(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027555
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】無線綴じされた印刷製品を製造するための機械のクランプ開放システム
(51)【国際特許分類】
B42C 19/08 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
B42C19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121325
(22)【出願日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】10 2020 120 131.1
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ブラショス
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ミュラー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クランプチェーンに付属するバインダクランプが所定の回動軌道に沿って機械の、即ち無線綴じ機の個々の処理ステーションを通過する前に、個々の各バインダクランプに、所定の生産速度に従ったサイクル操作中に連続的に同じ又は異なる寸法のブックブロックを装填することができる、機械に統合されたクランプ開放システムを提供する。
【解決手段】ブックブロックの装填位置で、クランプ外部手段(355,356)は、可動のクランプ内部手段(350)に対する押圧操作により、収容すべきブックブロックの厚さに依存した、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の予定の開放を実現し、押圧操作により、予荷重を受けたバネによる反力が構成され、この反力が、現在のサイクル内で、収容されたブックブロックへの押付け力として実現可能である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと作用結合しており、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段が、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放を実現するものにおいて、
ブックブロック(200)の装填位置(300)で、駆動ユニット(301)によって操作可能なクランプ外部手段(355,356)が、駆動に関連した押圧操作(351)を可動のクランプ内部手段(350)に付与可能であり、このクランプ内部手段が、収容すべきブックブロックの厚さに依存した、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の予定の開放(600)を実現すること、及び、駆動に関連した押圧操作により、反力が構成可能であり、この反力が、現在のサイクル内で、収容されたブックブロックへの押付け力として実現可能であること、を特徴とする機械。
【請求項2】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段が、バインダクランプに付属するクランプジョー(151)の開放を実現するものにおいて、
ブックブロック(200)の排出位置(400)で、別のユニット(401)によって操作可能なクランプ外部手段(355,356)により、駆動に関連した押圧操作(351)が可動のクランプ内部手段(350)に付与可能であり、この押圧操作によって、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョーの付加的な開放(600)が発生可能であり、この開放が、案内されたブックブロックの解放のために調整されていること、を特徴とする機械。
【請求項3】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段が、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放を実現するものにおいて、
クランプチェーン(20)の回動に沿って、ブックブロック(200)の装填位置(300)と排出位置(400)に対して別の操作位置(500)に、少なくとも1つの別のクランプ開放システムが配置され、この別のクランプ開放システムが、駆動ユニット(501)とこの駆動ユニットによって操作可能なクランプ外部手段(355,356)から成り、このクランプ外部手段によって、それぞれ、駆動に関連した押圧操作(351)が可動のクランプ内部手段(350)に付与可能であり、この押圧操作が、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の操作状態に適合させた開放(600)を実現すること、を特徴とする機械。
【請求項4】
装填位置(300)、排出位置(400)及び別の操作位置(500)での開放(600)が、同じ又は異なる開放率を備えること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項5】
駆動ユニット(301,401,501)が、実質的に、モータ(353)、好ましくはサーボモータとトランスミッション(354)から成ること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
バインダクランプ(101)の可動の内部手段(350)が、フラップから成ること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項7】
クランプ外部手段が、少なくとも1つのレバー(356)と、このレバーの終端側に配置された少なくとも1つのローラ(356)から成ること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
装填位置(300)が、無線綴じ機として構成された前記機械(10)のクランプチェーン(20)の回動方向に動作する処理ステーションの上流に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項9】
排出位置(400)が、無線綴じ機として構成された前記機械(10)のクランプチェーン(20)の回動方向に動作する処理ステーションの下流に配置されていること、を特徴とする請求項2に記載の機械。
【請求項10】
バインダクランプ(101)に付属するクランプジョーのそれぞれ予定の開放(600)が、保持システム(170)によって一時的又は連続的に固定可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
保持システム(170)の機構が、実質的に、ラチエット(172)と、このラチエットと作用結合している移動可能なデテント(171)から成り、このデテントが、所定の位置でのクランプジョーのロックを実現すること、を特徴とする請求項10に記載の機械。
【請求項12】
駆動ユニット(301,401,501)が、クランプ外部手段(355,356)の旋回運動を誘起し、この旋回運動によって、押圧操作(351)が、可動のクランプ内部手段(350)の前面(352)に伝達可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項13】
少なくとも、ブックブロック(200)の装填位置(300)又は排出位置(400)又は回動するクランプチェーン(20)に沿った他の操作位置(500)で、バインダクランプに付属するクランプジョー(151)の開放(600)が、他の手段によって提供可能であり、これら手段の開放措置によって、同時に反力(160)が構成可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の機械。
【請求項14】
反力が、バネ(160)のプリロード力によって、又は、機械的、空気圧的又は油圧的な力の変換によって実現可能であること、を特徴とする請求項13に記載の機械。
【請求項15】
バネ(160)が、トーションバネであること、を特徴とする請求項14に記載の機械。
【請求項16】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械を操作するための方法であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段により、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放が実現されるものにおいて、
ブックブロック(200)の装填位置(300)で、駆動ユニット(301)によって操作可能なクランプ外部手段(355,356)により、駆動に関連した押圧操作(351)が、可動のクランプ内部手段(350)に付与され、このクランプ内部手段により、収容すべきブックブロックの厚さに依存した、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の予定の開放(600)が実現されること、及び、駆動に関連した押圧操作によって反力が構成され、この反力が、現在のサイクル内で、収容されたブックブロックへの押付け力として実現されること、を特徴とする方法。
【請求項17】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械を操作するための方法であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段により、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放が実現されるものにおいて、
ブックブロック(200)の排出位置(400)で、別の駆動ユニット(401)によって操作可能なクランプ外部手段(355,356)により、駆動に関連した押圧操作(351)が、可動のクランプ内部手段(350)に付与され、この押圧操作によって、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の付加的な開放(600)が発生され、この開放が、案内されたブックブロックの解放のために調整されること、を特徴とする方法。
【請求項18】
無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械を操作するための方法であって、前記機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えており、各バインダクランプが、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムが、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段が、互いに操作的に作用結合しており、これら手段により、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放が実現されるものにおいて、
クランプチェーン(20)の回動に沿って、ブックブロック(200)の装填位置(300)と排出位置(400)に対して別の操作位置(500)に、少なくとも1つの別のクランプ開放システムが動作し、この別のクランプ開放システムが、駆動ユニット(501)とこの駆動ユニットに付属するクランプ外部手段(355,356)から成り、このクランプ外部手段によって、それぞれ、駆動に関連した押圧操作(351)が、可動のクランプ内部手段(350)に付与され、この押圧操作により、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョー(151)の操作状態に適合させた開放(600)が実現されること、を特徴とする方法。
【請求項19】
内部手段(350)が、それぞれの駆動ユニット(301,401,501)の操作位置(300,400,500)を通過し次第、押圧操作によって構成された反力がすぐに実現されること、を特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
駆動ユニット(501)により、第1の別の操作位置(500)で、少なくとも、下流で作用する装填位置(300)に対する、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョーの先行する部分開放が実現されること、を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
クランプチェーン(20)に沿って任意に配置された別の駆動ユニット(501)により、バインダクランプ(101)に付属するクランプジョーの開放が、ブックブロックの排出のために実現されること、を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
ブックブロック(200)の装填位置(300)が、クランプチェーン(20)の回動方向に作用する前記機械の処理ステーションの上流で動作すること、を特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
ブックブロック(200)の排出位置(400)が、クランプチェーン(20)の回動方向に作用する前記機械の処理ステーションの下流で動作すること、を特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
バインダクランプに付属するクランプジョーのそれぞれの開放又は部分開放が、保持機構(170)によって一時的又は連続的に保持されること、を特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
駆動ユニットによって駆動されるクランプ外部手段(355,356)が、クランプ内部手段(350)に伝達される押圧操作(351)が行なわれる旋回運動を実施すること、を特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲のそれぞれの保護範囲による、無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械、好ましくは無線綴じ機内のバインダクランプにおける開放システムに関する。
【0002】
本発明は、機械に統合されたクランプ開放システムにも、このようなクランプ開放システムを操作するための方法にも関するが、この発明の保護範囲は、操作形式に応じて機械の異なる位置に配置することができる同じ又は同様のクランプ開放システムにも向けられている。
【0003】
この場合、バインダクランプは、連続的に回動するクランプチェーンに沿って配置され、ブックブロックを装填されたバインダクランプは、このような無線綴じ機の個々の処理ステーションを通過する。
【背景技術】
【0004】
周知の無線綴じ機の場合、クランプ、即ちそのクランプジョーは、それと作用結合している固定配置のカムによって開放され、直接的な戻しバネ装置が使用可能でない場合でもおそらくは閉鎖される。これは、各クランプのクランプジョーが、同じ厚さのブックブロックの生産中にそれぞれ同じ値に開放されることを意味する。
【0005】
この目的のため、指定されたクランプが、連結リンクに付属する傾斜角に沿って走行するローラによって補足され、これにより進んだ経路の伝達によって、クランプジョーの予定の開放を提供する並進運動が導入される。局所的に配置されたこれら連結リンクは、細長いフラップの形態で設定され、これにより、連結リンクは、それ自体複数のクランプを一度にカバーすることができる。
【0006】
ブックブロックの単調な生産の後に異なるブックブロック厚さを備えた新しい生産が続く場合、従来技術による無線綴じ機は、新しい生産の導入前に、まず完全に空にしなければならない。次いで、連結リンクは、処理されるブックブロックの新しい厚さに設定され、次に、相応に、クランプ及びクランプと作用結合している連結リンクの新しい設定が行なわれる。
【0007】
各クランプのクランプジョーがそれぞれ同じ開放で設定されるので、BVDモード(Buch Dicken Varianz:ブック厚さ可変)でのブック毎の開放寸法は、最適に実現することができないが、それは、全てのクランプの開放は、もはやブックブロック厚さに特化して設定することができないからである。
【0008】
従来技術から周知の無線綴じ機の操作時の別の弱点は、クランプの位置が操作の過程で異なる理由から望ましくない移動を受け得ることにある。従来技術では、現在、公差超過時に適合によって介入し得るように、クランプの位置決めを連続的に監視する予防措置は知られていない。
【0009】
従って、各クランプは、各サイクル時に最大限に開放する。従って、元の位置への開放に起因する完全な戻し変位が行なわれる。この予防措置に時間遅延が伴うことは、明らかである。何故なら、システムのすべてのクランプにわたる企図した開放が実現されるまでには、クランプジョーの所望の開放幅に応じてクランプチェーンの複数回の周回が必要であるからである。
【0010】
個々のクランプの各開閉時に、連結リンクは、内力をクランプに付与するが、それから生じる力成分は、搬送経路の反対方向に向いている。開放過程時にそれから生じるクランプへの衝撃は、クランプチェーンへの揺動運動を惹起し、この揺動運動は、速度変化を生じさせ、これは、当該処理ステーションでのカバーの位置決め時のブックブロックの精度に悪影響を及ぼす。衝突に起因するこの繰り返される衝撃は、ブックブロックの背への接着剤塗布の位置精度にも、無線綴じ機の別の処理ステーションに沿ったブックブロック自体の正確な処理にも、ゆっくり又はすぐに悪影響を及ぼし得る。
【0011】
欧州特許出願公開第1688269号明細書から、ブックブロック処理機械内でブックブロックのクランプ及び搬送をするためのブックブロッククランプが知られている。ブックブロッククランプは、実質的に、内側のクランプジョーから成り、この内側のクランプジョーに対して、平行に配置されかつ相対的に移動可能な外側のクランプジョーを備えており、この外側のクランプジョーが、駆動手段及び力伝達手段を介してクランプ力をブックブロックに付与する。
【0012】
外側のクランプジョーは、支持要素を備え、この支持要素が、圧縮バネによって外側のクランプジョーに押し付けられる。この圧縮バネは、ガイドロッドの延長された終端に位置し、ガイドロッドの段部と外側のクランプジョーとの間に支持される。ガイドロッドの終端に、カムローラが回転可能に支承され、このカムローラが、制御カムと作用結合している。制御カムの作用なしで、支持要素は、外側のクランプジョーに当接する。
【0013】
制御カムに沿ったカムローラの進行により、外側のクランプジョーに対して離間した平行な位置が提供される。別のクランプ段階で、外側のクランプジョーは、クランプすべきブックブロックに押し付けられる。この場合、支持要素は、外側のクランプジョーもしくはそのクランププレートに当接して、これと共にブックブロックをクランプするために内側に移動されるまで、内側のクランプジョーに対して設定された間隔を置いて留まる。この場合、カムローラは、制御カムから持ち上げられる。
【0014】
内側のクランプジョーに対する制御カムの間隔を介して、ブックブロックを供給するための開放広さが設定される。制御カムは、外側のクランプジョーの閉鎖カムと結合され、閉鎖カムに対する制御カムの間隔が設定可能である。開放幅の減少は、クランプされたブックブロック厚さとクランプされないブックブロック厚さの差に依存して行なわれる。厚いブックブロックの場合、閉鎖カムによって規定された開放幅の僅かな減少しか必要ないが、薄いブックブロックの場合は、閉鎖カムに対する制御カムの間隔を減少させ、支持要素を制御カムによって内側に制御することによって、著しい減少を行なう必要がある。
【0015】
ブックブロッククランプの移送方向に沿った制御カムの移動能力により、簡単に開放幅を減少させるための時点の調整が達成される。開放幅の減少は、ブックブロックの先行するコーナーが両クランプジョーの間に進入し次第、導入することができる。即ち、この調整は、高さ及び幅に関するブックブロックフォーマットに依存して行なわれる。
【0016】
制御カムは、開放幅減少の程度に設定可能な可変のカムストロークを備えた入口部分を備える。入口部分は、制御カムと不動に結合された弾性的なキャリアから構成され、このキャリアは、終端側で閉鎖カムのアームと結合されている。ストロークの変更によって可変のキャリアの曲げ線は、カム輪郭を決定するが、このカム輪郭は、これにより衝突及びがたつきなく挙動し、制御カムの入り口部分へのカムローラの接線方向のアプローチを可能にする。
【0017】
従来技術に属する、ブックブロックのクランプ及び搬送をするためのクランプを備えた別のブックブロック処理機械は、欧州特許第0384129号明細書からわかる。ここでも、制御ローラは、クランプジョーを開放するために、コンベアの回動軌道の任意の位置に配置された制御カムを通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1688269号明細書
【特許文献2】欧州特許第0384129号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ここで、本発明は、従来技術を充実させる。特許請求の範囲で特徴付けられているように、本発明の根底にある課題は、クランプチェーンに付属するバインダクランプが所定の回動軌道に沿って機械の、即ち無線綴じ機の個々の処理ステーションを通過する前に、個々の各バインダクランプに、所定の生産速度に従ったサイクル操作中に連続的に同じ又は異なる寸法のブックブロックを装填することができる、機械に統合されたクランプ開放システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
従って、本発明によるクランプ開放システムは、バインダクランプに付属するクランプジョーの必要な開放が、処理すべきブックブロックのそれぞれの厚さに応じて直ちに提供されるように操作され、これにより、連続的で中断及びアイドルサイクルなしで、著しく異なる厚さ及びフォーマットを備えたブックブロックを把持し、別の処理に供給することができるかぎり、それぞれサイクルに応じて個々の開放が提供され得る。
【0021】
従って、バインダクランプのクランプジョーに作用する開放プロセスは、もはや、無線綴じ機の回動軌道に沿って不動に配置された制御カムを介して導入されるのではなく、この開放プロセスが、本発明により、力を付与する駆動ユニットの形態の局所的に配置されたモジュールによって検知され、この駆動ユニットが、クランプ内部手段と作用結合したバインダクランプがそれぞれ通過する際に、クランプジョーの個々の開放を導入し、従って、もはや、従来技術によるものがそうであるように、所定の制御カムに応じた固定された所定の開放に限定されていない。
【0022】
従って、各バインダクランプは、好ましくは可動のフラップの形態のクランプ内部手段を備え、このクランプ内部手段は、少なくともブックブロックの装填位置及び排出位置(装填ステーション及び排出ステーションとも呼ばれる)で、局所的に配置された力を付与する駆動ユニット作用結合しており、これにより、駆動手段が、バインダクランプ内に案内された可動のフラップに圧縮力を付与し、この圧縮力が、このフラップの平面的な移動を生じさせ、その結果、これからクランプジョーの所望の開放が導入及び提供される。
【0023】
このフラップは、好ましくは、力の作用に適合されたプレートであり、その長さは、バインダクランプの広がりにほぼ一致し、その幅は、バインダクランプ内の自遊空間に応じて構成されている。
【0024】
この押圧過程時、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放以外に、同時に、反力も、好ましくはバネ要素を介して構成され、これらバネ要素は、押圧糧の終了後構成されたバネに依存したプリロードの形態で使用可能であり、この押付け力は、次にクランプされたブックブロックにクランプ力を付与するために使用可能である。
【0025】
当然、クランプされたブックブロックに作用する押付け力は、適合された他の力放出ユニットによって、例えば油圧式、空気圧式又は他のそれ以外の機械式の装置あるいはユニットによって、行なうこともできる。
【0026】
その場合、バインダクランプ内の可動のフラップに押圧力を伝達するための等しく構成された別の力を付与する駆動ユニットは、少なくとも、無線綴じ機に付属する処理ステーションの下流に配置され、そこでは、完全に処理されたブックブロックの排出(排出操作)を導入することが重要である。ここでも、力を付与する駆動装置が、前記と同様に使用されるが、それは、駆動装置が、再びフラップに圧力的に作用し、従って、クランプジョーは、所定のクランプ状態から始まって、次にブックブロックが完璧にバインダクランプから分離され得るように、更なる値の分だけ開くことによる。その後、空のバインダクランプが、クランプチェーンの回動軌道に沿って、処理のために後からもたらされるブックブロックを収容するための開放運動学が新たに行なわれる位置に更に移動する。
【0027】
ここで基礎となる駆動ユニットは、これら従来の位置(装填ステーション及び排出ステーション)以外に、無線綴じ機のクランプチェーンの回動軌道に沿った他の任意の位置に設けることもでき、それは、品質的に適合しないブックブロックの処理プロセスからの中間あるいは早期の排出のためのものであり、好ましくは、ブックブロックの本来の装填ステーションの前で、クランプジョーの予備開放を形成するためのものであり、そこでは、次に、追加的に、最終的にブックブロックに関連する開放が実行される。
【0028】
処理プロセスの過程で処理されたブックブロックの品質を確保するため、適当な個所にセンサを設けることができるが、これらセンサは、検出した情報を、次にシステムの主制御部に転送し、この主制御部が、そこで、実施すべき制御に応じた措置の実現を保証する。
【0029】
従って、システムの付加的なサイクル増加は、ブックブロックの正規の収容箇所の前で、センサによって得られる情報を検出し、この情報から、バインダクランプのクランプジョーの有効な開放を導き出し、必要に応じて前で説明した予備開放をスケジューリングすることができることによって達成することができ、これにより、補償的なアイドルサイクルの介入を持続的に省略することができる。
【0030】
フラップに押圧力を付与するための駆動ユニットは、好ましくはサーボモータとして形成され、このサーボモータは、外側に、少なくとも1つのローラを備える可動のレバーを備える。その場合、このレバー/ローラを介して、好ましくは線形又は準線形の力/変位-曲線の意味で、指定された押圧力がフラップに付与され、他の逓減的又は漸進的な力/変位-曲線もサーボモータの相応の制御によって可能である。
【0031】
基本的に、駆動ユニットによって行なわれる力伝達は、クランプジョーの開放時に簡単に達成することができるが、それは、ローラ側の押圧力が通常は均一に延在する押圧平面に沿って行なわれるからである。付与される押圧力の大きさに関する限り、押圧力は、潜在的に使用可能な反力(この反力は、それぞれのブックブロックにクランプ作用を付与するための押付け力として使用可能である)の構成を同時に可能にするように、設定する必要がある。押付け力のポテンシャルが、例えばバネを介して提供される場合、相応の弾性度が、押付け力として使用可能である。
【0032】
本発明の重要な利点は、クランプジョーの開放を、個々にかつ連続的に、処理すべきブックブロックのそれぞれの厚さに合わせることができ、これは、供給されたブックブロックの厚さの差が大きい場合でも可能であり、これにより、もはや、このような厚さの差を吸収するために、アイドルサイクルを使って作業する必要がなく、これが、単位時間当たりの無線綴じ機の生産性にプラスに作用することに見られる。
【0033】
処理すべきブックブロックの厚さの差が特に大きい場合、場合によっては、限定された数のアイドルサイクルを行なうことが必要になり得るが、これに対して、このような場合でも、本発明による別の解決策(この解決策は、クランプジョーの前で説明した予備開放が、ブックブロックの正規の装填ステーションの上流でそれぞれ予め起動され得ることにある)が要求され得ることによって、救済策を提供することができる。従って、本発明によるクランプ開放システムによって、各バインダクランプは、BVDモード(Buch Dicken Varianz:ブック厚さ可変)で操作することができ、これにより、それぞれ変化するブックブロック厚さに対して開放に応じた適合を直接的に行なうことができる。
【0034】
このような措置は、無線綴じ機の処理ステーションのセットアップ時間を低減することができるとの操作上の利点を有する。これは、異なる命令をサイクルの中断なしに連続的に処理することを、一貫して可能にする。換言すれば、機械の停止又はアイドルサイクルに頼る必要なしに、連続的に異なるブックブロック厚さを無線綴じ機全体にわたって処理することができる。
【0035】
純粋にバインダクランプの搬送経路に対して垂直に延在する開放方向のそれぞれのブックブロック厚さへの各バインダクランプの設定が行なわれるので、例えばブックブロック上での表紙の位置決め精度を侵害する、クランプチェーンへの干渉力を放出又は発生し得るとの危険もない。
【0036】
即ち、要約すると、本発発明による対象は、無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械であり、この機械は、好ましくは無線綴じ機として構成され、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンは、互いに離間したバインダクランプを備えている。各バインダクランプは、該当するステーションにおいてクランプ開放システムと作用結合しており、このクランプ開放システムは、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段は、互いに相互依存して動作し、その操作は、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放を生じさせる。
【0037】
ブックブロックの装填位置(装填ステーションとも呼ばれる)で、クランプ外部手段は、バインダクランプ内で可動のクランプ内部手段への押圧操作を実施し、従って、バインダクランプに付属するクランプジョーの所定の開放が行なわれる。この開放は、収容すべきブックブロックの厚さに依存しており、前で既に説明したように、この押圧操作により、同時にバネに起因したプリロードも構成され、その場合、このプリロードは、現在のサイクル内で収容されたブックブロックに対する押付け力として直接的に有効になる。
【0038】
次に、本発明による対象の発展形は、回動するクランプチェーン内のブックブロックの排出位置に、クランプ外部手段が前と同じ原理に応じて起動されることにより、今処理されたブックブロックがバインダクランプから排出され得ることをもたらす別のクランプ外部手段が配置されているように、無線綴じされたブックブロックを製造するためのこの機械を補足することにある。即ち、これは、処理されたブックブロックの無制限の解放を確実に可能にするクランプジョーの各開放が得られるまで、バインダクランプに統合されたフラップが、更なる区間の分だけ押圧されるように行なわれる。
【0039】
従って、回動するクランプチェーンは、ブックブロックの装填及び排出のためのそれぞれの前提条件を保証する少なくとも2つのクランプ外部手段を備えられる。クランプ外部手段の機能方式は、両位置で均一に進行し、即ち、これにより、ブックブロックの機能的な装填及び排出が行なわれ得るように、バインダクランプ内のクランプジョーの規定通りの大きい開放がそれぞれ提供される。しかしながら、必要に応じて、付加的なクランプ外部手段を回動するクランプチェーンに沿って配置することができ、これら付加的なクランプ外部手段は、異なる操作的配置により、前記と同じ基準に応じてそれぞれのバインダクランプに作用することができる。
【0040】
基本的に、前で既に述べたように、クランプ外部手段は、それぞれクランプ内部手段の平面内で作用する独立した駆動装置群として構成され、押圧手段として少なくとも1つのローラを終端側に配置した電動レバー用の駆動ユニットから成る。
【0041】
駆動ユニットに付属するレバーの旋回運動により、ローラは、フラップとして形成されたクランプ外部手段の外側のリニアガイドを押し、これにより、押圧ストロークにより、バインダクランプの所望の開放が発生される。フラップへのこの押圧運動は、バインダクランプがこの駆動装置群の高さになると直ちに行なわれ、この場合、この押圧運動は、それぞれのサイクル内で完全に維持されるが、これは、ブックブロックによるバインダクランプの機能的な装填及び排出のために使用可能な期間内である。
【0042】
クランプ外部手段によって実現される押圧力(即ち、駆動装置群によって提供されるクランプ内部手段、即ちフラップを操作するための力の原因である)は、常に、構成すべき押付け力に正比例し、この押付け力は、実現されるこのブックブロックへの押付け力が、個々のステーションで生じる処理力を確実に吸収することができる範囲で、ブックブロックを摩擦係合式に確実に固定する時に使用可能である。
【0043】
前で既に説明したように、ブックブロックへの押付け力の構成は、好ましくはバネ力によって提供される。しかしながら、これは、前で既に説明したように、このような押付け力が、制御された機械式、空気圧式又は油圧式の機構によって提供され得ることを、排除しない。
【0044】
通常の場合、ブックブロックの装填位置は、クランプチェーンの回動方向に動作する機械の処理ステーションの上流に配置され、排出位置はその下流に配置されている。特に、ブックブロックの正規の装填位置に対してクランプジョーの先行する中間開放を行なう場合、先行的に導入されるこの開放は、正規の開放率が実現される位置までの間、保持機構によって固定される。
【0045】
本発明の対象は、無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械を操作するための方法であって、機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えているものに関する。各バインダクランプは、クランプ開放システムと協働し、このクランプ開放システムは、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段は、互いに操作的に作用結合している。これら両手段の互いの操作的な相互依存により、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放が実現される。ブックブロックの装填位置で、好ましくは不動に配置されたクランプ外部手段は、バインダクランプ内で可動のクランプ内部手段への押圧操作を実行し、これにより、収容すべきブックブロックの厚さに依存した、バインダクランプに付属するクランプジョーの適切な開放が実現される。同時に、この押圧操作によって反力が構成され、その場合、この反力が、現在のサイクル内で、収容されたブックブロックへの押付け力として実現され、この反力は、常に、フラップが更に前で説明した力を付与する駆動装置の支配領域から離れると直ちに使用可能である。
【0046】
更に、本発明の対象は、無線綴じされた印刷製品、即ちブックブロックを製造するための機械を操作するための方法であって、機械が、実質的に、回動するクランプチェーンから成り、このクランプチェーンが、互いに離間したバインダクランプを備えているものに関する。各バインダクランプは、クランプ開放システムと作用結合しており、このクランプ開放システムは、少なくとも1つのクランプ内部手段と少なくとも1つのクランプ外部手段から成り、両手段は、互いに操作的に作用結合している。この場合、これら両手段の互いの操作的な相互依存により、バインダクランプに付属するクランプジョーの開放が付加的に作用を受ける。この実現は、ブックブロックの排出位置で、クランプ外部手段が、既に構成された反力への更なる押圧操作によって作用を受け、これにより、クランプされたブックブロックの解放を可能にする付加的な開放が発生される場合に、効果を発揮する。フラップが再び更に前で説明した力を付与する駆動装置の支配領域から離れたら直ちに、バインダクランプのクランプジョーの完全な又は部分的な閉鎖が行なわれる。
【0047】
設備、即ちクランプチェーンの回動は、必要に応じて、少なくとも1つの別のクランプ開放システムによって拡大され、この別のクランプ開放システムは、異なる予防措置を導入する時にバインダクランプに局所的に作用する。従って、例えば、生産工程からの品質的に欠陥のあるブックブロックの早期の排除が必要となった場合である。
【0048】
そこで、同じ原理により、バインダクランプに付属するクランプジョーの予定の開放を導入するため、装填ステーション及び排出ステーションにおけるのと同じ進行により動作するこのような(第3の)クランプ開放システムは、好ましくは、ブックブロックの装填ステーションの前に配置されている。その場合、この開放率は、保持機構によって一時的又は連続的に固定される。その場合、この固定は、例えばブックブロックの装填過程時の十分な開放の導入によって解除される。
【0049】
この保持機構は、好ましくは、ラチエットと、このラチエットと作用結合している移動可能なデテントから成り、このデテントは、所定の位置でのクランプジョーのロックを保証する。
【0050】
以下で、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の直接的な理解のために重要でない全ての要素が省略されている。同じ要素は、異なる図で同じ符号を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図2】バインダクランプの開放時の従来技術に属する移動運動学
【
図3】バインダクランプを開放するための概略化した本発明による配置
【
図4】可動のフラップが統合されたバインダクランプの修正部
【
図5】プリロードのために設定されたトーションバネの保持システムとの協働
【
図7】フラップの操作に応じた挿入を導入するユニットの周囲のバインダクランプの詳細な構造
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、従来技術に属する典型的な高性能無線綴じ機を示す。不要な繰返しを回避するため、欧州特許出願公開第3141398号明細書を参照する。
【0053】
図2は、無線綴じ機に付属するバインダクランプの従来技術に属する開閉システムの図を示すが、この無線綴じ機は、無線綴じされた印刷製品-以下ではブックブロックとも呼ばれる-を製造するための機械として操作される。
【0054】
以下で、従来技術に属する無線綴じ機の説明および機能方式を説明する:バインダクランプ100の固定部分は、無線綴じ機によって規定された経路に沿ったチェーンを介して案内され、このバインダクランプの可動部分は、その固定部分に対して内側の動力学を発揮し、これにより、周回運動が、バインダクランプ100に対して垂直に展開されるが、これは、ブックブロックの装填位置及び排出位置に関連したバインダクランプの両走行方向140/150に関係する。バインダクランプの開閉の根底にある内側の移動動力学は、中央のトーションバネと作用結合しており、このトーションバネのプリロードは、それぞれの操作位置で構成され、その場合、これから生じる潜在的なバネ荷重は、導入されたブックブロックを固定するために付与すべき摩擦係合のために使用可能である。
【0055】
従来技術で、無線綴じ機の操作中に異なる固定の時間間隔でオンとオフを切り替えることができる保持システム(
図5及び7のアイテム170を参照されたいが、この保持システムは、本発明によるバインダクランプのために特別に設計されている)が設けられているのなら、バインダクランプは、その操作の一部の間に開放に設定することができる。
【0056】
基本的に、システムの一度係止されたデテントは、プリロードを受けたバネの力を吸収し、バインダクランプが所定の開放位置(この
図2で位置決めされたブックブロック200と関連したバインダクランプの開放を参照)を占めることをもたらす。デテント自体は、好ましくはバネ掛けされているので、デテントは、係止時に、摩擦係合によって設定された位置を占めることができる。これは、デテントが係止された位置になるまで、バインダクランプが構成されたトーションバネ力の作用によってそれぞれすぐには閉鎖され得ないことを、このようなデテントがもたらすことを意味する。従って、バインダクランプは、このような係止によってその移動の一部の間、「開放」に留まることができる。
【0057】
従来技術に対して説明したバインダクランプ(このバインダクランプは、無線綴じ機の操作内で局所的に規定された開閉後に作動する)の開放システムあるいは閉鎖システムは、それ自体、バインダクランプの画一的な開放率を備え、この開放率は、不動に設けられた連結リンク(以下参照)によって示される。従って、所定の連結リンクを使用したこのようなシステムによって、あるバインダクランプから次のバインダクランプへと、開放率の変更を達成することはできない。
【0058】
次に、
図2から、更に詳細にバインダクランプの開閉システムの図がわかる。開放を設定する2つの連結リンク110,120、即ち、入口側の連結リンク(入口連結リンク110)と、出口側の連結リンク(出口連結リンク120)は、横を通過するバインダクランプ100と作用結合しており、これにより、異なる操作的目的のために設計された開放を実現する。通常の場合、バインダクランプは、所定の開放率及び閉鎖率に応じて作動する。
【0059】
前記2つの連結リンク110,120は、横を通過するバインダクランプ100に対して常に固定の位置を占める。既に示したように、ここでは固定構造の連結リンク110,120が存在し、そのため、異なるブックブロック厚さに対して異なる開放を行なう必要があり、これは、連結リンクの異なる位置によって設定するか、一般に相応の連結リンクによって達成することができる。
【0060】
前で既に説明したように、各バインダクランプは、それぞれの装填箇所で所定の開放を備える。これは、そのような場合、開放が所定のブックブロック厚さのために十分でなければ、これは、開放を設定する連結リンク110,120への適合によってしか修正できないことを意味する。従って、開放を決定する所定の連結リンクにおける最大限に発生可能な開放を越えて、更なる開放率を実現することはできない。
【0061】
入口連結リンク120は、ブックブロック200の導入に続く閉鎖過程の間、所定の位置に留まる。バインダクランプは、入口連結リンク側に不動のカムローラ130を備え、このカムローラは、バインダクランプの進入中にこの連結リンク120の前エッジを走査し、これは、最初の接触点121と最後の接触点122の間で行なわれ、これにより、バインダクランプの後方のクランプジョーの誘起された内側の移動によって、バインダクランプ100の開放が導入される。
【0062】
この開放により、同時に、トーションバネによって誘起されたプリロード力が構成され、このプリロード力は、次に閉鎖過程時に生じる押付け力として導入されたブックブロックに作用する。トーションバネへのこのプリロード力の導入時、デテントは、相補的な連結リンクを介して、その固定の係止位置から持ち上げられる、あるいは引き戻される、あるいは解離され、これにより、プリロードされたトーションバネの構成された力が、まずバインダクランプに摩擦係合式に伝達され、これにより、クランプされたブックブロックへのクランプ作用を生じさせる、バインダクランプのクランプジョーの閉鎖が導入され、これにより、位置を示すアイテム160からわかる位置が実現される。
【0063】
入口区間150の更なる経過中、バインダクランプに付属するカムローラ130は、まず、入口連結クランプ120と一定の接触状態を維持し、これにより、バインダクランプのクランプジョーは、コントロールされてブックブロックに向かって移動することができ、これにより、ブックブロックは、品質を低下させる圧力に関連したマーキングを備えられない。この過程中、デテントは、非操作的な状態に留まり、これにより、トーションバネの押付け力は、完全に実現することができる。ブックブロック処理の終了後、少なくともブックブロックの背の処理、即ち接着剤の塗布、表紙の取付けの理由から、デテントは、再び、トーションバネに直接的に作用するバインダクランプの機構に係合する。
【0064】
仕上げステーションを介するブックブロックの完成後、相応のバインダクランプが、出口連結リンク110に向かって移動し、完成したブックブロックのこの排出位置でも、バインダクランプに作用する動力学は、前で既に説明したような、入口連結リンク120に関するブックブロックの装填位置の場合がそうであるのと同様である。
【0065】
この排出箇所では、完成したブックブロックが、バインダクランプを邪魔しないようにするため、バインダクランプのクランプジョーが、十分に大きい割合で開放することしか保証する必要がない。
【0066】
図2から容易にわかるように、各バインダクランプの各開閉時に、連結クランプは、力を、各バインダクランプに対して搬送経路の反対方向に与える。この場合、カムローラ130と排出連結リンク110あるいは装填連結リンク120の間のこの力の実現時、表紙の位置決めに負の影響を及ぼすクランプチェーンの速度に対する干渉を生じさせる衝撃を考慮に入れるべきである。この連結リンク/バインダクランプの衝突は、しばしば接着剤塗布によるブックブロックの背の精度及び他の接着結合プロセスを侵害することがある。
【0067】
現在の入口カム及び出口カムは、サイクル毎の時間に応じて設定することができない。主な理由は、現在の入口カム及び出口カムが、比較的細長く、これにより、これらカムが、同時に複数のバインダクランプを検出することができることにある。従って、特に、バインダクランプの開放が複数の段階にわたって行なわれる場合、即ち、クランプチェーンの複数の回動が必要である場合、ブックブロック厚さを変更するためのセットアップ時間は、幾つかの厚さ設定時に、時間がかかることもある。既存の装填カム/及び排出カム110/120は、誤って開放したクランプが両カムの一方に接近した時にクラッシュが生じないように、相応に長く設定されている。
【0068】
クラッシュは、バインダクランプが誤った手動操作によって閉鎖された場合に、又は、バインダクランプが誤ってブックブロックを装填されていない場合に、生じることがある。従ってまた、装填カム及び排出カムは、バインダクランプが、ブックブロックを検出した時にあまりに速く閉鎖すること、又は、バインダクランプが、デテントの誤作動によってブックブロックにぶつかり得ること、を防止するために、比較的長く構成されている。現在のシステム実現の形式は、各サイクル時に、クランプチェーンが移動方向とは反対にカムローラとカムの経過との間の衝撃によって干渉型の衝突を受け得ることを意味する。
【0069】
図3は、入口領域150内の装填位置300(装填ステーションとも呼ばれる)における第1の駆動ユニット301と、出口領域140内の排出位置400(排出ステーションとも呼ばれる)における別の駆動ユニット401と、中間ステーション500における別の駆動ユニット501から成る本発明による無線綴じ機クランプ開放システムを概略的に示すが、最後に挙げた駆動ユニットは、一般に、必要時にユニット301の前のバインダクランプ100の開放を制御する機能を満たす。これは、装填ステーション300での必要な開放のためにバインダクランプ100を予め支援することを可能にし、これにより、次いで各クランプを収容すべきブックブロックの後続の厚さに設定することができ、これをフルの生産速度で実現することができる。
【0070】
これは、相前後して無線綴じ機に導入されたブックブロックが、連続的に異なる厚さを備えることを可能にする。従って、これは、バインダクランプの開放システムが、もはや、固定の開放を備えた固定の連結リンクを介して制御されるのではなく、局所的な駆動装置により個々に制御される駆動ユニット301,401,501によって行なわれ、この駆動ユニットは、フルの生産工程内でバインダクランプの所望の開放を提供することができる。
【0071】
これら予防措置の主な利点は、バインダクランプの開放が、生産すべきブックブロックに連続的に適合され得ることであり、これは、一般にアイドルサイクルの介入なしで達成すことができ、ブックブロックの厚さの差が非常に大きい場合でも、せいぜい、最大2つのアイドルサイクルの介入を行なうことが必要である。従って、本発明によるバインダクランプ開放システムによって、各バインダクランプを、BVDモードで最適に所定のブックブロック厚さに設定することができ、これにより、異なるブックブロック厚さの間のセットアップ時間が完全に排除される。
【0072】
異なるロットの処理が予め計画される場合、異なる命令を、装置の予防措置のために中断することなく実施することができるので、処理すべきブックブロックの厚さは、機械の停止なしで漸進的に厚く又は逓減的に薄くすることができる。
【0073】
各バインダクランプ100の設定は方向性があり、純粋にバインダランプの搬送経路に対して垂直に延在するので、クランプチェーン20に対して、直接的かつ2次的な力が生じず、これにより、位置決め精度は、特に、それだけではないが、ブックブロックを取り付ける際に侵害を受けない。
【0074】
これら目標を達成するため、不動に位置決めされた両連結リンク(
図2のアイテム110,120参照)が置換されることが計画され、その代わりに、各バインダクランプ100が統合された幾何学的にコンパクトなフラップ(即ち面取りなし)を備え、このフラップが、特にそれぞれのステーション300,400,500の入り口位置及び出口位置で、関連するユニット301,401,501(
図7も参照)の構成要素としての、外側に配置された力を付与する駆動装置によって操作される。この場合、押圧力は、可動のレバーによって制御され、このレバーは、力を変換しつつフラップをバインダクランプの内部に押し込み、従ってトーションバネ又は他の要素のプリロードを構成する。
【0075】
バインダクランプ100内の可動のフラップに押圧力を伝達するための力を付与する同じ駆動ユニット401は、出口領域140、即ち、無線綴じ機に付属する処理ステーションの下に配置され、そこでは、完全に処理されたブックブロックの排出(排出操作)が導入される:ここでも、力を付与する駆動装置が前と同様に使用されるが、これは、ブックブロックがバインダクランプから完璧に解離され得るために、駆動装置が、再びフラップを押し、バインダクランプのクランプジョーを、所定のクランプ状態から初めて更なる値だけ開放することによる。その後、空のバインダクランプは、クランプチェーン20の回動軌道に沿って中間ステーション500及び/又は装填ステーション300まで更に移動し、そこで、新たに、処理のために後から来るブックブロックを収容するための運動学が機能する。
【0076】
ここで根底にある駆動装置は、(主)ステーション300(装填),400(排出)でのその正規の使用に加えて、無線綴じ機10のクランプチェーン20の回動軌道に沿った他の任意の位置に設けることもできるが、それは、例えば、中間で、品質的に適合しないブックブロックの処理プロセスからの早期の排出のためであり、好ましくは、例えば駆動ユニット501によるようにブックブロックの本来の装填300の前でのバインダクランプのクランプジョーの予備開放の形成のためである。
【0077】
従って、装填ステーション及び排出ステーション300,400以外に、本発明によれば、更に少なくとも1つの第3のステーション500も設けられる。このステーションは、ここでは「メークレディ(Makeready)」と呼ばれる。このステーションは、排出ステーション400(排出位置)と装填ステーション300(収容位置)の間でのバインダクランプの開放の変更を可能にする。連続操作中、バインダクランプの開放の変更は、比較的大きくすることができる。従って、例えば、バインダクランプの開放値は、排出ステーション400での90mmから装填ステーション300での20mmに吸収することができるべきである。
【0078】
「メークレディ(Makeready)」ステーション500は、装填ステーション300のできるだけ近くに配置すべきである:このようにして、無線綴じ機は、バインダクランプのこのような開放の変更をできるだけ遅く実現しなければならないように、制御技術的に設定することができる。
【0079】
この第3のステーション500の場合、バインダクランプの開放は、先行又は後続のバインダクランプに完全に依存せずに行なわれる。無線綴じ機が領域全体にわたって最大の開放に設定されているとの前提のもとに、時間当たり7000サイクルまでの生産速度を容易に維持することができる。加えて、この第3のステーションは、必要とされる中間での開放をセットアップ時間間隔なしで提供することができる。
【0080】
工程内のバインダクランプのそれぞれの構成は、非接触式のセンサによって決定することができ、これにより、到着するバインダクランプのそれぞれの開放は、バインダクランプがそれぞれのステーションに到達する前に予め決定され、これは、あらゆる面で救済策-予防措置を導入するために、制御が必要時に自動的に介入するとの最終目的による。
【0081】
この介入は、無線綴じ機の開始後に、誤操作が発生した場合にも、例えばバインダクランプの所定の動力学が誤って干渉を受けた場合にも、高価を発揮する。制御は、機能不全の確定後、正規の操作が再び正常化されるまで、無線綴じ機の行程速度を低下させることができる。
【0082】
システム全体の安全を最大化するため、個々のステーション300,400,500に到着するバインダクランプの正確な現在の解放に関する情報を提供するセンサを設けるべきである。
【0083】
基本的に、本発明による対象は、特に厚さの異なるブックブロックの連続的な完璧な収容を保証する場合に、大きな柔軟性を備え、これにより、本発明の対象は、あるバインダクランプから次のバインダクランプへの根本的な厚さ変化(BVD)がもはや従来技術に応じて定量的に±3.25mmの狭い限度内で変化することができないことによって、従来技術とは著しく異なっている。
【0084】
実際に、先進的な無線綴じ機は、あるバインダクランプから次のバインダクランプへ13mmから少なくとも20mmまで漸進的に増加するか、逆に減少するブックブロック厚さを把持することができる。そのような間隔で、あるバインダクランプから次のバインダクランプへの大きい厚さの差の適合ができるだけ迅速に行なわれなければならないことは明白である。本発明によれば、更に、連結リンク(
図2のアイテム110,120)へのカムローラ(
図2のアイテム130)の衝撃(これは、決まってクランプチェーン20の胎動を生じさせた)を今や完全に排除することが提案される。
【0085】
図4は、バインダクランプ100の修正された部分を示すが、このバインダクランプは、ここでは閉じた状態で示される。本発明によるバインダクランプの修正された部分は、可動のフラップ350から成り、このフラップは、従来技術に関して存在する、バインダクランプを開放するための運動学を置換する(
図2参照)。このフラップ350は、駆動ユニット301,401,501によって外側から発生された力351によってバインダクランプ100内に押し込まれ、それに基づいて、ラック152と作用結合した、バインダクランプ100の外側に配置された部分151が、相応に押し込まれるので、ブックブロックを収容するための所望の開放が生じる。この過程では、バインダクランプ100に統合されたトーションバネ160が同時にプリロードを受け、このプリロードは、ブックブロックを摩擦係合式に把持する場合に使用可能である。
【0086】
この場合、ブックブロックが押潰し又は切込みによる過度の衝撃によって損傷を受けないように、バインダクランプの閉鎖が、好ましくは速度制御されて行なわれるべきであることに留意すべきである。これは、装填されてないバインダクランプを閉鎖する場合にも当てはまる:ここでも、閉鎖速度は、決まって騒音及び破損を生じさせる不要な衝撃が生じないように、制御する必要がある。
【0087】
例えばこのトーションバネ160の上側に(
図5参照)、バインダクランプの搬送を実行する既に何度も説明したクランプチェーン20が延在する。この図では、更に、無線綴じ機10の個々の処理ステーションに沿ったそれぞれのバインダクランプの搬送ガイドを調整する種々のローラ及びレバーが明らかである。更に
図4では、その形成及び作用方式が
図6で詳細に説明される保持システム170の上のローラが明らかである。
【0088】
図5は、既に述べた保持システム170とトーションバネ160の協働を示す。既に説明したように、バインダクランプは、開放過程時(アイテム151、
図4も参照)、フラップ350によって導入された、前記トーションバネ160に対する力によって、潜在的に使用可能な内側のプリロード力を受け、このプリロード力は、次に、ブックブロックに対しては押付け力として使用可能である(
図4参照)。保持システム170は、一般に、無線綴じ機の操作中の種々の固定の時間に起動及び停止され、これにより、バインダクランプをその回動の一部の間に少なくとも部分的に開放して搬送することが可能である。この目的のため、保持システムは、必要時に、トーションバネ160の力を吸収し、従って、バインダクランプが、所定の開放を備えることをもたらす。保持システム170の機構自体がバネ力下にあるので、ラチエット機構に属するデテント171は、バインダクランプ(100)の外側に配置された部分151の開放に対する所定の位置に係止することができる。
【0089】
これは、デテント171がラチエット172に摩擦係合式に係止されている限り、バインダクランプは、最初はプリロードを受けたトーションバネ力の作用下ではもはや閉じることができないことを意味する。ラチエット172の横方向の幾何学的な連続は、ラック152と作用結合しているピニオン176によって構成される。バインダクランプの開放を解消又は部分的に変更するため、デテント171は、解放されなければならないが、これは、並進運動が、最終的に解放を生じさせるデテントシステムのロッド174に伝達されるように、保持システム170の上側のローラ173が、制御された機械的な機能によって押圧されることによって行なわれる。
【0090】
図6は、
図5と同じ保持システム170を示すが、他の視点から見たものである。トーションバネ(
図5のアイテム160参照)は、この斜視図ではもはやわからないが、それは、トーションバネが、ロールとして形成されたラチエット172の後に同軸に延在するように存在するからである。
図5で良くわかるトーションバネのラック152側の連続は、ボルト状のピニオン176を備えている。このピニオンは、一方でラック152と作用結合しており、他方で、このピニオンは、ラチエット172を介してトーシンバネとも作用結合しており、これにより、バインダクランプ後の部分151の導入された開放(
図4及び5参照)が、同時にトーションバネにプリロードを与える。この過程では、デテント171は、横方向に作用する支承装置177によってラチエット172の歯の上をむなしくさまよい、即ち、この過程では、特にデテントに作用するバネ力は、機能しない。
【0091】
既に説明したように、バインダクランプは、開放過程時(アイテム151、
図4も参照)に、常に前記トーションバネ160によってプリロードを受け、これは、バインダクランプの内部へのフラップ350の前記移動によって引き起こされる。
【0092】
既に前で
図5の下で説明したように、保持システム170は、一般に、無線綴じ機の操作中の種々の固定の時間に起動及び停止され、これにより、バインダクランプをその回動の一部の間に少なくとも部分的に開放を保つことが可能である。この目的のため、保持システムは、必要時にラチエットへのデテント171の係止によりトーションバネ160の力を吸収し、バインダクランプが所定の開放を備えることをもたらす。保持システム170の機構自体は、これに付属するデテント171が、バインダクランプ(100)の外側に配置された部分151の開放に対する所定の位置に摩擦係合式に係止することができるように、バネ掛けされている。
【0093】
これは、デテント171がラチエット172に摩擦係合式に係止されたままになるまで、バインダクランプが、最初はトーションバネ力下ではもはや閉じることができない、即ちブロックされていることを意味する。ラチエット172の連続は、ラック152と結合しているボルト状のピニオン176によって構成される。バインダクランプの開放を解消又は部分的に変更するため、デテント171は、解放されなければならないが、これは、並進運動が、最終的に解放を生じさせる保持システムのロッド174に伝達されるように、保持システム170の上側のローラ173が、制御された機械的な機能によって押圧されることによって行なわれる。
【0094】
図7は、バインダクランプへのフラップ350の操作に応じた挿入を導入する、装填ステーション300用の駆動ユニット301の周囲のバインダクランプ100の詳細な構造を示す。
図3に示した駆動ユニット401,501は、駆動ユニット301と同じ構造を備え、他のステーション400,500の場合、それぞれのバインダクランプのそれぞれのフラップに対して同じ運動学を実現する。
【0095】
本発明によるシステムの装填ステーション300(
図3参照)でのバインダクランプの閉鎖と排出ステーション400(
図3参照)でのバインダクランプの開放は、それ自体従来技術に対して前で評価した解決策(
図2参照)と同様に機能する。しかしながら、両方の場合、類似性は、装填ステーション及び排出ステーション300,400でのバインダクランプの固定の予定の開放が設定されることだけに見られる。しかしながら、どのようにバインダクランプの本発明による開閉が行なわれるかの実際のやり方は、基本的に異なる。この違いは、異なるブックブロック厚さが連続的に処理され得ることをもたらす。
【0096】
それに応じて、固定の連結リンク(
図2のアイテム110,120参照)のカム経過に沿って転動する、バインダクランプに付属するカムローラ(
図2のアイテム130参照)の代わりに、前記ステーションにおける可動のレバー355に付属するローラ356が、可動のフラップ350の前縁352を押し、これにより、ラック152の前進を介して、少なくとも、外側に配置された部分151を押し込むことによるバインダクランプ100の部分的な開放600が達成される。
【0097】
この
図7からまた、システムの別の重要な構成要素、即ち無線綴じ機10のクランプチェーン20(
図3参照)と保持システム170(
図6参照)がわかる。
【0098】
可動のレバー355の駆動は、それぞれ駆動ユニット301,401,501によって行なわれるが、この駆動ユニットは、それぞれのステーション300,400,500に固定して配置され、少なくともモータ353とトランスミッション354から成り、これにより、レバー355に取り付けられた各ローラ356は、遅延なく、ユニットの制御によって要求されるバインダクランプの運動を限定的に提供することができる。