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  • 特開-微細気泡発生装置 図1
  • 特開-微細気泡発生装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027354
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】微細気泡発生装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/20 20220101AFI20220203BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20220203BHJP
   B01F 25/30 20220101ALI20220203BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20220203BHJP
【FI】
B01F3/04 Z
B01F5/00 D
B01F5/04
B01F5/06
B01F1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020139670
(22)【出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】517197990
【氏名又は名称】株式会社カリタス&ベリタス
(72)【発明者】
【氏名】青柳 正隆
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AA02
4G035AB27
4G035AC01
4G035AC23
4G035AC26
(57)【要約】
【課題】小型軽量且つ高効率で大量の微細気泡が発生する微細気泡発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】噴射手段(4)を使い、容器(8)内上部に溜めた空気(気体の総称)の層に気液混合流を噴射し、同時に該空気(気体の総称)と絶えず気液循環させる。液面制御では電磁弁(3)と水位センサー(2)を併用し、循環ポンプには小型軽量タイプで直流電源低電圧型のダイアフラムポンプ(1)を用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、密閉構造の容器(8)内上部に溜めた空気(気体の総称)の層に気液混合流を噴射し、同時に該空気(気体の総称)と共に絶えず気液循環させることで、気液境界面(7)を略一定に保ち且つ高い気液溶解効率の発生によって、気液溶解液が作られる微細気泡発生装置であって、
水(液体の総称)を圧送するダイアフラムポンプ(1)と、
水位センサー(2)の浮き沈みによって開閉を繰り返し、前記空気(気体の総称)の導入を制御する電磁弁(3)と、
噴流によって負圧が発生し、返し刃(10)と筒状櫛(11)を備える噴射手段(4)と、
前記気液溶解液の急減圧によって、微細気泡を発生させる減圧手段(5)を備えていることを特徴とする微細気泡発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉構造の容器(8)内上部に溜めた空気(気体の総称)の層に気液混合流を噴射し、同時に該空気(気体の総称)と共に絶えず気液循環させることで、気液境界面(7)を略一定に保ち且つ高い気液溶解効率の発生によって、気液溶解液が作られる微細気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な微細気泡発生装置があるが、構造が複雑で又高出力の加圧ポンプが必要である。(特許文献1参照)
【0003】
微細気泡の発生方法は、一般にポンプヘッド内で高速回転する羽根車による気体の剪断か、気液流体を混合空間で高速旋回させるなど、いずれも強力な加圧ポンプが必要である。(特許文献2参照及び特許文献3参照)
【0004】
従来の微細気泡発生装置は、混合槽内の気液境界面を略一定に制御する方法として、余剰空気を排出する方法が一般に用いられる。(特許文献4参照)
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-336668号公報
【特許文献2】特許4129290号公報
【特許文献3】特許5660510号公報
【特許文献4】特開2004-290803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、大掛かりな構造も高出力の加圧ポンプも必要とせず、非常にシンプルな構造と、寧ろ積極的に余剰空気を利用する高い気液溶解効率の発生方法によって、小型軽量且つ高効率で大量の微細気泡が発生する微細気泡発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の微細気泡発生装置は、上記の課題を解決する為、以下の手段を特徴としている。
【0009】
第一手段として、外部と完全に隔てる密閉構造の容器(8)を気液混合槽とし、容器(8)内上部に空気(気体の総称)の層を作る。そして、空気(気体の総称)の層と水(液体の総称)の層を隔てる気液境界面(7)を略一定に制御する方法として、フロー式の水位センサー(2)を併用し、電磁弁(3)の開閉によって、空気(気体の総称)の導入を制御する。
【0010】
第二手段として、水(液体の総称)の噴流によって負圧を発生させる噴射手段(4)を容器(8)に内設し、図1の通り、空気(気体の総称)の層に向け、水(液体の総称)と空気(気体の総称)からなる気液混合流を噴射し、絶えず気液循環させる。又循環ポンプには、小型軽量タイプで直流電源低電圧型のダイアフラムポンプ(1)を用いる。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
請求項1にある、容器(8)内上部に空気(気体の総称)を溜める実施形態は、余剰空気排出に必要な全ての装備が不要となる他に、該上部では激しい気液循環が常に繰り返され、水(液体の総称)を空気(気体の総称)の層にさらし、空気(気体の総称)を供給する曝気効果と混合攪拌効果が並存して、高い気液溶解効率が得られる。
【0013】
請求項1にある、噴射手段(4)と電磁弁(3)及びフロー式の水位センサー(2)による簡便な液面制御とダイアフラムポンプ(1)の組み合わせは、小型軽量化が可能となる他に、製造コストの低減にも効果的であり、又流動的で圧力損失の少ない本発明の気液噴射形態は、ダイアフラムポンプ(1)の様に出力規模の小さな循環ポンプであっても、高効率で大量の微細気泡が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による微細気泡発生装置の簡単な全体図である。
図2】本発明の一実施形態による微細気泡発生装置の噴射手段(4)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図2に沿って実施形態を詳細に説明する。ただし以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化する為の一つの例示であって、本発明は、以下のものに特定されない。特に構成部品の寸法,材質,形状又はその相対的配置等は、特に特異的に限定する記載がない限りは、単なる一つの説明例に過ぎず、構成する各部材や各要素は、単数の部材や要素が複数の部材や要素で構成されてもよいし、逆に複数の部材や要素を単数の部材や要素に集約して作ることも可能である。
【0016】
取水口(6)から導入される水(液体の総称)は、ダイアフラムポンプ(1)を通じて、容器(8)へ圧送される。ダイアフラムポンプ(1)には、RO浄水システムなどでも使用される、直流電源12V又は24Vの低電圧且つ小型軽量なブースターポンプを使用することが好ましい。
【0017】
圧送時、噴射手段(4)は、負圧によって吸引口(9)から空気(気体の総称)を吸引し、図1の通り、気液混合流を略垂直方向に激しく噴射する。
【0018】
容器(8)内上部に溜まる空気(気体の総称)の層は、気液境界面(7)の上昇によって、加圧状態の気液混合空間へと変化し、気液境界面(7)は、初め、吸引口(9)付近まで上昇した後、増減しない動的な均衡状態が生じて、略一定の状態が暫く続く。
【0019】
噴射手段(4)が流動的で圧力損失の少ない気液噴射を加圧状態の気液混合空間、即ち空気(気体の総称)の層に向けて行うと、液中では不可能な曝気混合と混合攪拌混合が同時に発生し、その相乗効果から高い気液溶解効率が生じて、効率よく気液溶解液が作られる。
【0020】
噴射手段(4)には、図2の通り、刃先の様に鋭利な返し刃(10)を内周面全体に設けると同時に、茶筅の穂の様な筒状櫛(11)を噴射手段(4)の先端に取り付けることによって気泡を細断化し、又気液吸引口(12)からも負圧によって、気液混合液を吸引させることが望ましい。
【0021】
気液循環が絶えず繰り返される状況下で、上部に溜まった空気(気体の総称)の層は、次第に水(液体の総称)に溶解して行き、体積の減少によって、気液境界面(7)を徐々に上昇させる。
【0022】
気液境界面(7)の上昇に伴い、フロー式の水位センサー(2)は浮き上がり、電磁弁(3)を開くスイッチが入って、空気(気体の総称)が導入される。
【0023】
電磁弁(3)は、容器(8)内上部に十分な空気(気体の総称)の層が形成されるまで開き続け、反対に水位センサー(2)が所定の位置まで下がると、今度は弁を閉ざすスイッチが入り、水(液体の総称)のみが圧送される。
【0024】
こうして電磁弁(3)は、水位センサー(2)の浮き沈みによって開閉を繰り返し、その機械的なパターンによって、気液境界面(7)を略一定に保っている。
【0025】
水位センサー(2)の上下する幅は、図2が示すように、筒状櫛(11)中間を境として上下幅を設定し、気液境界面(7)が常に筒状櫛(11)中間付近で安定するよう調整することが望ましい。又吸引口(9)先端の高さは、筒状櫛(11)先端と同程度が好ましい。
【0026】
最終的に気液溶解液は、減圧手段(5)を通じて、外界へ勢いよく放出される際、急減圧によって微細気泡を発生させる。
【0027】
減圧手段(5)の内部構造は、気液溶解液の通り道として、約3mm厚の丸い金属板の中心に、約2mmのピンホールを開け、続いて微細な網状メッシュを何層か重ねた構造をしており、より微細な気泡が発生し易くなる様になっている。
【0028】
導入する気体は、空気の他、具体的にはオゾンガスや窒素ガス又は炭酸ガスで、その他にも薬効効果が期待される植物由来の精油成分や脂肪分解酵素及びたんぱく質分解酵素などを注入し、微細気泡を発生させても良い。
【0029】
本発明は、上記で述べた実施形態の他、本発明の趣旨の範囲内で、その構成要素の個数、配置、組み合わせ又は素材を適宜に変更し、従来の技術手段を追加するなど、種々な設計変更が可能である。本発明に於いて、これより派生する多種多様な実施形態が存在する可能性がある為、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない限り、種々の改変をなし得ることは勿論である。上記の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0030】
「実施形態の効果1」
本発明の実施形態によれば、小型軽量化する他に、部品同士の可動部分が無い為、故障が極めて少ない。又完全自吸式のダイアフラムポンプ(1)は、エアーポンプとしての機能があり、空気だけを送り込むことで、流路内に溜まったほぼ全ての水(液体の総称)を外界に押し出すことが可能で、使用後の衛生的な管理にも効果的である。
【0031】
「実施形態の効果2」
現在、本発明の実施形態により完成した最軽量タイプは、本体重量が約4キロ、毎分5リットル強の微細気泡が発生する高効率な装置で、例えば、ペットサロン等においては、十分な水量である。
【符号の説明】
【0032】
1・・・ダイアフラムポンプ 7・・・気液境界面
2・・・水位センサー 8・・・容器
3・・・電磁弁 9・・・吸引口
4・・・噴射手段 10・・・返し刃
5・・・減圧手段 11・・・筒状櫛
6・・・取水口 12・・・気液吸引口
図1
図2