(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027507
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】デバイス間のシリアル通信をモニタするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 13/00 20060101AFI20220203BHJP
H04L 12/40 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H04L13/00 313
H04L12/40 M
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021112482
(22)【出願日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】16/942,417
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521227078
【氏名又は名称】アステック インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オングヤンコ,ドナルド,セドリック ユチョングティアン
【テーマコード(参考)】
5K032
5K035
【Fターム(参考)】
5K032DA01
5K032DA13
5K032DB24
5K032EA06
5K035BB02
5K035CC08
5K035FF02
5K035JJ05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】集積回路間(I2C)通信をモニタするためのシステムを提供する。
【解決手段】電源と、バッテリバックアップユニットと、電源とバッテリバックアップユニットとの間に結合されたI2Cシリアルクロックライン(SCL)と、電源とバッテリバックアップユニットとの間に結合されたI2Cシリアルデータライン(SDA)と、コントローラとを含む。コントローラとI2Cシリアルクロックラインとの間に第1のモニタラインが結合され、コントローラとI2Cシリアルデータラインとの間に第2のモニタラインが結合される。コントローラは、電源とバッテリバックアップユニットとの間のI2Cシリアルクロックおよびデータライン上で伝送されるデジタル通信をモニタし、モニタされたデジタル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路間(I2C)通信をモニタするためのシステムであって、
電源と;
バッテリバックアップユニットと;
前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に結合されたI2Cシリアルクロックライン(SCL)と;
前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に結合されるI2Cシリアルデータライン(SDA)と;
コントローラと;
前記コントローラと前記I2Cシリアルクロックラインとの間に結合された第1のモニタラインと;
前記コントローラと前記I2Cシリアルデータラインとの間に結合された第2のモニタラインと
を備え、前記コントローラは、前記I2Cシリアルクロックで伝送されるデジタル通信、および前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間のデータラインをモニタし、前記モニタされたデジタル通信に含まれるメッセージを解釈し、前記解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成されるシステム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記デジタル通信の開始ビット、アドレス、肯定応答、否定応答、データ値、および停止ビットのうちの少なくとも1つを決定することによって前記メッセージを解釈するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記解釈されたメッセージから前記データ値を取得し、前記取得されたデータ値に従って前記制御機能を実行するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記電源および前記バッテリバックアップユニットの少なくとも一方の動作を制御することによって前記制御機能を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記電源および前記バッテリバックアップユニット以外のデバイスの動作を制御することによって前記制御機能を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記他のデバイスがファンを備え、前記コントローラが、前記解釈されたメッセージに従って前記ファンの速度を制御するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記メッセージから前記バッテリバックアップユニットの温度を抽出することによって前記メッセージを解釈し、前記抽出された温度を目標温度基準と比較することによって前記ファンの前記速度を制御するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記I2Cシリアルクロックラインが、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に直接接続され;
前記I2Cシリアルデータラインが、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に直接接続され;
前記コントローラが、前記電源または前記バッテリバックアップユニットと通信していない、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラ、前記第1のモニタラインおよび前記第2のモニタラインが、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間の前記I2Cシリアルクロックラインまたは前記I2Cシリアルデータラインを遮断せず;
前記コントローラが、前記デジタル通信に遅延を導入することなく前記デジタル通信をモニタするように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
システム内のシリアル通信をモニタするための方法であって、前記システムは、電源と、バッテリバックアップユニットと、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に結合されたシリアルバスと、コントローラと、前記コントローラと前記シリアルバスとの間に結合されたモニタラインとを含み、前記方法は、
前記コントローラによって、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間の前記シリアルバス上で伝送されるシリアル通信をモニタするステップと;
前記シリアルバス上の前記モニタされているシリアル通信に含まれるメッセージを解釈するステップと;前記シリアル通信の解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記メッセージを解釈するステップが、前記シリアル通信の開始ビット、アドレス、肯定応答、否定応答、データ値、および停止ビットのうちの少なくとも1つを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記解釈されたメッセージから前記データ値を取得し、前記取得されたデータ値に従って前記制御機能を実行するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御機能を実行するステップが、前記電源および前記バッテリバックアップユニットの少なくとも一方の動作を制御することによって前記制御機能を実行することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記制御機能を実行するステップが、前記電源および前記バッテリバックアップユニット以外のデバイスの動作を制御することによって前記制御機能を実行することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記システムがファンを含み、前記制御機能を実行するステップが、前記解釈されたメッセージに従って前記ファンの速度を制御することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記メッセージを解釈するステップが、前記メッセージから前記バッテリバックアップユニットの温度を抽出することを含み、前記ファンの速度を制御することが、前記抽出された温度を目標温度基準と比較することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記シリアルバスが、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間に直接接続され;
前記コントローラが、前記電源または前記バッテリバックアップユニットと通信しておらず;
前記コントローラおよび前記モニタラインは、前記電源と前記バッテリバックアップユニットとの間の前記シリアルバスを遮断せず;
前記シリアル通信をモニタするステップは、前記シリアル通信に遅延を導入しない、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
シリアル通信をモニタするためのシステムであって、
マスタ電子デバイスと;
シリアルバス接続を介して前記マスタ電子デバイスと接続されたスレーブ電子デバイスであって、前記シリアルバス接続は、前記マスタ電子デバイスと前記スレーブ電子デバイスとの間に接続された第1のシリアルラインと、前記マスタ電子デバイスと前記スレーブ電子デバイスとの間に接続された第2のシリアルラインとを含むスレーブ電子デバイスと、
コントローラと;
前記コントローラと前記第1のシリアルラインとの間に結合された第1のモニタラインと;
前記コントローラと前記第2のシリアルラインとの間に結合された第2のモニタラインとを備え、前記コントローラは、前記マスタ電子デバイスと前記スレーブ電子デバイスとの間の前記シリアルバス接続上で伝送されるシリアル通信をモニタし、前記モニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈し、前記解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成されるシステム。
【請求項19】
前記シリアルバス接続が、集積回路間(I2C)バス、シリアル周辺インタフェース(SPI)バス、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、およびユニバーサル非同期受信機-送信機(UART)バスのうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コントローラが、前記シリアル通信の開始ビット、アドレス、肯定応答、否定応答、データ値、および停止ビットのうちの少なくとも1つを決定することによって前記メッセージを解釈するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源ユニット(PSU)とバッテリバックアップユニット(BBU)との間の集積回路間(I2C)通信を含む、デバイス間のシリアル通信をモニタするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、必ずしも先行技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0003】
集積回路間(I2C)バスは、電子デバイスを接続するための通信バスであり、シリアル、同期、マルチマスタ、マルチスレーブ、パケット交換、シングルエンド等であってもよい。I2C通信は、典型的には、シリアルデータライン(SDA)およびシリアルクロックライン(SCL)を含む2つの双方向オープンコレクタまたはオープンドレインラインを使用する。ラインは抵抗でプルアップされてもよく、+5Vまたは+3.3Vの電圧が一般的に使用される。
【0004】
メッセージは、通信バスのSDAラインおよびSCLライン上で1つの電子デバイスから別の電子デバイスに伝送され得る。メッセージは、メッセージの内容を表示するシリアルデコーダまたはI2Cバスアナライザを備えたオシロスコープを使用してモニタされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはその特徴のすべての包括的な開示ではない。
【0006】
本開示の一態様によれば、集積回路間(I2C)通信をモニタするためのシステムは、電源と、バッテリバックアップユニットと、電源とバッテリバックアップユニットとの間に結合されたI2Cシリアルクロックライン(SCL)と、電源とバッテリバックアップユニットとの間に結合されたI2Cシリアルデータライン(SDA)と、コントローラとを含む。コントローラとI2Cシリアルクロックラインとの間に第1のモニタラインが結合され、コントローラとI2Cシリアルデータラインとの間に第2のモニタラインが結合される。コントローラは、電源とバッテリバックアップユニットとの間のI2Cシリアルクロックおよびデータライン上で伝送されるデジタル通信をモニタし、モニタされたデジタル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、システム内のシリアル通信をモニタするための方法が開示される。システムは、電源と、バッテリバックアップユニットと、電源ユニットとバッテリバックアップユニットとの間に結合されたシリアルバスと、コントローラと、コントローラとシリアルバスとの間に結合されたモニタラインとを含む。本方法は、コントローラによって、電源ユニットとバッテリバックアップユニットとの間のシリアルバス上で伝送されるシリアル通信をモニタするステップと、シリアルバス上のモニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈するステップと、解釈されたデジタル通信のメッセージに従って制御機能を実行するステップとを含む。
【0008】
本開示の別の態様によれば、シリアル通信をモニタするためのシステムは、マスタ電子デバイスと、シリアルバス接続を介してマスタと接続されたスレーブ電子デバイスとを含む。シリアルバス接続は、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に結合された第1のシリアルラインと、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に結合された第2のシリアルラインとを含む。システムはまた、コントローラと、コントローラと第1のシリアルラインとの間に結合された第1のモニタラインと、コントローラと第2のシリアルラインとの間に結合された第2のモニタラインとを含む。コントローラは、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間のシリアルバス接続上で伝送されるシリアル通信をモニタし、モニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【0009】
さらなる態様および適用可能な領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。本開示の様々な態様は、個別に、または1つもしくは複数の他の態様と組み合わせて実装することができることを理解されたい。本明細書の説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことも理解されたい。
【0010】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態の例示のみを目的としており、すべての可能な実装ではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一例示的実施形態による、電源ユニットとバッテリバックアップユニットとの間のシリアル通信をモニタするためのシステムのブロック図である。
【
図2】
図1のシステムの例示的なI2C通信メッセージの波形図である。
【
図3】
図1のシステムのコントローラによって実行される例示的なファン速度制御方法のブロック図である。
【
図4】本開示の別の例示的な実施形態による、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間のシリアル通信をモニタするためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分または特徴を示す。
【0013】
ここで、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0014】
例示的な実施形態は、本開示が徹底的であり、当業者に範囲を十分に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、デバイス、および方法の例等、多数の特定の詳細が記載されている。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化することができること、およびいずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細には説明されない。
【0015】
また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことを理解されたい。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、および動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序でそれらの実行を必要とすると解釈されるべきではない。追加のまたは代替のステップが使用されてもよいことも理解されたい。
【0016】
第1、第2、第3等の用語は、様々な要素、構成要素、領域、層および/または部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層または部分を別の領域、層または部分と区別するためにのみ使用され得る。本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」等の用語および他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順番または順序を意味しない。したがって、以下で説明される第1の要素、構成要素、領域、層または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層または部分と呼ぶことができる。
【0017】
「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」等の空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下方」または「下」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方」を向く。したがって、例示的な用語「下方」は、上方および下方の両方の向きを包含し得る。デバイスは、他の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0018】
本開示の1つの例示的な実施形態によるシリアル通信をモニタするためのシステムが
図1に示されており、全体として参照番号100で示されている。システム100は、電源ユニット(PSU)102と、バッテリバックアップユニット(BBU)104と、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間に結合されたシリアルライン108(例えばI2Cシリアルクロックライン(SCL))と、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間に結合されたシリアルライン110(例えばI2Cシリアルデータライン(SDA))と、コントローラ106とを含む。
【0019】
コントローラ106とシリアルライン108との間にはモニタライン112が結合され、コントローラ106とシリアルライン110との間にはモニタライン114が結合されている。コントローラ106は、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間のシリアルライン108および110上で伝送されるデジタル通信をモニタし、モニタされたデジタル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【0020】
システム100は、コントローラ106が、コントローラと直接通信しないデバイス間のシリアル通信バス(例えば、I2Cシリアルクロックおよびデータライン108および110)をモニタすることを可能にする。例えば、電源ユニット102およびバッテリバックアップユニット104は、コントローラ106にメッセージを直接送信せず、コントローラ106にメッセージを送信するようにプログラムされておらず、コントローラ106がI2Cシリアルクロックならびにデータライン108および110をモニタしていることを認識していない等の理由で、コントローラ106と直接通信していない。したがって、コントローラ106は、監視制御のために間接通信フィードバックを使用すると考えることができる。
【0021】
コントローラ106は、I2Cシリアルクロックならびにデータライン108および110上のデジタル通信メッセージを解釈し、抽出されたメッセージをデバイスの制御のためのフィードバックとして使用することができる。例えば、コントローラ106は、抽出されたメッセージを使用して、電源ユニット102およびバッテリバックアップユニット104とは別のデバイス116(例えばファン等)を制御してもよく、抽出されたメッセージを使用して、電源ユニット102および/またはバッテリバックアップユニット104等を制御してもよい。
【0022】
図2は、I2Cシリアルクロックおよびデータライン108および110に沿って電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間で伝送されるメッセージの例示的な波形200を示す。メッセージは、肯定応答203によって分離された複数のビット201を含む。
【0023】
例えば、
図2に示されるように、第1のメッセージは、8ビット201(例えばBIT0~BIT7)と、それに続く肯定応答203とを含む。次いで、第2のメッセージは、さらに8ビット201と、それに続く別の肯定応答203とを含む。
【0024】
コントローラ106は、デジタル通信の開始ビット、アドレス、肯定応答、否定応答、データ値、停止ビット等のうちの少なくとも1つを決定することによってメッセージを解釈するように構成され得る。例えば、コントローラ106は、データ値またはアドレス等を提供する、メッセージの開始または停止に対応するビット201またはビット201の組み合わせを識別することができる。コントローラ106は、メッセージ等を分離するために肯定応答203を識別し得る。
【0025】
以下の表1および表2は、コントローラ106によって解釈される例示的なI2Cメッセージフレームを示しており、電源ユニット104は、スマートバッテリデータプロトコルを介してバックアップバッテリユニット102と通信しており、バッテリ温度は(0x08)のコマンドコードを有する。
表2
【0026】
コントローラ106は、メッセージからデータ値を取得し、取得したデータ値に従って、デバイス116、バッテリバックアップユニット104、電源ユニット102等の監視制御を実行するように構成されてもよい。例えば、デバイス116がファンである場合、コントローラ106は、抽出された温度を目標温度と比較することによってファンの速度を制御するように構成されてもよい。
【0027】
上述したように、スマートバッテリデータプロトコルは、バックアップバッテリユニット104の温度を決定するためにコントローラ106がI2Cメッセージフレーム内を検索するためのコマンドコードとして0x08を使用する。スマートバッテリデータプロトコルにおける例示的なコマンドコードは、以下の表3に記載されているが、他の実施形態は、スマートバッテリデータプロトコル以外のメッセージ等を使用してもよい。
表3
【0028】
図3は、I2Cシリアルクロックおよびデータライン108および110上のメッセージから抽出された温度に基づいてファン116を制御するための制御回路300の例示的な図を示す。
図3に示されるように、コントローラ106は、I2Cシリアルクロックならびにデータライン108および110上のメッセージから温度データ303を抽出する。例えば、コントローラ106は、メッセージのパケットが特定のコマンド(例えばBBU温度0x08)に対するものであるかどうか決定し、対応するデータを抽出することができる。
【0029】
次いで、コントローラ106は、比較器307を介して温度データ303を目標温度基準305と比較し、ファン116の速度を制御するためのモータ309に制御信号を出力する。目標温度基準305は、任意の適切な電圧基準、コントローラ設定値等を含むことができる。比較器307は、目標温度基準305とメッセージから抽出された温度データ303との間の差を決定するための任意の適切な差動増幅器、コントローラ計算等を含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、システム100は、電源ユニット102およびバッテリバックアップユニット104のシェルフ接続が既に固定および確定されている(例えば、サードパーティメーカ等によるものである)シェルフ用途のモニタリングを可能にする。システム100は、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間の通信をモニタするためのコントローラ106の接続を可能にする。
【0031】
例えば、コントローラ106は、バッテリバックアップユニット104の温度がシェルフに伝送されなくても、バッテリバックアップユニット104の温度に基づいてファン速度制御を提供してもよい。コントローラ106は、ファン116を制御するためにI2C通信をモニタすることができる。
【0032】
一般に、システム100は、電源ユニット102、バッテリバックアップユニット104、またはI2Cシリアルクロックおよびデータライン108および110のハードウェアを変更することなく、コントローラ106が追加の制御機能、ハウスキーピング機能等を実行することを可能にし得る。例えば、コントローラ106は、バックアップバッテリユニット104の健全性等を示すためにLEDディスプレイを制御してもよい。
【0033】
再び
図1を参照すると、コントローラ106とI2Cシリアルクロックライン108との間にモニタライン112が結合されている。コントローラ106とI2Cシリアルデータライン110との間には、モニタライン114が接続されている。
図1は、モニタライン112および114を汎用入出力(GPIO)ラインとして示しているが、他の実施形態は、コントローラ106とI2Cシリアルクロックおよびデータライン108および110との間に結合された任意の適切なワイヤ、トレース、バス等を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ライン108および110上の通信との干渉を回避するために、コントローラ106とライン108および110との間に直列抵抗が物理的に接続されてもよい。
【0034】
I2Cシリアルクロックライン108およびI2Cシリアルデータライン110は各々、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104との間に直接接続されてもよい。例えば、ライン108および110は、コントローラ106またはモニタライン112および114によって中断されなくてもよい(例えば、コントローラ106は、バッテリバックアップユニット104と電源ユニット102等との間に接続されていなくてもよい)。
【0035】
したがって、コントローラ106は、デジタル通信に遅延を導入することなく、ライン108および110上のデジタル通信をモニタすることができる(例えば、コントローラ106は、デバイス102および104の一方からデジタル通信を受信せず、デジタル通信を他方のデバイス等に再ブロードキャストすることができる)。
【0036】
図1は、I2Cシリアルクロックおよびデータラインとしてライン108および110を示しているが、他の実施形態では、ライン108および110は他の適切なシリアル通信ラインであってもよい。例えば、バッテリバックアップユニット104および電源ユニット102は、シリアル周辺インタフェース(SPI)バス、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、ユニバーサル非同期受信機-送信機(UART)バス等を介して接続されてもよい。
【0037】
バッテリバックアップユニット104および電源ユニット102は、例えば、1つのラインのみを介して、2つのラインを介して、3つのラインを介して、4つのラインを介して、またはそれ以上のラインを介して接続されてもよい。ライン108および110は、任意の適切なワイヤ、回路基板上の導電性トレース、専用バスアーキテクチャ等を含んでもよい。
【0038】
コントローラ106は、メモリを含んでもよい任意の適切なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、デジタル信号プロセッサ等を含むことができる。コントローラ106は、任意の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェア実装を使用して、本明細書に記載の例示的なプロセスのいずれかを実行する(例えば、実行するように動作可能である等)ように構成されてもよい。例えば、コントローラ106は、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行することができ、上述のように、1つまたは複数の論理ゲート、制御回路等を含むことができる。
【0039】
図1は、電源ユニット102とバッテリバックアップユニット104とを含むシステム100を示す。他の実施形態において、コントローラは、他のタイプの電子デバイス間のI2C通信をモニタすることができる。例えば、
図4は、マスタ電子デバイス402およびスレーブ電子デバイス404を含むシステム400を示す。
【0040】
マスタ電子デバイス402は、I2Cシリアルクロックライン408およびI2Cシリアルデータライン410を含むI2C通信バスを介してスレーブ電子デバイス404に接続されている。コントローラ406は、マスタ電子デバイス402とスレーブ電子デバイス404との間のライン408および410上の通信をモニタする。
【0041】
例えば、コントローラ406とI2Cシリアルクロックライン408との間にはモニタライン412が結合されており、コントローラ406とI2Cシリアルデータライン410との間にはモニタライン414が結合されている。コントローラ406は、I2Cシリアルクロックならびにデータライン408および410上で伝送されるデジタル通信をモニタし、モニタされたデジタル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【0042】
図4は、I2Cシリアルクロックおよびデータラインとしてライン408および410を示しているが、他の実施形態では、ライン408および410は他の適切なシリアル通信ラインであってもよい。例えば、マスタ電子デバイス402およびスレーブ電子デバイス404は、シリアル周辺インタフェース(SPI)バス、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、ユニバーサル非同期受信機-送信機(UART)バス等を介して接続されてもよい。
【0043】
マスタ電子デバイス402およびスレーブ電子デバイス404は、例えば、1つのラインのみを介して、2つのラインを介して、3つのラインを介して、4つのラインを介して、またはそれ以上のラインを介して接続されてもよい。ライン408および410は、任意の適切なワイヤ、回路基板上の導電性トレース、専用バスアーキテクチャ等を含んでもよい。
【0044】
別の例示的な実施形態において、システム内のシリアル通信をモニタするための方法が開示される。システムは、電源と、バッテリバックアップユニットと、電源とバッテリバックアップユニットとの間に結合されたシリアルバスと、コントローラと、コントローラとシリアルバスとの間に結合されたモニタラインとを含む。本方法は、コントローラによって、電源とバッテリバックアップユニットとの間のシリアルバス上で伝送されるシリアル通信をモニタするステップと、シリアルバス上のモニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈するステップと、解釈されたデジタル通信のメッセージに従って制御機能を実行するステップとを含む。
【0045】
本方法は、コントローラによって、電源とバッテリバックアップユニットとの間のシリアルバス上で伝送されるシリアル通信をモニタするステップと、シリアルバス上のモニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈するステップと、解釈されたデジタル通信のメッセージに従って制御機能を実行するステップとを含む。
【0046】
制御機能を実行するステップは、電源およびバッテリバックアップユニットの少なくとも一方の動作を制御すること、ならびに/または電源およびバッテリバックアップユニット以外のデバイスの動作を制御することを含んでもよい。システムはファンを含んでもよく、制御機能を実行するステップは、解釈されたメッセージに従ってファンの速度を制御することを含んでもよい。例えば、メッセージを解釈するステップは、メッセージからバッテリバックアップユニットの温度を抽出することを含んでもよく、ファンの速度を制御することが、抽出された温度を目標温度基準と比較することを含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、シリアルバスは、集積回路間(I2C)バス、シリアル周辺インタフェース(SPI)バス、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、およびユニバーサル非同期受信機-送信機(UART)バスのうちの少なくとも1つを含む。
【0048】
別の例示的な実施形態によれば、シリアル通信をモニタするためのシステムは、マスタ電子デバイスと、シリアルバス接続を介してマスタと接続されたスレーブ電子デバイスとを含む。シリアルバス接続は、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に結合された第1のシリアルラインと、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に結合された第2のシリアルラインとを含む。
【0049】
システムはまた、コントローラと、コントローラと第1のシリアルラインとの間に結合された第1のモニタラインと、コントローラと第2のシリアルラインとの間に結合された第2のモニタラインとを含む。コントローラは、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間のシリアルバス接続上で伝送されるシリアル通信をモニタし、モニタされたシリアル通信に含まれるメッセージを解釈し、解釈されたメッセージに従って制御機能を実行するように構成される。
【0050】
コントローラは、シリアル通信の開始ビット、アドレス、肯定応答、否定応答、データ値、および停止ビットのうちの少なくとも1つを決定することによってメッセージを解釈するように構成され得る。コントローラは、解釈されたメッセージからデータ値を取得し、取得されたデータ値に従って制御機能を実行するように構成されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、コントローラは、マスタ電子デバイスおよびスレーブ電子デバイスのうちの少なくとも1つの動作を制御することによって制御機能を実行するように構成される。コントローラは、マスタ電子デバイスおよびスレーブ電子デバイス以外のデバイスの動作を制御することによって制御機能を実行するように構成されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1のシリアルラインは、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に直接接続され、第2のシリアルラインは、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間に直接接続され、コントローラは、マスタ電子デバイスおよびスレーブ電子デバイスと通信していない。コントローラ、第1のモニタラインおよび第2のモニタラインは、マスタ電子デバイスとスレーブ電子デバイスとの間の第1のシリアルラインまたは第2のシリアルラインを遮断しなくてもよい。例えば、シリアル通信をモニタするステップは、シリアル通信に遅延を導入しなくてもよい。
【0053】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供されている。網羅的であること、または本開示を限定することは意図されない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、該当する場合には交換可能であり、具体的に図示または説明されていなくても、選択された実施形態で使用することができる。これはまた、多くの手法で変更されてもよい。そのような変形は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、すべてのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】