(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027554
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するシステム、装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
H04L12/28 400
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021121323
(22)【出願日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】16/942,260
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521227078
【氏名又は名称】アステック インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビバール,ビンセント,ビセンテ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド,ジェームス,ラリン
(72)【発明者】
【氏名】デ ラマ,フランシス,ザビエル シカット
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA04
5K033DA01
5K033DA11
5K033EC01
5K033EC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するシステム、装置及び方法を提供する。
【解決手段】システム200は、マスタ装置202と、夫々がシリアル通信送受信部206A~C、アドレス入力ポート214A~C、アドレス出力ポート216A~C及び制御部208A~Cを含む複数のスレーブ装置204A~Cと、を含む。システムはまた、マスタ及びスレーブ装置のシリアル通信送受信部間に接続されたシリアル通信配線バス212Aと、アドレス入力ポートとアドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線210とを含む。各制御部は、複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置からPWM又はPFM信号を受信し、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を含むスレーブ装置のアドレスを決定し、決定したアドレスを示すPWM又はPFM信号を複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するシステムであって、
シリアル通信送受信部を含むマスタ装置と、
複数のスレーブ装置であって、該スレーブ装置の各々が、シリアル通信送受信部、アドレス入力ポート、アドレス出力ポート、及び制御部を含み、該制御部が、該シリアル通信送受信部、該アドレス入力ポート及び該アドレス出力ポートと通信する、複数のスレーブ装置と、
前記マスタ装置の前記シリアル通信送受信部と前記複数のスレーブ装置の前記シリアル通信送受信部との間に接続されたシリアル通信配線バスと、
デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置の前記アドレス入力ポートと前記アドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線と
を備え、
前記制御部の各々が、
前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置から前記アドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信し、
前記受信したPWM又はPFM信号に従って前記制御部を備える前記スレーブ装置のアドレスを決定し、
PWM又はPFM信号を、前記アドレス出力ポートを介して前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信するように構成され、
前記送信したPWM又はPFM信号が、前記決定したアドレスを示し、前記受信したPWM又はPFM信号とは異なっている、システム。
【請求項2】
前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの第1のスレーブ装置の前記制御部が、
起動中にプルアップ電圧レベルの直流信号を検出し、
起動中に前記直流信号を検出したことに応答して第1のアドレスを要求することによって前記第1のスレーブ装置のための前記アドレスを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部が、前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの第2のスレーブ装置に送信するために、前記要求した第1のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のスレーブ装置の前記制御部が、
前記第1のアドレスに対応する前記第1のスレーブ装置から受信した前記所定のPWM又はPFM信号に従って前記第1のスレーブ装置が要求した前記第1のアドレスを識別することによって、及び
前記第1のスレーブ装置が要求した前記第1のアドレスの識別に応答して第2のアドレスを要求することによって、
前記第2のスレーブ装置のための前記アドレスを決定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御部が、前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの第3のスレーブ装置に送信するために、前記要求した第2のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御部の各々が、
前記前のスレーブ装置が要求した前記アドレスに対応する、前記前のスレーブ装置から受信した前記PWM又はPFM信号に従って、前記前のスレーブ装置が要求した前記アドレスを識別することによって、及び
前記前のスレーブ装置が要求した前記アドレスの識別に応答して、次のアドレスを要求することによって、
前記制御部を備える前記スレーブ装置の前記アドレスを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部が、前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信するために、前記要求した次のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
外部装置がアドレス解決プロセスを開始することなく、前記制御部の各々が、前記制御部を備える前記スレーブ装置の前記アドレスを自動的に決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御部の各々が、前記シリアル通信配線バスを介した他のスレーブ装置とのハンドシェイクプロセスなしに、前記制御部を備える前記スレーブ装置の前記アドレスを自動的に決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスレーブ装置が決定した前記アドレスをロックするために、前記マスタ装置が、保存コマンドを、前記シリアル通信配線バスを介して前記スレーブ装置のうちの少なくとも1つに送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスレーブ装置が決定した前記アドレスをリセットするために、前記マスタ装置が、解放コマンドを前記シリアル通信配線バスを介して前記スレーブ装置のうちの少なくとも1つに送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置の前記アドレス入力ポートと前記アドレス出力ポートとの間に接続された3つ以上のアドレス線を含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記スレーブ装置の各々が、前記スレーブ装置のアドレスを設定するためのディップスイッチを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
園芸照明器具であって、前記複数のスレーブ装置が、該園芸照明器具を制御するために結合された、園芸照明器具、
通信機器であって、前記複数のスレーブ装置が、該通信機器を制御するために結合された、通信機器、又は
ハイパースケール機器であって、前記複数のスレーブ装置が、該ハイパースケール機器を制御するために結合された、ハイパースケール機器を
さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
システム内でシリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定する方法であって、
前記システムが、
シリアル通信送受信部を含むマスタ装置と、
複数のスレーブ装置であって、該スレーブ装置の各々が、シリアル通信送受信部、アドレス入力ポート、アドレス出力ポート、及び制御部を含む複数のスレーブ装置と、
前記マスタ装置の前記シリアル通信送受信部と前記複数のスレーブ装置の前記シリアル通信送受信部との間に接続されたシリアル通信配線バスと、
デイジチェーン配置において前記複数のスレーブ装置の前記アドレス入力ポートと前記アドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線とを備え、
前記方法が、
前記複数のスレーブ装置のうちの1つのスレーブ装置の制御部によって、前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置から前記アドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信することと、
前記受信したPWM又はPFM信号に従って、前記制御部を備える前記スレーブ装置のアドレスを決定することと、
PWM又はPFM信号を前記アドレス出力ポートを介して前記デイジチェーン配置における前記複数のスレーブ装置の次のスレーブ装置に送信すること
とを含み、
前記送信したPWM又はPFM信号が、前記決定したアドレスを示し、前記受信したPWM又はPFM信号とは異なる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本項は、必然的に従来技術ではない本開示に関連する背景情報を提供する。
【0003】
従来、RS-485スレーブ装置のアドレスは、有線アドレス線によって決定される。アドレス線は、有線アドレス線からアドレス指定信号を復号して、その割り当てられたアドレスを決定するRS-485スレーブ装置の制御部に接続される。例示的なシステム100が
図1に示され、スレーブ装置104A、104B及び104Cの各々は、4つ以上の有線アドレス線110を介して外部装置からアドレス指定信号を受信する。
【0004】
この手法では、スレーブ装置の数が増えると、さらに多くの有線アドレス線が必要になる。これは、特に装置を互いに離して配置した場合、配線を複雑にし、費用がかかることになる。スレーブ装置筐体の外部にあるディップスイッチを使用して、各アドレス線の状態を手動で指定する場合は、装置の費用も増加させる。
【0005】
RS-485バス112A及び112Bを切断してアドレスデータをスレーブ装置104A、104B、及び104Cに送信することによって、外部装置を使用して自動アドレス指定プロセスを開始することができる。RS-485バス112A及び112Bを切断することに加えて、装置間のハンドシェイクを使用することは、この手法を複雑にし、費用がかかることになる。
【0006】
異なるアドレスを指定するために、スレーブ装置104A、104B及び104Cの間に異なる抵抗を接続することができる。しかしながら、この手法は、制御部108A、108B及び108C内にアナログ-デジタル変換器が必要になり、そのため、実装に費用がかかり、柔軟性がない。
【発明の概要】
【0007】
本項は、本開示の一般的な概要を説明するものであり、その全範囲又はその特徴のすべての包括的な開示ではない。
【0008】
本開示の一態様によれば、シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するためのシステムは、シリアル通信送受信部を含むマスタ装置と、それぞれがシリアル通信送受信部、アドレス入力ポート、アドレス出力ポート、及び制御部を含む複数のスレーブ装置とを含む。制御部は、シリアル通信送受信部、アドレス入力ポート及びアドレス出力ポートと通信する。システムはまた、マスタ装置のシリアル通信送受信部と複数のスレーブ装置のシリアル通信送受信部との間に接続されたシリアル通信配線バスと、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のアドレス入力ポートとアドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線とを含む。各制御部は、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信し、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定し、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介してデイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信するように構成される。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0009】
本開示の別の態様によれば、装置は、RS-485配線バスを介してマスタ装置からコマンドを受信するためのRS-485送受信部と、第1のデジタルアドレス線に結合するためのアドレス入力ポートと、第2のデジタルアドレス線に結合するためのアドレス出力ポートと、RS-485送受信部、アドレス入力ポート及びアドレス出力ポートと通信する制御部とを備える。制御部は、第1の他のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信し、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定し、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介して第2の他のスレーブ装置に送信するように構成される。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0010】
本開示の別の態様によれば、システム内でシリアル接続された装置を自動的にアドレス指定する方法が開示される。システムは、シリアル通信送受信部を含むマスタ装置と、それぞれがシリアル通信送受信部、アドレス入力ポート、アドレス出力ポート、及び制御部を含む複数のスレーブ装置と、マスタ装置のシリアル通信送受信部と複数のスレーブ装置のシリアル通信送受信部との間に接続されたシリアル通信配線バスと、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のアドレス入力ポートとアドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線とを含む。本方法は、複数のスレーブ装置のうちの1つのスレーブ装置の制御部によって、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信することと、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定することと、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介してデイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信することとを含む。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0011】
さらなる態様及び適用可能な領域が、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。本開示の様々な態様は、個別に、又は1つ若しくは複数の他の態様と組み合わせて、実施され得ることを理解されたい。本明細書の説明及び特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことも理解されたい。
【0012】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態の例示のみを目的としており、すべての可能な実施態様ではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来技術による、マスタ装置及び複数のシリアル接続されたスレーブ装置を含むシステムのブロック図である。
【
図2】本開示の1つの例示的な実施形態による、アドレスを複数のシリアル接続されたスレーブ装置に自動的に割り当てるためのシステムのブロック図である。
【
図3】本開示の別の例示的な実施形態による、アドレスを複数のシリアル接続されたスレーブ装置に自動的に割り当てるための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分又は特徴を示す。
【0015】
ここで、添付の図面を参照して、例示的な実施形態を十分に説明する。
【0016】
例示的な実施形態は、本開示が完全であるように、かつ当業者に範囲を十分に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素、装置、及び方法の例など、多数の特定の詳細を記載している。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化することができること、及びそのいずれも本開示の範囲を限定しないと解釈されるべきことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知の装置構造、及び周知の技術を詳細には説明しない。
【0017】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「この(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(including)」及び「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組の存在又は追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、及び動作は、実施の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明又は図示された特定の順序でそれらの実施が必要であると解釈されるべきではない。追加又は代替のステップを使用してもよいことも理解されたい。
【0018】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語を、様々な要素、構成要素、領域、層及び/又は部分を説明するために本明細書で使用する場合があるが、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又は部分は、それらの用語によって限定されるべきではない。1つの要素、構成要素、領域、層又は部分を、別の領域、層又は部分と区別するためにのみ、これらの用語を使用することができる。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」などの用語及び他の数値用語は、文脈によって明確に示されない限り、順番又は順序を意味しない。したがって、以下で説明する第1の要素、構成要素、領域、層又は部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層又は部分と呼ぶことができる。
【0019】
本明細書では、図に示すように、1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明する記述を容易にするために、「内側」、「外側」、「真下」、「下」、「下側」、「上」、「上側」などの空間的に相対的な用語を使用する場合がある。空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することを意図している。例えば、図中の装置が上下逆になった場合、他の要素又は特徴の「下」又は「真下」と記載された要素は、他の要素又は特徴の「上」にある。したがって、例示的な用語「下」は、上下両方の向きを包含することができる。装置は、他の方向に向けられ(90度又は他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて解釈される。
【0020】
本開示の1つの例示的な実施形態による、シリアル接続されたスレーブ装置を自動的にアドレス指定するシステムを
図2に示し、概して参照番号200で示している。システム200は、シリアル通信送受信部206Dを含むマスタ装置202と、複数のスレーブ装置204A、204B及び204Cとを含む。
【0021】
スレーブ装置204Aは、シリアル通信送受信部206Aと、アドレス入力ポート214Aと、アドレス出力ポート216Aと、制御部208Aとを含む。制御部208Aは、シリアル通信送受信部206A、アドレス入力ポート214A及びアドレス出力ポート216Aと通信する。
【0022】
同様に、スレーブ装置204Bは、シリアル通信送受信部206Bと、アドレス入力ポート214Bと、アドレス出力ポート216Bと、制御部208Bとを含む。スレーブ装置204Cは、シリアル通信送受信部206Cと、アドレス入力ポート214Cと、アドレス出力ポート216Cと、制御部208Cとを含む。
【0023】
システム200はまた、マスタ装置202のシリアル通信送受信部206Dと複数のスレーブ装置204A、204B及び204Cのシリアル通信送受信部206A、206B及び206Cとの間に接続されたシリアル通信配線バス(例えば、線212A及び212B)を含む。少なくとも1つのデジタルアドレス線210は、スレーブ装置204A、204B及び204Cのアドレス入力ポート214A、214B及び214Cとアドレス出力ポート216A、216B及び216Cとの間で、デイジチェーン配置で接続される。
【0024】
制御部208A、208B及び208Cの各々は、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信し、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定し、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介してデイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信するように構成され得る。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0025】
例えば、スレーブ装置204Aは、デイジチェーン配置における第1の制御部であってもよく、(例えば、スレーブ装置204Aのアドレス入力ポート214Aは抵抗器を介してプルアップ電圧基準に接続されており、スレーブ装置204Aがデイジチェーン配置における第1の装置であるので、アドレス入力ポート214Aは、PWM又はPFM信号を受信しないため、)スレーブ装置204Aの制御部208Aは、システム200の起動中にプルアップ電圧レベルで直流信号を検出することができる。
【0026】
制御部208Aは、起動中に直流信号を検出したことに応答して、第1のアドレス(例えば、0x01)を要求することによって、第1のスレーブ装置204Aのアドレスを決定することができる。次に、制御部208Aは、アドレス出力ポート216Aを介してスレーブ装置204B(例えば、デイジチェーン配置における第2のスレーブ装置又は次のスレーブ装置)に送信するために、要求した第1のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定することができる。
【0027】
例えば、スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々は、アドレスをPWM又はPFM信号にリンクする、ルックアップテーブル、計算式などを保存することができる。PWM又はPFM信号をアドレスにマッピングする例を以下の表1に示す。
【0028】
上記の例では、第1の制御部208Aは、100%デューティサイクル信号又は0Hz信号(すなわち、プルアップ電圧基準の直流信号)を受信することができる。そして、第1の制御部は、ルックアップテーブル内の第1のアドレス0x01を選択し、アドレス出力ポート216Aにおいて5%のPWM信号又は400HzのPFM信号を出力する。
【0029】
スレーブ装置204Bの制御部208Bは、スレーブ装置204Aからアドレス入力ポート214Bを介してPWM又はPFM信号を受信する。(例えば、PWM又はPFM信号は、第1のスレーブ装置204Aなどが要求した第1のアドレスに対応しているので、)制御部208Bは、PWM又はPFM信号に従って、第1のスレーブ装置204Aが要求した第1のアドレスを識別する。
【0030】
PWM又はPFM信号に基づいて第1のスレーブ装置204Aが要求した第1のアドレスを識別した後、制御部208Bは、第2のスレーブ装置204Bの第2のアドレス(例えば、0x02など、メモリに保存された所定のシーケンス内の次のアドレス)を要求することができる。上記と同様に、制御部208Bは、次に、アドレス出力ポート216Bを介してスレーブ装置204C(例えば、デイジチェーン配置における第3のスレーブ装置又は次のスレーブ装置)に送信するために、要求した第2のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定することができる。
【0031】
上記の例では、制御部208Bは、スレーブ装置204Aから5%のPWM信号又は400HzのPFM信号を受信し、スレーブ装置204Aがアドレス0x01を要求したと決定し、スレーブ装置204Bの次のアドレス0x02を選択する。次に、制御部208Bは、アドレス0x02を要求したことを示すために、10%のPWM信号又は390HzのPFM信号を出力する。
【0032】
次に、制御部208Cは、アドレス入力ポート214Cで受信したPWM又はPFM信号に基づいて以前に要求されたアドレスを識別し、第3のスレーブ装置204Cの第3のアドレスを要求し、要求した第3のアドレスに対応する新規のPWM又はPFM信号を、アドレス出力ポート216Cを介して送信することができる。すべてのスレーブ装置が自動的かつ自律的に一意のアドレスを要求するまで、このプロセスをシステム内の各スレーブ装置に対して繰り返すことができる。
【0033】
アドレス線210は、スレーブ装置204A、204B及び204Cをデイジチェーン配置で互いに接続する。デイジチェーン配置は、直列、リングなどスレーブ装置204A、204B及び204Cの互いに任意の適切な配線接続を含むことができる。アドレス線210は、装置204A、204B及び204Cの間で、PWM及び/又はPFM信号を含むデジタル信号を送信するために、任意の適切な電気バス、ワイヤなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、アドレス線210は、(例えば、接地線及び信号線などを有する)二線接続であってもよい。
【0034】
アドレス入力ポート214A、214B及び214C、並びにアドレス出力ポート216A、216B及び216Cは、スレーブ装置204A、204B及び204Cとの間で信号を送受信するための任意の適切なコネクタ、端子、パッドなどを含むことができる。
【0035】
図2は、デイジチェーン配置で接続された3つのスレーブ装置204A、204B及び204Cを示しているが、他の実施形態は、多くの又は少ないスレーブ装置を含んでもよく、スレーブ装置は、デイジチェーン以外の配置などで互いに接続されてもよい。
【0036】
図2では、RS-485送受信部として、シリアル通信送受信部206A、206B、206C及び206Dを示している。他の実施形態では、システム200は、任意の適切なシリアル通信送受信部、任意の適切なシリアル通信配線バス(線212A及び212B)及びプロトコル、任意の適切なシリアル通信装置などを含むことができる。例えば、システム200は、RS-422装置及び通信インターフェース、コントローラエリアネットワーク(CAN)装置及び通信インターフェースなどを使用することができる。
【0037】
【0038】
マスタ装置202と、スレーブ装置204A、204B及び204Cとの間のシリアル通信接続は、任意の適切な電気バス(例えば、線形バストポロジ)、ワイヤなどを含み得る2つの線212A及び212Bを含む。例えば、差動信号は、2本のワイヤのツイストペアなどを介した通信に使用することができる。
【0039】
マスタ装置202が命令を線212A及び212Bを介してスレーブ装置204A、204B及び204Cに送信するとき、命令がスレーブ装置向けであるか否かを決定するために、スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々は、マスタ装置202から受信した命令内のアドレスと、それら自体のアドレスとを比較することができる(例えば、アドレスが一致する場合など)。
【0040】
いくつかの実施形態では、マスタ装置202は、保存コマンドを、シリアル通信配線バス212A及び212Bを介して、スレーブ装置204A、204B及び204Cのうちの少なくとも1つに送信することができる。保存コマンドを使用して、スレーブ装置などによって要求されたアドレスをロックすることができる。例えば、保存コマンドの受信に応答して、スレーブ装置は、他のスレーブ装置がそれら自体のアドレスを変更した場合でも、その要求されたアドレスをロックし、要求されたアドレスを変更しない場合がある(例えば、ロックされたスレーブ装置が受信するPWM又はPFM信号が変化した場合でも、ロックされたスレーブ装置は、そのアドレスを更新しないことになる。)。
【0041】
なお、マスタ装置202は、解放コマンドを、シリアル通信配線バス212A及び212Bを介して、スレーブ装置204A、204B及び204Cの少なくとも1つに送信することができる。解放コマンドを使用して、スレーブ装置などによって要求されるアドレスをリセットすることができる。例えば、解放コマンドの受信に応答して、スレーブ装置は、その要求されたアドレスをリセットし、次いで、スレーブ装置が受信したPWM又はPFM信号に基づいて自動的に新規のアドレスを取得することができる。
【0042】
保存コマンド及び解放コマンドは、自律的解決プロセスに影響できないが、デイジチェーン内の1つ又は複数の装置の電源がオフである場合、アドレスの動的な変更を回避するためにプロセスを補うことができる(例えば、1つのスレーブ装置がオフである場合、他の装置はそれら自体のアドレスを変更できない)。
【0043】
システム200は、少なくとも1つのアドレス線210、及びPWM又はPFM信号を使用して、スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々の自動アドレス指定を可能にする。スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々は、前のスレーブ装置からPWM又はPFM信号を受信し、信号に基づいて前のスレーブ装置が使用したアドレスを識別する(又は、PWM又はPFM信号などがない状態でプルアップ電圧が検出されたときに第1のアドレスを要求する)ことができる。これにより、スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々に一意のアドレスを自動的に割り当てることができる。
【0044】
システム200は、一意のアドレスを割り当てるために、スレーブ装置204A、204B及び204C、又はマスタ装置202間のいかなるハンドシェイクも必要としない場合があり、さらに、アドレスをスレーブ装置204A、204B及び204Cに送信するためにシリアル通信バス212A及び212Bを切断する必要がない場合がある。スレーブ装置204A、204B及び204Cは、スレーブ装置204A、204B及び204Cのアドレスを手動で設定するためのディップスイッチ又は他の外部インターフェースを必要としない場合がある。
【0045】
いくつかの実施形態では、アドレス解決プロセスを開始する外部装置からアドレスを割り当てるために、4つ、8つ、又はそれ以上の配線を必要とする複雑な配線方式とは対照的に、アドレス線210は、アドレスを割り当てるために、PWM及びPFM信号を送信する1つ又は2つのワイヤを含むだけでよい。システム200では、スレーブ装置204A、204B及び204Cの各々は、スレーブ装置204A、204B及び204Cの間で送信されたPWM及びPFM信号に従って、起動時などにそれら自体のアドレスを決定することができる。
【0046】
したがって、システム200は、アドレス解決プロセスを開始する外部装置を含まなくてもよく、外部トリガなどを含まなくてもよい。アドレス解決のための外部装置を省略し、アドレス線210に必要なワイヤの数を減らすことにより、システムの費用及び複雑さを低減することができ、スレーブ装置204A、204B及び204Cの間でアドレス線210を配線するために必要な時間及び空間を低減することができ、エラー及びバグなどを低減することができる。
【0047】
この自動アドレス指定は、アドレス線の一意の組み合わせをRS-485バス内の各装置に割り当てる際に、ケーブル配線、又は構成の保守/管理の複雑さを回避するために、現場設置に極めて有用である。現場設置は、最小限の設定プロセスだけが必要とされ、ヒューマンエラーを回避し、RS-485通信インターフェースを有するシステムを設定する技術者の生産性を高めることができる。これらの利点は、システム内のスレーブ装置の数が増加するにつれて、さらに重要になる可能性がある。
【0048】
マスタ装置とスレーブ装置との間のシリアル接続(例えば、RS-485、RS-422、CANなど)を使用する任意の適切なアプリケーションで、システム200を使用することができる。例えば、園芸照明用途では、顧客及び設置業者は、ケーブルの追加の気遣い、又は装置アドレスの再構成なしに、発光ダイオードを駆動する電源ユニットを追加することができる。
【0049】
電気通信用途では、現場設備(例えば、屋根、塔など)は、システム内の様々なモジュールのタイプ、及び各モデルタイプ毎の装置の数の観点から、様々な構成を有することができる。システム200は、設置業者の生産性を高め、ヒューマンエラーを回避し、装置アドレス指定などに関連する費用を低減することができる。
【0050】
ハイパースケール用途では、電源シェルフは、標準通信インターフェースとしてRS-485を介して適応Modbusを使用することができる。システム200は、システムレベルで装置アドレス構成を維持及び管理する際に、支援することができる。制御部208A、208B及び208Cは、メモリを含み得る、任意の適切なマイクロプロセッサ、マイクロ制御装置、集積回路、デジタル信号プロセッサなどを含むことができる。任意の適切なハードウェア及び/又はソフトウェア実装を使用して、制御部208A、208B及び208Cは、本明細書に記載の例示的なプロセスのいずれかを実施する(例えば、動作可能に実施する)ように構成され得る。例えば、制御部208A、208B及び208Cは、メモリに保存されたコンピュータ実行可能命令を実行することができ、上述したように、1つ又は複数の論理ゲート、制御回路などを含むことができる。
【0051】
本開示の別の態様によれば、装置は、RS-485配線バスを介してマスタ装置からコマンドを受信するためのRS-485送受信部と、第1のデジタルアドレス線に結合するためのアドレス入力ポートと、第2のデジタルアドレス線に結合するためのアドレス出力ポートと、RS-485送受信部、アドレス入力ポート及びアドレス出力ポートと通信する制御部とを備える。
【0052】
制御部は、第1の他のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を受信し、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定し、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介して第2の他のスレーブ装置に送信するように構成される。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0053】
いくつかの実施形態では、制御部は、第1の他のスレーブ装置が要求したアドレスに対応する、第1の他のスレーブ装置から受信した所定のPWM又はPFM信号に従って、第1の他のスレーブ装置が要求したアドレスを識別することによって、さらに第1の他のスレーブ装置が要求したアドレスの識別に応答して次のアドレスを要求することによって、スレーブ装置のアドレスを決定するように構成され得る。
【0054】
制御部は、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの第2の他のスレーブ装置に送信するために、要求した次のアドレスに対応する所定のPWM又はPFM信号を決定するように構成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、制御部は、マスタ装置からRS-485配線バスを介して保存コマンドを受信し、マスタ装置から保存コマンドを受信したことに応答して決定したアドレスをロックするように構成され得る。制御部は、マスタ装置からRS-485配線バスを介して解放コマンドを受信し、マスタ装置から解放コマンドを受信したことに応答して決定したアドレスをリセットするように構成され得る。
【0056】
図3は、別の例示的な実施形態による、システム内でシリアル接続された装置を自動的にアドレス指定する方法300を示す。システムは、シリアル通信送受信部を含むマスタ装置と、それぞれがシリアル通信送受信部、アドレス入力ポート、アドレス出力ポート、及び制御部を含む複数のスレーブ装置と、マスタ装置のシリアル通信送受信部と複数のスレーブ装置のシリアル通信送受信部との間に接続されたシリアル通信配線バスと、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のアドレス入力ポートとアドレス出力ポートとの間に接続された少なくとも1つのデジタルアドレス線とを含む。
【0057】
方法300は、301において、デイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの前のスレーブ装置からアドレス入力ポートを介してパルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)信号を(例えば、複数のスレーブ装置のうちの1つのスレーブ装置の制御部によって)受信することを含む。
【0058】
303において、方法300は、受信したPWM又はPFM信号に従って、制御部を備えるスレーブ装置のアドレスを決定することを含む。305において、方法300は、PWM又はPFM信号を、アドレス出力ポートを介してデイジチェーン配置における複数のスレーブ装置のうちの次のスレーブ装置に送信することを含む。送信したPWM又はPFM信号は、決定したアドレスを示し、受信したPWM又はPFM信号とは異なる。
【0059】
方法300は、307において、マスタ装置からシリアル通信配線バスを介して保存コマンドを受信することと、マスタ装置から保存コマンドを受信したことに応答して、又はマスタ装置からRS-485配線バスを介して解放コマンドを受信したことに応答して、決定したアドレスをロックすることと、マスタ装置から解放コマンドを受信したことに応答して、決定したアドレスをリセットすることとを任意選択で含むことができる。
【0060】
実施形態の前述の記述は、例示及び記述の目的で提供されている。それは、網羅的であること、又は本開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、適用可能な場合には交換可能であり、具体的に図示又は説明されていなくても、選択された実施形態で使用することができる。これはまた、多くの方法で変更されてもよい。そのような変形形態は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、すべてのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【外国語明細書】