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特開2022-27574ガイドレールの補強部材、ガイドレールの取付装置、ガイドレールの取付構造、ガイドレールの取付方法、開閉装置、ガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027574
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ガイドレールの補強部材、ガイドレールの取付装置、ガイドレールの取付構造、ガイドレールの取付方法、開閉装置、ガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20220203BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122617
(22)【出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2020130254
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 展行
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ヴァン・ヒエン
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA01
2E042DA05
(57)【要約】
【課題】ガイドレールの強度を確保できるとともに、ガイドレールの軽量化、施工性向上、製作性向上等が図れるガイドレールの補強部材等を提供する。
【解決手段】本発明に係るガイドレールの補強部材は、建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイドレール5の補強部材8であって、前記開閉体の幅方向端部が挿入される前記ガイド溝5aの外周面5fに沿って当該外周面5fを囲む形状に形成された周縁部80を備えたことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールの補強部材であって、
前記開閉体の幅方向端部が挿入される前記ガイド溝の外周面に沿って当該外周面を囲む形状に形成された周縁部を備えたことを特徴とするガイドレールの補強部材。
【請求項2】
平板により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガイドレールの補強部材。
【請求項3】
前記周縁部を有して当該周縁部側の少なくとも一部が前記ガイド溝の外周面に取付けられるガイドレール取付部と、
前記建築構造物の躯体に取付られる躯体取付部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガイドレールの補強部材。
【請求項4】
前記ガイドレール取付部と前記躯体取付部とが互いに直交する板面を有した平板により形成されたことを特徴とする請求項3に記載のガイドレールの補強部材。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のガイドレールの補強部材と、当該補強部材及び前記建築構造物の躯体に取付けられる取付部材とを備えたことを特徴とするガイドレールの取付装置。
【請求項6】
前記補強部材は、平板により構成され、
前記取付部材は、前記補強部材を構成する平板の板面と接触する板面を有して当該補強部材と連結される補強部材連結部と、前記躯体と連結される躯体連結部とを備え、
前記取付部材の前記補強部材連結部と前記躯体連結部とが互いに直交する板面を有した平板により構成されたことを特徴とする請求項5に記載のガイドレールの取付装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のガイドレールの補強部材、あるいは、請求項5又は請求項6に記載のガイドレールの取付装置により、前記ガイドレールが前記躯体に取付けられたガイドレールの取付構造であって、
前記補強部材、あるいは、前記取付装置が、前記ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けられたとともに、これら複数の各補強部材、あるいは、これら複数の各取付装置が、前記躯体に取付けられたことを特徴とするガイドレールの取付構造。
【請求項8】
請求項4に記載のガイドレールの補強部材における前記ガイドレール取付部の板面と前記ガイド溝の外周面とが直交するように当該ガイドレール取付部の周縁部側の少なくとも一部が当該ガイド溝の外周面に取付けられたとともに、
当該補強部材における前記躯体取付部の板面と前記躯体の被取付面とが対面した状態で当該躯体取付部が当該躯体に取付けられたことを特徴とする請求項7に記載のガイドレールの取付構造。
【請求項9】
請求項6に記載のガイドレールの取付装置における前記補強部材の板面と前記ガイド溝の外周面とが直交するように当該補強部材の周縁部側の少なくとも一部が当該ガイド溝の外周面に取付けられたとともに、
当該取付装置における前記取付部材の前記躯体連結部の板面と前記躯体の被取付面とが対面した状態で当該躯体連結部が当該躯体に取付けられ、かつ、前記取付部材の前記補強部材連結部の板面と前記補強部材の板面とが接触した状態で当該補強部材連結部と当該補強部材とが連結されたことを特徴とする請求項7に記載のガイドレールの取付構造。
【請求項10】
前記ガイドレールの下端部においては、複数の前記補強部材が重ねられて設けられたことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載のガイドレールの取付構造。
【請求項11】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のガイドレールの補強部材、あるいは、請求項5又は請求項6に記載のガイドレールの取付装置を用いてガイドレールを躯体に取付けるガイドレールの取付方法であって、
前記補強部材、あるいは、前記取付装置を、前記ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けるとともに、これら複数の各補強部材、あるいは、これら複数の各取付装置を、前記躯体に取付けることを特徴とするガイドレールの取付方法。
【請求項12】
請求項4に記載のガイドレールの各補強部材における各ガイドレール取付部の板面と前記ガイド溝の外周面とが直交するように各ガイドレール取付部の周縁部側の少なくとも一部を当該ガイド溝の外周面に取付けた後、
ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けられた各補強部材における各躯体取付部の板面と前記躯体の被取付面とを対面させた状態で当該各躯体取付部を当該躯体に取付けたことを特徴とする請求項11に記載のガイドレールの取付方法。
【請求項13】
請求項6に記載のガイドレールの取付装置における各補強部材の板面と前記ガイド溝の外周面とが直交するように各補強部材の周縁部側の少なくとも一部を当該ガイド溝の外周面に取付ける各補強部材取付ステップと、
当該取付装置における各取付部材の躯体連結部の板面と前記躯体の被取付面とを対面させた状態で当該各取付部材の躯体連結部を当該躯体に取付ける各取付部材躯体取付ステップと、
前記各補強部材取付ステップと前記各取付部材躯体取付ステップとが終了した後に行われる部材連結ステップとを備え、
当該部材連結ステップは、前記ガイド溝の外周面に取付けられた前記補強部材の板面と前記躯体に取付けられた前記取付部材の前記補強部材連結部の板面とを接触させた状態で当該補強部材と当該補強部材連結部とを連結するステップであることを特徴とする請求項11に記載のガイドレールの取付方法。
【請求項14】
建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、
前記開口部の左右に設けられて前記開閉体の左右の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有した左右のガイドレールと、
前記左右のガイドレールをそれぞれ補強するとともに前記躯体に取付けられた、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のガイドレールの補強部材、あるいは、請求項5又は請求項6に記載のガイドレールの取付装置とを備えた開閉装置であって、
前記ガイドレールは、前記開閉体の幅方向端部が挿入される前記ガイド溝の外周面の形状が、前記補強部材の周縁部の形状に対応した形状であり、
前記補強部材は、前記周縁部が前記ガイド溝の外周面を囲むように設置されて、前記周縁部側の少なくとも一部が前記ガイド溝の外周面と連結されたことを特徴とする開閉装置。
【請求項15】
前記開閉体の左右の幅方向端部は、耐風係止部を備え、
前記ガイドレールのガイド溝は、前記耐風係止部を係止させる係止壁を備えたことを特徴とする請求項14に記載の開閉装置。
【請求項16】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法であって、
前記周縁部側の少なくとも一部が前記ガイドレールのガイド溝の外周面に連結されて、かつ、前記躯体に連結された前記補強部材に、付設物を設置したことを特徴とするガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置の開閉体の開閉時に開閉体の左右の幅方向端部を開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールを補強するための補強部材等に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉装置としてのシャッター装置は、開閉体収容ケース、開閉機構、開閉体、ガイドレールを備える。
開閉体の開閉時に開閉体の左右の幅方向端部を開閉体の開閉方向(上下方向)にガイドするガイドレールは、一般的には、開閉体の左の幅方向端部又は開閉体の右の幅方向端部が挿入される開閉方向に連続する溝入口を有したガイド溝が開閉方向に連続するように形成された例えば金属製中空柱状の長物(長尺材)により構成されている(特許文献1等参照)。
また、左右の幅方向端部にそれぞれ耐風係止部(耐風フック)が設けられた開閉体をガイドするガイド溝を有したガイドレールとして、ガイド溝内に耐風係止部を係止させる係止壁を備えたガイドレールが知られている(特許文献2,3等参照)。
上述した金属製中空柱状の長物により構成されたガイドレール、特に、板厚が薄い金属板を加工して構成されたガイドレールの場合、設置される場所などの条件により、ガイドレールの強度をより必要とする場合がある。
特に、上述した耐風係止部を係止させる係止壁を備えたガイドレールの場合、強風時等において、耐風係止部が係止壁に係止することにより、ガイドレールに大きな力が加わるため、ガイドレールの強度を上げる必要があり、例えば、特許文献2において断面図示されたような、金属等の薄板を用いて構成されたガイドレールの場合は、強度を必要とする場合がある。
そこで、上述した耐風係止部を係止させる係止壁を備えたガイドレールとして、山形鋼等の形鋼を使用して強度を上げた構成のガイドレールが知られている(特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-12851号公報
【特許文献2】特開2016-41872号公報
【特許文献3】特開2019-143450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3等に開示された、山形鋼等の形鋼を使用して強度を上げたガイドレールの場合、軽量化、施工性向上、製作性向上等が図りにくいという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解消すべく、ガイドレールの強度を確保できるとともに、ガイドレールの軽量化、施工性向上、製作性向上等が図れるガイドレールの補強部材等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガイドレールの補強部材は、建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体の左右の幅方向両端部側に配置されて前記開閉体の幅方向端部を前記開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有したガイドレールの補強部材であって、前記開閉体の幅方向端部が挿入される前記ガイド溝の外周面に沿って当該外周面を囲む形状に形成された周縁部を備えたことを特徴とする。
また、補強部材が平板により形成されたことを特徴とする。
本発明に係るガイドレールの補強部材によれば、ガイドレールの強度を確保できるとともに、ガイドレールの軽量化、施工性向上、製作性向上等が図れるガイドレールの補強部材を提供できるようになる。
また、補強部材は、周縁部を有して当該周縁部側の少なくとも一部がガイド溝の外周面に取付けられるガイドレール取付部と、建築構造物の躯体に取付られる躯体取付部とを備えたことを特徴とする。
また、ガイドレール取付部と躯体取付部とが互いに直交する板面を有した平板により形成されたことを特徴とする。
このように、ガイドレール取付部と躯体取付部とを備えた補強部材によれば、部品点数を削減できるとともに、ガイドレールの取付装置としても機能させることができるので、軽量かつ強度の高いガイドレールを実現できるとともに、当該ガイドレールを躯体に取付ける作業を容易に行えるようになる。
本発明に係るガイドレールの取付装置は、上述した周縁部を備えた補強部材又は周縁部を備えた平板により形成された補強部材と、当該補強部材及び建築構造物の躯体に取付けられる取付部材とを備えたことを特徴とする。
また、当該補強部材は、平板により構成され、取付部材は、補強部材を構成する平板の板面と接触する板面を有して当該補強部材と連結される補強部材連結部と、躯体と連結される躯体連結部とを備え、取付部材の補強部材連結部と躯体連結部とが互いに直交する板面を有した平板により構成されたことを特徴とする。
本発明に係るガイドレールの取付装置、即ち、別々の部材である補強部材と取付部材とにより構成された取付装置によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールを実現できるとともに、当該ガイドレールを躯体に取付ける作業を容易に行えるようになる。特に、躯体の被取付面が、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合等であっても、ガイドレールを、設計通りの所定の位置に正確に設置することが可能となる。
本発明に係るガイドレールの取付構造は、上述したガイドレールの補強部材、あるいは、ガイドレールの取付装置により、ガイドレールが前記躯体に取付けられたガイドレールの取付構造であって、補強部材、あるいは、取付装置が、ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けられたとともに、これら複数の各補強部材、あるいは、これら複数の各取付装置が、躯体に取付けられたことを特徴とする。
また、上述したガイドレールの補強部材におけるガイドレール取付部の板面とガイド溝の外周面とが直交するように当該ガイドレール取付部の周縁部側の少なくとも一部が当該ガイド溝の外周面に取付けられたとともに、当該補強部材における躯体取付部の板面と躯体の被取付面とが対面した状態で当該躯体取付部が当該躯体に取付けられたことを特徴とする。
また、上述したガイドレールの取付装置における補強部材の板面とガイド溝の外周面とが直交するように当該補強部材の周縁部側の少なくとも一部が当該ガイド溝の外周面に取付けられたとともに、当該取付装置における取付部材の躯体連結部の板面と躯体の被取付面とが対面した状態で当該躯体連結部が当該躯体に取付けられ、かつ、取付部材の補強部材連結部の板面と補強部材の板面とが接触した状態で当該補強部材連結部と当該補強部材とが連結されたことを特徴とする。
本発明に係るガイドレールの取付構造によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールの取付構造を実現できるとともに、当該ガイドレールを躯体に取付ける作業を容易に行えるようになる。特に、別々の部材である補強部材と取付部材とにより構成された取付装置を用いた取付構造によれば、躯体の被取付面が、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合等であっても、ガイドレールが設計通りの所定の位置に正確に設置されたガイドレールの取付構造を実現できる。
また、ガイドレールの下端部においては、複数の前記補強部材が重ねられて設けられたことを特徴とするので、ガイドレールの下端部の強度を向上できるようになるとともに、ガイドレールの立設しやすさ、施工性向上が図れる。
本発明に係るガイドレールの取付方法は、上述したガイドレールの補強部材、あるいは、上述したガイドレールの取付装置を用いてガイドレールを躯体に取付けるガイドレールの取付方法であって、補強部材、あるいは、取付装置を、ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けるとともに、これら複数の各補強部材、あるいは、これら複数の各取付装置を、躯体に取付けることを特徴とする。
また、上述したガイドレールの各補強部材における各ガイドレール取付部の板面とガイド溝の外周面とが直交するように各ガイドレール取付部の周縁部側の少なくとも一部を当該ガイド溝の外周面に取付けた後、ガイドレールの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレールに取付けられた各補強部材における各躯体取付部の板面と躯体の被取付面とを対面させた状態で当該各躯体取付部を当該躯体に取付けたことを特徴とする。
また、上述したガイドレールの取付装置における各補強部材の板面とガイド溝の外周面とが直交するように各補強部材の周縁部側の少なくとも一部を当該ガイド溝の外周面に取付ける各補強部材取付ステップと、当該取付装置における各取付部材の躯体連結部の板面と躯体の被取付面とを対面させた状態で当該各取付部材の躯体連結部を当該躯体に取付ける各取付部材躯体取付ステップと、各補強部材取付ステップと各取付部材躯体取付ステップとが終了した後に行われる部材連結ステップとを備え、当該部材連結ステップは、ガイド溝の外周面に取付けられた補強部材の板面と躯体に取付けられた取付部材の補強部材連結部の板面とを接触させた状態で当該補強部材と当該補強部材連結部とを連結するステップであることを特徴とする。
本発明に係るガイドレールの取付方法によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールの取付方法を実現できるとともに、当該ガイドレールを躯体に取付ける作業を容易に行えるようになる。特に、別々の部材である補強部材と取付部材とにより構成された取付装置を用いた取付方法によれば、躯体の被取付面が、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合等であっても、ガイドレールを設計通りの所定の位置に正確に設置できるガイドレールの取付方法を実現できるようになった。
本発明に係る開閉装置は、建築構造物に形成された開口部を開閉する開閉体と、開口部の左右に設けられて開閉体の左右の幅方向端部を開閉体の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝を有した左右のガイドレールと、左右のガイドレールをそれぞれ補強するとともに躯体に取付けられた、上述したガイドレールの補強部材、あるいは、上述したガイドレールの取付装置とを備えた開閉装置であって、ガイドレールは、開閉体の幅方向端部が挿入されるガイド溝の外周面の形状が、補強部材の周縁部の形状に対応した形状であり、補強部材は、周縁部がガイド溝の外周面を囲むように設置されて、周縁部側の少なくとも一部がガイド溝の外周面と連結されたことを特徴とする。
また、前記開閉体の左右の幅方向端部は、耐風係止部を備え、前記ガイドレールのガイド溝は、耐風係止部を係止させる係止壁を備えたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置によれば、ガイドレールの強度を確保できるとともに、ガイドレールの軽量化、施工性向上、製作性向上等が図れる開閉装置を提供できるようになる。
特に、耐風係止部と係止壁とを備えた開閉装置において、強度が必要となるガイドレールを容易に構築できるようになる。
本発明に係る前記ガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法は、前記周縁部側の少なくとも一部が前記ガイドレールのガイド溝の外周面に連結されて、かつ、前記躯体に連結された前記補強部材に、付設物を設置したことを特徴とする。
本発明に係るガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法によれば、付設物を容易にガイドレールに連結して固定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シャッター装置の斜視図。
図2】開閉体本体を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図。
図3】ガイドレールと補強部材と取付部材と躯体との関係を示す斜視図。
図4】開閉体とガイドレールと補強部材との関係を示す断面図。
図5】(a)は補強部材を示す斜視図、(b)は取付部材を示す斜視図。
図6】(a)はガイドレール本体を示す断面図、(b)はガイドレール本体に補強部材を取付けた状態を示す断面図。
図7】補強部材が取付けられたガイドレール本体に化粧部が設けられた状態を示す断面図。
図8】開閉体とガイドレールと補強部材との関係を示す断面図。
図9】(a)はガイドレール本体を示す断面図、(b)はガイドレール本体に補強部材を取付けた状態を示す断面図、(c)は補強部材が取付けられたガイドレール本体に化粧部が設けられた状態を示す断面図。
図10】(a)は補強部材を示す斜視図、(b)はガイドレールに補強部材が取付けれた状態を示す斜視図。
図11】ガイドレールと補強部材と取付部材と躯体との関係を示す斜視図。
図12】ガイドレールの補強部材を利用して付設物としてのコーナーポールが設置された状態を示す斜視図。
図13】ガイドレールの取付構造を示す平面図。
図14】取付部材と躯体との溶接形態を示す斜視図。
図15】躯体の被取付面が傾いている場合のガイドレールの取付構造を示す側面図。
図16】左右のガイドレールがそれぞれ取付けられる左右の躯体の被取付面の位置が前後にずれている場合のガイドレールの取付構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に示すように、実施形態1の開閉装置としてのシャッター装置1は、開閉体収容ケース(以下、ケースと略す)2、開閉機構3、開閉体4、ガイドレール5、ガイドレールの補強部材8を備える。
尚、本明細書において「建築構造物に形成された開口部13の前後方向」とは、開口部13を開閉する開閉体の開閉方向及び開閉体の左右の幅方向と直交する方向であり、例えば、開口部13の前側を「屋外側」、開口部13の後側を「屋内側」と定義して説明する。
また、「建築構造物」とは、一戸建て、マンション、ビル、倉庫、工場などの所謂建物や、車庫、カーポート、門、塀などの外構、トンネルや地下街などの建造物等をいう。
【0009】
開閉機構3は、ケース2内に設けられる。
開閉機構3は、開閉体4を巻き取る巻取シャフトや巻取枠等の巻取体6と、巻取体6の回転中心線6aを回転中心として当該巻取体6を回転させる図外の開閉駆動手段とを備える。
開閉駆動手段は、電動式シャッター装置の場合は、巻取体6を巻取方向及び繰出方向に回転させる図外の駆動源としての電動機及び電動機の回転力を巻取体6に伝達する歯車伝達機構のような動力伝達機構などにより構成され、手動式シャッター装置の場合は、巻取体6を巻取方向に回転させる図外のバネ及びバネに蓄えられた回転力を巻取体6に伝達するプーリーのような動力伝達手段などにより構成される。
巻取体6は、両端がケース2の左,右のブラケット22,22に設けられた図外の軸受に回転可能に支持され、開閉体4を巻き取る方向、及び、開閉体4を繰り出す方向(巻き出す方向)に回転する。
【0010】
開閉体4は、一端が例えば図外の吊元を介して巻取体6に連結された開閉体本体4Aと、当該開閉体本体4Aの他端に設けられた他端部構成部材4Bとを備えた構成である。
開閉体4は、例えばシャッターカーテンと呼称される。
開閉体本体4Aは、例えばスラットカーテンと呼称される。
他端部構成部材4Bは、例えば座板又は水切と呼称される。
【0011】
開閉体本体4Aは、複数のスラット41,41…を連結して構成される。
各スラット41は、一方向、即ち、シャッター装置1が設置される建築構造物の開口部13の左右の幅方向Wに沿って長い長尺状(例えば、巻取体6の回転中心線6aに沿った方向に長い金属製の長尺部材)に形成されて一対の長辺縁に沿って連続するように形成された連結手段を備える。
即ち、各スラット41は、例えば図2に示すように、短手方向に沿って若干湾曲したスラット面を形成するスラット面板42と、スラット面板42の短手方向の両端側から同方向に延長するように設けられた連結手段とを備えた形状に形成される。
スラット41とスラット41との連結は、連結対象の一方のスラット41の連結手段と他方のスラット41の連結手段とを互いに連結する。
連結手段は、例えば個々のスラット41の一方の長辺縁と他方の長辺縁に沿って互いに係合可能に形成されたカール部44,44により構成される。
【0012】
連結対象の一方のスラット41の一方のカール部44の長手方向の一端部と他方のスラット41の他方のカール部44の長手方向の他端部とを係合させた後、両方のスラット41,41における長手方向の一端部同士及び他端部同士が一致するように、一方又は両方のスラット41を長手方向に沿って横移動させることにより、一方のスラット41の一方のカール部44と他方のスラット41の他方のカール部44とをスラット41の長手方向の全幅間で係合させる。これにより、一方のスラット41と他方のスラットと41がカール部44,44を関節部として折曲可能に連結されることになる。
【0013】
例えば任意のスラット41の長手方向の端部40側におけるスラット面板42の一方の板面42aには、端金物7が溶接により取付けられている。
端金物7は、図2に示すように、スラット41の長手方向の端部40側におけるスラット面板42の一方の板面42aに溶接により取付けられる取付部7aと、当該取付部7aより延長して当該取付部7aが当該一方の板面42aに取付けられた場合にスラット41の長手方向の端縁41sより外側に突出する突出部7bと、当該突出部7bの延長方向に沿った一対の側部から互いに離れる方向に延長する一対のストッパ片7c,7cと、突出部7bの延長方向端から当該突出部7bの板面と交差する方向に延長するように設けられた耐風係止部7dとを備える。
【0014】
端金物7の取付部7aが任意のスラット41の長手方向の端部40側におけるスラット面板42の一方の板面42aに取付けられ、一対のストッパ片7c,7cが、カール部44,44を介して互いに連結された互いに隣り合う各スラット41,41の各カール部44,44の長手方向の端縁41s,41sと近接して対向するよう位置されることによって、当該一対のストッパ片7c,7cが各スラット41,41の横移動を防止するように機能する。
また、風などにより、ガイドレール5のガイド溝5aからはずれる方向の引抜き力が開閉体4に加わった場合には、耐風係止部7dがガイドレール5のガイド溝5a内の係止壁(後述する係止壁部57と係止壁部67とで構成される係止壁)に係止し、開閉体4がガイドレール5のガイド溝5aから外れる事態が防止される。
即ち、端金物7は、スラット41の横移動防止機能と、ガイドレール5に対する開閉体4の外れ防止機能とを備えた構成である。
尚、ストッパ片7cは、一対ではなく片側のみであってもよい。
また、端金物7は、ストッパ片7c自体がない構造のものであってもよい。
【0015】
他端部構成部材4Bが開閉体本体4Aにおけるスラット41の長手方向と直交する方向の他端(下端)に位置されるスラット41(最下端スラット)のカール部44に連結され、図外の吊元が開閉体本体4Aにおけるスラット41の長手方向と直交する方向の一端(上端)に位置されるスラット41(最上端スラット)のカール部44に連結される。
他端部構成部材4Bは、巻取体6の回転中心線6aに沿った方向に長く、当該長手方向と直交する断面形状が例えば逆T字形状の金属製の長尺部材により形成される。
即ち、他端部構成部材4Bは、断面逆T字の垂直部4aと、断面逆T字の水平部4bとを備えた、開口部13の左右方向に長い長尺部材により形成される。
例えば、他端部構成部材4Bの水平部4bの長手方向の長さはスラット41の長手方向の長さよりも短く、他端部構成部材4Bの長手方向の中心位置とスラット41の長手方向の中心位置とを揃えて他端部構成部材4Bの断面逆T字の垂直部4aの長辺に沿って形成された図外の連結手段と開閉体本体4Aの他端に位置されるスラット41のカール部44とが連結される。
そして、他端部構成部材4Bの水平部4bの下面が開口部13の下方の床面等の着座面に着座することにより、開口部13が開閉体4で閉鎖されることになる。
【0016】
図外の吊元は、開閉体本体4Aの一端に位置されるスラット41の長辺に沿って当該長辺に間欠的に設けられる連結板であり、建築構造物の開口部13の上方に位置する建築構造物の躯体14に固定されたケース2における開閉体4の図外の出口孔を経由して巻取体6に連結される。
【0017】
ケース2は、開閉機構3及び開閉体4を収容するものであり、開閉機構3及び開閉体4の収容空間を形成するように構成された箱体である。
ケース2は、開口部13の上方に位置する被取付部としての躯体14に固定される。ケース2は、長手方向の両端部の位置と開口部13の幅方向の両端部に設けられたガイドレール5,5の位置とが対応するように躯体14に固定される。ケース2は、長手方向と直交する断面形状が例えば四角形状である。
【0018】
ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端側に配置されて開閉体4の左右の幅方向両端部40,40を開閉体4の開閉方向V(上下方向)に沿ってガイドするために、開口部13の左右の側部にそれぞれ設けられる。
即ち、開閉体4の左右の幅方向両端部40,40が開口部13の左右に配置されたガイドレール5,5のガイド溝5a,5aに挿入されて、開閉体4の開閉時に開閉体4の左右の幅方向両端部40,40が左右のガイドレール5,5のガイド溝5a,5a内で開閉方向Vにガイドされる。
即ち、ガイドレール5,5は、建築構造物に形成された開口部13を開閉する開閉体4の左右の幅方向両端部40,40側に配置されて開閉体4の幅方向端部40を開閉体4の開閉方向に沿ってガイドするガイド溝5aを有したガイド手段である。
【0019】
以上のように構成されたシャッター装置1の開閉体4が巻取体6に巻き取られることで建築構造物の開口部13が開通し、開閉体4が巻取体6から繰り出される(巻き出される)ことで開口部13が閉鎖される。
【0020】
図3に示すように、ガイドレール5は、当該ガイドレール5を補強する補強部材8及び取付部材9を介して、例えばH形鋼で構成された躯体14に取付けられることにより、補強部材8で補強された状態で建築構造物に設置されて、強度が確保されることになる。
以下、ガイドレール5、補強部材8、取付部材9について詳説する。
【0021】
図4に示すように、ガイドレール5は、ガイドレール本体5Aと化粧部5Bとを備えて構成される。尚、図4図6図7は、図3のガイドレール5の延長方向と直交する断面図である。
図4図6(a)に示すように、ガイドレール本体5Aは、所定幅の溝入口5bを有した断面略コ字状でかつ一方向(図6(a)の紙面と直交する方向)に連続するガイド溝5aが形成された一方向に連続する中空状長尺物により構成される。
図4図7(b)に示すように、化粧部5Bは、ガイドレール5を外側からを見た場合に、ガイドレール本体5Aのガイド溝5aの内面及びガイドレール本体5Aの溝入口5b側の側壁50が目視されないように、これらガイドレール本体5Aのガイド溝5aの内面及び側壁50の表面を覆う部材により構成される。
【0022】
図6(a)に示すように、ガイドレール本体5Aは、開閉体4の左の幅方向端部又は開閉体4の右の幅方向端部を入れるための溝入口5bを有したガイド溝5aが開閉体4の開閉方向(上下方向(図6(a)の紙面と直交する方向))に連続するように形成された断面凹状の例えば金属製中空柱状の長物により構成される。
ガイドレール本体5Aは、例えば、2つの部材、即ち、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせて構成される。
第1レール材51及び第2レール材52は、例えば一方向に長尺で一方向と直交する方向に所定幅を有した板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折曲などにて成形して形成される。
【0023】
第1レール材51は、ガイド溝5aの屋外側の壁を形成するガイド溝屋外側壁部53と、側壁50のうちの屋外側の側壁を形成する屋外側壁部54とを備える。
ガイド溝屋外側壁部53は、溝入口5b側に位置する溝入口側壁部55と、ガイド溝5aの底側に位置する底側壁部56と、溝入口側壁部55と底側壁部56との境界部となる段差壁部により形成された係止壁部57とを備える。
つまり、第1レール材51は、開閉体4の開閉方向(上下方向)に連続して延長する長物であり、図6(a)に示すように、屋外側に位置する一端側から屋内側に所定の長さだけ延長する屋外側壁部54と、当該屋外側壁部54の延長端から開閉体4の幅方向に所定の長さだけ延長する溝入口側壁部55と、当該溝入口側壁部55の延長端から屋外側に所定の長さだけ延長する係止壁部57と、当該係止壁部57の延長端から開閉体4の幅方向でかつ屋外側壁部54から離れる方向に所定の長さだけ延長する底側壁部56とを備えた構成である。
尚、屋外側壁部54と溝入口側壁部55との境界部によりガイド溝5aの溝入口5bの屋外側縁部が形成され、例えば当該屋外側壁部54の板面と溝入口側壁部55の板面とが当該屋外側壁部54と溝入口側壁部55との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば溝入口側壁部55の板面と係止壁部57の板面とが当該溝入口側壁部55と係止壁部57との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
さらに、例えば係止壁部57の板面と底側壁部56の板面とが当該係止壁部57と底側壁部56との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0024】
第2レール材52は、ガイド溝5aの屋内側の側壁を形成するガイド溝屋内側壁部63と、側壁50のうちの屋内側の側壁を形成する屋内側壁部64と、ガイド溝5aの底壁を形成するガイド溝底壁部65と、ガイド溝5aの底側に位置する底側壁部66と、係止壁部67とを備える。
つまり、第2レール材52は、開閉体4の開閉方向(上下方向)に連続して延長する長物であり、図6(a)に示すように、屋内側に位置する一端側から屋外側に所定の長さだけ延長する屋内側壁部64と、当該屋内側壁部64の延長端から開閉体4の幅方向に所定の長さだけ延長するガイド溝屋内側壁部63と、当該ガイド溝屋内側壁部63の延長端から屋外側に所定の長さだけ延長するガイド溝底壁部65と、当該ガイド溝底壁部65の延長端から開閉体4の幅方向でかつ屋内側壁部64に近づく方向に所定の長さだけ延長する底側壁部66と、当該底側壁部66の延長端から屋内側に所定の長さだけ延長する係止壁部67とを備えた構成である。
尚、屋内側壁部64とガイド溝屋内側壁部63との境界部によりガイド溝5aの溝入口5bの屋内側縁部が形成され、例えば当該屋内側壁部64の板面とガイド溝屋内側壁部63の板面とが当該屋内側壁部64とガイド溝屋内側壁部63との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えばガイド溝屋内側壁部63の板面とガイド溝底壁部65の板面とが当該ガイド溝屋内側壁部63とガイド溝底壁部65との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えばガイド溝底壁部65の板面と底側壁部66の板面とが当該ガイド溝底壁部65と底側壁部66との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば底側壁部66の板面と係止壁部67の板面とが当該底側壁部66と係止壁部67との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0025】
図7(b)に示すように、化粧部5Bは、内側化粧板71と屋内側化粧板72と屋外側化粧板73とを備える。
内側化粧板71、屋内側化粧板72、屋外側化粧板73は、例えば一方向に長尺で一方向と直交する方向に所定幅を有した板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折曲などにて成形して形成される。
尚、内側化粧板71、屋内側化粧板72、屋外側化粧板73を形成する金属板は、例えば第1レール材51及び第2レール材52を形成する金属板よりも板厚が薄く、かつ、表面に、着色、模様、光沢や非光沢等の化粧処理が施されたもの等を用いればよい。
【0026】
図7(a)に示すように、内側化粧板71は、第2レール材52のガイド溝屋内側壁部63の内面及びガイド溝底壁部65の内面に取付けられて、ガイドレール5のガイド溝5aの溝入口5bを介してガイド溝5aの内側を目視した場合に、第2レール材52のガイド溝屋内側壁部63の内面及びガイド溝底壁部65の内面が目視されないようにするための化粧板である。
即ち、内側化粧板71は、ガイド溝屋内側壁部63の内面を覆うガイド溝屋内側覆部74と、ガイド溝底壁部65の内面を覆うガイド溝底側覆部75とを備える。
例えばガイド溝屋内側覆部74の板面とガイド溝底側覆部75の板面とが当該ガイド溝屋内側覆部74とガイド溝底側覆部75との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
尚、ガイドレール5のガイド溝5aの溝入口5bを介してガイド溝5aの内側を目視した場合、ガイド溝底壁部65の内面の屋外側部分は、第1レール材51の溝入口側壁部55及び第2レール材52の係止壁部67に邪魔されて死角となるので、ガイド溝底壁部65の内面において、ガイド溝底側覆部75の一端と底側壁部66との間は非覆部75aとなっている。
【0027】
図7(b)に示すように、屋内側化粧板72は、第2レール材52の屋内側壁部64の表面及びガイド溝屋内側壁部63の溝入口5b側の内面に取付けられて、第2レール材52の屋内側壁部64の表面及びガイド溝屋内側壁部63の溝入口5b側の内面が目視されないようにするための化粧板である。
屋内側化粧板72は、第2レール材52の屋内側壁部64の表面を覆う屋内側壁覆部76と、ガイド溝屋内側壁部63の開口側の内面を覆う屋内側壁部表面覆部77とを備える。
例えば屋内側壁覆部76の板面と屋内側壁部表面覆部77の板面とが当該屋内側壁覆部76と屋内側壁部表面覆部77との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0028】
図7(b)に示すように、屋外側化粧板73は、第1レール材51の屋外側壁部54の表面及び溝入口側壁部55の内面に取付けられて、第1レール材51の屋外側壁部54の表面及び溝入口側壁部55の内面が目視されないようにするための化粧板である。
屋外側化粧板73は、第1レール材51の屋外側壁部54の表面を覆う屋外側壁覆部78と、溝入口側壁部55の内面を覆うガイド溝入口屋外側覆部79とを備える。
例えば屋外側壁覆部78の板面とガイド溝入口屋外側覆部79の板面とが当該屋外側壁覆部78とガイド溝入口屋外側覆部79との境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0029】
補強部材8は、例えば板厚数mm程度の板面が略四角形のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)の四角形の一辺側から当該金属板を略四角形状に切欠いて形成された切欠き凹部を備えた切欠き板により構成されたものを用いたり、あるいは、アルミダイキャストなどのダイキャストにより成形されたもの等を用いる。
図4に示すように、例えば補強部材8に形成された切欠き凹部と金属板との境界縁を構成する周縁部80は、ガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fに沿って当該外周面5fを囲む形状に形成されている。
即ち、補強部材8は、開閉体4の幅方向端部が挿入されるガイド溝5aの外周面5fに沿って当該外周面5fを囲む形状に形成された周縁部80を備えた例えば平板部材により構成される。
例えば、ガイドレール5のガイド溝5aを形成する部位が補強部材8に形成された切欠き凹部に挿入された状態において、補強部材8の切欠き凹部の周縁部80の形状とガイドレール5のガイド溝5aの断面におけるガイド溝5aの外周面5fの形状とが略合致した形状に形成されている。
尚、補強部材8の板厚は、第1レール材51や第2レール材52の板厚よりも厚くすることが好ましく、さらには、第1レール材51の板厚と第2レール材52の板厚とを足した厚さよりも厚くすることが強度上より好ましい。
【0030】
図4図5(a)に示すように、補強部材8の周縁部80は、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせて構成されたガイドレール本体5Aのガイド溝5aの外周面5fとなる板面、即ち、第1レール材51の溝入口側壁部55の屋外側となる板面、係止壁部57のガイド溝5aの溝入口5b側となる板面、底側壁部56の屋外側となる板面、第2レール材52のガイド溝底壁部65における溝入口5bとは反対側の板面、ガイド溝屋内側壁部63の屋内側となる板面の各板面にそれぞれ対向する各辺縁部により構成される。
つまり、補強部材8の周縁部は、第1レール材51の溝入口側壁部55の屋外側となる板面と対向する溝入口屋外側縁部81と、係止壁部57の溝入口5b側となる板面と対向する係止壁側縁部82と、底側壁部56の屋外側となる板面と対向する屋外底側側壁側縁部83と、第2レール材52のガイド溝底壁部65における溝入口5bとは反対側の板面と対向するガイド溝底側縁部84と、ガイド溝屋内側壁部63の屋内側となる板面と対向する屋内ガイド溝側壁側縁部85とで構成される。
また、補強部材8は、溝入口屋外側縁部81の一端から屋外側に延長して屋外側壁部54と平行に対向する屋外側縁部86と、屋内ガイド溝側壁側縁部85の一端から屋内側に延長して屋内側壁部64と平行に対向する屋内側縁部87と、屋外側縁部86の延長端と屋内側縁部87の延長端とを繋いで補強部材8の周縁部80の外側を囲む外縁部88とを備える。
換言すれば、図5(a)に示すように、補強部材8は、ガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fを囲む周縁部80と、屋外側縁部86と、屋内側縁部87と、外縁部88とで囲まれた平板部材である。
【0031】
そして、補強部材8の周縁部80がガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fを囲むように設置されて、当該補強部材8の周縁部80側の少なくとも一部と前記ガイド溝5aの外周面5fとが例えば溶接により連結される。
【0032】
図1図3に示すように、ガイドレール5には、複数個の補強部材8,8…が、ガイドレール5の上下方向(長手方向、延長方向)、即ち、開閉体4の開閉方向Vに沿って間隔を隔てて連結される。
【0033】
取付部材9は、例えば板厚数mm程度のスチール、ステンレス、アルミ等の金属板(例えば金属平板)を折り曲げて形成されたもの、アングル材を加工したもの、あるいは、アルミダイキャストなどのダイキャストにより成形されたもの等を用いる。
当該取付部材9は、図5(b)に示すように、補強部材8と連結される補強部材連結部91と、躯体14と連結される躯体連結部92とを備える。
補強部材連結部91は、例えば長方形状の平板部の一方の短辺側に、補強部材8の周縁部80で囲まれた切欠き凹部が対応する切欠き部93が形成されている。
躯体連結部92は、例えば長方形状の平板部により構成される。
補強部材連結部91は、躯体連結部92の長方形の一方の長辺縁より延長して、例えば躯体連結部92の板面と直交する板面を有し、切欠き部93が形成された平板部により形成される。
即ち、取付部材9は、補強部材連結部91と躯体連結部92とが互いに直交する板面を有した断面L字状の平板により構成される。
【0034】
そして、例えばガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…の躯体14への取付箇所にそれぞれあらかじめ取付部材9,9…を溶接等で取付けておき、図1図3に示すように、ガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…を、それぞれ、対応する取付部材9,9…に溶接等で取付けることにより、ガイドレール5が、複数個の補強部材8,8…で補強された状態となって躯体14に取付けられるので、ガイドレール5の強度を向上させることができる。
尚、ガイドレール5に連結された複数個の補強部材8,8…を取付部材9,9…を介して建築構造物の躯体14に取付ける構成とした場合、ガイドレール5を取付ける躯体14の被取付面14f(図15参照)の垂直精度が多少狂っていたとしても、ガイドレール5に連結された各補強部材8,8…の取付部材9,9…に対する取付位置を調節することにより、垂直精度の高いガイドレール5を実現できるようになる。
このように躯体14の被取付面14fの垂直精度が多少狂っていた場合、則ち、躯体14の被取付面14fが、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合において、別々の部材である補強部材8と取付部材9とを用いたガイドレール5の取付方法及び取付構造の詳細については、後述する。
【0035】
補強部材付きガイドレール5の組立方法の一例を説明する。
まず、図6(a)に示すように、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせる。
即ち、第1レール材51の底側壁部56の屋内側となる板面と第2レール材52の底側壁部66の屋外側となる板面とを接触させるとともに、第1レール材51の係止壁部57のガイド溝底側となる板面と第2レール材52の係止壁部67の側壁50側となる板面とを接触させ、ガイド溝5aが形成された状態となるよう、第1レール材51と第2レール材52とを組み合わせて、ガイドレール本体5Aを仮組する。
次に、仮組されたガイドレール本体5Aの長手方向の一端側から、補強部材8の切欠き凹部にガイドレール本体5Aを挿入して、図6(b)に示すように、補強部材8の周縁部80がガイドレール本体5Aのガイド溝5aの外周面5fを囲むように、補強部材8を設置する。
そして、例えば、図6(b)に示すように、補強部材8の溝入口屋外側縁部81と第1レール材51の溝入口側壁部55の屋外側となる板面(ガイド溝5aの外面)とを密着させるとともに、補強部材8の屋外底側側壁側縁部83と第1レール材51の底側壁部56の屋外側となる板面(ガイド溝5aの外面)とを密着させ、かつ、補強部材8の係止壁側縁部82と第1レール材51の係止壁部57の側壁50側となる板面(ガイド溝5aの外面)とを密着させた状態で、ガイドレール本体5Aのガイド溝5aの外周面5fと補強部材8の周縁部80側とを溶接により連結して、補強部材8をガイドレール本体5Aに固定する。
この場合、例えば、互いに対向する補強部材8の溝入口屋外側縁部81と第1レール材51の溝入口側壁部55の板面、互いに対向する補強部材8の屋外底側側壁側縁部83と第1レール材51の底側壁部56の板面、互いに対向する補強部材8のガイド溝底側縁部84と第2レール材52のガイド溝底壁部65の板面、互いに対向する補強部材8の屋内ガイド溝側壁側縁部85と第2レール材52のガイド溝屋内側壁部63の板面、互いに対向する補強部材8の屋内側縁部87と第2レール材52の開口側屋内側壁部64の板面を、それぞれ、溶接により接合する。
以上のようにして、ガイドレール本体5Aに、当該ガイドレール本体5Aの上下方向(長手方向)に沿って間隔を隔てて複数個の補強部材8,8…を取付ける。
【0036】
次に、内側化粧板71、屋内側化粧板72、屋外側化粧板73を取付ける。
内側化粧板71をガイドレール本体5Aの溝入口5bを介してガイド溝5a内に挿入して、図7(a)に示すように、第2レール材52のガイド溝底壁部65の内面と内側化粧板71のガイド溝底側覆部75の板面とが接着剤などの連結手段で連結されるとともに、第2レール材52のガイド溝屋内側壁部63の内面と内側化粧板71のガイド溝屋内側覆部74の板面とが接着剤などの連結手段で連結される。
次に、図7(b)に示すように、第2レール材52のガイド溝屋内側壁部63の溝入口5b側の内面と屋内側化粧板72の屋内側壁部表面覆部77の板面とが接着剤などの連結手段で連結されるとともに、第2レール材52の屋内側壁部64の表面と屋内側化粧板72の屋内側壁覆部76の板面とが接着剤などの連結手段で連結される。尚、屋内側壁部表面覆部77のガイド溝底側の端面とガイド溝屋内側覆部74の溝入口5b側の端面とが若干の隙間を隔てて対向するように構成される。
さらに、図7(b)に示すように、第1レール材51の溝入口側壁部55の内面と屋外側化粧板73のガイド溝入口屋外側覆部79の板面とが接着剤などの連結手段で連結されるとともに、第1レール材51の屋外側壁部54の表面と屋外側化粧板73の屋外側壁覆部78の板面とが接着剤などの連結手段で連結される。尚、ガイド溝入口屋外側覆部79のガイド溝底側の端面と係止壁部67の端部の板面とが若干の隙間を隔てて対向するように構成される。
以上により、ガイドレール5がガイドレール本体5Aと化粧部5Bとで構成され、かつ、複数個の補強部材8,8…で補強されたガイドレール5が完成する。
尚、ガイドレール本体5Aに化粧部5Bを取付けてガイドレール5を構成した後に、当該ガイドレール5に複数の補強部材8,8…を取付けるようにしてもよい。
【0037】
そして、躯体14の所定位置にそれぞれ取付部材9,9…を取付け、対応する取付部材9,9…と補強部材8,8…とを溶接により連結して固定することにより、取付部材9,9…を介して躯体14に固定されるとともに、複数の補強部材8,8…で補強されたガイドレール5を構築できる。
即ち、実施形態1では、別々の部材である補強部材8と取付部材9とでガイドレール5の取付装置が構成される。
当該補強部材8は、ガイド溝5aの外周面5fに沿って当該外周面5fを囲む形状に形成された周縁部80を有した平板により形成される。
また、当該取付部材9は、補強部材8を構成する平板の板面と接触する板面を有して当該補強部材8と連結される補強部材連結部91と、躯体14と連結される躯体連結部92とを備え、補強部材連結部91と躯体連結部92とが互いに直交する板面を有した断面L字状の平板により形成された構成のものである。
このように、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールを実現できるとともに、当該ガイドレールを躯体に取付ける作業を容易に行えるようになる。特に、後述するように、躯体14の被取付面14fが、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合であっても、ガイドレール5を、設計通りの所定の位置に正確に設置することが可能となる。
そして、当該補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置により、ガイドレール5が躯体14に取付けられたガイドレールの取付構造が実現される。
当該取付構造は、各取付装置の各補強部材8,8…が、ガイドレール5の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレール5に取付けられたとともに、当該ガイドレール5に取付けられた各取付装置の各補強部材8,8…が、各取付部材9,9…を介して躯体14に取付けられた構造となる。
当該ガイドレールの取付構造によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールの取付構造を実現できるとともに、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける作業を容易に行えるようになる。また、垂直精度の高いガイドレール5の取付構造を実現できる。
より具体的には、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いたガイドレールの取付構造は、補強部材8の板面とガイド溝5aの外周面5fとが直交するように当該補強部材8の周縁部80側の少なくとも一部が溶接により当該ガイド溝5aの外周面5fに取付けられたとともに、取付部材9の躯体連結部92の板面と躯体14の被取付面14f(図13乃至図16参照)とが対面した状態で当該躯体連結部92が溶接により躯体14に取付けられ、かつ、取付部材9の補強部材連結部91の板面と補強部材8の板面とが接触した状態で当該補強部材連結部91と当該補強部材8とが溶接により連結された構造とした。
このように、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いたガイドレールの取付構造によれば、後述するように、躯体14の被取付面14fが、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合であっても、ガイドレール5が設計通りの所定の位置に正確に設置されたガイドレールの取付構造を実現できる。
さらに、当該取付装置を用いたガイドレール5の取付方法は、各取付装置の各補強部材8,8…を、ガイドレール5の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレール5に取付けるとともに、これら複数の各補強部材8,8…を、各取付部材9,9…を介して躯体14に取付けることにより、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける方法とした。
当該ガイドレールの取付方法によれば、軽量かつ強度の高いガイドレールの取付方法を実現できるとともに、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける作業を容易に行えるようになる。
より具体的には、取付装置における各補強部材8,8…の板面とガイド溝5aの外周面5fとが直交するように各補強部材8,8…の周縁部80側の少なくとも一部を当該ガイド溝5aの外周面5fに取付ける各補強部材取付ステップと、当該取付装置における各取付部材9,9…の躯体連結部92の板面と躯体14の被取付面14fとを対面させた状態で当該各取付部材9,9…の躯体連結部92を当該躯体14に取付ける各取付部材躯体取付ステップと、各補強部材取付ステップと各取付部材躯体取付ステップとが終了した後に行われる部材連結ステップとを備えた取付方法とした。当該部材連結ステップは、ガイド溝5aの外周面5fに取付けられた各補強部材8,8…の板面と躯体14に取付けられた取付部材9,9…の各補強部材連結部91,91…の板面とを接触させた状態で当該各補強部材8,8…と当該各補強部材連結部91,91…とを連結するステップである。即ち、互いに対応する補強部材8と補強部材連結部91とを連結する。
このように、各補強部材取付ステップと、各取付部材躯体取付ステップと、部材連結ステップとを備えた取付方法とすることで、後述するように、躯体14の被取付面14fが、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合であっても、ガイドレール5に連結された各補強部材8,8…の対応する各取付部材9,9…に対する取付位置を調節することによって、ガイドレール5を設計通りの所定の位置に正確に設置できるガイドレールの取付方法を実現できる。
【0038】
実施形態1によれば、補強部材8,8…を用いることにより、ガイドレール5の軽量化、施工性向上、製作性向上が図れるとともに、ガイドレール5の強度を確保できるようになる。
また、軽量化、施工性向上、製作性向上が図れ、かつ、強度も確保できるガイドレール5を提供できるようになった。
また、実施形態1によれば、特に、耐風係止部7dと係止壁(係止壁部57と係止壁部67とで構成される係止壁)とを備えた開閉装置1において、強度が必要となるガイドレール5を容易に構築できるようになる。
【0039】
実施形態2
防煙機能を備えたガイドレールと当該ガイドレールを補強する補強部材とを用いた構成であってもよい。
例えば、実施形態1で説明した図4と対応する図8に示すように、防煙機能を備えたガイドレール5は、ガイドレール本体5Zの側壁における屋外側壁部54の表面を覆うように設けられた屋外側化粧板73Aの屋外側壁覆部78のガイド溝5aの溝入口5b側に防煙材95を備えた構成である。
【0040】
防煙機能を備えたガイドレール5の場合、ガイドレール本体5Zは、第1レール材51Aと上述した第2レール材52とを組み合わせて構成される。
第1レール材51Aは、ガイド溝5aの溝入口5b側において、防煙材95の取付部材96を配置するためのスペースが形成された構成となっている。
即ち、第1レール材51Aは、屋外側に位置する一端側から屋内側に上述した第1レール材51の屋外側壁部54の延長長さよりも短い所定の長さだけ延長する屋外側壁部54bと、当該屋外側壁部54bの延長端から開閉体4の幅方向に所定の長さだけ延長する隔壁部54aと、当該隔壁部54aの延長端から屋内側に延長する隔壁部55aと、当該隔壁部55aの延長端から開閉体4の幅方向でかつ屋外側壁部54から離れる方向に所定の長さだけ延長する溝入口側壁部55bと、当該溝入口側壁部55bの延長端から屋外側に所定の長さだけ延長する係止壁部57と、当該係止壁部57の延長端から開閉体4の幅方向でかつ屋外側壁部54bから離れる方向に所定の長さだけ延長する底側壁部56とを備えた構成である。
尚、例えば屋外側壁部54bの板面と隔壁部54aの板面とが当該屋外側壁部54bと隔壁部54aとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば隔壁部54aの板面と隔壁部55aの板面とが当該隔壁部54aと隔壁部55aとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
また、例えば隔壁部55aの板面と溝入口側壁部55bの板面とが当該隔壁部55aと溝入口側壁部55bとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0041】
そして、化粧部5Dは、内側化粧板71と屋内側化粧板72と屋外側化粧板73Aとで構成される。
屋外側化粧板73Aは、屋外側壁覆部78の屋内側端部より開閉体4の幅方向に延長するガイド溝入口屋外側覆部79aの延長長さが、上述した実施形態1の屋外側化粧板73のガイド溝入口屋外側覆部79の延長長さよりも短い長さに形成される。
尚、例えば屋外側壁覆部78の板面とガイド溝入口屋外側覆部79aの板面とが当該屋外側壁覆部78とガイド溝入口屋外側覆部79aとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
【0042】
即ち、防煙材95の取付部材96を配置するためのスペースが、隔壁部55aと隔壁部54aと屋外側壁覆部78とガイド溝入口屋外側覆部79aとで囲まれたスペースにより形成されている。
【0043】
防煙材95は、例えば長尺な平板状のゴムや樹脂、布(クロス)等で、好ましくは耐火難燃処理された部材等により形成され、当該防煙材95の一方の長辺側部分が取付部分95aとなり、防煙材95の他方の長辺側端95tが本例では先鋭に形成されている。
また、取付部材96は、屋外側壁覆部78の内面と対向する板面を有した第1板部96aと、当該第1板部の端部より延長してガイド溝入口屋外側覆部79aの内面と対向する板面を有した第2板部96bとを有し、第1板部96aの板面と第2板部96bの板面とが当該第1板部96aと第2板部96bとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
取付部材96は、例えば、断面コ字状の鋼材により形成される。
【0044】
そして、図8に示すように、防煙材95の取付部分95aの一方の板面を、屋外側化粧板73Aの屋外側壁覆部78の内面及びガイド溝入口屋外側覆部79aの内面にあてがうとともに、当該取付部分95aの他方の板面に取付部材96の第1板部96aの板面と第2板部96bの板面とをあてがった状態とする。即ち、屋外側化粧板73Aと取付部材96とで防煙材95の取付部分95aを挟み込んだ状態で、屋外側壁覆部78と防煙材95の取付部分95aと取付部材96の第1板部96aとをねじ等の締結手段97で固定することにより、ガイド溝5aの溝入口5bの屋外側に、防煙機能を発揮する防煙材95を備えたガイドレール5が構成される。
当該ガイドレール5の場合、防煙材95の先鋭に形成された他方の長辺側端95t側が、ガイド溝5aに挿入される開閉体4の屋外側板面に接触した状態となるよう、防煙材95のゴムの弾性により付勢されるので、屋内側から屋外側への煙の漏れ、又は、屋外側から屋内側への煙の漏れが防止される。
【0045】
実施形態2による補強部材付き防煙機能ガイドレール5の組立方法の一例を図9に基づいて説明する。
まず、図9(a)に示すように、第1レール材51Aと上述した第2レール材52とを組み合わせてガイドレール本体5Zを仮組する。
そして、実施形態1と同様、図9(b)に示すように、補強部材8Zの周縁部80Aがガイドレール本体5Zのガイド溝5aの外周面5fを囲むように、複数の補強部材8Z,8Z…を設置する。
さらに、実施形態1と同様、図9(c)に示すように、ガイドレール本体5Zに、内側化粧板71と、屋内側化粧板72と、防煙材95を備えた屋外側化粧板73Aとを取付けて、化粧部5Dを形成する。
以上により、ガイドレール本体5Zと化粧部5Dとで構成され、かつ、複数個の補強部材8Z,8Z…で補強されたガイドレール5が完成する。
そして、躯体14の所定位置にそれぞれ取付部材9,9…を取付け、対応する取付部材9,9…と補強部材8Z,8Z…とを溶接により連結して固定することにより、取付部材9,9…を介して躯体14に固定され、複数の補強部材8Z,8Z…で補強されたガイドレール5を構築できる。
尚、実施形態1と同様に、ガイドレール本体5Zに化粧部5Dを取付けてガイドレール5を構成した後に、当該ガイドレール5に複数の補強部材8Z,8Z…を取付けるようにしてもよい。
また、図8図9において、実施形態1の図4の構成と同一部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略した。
【0046】
実施形態2によれば、実施形態1と同じように、補強部材8Z,8Z…を用いることにより、防煙機能を備えたガイドレール5の軽量化、施工性向上、製作性向上が図れるとともに、ガイドレール5の強度を確保できるようになる。
また、軽量化、施工性向上、製作性向上が図れ、かつ、強度も確保できる防煙機能を備えたガイドレール5を提供できるようになった。
【0047】
実施形態3
図10(a)に示すように、上述した補強部材(補強部材8又は補強部材8Z)の機能を有したガイドレール取付部8Aと取付部材9の機能を有した躯体取付部9Aとを備えたガイドレールの取付装置としても機能する補強部材89を用いてもよい。
即ち、補強部材89は、板状部材に周縁部(周縁部80又は周縁部80A)が形成されたガイドレール取付部8Aと、ガイドレール取付部8Aの屋外側側縁より延長するように設けられた板状部材により形成された躯体取付部9Aとを備えた構成である。例えば、ガイドレール取付部8Aの板面と躯体取付部9Aの板面とが当該ガイドレール取付部8Aと躯体取付部9Aとの境界部を介して互いに直交するように形成されている。
当該補強部材89のガイドレール取付部8Aをガイドレール本体5A又はガイドレール本体5Zに取付けて躯体取付部9Aを躯体14に取付けることにより、図10(b)に示すように、ガイドレール5が複数の補強部材89,89…で補強された状態となって躯体14に取付けられることになる。
即ち、実施形態3に係る補強部材89は、ガイドレール5を躯体14に取付けるための取付装置としても機能する補強部材であって、上述した周縁部(周縁部80又は周縁部80A)を有して当該周縁部側の少なくとも一部がガイド溝5aの外周面5fに取付けられるガイドレール取付部8Aと、躯体14に取付られる躯体取付部9Aとを備えた構成であり、ガイドレール取付部8Aと躯体取付部9Aとが互いに直交する板面を有した断面L字状の平板により形成された構成となっている。
そして、当該取付装置としても機能する各補強部材89,89…により、ガイドレール5が躯体14に取付けられたガイドレールの取付構造が実現される。
当該取付構造は、各補強部材89,89…が、ガイドレール5の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレール5に取付けられたとともに、建築構造物の躯体14に取付けられた構造となる。
具体的には、取付装置としても機能する各補強部材89,89…を用いたガイドレールの取付構造は、当該補強部材89におけるガイドレール取付部8Aの板面とガイド溝5aの外周面5fとが直交するように当該ガイドレール取付部8Aの周縁部側の少なくとも一部が溶接により当該ガイド溝5aの外周面5fに取付けられたとともに、補強部材89における躯体取付部9Aの板面と躯体14の被取付面14fとが対面した状態で当該躯体取付部9Aが溶接により当該躯体14に取付けられた構造とした。
さらに、取付装置としても機能する各補強部材89,89…を用いたガイドレール5の取付方法は、各補強部材89,89…の各ガイドレール取付部8A,8A…を、ガイドレール5の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレール5に取付けるとともに、これら複数の各補強部材8,8…の各躯体取付部9A,9A…を、各取付部材9,9…を躯体14に取付けることにより、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける方法とした。
具体的には、各補強部材8,8…における各ガイドレール取付部8A,8A…の板面とガイド溝5aの外周面5fとが直交するように各ガイドレール取付部8A,8A…の周縁部側の少なくとも一部を当該ガイド溝5aの外周面5fに溶接により取付けた後、ガイドレール5の延長方向に沿って所定の間隔を隔てて当該ガイドレール5に取付けられた各補強部材8,8…における各躯体取付部9A,9A…の板面と躯体14の被取付面14fとを対面させた状態で当該各躯体取付部9A,9A…を当該躯体14に溶接により取付けた取付方法とした。
このように、各補強部材8,8…をガイドレール5に取付けた後に、当該ガイドレール5に取付けられた各補強部材8,8…の各躯体取付部9A,9A…を躯体14に取付ければよいので、取付作業が容易で施工性に優れ、かつ、強度の高いガイドレール5を実現できる。
即ち、実施形態3に係る補強部材89によれば、ガイドレール取付部8Aと躯体取付部9Aとを備えた一体の取付装置としても機能する補強部材89としたので、軽量かつ強度の高いガイドレール5を実現できるとともに、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける作業を容易に行えるようになる。また、実施形態1のように、別々の部材である補強部材8と取付部材9とを用いる場合と比べて、部品点数を削減できる。
【0048】
実施形態4
ガイドレールの下端部の補強部として、上述したような補強部材を1枚又は複数枚重ねて構成された補強部を設けるようにする。即ち、ガイドレールの下端部においては、複数の補強部材が重ねて設けられた構造とした。
例えば、図11に示すように、強風時に特に力が加わりやすいガイドレール5の下端部に補強部材8を2枚重ねて設けることにより、ガイドレール5の下端部の強度を向上できるようになるとともに、ガイドレールの立設しやすさ、施工性向上が図れるという効果も得られる。
【0049】
実施形態5
ガイドレールの下端部に限らず、ガイドレールの強度を向上させたい部位の補強部として、実施形態4で説明したように、補強部材を複数枚重ねて構成された補強部を設けるようにしてもよい。
【0050】
実施形態6
また、ガイドレールの長手方向に沿って間隔を隔てて設ける各補強部材の設置間隔(ピッチ)は、自由に設定できる。
例えば、補強部材8を1個1個所定の間隔で設置したり、あるいは、補強部材8を複数個重ねた重ね補強部材を所定の間隔で設置してもよい。
また、所定の間隔は、設置場所や条件、状況等に応じて、大きくしたり、小さくしたりする等、自由に決めればよい。
さらには、所定の間隔ではなく、補強部材8を1個1個任意の間隔で設置したり、あるいは、補強部材8を複数個重ねた重ね補強部材を任意の間隔で設置してもよい。例えば、より強度を確保したい部分には、間隔を小さくして、より多くの補強部材8や重ね補強部材を配置するようにすればよい。即ち、ガイドレールの強度を大きくしたい部分で密な間隔とするとともに、ガイドレールの強度が小さくても良い部分では粗な間隔とすればよい。
また、材質や強度の違う補強部材を複数種類準備し、設置場所や条件、状況等に応じて、適した補強部材を適宜選択して設置するようにしてもよい。
【0051】
実施形態7
上述した補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いたガイドレールの取付構造において、例えば図3に示すように、補強部材連結部91と躯体連結部92とが互いに直交する板面を有した断面L字状の平板により形成された取付部材9を、ガイドレール5の最も下端側の取付位置と、ガイドレール5の最も下端側以外の取付位置とで、上下の位置を逆にして取付ける構造とした。
即ち、ガイドレール5の最も下端側の取付位置においては、躯体連結部92が補強部材連結部91よりも上方に位置されるように取付部材9を設け、ガイドレール5の最も下端側以外の取付位置においては、躯体連結部92が補強部材連結部91よりも下方に位置されるように各取付部材9,9…を設けて、躯体連結部92を躯体14に取付けるようにした。
このようにすることで、ガイドレール5の最も下端側に設ける補強部材8を、より下方に位置させることができるようになるので、ガイドレール5の取付安定性をより向上させることができる。
【0052】
実施形態8
上述した補強部材を利用して付設物を設置するようにしてもよい。
即ち、周縁部側の少なくとも一部がガイドレールのガイド溝の外周面に連結されて、かつ、建築構造物の躯体に連結された補強部材に、付設物を設置したことを特徴とするガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法である。
例えば、図12に示すように、ガイドレール5の下端部に取付けられた補強部材8に、付設物取付手段101を連結し、当該付設物取付手段101に付設物100を取付けるようにした。
【0053】
例えば、ガイドレール5の下端部に取付けられた補強部材8に、付設物取付手段101としての取付台座を溶接などの連結手段を用いて連結し、付設物100としてのコーナー用ポールの取付部102としての取付ベースを付設物取付手段101としての取付台座に取付けることによって、コーナー用ポールを床面に取付けることなく、ガイドレール5に取付けることができるようになる。
トラックやフォークリフトが通過する倉庫などの開閉装置(シャッター装置)の開口部13の横には、コーナー用ポールが付設されることがあるが、従来、当該コーナー用ポールはアンカーを用いて床に固定していた。このため、アンカー用の孔を床に設ける必要があり、また、付設作業が煩雑であった。
一方、実施形態7に係るガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法によれば、床に孔をあけることなく、付設物100としてのコーナー用ポールを容易にガイドレール5に連結して固定できるようになる。
【0054】
実施形態9
また、ガイドレールの補強部材を利用した付設物の設置方法としては、ガイドレールの長手方向の中間部や上端部に取付けられた補強部材に、付設物取付手段101を連結し、当該付設物取付手段101に、警告灯、照明器具、その他の付設物100を取付けるようにしてもよい。
【0055】
次に、実施形態1で説明した、別々の部材である補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いたガイドレールの取付構造及び取付方法について詳説する。
例えば、ガイドレール5を、当該取付装置と溶接とを用いて躯体14に取付ける場合、図13図14に示すような取付構造となる。
また、この場合、取付方法は、まず、上述したようにガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fと補強部材8の周縁部80側とを溶接により連結することで、補強部材8の板面とガイド溝5aの外周面5fとが直交するように、補強部材8をガイドレール5に取付ける。
そして、取付部材9の躯体連結部92の板面と躯体14の被取付面14fとを対向させた状態で、取付部材9の躯体連結部92を溶接W3,W4により躯体14に取付ける。
さらに、躯体14に取付けられた取付部材9の補強部材連結部91の板面とガイドレール5に取付けられた補強部材8の板面とを接触させた状態で、当該取付部材9の補強部材連結部91と補強部材8とを溶接W1,W2により連結する。
この場合、例えば図13図14(a)に示すように、躯体14の被取付面14fと取付部材9の躯体連結部92の端面92eとの境界部分に隅肉溶接W3が施されるとともに、例えば図13図14(b)に示すように、躯体14の被取付面14fにおける一端側の端面14eと取付部材9の躯体連結部92の板面との境界部分に隅肉溶接W4が施されることにより、取付部材9が溶接W3,W4により躯体14に取付けられる。
また、例えば図13に示すように、ガイドレール5に取付けられた補強部材8において躯体14の被取付面14fと直交する外縁部88と躯体14に取付けられた取付部材9の補強部材連結部91の板面との境界部分に隅肉溶接W1が施されるとともに、ガイドレール5に固定された補強部材8において躯体14の被取付面14fと平行に対向する外縁部88と躯体14に取付けられた取付部材9の補強部材連結部91の板面との境界部分に隅肉溶接2が施されることにより、取付部材9と補強部材8とが溶接W1,W2により連結される。
このように、別々の部材である補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いることによって、軽量かつ強度の高いガイドレールの取付構造、取付方法を実現できるとともに、当該ガイドレール5を躯体14に取付ける作業を容易に行えるようになる。
【0056】
ガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fは、ガイドレール5の中心線5Cが位置されることになる設計上の垂直線VL(図15参照)に対して平行な垂直面となるように施工されることが理想的である。しかしながら、躯体14の被取付面14fが上述したような平行な垂直面となるように施工されていない場合がある。
このように、ガイドレール5の中心線5Cが位置されることになる設計上の垂直線VLに対して平行な垂直面となるように躯体14の被取付面14fが施工されていなかった場合でも、上述した補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いることによって、垂直精度の高いガイドレール5を簡単に施工できるようになる。
則ち、躯体14の被取付面14fが上下方向に向けて傾斜する傾斜面に形成される場合、例えば、図15(a)に示すように、上述した垂直線VLに対して躯体14の被取付面14fが上方に行くほど当該垂直線VLに近付くような傾斜面になってしまっている場合、あるいは、図15(b)に示すように、上述した垂直線VLに対して躯体14の被取付面14fが上方に行くほど当該垂直線VLから離れるような傾斜面になってしまっている場合等がある。
【0057】
図15(a)に示すような躯体14の被取付面14fの場合においては、取付部材9の補強部材連結部91の板面が水平面になるように、躯体連結部92の板面と被取付面14fとを接触させた場合、躯体連結部92の板面の上端縁だけが被取付面14fと接触し、躯体連結部92の板面と被取付面14fとの間には隙間が生じる。この隙間は、躯体連結部92の板面の下端に近くなるにつれて次第に大きくなる。
図15(b)に示すような躯体14の被取付面14fの場合においては、取付部材9の補強部材連結部91の板面が水平面になるように、躯体連結部92の板面と被取付面14fとを接触させた場合、躯体連結部92の板面の下端縁だけが被取付面14fと接触し、躯体連結部92の板面と被取付面14fとの間には隙間が生じる。この隙間は、躯体連結部92の板面の上端に近くなるにつれて次第に大きくなる。
この場合、取付部材9の躯体連結部92と躯体14との溶接W3,W4は、上述した隙間が数mm以下(例えば2mm以下)であれば可能である。
即ち、例えば、図15(a)に示す溶接W3aや図15(b)に示す溶接W3bのように、躯体連結部92の板面と被取付面14fとの間の隙間の大きさに応じて溶接幅を大きくするように溶接を行えば、溶接による躯体連結部92と被取付面14fとの接合強度を確保できる。
従って、躯体14の被取付面14fが垂直面となるように施工されていない場合であっても、各取付部材9,9…の躯体連結部92,92…を被取付面14fの所定の位置に取付けることができるようになるので、後は、各補強部材8,8…が取付けられたガイドレール5の垂直度を確認した後(即ち、ガイドレール5の中心線5Cを設計上の垂直線VLに一致させた後)、互いに対応する補強部材8と取付部材9の補強部材連結部91とを溶接W1,W2により連結すればよい。
尚、図15(a)の場合、躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔(図16の間隔b参照)は、上側の補強部材8ほど被取付面14fとの間の間隔が小さくなる。
図15(b)の場合、躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔(図16の間隔b参照)は、上側の補強部材8ほど被取付面14fとの間の間隔が大きくなる。
以上説明したように、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、躯体14の被取付面14fが垂直面となるように施工されていない場合でも、十分な強度を確保できて、かつ、垂直精度の高いガイドレール5を簡単に施工できるようになる。
即ち、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、ガイドレール5の躯体14への取付作業を容易に行えるようになるとともに、ガイドレールの強度を十分に確保できるようになる。また、躯体14の被取付面14fが垂直面となるように施工されていない場合であっても、ガイドレール5を垂直に取付けることができるようになる。
【0058】
また、左右のガイドレール5,5を取付けるための躯体14の左右の被取付面14f,14fは、左右のガイドレール5,5の各中心線5C,5Cがそれぞれ位置されることになる各垂直線VL,VLを含む垂直面と平行な同一垂直面上に位置されるように施工されることが理想的である。
換言すれば、開閉体4の前後(開口部13の前後)間の中心位置となる設計上の基準垂直面(シャッター芯4C(図16参照)等と呼ばれる場合がある)と平行な同一垂直面上に位置されるように施工されることが理想的である。
しかしながら、図16に示すように、左のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fと右のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fとが、上述したような同一垂直面上に位置されるように施工されていない場合がある。
例えば、図16に示すように、左のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fと右のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fとが、図16の紙面の上下方向、即ち、開口部13の前後方向において間隔aだけ前後に位置ずれしている場合(つまり、左のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fと右のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fとに前後の出入りがある場合)がある。
このような場合には、左のガイドレール5の取付において、躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔を間隔bとし、右のガイドレール5の取付において、躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔を、間隔bよりも小さい間隔cとすればよい。
即ち、左のガイドレール5を右のガイドレール5よりも先に取付けて左のガイドレール5の取付において躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔を間隔bとした場合には、右のガイドレール5の取付において躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔cは、間隔b-間隔aとすればよい。逆に、右のガイドレール5を左のガイドレール5よりも先に取付けて右のガイドレール5の取付において躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔を間隔cとした場合には、左のガイドレール5の取付において躯体14の被取付面14fと補強部材8との間の間隔bは、間隔c+間隔aとすればよい。
以上説明したように、左のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fと右のガイドレール5を取付けるための躯体14の被取付面14fとが上述した同一垂直面上に位置されるように施工されていない場合であっても、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、十分な強度を確保できるとともに、躯体14の左右の被取付面14f,14fの前後差を吸収できて、かつ、垂直精度の高い左右のガイドレール5,5を簡単に施工できるようになる。
即ち、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、左右のガイドレール5,5を取付けるための躯体14の左右の被取付面14f,14fが上述した同一垂直面上に位置されていない場合であっても、左右のガイドレール5,5を、設計された所定の位置に、正確に設置することが可能となる。
【0059】
また、補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、躯体14の被取付面14fが左右方向(図16参照)に向けて傾斜する傾斜面に形成される場合であっても、ガイドレール5を、設計された所定の位置に、正確に取付けることができるようになる。
則ち、実施形態1で説明した補強部材8と取付部材9とで構成された取付装置を用いれば、躯体14の被取付面14fが、設計通りの垂直面となるように施工されていない場合であっても、ガイドレール5を、設計通りの所定の位置に正確に設置することが可能となる。
【0060】
実施形態10
上述したガイドレール5を構成する金属板材の板厚が薄い場合等、ガイドレール5の延長方向に沿った方向に所定の間隔を隔ててガイドレール5のガイド溝5aの外周面5fに複数の補強部材8,8…が溶接されて固定された場合には、溶接時の熱により、例えばガイドレール5に反りや捩じれ等が生じる可能性がある。
従って、ガイドレール5に複数の補強部材8,8…が溶接されて固定されたガイドレール5を躯体14に取付ける場合、ガイドレール5の反りや捩じれ等を修正しながら取付ける取付方法とした。
当該取付方法は、ガイドレール5の垂直を確認しながら、ガイドレール5の一番上側に取付けられた補強部材8と、ガイドレール5の一番下側に取付けられた補強部材8とを、それぞれ、取付部材9を介して躯体14に仮固定する。
その後、ガイドレール5の上下方向の中央側におけるガイドレール本体5Aの反りや捩じれ等を調整して修正した後、ガイドレール5の上下方向の中央側に取付けられた各補強部材8,8…(ガイドレール5の一番上側と一番下側に取付けられた補強部材8,8以外の補強部材8)を、それぞれ、取付部材9を介して躯体14に仮固定する。
尚、仮固定とは、取付部材9と躯体14とを容易に離すことができるように溶接等で簡単に固定することを言う。例えば、取付部材9と躯体14とを点溶接して仮固定する。
そして、全ての各補強部材8,8…を、それぞれ、仮固定した後、再度、ガイドレール5の垂直、反りや捩じれ等を確認し、所定の取付許容差以下であれば、補強部材8と取付部材9とを本溶接して本固定するとともに、取付部材9と躯体14とを本溶接して本固定する。
また、所定の取付許容差以上であれば、ガイドレール5の垂直、反りや捩じれ等が所定の取付許容差以下となるよう調整した後に、補強部材8と取付部材9とを本溶接して本固定するとともに、取付部材9と躯体14とを本溶接して本固定する。
ガイドレール5の垂直、反りや捩じれ等が所定の取付許容差以下となるよう行う調整とは、例えば、取付部材9の躯体連結部92と躯体14との間にスペーサを介在させたり、あるいは、取付部材9の躯体連結部92と躯体14とを万力等を用いて近付ける等の調整のことである。
実施形態10に係る取付方法によれば、ガイドレール5に反りや捩じれ等が生じていたとしても、躯体14に取付けられた状態で反りや捩じれ等が少なくなるガイドレール5の取付方法を実現できるようになるため、軽量かつ強度の高い高品質のガイドレール5を提供できるようになる。
【0061】
尚、補強部材8を、直接、溶接などの連結手段で躯体14に連結してもよい。
また、補強部材は、ガイドレールに対して、予め生産工場の生産工程にて設置、組付けされることが好ましいが、開閉装置設置現場や他の場所にて設置、組付けされてもよい。
【0062】
また、補強部材と取付部材との連結、取付部材と躯体との連結、補強部材とガイドレールとの連結、補強部材と躯体との連結は、溶接以外に、例えば、接着や、ねじや、ボルト・ナット、リベットなどの連結手段を用いてもよい。
【0063】
また、上記では、ガイドレール本体として、第1レール材と第2レール材とを組み合わせて構成されたガイドレール本体を例示したが、本発明におけるガイドレール本体は、1枚の長尺な平板をロールフォーミング等の成形方法で成形して構成されたガイドレール本体であってもよい。
また、本発明におけるガイドレール本体は、3つ以上のレール材を組み合わせて構成されたガイドレール本体であってもよい。
【0064】
また、上記では、ガイドレールとして、内側化粧板、屋内側化粧板、屋外側化粧板、即ち3つの化粧板により構成された化粧部を備えたガイドレールを例示したが、本発明におけるガイドレールは、屋内側化粧板及び屋外側化粧板により構成された化粧部、又は、1つの化粧板により構成された化粧部、又は、3つ以上の化粧板により構成された化粧部を備えたガイドレールであってもよいし、あるいは、化粧部を備えないガイドレール本体のみで構成されたガイドレールであってもよい。
【0065】
また、上記では、平板により形成された補強部材を例示したが、本発明の補強部材は、平板でなく、板面が平面でない板状部材により形成された補強部材であってもよい。
また、上記では、板厚数mm程度の平板により形成された補強部材を例示したが、板厚十数mm以上の平板や板状部材により形成された補強部材であってもよい。
また、本発明の補強部材は、2つ以上の部材を組み合わせて構成される補強部材であってもよい。
【0066】
また、上記では、補強部材として、ガイド溝の外周面と対向して当該外周面の形状と略合致する周縁部を備えた補強部材を例示したが、本発明の補強部材は、ガイド溝の外周面と対向して当該外周面の形状とは異なる形状の周縁部を備えた補強部材であってもよい。
【0067】
即ち、本発明の補強部材は、ガイドレールのガイド溝の外周面に沿って当該外周面を囲む形状に形成された周縁部を備えたものであればよい。
【0068】
また、上記では、補強部材をH形鋼等の鉄骨躯体に取付ける例を例示したが、補強部材を鉄骨躯体以外の躯体、例えば、コンクリート躯体、あるいは、鉄筋コンクリート躯体や木製躯体などに取付けるようにしてもよい。
【0069】
また、図4乃至図9で表記した「屋外」「屋内」の位置関係は、開閉装置の設置場所によっては、逆になる場合もある。
【0070】
本発明の適用対象となる開閉装置(シャッター装置)の開閉体(シャッターカーテン)の構成態様としては、所謂スラットを上下方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様の開閉体、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組み合せた開閉体でもよい。所謂、オーバヘッドタイプの開閉体にも適用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 シャッター装置(開閉装置)、4 開閉体、5 ガイドレール、5a ガイド溝、5f ガイド溝の外周面、7d 耐風係止部、
8,8Z,89 ガイドレールの補強部材、8A ガイドレール取付部,9 取付部材、9A 躯体取付部、13 開口部、14 躯体、14f 躯体の被取付面、
80,80A 周縁部、91 補強部材連結部、92 躯体連結部、100 付設物。
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