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  • 特開-パスポート免税アプリケーション 図1
  • 特開-パスポート免税アプリケーション 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027341
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】パスポート免税アプリケーション
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220203BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020138280
(22)【出願日】2020-07-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】520270336
【氏名又は名称】松田 提樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 提樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB23
5L049BB66
(57)【要約】
【課題】日本全国にある大規模から小規模の「輸出物品販売場」向けに、スマートフォンで完結する免税手続きを提供する。
【解決手段】「購入者(非居住者)」には「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」、輸出物品販売場には「パスポート免税アプリケーション(店舗)」をスマートフォンにインストールし、また「パスポート免税アプリケーション(システム)」をシステム端末にインストールすることによりインターネットを通して大規模、小規模にかかわらず、日本全国の「輸出物品販売場」の「免税手続き」を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(商品情報データベース連動)
免税手続きにおいて、スマートフォンで完結するタックスリファンドシステムの手法。
前準備として、提携している日本各地の「輸出物品販売場」の商品情報を「パスポート免税アプリケーション(システム)※1」のデータベースに記憶させておく。商品情報には「店舗名」、「商品名」、「税抜価格」、「一般物品」、「消耗品」、「JANコード」の各項目が含まれる。
「購入者(非居住者)」は日本国内への入国前後に「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」をスマートフォンへインストールする。
「輸出物品販売場」は免税手続きで利用するスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(店舗)※3」をインストールする。
※1「パスポート免税アプリケーション(システム)」とは「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」と「パスポート免税アプリケーション(店舗)※3」とインターネットを通して連携するシステムで国税庁の「免税販売管理システム※4」の免税手続きの仕様に基づき開発が行われたアプリケーションである。
※2「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」とはスマートフォンのカメラを利用したもので、インターネット上にあるデータベースと連携し、免税の手続きを行うことができる。同時に、購入者のなりすましを防ぐために本アプリケーションが起動中はGPSが有効化される。
※3「パスポート免税アプリケーション(店舗)」とはスマートフォンのカメラを利用したもので、商品の「JANコード」を読み取ることでインターネット上にある「パスポート免税アプリケーション(システム)※3」のデータベースと連携し、免税の手続きを行うことができる。
※4「免税販売管理システム」とは令和2年4月1日から、これまで輸出物品販売場において書面により行われていた購入記録票の作成等の手続が廃止され、輸出物品販売場を経営する事業者が、購入者(非居住者)から提供を受けた旅券等の情報及び免税販売した免税対象物品等について記録した電磁的記録(購入記録情報)を、インターネットを使用して、遅滞なく国税庁長官に提供することとなり、その仕様に基づいた国税庁の免税手続きの仕様である。
<手順1>
「購入者(非居住者)」は日本へ入国前、または入国後に「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」をスマートフォンへインストールする。「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」の初回起動時に、「旅券(パスポート)の番号」や「入国日」の情報を登録する。登録を行うことで「パスポート免税アプリケーション(システム)※3」のデータベースに情報が登録される。
<手順2>
「輸出物品販売場」で「購入者(非居住者)」が商品の会計を行う際に、免税手続きを行うことを店員に伝える。その際に「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※1」に表示されている個人を認識するためのQRコード、バーコード等」の画面表示を提示する。
<手順3>
「輸出物品販売場」の店員は「購入者(非居住者)」の旅券(パスポート)写真にて本人確認を行い、「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」に表示されているQRコード、バーコードを「輸出物品販売場」が利用するスマートフォンにインストールされている「パスポート免税アプリケーション(店舗)※3」のカメラなどの読み取り装置で読込み、「パスポート免税アプリケーション(システム)※1」のデータベースと照合を行う。
<手順4>
「購入者(非居住者)」が「パスポート免税アプリケーション(システム)※1」のデータベースに登録されていることを確認後、商品の会計作業を行う。商品の会計作業は「パスポート免税アプリケーション(店舗)※3」のスマートフォンのカメラで商品の「JANコード」を読み取ることで行われる。購入商品の会計情報は「パスポート免税アプリケーション(システム)※1」のデータベースに送信され、免税手続きによる還付金額は自動で計算される。
<手順5>
会計が完了後、免税手続きの内容は自動的に「パスポート免税アプリケーション(システム)※1」のサーバーを通じて、ただちに国税庁の「免税販売管理システム※1」へ免税手続きのデータが送信される。
<手順6>
「購入者(非居住者)」には免税手続きによる還付金額が「現金」「電子マネー」「クレジットカード」等の方法で還付される。また購入商品は店員により「一般物品」「消耗品」に分けて梱包され「購入者(非居住者)」へ渡される。
<手順7>
免税手続きがすべて完了後、「購入者(非居住者)」は「パスポート免税アプリケーション(旅行者)※2」で商品を購入した「場所」「輸出物品販売場」「商品」「還付金額」「利用金額」の履歴情報を閲覧することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免税手続きをスマートフォンのみで行うことを可能とする技術である。
【背景技術】
【0002】
平成30年税制改正により、令和2年4月から輸出物品販売場における免税販売手続きが電子化されることに伴い、書面により行われていた購入記録票の作成等の手続きが廃止され、輸出物品販売場を経営する事業者は、購入記録情報(「購入者(非居住者)」から提供を受けた旅券等に記載された情報及び購入の事実を記録した「電磁的記録(データ)」)を、電子情報処理組織を使用して(インターネット回線等を通じて電子的に)、遅滞なく国税庁長官へ提供することとなる。この国税庁へ提供する免税手続きを「パスポート免税アプリケーション」を用いてスマートフォンで行う。尚、「パスポート免税アプリケーション」は国税庁の「免税販売管理システム」の仕様に基づき開発を行ったスマートフォンを用いた免税手続きを行うことのできるアプリケーションのことを指す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来免税手続きは各「輸出物品販売場」に免税サービスを行う為に次のものを準備する必要があった。「店舗の人員の免税のノウハウ習得」「高額なシステムの導入費用(旅券リーダー、免税システムアプリケーション)」。そのため、小規模な店舗の場合、免税サービスの初期導入及び維持運営負担、店舗での免税業務のための知識習得ノウハウが必要となり、システム費、人件費、運用費ともに大きな問題となっていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、日本全国にある大規模から小規模の「輸出物品販売場」向けに、スマートフォンで免税手続きを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。本発明に係る免税手続き方法は、あらかじめ「パスポート免税アプリケーション(システム)」に「輸出物品販売場」の商品情報を登録する。「パスポート免税アプリケーション(システム)」とは「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」と「パスポート免税アプリケーション(店舗)」とインターネットを通して連携するシステムで国税庁の「免税販売管理システム」の免税手続きの仕様に基づき開発が行われたアプリケーションである。
また「輸出物品販売場」で免税手続きに利用するスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(店舗)」をインスト―ルをしておく。この端末にはバーコードやQRコードを読み取る為のカメラが搭載されている。「購入者(非居住者)」はスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」をインストールし、旅券(パスポート)記載内容や入国日の情報をアプリケーション内で登録を行っておく。
【0006】
「購入者(非居住者)」は商品購入の際にスマートフォンにインストールされた「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」にて表示される「購入者(非居住者)」を特定するQRコードまたはバーコードを提示する。「輸出物品販売場」は「パスポート免税アプリケーション(店舗)」のカメラでQRコードまたはバーコードを読み取る。次に購入商品の「JANコード」を読み取ることで商品の決済を行いながら「パスポート免税アプリケーション(店舗)」により免税手続きを行うことができる。これは商品の決済を行いながらの免税手続きを同時に実現可能とするもので、日本国内において、インターネットと「パスポート免税アプリケーション」があれば免税手続きが出来ることを特徴としている。
【0007】
「輸出物品販売場」による免税手続きが完了すると、「パスポート免税アプリケーション(システム)」より、ただちに国税庁の「免税販売管理システム」へ送信される。
【0008】
「購入者(非居住者)」には免税手続きによる還付金額が「現金」「電子マネー」「クレジットカード」等の選択した方法で還付される。また購入商品は店員により「一般物品」「消耗品」に分けて梱包され「購入者(非居住者)」へ渡される。
【0009】
「購入者(非居住者)」は免税手続きの完了後と出国後も「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」で商品を購入した「場所」「輸出物品販売場」「商品」「還付金額」「利用金額」の履歴情報を閲覧することが出来る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、「輸出物品販売場」に免税担当者を配置せずに免税処理を行うことができる。その結果、免税対応の業務と人手不足が解消し、また免税業務の為の人員採用、教育、管理の為の人件費を削減することが出来る。人員が減ることにより「輸出物品販売場」の店舗におけるソーシャルディスタンスが確保される。IT化も促進され無人化も進む。
【図面の簡単な説明】
図1】本発明に係るパスポート免税アプリケーションの業務のフロー図である。
図2】本発明の実施形態に係るシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるパスポート免税アプリケーションの業務フローの図1を参照して説明する。また図2では遠隔免税システムを利用する際に必要なシステム構成図について説明する。
【0012】
図1はパスポート免税アプリケーションの業務フローを示している。1は商品を購入する海外からの旅行客である「購入者(非居住者)」でスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」をインストールしている。2は「購入者(非居住者)」と全国各地の「輸出物品販売場」とインターネットで接続されている免税手続きを行う為のシステムで「パスポート免税アプリケーション(システム)」がインストールされている。3は免税対象の商品を販売している「輸出物品販売場」で利用するスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(店舗)」がインストールされている。パスポート免税アプリケーションを利用した免税手続きの業務フローについて以下、具体的に説明する。
【0013】
まず、4において「購入者(非居住者)」はスマートフォンに「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」をインスト―ルする。
【0014】
「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」の初回起動時に、「購入者(非居住者)」の5「旅券(パスポート)」の情報と「入国日」の入力を行う。
【0015】
「購入者(非居住者)」が入力した情報はインターネットを通じて「システム」の「パスポート免税アプリケーション(システム)」のデータベースに「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」のユニークな情報として6「旅券(パスポート)情報登録」がなされる。「購入者(非居住者)」は「輸出物品販売場」で商品を購入の際にユニークな情報が登録されているQRコードを店員に提示する。
【0016】
「輸出物品販売場」で7商品を購入する。まず、「輸出物品販売場」では「パスポート免税アプリケーション(店舗)」で「購入者(非居住者)」が持つスマートフォンの「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」に表示されている個人を特定する「QRコード」を読み取る。9「システム」のデータベースにて「購入者(非居住者)」が登録されていることを確認する。登録が確認出来たら商品の「JANコード」を読み取る。商品の「JANコード」を読み取ることで8の免税手続きをすることが出来、還付金額が確定する。
【0017】
還付金額が確定したら、免税手続きの情報が10の「パスポート免税アプリケーション(システム)」に登録され、その情報がただちに国税庁の「免税販売管理システム」に送信される。
【0018】
還付金額の確定後11「還付金確認、一般物品と消耗品の梱包」を行い、「購入者(非居住者)」は12「還付金受取、商品受取」を行う。還付金受取方法は「現金」「キャッシュカード」「電子マネー」があり選択することが出来る。還付金を受け取り、パスポート免税アプリケーションによる、13「免税手続完了」となる。
【0019】
図2の14は「購入者(非居住者)」が持つ「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」がインストールされているスマートフォンである。アプリケーションは、16「インターネットを」通じて17「システム」の「パスポート免税アプリケーション(システム)」とアクセスすることができる。
【0020】
15「輸出物品販売場」が持つ「パスポート免税アプリケーション(店舗)」がインストールされているスマートフォンである。スマートフォンにはカメラがついており、カメラを利用して14「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」が表示した「購入者(非居住者)」を特定する「QRコード」や商品の「JANコード」を正確に読み取ることが出来る。また、「パスポート免税アプリケーション(店舗)」には免税の計算を行い還付金額を確定する為の機能を有している。
【0021】
17「システム」には「パスポート免税アプリケーション(システム)」がインストールされている。これは国税庁の「免税販売管理システム」の仕様に基づき開発を行った、免税手続きを行うことのできるアプリケーションである。17「システム」はデータベースが接続されており、「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」、「パスポート免税アプリケーション(店舗)」および「国税庁の免税販売管理システム」とインターネットを通してリアルタイムで通信を行っている。
【0022】
本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によれば、「輸出物品販売場」に免税担当者を配置せずに免税処理を行うことができる。その結果、免税対応の業務と人手不足が解消し、また免税業務の為の人員採用、教育、管理の為の人件費を削減することが出来る。人員が減ることにより「輸出物品販売場」の店舗におけるソーシャルディスタンスが確保される。IT化が促進され無人化が進む。
【符号の説明】
【0023】
1 枠内は購入者(非居住者)の行動を示す。
2 枠内はシステムの情報の動き示す。
3 枠内は輸出物品販売場の従業員の行動を示す。
4 パスポート免税アプリケーション(旅行者)のインストールを示す。
5 「購入者(非居住者)」の旅券(パスポート)情報入力を示す。
6 旅券(パスポート)情報がパスポート免税アプリケーション(システム)に登録されたことを示す。
7 購入者(非居住者)が輸出物品販売場で商品を購入したことを示す。
8 輸出物品販売場での免税手続きを示す。
9 購入者(非居住者)の旅券(パスポート)情報をシステムで照合していることを示す。
10 輸出物品販売場での免税手続きの情報がシステムのデータベースに登録されたことを示す。
11 輸出物品販売場にて還付金額の確定と一般物品と消耗品の梱包を示す。
12 購入者(非居住者)の還付金額受取と梱包済み一般物品と消耗品の受取を示す。
13 免税手続きの完了を示す。
14 「購入者(非居住者)」が持つ「パスポート免税アプリケーション(旅行者)」がインストールされているスマートフォンを示す。
15 「輸出物品販売場」が持つ「パスポート免税アプリケーション(店舗)」がインストールされているスマートフォンを示す。
16 14、15、17が常時接続されているインターネットを示す。
17 「パスポート免税アプリケーション(システム)」がインストールされている端末のシステム構成を示している。
図1
図2