(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027486
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】液圧持上げ装置用シリンダ装置
(51)【国際特許分類】
F15B 15/28 20060101AFI20220203BHJP
B66F 3/24 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
F15B15/28 F
B66F3/24 J
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103773
(22)【出願日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】10 2020 209 578.7
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518097316
【氏名又は名称】ハーヴェー ハイドローリック エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スベン ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アーレ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン レッシュ
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081BB02
3H081CC01
3H081CC23
3H081CC25
3H081GG06
3H081GG11
3H081GG28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】追加の設置スペースを必要とすることなく、シャシの意図しない下降を早期に確実に検出することができる液圧持上げ装置用のシリンダ装置を提供する。
【解決手段】回転要素4は、ハウジング2に対する回転要素4の回転運動が可能で、かつハウジング2に対する回転要素4の軸方向の移動が妨げられるように、ハウジング2に取付けられる。ピストンロッド3は移動伝達要素5を有する。移動伝達要素5は、ピストンロッド3の軸方向の移動を回転要素4の回転運動に変換する。ハウジング2には、回転要素4の回転運動を検出するセンサユニット6が取付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)と、ハウジング(2)に対して軸方向に移動可能なピストンロッド(3)とを備えた液圧持ち上げ装置用シリンダ装置(1)であって、
前記ハウジング(2)内に配置された回転要素(4)を有し、前記回転要素(4)は、前記ハウジング(2)に対する前記回転要素(4)の回転移動は可能であり、前記ハウジング(2)に対する前記回転要素(4)の軸方向移動が禁止される態様で前記ハウジング内に配置されており、
前記ピストンロッド(3)は移動伝達要素(5)を備え、前記移動伝達要素(5)は前記ピストンロッド(3)の軸方向の移動を前記回転要素(4)の回転移動に変換するものであり、
前記ハウジング(2)にセンサユニット(6)が取付けられており、前記センサユニット(6)は前記回転要素(4)の回転移動を検出するものであることを特徴とする、液圧持上げ装置用シリンダ装置(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(2)はシリンダヘッド(7)を備え、前記センサユニット(6)は前記シリンダヘッド(7)内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項3】
前記移動伝達要素(5)は前記ピストンロッド(3)の内部に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項4】
前記回転要素(4)は前記ピストンロッドの空洞(8)内に突出することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項5】
前記回転要素(4)および前記移動伝達要素(5)は、互いに噛み合うねじ(9,10)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項6】
前記回転要素(4)はねじ付きスピンドルであり、及び/又は前記移動伝達要素(5)はねじ付きナットであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項7】
前記センサユニット(6)はデジタル式又はアナログ式であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項8】
前記回転要素(4)は、軸受マンドレル(11)を介して前記センサユニット(6)に接続されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項9】
前記回転要素(4)および前記軸受マンドレル(11)は、玉軸受(12)を介して支持されることを特徴する、請求項8に記載のシリンダ装置(1)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のシリンダ装置(1)を備えた液圧持上げ装置。
【請求項11】
請求項10に記載の持上げ装置を備えた移動装置のシャシ。
【請求項12】
請求項11に記載のシャシを有する移動式医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧持上げ装置のシリンダ装置、このようなシリンダ装置を備えた液圧持上げ装置、液圧持上げ装置を備えたシャシ、及びシャシを備えた移動装置に関する。移動装置は特に、移動式医療装置であってもよい。
【背景技術】
【0002】
このような移動装置のためのシャシは、先行技術から公知である。特に移動式医療装置、例えば外科用ロボット又は手術台で使用するために、シャシには特別な要件が課される。使用中、それらは、場所にかかわらずしっかりと固定され、支持され、水平にされなければならない。シャシ上の液圧持上げ装置は「フロアロック」システムとして公知であり、例えばDE 10 2012 001 555 A1号公報に示されているように、この目的に役立つ。
【0003】
一般に、液圧持上げ装置のためのシリンダ装置は、シャシの各キャスタに配置されるか、又はこのキャスタに割当てられる。ペダルを踏むことによって、通常手動で液圧流体は導電システムを介して、タンクからシリンダ装置内に圧入され、垂直下方に延ばされる。シャシは、シリンダ装置のピストンロッドに取付けられた支持脚によって地面に支持される。ペダルに操作自在に連結された中央バルブは、圧力媒体がタンク内に逆流し、したがってシリンダ装置内で圧力が損失するのを防止する。パワーユニットがシリンダ装置に液圧流体を供給するシステムも公知である。
【0004】
このような液圧システムでは、例えば、逆止弁又は負荷保持弁の汚れのために、時間の経過とともに徐々に圧力が失われることがある。この圧力損失により、シャシはゆっくりと下がり、最悪の場合、キャスタは地面に接触し、したがって、シャシが動いてしまう。
【0005】
したがって、DE 10 2012 001 555 A1号公報では、液圧システムが誤作動した場合でも、シャシにブレーキをかけて所定の位置に固定することを目的とした、機械的に作動するブレーキ脚をさらに提案している。
【0006】
しかし、機械的に操作されるブレーキ脚を有する追加の固定は、システムの圧力損失がすでに非常に大きい場合にのみ介入可能であるという欠点を有する。その結果、シャシがすでに下がっていたり、シリンダ装置がすでに部分的に後退していたりする。シャシは望ましくなく転がり落ちないように、ブレーキ脚によって最大限固定される。例えば、医療のために必要とされるような、しっかりとした支持及び水平化は、もはや保証されない。
【0007】
シャシの下降の可能性がある前でも圧力変動を検出するために、シリンダ装置内の液圧をセンサ監視する可能性がある。しかしながら、液圧システムの主要な誤作動に加えて、バルブにおける摩耗に関連する小さな漏れ、医療装置における温度変動又は重量移動もまた、ある種の圧力変動をもたらす可能性がある。
【0008】
シリンダ装置の油圧をセンサ監視する欠点は、圧力差がどの原因であるかを区別することができず、したがって、装置が後退する危険性があるか否かを認識することもできないことである。したがって、ある圧力変動が発生するとすぐに、装置が後退する危険性があるので、これが本当に必要であることを保証することなく、アラーム又はアプリケーションの停止などの反応がもたらされる。これは定期的に、誤警報又は不必要なアプリケーションの停止につながる。
【0009】
これに基づいて、本発明の目的は、シャシの液圧持上げ装置用のシリンダ装置を提供することである。これにより、追加の設置スペースを必要とすることなく、シャシの意図しない下降を早期に確実に検出することができる。
【0010】
この問題は、請求項1に記載の液圧持上げ装置用シリンダ装置によって解決される。好ましいさらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】DE 10 2012 001 555 A1
【発明の概要】
【0012】
本発明のシリンダ装置は、ハウジングとピストンロッドとを備える。ピストンロッドは、ハウジングに対して軸方向に移動可能である。本発明は、特にシリンダ装置が回転要素、移動伝達要素、及びセンサユニットを更に含むという点で、先行技術とは区別される。回転要素は、ハウジングに対する回転要素の回転運動が可能であり、ハウジングに対する回転要素の軸方向の移動が防止されるように、ハウジング内に配置される。移動伝達要素は、ピストンロッド上に配置され、ピストンロッドの軸方向の移動を、回転要素の回転運動に変換する。センサユニットはハウジングに取付けられ、回転要素の回転運動を検出する。
【0013】
この文脈における軸方向の移動は、シリンダ装置の縦軸に沿った軸方向の直線的な移動として理解されるべきである。
【0014】
このように、回転要素の回転運動は、ピストンロッドによって移動される距離に変換することができる。この目的のために、回転要素の回転運動は回転の増加に変換され、回転の増加はエンコーダを介してセンサユニットによって検出される。この距離測定を通して、圧力とは無関係に、シャシの下降を早期に検出することができる。このようにして、シャシの下降距離の許容への適合性を正確に監視することができる。用途に応じて、この許容は例えば、1mm未満であってもよいし、完全な下降、すなわち、地面とキャスタとの接点のみが示されるべきである。本発明の別の利点は、距離測定用の追加要素をシリンダ装置内に完全に一体化できることである。これは、追加の設置スペースを必要としないことを意味する。
【0015】
ハウジングはシリンダヘッドを備え、センサユニットはシリンダヘッド内に配置されることが好ましい。これにより、センサユニットを油から保護し、設置スペースの点で好ましく収容することができる。また、センサユニットの信号の信号伝送を、構成的に好ましい方法で実行することができる。
【0016】
移動伝達要素は、ピストンロッドの内側に配置されることが好ましい。特に、回転要素がピストンロッドの空洞内に突出する場合には有利である。このようにして、シリンダ装置の他の構成要素の影響は少なくなり、追加の設置スペースは必要ない。
【0017】
回転要素および移動伝達要素は、噛み合うねじ山を有することが好ましい。この点に関し、回転要素がねじ付きスピンドルである場合及び/又は移動伝達要素がねじ付きナットである場合が特に好ましい。これにより、ピストンロッドの軸方向の動きを、回転要素の回転運動に単純かつ信頼性のある平行移動させることができる。また、ピストンロッドの走行距離は、ねじピッチを介して簡単に計算できる。さらに、これにより、高圧及び機械的負荷に対して、単純かつ堅牢に部品を設計することが可能となる。
【0018】
好ましくは、センサユニットはデジタル又はアナログであってもよい。これにより、測定値を確実に記録することができる。
【0019】
好ましくは、回転要素は軸受マンドレルを介してセンサユニットに接続される。軸受マンドレルは、回転要素の回転運動をさらにセンサユニットに伝達する。これにより、シリンダ装置を加圧部分と非加圧部分とに分けることができる。2つの部分は例えば、適切な密封装置を介して、互いに密封可能である。感度センサユニットは、したがって、圧力から保護され得る。さらに、軸受マンドレルは移動中の回転要素の安定性を改善し、回転要素の軸方向の移動を防止する。
【0020】
回転要素および軸受マンドレルは、転がり軸受を介して支持されることが好ましい。これにより、回転部品の低摩擦、堅牢かつ耐久性の高い支持が可能になる。さらに、全ての回転部品に対して1つの軸受しか必要とされないので、設置スペース及びコストを節約することが可能となる。
【0021】
この課題の解決は、請求項10に記載の液圧持上げ装置によってさらに達成される。請求項10は、上述したような本発明によるシリンダ装置を備える。さらに、この課題の解決は、このような液圧持上げ装置を備える請求項11に記載のシャシ、並びにこのようなシャシを備える請求項12に記載の移動装置によって達成される。移動装置は特に、移動式医療装置又は移動式医療器具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、図面に示す実施形態の一例を用いて本発明をより詳細に説明する。図面は概略的に示す。
【
図1】本発明によるシリンダ装置の縦軸に沿った断面部を示した図である。
【
図2】本発明によるシリンダ装置の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び
図2に示すように、シリンダ装置1は、支持脚13と、ハウジング2と、ピストンロッド3と、シリンダヘッド7とを備える。
【0024】
このようなシリンダ装置1が移動装置のシャシの持上げ装置に使用される場合、通常、複数(すなわち、通常は4個)のこのようなシリンダ装置1が使用される。移動装置のシャシへのシリンダ装置1の設置は通常、シリンダ装置1のシリンダヘッドの端部が上方を向くように行われる。したがって、支持脚側のシリンダ装置1の端部は、下方、すなわち地面に向く。シリンダ装置1は、シャシのキャスタ(図示せず)の近くに取付けられるか、又はキャスタに直接一体化されることがほとんどである。このような移動装置は特に、医療装置、例えば、手術ロボットであり得る。
【0025】
図1及び
図2から分かるように、ハウジング2の上端はシリンダヘッド7に連結されている。シリンダヘッド7は例えば、ねじによってハウジング2に取付け可能である。ピストンロッド3は、ハウジング2の内部に配置される。ピストンロッド3はハウジング2に対して軸方向に移動可能である。すなわち、それは、圧力を加えることによって、延ばされたり後退させられたりすることができる。ピストンロッド3の下端は、支持脚13にヒンジ止めされる。支持脚13はハウジング2から突出している。支持脚13は、作動時にシリンダ装置1を地面で支持する役割を果たす。また、ピストンロッド3を、ハウジング2の内側で、予圧要素15、この場合にはスプリングを用いて、静止位置の方向に予圧することができる。
【0026】
また、ハウジング2上には液圧接続部14が配置されている。シリンダ装置1を作動させる場合、液圧流体は例えば、(図示せず)動力ユニット又はペダル作動式ポンプを介して、液圧接続部14を介して、シリンダ装置1の作動室16に導入される。これはピストンロッド3の環状面17に力を発生させ、スプリング15の対抗力を克服した後、ピストンロッド3をハウジング2から移動させる。支持脚13が地面に接触するまでピストンロッド3が延びると直ちに、シリンダ装置1の作動室16内の圧力が上昇し続けて、シャシが持上げられる。
【0027】
シリンダ装置1の作動室16内の液圧を維持することにより、シャシを所望の持上げ状態で大いに保持することができる。本発明のシリンダ装置1は、シャシの差し迫った下降を早期に検出するために、ハウジング2に対するピストンロッド3の動きを検出する距離測定装置を有する。
【0028】
この目的のために、本発明に係るシリンダ装置1は、回転要素4と、シリンダヘッド7に配置された移動伝達要素5と、センサユニット6とを備える。回転要素4及び移動伝達要素5は、互いに係合するねじ山9,10を有し、それによって作動的に結合される。この実施形態では、回転要素4は雄ねじを有し、移動伝達要素5は雌ねじを有する。特に、この実施形態における回転要素4は、ねじ付きスピンドルとして構成される。この実施形態では、移動伝達要素5は、ねじ付きナットとして構成される。しかしながら、例えば、スロット付きリンクガイドの形態の他の構成も考えられる。
【0029】
ねじ付きスピンドル4は、転がり軸受を介して軸受マンドレル11と共に、その上端でシリンダヘッド7に回転可能に取付けられる。ねじ付きスピンドル4と軸受マンドレル11は、例えば圧入によって互いに強固に連結される。軸受マンドレル11の一端は、ねじ付きスピンドル4の凹部内に突出し、ねじ付きスピンドル4の縦軸を中心とした回転運動を安定させる。軸受マンドレル11上の環状ワッシャは、ねじ付きスピンドル4の軸方向の動きを妨げる。また、軸受マンドレル11に密封装置が設けられている。シリンダ装置1は、密封装置によって、加圧される部分と、非加圧部分とに分割される。非加圧部分では、軸受マンドレル11はセンサユニット6に接続される。このように、軸受マンドレル11は、ねじ付きスピンドル4をセンサユニット6に接続する。
【0030】
ねじ付きスピンドル4の下端は、ピストンロッド3の空洞8内に突出する。ねじ付きナット5は、この目的のために、ピストンロッド3の空洞8内に設けられた凹部に収容される。これは、ピストンロッド3にしっかりと連結されているので、ねじ付きナット5とピストンロッド3との間で相対的な移動はできない。この接続部は例えば、締付けリングの取付け及び/又は圧入によって行うことができる。しかしながら、他の構成も可能である。例えば、ねじ付きスピンドル4及びねじ付きナット5は、例えばピストンロッド3とハウジング2との間の中間空間において、ピストンロッド3の外側に取付け可能である。
【0031】
圧力が加わった結果、ピストンロッド3が軸方向に動かされると、それにしっかりと連結されているねじ付きナット5は、それと共に動く。ねじ付きナット5とねじ付きスピンドル4のねじ山9,10の噛み合いを通して、ねじ付きナット5とピストンロッド3の軸方向の動きは、ねじ付きスピンドル4の回転運動に変換される。換言すれば、ピストンロッド3が延ばされたり後退させられたりすると、ねじ付きナット5は、軸受マンドレル11を介した支持によって、軸方向に移動不能であるねじ付きスピンドル4の縦軸に沿って移動する。ねじ付きスピンドル4は、ねじ付きナット5の軸方向の動きによって回転される。ねじ付きスピンドル4の回転量は、ピストンロッド3の軸方向の移動量に比例する。ねじ付きスピンドル4の回転方向は、ねじ山9,10の回転方向に応じて、ピストンロッド3の延び又は後退運動のいずれかに対応する。
【0032】
ねじ付きスピンドル4の回転運動は軸受マンドレル11に伝達され、これにより、回転運動は、センサユニット6の回転可能部18に伝達される。センサユニット6は、アナログ又はデジタルのセンサユニットであってもよい。センサユニット6の固定部19は、回転可能部の回転運動を検出する。この目的のために、回転運動は、エンコーダを介して検出される回転の増加に変換される。信号は信号線を介して伝送される。ピストンロッド3が走行した距離は、公知のねじピッチ及び方向を使用して、回転の増加から算出することができる。
【0033】
2つのねじ山9,10のねじピッチは、ねじ山の側面間の摩擦力が、ピストンロッド3の外向きストロークを著しく損なうことなく、ねじ付きナット5とねじ付きスピンドル4との間の運動の伝達を可能にするのに十分低いように選択される。同時に、ねじ付きスピンドル4の回転運動が正確に検出されるのに十分な大きさになるように、運動の伝達の比率を選択しなければならない。
【0034】
ピストンロッド3が外向きへ移動する間、ピストンロッド3を所望の延ばされた位置で保持する間、いわゆる固定化状態中、及び/又はピストンロッド3の戻りの移動中に、データが取得され得る。データは、シリンダ装置1の全動作中に連続的に取得することも、あるいは特定の時間にのみ取得することも可能である。
【0035】
本発明のシリンダ装置1は、ピストンロッド3の走行距離、したがってピストンロッド3の位置を監視することができる。圧力が加わったときに、それは、ピストンロッド3がどれくらい延ばされたかを記録することができる。このデータは、固定状態の間のピストンロッド3の現在位置と比較することができる。例えば、ピストンロッド3が圧力損失の結果として重力によって後退させられた場合、これが記録される。ピストンロッド3の戻り移動量は、あらかじめ定義された耐量と比較することができる。ピストンロッド3の戻りが許容範囲を超える場合、システムはそれに応じて、例えば、アプリケーションのアラーム又はシャットダウンで反応することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 シリンダ装置、2 ハウジング、3 ピストンロッド、4 回転要素/ねじ付きスピンドル、5 移動伝達要素/ねじ付きナット、6 センサユニット、7 シリンダヘッド、8 空洞、9 ねじ山、10 ねじ山、11 軸受マンドレル、12 転がり軸受、13 支持脚、14 液圧接続部、15 予圧要素/ばね 16 作業室、17 環状面、18 (センサユニットの)回転可能部、19 (センサユニットの)固定部。