(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027426
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】テールゲート開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05B 81/16 20140101AFI20220203BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20220203BHJP
E05B 81/68 20140101ALI20220203BHJP
E05B 81/90 20140101ALI20220203BHJP
【FI】
E05B81/16
B60J5/10 H
E05B81/68
E05B81/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021032120
(22)【出願日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0095152
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】任 龍 赫
(72)【発明者】
【氏名】鄭 相 敏
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ42
2E250LL05
2E250RR13
2E250SS08
(57)【要約】
【課題】テールゲートの開閉構造を単純化して装置の原価及び重量を減らし、品質を向上させるテールゲート開閉装置を提供する。
【解決手段】モーターの回転力によって、シンチング作動又はリリース作動のために正逆回転するリリースギアと、リリースギアと噛み合って回転するシンチングギアと、シンチングギアのシンチング作動回転過程でシンチングギアから力を受けてクローに向かって回転するリンク機構と、リンク機構のシンチング作動回転過程でリンク機構にかかって一緒に回転してストライカーに締結されるクローと、クローがストライカーに締結された状態で、クローにかかってクローのリリース方向への回転を制限するとともに、リリースギアのリリース方向への回転時にのみリリースギアとともに回転するように構成され、クローのリリース方向への回転を許すポールユニットと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターの回転力によって、シンチング作動又はリリース作動のために正逆回転するリリースギアと、
前記リリースギアと噛み合って回転するシンチングギアと、
前記シンチングギアのシンチング作動回転過程でシンチングギアから力を受けてクローに向かって回転するリンク機構と、
前記リンク機構のシンチング作動回転過程でリンク機構にかかって一緒に回転してストライカーに締結されるクローと、
前記クローがストライカーに締結された状態で、クローにかかってクローのリリース方向への回転を制限するとともに、前記リリースギアのリリース方向への回転時にのみリリースギアとともに回転するように構成され、クローのリリース方向への回転を許すポールユニットと、を含むことを特徴とするテールゲート開閉装置。
【請求項2】
前記ストライカーに向かうクローの外面にフック溝が形成され、
前記ストライカーがフック溝の内部に進入するのに従い、クローが回転軸を中心に回転し、クローがストライカーにハーフロック状態に締結されることを特徴とする請求項1に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項3】
前記クローのハーフロック位置を感知するハーフロック感知センサーと、
前記ハーフロック位置を感知する際、モーターがシンチング作動方向に回転するように制御する制御器と、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項4】
前記クローの回転軸の周囲にハーフロック感知突起が形成され、
前記ハーフロック感知センサーがハーフロック感知突起の感知有無によってハーフロック状態を感知することを特徴とする請求項3に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項5】
前記シンチングギアの円周方向一部にシンチング突起が形成され、
前記シンチング突起の回転経路上にリンク機構の一部が位置し、シンチング突起が回転しながらリンク機構に押圧力を加えることを特徴とする請求項1に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項6】
前記リンク機構は、
一端に第1固定ヒンジ軸が結合され、他端に第1回転ヒンジ軸が結合されるクランクレバーと、
一端が第1回転ヒンジ軸に結合され、他端に第2回転ヒンジ軸が結合されるカップラーレバーと、
一端に第2固定ヒンジ軸が結合され、他端が第2回転ヒンジ軸に結合されるフォロワーレバーと、を含んでなり、
前記クランクレバーの外面がシンチング突起によって押され、第1固定ヒンジ軸と第2固定ヒンジ軸を中心に第1回転ヒンジ軸と第2回転ヒンジ軸が回転して前記クランクレバーとカップラーレバーとフォロワーレバーが回転することを特徴とする請求項5に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項7】
一端が前記第2回転ヒンジ軸に結合され、他端にシンチングシャフトが固定されたシンチングレバーと、
前記シンチングシャフトが第2回転ヒンジ軸を中心にクローに向かって回転するようにシンチングレバーに弾性力を提供するシンチングスプリングと、をさらに含み、
前記クローの外面一側に係止突起が形成され、前記シンチングレバーがクローに向かって回転する過程で前記シンチングシャフトが係止突起にかかり、クローがストライカーに締結される方向に回転することを特徴とする請求項6に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項8】
前記リリースギアの円周方向一部にリリース突起が形成され、
前記ポールユニットは、
前記クローに向き合うように配置され、回転軸を中心に回転するポールと、
一端が前記リリース突起の回転経路上に位置してリリース突起と干渉し、他端がポールの端部でリリースギアのシンチング方向への回転時に単独で回転し、リリースギアのリリース方向への回転時にポールとともに回転するポールレバーと、を含むことを特徴とする請求項6に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項9】
前記ポールとポールレバーとの間にストッパーが形成され、前記ストッパーは前記ポールとともに回転するポールレバーの回転経路上に形成されることを特徴とする請求項8に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項10】
前記モーターのシンチング作動によってクローがストライカーにフルロック状態に締結されるとき、クローのフルロック位置を感知するフルロック感知センサーと、
前記フルロック位置を感知する際、モーターを停止させるように制御する制御器と、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項11】
前記シンチングギアの回転軸の周囲にフルロック感知突起が形成され、
前記フルロック感知センサーがフルロック感知突起の感知有無によってフルロック状態を感知することを特徴とする請求項10に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項12】
前記リリースギアの回転軸にピニオンが固定され、
前記ピニオンがシンチングギアと所定の減速ギア比を形成するように外接して噛み合い、
前記減速ギア比によってモーターがシンチング方向に回転してフルロック感知センサーがフルロック感知突起を感知する場合、フルロック状態になるように構成されることを特徴とする請求項11に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項13】
前記モーターのリリース作動により、リリース突起によってポールレバーとポールが一緒に回転してクローがストライカーから締結解除されるとき、ポールのアンロック位置を感知するアンロック感知センサーをさらに含み、
前記制御器は、前記アンロック位置を感知する際、モーターを停止させるように制御することを特徴とする請求項10に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項14】
前記ポールの回転軸の周囲にアンロック感知突起が形成され、
前記アンロック感知センサーがアンロック感知突起の感知有無によってアンロック状態を感知することを特徴とする請求項13に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項15】
制御器は、ポールのアンロック位置を感知してモーターを停止してから所定時間が経過した後、モーターをリリース作動以前に復帰するように制御することを特徴とする請求項13に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項16】
リリース作動によってポールが一端を押圧し、中央部を中心に回転して他端がクローの係止突起にかかったシンチングシャフトを押し上げて係合解除させるインタラプトレバーをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項17】
前記リリースギアのリリース方向への回転によってリリース突起がポールレバーとともにポールを押して前記インタラプトレバーの一端を押圧することを特徴とする請求項16に記載のテールゲート開閉装置。
【請求項18】
中央部を中心に回転し、一端がラッチ機構の外部に設けられ、他端がポールレバーの内側に位置し、一端の回転操作によって他端がポールレバーをリリース回転方向に回転させる非常レバーをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のテールゲート開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テールゲートの開閉構造を単純化して装置の原価及び重量を減らし、装置の品質を向上させるテールゲート開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
SUV又はMPV車両の後方には、物品を容易に積載できるように開口部が形成され、この開口部はテールゲートに開閉可能に構成される。
一例として、テールゲートにクローが取り付けられ、車体側にストライカーが取り付けられることにより、テールゲートを閉じるとき、クローがストライカーに噛み合ってロッキングされ、リリースレバーを作動すれば、クローがストライカーとの噛み合いから解除されてロッキングが解除される。
【0003】
特に、クローとストライカーが電動式で、ロッキング及びロッキング解除の作動をするパワーテールゲート装置の場合、ロッキング作動のためのシンチングモーターとロッキング解除作動のためのリリースモーターが該当機能をする。
例えば、シンチングモーターが、クロー装置にケーブルを介して連結され、クロー装置にリリースモーターが取り付けられる。したがって、クローがストライカーと半分くらい噛み合っている状態で、テールゲートを完全に閉じるためにシンチングモーターを作動させれば、シンチングモーターによってケーブルが引かれ、クローがストライカーに完全に締結される。
【0004】
この状態で、テールゲートを開けるためにリリースモーターを作動させれば、リリースモーターによりクローがストライカーから排除され、テールゲートが完全に開放する位置に動きながらテールゲートを開放させる。しかし、このようなパワーテールゲート装置の場合、シンチングモーターとリリースモーターが個別的に取り付けられるので、装置の原価及び重量が増大する問題があり、部品数が増加して装置の不良率が高くなる問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2016-0115569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の問題点を解決するためになされたもので、テールゲートの開閉構造を単純化して装置の原価及び重量を減らし、品質を向上させるテールゲート開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるテールゲート開閉装置は、モーターの回転力によって、シンチング作動又はリリース作動のために正逆回転するリリースギアと、前記リリースギアと噛み合って回転するシンチングギアと、前記シンチングギアのシンチング作動回転過程でシンチングギアから力を受けてクローに向かって回転するリンク機構と、前記リンク機構のシンチング作動回転過程でリンク機構にかかって一緒に回転してストライカーに締結されるクローと、前記クローがストライカーに締結された状態で、クローにかかってクローのリリース方向への回転を制限するとともに、前記リリースギアのリリース方向への回転時にのみリリースギアとともに回転するように構成され、クローのリリース方向への回転を許すポールユニットとを含むことを特徴とする。
【0008】
前記ストライカーに向かうクローの外面にフック溝が形成され、前記ストライカーがフック溝の内部に進入するのに従い、クローが回転軸を中心に回転し、クローがストライカーにハーフロック状態に締結されることを特徴とする。
【0009】
前記クローのハーフロック位置を感知するハーフロック感知センサーと、前記ハーフロック位置感知の際、モーターがシンチング作動方向に回転するように制御する制御器とをさらに含むことを特徴とする。
【0010】
前記クローの回転軸の周囲にハーフロック感知突起が形成され、前記ハーフロック感知センサーがハーフロック感知突起の感知有無によってハーフロック状態を感知することを特徴とする。
【0011】
前記シンチングギアの円周方向一部にシンチング突起が形成され、前記シンチング突起の回転経路上にリンク機構の一部が位置し、シンチング突起が回転しながらリンク機構に押圧力を加えることを特徴とする。
【0012】
前記リンク機構は、一端に第1固定ヒンジ軸が結合され、他端に第1回転ヒンジ軸が結合されるクランクレバーと、一端が第1回転ヒンジ軸に結合され、他端に第2回転ヒンジ軸が結合されるカップラーレバーと、一端に第2固定ヒンジ軸が結合され、他端が第2回転ヒンジ軸に結合されるフォロワーレバーとを含んでなり、前記クランクレバーの外面がシンチング突起によって押され、第1固定ヒンジ軸と第2固定ヒンジ軸を中心に第1回転ヒンジ軸と第2回転ヒンジ軸が回転して前記クランクレバーとカップラーレバーとフォロワーレバーが回転することを特徴とする。
【0013】
一端が前記第2回転ヒンジ軸に結合され、他端にシンチングシャフトが固定されたシンチングレバーと、前記シンチングシャフトが第2回転ヒンジ軸を中心にクローに向かって回転するようにシンチングレバーに弾性力を提供するシンチングスプリングと、をさらに含むことができ、前記クローの外面一側に係止突起が形成され、前記シンチングレバーがクローに向かって回転する過程中に前記シンチングシャフトが係止突起にかかり、クローがストライカーに締結される方向に回転することを特徴とする。
【0014】
前記リリースギアの円周方向一部にリリース突起が形成され、前記ポールユニットは、前記クローに向き合うように配置され、回転軸を中心に回転するポールと、一端が前記リリース突起の回転経路上に位置してリリース突起と干渉し、他端がポールの端部でリリースギアのシンチング方向への回転時に単独で回転し、リリースギアのリリース方向への回転時にポールとともに回転するポールレバーとを含むことを特徴とする。
【0015】
前記ポールとポールレバーとの間にストッパーが形成され、前記ストッパーは前記ポールとともに回転するポールレバーの回転経路上に形成されることを特徴とする。
【0016】
前記モーターのシンチング作動によってクローがストライカーにフルロック状態に締結されるとき、クローのフルロック位置を感知するフルロック感知センサーと、前記フルロック位置を感知する際、モーターを停止させるように制御する制御器とをさらに含むことを特徴とする。
【0017】
前記シンチングギアの回転軸の周囲にフルロック感知突起が形成され、前記フルロック感知センサーがフルロック感知突起の感知有無によってフルロック状態を感知することを特徴とする。
【0018】
前記リリースギアの回転軸にピニオンが固定され、前記ピニオンがシンチングギアと所定の減速ギア比を形成するように外接して噛み合い、前記減速ギア比によってモーターがシンチング方向に回転してフルロック感知センサーがフルロック感知突起を感知する場合、フルロック状態になるように構成されることを特徴とする。
【0019】
前記モーターのリリース作動により、リリース突起によってポールレバーとポールが一緒に回転してクローがストライカーから締結解除されるとき、ポールのアンロック位置を感知するアンロック感知センサーをさらに含むことができ、前記制御器は、前記アンロック位置感知の際、モーターを停止させるように制御することを特徴とする。
【0020】
前記ポールの回転軸の周囲にアンロック感知突起が形成され、前記アンロック感知センサーがアンロック感知突起の感知有無によってアンロック状態を感知することを特徴とする。
【0021】
制御器は、ポールのアンロック位置を感知してモーターを停止してから所定時間が経過した後、モーターをリリース作動以前に復帰するように制御することを特徴とする。
【0022】
リリース作動によってポールが一端を押圧し、中央部を中心に回転して他端がクローの係止突起にかかったシンチングシャフトを押し上げて係合解除させるインタラプトレバーをさらに含むことを特徴とする。
【0023】
前記リリースギアのリリース方向への回転によってリリース突起がポールレバーとともにポールを押して前記インタラプトレバーの一端を押圧することを特徴とする。
【0024】
中央部を中心に回転し、一端がラッチ機構の外部に設けられ、他端がポールレバーの内側に位置し、一端の回転操作によって他端がポールレバーをリリース回転方向に回転させる非常レバーをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
前述した課題解決手段により、本発明は、シンチング作動及びリリース作動を単一のモーターを用いて具現することにより、部品数の減少によって装置の原価及び重量を低減するとともに、製品の作動性を向上させ、これにより製品不良率を改善してフィールドクレームを減少させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるラッチ機構がテールゲートに結合された外観形状を示す図である。
【
図2】本発明によるラッチ機構の内部構造を示す図である。
【
図3】本発明によるラッチ機構の内部の部品形状及び結合関係を示す図である。
【
図4a】本発明によるクローのアンロック状態からハーフロック状態に作動する過程を説明する図である。
【
図4b】本発明によるクローのアンロック状態からハーフロック状態に作動する過程を説明する図である。
【
図5a】本発明によるクローのハーフロック状態でモーターによってシンチング作動する過程を説明する図である。
【
図5b】本発明によるクローのハーフロック状態でモーターによってシンチング作動する過程を説明する図である。
【
図5c】本発明によるクローのハーフロック状態でモーターによってシンチング作動する過程を説明する図である。
【
図7】本発明によるクローのフルロック状態を示す図である。
【
図8a】本発明によるフルロック状態でモーターによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図8b】本発明によるフルロック状態でモーターによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図9a】本発明によるシンチング作動過程でモーターによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図9b】本発明によるシンチング作動過程でモーターによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図10】本発明によるラッチ機構に非常レバーが結合された構成を示す図である。
【
図11a】本発明による非常レバーによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図11b】本発明による非常レバーによってリリース作動する過程を説明する図である。
【
図12】本発明によるクローとストライカーのロッキング状態を感知する構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明によるラッチ機構10がテールゲートに結合された外観形状を示す図、
図2は本発明によるラッチ機構10の内部構造を示す図、
図3は本発明によるラッチ機構10の内部の部品形状及び結合関係を示す図である。同図を参照すると、本発明は、モーター100の回転力によって、シンチング作動又はリリース作動のために正逆回転するリリースギア200と、リリースギア200に噛み合って回転するシンチングギア300と、シンチングギア300のシンチング作動回転過程でシンチングギア300から力を受けてクロー500に向かって回転するリンク機構400と、リンク機構400のシンチング作動回転過程でリンク機構400にかかって一緒に回転してストライカー20に締結されるクロー500と、クロー500がストライカー20に締結された状態でクロー500にかかってクロー500のリリース方向への回転を制限するとともに、リリースギア200のリリース方向への回転の際にのみリリースギア200とともに回転するように構成され、クロー500のリリース方向への回転を許すポールユニットと、を含んで構成される。
【0029】
具体的に説明すれば、モーター100、リリースギア200、シンチングギア300、リンク機構400、クロー500及びポールユニットがハウジングの内部に内蔵されてラッチ機構10を構成し、ラッチ機構10の両側面にマウントブラケットが取り付けられ、マウントブラケットがテールゲートにボルティングで締結される。すなわち、一側マウントブラケットと他側マウントブラケットにボルトがそれぞれ締結されることにより、ラッチ機構10をテールゲートに固定させることができる。 そして、モーター100はシンチング作動及びリリース作動を一緒に行うアクチュエーターであり、ラッチ機構10の上端に内蔵されることができる。
【0030】
このようなモーター100の軸にはウォームギア110が固定され、ウォームギア110がリリースギア200に噛み合う。そして、リリースギア200にシンチングギア300が噛み合うことにより、リリースギア200とシンチングギア300を同時に回転させることができ、モーター100の回転方向によってギア等を正方向又は逆方向に回転させてシンチング作動及びリリース作動を行なうことができる。また、リンク機構400は4節リンク機構であり、各リンク(レバー)が2個の回転ヒンジ軸と2個の固定ヒンジ軸を介して連結され、2個の回転ヒンジ軸の間に連結されるリンク(レバー)がシンチング機構の回転過程でシンチング機構に接触及び押圧されることにより、リンク機構400の所定の運動半径に沿ってリンク機構400が往復運動する。
【0031】
特に、クロー500はリンク機構400の下端に中央部の回転軸を中心に回転可能に取り付けられるものであり、下端部の外面一部にフック溝510が形成され、フック溝510内にストライカー20が締結される。その他に、クロー500の外面に多数の突起構造が形成され、突起構造がクロー500とストライカー20の締結状態によってリンク機構400又はポールユニットにかかることにより、クロー500を回転させるか、クロー500の回転を制限する役割をする。突起構造については以下で再び説明する。
【0032】
さらに、ポールユニットはクロー500に向き合う位置に取り付けられ、上下に長手方向に長く形成され、下端に回転軸が形成され、回転軸の上部がクロー500に向かう方向に回転可能に取り付けられる。よって、ラッチ機構10の作動過程でポールユニットがクロー500にかかるか解除されることにより、クロー500の回転を制限するか許す。特に、ポールユニットの上端部がリリースギア200の回転半径内に位置することにより、ポールユニットの上端部がリリースギア200の回転過程でかかることになる。リリースギア200がシンチング作動方向に回転するときにはリリースギア200と干渉する上端部のみ単独で回転するように構成して、ポールユニットがクロー500の回転を制限する状態を維持することができる。
【0033】
反対に、リリースギア200がリリース作動方向に回転するときには、リリースギア200に干渉する上端部とともにポールユニット全体が回転軸を中心に回転するように構成して、ポールユニットがクロー500の回転を許す状態に転換されることができる。すなわち、シンチング作動の場合、モーター100を一方向に回転させれば、リリースギア200が正方向に回転し、シンチングギア300は逆方向に回転し、シンチングギア300がリンク機構400を押すようになる。ただ、この時、リリースギア200が正方向に回転してポールユニットの上端部のみ単独で回転することにより、ポールユニットの下端部は回転方向に対する位置変化がなくなる。
【0034】
よって、リンク機構400の移動過程でリンク機構400がクロー500にかかり、クロー500のフック溝510がストライカー20に向かう方向にクロー500が回転する。したがって、フック溝510内にストライカー20が完全に締結され、クロー500の突起構造がポールユニットにかかることにより、クロー500とストライカー20を完全締結状態にロッキングさせることができる。
【0035】
一方、リリース作動の場合、モーター100を他方向に回転させれば、リリースギア200が逆方向に回転する。よって、リリースギア200が逆方向に回転することにより、ポールユニットの上端部だけでなくポールユニット全体が回転し、ポールユニットがクロー500から離隔される。したがって、クロー500のフック溝510がストライカー20から解除される方向にクロー500が回転し、フック溝510内からストライカー20が解除され、よってクロー500とストライカー20のロッキングを解除させることができる。
【0036】
このように、本発明は、シンチング作動用モーターとリリース作動用モーターを個別的に備えず、単一のモーター100を用いてシンチング作動及びリリース作動を遂行することにより、部品数の減少によって装置の原価及び重量を低減するとともに、作動性を向上させる。
【0037】
図4は、本発明によるクロー500のアンロック状態からハーフロック状態に作動する過程を説明するための図である。
図4は
図4aと
図4bで示す。同図を参照すると、ストライカー20に向かうクロー500の外面にフック溝510が形成され、ストライカー20がフック溝510の内部に進入するのに従い、クロー500が回転軸を中心に回転してクロー500がストライカー20にハーフロック状態に締結される構造になる。このために、クロー500に設けられた回転軸の左右方向位置とストライカー20の左右方向位置が一定間隔で離れなければならなく、アンロック状態でフック溝510の入口の左右方向位置がストライカー20の左右方向位置と一致しなければならない。
【0038】
すなわち、テールゲートが開放したアンロック状態からテールゲートが閉じられる場合、テールゲートが下方に移動するに従い、テールゲートの自重によってクロー500のフック溝510の入口の上面がストライカー20によって押される。よって、ストライカー20の押圧力によってクロー500がその回転軸を中心に回転し、フック溝510の内部にストライカー20が進入することにより、ストライカー20がフック溝510の内部に半分くらい締結されたハーフロック状態になる。
【0039】
本発明では、このようにハーフロック状態になれば、これを検出してシンチング作動するように構成される。このために、本発明は、クロー500のハーフロック位置を感知するハーフロック感知センサー520と、ハーフロック位置感知の際、モーター100がシンチング作動方向に回転するように制御する制御器CRLとをさらに含んでなる。
【0040】
図10及び
図12を参照すると、クロー500の回転軸の周囲にハーフロック感知突起530が形成され、ハーフロック感知センサー520がハーフロック感知突起530の感知有無によってハーフロック状態を感知することができる。例えば、クロー500の回転軸の周囲に沿って弧形のハーフロック感知突起530が形成され、ハーフロック感知突起530の側面にハーフロック感知センサー520が設けられる。よって、ハーフロック感知センサー520がハーフロック感知突起530を感知する場合、ハーフロック以外の状態と判断し、ハーフロック感知センサー520がハーフロック感知突起530を感知することができない場合、ハーフロック状態と判断する。もちろん、ハーフロック状態を感知する構造がハーフロック感知突起530に限定されるものではなく、ハーフロック感知突起530の他に、ハーフロック状態で特定部品の動きを感知するように構成してハーフロック状態を感知することもできる。
【0041】
本発明の例示的な実施例による制御器CRLは車両の多様な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム又はアルゴリズムを再生するソフトウェア命令語についてのデータを保存するように構成された非揮発性メモリ(図示せず)及び当該メモリに保存されたデータを使って以下で説明する動作を遂行するように構成されたプロセッサ(図示せず)から具現される。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップから具現できる。代案として、メモリ及びプロセッサは互いに統合された単一チップから具現できる。プロセッサは一つ以上のプロセッサの形態を有することができる。
【0042】
また、本発明は、前記ハーフロック状態でクロー500がストライカー20から締結解除される方向に回転することを制限するように構成することができる。
図4bを参照すると、クロー500の外面にポールユニットに向かって第1拘束突起540が形成され、ポールユニットの外面にクロー500に向かってロッキング突起610が形成され、クロー500のハーフロック位置でロッキング突起610が第1拘束突起540にかかってクロー500のリリース方向への回転を制限する。
【0043】
例えば、クロー500のフック溝510を基準にクロー500がシンチング作動する回転方向の外面に突出形状の第1拘束突起540が形成される。そして、ポールユニットは、下端部のポール600と、上端部のポールレバー700とを含んでなり、クロー500に向き合うポール600の一面にクロー500に向かってロッキング突起610が形成される。すなわち、ハーフロック状態で、ポール600に形成されたロッキング突起610がクロー500に形成された第1拘束突起540にかかることにより、クロー500がリリース方向に回転することを防止する。
【0044】
一方、
図5は、本発明によるクロー500のハーフロック状態でモーター100によってシンチング作動する過程を説明するための図である。
図5は、
図5a、
図5b、
図5cで示す。同図を参照すると、シンチングギア300の円周方向一部にシンチング突起310が形成され、シンチング突起310の回転経路上にリンク機構400の一部が位置し、シンチング突起310が回転しながらリンク機構400に押圧力を加えるようになる。例えば、シンチングギア300の一面に円形のシンチング突起310が突設されることにより、シンチング突起310がシンチングギア300の回転過程でリンク機構400を押すようになる。
【0045】
すなわち、モーター100の作動によってリリースギア200が正方向に回転すれば、シンチングギア300が逆方向に回転し、シンチング突起310がその回転経路上に位置するリンク機構400をクロー500に向かって押し出し、よって機構400が所定の運動半径内で回転しながら移動する。
【0046】
図6は、
図5に示すリンク機構400の作動過程を示す図である。リンク機構400の構造について具体的に説明すれば、リンク機構400は、一端に第1固定ヒンジ軸hf1が結合され、他端に第1回転ヒンジ軸hr1が結合されるクランクレバー410と、一端が第1回転ヒンジ軸hr1に結合され、他端に第2回転ヒンジ軸hr2が結合されるカップラーレバー420と、一端に第2固定ヒンジ軸hf2が結合され、他端が第2回転ヒンジ軸hr2に結合されるフォロワーレバー430とを含んでなる。よって、クランクレバー410の外面がシンチング突起310によって押され、第1固定ヒンジ軸hf1と第2固定ヒンジ軸hf2を中心に第1回転ヒンジ軸hr1と第2回転ヒンジ軸hr2が回転し、レバー等が回転する。
【0047】
このため、第1固定ヒンジ軸hf1と第2固定ヒンジ軸hf2はリンク機構400の作動時にも位置が固定される反面、第1回転ヒンジ軸hr1と第2回転ヒンジ軸hr2はレバーの動きと連動して一緒に動いて位置が変わる。また、クランクレバー410の場合、シンチング突起310が接触した状態で押圧されるので、クランクレバー410の全長をシンチング突起310の最大半径の位置まで長く伸ばして形成することができる。そして、シンチング突起310と接するクランクレバー410の一面が凹んでいる弧形に形成され、シンチング突起310がクランクレバー410に沿って円滑に滑り移動することができるように構成することができる。
【0048】
また、
図5a、
図5b、
図5cを参照すると、一端が第2回転ヒンジ軸hr2に結合され、他端にシンチングシャフト442が固定されたシンチングレバー440と、シンチングシャフト442が第2回転ヒンジ軸hr2を中心にクロー500に向かって回転するようにシンチングレバー440に弾性力を提供するシンチングスプリング450とをさらに含んでなる。
【0049】
よって、クロー500の外面一側に係止突起550が形成され、シンチングレバー440がクロー500に向かって回転する過程でシンチングシャフト442が係止突起550にかかり、クロー500がストライカー20に締結される方向に回転する。例えば、クロー500の外面のうちフック溝510の反対側に位置するクロー500の外面に突出形状の係止突起550が形成される。
そして、シンチングスプリング450はトーションスプリングであることができ、クロー500の回転軸である第2固定ヒンジ軸hf2に挿入され、一端がラッチ機構10のハウジングに支持され、他端がシンチングシャフト442に隣接するシンチングレバー440にかかる。
【0050】
よって、クロー500がシンチング作動方向に回転するとき、シンチングスプリング450の弾性力によってシンチングシャフト442がクロー500に向かうことにより、シンチングシャフト442がクロー500に形成された係止突起550にかかり、この状態でシンチングギア300がシンチング作動方向に続けて回転して、シンチングシャフト442がクロー500を回転させる。また、シンチングスプリング450は、シンチングシャフト442が係止突起550から係合解除される場合、リンク機構400に弾性力を提供して、リンク機構400がシンチングギア300に向かって復元するように移動させる役割もする。
【0051】
一方、
図8は、本発明によるフルロック状態でモーター100によってリリース作動する過程を説明するための図である。
図8は、
図8aと
図8bで示す。同図を参照すると、リリースギア200の円周方向一部にリリース突起210が形成される。そして、ポールユニットは、クロー500と向き合うように配置され、回転軸を中心に回転するポール600と、一端がリリース突起210の回転経路上に位置してリリース突起210と干渉し、他端がポール600の端部でリリースギア200のシンチング方向への回転時に単独で回転し、リリースギア200のリリース方向への回転時にポール600とともに回転するポールレバー700とを含んでなる。
【0052】
例えば、リリース突起210はリリースギア200の一面においてリリースギア200の回転経路の一部に形成される。そして、ポールレバー700がリリースギア200の回転半径内に位置し、ポールレバー700はポール600の上端を基準にリリース作動する方向には回転しなく、シンチング作動する方向にのみ回転する。すなわち、リリースギア200がリリース方向に回転するとき、リリース突起210がポールレバー700にかかり、ポール600の回転軸を中心にポール600とポールレバー700が一緒に回転する。もちろん、リリースギア200がシンチング方向に回転すれば、リリース突起210がポールレバー700にかかるが、ポールレバー700が単独で回転するだけ、ポール600は回転しなくなる。
【0053】
また、
図10を参照すると、ポールレバー700がポール600に対して単独で回転する方向にポールレバー700に弾性力を提供するポールレバースプリング710をさらに含むことができる。例えば、ポールレバースプリング710はトーションスプリングであることができ、ポールレバー700とポール600を連結する回転軸に挿入され、ポールレバー700がリリース作動する回転方向にいつも弾性力を提供することができる。
【0054】
そして、
図8の
図8aと
図8bを参照すると、ポール600とポールレバー700との間にストッパー620が形成され、ストッパー620はポール600とともに回転するポールレバー700の回転経路上に形成されることができる。例えば、ポール600の上端に軸結合された回転軸の一面に三角形のストッパー620が形成されることにより、リリース突起210のリリース回転過程でリリース突起210がポールレバー700を押せば、ポールレバー700がストッパー620にかかって単独で回転することができなくなり、ポールレバー700とともにポール600が回転する。
【0055】
一方、本発明は、クロー500がストライカー20にフルロック状態に締結されれば、これを検出してモーター100を停止させるように構成される。このために、本発明は、モーター100のシンチング作動によってクロー500がストライカー20にフルロック状態に締結されるとき、クロー500のフルロック位置を感知するフルロック感知センサー320と、フルロック位置を感知する際、モーター100を停止させるように制御する制御器CRLとをさらに含んでなる。
【0056】
図10及び
図12を参照すると、シンチングギア300の回転軸の周囲にフルロック感知突起330が形成され、フルロック感知センサー320がフルロック感知突起330の感知有無によってフルロック状態を感知することができる。例えば、シンチングギア300の回転軸の周囲の一側面に三角形のフルロック感知突起330が形成され、フルロック感知突起330の側面にフルロック感知センサー320が設けられる。よって、フルロック感知センサー320がフルロック感知突起330を感知する場合、フルロック状態と判断し、フルロック感知センサー320がフルロック感知突起330を感知しない場合、フルロック以外の状態と判断する。
【0057】
もちろん、フルロック状態を感知する構造がフルロック感知突起330に限定されるものではなく、フルロック感知突起330の他にフルロック状態で特定部品の動きを感知するように構成してフルロック状態を感知することもできる。そして、リリースギア200の回転軸にピニオン220が固定され、ピニオン220がシンチングギア300と所定の減速ギア比を形成するように外接して噛み合い、減速ギア比によってモーター100がシンチング方向に回転してフルロック感知センサー320がフルロック感知突起330を感知する場合、フルロック状態になるように構成することができる。
【0058】
例えば、ピニオン220とシンチングギア300を3:1のギア比に形成することができる。この場合、ピニオン220が3周回転するとき、シンチングギア300が1周回転する。すなわち、本発明はシンチングギア300の回転軸に一つのフルロック感知突起330のみ形成してフルロック状態を感知する。これを具現するためには、ハーフロック状態の開始時点からフルロック状態の終了時点までシンチングギア300が一周のみ回転するように構成すれば良い。よって、ピニオン220とシンチングギア300のギア比の設計により、一つのフルロック感知突起330のみでフルロック状態を感知することができる。
【0059】
図7は本発明によるクロー500のフルロック状態を示す図である。同図を参照すると、クロー500の外面にポールユニットに向かって第2拘束突起560が形成され、ポールユニットの外面にクロー500に向かってロッキング突起610が形成され、クロー500のフルロック位置でロッキング突起610が第2拘束突起560にかかってクロー500のリリース方向への回転を制限するように構成することができる。例えば、クロー500のフック溝510を基準にクロー500がシンチング作動する回転方向の外面に突出形状の第2拘束突起560が形成される。参照として、第2拘束突起560は第1拘束突起540とフック溝510との間に形成される。そして、クロー500と向き合うポール600の一面に、クロー500に向かってロッキング突起610が形成される。
【0060】
すなわち、フルロック状態でポール600に形成されたロッキング突起610がクロー500に形成された第2拘束突起560にかかることにより、クロー500がストライカー20に完全締結された状態でリリース方向に回転することを防止する。また、ロッキング突起610がポール600の回転軸の上端に形成される。本発明は、ロッキング突起610がクロー500に向かって回転するようにポール600に弾性力を提供するポールスプリング630と、クロー500がリリースされる回転方向にクロー500に弾性力を提供するクロースプリング570とをさらに含んでなる。例えば、ポールスプリング630はトーションスプリングであることができ、ポール600の回転軸に挿入され、一端がラッチ機構10のハウジングに支持され、他端がポール600の上端にかかる。
【0061】
よって、ポールスプリング630の弾性力によって、ポール600の上端がクロー500の方向にいつも回転する力が加わることにより、ロッキング突起610がクロー500の第2拘束突起560及び第1拘束突起540の両者にかかった状態を維持し、クロー500のリリース方向への回転を制限するようになる。また、クロースプリング570はトーションスプリングであることができ、クロー500の回転軸である第2固定ヒンジ軸hf2に挿入され、一端がラッチ機構10のハウジングに支持され、他端がクロー500にかかる。よって、クロースプリング570の弾性力によって、クロー500がリリースされる回転方向にいつも回転する力が加わることにより、第1拘束突起540及び第2拘束突起560がポール600のロッキング突起610にかかっている状態ではクロー500の締結状態を安定的に維持するようになり、第1拘束突起540及び第2拘束突起560がポール600のロッキング突起610から係合解除された状態ではクロー500をリリース方向に回転させてクロー500をアンロック状態に復帰させるようになる。
【0062】
一方、
図8とともに
図10及び
図12を参照すると、モーター100のリリース作動により、リリース突起210によってポールレバー700とポール600が一緒に回転し、クロー500がストライカー20から締結解除されるとき、ポール600のアンロック位置を感知するアンロック感知センサー640により、制御器CRLは、アンロック位置感知の際、モーター100を停止させるように制御することができる。
【0063】
具体的に、ポール600の回転軸の周囲にアンロック感知突起650が形成され、アンロック感知センサー640がアンロック感知突起650の感知有無によってアンロック状態を感知することができる。例えば、ポール600の回転軸の周囲に沿って弧形のアンロック感知突起650が形成され、アンロック感知突起650の側面にアンロック感知センサー640が設けられる。よって、アンロック感知センサー640がアンロック感知突起650を感知する場合、アンロック状態と判断し、アンロック感知センサー640がアンロック感知突起650を感知しない場合、アンロック以外の状態と判断するようになる。
【0064】
アンロック感知センサー640によってアンロック状態を感知する状態は、リリース突起210がリリース方向に回転するのに従い、リリース突起210がポールレバー700とポール600を一緒に回転させてリリース突起210の外郭縁部がポールレバー700に接触する状態であることができる。もちろん、アンロック状態を感知する構造がアンロック感知突起650に限定されるものではなく、アンロック感知突起650の他に、アンロック状態で特定部品の動きを感知するように構成してアンロック状態を感知することもできる。また、制御器CRLは、ポール600のアンロック位置を感知してモーター100を停止させた後、所定の時間が経過した後、モーター100をリリース作動前に復帰させるように制御することができる。
【0065】
すなわち、モーター100が停止した後、リリース突起210がポールレバー700を押している状態を所定時間維持することにより、クロー500がポール600に拘束されない条件を作る。よって、テールゲートが自重によってストライカー20の方向に垂れてもクロー500がストライカー20に再び締結されないので、意図せぬクロー500のロッキング状況を防止する。
【0066】
一方、
図9は、本発明によるシンチング作動過程でモーター100によってリリース作動する過程を説明するための図である。
図9は、
図9aと
図9bで示す。同図を参照すると、リリース作動によって、ポール600が一端を押圧し、中央部を中心に回転して他端がクロー500の係止突起550にかかったシンチングシャフト442を押し上げて係合解除させるインタラプトレバー800をさらに含むことができる。例えば、インタラプトレバー800の中央の回転軸が第1固定ヒンジ軸hf1に結合され、インタラプトレバー800の一端が上方に折り曲げられるので、ポール600の上端がリリース回転する方向に位置する。よって、リリースギア200のリリース方向への回転によってリリース突起210がポールレバー700とともにポール600を押してインタラプトレバー800の一端を押圧することができる。
【0067】
そして、インタラプトレバー800の他端はクロー500とストライカー20のフルロック締結状態で少なくとも係止突起550の下側部分に位置するようになる。すなわち、モーター100の作動によるシンチング作動過程でリリース信号が印加されれば、リリース突起210がリリース方向に回転してポールレバー700とともにポール600を回転させる。よって、ポール600の上端がインタラプトレバー800の一端を押圧することにより、インタラプトレバー800の中央を中心に他端が上げられ、インタラプトレバー800の他端がシンチングシャフト442を押し上げ、シンチングシャフト442がクロー500の係止突起550から係合解除される。したがって、クロースプリング570の弾性力によってクロー500がアンロックされる方向に回転し、クロー500がストライカー20から係合解除させることができるようになる。
【0068】
また、インタラプトレバー800の一端がポールレバー700に向かって回転する方向に弾性力を提供するインタラプトレバースプリング810をさらに含むことができる。すなわち、インタラプトレバー800によってシンチングシャフト442を押してクロー500をストライカー20から係合解除させた後、インタラプトレバースプリング810によってインタラプトレバー800が元の位置に復帰するように回転する。
【0069】
一方、
図10は本発明によるラッチ機構10に非常レバーが結合された構成を示す図であり、
図11は、本発明による非常レバーによってリリース作動する過程を説明するための図である。
図11は、
図11aと
図11bで示す。同図を参照すると、中央部を中心に回転し、一端がラッチ機構10の外部に設けられ、他端がポールレバー700の内側に位置し、一端の回転操作によって他端がポールレバー700をリリース回転方向に回転させる非常レバー900をさらに含んでなる。すなわち、モーター100の作動によるシンチング作動過程で非常レバー900を手動で操作してリリースさせる場合、非常レバー900の他端がポールレバー700をリリース方向に回転させることにより、ポールレバー700とともにポール600が回転する。
【0070】
よって、ポール600の上端がインタラプトレバー800の一端を押圧することにより、インタラプトレバー800の中央部を中心にインタラプトレバー800の他端が上げられ、インタラプトレバー800の他端がシンチングシャフト442を押し上げることにより、シンチングシャフト442がクロー500の係止突起550から係合解除される。したがって、クロースプリング570の弾性力によってクロー500がアンロックされる方向に回転し、クロー500がストライカー20から係合解除されることができる。
【0071】
<パワーシンチング作動>
以下では、アンロック状態からハーフロック状態に転換された後、モーター100によってパワーシンチング作動する作用を説明する。
【0072】
図4aのアンロック状態でテールゲートが閉じられる方向に下がれば、テールゲートの自重によってクロー500のフック溝510の入口の上面がストライカー20によって押される。すると、
図4bのように、ストライカー20がクロー500を押圧する力によってクロー500が回転軸を中心に回転する。よって、フック溝510の内部にストライカー20が進入するのに従い、ロッキング突起610が第1拘束突起540にかかってクロー500の回転を拘束することにより、ストライカー20がフック溝510の内部に半分くらい締結されるハーフロック状態になる。
【0073】
このようなハーフロック状態になれば、
図5aのように、モーター100を回転させてリリース突起210を時計方向に回転させることにより、シンチングギア300が反時計方向に回転する。よって、シンチング突起310が一緒に回転してクランクレバー410を下方に押すことにより、リンク機構400が回転する。特に、リンク機構400が下方に回転しながら移動する過程でシンチングスプリング450の弾性力によってシンチングレバー440が時計方向のトルクを有するので、シンチングレバー440に結合されたシンチングシャフト442がクロー500に形成された係止突起550にかかって拘束される。この状態で、
図5bのように、シンチングギア300が続けて回転しながらクランクレバー410を押すことになり、シンチングシャフト442がクロー500を反時計方向に回転させるようになる。
【0074】
この時、リリースギア200に形成されたリリース突起210はポールレバー700を押すが、リリース突起210がリリース方向の時計方向に回転しているので、ポール600は回転せず、ポールレバー700のみ回転する。このようなシンチング作動によってシンチングギア300が反時計方向に一周回転すれば、
図5cのように、クロー500がフルロック地点以上に回転する。この時、ポール600はポールスプリング630の弾性力によってクロー500を拘束する方向に回転する。
【0075】
ついで、シンチング突起310が続けて回転してクランクレバー410をそれ以上押さなくなれば、リンク機構400とクロー500がシンチングスプリング450及びクロースプリング570の弾性力によって復元するように回転する。ポール600に形成されたロッキング突起610がクロー500の第2拘束突起560にかかることにより、
図7のように、フルロック状態を維持する。そして、制御器CRLがフルロック状態を感知すれば、モーター100を停止させてパワーシンチング作動を完了する。
【0076】
<パワーリリース作動>
次に、モーター100を用いてフルロック状態でパワーリリース作動する作用を説明する。
図7のフルロック状態でリリース信号が印加される場合、
図8aのように、モーター100を回転させてリリースギア200を反時計方向に回転させる。よって、リリースギア200とともにリリース突起210が反時計方向に回転しながらポールレバー700を押す。この時、ポールレバー700はストッパー620によってポール600とともに回転軸を中心に回転する。すると、ポール600のロッキング突起610がクロー500の第2拘束突起560から係合解除され、クロー500の拘束が解除される。
【0077】
よって、クロー500は、クロースプリング570の弾性力によって、時計方向、すなわちアンロック方向に回転し、ストライカー20はクロー500の拘束から解除され、クロー500とストライカー20のロッキングが解除される。制御器CRLがアンロック状態を感知すれば、モーター100を停止させることにより、リリース突起210がポールレバー700を押してその状態を所定時間維持する。これは、クロー500がテールゲートの自重によって垂れる場合、ストライカー20に再びロッキングされることを防止するためである。
【0078】
ついで、
図8bのように、テールゲートが開放する位置に動くことができる所定時間が経過した後、モーター100を作動してリリースギア200を時計方向に復帰するように回転させることにより、リリース突起210がポールレバー700から離れ、ポールスプリング630によってポールがクロー500に向かって復帰するように回転する。制御器CRLが、ポール600が復帰回転することを感知すれば、モーター100を停止させ、リリース作動を完了する。
【0079】
<パワーインタラプトリリース作動>
次に、モーター100を用いてパワーシンチング作動する途中に制御器CRLにリリース信号が印加される場合の作用を説明する。
図5cのように、パワーシンチング作動過程でリリース信号が感知されれば、
図9aのように、モーター100を逆に作動してリリースギア200を反時計方向に回転させる。よって、リリースギア200とともにリリース突起210が反時計方向に回転しながらポールレバー700を押す。この場合、ポールレバー700はストッパー620によってポール600とともに回転軸を中心に回転し、特にポールレバー700とともに回転するポール600がインタラプトレバー800を押して回転させる。
【0080】
すると、インタラプトレバー800の他端がシンチングシャフト442を押し上げる方向に回転することにより、シンチングシャフト442が係止突起550から係合解除され、よってクロー500の拘束を解除する。よって、クロー500は、クロースプリング570の弾性力によって、時計方向、すなわちアンロック方向に回転し、ストライカー20はクロー500の拘束から解除され、クロー500とストライカー20のロッキングが解除される。この場合、制御器CRLがアンロック状態を感知すれば、モーター100を停止させることにより、リリース突起210がポールレバー700を押し、その状態を所定時間維持するようになる。これは、クロー500がテールゲートの自重によって垂れる場合、ストライカー20に再びロッキングされることを防止するためである。
【0081】
ついで、
図9bのように、テールゲートが開放する位置に動くことができる所定時間が経過した後、モーター100を作動してリリースギア200を時計方向に復帰するように回転させることにより、リリース突起210がポールレバー700から離れ、ポールスプリング630によってポール600がクロー500に向かって復帰するように回転する。制御器CRLが、ポール600が復帰回転することを感知すれば、モーター100を停止させ、リリース作動を完了する。
【0082】
<手動インタラプトリリース作動>
次に、モーター100を用いてパワーシンチング作動する途中に非常レバー900を用いて手動でリリースさせる場合の作用を説明する。
図5cのように、パワーシンチング作動過程で非常レバー900を操作すれば、
図11aのように、非常レバー900の一端がポールレバー700を反時計方向に直接回転させる。この場合、ポールレバー700はストッパー620によってポール600とともに回転軸を中心に回転し、特にポールレバー700とともに回転するポール600がインタラプトレバー800を押して回転させる。すると、インタラプトレバー800の他端がシンチングシャフト442を押し上げる方向に回転することにより、シンチングシャフト442が係止突起550から係合解除され、よってクロー500の拘束を解除するようになる。
【0083】
よって、クロー500は、クロースプリング570の弾性力によって、時計方向、すなわちアンロック方向に回転し、ストライカー20はクロー500の拘束から解除され、クロー500とストライカー20のロッキングが解除されることで、リリース作動を完了する。
【0084】
上述したように、本発明は、シンチング作動用モーターとリリース作動用モーターを個別的に備えず、単一のモーター100を用いてシンチング作動及びリリース作動を遂行することにより、部品数の減少によって装置の原価及び重量を減らすとともに、製品の作動性を向上させ、これにより製品不良率を改善してフィールドクレームを減少させる。
【符号の説明】
【0085】
10 ラッチ機構
20 ストライカー
100 モーター
110 ウォームギア
200 リリースギア
210 リリース突起
220 ピニオン
300 シンチングギア
310 シンチング突起
320 フルロック感知センサー
330 フルロック感知突起
400 リンク機構
410 クランクレバー
420 カップラーレバー
430 フォロワーレバー
440 シンチングレバー
442 シンチングシャフト
450 シンチングスプリング
500 クロー
510 フック溝
520 ハーフロック感知センサー
530 ハーフロック感知突起
540 第1拘束突起
550 係止突起
560 第2拘束突起
570 クロースプリング
600 ポール
610 ロッキング突起
620 ストッパー
630 ポールスプリング
640 アンロック感知センサー
650 アンロック感知突起
700 ポールレバー
710 ポールレバースプリング
800 インタラプトレバー
810 インタラプトレバースプリング
900 非常レバー
CRL 制御器
hf1 第1固定ヒンジ軸
hr1 第1回転ヒンジ軸
hf2 第2固定ヒンジ軸
hr2 第2回転ヒンジ軸