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▶ 菅原 勇人の特許一覧

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  • 特開-貯金箱 図1
  • 特開-貯金箱 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027269
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】貯金箱
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/12 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
A45C1/12 Z
A45C1/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131164
(22)【出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】520287596
【氏名又は名称】菅原 勇人
(74)【代理人】
【識別番号】100180264
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 貴大
(72)【発明者】
【氏名】菅原 勇人
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA03
3B045CB00
3B045CE00
3B045DA00
(57)【要約】
【課題】 取出口を設けていないため、壊さない限りお金を取り出すことができない貯金箱であって、お金に損傷を与えないで壊すことができる貯金箱を提供する。
【解決手段】 上面10a又は側面10bの最上部位置にお金の投入口11を備える金属製の貯金箱10であって、その貯金箱10の内部にあって四方の側面10bに接着している金網12を有し、その金網12は開口部13を備え、投入口11から投入されたお金はその開口部13を通過して、貯金箱10の金網12より下側に蓄積されることとする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面又は側面の最上部位置にお金の投入口を備える金属製の貯金箱であって、
前記貯金箱の内部にあって周囲の側面に接着している金網を有し、
前記金網は開口部を備え、前記投入口から投入されたお金は前記開口部を通過して、前記貯金箱の前記金網より下側に蓄積されることを特徴とする貯金箱。
【請求項2】
前記投入口から前記開口部まで連通する管路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の貯金箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取出口のない貯金箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な貯金箱は、お金を入れるための投入口と、貯めたお金を取り出すための取出口が設けられている。このような貯金箱の場合は、目標金額や貯める期間(例えば、一年間など)を決めて、その目標に達したときにお金を取り出して使ったり、銀行預金に移したりする。しかし、取出口があると簡単にお金を取り出すことができるので、ちょっと小銭が必要な場合などに使ったりして、目標まで思うようにお金を貯めることができない、ということがある。
【0003】
そこで、例えば特許文献1には、簡単にお金を取り出せないようにした貯金箱が開示されている。しかし、簡単にお金を取り出せないような貯金箱であっても、最終的には、お金を取り出す時が来て、そのときは貯金箱を壊すことになる。その際、切断工具で貯金箱の一部を切断したり、大きな衝撃を与えて貯金箱を破壊したりすることになるので、中に貯められているお金が損傷を受けることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭51-6099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような実情に鑑み、本発明は、取出口を設けていないため、壊さない限りお金を取り出すことができない貯金箱でありながら、お金に損傷を与えないで壊すことができる貯金箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の貯金箱は、上面又は側面の最上部位置にお金の投入口を備える金属製の貯金箱であって、その貯金箱の内部にあって周囲の側面に接着している金網を有し、その金網は開口部を備え、投入口から投入されたお金はその開口部を通過して、貯金箱の金網より下側に蓄積されることとする。
【0007】
ここで、投入口から開口部まで連通する管路を備えていることにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貯金箱を壊すときに、お金に損傷を与えないで取り出すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の貯金箱の内部構造が分かる斜視図である。
図2】本発明の貯金箱の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。本発明の特徴としては、壊さない限り中のお金を取り出すことができない貯金箱であって、壊す際には、お金に損傷を与えないというものである。
【0011】
図1は、本発明の貯金箱の内部構造が分かる斜視図である。本発明の貯金箱10の外形は、直方体(又は立方体)を基本とするが、円柱形状や多角柱形状であってもよい。また、壊れない貯金箱10なので、長期間使用できるように、一般的な貯金箱よりも大きなサイズにするとよい。貯金箱10の大きさや材質を詳細に決定する必要はないが、簡単には壊れないという前提なので、材質としては頑丈であって耐久性を有するものを基本とする。一例としては、側壁として板厚4.0mmのステンレス鋼板などを用いた金属製の貯金箱10とするとよい。
【0012】
お金の投入口11は、上面10a又は側面10bの最上部位置にあけられているが、取出口は設けられていないこととする。したがって、この貯金箱10からお金を取り出す際には、貯金箱10を壊さなければならず、壊すためには、電動式の切断工具等を用いる必要がある。
【0013】
ここで、貯金箱10が板厚4.0mmの金属製だとすると、電動式の切断工具等としては、切断能力が高いものを用いなければならず、何も対策をせずに貯金箱10を切断等して破壊すると、貯金箱いっぱいにお金を貯めていた場合には、中のお金に損傷を与えてしまう可能性が高くなってしまう。そこで、貯金箱10の内部を金網12で二層に分け、お金は下層に蓄積し、空洞となった上層側を切断する構造とした。
【0014】
図2は、本発明の貯金箱の断面図である。金網12は、貯金箱10の内部にあって周囲の側面10bに接着されているものとする。周囲の側面10bに接着されていなければ、貯金箱10を振ったり、ひっくり返したりしたときに、金網12の下層に貯まっているお金50が、金網12と側面10bの隙間から容易に上層に移動でき、貯金箱10を壊すときにお金に損傷を与えてしまう可能性が高くなるためである。
【0015】
また、投入口11から投入されたお金を金網12の下側に蓄積するために、金網12には開口部13を設けてお金を通過させられるようにしなければならない。ここで、下層に貯まっているお金50が金網12の開口部13を通って容易に上層に移らないために、投入口11から開口部13まで連通する管路14を設けておくとよい。そして、管路14を設ける場合には、金網12が管路14に接着していることが好ましい。
【0016】
管路14としては、管路14を通過して投入口11からお金50が貯金箱10の外に出るのを防ぐために、断面形状を投入口11と同様に細長い長方形のような形状とするのがよい。また、管路14の長さとしては、長すぎるとお金50を貯めにくくなるので、金網12の少し下側くらいまでの長さがよい。
【0017】
金網12を設ける高さ位置は、上面10aから切断工具20で切断するときに、影響を受けない位置であればよい。例えば、図2のように、切断工具20の刃が届かない位置とする。なお、金網12としては、貯金箱10の上面10aを切断して開けた後、鋏などで容易に切断できる程度のものでよい。
【0018】
貯金箱10の上面10aには、縁に沿って線を引いておき、壊すときにはその線上を切断するよう注意書きなどを添付しておくとよい。貯金箱10の内部構造は見えないので、二層になっていることを知らないで、下面側から切断されたりするのを予防するためである。
【0019】
本発明の貯金箱は、長期間じっくりとお金を貯めるのに適しているので、例えば、結婚や出産のお祝いや、お店の開店祝いなどの贈り物に適している。よって、側面に名前のプレートなどを取り付けられるようにしておくとよい。
【符号の説明】
【0020】
10 貯金箱
10a 上面
10b 側面
11 投入口
12 金網
13 開口部
14 管路
15 切取線
20 切断工具
50 お金
図1
図2