒体に形成された画像を読み取り、データ化する装置(いわゆるイメージスキャナ)であってもよい。
【0122】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1 設定データ管理システム
100 画像形成装置(画像処理装置)
110 制御部
111 情報処理部
112 ROM部
113 RAM部
120 記憶部
121 設定データ
122 変更履歴ログ(設定変更情報)
123 バージョン情報
124 実行結果レコード
125 設定チェック時刻
130 ネットワーク接続部
140 画像形成部
150 操作パネル
200 サーバ
210 サーバ制御部
220 サーバ記憶部
230 ネットワーク接続部
300 情報処理装置
400 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9