IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンエスの特許一覧

<>
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図1
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図2
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図3
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図4
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図5
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図6
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図7
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図8
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図9
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図10
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図11
  • 特開-送風機と、それを装着した冷却服 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027428
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】送風機と、それを装着した冷却服
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/52 20060101AFI20220203BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20220203BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20220203BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
F04D29/52 C
F04D25/08 301Z
F04D29/64 C
A41D13/005 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021036145
(22)【出願日】2021-03-08
(62)【分割の表示】P 2020129234の分割
【原出願日】2020-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000130732
【氏名又は名称】株式会社サンエス
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】小林 則人
【テーマコード(参考)】
3B011
3H130
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B011AC03
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC01
3H130BA95A
3H130BA97A
3H130CA21
3H130CA27
3H130DD01Z
3H130DF09Z
3H130EA04A
3H130ED02A
(57)【要約】
【課題】本発明は送風機と、それを装着した冷却服に関するもので、本体ケースへの蓋体のねじ止め作業が行いやすくすることを目的とするものである。
【解決手段】送風機は、本体ケース3に蓋体をねじ止めするタイプの送風機において、本体ケース3の胴部5外周で、一端側の開口部と他端側の保護ガード部8との間部分に、この胴部5の外周に突出してねじ止め回転操作において指があてられる通電用のコネクターケース本体17を配置するとともに、このコネクターケース本体17内には、電源コネクター19を配置し、この電源コネクター19と前記電動ファンを電源ケーブル20で、電気的に接続したものである。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴部、この胴部の一端側に設けた開口部、この開口部側で、前記胴部の外周方向に延長形成された第1のフランジ部、前記胴部の他端側に設けた第1の保護ガード部を有する本体ケースと、
この本体ケース内に配置された電動ファンと、
前記第1のフランジ部に対向する第2のフランジ部、前記開口部に対向する第2の保護ガード部を有し、前記本体ケースの前記開口部に、ねじ止めで装着される蓋体と、を備え、
前記本体ケースの前記胴部で、前記開口部側の内壁には第1のねじ締め部を設け、前記蓋体のうち、前記本体ケースの前記開口部側には、前記本体ケース内に突入されるとともに、その外周部に、前記第1のねじ締め部にねじ止めされる筒状の第2のねじ締め部を設け、
前記本体ケースの前記胴部外周で、前記開口部と前記第1の保護ガード部との間部分には、この胴部の外周から突出してねじ止め回転操作において指があてられる通電用のコネクターケースを配置した送風機。
【請求項2】
前記コネクターケースを、前記開口部と前記第1の保護ガード部との中間部分であって、前記第1の保護ガード部から外れた位置に配置した請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の送風機の、前記蓋体の前記第2のねじ締め部が、服地の取付孔に、この服地の表側から、服地の裏側に突入され、前記服地の裏側において、前記蓋体の前記第2のねじ締め部が、前記本体ケースの前記第1のねじ締め部に螺合され、前記蓋体の前記第2のフランジ部と、前記本体ケースの前記第1のフランジ部とで、前記服地が挟まれた状態である冷却服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機と、それを装着した冷却服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
送風機を服地に装着した冷却服が開発され、脚光を浴びている。
具体的には、前記送風機は、筒状の胴部、この胴部の一端側に設けた開口部、この開口部側で、前記胴部の外周方向に延長形成された第1のフランジ部、前記胴部の他端側に設けた第1の保護ガード部を有する本体ケースと、この本体ケース内に配置された電動ファンと、前記本体ケースの開口部に、ねじ止めで装着されるとともに、前記第1のフランジ部に対向する第2のフランジ部、前記開口部に対向する第2の保護ガード部を有する蓋体と、を備えた構成となっている。
また、前記本体ケースの胴部で、開口部側の内壁には第1のねじ締め部、前記蓋体の前記本体ケースの開口部側には、本体ケース内に突入されるとともに、その外周部に、前記第1のねじ締め部にねじ止めされる筒状の第2のねじ締め部を設けた構成となっている。
この送風機を取り付ける服地には、前記送風機を取り付けるための取付孔が設けられて
いる。
したがって、前記送風機を服地に取り付ける場合には、先ず、送風機の、前記蓋体の第2のねじ締め部を、服地の取付孔に、この服地の表側から、服地の裏面側に突入させ、次に、前記服地の裏側において、前記蓋体の第2のねじ締め部を、本体ケースの第1のねじ締め部に螺合させ、前記蓋体の第2のフランジ部と、本体ケースの第1のフランジ部とで、前記服地を挟んだ状態とする(これに類似する先行文献としては下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3226224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記冷却服では、送風機に通電すると、蓋体の第2の保護ガード部を介して服地外の空気が本体ケース内に吸い込まれ、第1の保護ガード部から、本体ケース外、つまり、服地内に送風され、この空気で体を冷却することが出来、極めて快適なものとなる。
しかしながら、この送風機では、電動ファンに電源を供給するための電源コネクターを本体ケース内に設けているので、本体ケースが大きくなり、薄型化が求められている。
すなわち、電源コネクターに電動ファンが接触するのを避けるためには、本体ケース内において、電動ファンから電源コネクターを離す必要があり、その結果、本体ケースの第1の保護ガード部側が身体側に大きく突出した状態となり、これが、大型化につながってしまうのである。
【0005】
そこで、本発明は送風機の薄型化を図るとともに、本体ケースへの蓋体のねじ止め作業が行いやすくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために本発明の送風機は、本体ケースの胴部外周で、一端側の開口部と他端側の保護ガード部との間部分に、この胴部の外周に突出してねじ止め回転操作において指があてられる通電用のコネクターケースを配置するとともに、このコネクターケース内には、電源コネクターを配置し、この電源コネクターと前記電動ファンを電源ケーブルで、電気的に接続したものである。
また、本発明の送風機では、前記コネクターケースは、コネクター配置用開口部を有するコネクターケース本体と、前記コネクター配置用開口部に装着するコネクターケース蓋と、を備え、前記コネクターケース本体を、前記本体ケースの前記胴部外周部で、前記開口部と前記第1の保護ガード部との間部分に配置したものである。特に、前記コネクターケースを、前記開口部と前記第1の保護ガード部との中間部分であって、前記第1の保護ガード部から外れた位置に配置したものである。
また、本発明の送風機では、前記コネクターケースの前記コネクターケース本体と、前記本体ケースの前記胴部とが、合成樹脂による一体成型である。
また、本発明の送風機では、前記本体ケースの前記第1のねじ締め部は雌ねじとし、前記蓋体の前記第2のねじ締め部は雄ねじとしたものである。
また、本発明の送風機では、前記蓋体において、前記第2のフランジ部側の外周部には、服地の取付孔への装着部を形成し、前記本体ケースの前記第1の保護ガード部側の外周部には、前記第2のねじ締め部としての雄ねじを形成し、前記装着部と、前記第2のねじ締め部としての雄ねじとの外径を略同一としたものである。
また、本発明の冷却服では、上記送風機の、前記蓋体の前記第2のねじ締め部が、服地の取付孔に、この服地の表側から、服地の裏側に突入され、前記服地の裏側において、前記蓋体の前記第2のねじ締め部が、前記本体ケースの前記第1のねじ締め部に螺合され、前記蓋体の前記第2のフランジ部と、前記本体ケースの前記第1のフランジ部とで、前記服地が挟まれた状態である。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明の送風機は、本体ケースの胴部外周で、一端側の開口部と他端側の保護ガード部との間部分に、この胴部の外周に突出するコネクターケースを配置するとともに、このコネクターケース内には、電源コネクターを配置し、この電源コネクターと前記電動ファンを電源ケーブルで、電気的に接続したものである。
【0008】
つまり、本体ケースの胴部外周で、一端側の開口部と他端側の保護ガード部との間部分に、この胴部の外周に突出するコネクターケースを配置し、電源コネクターを本体ケース外に配置したので、この本体ケースの開口部から第1の保護ガード部までの寸法を小さくすることができ、その結果として、薄型化が達成できるのである。
【0009】
また、本体ケースと蓋体をねじ止めする作業時に、このコネクターケースに指をあてることで、ねじ止め回転操作が行いやすく、しかも、本体ケースの電源コネクター部分がどこに存在しているかの判定も容易となり、その後の、電源コネクターへの電源接続も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかる送風機を装着した冷却服を示す背面図
図2】同送風機の斜視図
図3】同送風機の分解斜視図
図4】同送風機の斜視図
図5】同送風機の分解斜視図
図6】同送風機の斜視図
図7】同送風機の側面図
図8】同送風機の斜視図
図9】同送風機の側面図
図10】同送風機の組立前の斜視図
図11】同送風機の蓋体の側面図
図12】同送風機の蓋体の変形例の側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1において、1は冷却服で、その背中部分の下方の左右に、二つの送風機2が装着されている。
つまり、本実施形態の冷却服1も、上記特許文献1と同じように、冷却服1の外側の空気が、この送風機2によって冷却服1内に取り込まれ、襟部分や袖部分から、冷却服1外に吹き出され、これにより身体の冷却を行うようにしている。
【0012】
送風機2は、図2図9に示すように、合成樹脂製の本体ケース3と、蓋体4によって構成されている。
具体的には、本体ケース3は、円筒状の胴部5、この胴部5の一端側に設けた円形の開口部6、この開口部6側で、前記胴部5の外周方向に延長形成された第1のフランジ部7、前記胴部5の他端側に設けた網目状の第1の保護ガード部8を有する。
また、本体ケース3内には、図5に示すように電動ファン9が配置されている。この電動ファン9は、羽根車10をモータ(図示せず)で回転駆動する構成となっている。
【0013】
蓋体4は、前記本体ケース3の開口部6に、ねじ止めで装着されるものであり、前記本体ケース3の第1のフランジ部7に対向する第2のフランジ部11、前記開口部6に対向する網状の第2の保護ガード部12を有する。
【0014】
次に、前記本体ケース3の胴部5で、開口部6側の内壁には、図5に示すように、第1のねじ締め部13が設けられている。
これに対して、前記蓋体4の前記本体ケース3の開口部6側には、図3に示すように、本体ケース3内に突入されるとともに、その外周部に、前記第1のねじ締め部13にねじ止めされる筒状の第2のねじ締め部14が設けられている。
【0015】
本実施形態で特徴的なのは、前記本体ケース3の胴部5外周で、一端側の開口部6と他端側の第1の保護ガード部8との間部分に、この胴部5の外周に突出したコネクターケース15を配置したことである。
コネクターケース15は、図10のようにコネクター配置用開口部16を有するコネクターケース本体17と、このコネクター配置用開口部16に装着するコネクターケース蓋18とを備えている。
つまり、コネクターケース本体17内には、図10に示すように電源コネクター19を配置し、この電源コネクター19と前記電動ファン9を電源ケーブル20で、電気的に接続している。
【0016】
ここで、さらに詳細に説明すると、前記コネクターケース本体17は、前記本体ケース3の胴部5外周部で、一端側の開口部6と他端側の保護ガード部8との間部分に配置されている。
つまり、コネクターケース本体17は、本体ケース3の胴部5外周部で、一端側の開口部6と他端側の保護ガード部8との間部分に配置されており、開口部6側にも、保護ガード部8側にも突出していないということである。
【0017】
この状態で、本体ケース3は、胴部5、保護ガード部8、第1のフランジ部7、第1の保護ガード部8、コネクターケース本体17が、合成樹脂によって一体的に形成されている。
この状態では、特に、コネクターケース本体17は、胴部5に一体化されているので、強度が強く、本体ケース3に蓋体4をねじ止めする作業時に、このコネクターケース本体17に指をあてることで、ねじ止め回転操作を行いやすくすることもできる。
また、このねじ止め時に、本体ケース3の電源コネクター19部分がどこに存在しているかの判定も容易となり、その後の、電源コネクター19への電源接続も容易となる。
【0018】
また、本体ケース3の胴部5外周で、一端側の開口部6と他端側の保護ガード部8との間部分に、この胴部5の外周に突出するコネクターケース本体17を配置し、電源コネクター19を本体ケース3外に配置したので、図7図9に示すように、この本体ケース3の開口部6から第1の保護ガード部8までの寸法を小さくすることができ、その結果として、薄型化が達成できるのである。
【0019】
なお、本実施形態においては、図5に示すように、前記本体ケース3の第1のねじ締め部13は雌ねじ、図3に示すように、蓋体4の第2のねじ締め部14は雄ねじとしている。
【0020】
このため、冷却服1に送風機2を装着する時には、先ず、図1に示す冷却服1の服地に形成した円形の取付孔21に、服地の表側から、服地の裏側に向けて、蓋体4の第2のねじ締め部14を突入させ、次に、前記服地の裏側において、前記蓋体4の第2のねじ締め部14に、本体ケース3の第1のねじ締め部13を螺合させ、前記蓋体4の第2のフランジ部11と、本体ケース3の第1のフランジ部7とで、前記服地を挟んだ状態とする。
本実施形態では、このような構成において、前記蓋体4の第2のねじ締め部14は、図11に示すように筒状で、この第2のフランジ部11側の外周部には、服地の取付孔21への装着部22、本体ケース3の第1の保護ガード部8側の外周部には、第2のねじ締め部14として雄ねじを形成している。
【0021】
そして、前記装着部21と第2のねじ締め部14として雄ねじとの外径を略同一としている(図11の寸法A参照。)。
つまり、本実施形態では、服地の取付孔21と、装着部22と、第2のねじ締め部14として雄ねじと、寸法を同じ状態としているので、冷却服1に送風機2を、ガタつきなく適切に装着することができる。
【0022】
本実施形態の変形例として、図12のような構成を採用することもできる。但し、図12のように、蓋体4に、服地の取付孔21と同径の装着部22を設けないと、服地を、前記蓋体4の第2のフランジ部11と、本体ケース3の第1のフランジ部7とで挟んだ状態としても、冷却服1に対して送風機2が、取付孔21の部分で、ガタついてしまうことがあり、不適切な装着となることがある(同図の寸法B,C参照。)。
【0023】
なお、図2図3に示すように、コネクターケース蓋18は、図10で説明したように、電源コネクター19と電源ケーブル20を電気的に接続した後に、コネクターケース本体17に装着されるものであり、本体ケース3と蓋体4のねじ止め作業時に、力が加わりにくい状態なので、本体ケース3に対して別体としていても、強度的な問題は発生しない。
【0024】
なお、コネクターケース本体17の電源コネクター19に対応する部分には、電源供給用のコネクター(図示せず)を挿入するための開口23が設けられており、この電源供給用のコネクター(図示せず)をスムーズに挿入するためにも、服地のどの方向に、電源コネクター19が存在しているかを確認しながらの装着が重要となるのである。
【0025】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の送風機は、冷却服などに活用される。
【符号の説明】
【0026】
1 冷却服
2 送風機
3 本体ケース
4 蓋体
5 胴部
6 開口部
7 第1のフランジ部
8 第1の保護ガード部
9 電動ファン
10 羽根車
11 第2のフランジ部
12 第2の保護ガード部
13 第1のねじ締め部
14 第2のねじ締め部
15 コネクターケース
16 コネクター配置用開口部
17 コネクターケース本体
18 コネクターケース蓋
19 電源コネクター
20 電源ケーブル
21 取付孔
22 装着部
23 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12