(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027340
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】パーテーション
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020138243
(22)【出願日】2020-08-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-14
(31)【優先権主張番号】U 2020003023
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】714010115
【氏名又は名称】吉田 聡
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聡
(57)【要約】 (修正有)
【課題】移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションを提供する。
【解決手段】パーテーションP1は、一方の端部近傍に貫通孔が形成された複数の羽根片10、21-24、31-34と、複数の羽根片10、21-24、31-34の貫通孔に共通して挿入される軸部材40と、を備え、収納状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、展開状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部近傍に貫通孔が形成された複数の羽根片と、
複数の前記羽根片の前記貫通孔に共通して挿入される軸部材と、を備え、
収納状態において、各羽根片は、前記貫通孔を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、
展開状態において、各羽根片は、前記貫通孔を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている、パーテーション。
【請求項2】
一方の羽根片に形成された所定長さの円弧状の凹部と、隣接する他方の羽根片に形成された凸部と、が嵌合した状態で回転方向に摺動することによって、各羽根片が所定の回転位置に保持されるようになっている、請求項1に記載された、パーテーション。
【請求項3】
複数の前記羽根片は、中心羽根片と、前記中心羽根片の第1面側に重ねられる第1系統の羽根片と、前記中心羽根片の前記第1面の裏面である第2面側に重ねられる第2系統の羽根片と、から構成される、請求項1又は請求項2に記載された、パーテーション。
【請求項4】
展開状態において、展開された複数の前記羽根片の外縁で構成される全体形状が、半円形又は四角形となっている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、パーテーション。
【請求項5】
複数の前記羽根片を支持する支持台であって、複数の前記羽根片の法線方向に所定幅を有するように形成された支持台をさらに備える、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載された、パーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯可能なパーテーションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、飛沫を防止する感染症対策アイテムとして、空間を仕切るパーテーションが使用されることが多くなっている。このパーテーションは、自立型、又は、吊り下げ型のように、建物内の特定の場所に固定して使用される場合が一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、長尺帯状の仕切りシート本体と、支持部材挿入部とを備え、支持部材挿入部に挿入された支持部材が設置面に立設されるにより、仕切りシート本体が複数の支持部材間に架設された状態で任意の形状に空間を仕切る構成とされた空間仕切り部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、withコロナ時代になり、個人が移動先において飛沫防止用にパーテーションを必要とする時に、移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションが求められる。
【0006】
そこで、本発明は、移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のパーテーションは、一方の端部近傍に貫通孔が形成された複数の羽根片と、複数の前記羽根片の前記貫通孔に共通して挿入される軸部材と、を備え、収納状態において、各羽根片は、前記貫通孔を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、展開状態において、各羽根片は、前記貫通孔を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明のパーテーションは、一方の端部近傍に貫通孔が形成された複数の羽根片と、複数の羽根片の貫通孔に共通して挿入される軸部材と、を備え、収納状態において、各羽根片は、貫通孔を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、展開状態において、各羽根片は、貫通孔を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている。このような構成であれば、移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の半円形のパーテーションを展開した正面図である。
【
図2】実施例1の半円形のパーテーションを収納した正面図である。
【
図3】実施例1のパーテーションを部品に分解した分解図である。
【
図5】実施例2の四角形のパーテーションを展開した正面図である。
【
図6】実施例2の四角形のパーテーションを収納した正面図である。
【
図7】実施例2のパーテーションを部品に分解した分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下では、実施例1で半円形のパーテーションについて説明し、実施例2で四角形のパーテーションについて説明する。
【実施例0011】
(構成)
まず、
図1~
図4を用いて実施例1の半円形のパーテーションP1の構成について説明する。パーテーションP1は、
図1、
図2に示すように、複数の羽根片10、21-24、31-34と、軸部材40と、を備えている。また、パーテーションP1は、複数の羽根片10、21-24、31-34の全体を支持する支持台50をさらに備えている。
【0012】
複数の羽根片10、21-24、31-34は、
図3、
図4に示すように、1枚の中心羽根片10と、中心羽根片10の第1面側(
図1では奥側)に重ねられる第1系統の4枚の羽根片21-24と、中心羽根片10の第1面の裏面である第2面側(
図1では手前側)に重ねられる4枚の第2系統の羽根片31-34と、から構成される。
【0013】
なお、ここでは第1系統の羽根片21-24及び第2系統の羽根片31-34を、それぞれ4枚ずつであるとして説明したが、これに限定されるものではなく、羽根片の枚数は適宜に決めることができる。また、羽根片10、21-24、31-34の素材は、特に限定されるものではないが、透明又は半透明の合成樹脂によって形成されることが好ましい。また、羽根片10、21-24、31-34の厚みや枚数を増やすことによって、展開状態の奥行を増大させて自立させることもできる。
【0014】
これらの羽根片10、21-24、31-34は、
図3に示すように、略同一の扇形の板状に形成されており、一方の端部近傍は半円状に丸くされて、半円の中心付近に貫通孔10c、21c-24c、31c-34cが設けられている。そして、この貫通孔10c、21c-24c、31c-34cに扇の要である軸部材40が挿通されて全体が束ねられている。
【0015】
中心羽根片10は、半円形のパーテーションP1の左右中心に配置される羽根片であり、貫通孔10cの少し上の位置の両面に短円柱状の凸部10a、10aが設けられる。すなわち、中心羽根片10の一方側である表面(
図3では手前の面)に凸部10aが設けられるとともに、他方側である裏面(
図3では奥の面)に凸部10aが設けられる。
【0016】
第1系統の羽根片21-24のうち、端部以外の羽根片21-23には、貫通孔21c-23cの少し上の位置の両面に短円柱状の凸部21a-23a又は円弧溝状の凹部21b-23bが設けられる。すなわち、羽根片21-23の一方側である表面に凹部21b-23bが設けられるとともに、他方側である裏面に凸部21a-23aが設けられる。
【0017】
第1系統の羽根片21-24のうち、端部の羽根片24には、貫通孔24cの少し上の位置の片面に円弧溝状の凹部24bが設けられる。すなわち、羽根片24の一方側である表面に凹部24bが設けられる。
【0018】
より詳細に言うと、凹部21b-24bは、貫通孔21c-24cを中心とした所定の半径の円弧に沿って形成される。凹部21b-24bの始まりの位置は、展開状態での凸部10a、21a-23aの位置に対応しており、凹部21b-24bの終わりの位置は、収納状態での凸部10a、21a-23aの位置に対応している。一方、凸部10a、21a-23aの位置は、凹部21b-24bの所定の半径に対応する位置であり、かつ、左右に交互に配置されている(後述)。さらに、凸部21a-23aの位置は、凹部21b-23bの位置と重ならないようになっている。ただし、素材が十分な強度を有する場合には凸部21a-23aと凹部21b-23bとの表裏の位置は重なってもよい。
【0019】
そして、本実施例では、第1系統の羽根片21-24の凸部21a-23aと、凹部21b-24bと、の位置関係が、隣接する羽根片で左右逆に配置されるようになっている。具具体的に言うと、
図3に示すように、1番目の羽根片21では凸部21aが左で凹部21bが右にあるが、2番目の羽根片22では凸部22aが右で凹部22bが左にある。このようにすることで、各羽根片において凹部と凸部の位置が重なり合うことを防止しているとともに、羽根片の幅を有効活用できる。
【0020】
同様に、第2系統の羽根片31-34のうち、端部以外の羽根片31-33には、貫通孔31c-33cの少し上の位置の両面に短円柱状の凸部31a-33a又は円弧溝状の凹部31b-33bが設けられる。すなわち、羽根片21-23の一方側である表面に凸部31a-33aが設けられるとともに、他方側である裏面に凹部31b-33bが設けられる。
【0021】
第2系統の羽根片31-34のうち、端部の羽根片34には、貫通孔34cの少し上の位置の片面に円弧溝状の凹部34bが設けられる。すなわち、羽根片34の他方側である裏面に凹部34bが設けられる。
【0022】
より詳細に言うと、凹部31b-34bは、貫通孔31c-34cを中心とした所定の半径の円弧に沿って形成される。凹部31b-34bの始まりの位置は、展開状態での凸部10a、31a-33aの位置に対応しており、凹部31b-34bの終わりの位置は、収納状態での凸部10a、31a-33aの位置に対応している。一方、凸部10a、31a-33aの位置は、凹部31b-34bの所定の半径に対応する位置であり、かつ、左右に交互に配置されている(後述)。さらに、凸部31a-33aの位置は、凹部31b-33bの位置と重ならないようになっている。ただし、素材が十分な強度を有する場合には凸部31a-33aと凹部31b-33bとの表裏の位置は重なってもよい。
【0023】
そして、本実施例では、第2系統の羽根片31-34の凸部31a-33aと、凹部31b-34bと、の位置関係が、隣接する羽根片で左右逆に配置されるようになっている。具具体的に言うと、
図3に示すように、1番目の羽根片31では凸部31aが右で凹部31bが左にあるが、2番目の羽根片32では凸部32aが左で凹部32bが右にある。このようにすることで、各羽根片において凹部と凸部の位置が重なり合うことを防止しているとともに、羽根片の幅を有効活用できる。
【0024】
なお、上述した凹部及び凸部については、凸部10a(21a-23a、31a-33a)と、嵌合する凹部21b(22b-24b、31b-34b)と、が同一高さ(深さ)であるか、溝深さの方がやや深くされることが好ましい。さらに、これらの凸部10a(21a-23a、31a-33a)の突起高さも凹部21b(22b-24b、31b-34b)の溝深さもいずれも羽根片の板厚よりも小さい範囲内に形成される。
【0025】
また、凹部21b(22b-24b、31b-34b)の形状は円弧状とされており、凹部21b(22b-24b、31b-34b)に嵌合する対応する凸部10a(21a-23a、31a-33a)が貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)を中心として摺動可能となっている。
【0026】
さらに、円弧状に延びる凹部21b(22b-24b、31b-34b)の一端部に凸部10a(21a-23a、31a-33a)が位置する場合には、羽根片10、21-24、31-34が互いに完全に重畳されて収納状態となり、円弧状に延びる凹部21b(22b-24b、31b-34b)の他端部に凸部10a(21a-23a、31a-33a)が位置する場合には、羽根片10、21-24、31-34が完全に展開されて展開状態となるように、凹部21b(22b-24b、31b-34b)の幅が決められている。
【0027】
軸部材40は、
図2、
図3に示すように、ボルト・ナットから形成される軸であり、すべての羽根片10、21-24、31-34の貫通孔10c、21c-24c、31c-34cに共通して挿入されることで、すべての羽根片10、21-24、31-34を収納/展開できるように束ねている。なお、軸部材40は、ボルト・ナットのように締め付けによって羽根片10、21-24、31-34を押し付けて固定する形態でなくても、回転自在に束ねるものであればよく、例えばカシメ等であってもよい。
【0028】
支持台50は、複数の羽根片10、21-24、31-34を支持する支持台50であって、複数の羽根片10、21-24、31-34の法線方向に所定幅を有するように形成されている。具体的には、支持台50は、
図2、
図3に示すように、コ字状の断面を有しており、一部分のみ立ち上がり部が切り欠かれており、この切り欠き部に、複数の羽根片10、21-24、31-34が嵌合されるようになっている。
【0029】
(作用)
次に、パーテーションP1の作用について説明する。パーテーションP1は、
図4(b)に示すように、収納時には、複数の羽根片10、21-24、31-34が完全に重ね合わされる。また、パーテーションP1は、
図4(a)に示すように、展開時には、複数の羽根片10、21-24、31-34が円周方向にずらされて展開される。
【0030】
つまり、収納時には、
図2、
図4(b)に示すように、各羽根片10(21-24、31-34)は、軸部材40を回転中心として、略同一の回転位置に揃えられている。すなわち、すべての羽根片10、21-24、31-34が、
図4(b)に示す円周角90度の位置に整列されている。なお、この収納状態では、各羽根片10(21-24、31-34)が重ね合わされた状態で、軸部材40を締め付けて位置を固定することができる。さらに、全体を巾着袋に収容する等によってバラバラに展開されないようにすることも好ましい。
【0031】
一方で、展開時には、
図1、
図4(a)に示すように、各羽根片10(21-24、31-34)は、軸部材40を回転中心として、異なる回転位置にずらされて保持されている。すなわち、各羽根片10(21-24、31-34)が、
図4(a)に示すように180度の範囲に8等分された円周角の位置(9か所)にずらされている。
【0032】
具体的には、紙面奥側の第1系統では、中心羽根片10を中心として、羽根片21は22.5度だけ左に傾斜した位置、羽根片22は45度だけ左に傾斜した位置、羽根片23は67.5度だけ左に傾斜した位置、羽根片24は90度だけ左に傾斜した位置に回転される。
【0033】
同様に、紙面手前側の第2系統では、中心羽根片10を中心として、羽根片31は22.5度だけ右に傾斜した位置、羽根片32は45度だけ右に傾斜した位置、羽根片33は67.5度だけ右に傾斜した位置、羽根片34は90度だけ右に傾斜した位置に回転される。
【0034】
この展開状態では、各羽根片10(21-24、31-34)が互いにずらされた状態で、凸部10a(21a-23a、31a-33a)は、円弧状の凹部21b(22b-24b、31b-34b)の長さ範囲の最も内側の位置に当接している。すなわち、羽根片10(21-24、31-34)の自重によって、位置が決まるようになっている。
【0035】
例えば、中心羽根片10の凸部10aは、羽根片21に設けた凹部21bにおいて最も右側に掛止されている。逆に言うと、羽根片21は、最も左側に回転(展開)した位置となっている。このように第1系統の羽根片21-24は、それ自体の重量によって最も広がった状態に展開されている。同様に、第2系統の羽根片31-34は、それ自体の重量によって最も広がった状態に展開されている。
【0036】
(効果)
次に、本実施例のパーテーションP1の奏する効果を列挙して説明する。
【0037】
(1)上述してきたように、本実施例のパーテーションP1は、一方の端部近傍に貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)が形成された複数の羽根片10、21-24、31-34と、複数の羽根片10、21-24、31-34の貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)に共通して挿入される軸部材40と、を備え、収納状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、展開状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている。このような構成であれば、移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションP1となる。
【0038】
つまり、パーテーションP1は、板状プラスチックで形成された同一形状の複数の羽根片10、21-24、31-34が回転中心で束ねられ、展開状態においては、複数の羽根片10、21-24、31-34が縁部のみで重畳するように展開され、収納状態においては、複数の羽根片10、21-24、31-34が完全に重畳されるので、展開時には十分な面積にまで展開されることが可能であるとともに、収納時には嵩張らず小型・軽量で持ち運びにも便利である。
【0039】
(2)また、一方の羽根片21(22-24、31-34)に形成された所定長さの円弧状の凹部21bと、隣接する他方の羽根片10(22-24、31-34)に形成された凸部10a(21a-23a、31a-33a)と、が嵌合した状態で回転方向に摺動することによって、各羽根片10(21-24、31-34)が所定の回転位置に保持されるようになっている。このような構成であれば、簡易な構造によって、円周方向に回転し、かつ、所定の位置で停止する構造を実現できる。
【0040】
(3)さらに、複数の羽根片10、21-24、31-34は、中心羽根片10と、中心羽根片10の第1面側に重ねられる第1系統の羽根片21-24と、中心羽根片10の第1面の裏面である第2面側に重ねられる第2系統の羽根片31-34と、から構成されることで、自重を用いて羽根片21-24、31-34を展開して形状を保持することができる。
【0041】
(4)また、展開状態において、展開された複数の羽根片10、21-24、31-34の外縁で構成される全体形状が、半円形となっているため、様々な場面、用途に、パーテーションP1を用いることができる。つまり、複数の羽根片10、21-24、31-34を略同一形状とすることで、収納状態では小型で携帯に便利でありながら、展開状態では広い面積を構成することができる。
【0042】
(5)さらに、複数の羽根片10、21-24、31-34を支持する支持台50であって、複数の羽根片10、21-24、31-34の法線方向に所定幅を有するように形成された支持台50をさらに備えることで、パーテーションP1を安定的に自立させることが可能となる。
【0043】
その他、本実施例のパーテーションP1は、以下の効果も奏する。
【0044】
また、上述のパーテーションP1は、好ましくは円弧状の凹部21bの端部に凸部10aがある場合に複数の羽根片10、21-24、31-34が完全に重畳され、円弧状の凹部21bの他の端部に凸部10aがある場合に複数の羽根片10、21-24、31-34が半径の辺縁部で互いに重畳するように展開されるので、過剰に展開されてしまう状態、すなわち開き過ぎて複数の羽根片10、21-24、31-34どうしが離間してしまいパーテーションとしての機能を果たさなくなる開き過ぎを防止できる。
【0045】
また、収納時には、平面視における総面積が最小となるように、複数の羽根片10、21-24、31-34の全てが完全に重畳した収納状態に容易に移行させることが可能となる。換言すれば、収納時/展開時との2つの状態間の移行を、安全、確実かつ迅速に遂行でき、ユーザが目視等により微調整等を行う必要がないように、各々の所定配置位置にて複数の羽根片10、21-24、31-34を停止させ得る。
そして、本実施例のパーテーションP2の展開状態の全体形状は、四角形となっている。すなわち、展開された複数の羽根片10、21-24、31-34の外縁で構成される全体形状が、四角形となっている。
(1)本実施例のパーテーションP2は、一方の端部近傍に貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)が形成された複数の羽根片10、21-24、31-34と、複数の羽根片10、21-24、31-34の貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)に共通して挿入される軸部材40と、を備え、収納状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)を回転中心として略同一の回転位置に揃えられるとともに、展開状態において、各羽根片10(21-24、31-34)は、貫通孔10c(21c-24c、31c-34c)を回転中心として異なる回転位置にずらされて保持されるようになっている。このような構成であれば、移動先に携帯可能であり、かつ、展開/収納が容易なパーテーションP1となる。
つまり、パーテーションP1は、板状プラスチックで形成された同一形状の複数の羽根片10、21-24、31-34が回転中心で束ねられ、展開状態においては、複数の羽根片10、21-24、31-34が縁部のみで重畳するように展開され、収納状態においては、複数の羽根片10、21-24、31-34が完全に重畳されるので、展開時には十分な面積にまで展開されることが可能であるとともに、収納時には嵩張らず小型・軽量で持ち運びにも便利である。
(2)また、展開状態において、展開された複数の羽根片10、21-24、31-34の外縁で構成される全体形状が、四角形となっているため、様々な場面、用途に、パーテーションP2を用いることができる。すなわち、複数の羽根片10、21-24、31-34をそれぞれ異なる形状とすることで、収納状態では小型で携帯に便利でありながら、展開状態では四角形の整形された広い面積を構成することができる。このように四角形であれば、オフィス空間にもなじみやすく、机上に配置しても自然な見た目となる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例1、2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例1、2では、特に説明しなかったが、羽根片10、21-24、31-34には、社名や、PR文言や、絵柄などを描画することも可能である。もちろん、羽根片10、21-24、31-34に着色することもできる。