(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027343
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】感染病飛沫感染防止用エアーカーテン
(51)【国際特許分類】
F24F 9/00 20060101AFI20220203BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20220203BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20220203BHJP
F24F 7/06 20060101ALN20220203BHJP
F24F 7/003 20210101ALN20220203BHJP
【FI】
F24F9/00 F
F24F9/00 A
F24F9/00 K
A61L9/01 Z
A61L9/16 F
F24F7/06 B
F24F7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020138971
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】594154071
【氏名又は名称】ヤキィー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松岡 清明
【テーマコード(参考)】
3L058
4C180
【Fターム(参考)】
3L058BG05
4C180AA07
4C180CB06
4C180DD09
4C180HH05
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】感染症による飛沫感染予防を目的とし 対面者の対面状態が継続する場合にウイルス汚染の可能性のある空気が対面者双方に直接飛散しないようその間隙に設置する移動可能なエアーカーテンを提供する。
【解決の手段】低速エアーカーテン気流500と高速エアーカーテン気流501として吹出す風速に違いを持たせ それぞれの気流は送風吸込口103から吸込まれるようにし、その後2つの流れに分割し、一方は、低速送風機400の送風力により殺菌浄化され再度エアーカーテン気流として還流する。
また他方は、高速送風機401の送風力により殺菌浄化され再度エアーカーテン気流として還流する。
低速エアーカーテン気流500は高速エアーカーテン気流501に引き寄せられるように工夫し低速エアーカーテン気流500の下流での放散を少なくし、概ね全てのエアーカーテン気流を送風吸込口103にて吸い込めるようして、空気循環閉路回路を形成するエアーカーテンを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低速エアーカーテン気流500及び高速エアーカーテン気流501として風速の違う気流を起こし それぞれの気流の空気の概ね全てを送風吸込口103にて吸込む様にしその空気を二つの流れに分岐させ 一つの流れは、低速流用殺菌液容器410の液中を通過して殺菌浄化し 低速流用殺菌液液化装置420を通過して殺菌浄化後の空気に気化した殺菌液を取り除き、低速送風用ダクト300を介して低速送風分岐室100に送られ低速送風吹出口200より吹出して低速エアーカーテン気流500を再度起こす様に還流させ、もう一つの流れは、高速流用殺菌液容器411の液中を通過して殺菌浄化し 高速流用殺菌液液化装置421通過して殺菌浄化後の空気に気化した殺菌液を取り除き、高速送風用ダクト301を介して高速送風分岐室101に送られ高速送風吹出口201より吹出して高速エアーカーテン気流501を再度起こす様に還流させ、エアーカーテン気流としての空気の流れが概ね循環閉路回路となる様にして、その循環過程で低速エアーカーテン気流500及び高速エアーカーテン気流を殺菌浄化することを特徴とした感染症による飛沫感染予防を目的とするエアーカーテン。
【請求項2】
高速送風機401の送風力により高速送風吹出口201から高速エアーカーテン気流501を帯状に下方へ吹出させ、低速送風機400の送風力により低速送風吹出口200から低速エアーカーテン気流500を高速エアーカーテン気流501の両側にそれぞれ帯状かつ平行に下方へ吹出させることにより、低速エアーカーテン気流500は高速エアーカーテン気流501側へ引き寄せられ(ベルヌーイの定理による)それぞれの気流のほぼ全てが送風吸込口103へ吸い込まれる様に工夫したエアーカーテン。
【請求項3】
低速流用殺菌液容器410及び低速流用殺菌液液化装置420を低速流用殺菌フィルター430に置き換え、かつ高速流用殺菌液容器411及び高速流用殺菌液液化装置421を高速流用殺菌フィルター431に置き換えた同様のエアーカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
感染症による飛沫感染予防を目的とし 対面者の対面状態が継続する場合にウイルス汚染の可能性のある空気(以下 汚染空気と呼ぶ)が双方の対面者に直接飛散しないようその間隙に設置する移動可能なエアーカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
エアーカーテンとは、建物の出入り口でドアの代わりに一定の奥行きである風速の流れを作り、出入口内外の空気流を遮断する装置である。
【0003】
百貨店や工場などで、人の出入りが激しいためドアをつけても開放状態になるので厚い空気の層によって外部の塵埃や温湿度への外気の影響を避けるために設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6411582号(P6411582)エアーカーテン装置
【特許物件2】
特開2019-027769エアーカーテン式タバコ用排煙装置
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日立エアーカーテン カタログ 株式会社日立産機システム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
感染病飛沫感染予防のため 対面者の対面状態が継続する場合に汚染空気が双方の対面者に直接飛散しないよう対面者の間に透明な隔離板を設置したり フェイスカバーやマイクの着用が必要であったが、隔離板を設置すると隔たり感がぬぐえなく、またフェイスカバーやマスクだと煩わしさ感が残るという課題がある。
【0007】
また 隔離板を設置した場合 定期的な消毒作業が必要で手間がかかり、またフェイスカバーや マスクの着用においても、定期的な消毒作業や新品との交換が必要となるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
エアーカーテン気流として吹出口から吹出した空気を気流の下流側に設置した吸込口から概ね全て吸い込むようにして、吸い込まれた空気は殺菌液または殺菌フィルターを通過することにより殺菌浄化され 浄化された空気は再度エアーカーテン気流の空気として吹出し口から繰り返し吹出すようにして概ねの空気循環閉路回路を形成する様工夫する。
【0009】
エアーカーテン気流として吹出す空気の風速を高速,低速の2種類に別け、高速の空気の流れに低速の空気の流れが引き寄せられる原理(ベルヌーイの定理)を利用し、気流の下流側の放散を少なくし エアーカーテン気流として吹出した空気を吸込口にて概ね全て吸い込まれるように工夫する。
【発明の効果】
【0010】
隔離板を使用した場合に比べ、その消毒作業及び隔たり感の低減、対面者双方のフェイスカバーやマスク着用の煩わしさ、消毒作業及び新品への交換回数の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1の側面図(支持材104aを取り除いたA方向視図)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
低速送風機400の送風力により汚染空気を低速流用殺菌液容器410の液中を通過させることにより殺菌浄化させ(以下 浄化空気と呼ぶ)、その後低速流用殺菌液液化装置420を通過させ浄化空気中に気化した殺菌液を取り除き 低速送風用ダクト300を介して低速送風分岐室100に送る。
【0013】
その後浄化空気は、低速送風吹出口200から下方に向かい吹出され、低速エアーカーテン気流500として送風吸込口103に向かう。低速エアーカーテン気流500として流れる間に浄化空気は、汚染空気となる。
送風吸込口103に吸込まれた後 送風合流室102、合流送風用ダクト302を介して元の低速送風機400へと還流する。
【0014】
これとは別に、高速送風機401の送風力により汚染空気を高速流用殺菌液容器411の液中を通過させることにより殺菌浄化させ、その後高速流用殺菌液液化装置421を通過させ浄化空気中に気化した殺菌液を取り除き 高速送風用ダクト301を介して高速送風分岐室101に送る。
【0015】
その後浄化空気は、高速送風吹出口201から下方に向かい吹出され、高速エアーカーテン気流501として送風吸込口103に向かう。高速エアーカーテン気流501として流れる間に浄化空気は、汚染空気となる。
送風吸込口103に吸い込まれた後 送風合流室102、合流送風用ダクト302を介して元の高速送風機401へと還流する。
【0016】
高速送風吹出口201から吹出される高速エアーカーテン気流501は、低速送風吹出口200から吹出される低速エアーカーテン気流500に比べ高速になるよう工夫されており、高速送風吹出口201両側の低速送風吹出口200からの下方へ向かう2つの低速エアーカーテン気流500はベルヌーイの定理により中央の高速エアーカーテン気流501側へ引き寄せられ、気流の下流においても放散しにくいように工夫してある。
【符号の説明】
【0017】
100 低速送風分岐室
101 高速送風分岐室
102 送風合流室
103 送風吸込口
104a 支持材
104b 支持材
200 低速送風吹出口
201 高速送風吹出口
300 低速送風用ダクト
301 高速送風用ダクト
302 合流送風用ダクト
310 低速浄化空気の流れ
311 高速浄化空気の流れ
312 汚染空気の流れ
313 低速汚染空気の流れ
314 高速汚染空気の流れ
320 低速浄化空気の流れ(請求項3)
321 高速浄化空気の流れ(請求項3)
400 低速送風機
401 高速送風機
410 低速流用殺菌液容器
411 高速流用殺菌液容器
420 低速流用殺菌液液化装置
421 高速流用殺菌液液化装置
430 低速流用殺菌フィルター
431 高速流用殺菌フィルター
500 低速エアーカーテン気流
501 高速エアーカーテン気流