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▶ 早坂 紘一の特許一覧

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  • 特開-クリップの取付構造 図1
  • 特開-クリップの取付構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027349
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】クリップの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B43K 25/02 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
B43K25/02
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020138978
(22)【出願日】2020-07-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.万歩計
(71)【出願人】
【識別番号】395004519
【氏名又は名称】早坂 紘一
(72)【発明者】
【氏名】早坂 紘一
【テーマコード(参考)】
2C041
【Fターム(参考)】
2C041BB03
(57)【要約】
【課題】 簡略な構造で、筆記具などの物品に取り付けられるクリップの把持力を増加する。
【解決手段】 筆記具などの物品の本体4の表面の、クリップ1の先端に対向する部分に、第一の突起3を設け、クリップ1の先端部には、第一の突起3と係合する形状を有する第二の突起2を設ける。このようなクリップ1を有する物品をポケットに差すと、二つの突起の係合部に、ポケットを構成する布が挟まり、物品が簡単に脱落するのを防ぐことができる。また、それぞれの突起のクリップ1の長さ方向の断面形状を、直角三角形とし、かつ前記直角三角形の斜辺を、第一の突起3においては、クリップ1の取付位置の反対側に配し、第二の突起2においてはクリップ1の取付側に配することにより、その脱落防止効果を向上することが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に取り付けられてなるクリップの取付構造において、前記物品の本体の前記クリップの端部に対向する部分に第一の突起が設けられ、前記クリップの端部の前記物品の本体と対向する側に、前記第一の突起と係合する形状を有する第二の突起が設けられてなることを特徴とする、クリップ取付構造。
【請求項2】
前記第一の突起と前記第二突起の、前記クリップの長さ方向の断面形状は、直角三角形であり、かつ、前記第一の突起の直角三角形の斜辺は、前記クリップの取付位置の反対側に配され、前記第二の突起の直角三角形の斜辺は、前記クリップの取付位置の側に配されてなることを特徴とする、請求項1に記載のクリップ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具などに取り付けられているクリップの取付構造に関するもので、特にシャツの胸ポケットなどに差した場合に脱落し難い、クリップの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばボールペンなどの筆記具には、必要に応じていつでも使用できるように、着衣や鞄のポケットに差すための、クリップが取り付けられている。
【0003】
従来のクリップは、金属製であれ、プラスチック製であれ、クリップ自体の弾性を利用して、クリップの先端を、クリップが取り付けられている本体側に、弾性的に付勢しているのものが多い。しかし、この方式では、付勢力に限界があり、上半身を前傾した際などに、筆記具の自重によりポケットから脱落することを防ぐための、先行技術が多数開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、クリップの先端の筆記具本体側に対向する部分に突起部を設け、筆記具本体の前記突起部よりもクリップに近い部分に台座部を設けることにより、突起部と台座部とで生じる把持力により、クリップの把持力を補強し得ることが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、クリップの先端を、クリップ支持部のクリップ先端の反対側に延長した部分に圧縮コイルバネを取り付けることにより、クリップの先端を筆記具本体側に付勢する構成が開示されている。しかしながら、多機能ペンや、胴軸やキャップが金属で構成される筆記具では、重量がかさむため、ここに開示されている構成よりも大きな把持力が必要な場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-111840号公報
【特許文献2】特開2013-223964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、前記の問題点に鑑み、簡略な構造で、筆記具などに取り付けられるクリップの把持力を増加することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題の解決のため、クリップの取付構造を再検討した結果なされたものである。
【0009】
本発明によれば、物品に取り付けられてなるクリップの取付構造において、前記物品の本体の前記クリップの端部に対向する部分に第一の突起が設けられ、前記クリップの端部の前記物品の本体と対向する側に、前記第一の突起と係合する形状を有する第二の突起が設けられてなることを特徴とする、クリップ取付構造が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、前記第一の突起と前記第二突起の、前記クリップの長さ方向の断面形状は、直角三角形であり、かつ、前記第一の突起の直角三角形の斜辺は、前記クリップの取付位置の反対側に配され、前記第二の突起の直角三角形の斜辺は、前記クリップの取付位置の側に配されてなることを特徴とする、前記のクリップ取付構造が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るクリップ取付構造においては、本体側の、クリップ先端に対向する部分に設けられた第一の突起と、クリップの先端の本体側に対向する側に設けられた第二の突起が係合する構造なので、本発明のクリップ取付構造を備えたボールペンなどの筆記具をシャツのポケットに差すと、二つの突起の係合部に、ポケットを構成する布が挟まれ、係合部と布の間に大きな摩擦力が生じるので、ポケットからの筆記具の脱落が極めて起こり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明に係るクリップ取付構造の一例を示す図、図1(a)は正面図、図1(b)は平面図。
図2】 本発明に係るクリップ取付構造における、第一の突起と第二の突起の係合部を拡大して示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に具体的な図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係るクリップ取付構造の一例を示す図で、図1(a)は、正面図、図1(b)は平面図である。
【0014】
図1は、筆記具の本体4に、クリップ1を取り付けた例を示している。筆記具本体4のクリップの先端に設けられた、第二の突起2に対向する部分には、第一の突起3が設けられている。
【0015】
それぞれの突起の、図1におけるクリップ1や筆記具の本体4の長さ方向の断面形状は特に限定されないが、直角三角形であることが望ましく、さらに、直角三角形の斜辺が、第二の突起2においては、クリップ1が取り付けられた部分側、つまり図1における左側に配され、第一の突起3においては、クリップ1が取り付けられた部分の反対側、に配されることが望ましい。
【0016】
図2は、本発明に係るクリップ取付構造における、第一の突起と第二の突起の係合部を拡大して示した図である。ここに示した例では、それぞれの突起の先端にR加工が施してあり、本発明に係る筆記具などを、ポケットに差した際の、布地の損傷を抑制できる構造となっている。
【0017】
このような構成とすることで、ポケットを構成する布が突起と凹部の係合部に挟まれることにより、クリップが取付られた物品の脱落が防止できるのは前記のとおりである。また、突起と凹部の形状は、クリップを取り付ける物品やその用途により、物品を製造する側で、任意に設計できるのは勿論である。さらに、ここでは、筆記具の例を示したが、例えば万歩計のように、クリップにより、ポケットに取り付けて使用することが可能な物品に、本発明が適用できる。
【0018】
以上に説明したように、本発明によれば、脱落し難いクリップを備えた筆記具などの物品を提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0019】
1・・・クリップ 2・・・第二の突起
3・・・第一の突起 4・・・筆記具の本体
図1
図2