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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027786
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】表示灯付発信機
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20220203BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20220203BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G08B17/00 H
G09F13/04 D
G09F13/18 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188375
(22)【出願日】2021-11-19
(62)【分割の表示】P 2017121373の分割
【原出願日】2017-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】持田 賢二
(57)【要約】
【課題】表示性を向上させることが可能で且つ低コストにて製造可能な表示灯付発信機を提供することを目的とする。
【解決手段】監視領域における異常を通報する表示灯付発信機100であって、発光部3と、発光部3が発光した光を導光するライトガイド2と、発光部3及びライトガイド2を覆う表カバー1と、を備え、表カバー1は、各々がライトガイド2の一部に対応する複数の透過領域13であって、ライトガイド2が導光した光を表示灯付発信機100の外部に透過する複数の透過領域13を有しており、ライトガイド2の一部には、発光部3が発光した光を入射させるための複数の入射面であって、相互に非連続な面となっている前記複数の入射面が設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域における異常を通報する表示灯付発信機であって、
発光手段と、
前記発光手段が発光した光を導光する導光手段と、
前記発光手段及び前記導光手段を覆う表カバーと、を備え、
前記表カバーは、各々が前記導光手段の一部に対応する複数の透過領域であって、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の外部に透過する前記複数の透過領域を有しており、
前記導光手段の一部には、前記発光手段が発光した光を入射させるための複数の入射面であって、相互に非連続な面となっている前記複数の入射面が設けられている、
表示灯付発信機。
【請求項2】
前記複数の入射面は、前記発光手段が光を発光する第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向における相互にずれた位置に設けられいる、
請求項1に記載の表示灯付発信機。
【請求項3】
前記導光手段は、環状となっており、
前記複数の入射面は、前記発光手段が発光した光を、前記導光手段の第1の周方向へ入射させるための複数の第1入射面を有しており、
前記複数の第1入射面は、前記導光手段の周方向及び径方向における相互にずれた位置に設けられている、
請求項2に記載の表示灯付発信機。
【請求項4】
前記複数の入射面は、前記発光手段が発光した光を、前記導光手段の第2の周方向であって前記第1の周方向とは反対の前記第2の周方向へ入射させるための複数の第2入射面を更に有しており、
前記複数の第2入射面は、前記導光手段の周方向及び径方向における相互にずれた位置に設けられている、
請求項3に記載の表示灯付発信機。
【請求項5】
前記複数の第1入射面は、
前記導光手段の径方向において外側に設けられている第1外側入射面と、
前記導光手段の径方向において内側に設けられている第1内側入射面と、を有しており、
前記複数の第2入射面は、
前記導光手段の径方向において外側に設けられている第2外側入射面と、
前記導光手段の径方向において内側に設けられている第2内側入射面と、を有しており、
前記導光手段の周方向における前記第1外側入射面と前記第2外側入射面との間の距離は、前記導光手段の周方向における前記第1内側入射面と前記第2内側入射面との間の距離よりも短くなっている、
請求項4に記載の表示灯付発信機。
【請求項6】
前記導光手段は、円環状となっている、
請求項1から5の何れか一項に記載の表示灯付発信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示灯付発信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物等には、火災を通報する発信機の位置を表示すために発光する表示灯装置が設けられていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-265594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この表示灯装置は、発信機とは別体として構成されており、あらゆる方向に対して発信機の位置を表示するために、発信機の隣にて設置面から比較的大きく突出して設けられていたので、例えば、建物内で表示灯装置が邪魔になってしまうことがあった。
【0005】
そこで、従来の発信機に対して後付け可能な後付け表示灯装置が提案されていた。この後付け表示灯装置は、全体としてフラットに構成されており、また、従来の発信機に対してねじ等を用いて後付け可能となるように構成されていた。詳細には、後付け表示灯装置は、発信機を正面側に向かって露出させた状態で当該発信機の周囲を取り囲むように構成されており、また、この取り囲んでいる部分にライトガイドを備える表示灯が設けられており、また、発信機に対して後付けされた場合に、当該表示灯が発信機の周囲に沿って設けられるように構成されていた。
【0006】
しかしながら、この後付け表示灯装置は、例えば、後付け表示灯装置の表示灯は、発信機の表示性を向上させる観点から複数設けられており、この複数の表示灯各々がライトガイドが自己のためのライトガイドを備えていたので、発信機の表示性を向上させることができるものの、部品点数が増大してしまい、後付け表示灯装置の製造コストが増大してしまう可能性があった。
【0007】
従って、発信機の表示性を向上させつつ製造コストを減少させる観点において、改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、表示性を向上させることが可能で且つ低コストにて製造可能な表示灯付発信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の表示灯付発信機は、監視領域における異常を通報する表示灯付発信機であって、発光手段と、前記発光手段が発光した光を導光する導光手段と、前記発光手段及び前記導光手段を覆う表カバーと、を備え、前記表カバーは、各々が前記導光手段の一部に対応する複数の透過領域であって、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の外部に透過する前記複数の透過領域を有しており、前記導光手段の一部には、前記発光手段が発光した光を入射させるための複数の入射面であって、相互に非連続な面となっている前記複数の入射面が設けられている。
【0010】
また、請求項2に記載の表示灯付発信機は、請求項1に記載の表示灯付発信機において、前記複数の入射面は、前記発光手段が光を発光する第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向における相互にずれた位置に設けられいる。
【0011】
また、請求項3に記載の表示灯付発信機は、請求項2に記載の表示灯付発信機において、前記導光手段は、環状となっており、前記複数の入射面は、前記発光手段が発光した光を、前記導光手段の第1の周方向へ入射させるための複数の第1入射面を有しており、前記複数の第1入射面は、前記導光手段の周方向及び径方向における相互にずれた位置に設けられている。
【0012】
また、請求項4に記載の表示灯付発信機は、請求項3に記載の表示灯付発信機において、前記複数の入射面は、前記発光手段が発光した光を、前記導光手段の第2の周方向であって前記第1の周方向とは反対の前記第2の周方向へ入射させるための複数の第2入射面を更に有しており、前記複数の第2入射面は、前記導光手段の周方向及び径方向における相互にずれた位置に設けられている。
【0013】
また、請求項5に記載の表示灯付発信機は、請求項4に記載の表示灯付発信機において、前記複数の第1入射面は、前記導光手段の径方向において外側に設けられている第1外側入射面と、前記導光手段の径方向において内側に設けられている第1内側入射面と、を有しており、前記複数の第2入射面は、前記導光手段の径方向において外側に設けられている第2外側入射面と、前記導光手段の径方向において内側に設けられている第2内側入射面と、を有しており、前記導光手段の周方向における前記第1外側入射面と前記第2外側入射面との間の距離は、前記導光手段の周方向における前記第1内側入射面と前記第2内側入射面との間の距離よりも短くなっている。
【0014】
また、請求項6に記載の表示灯付発信機は、請求項1から5の何れか一項に記載の表示灯付発信機において、前記導光手段は、円環状となっている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の表示灯付発信機によれば、例えば、表カバーの複数個所から発光して表示性を向上させることができ、且つ、透過領域の数よりも導光手段の数を少なくすることができるので、部品点数を減少させて製造コストを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態に係る表示灯付発信機の斜視図である。
図2】表示灯付発信機の正面図である。
図3】表示灯付発信機の側面図である。
図4図2のA―A矢視断面図である。
図5】正面側から見た表示灯付発信機の分解斜視図である。
図6】裏側から見た表示灯付発信機の分解斜視図である。
図7】表カバーが取り外された状態の表示灯付発信機の正面図である。
図8図7の一部の拡大図である。
図9図8のB―B矢視断面図である。
図10図5の表示灯基板の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る表示灯付発信機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、表示灯付発信機に関するものである。ここで、「表示灯付発信機」とは、監視領域における異常を通報する通報手段であり、具体的には、少なくとも発光手段を備えているものであり、例えば、取付対象に取り付けられているものである。この「表示灯付発信機」は、例えば、監視領域における異常が発生した場合に、監視領域のユーザによって操作されることにより、当該異常を通報する装置である。
【0019】
「監視領域」とは、監視の対象となっている領域であり、例えば、建物外の領域、建築物の部屋、階段、又は廊下等を含む概念である。「異常」とは、監視領域が通常とは異なる状態になることであり、例えば、監視領域における火災発生、又は有毒ガスのガス漏れ等を含む概念である。
【0020】
「発光手段」とは、光を出力するものであり、例えば、電界発光の光源である有機EL、無機EL、又は発光ダイオード(LED)、放電発光の光源である蛍光灯、又は水銀ランプ、白熱発光する白熱電球、又はハロゲン球等を含む概念である。
【0021】
「取付対象」とは、表示灯付発信機を取り付ける対象物であって、例えば、監視領域における壁、監視領域の板金等を含む概念である。「監視領域の板金」とは、監視領域に設けられている防災のための設備の板金であり、例えば、少なくとも消火栓の設備(例えば、ホース等)を収容する消火栓箱の板金、あるいは、少なくとも電鈴等を収容する機器収容箱の板金等を含む概念である。そして、この取付対象に対する表示灯付発信機の取り付けについては、例えば、表示灯付発信機を取付対象の正面側から取り付ける手法、又は、表示灯付発信機を取付対象の裏側から取り付ける手法があげられる。
【0022】
以下の実施の形態においては、「異常」が「監視領域における火災発生」であり、「発光手段」が「発光ダイオード」であり、「取付対象」が「消火栓箱の板金」である場合において、表示灯付発信機を取付対象の正面側から取り付ける場合について説明する。
【0023】
(構成)
まず、本実施の形態に係る表示灯付発信機の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示灯付発信機の斜視図であり、図2は、表示灯付発信機の正面図であり、図3は、表示灯付発信機の側面図であり、図4は、図2のA―A矢視断面図であり、図5は、正面側から見た表示灯付発信機の分解斜視図であり、図6は、裏側から見た表示灯付発信機の分解斜視図である。なお、図2図4では、板金91に取り付けられた状態を示している。また、以下の説明では、図2図4及び後述の図7図9に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Y方向が鉛直方向であって、X方向及びZ方向が鉛直方向に対して直交する水平方向であるものとして、例えば、Y方向を上下方向と称して、+Y方向を上側と称し-Y方向を下側と称し、X方向を左右方向と称して、+X方向を右側と称し-X方向を左側と称し、Z方向を厚み方向と称して、+Z方向を正面側と称し-Z方向を裏側と称して説明する。また、XY平面に沿っている方向(つまり、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向を含む方向)を側面側と称し、この側面側と正面側とを含む方向を表側と称して、これらの「X―Y―Z方向」に関する用語については、図示の表示灯付発信機100において、各構成品の相対的な位置関係(又は、方向)等を説明するための便宜的な表現であることとして、以下説明する。以下では、表示灯付発信機100の全体の構成を説明した後に、特に特徴的な構成の詳細について説明する。
【0024】
これら各図に示す表示灯付発信機100は、監視領域における異常を通報する通報手段であり、具体的には、監視領域における火災発生を通報する装置であり、図4に示すように、消火栓箱の板金91に取り付けられるものであり、例えば、図5の表カバー1、ライトガイド2、発光部3、表示灯基板41、保護板42、押さえばね43、スイッチ44、部品板5、図4の発信機基板61、及び基板カバー62を備える。
【0025】
(構成‐表カバー)
表カバー1は、表側から少なくとも発光部3を覆うカバー手段であり、例えば、後述する図5の透過領域13及び非透過領域14が相互に一体的に構成されているものであり、また、全体として円盤形状の外形となっているものである。なお、表カバー1の詳細については、後述する。
【0026】
(構成‐ライトガイド)
ライトガイド2は、発光部3が発光した光を導光する導光手段であり、具体的には、表カバー1に沿って透過領域13の全体にわたって設けられているものであり、例えば、厚み方向(Z方向)における表カバー1と表示灯基板41との間に設けられているものであり、また、スイッチ44を取り囲むように環状に形成されているものであり、また、導光性を有する任意の材料(例えば、透明の樹脂材料等)を用いて構成されている円環形状のものである。なお、ライトガイド2の詳細については、後述する。
【0027】
(構成‐発光部)
発光部3は、光を発光する発光手段であり、具体的には、ライトガイド2に向かって発光するものであり、例えば、表示灯付発信機100における上側(+Y方向)寄り位置の及び下側(-Y方向)寄りの位置に設けられているものであり、また、表示灯基板41に実装されている発光ダイオードである。なお、発光部3の詳細については、後述する。
【0028】
(構成‐表示灯基板)
表示灯基板41は、発光部3が実装される回路基板であり、具合的には、ライトガイド2を基準にして表カバー1の反対側に設けられているものであり、例えば、スイッチ44を避けつつ発光部3の位置を結ぶように構成されており、また、ライトガイド2の左側(-X方向)の一部のみと対向する円弧状に構成されているものである。なお、表示灯基板41の詳細については、後述する。
【0029】
(構成‐保護板)
保護板42は、表示灯付発信機100を操作するための操作手段であり、具体的には、スイッチ44を保護するためのものであり、また、異常発生時にユーザによって押下されるものである。この保護板42の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、自己の一部が表カバー1の露出開口部17を介して露出するように設けられているものである。
【0030】
(構成‐押さえばね)
押さえばね43は、表示灯付発信機100を操作するための操作手段であり、具体的には、押下された状態の保護板42を元の位置に戻すためにユーザによって操作されるものである。この押さえばね43の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、スイッチ44の周囲に設けられるように折り曲げられたものである。
【0031】
(構成‐スイッチ)
スイッチ44は、表示灯付発信機100を操作するための操作手段であり、具体的には、表カバー1の正面部11に沿う方向における表示灯付発信機100の中心側に設けられているものであり、また、異常発生時にユーザによって保護板42を介して押下されるものである。このスイッチ44の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、押しボタンスイッチとして構成するができる。
【0032】
(構成‐部品板)
部品板5は、裏側(-Z方向)から少なくとも発光部3を覆うカバー手段であり、例えば、全体としては円形の裏カバーであり、また、樹脂製のものである。なお、部品板5の詳細については、後述する。
【0033】
(構成‐発信機基板)
図4の発信機基板61は、表示灯付発信機100を動作させるための電気回路が実装されている発信機回路基板である。この発信機基板61の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、全体としては矩形形状となっているものであって、任意の手法(例えば、ねじでの螺合等)を用いて部品板5の裏側に固定されるものである。
【0034】
(構成‐基板カバー)
基板カバー62は、裏側(-Z方向)から発信機基板61を覆うカバー手段である。この基板カバー62の具体的な構成や種類は任意であるが、例えば、全体としては矩形形状となっているものであり、また、部品板5に対して係合して取り付けられるものである。
【0035】
(構成‐詳細)
次に、表カバー1、ライトガイド2、発光部3、表示灯基板41、及び部品板5の詳細について説明する。
【0036】
(構成‐詳細‐表カバー)
図2及び図3の表カバー1は、正面部11、側面部12、透過領域13、非透過領域14、図5の開閉開口部15、表示板16、及び露出開口部17を備える。
【0037】
(構成‐表カバー‐正面部)
図2及び図3の正面部11は、表示灯付発信機100の正面側(+Z方向)から発光部3を覆うものであり、また、表カバー1の外形の一部を構成するものであり、例えば、XY平面に沿っている円形のものであって、外側の縁が僅かに湾曲して側面部12に続いているものであり、また、側面部12と一体的に構成されているものである。
【0038】
(構成‐詳細‐表カバー‐側面部)
図2及び図3の側面部12は、表示灯付発信機100の側面側から発光部3を覆うものであり、また、表カバー1の外形の他の一部を構成するものであり、例えば、正面部11の外側の縁から一部湾曲して裏側(-Z方向)に向かって伸びているものであって、正面部11から続いているものであり、また、正面部11と一体的に構成されているものである。
【0039】
(構成‐詳細‐表カバー‐透過領域)
図2及び図3の透過領域13は、発光部3が発光した光を表示灯付発信機100の表側における表示灯付発信機100の外部に透過する領域であり、特に、ライトガイド2が導光した光を表示灯付発信機100の少なくとも正面側(+Z方向)における表示灯付発信機100の外部に透過する領域であり、例えば、正面側(+Z方向)に加えて側面側における表示灯付発信機100の外部に光を透過する領域である。また、透過領域13は、例えば、正面部11及び側面部12に設けられている領域であり、一例としては、図2の中心側非透過領域141を取り囲んでいる正面部11の外周側から図3の側面部12にわたって設けられている領域である。また、透過領域13は、例えば、発光部3からの光を任意の色(例えば、赤色)で透過領域13全体に拡散するように全体が赤色の半透明となっている領域であり、また、正面側(+Z方向)から見た場合に、中心側非透過領域141を取り囲むように全体として弧状に設けられている2個の領域であり、一例としては、図2の左側透過領域131、及び右側透過領域132を含む領域である。ここで、「弧状」とは、全体としては一部の不連続部分(例えば、透過領域13が存在していない部分)を介して環状になっている形状であり、つまり、いわゆる環状とは異なる形状であり、例えば、多角形の外周の一部に対応する形状、あるいは、円形又は楕円形の外周の一部の形状に対応する円弧等を含む概念である。
【0040】
左側透過領域131及び右側透過領域132は、円弧状のものであり、また、正面側(+Z方向)から見た場合に、上側非透過領域142及び下側非透過領域143を隔てて正面部11の外周側に設けられている領域であり、また、当該外周側から図3の側面部12の側面側非透過領域144側にわたって設けられている領域である。
【0041】
(構成‐詳細‐表カバー‐非透過領域)
図2及び図3の非透過領域14は、発光部3が発光した光を表示灯付発信機100の表側における表示灯付発信機100の外部に透過しない領域であり、例えば、正面部11及び側面部12に設けられている領域であり、また、外面が赤色となっている領域であり、一例としては、中心側非透過領域141、上側非透過領域142、下側非透過領域143、及び側面側非透過領域144を含む領域である。
【0042】
中心側非透過領域141は、正面部11に設けられている領域であり、具体的には、正面部11に沿う方向(XY平面に沿う方向)における正面部11の中心側に設けられている領域である。また、上側非透過領域142は、中心側非透過領域141から連続して設けられている領域であり、具体的には、中心側非透過領域141の上側(+Y方向)において正面部11から側面部12にわたって設けられている領域である。また、下側非透過領域143は、中心側非透過領域141から連続して設けられている領域であり、具体的には、中心側非透過領域141の下側(-Y方向)において正面部11から側面部12にわたって設けられている領域である。また、側面側非透過領域144は、上側非透過領域142及び下側非透過領域143から連続して設けられている領域であり、具体的には、図3に示すように側面部12の全周にわたって設けられている領域である。
【0043】
そして、これらの透過領域13及び非透過領域14を含む表カバー1の外形の成形手法は任意であるが、例えば、透光性及び非透光性の樹脂材料を用いていわゆる二色成形にて成形することができる。
【0044】
(構成‐詳細‐表カバー‐開閉開口部)
図5の開閉開口部15は、表示灯付発信機100の内部に通じる開口である連通開口であり、具体的には、当該開閉開口部15を介して表示灯付発信機100が操作されるものであり、例えば、正面部11に設けられているものであり、また、矩形のものである。
【0045】
(構成‐詳細‐表カバー‐表示板)
図5の表示板16は、開閉開口部15を開閉する開閉板であり、例えば、正面部11に設けられているものであり、また、矩形のものである。
【0046】
(構成‐詳細‐表カバー‐露出開口部)
図5の露出開口部17は、ユーザが保護板42を押圧できるように保護板42を露出させる露出開口であり、例えば、正面部11に設けられているものであり、一例としては、円形のものである。
【0047】
(構成‐詳細‐ライトガイド)
図5のライトガイド2は、例えば、表カバー1の正面部11に沿って、左側透過領域131及び右側透過領域132にわたって設けられているものであり、また、スイッチ44を取り囲むように左側透過領域131及び右側透過領域132に沿って環状に形成されているものである。図7は、表カバーが取り外された状態の表示灯付発信機の正面図であり、図8は、図7の一部の拡大図であり、図9は、図8のB―B矢視断面図である。なお、図8については、表示灯付発信機100におけるライトガイド2の内側の部分については、説明の便宜上、一部の図示を省略している。ライトガイド2は、例えば、図7の上側収容領域21、及び下側収容領域22を備える。
【0048】
(構成‐詳細‐ライトガイド‐上側収容領域)
図7の上側収容領域21は、少なくとも後述する上側発光部31を収容する発光部収容手段であり、例えば、厚み方向(Z方向)において、表カバー1の上側非透過領域142及び表示灯基板41の上側(+Y方向)の端部の間に設けられているものであり、また、ライトガイド2における裏側(-Z方向)に設けられる凹部である。上側収容領域21は、例えば、図8及び図9の拡散部71、及び入射部72を備える。
【0049】
(構成‐詳細‐ライトガイド‐上側収容領域‐拡散部)
拡散部71は、後述する正面発光部81が正面側(+Z方向)に向かって発光した光を、表示灯付発信機100の側面側に向かってライトガイド2内に拡散させる拡散手段である。この拡散部71の具体的な構成や種類は任意であるが、例えば、上側収容領域21を表側から区画しているライトガイド2の一部に設けられている溝形状(なお、上側収容領域21側から見た場合には、突出形状)のものとして構成されており、具体的には、正面発光部81と対向している部分である溝中心部71aを基準にしてライトガイド2の周方向において溝中心部71aから離れるに従って表側(+Z方向)に向かって傾斜する溝形状のものとして構成されている。
【0050】
(構成‐詳細‐ライトガイド‐上側収容領域‐入射部)
入射部72は、後述する側面発光部82が側面側に向かって発光した光を入射させる入射手段であり、具体的には、上側収容領域21の内部に設けられた入射面である。入射部72の具体的な構成や種類は任意であるが、例えば、側面発光部82と対向するように、ライトガイド2の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、ライトガイド2の周方向における相互にずれた位置に設けられるように、全体としては階段状に構成されており、一例としては、第1外周入射部721、第1内周入射部722、第2外周入射部723、及び第2内周入射部724を備える。
【0051】
第1外周入射部721は、後述の第1外周側面発光部821が発光した光を入射させる第1の入射面であり、例えば、ライトガイド2の径方向における第1内周入射部722よりも外側に設けられているものであり、且つ、ライトガイド2の周方向における第1内周入射部722より時計回り方向側に設けられているものである。なお、「時計回り方向」とは、表示灯付発信機100を正面側(+Z)から見た場合における、ライトガイド2の周方向の時計回りの方向を示しており、「第2の周方向」に相当するものとして、以下説明する。
【0052】
第1内周入射部722は、第1内周側面発光部822が発光した光を入射させる第1の入射面であり、例えば、ライトガイド2の径方向における第1外周入射部721よりも内側に設けられているものであり、且つ、ライトガイド2の周方向における第1外周入射部721より反時計回り方向側に設けられているものである。なお、「反時計回り方向」とは、表示灯付発信機100を正面側(+Z)から見た場合における、ライトガイド2の周方向の反時計回りの方向を示しており、「第1の周方向」に相当するものとして、以下説明する。
【0053】
第2外周入射部723は、第2外周側面発光部823が発光した光を入射させる第2の入射面であり、例えば、ライトガイド2の径方向における第2内周入射部724よりも外側に設けられているものであり、且つ、ライトガイド2の周方向における第2内周入射部724より反時計回り方向側に設けられているものである。
【0054】
第2内周入射部724は、第2内周側面発光部824が発光した光を入射させる第2の入射面であり、例えば、ライトガイド2の径方向における第2外周入射部723よりも内側に設けられているものであり、且つ、ライトガイド2の周方向における第2外周入射部723より時計回り方向側に設けられているものである。
【0055】
(構成‐詳細‐ライトガイド‐下側収容領域)
図7の下側収容領域22は、少なくとも後述する下側発光部32を収容する発光部収容手段であり、例えば、上側収容領域21と同様にして構成されている。
【0056】
(構成‐ライトガイド‐ライトガイド側位置決め部)
図7のライトガイド側位置決め部23は、ライトガイド2を表示灯付発信機100に位置決めするための位置決め手段であり、具体的には、ライトガイド2を部品板5に位置決めするためのものであり、例えば、部品板5の後述する部品板側位置決め部54の突起が挿通される位置決め穴であり、一例としては、上側収容領域21及び下側収容領域22の付近に合計2か所設けられているものである。
【0057】
(構成‐ライトガイド‐ライトガイド側取付部)
ライトガイド側取付部24は、ライトガイド2を表示灯付発信機100に取り付ける取付手段であり、具体的には、ライトガイド2の径方向(つまり、表カバー1の正面部11に沿う方向)におけるライトガイド2の内側に設けられているものであり、例えば、ライトガイド用固定ねじS12が螺合するものであり、一例としては、ライトガイド用固定ねじS12が通される通し穴を備えるものである。
【0058】
ここで、ライトガイド用固定ねじS12は、ライトガイド2を部品板5に螺合により取り付けて固定する螺合手段であって、例えば、ライトガイド2のライトガイド側取付部24及び部品板5の後述する部品板側ライトガイド用螺合部53に対して連続的に螺合するものである。
【0059】
(構成‐詳細‐発光部)
図7の発光部3は、例えば、ライトガイド2の周方向において離れている表示灯基板41上の複数の位置に設けられているものであり、また、表示灯基板41の上側(+Y方向)の端部及び下側(-Y方向)の端部に設けられているものであり、また、発光部3は、例えば、上側発光部31、及び下側発光部32を備える。
【0060】
(構成‐詳細‐発光部‐上側発光部)
上側発光部31は、上側収容領域21に収容されている上側発光手段であり、例えば、図8及び図9の正面発光部81、及び側面発光部82を備える。
【0061】
(構成‐詳細‐発光部‐上側発光部‐正面発光部)
正面発光部81は、表示灯付発信機100の正面側(+Z方向)に向かってライトガイド2に対して発光する正面側発光手段であり、具体的には、ライトガイド2の拡散部71に対して発光するものである。また、正面発光部81は、例えば、表示灯基板41の上側(+Y方向)の端部に実装されているものであり、一例としては、表カバー1の正面部11に沿う方向における上側収容領域21の中央に設けられているものである。
【0062】
なお、正面発光部81の表示灯基板41への実装手法は任意であるが、例えば、表示灯基板41に端子(つまり、いわゆるランド)が設けられており、正面発光部81を表示灯基板41の端子に半田を用いて電気的に接続することにより実装することとする。また、側面発光部82の実装手法についても同様とする。
【0063】
(構成‐詳細‐発光部‐上側発光部‐側面発光部)
側面発光部82は、表示灯付発信機100の側面側に向かってライトガイド2に対して発光する側面側発光手段であり、具体的には、ライトガイド2の入射部72に対して発光するものである。また、側面発光部82は、例えば、表示灯基板41の上側(+Y方向)の端部に実装されているものであり、一例としては、第1外周側面発光部821、第1内周側面発光部822、第2外周側面発光部823、及び第2内周側面発光部824を備える。
【0064】
第1外周側面発光部821及び第1内周側面発光部822は、第1の側面側発光手段であって、ライトガイド2の周方向における相互に同一な方向に向かって発光するように設けられているものであり、具体的には、ライトガイド2の周方向における反時計回り方向に向かって発光するものであり、例えば、ライトガイド2の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、ライトガイド2の周方向における相互にずれた位置に設けられているものである。また、第1外周側面発光部821は、例えば、第1外周入射部721と対向して設けられているものであり、第1内周側面発光部822は、例えば、第1内周入射部722と対向して設けられているものである。
【0065】
第2外周側面発光部823及び第2内周側面発光部824は、第2の側面側発光手段であって、ライトガイド2の周方向における相互に同一な方向に向かって発光するように設けられているものであり、具体的には、ライトガイド2の周方向における時計回り方向に向かって発光するものであり、例えば、ライトガイド2の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、ライトガイド2の周方向における相互にずれた位置に設けられているものである。また、第2外周側面発光部823は、例えば、第2外周入射部723と対向して設けられているものであり、第2内周側面発光部824は、例えば、第2内周入射部724と対向して設けられているものである。
【0066】
(構成‐詳細‐発光部‐上側発光部)
図7の下側発光部32は、下側収容領域22に収容されている下側発光手段であり、例えば、上側発光部31と同様にして構成されている。
【0067】
(構成‐詳細‐表示灯基板)
図10は、図5の表示灯基板の拡大図である。表示灯基板41は、例えば、スイッチ44を避けつつ上側発光部31の位置と下側発光部32の位置とを相互に結ぶように構成されているものであり、例えば、図7の反射層411、及び図5及び図6の基板側位置決め部412を備える。
【0068】
(構成‐表示灯基板‐反射層)
反射層411は、ライトガイド2と対向している反射手段であり、具体的には、ライトガイド2が導光した光を、表示灯付発信機100の正面側(+Z方向)に向かって反射させるものであり、例えば、光の反射率が向上するよう全面が白色になるように形成された層であり、表示灯基板41における正面側(+Z方向)に設けられている層である。
【0069】
(構成‐表示灯基板‐基板側位置決め部)
基板側位置決め部412は、表示灯基板4を表示灯付発信機100に位置決めするための位置決め手段であり、具体的には、表示灯基板4を部品板5に位置決めするためのものであり、例えば、部品板5の後述する部品板側位置決め部54の突起が挿通される位置決め穴であり、一例としては、表示灯基板41における上側(+Y方向)の端部及び下側(-Y方向)の端部に合計2か所設けられているものである。
【0070】
(構成‐詳細‐部品板)
部品板5は、例えば、図5の基板対向部51、基板非対向部52、部品板側ライトガイド用螺合部53、及び部品板側位置決め部54を備える。
【0071】
(構成‐詳細‐部品板‐基板対向部)
基板対向部51は、表示灯基板41を介してライトガイド2と対向する第1の対向部分であり、例えば、部品板5における正面側(+Z方向)に露出している左側(-X方向)の部分であり、基板非対向部52に対して凹んでいる部分である。なお、ここでの基板非対向部52に対する基板対向部51の凹みの深さは任意であるが、例えば、基板対向部51によるライトガイド2のがたつきを防止するために、基板対向部51を収容できるように基板対向部51の厚さに対応する深さとなっている。
【0072】
(構成‐詳細‐部品板‐基板非対向部)
基板非対向部52は、表示灯基板41を介さずにライトガイド2と対向する第2の対向部分であり、例えば、部品板5における正面側(+Z方向)に露出している右側(+X方向)の部分である。少なくともこの基板非対向部52の色については、任意の色を採用することができるが、例えば、表示灯基板41の反射層411と同様に、ライトガイド2が導光した光を、基板非対向部52にて表示灯付発信機100の正面側(+Z方向)に向かって反射させるために、光の反射率が向上するよう白色(つまり、表示灯基板41の反射層411と同様な色)が採用されている。
【0073】
(構成‐詳細‐部品板‐部品板側ライトガイド用螺合部)
部品板側ライトガイド用螺合部53は、ライトガイド2を表示灯付発信機100に取り付ける取付手段であり、特に、ライトガイド2を部品板5に取り付ける取付手段であり、具体的には、ライトガイド用固定ねじS12が螺合する被螺合手段であり、例えば、ライトガイド用固定ねじS12が螺合するねじ穴を備えるものである。
【0074】
(構成‐詳細‐部品板‐部品板側位置決め部)
部品板側位置決め部54は、ライトガイド2及び表示灯基板41を表示灯付発信機100に位置決めするための位置決め手段であり、具体的には、ライトガイド2及び表示灯基板41を部品板5に位置決めするためのものであり、例えば、ライトガイド側位置決め部23及び基板側位置決め部412に連続的に挿通される突起であり、合計2か所に設けられているものである。
【0075】
(組み立て及び設置方法)
次に、表示灯付発信機100の組み立て及び設置方法について説明する。
【0076】
まず、部品板5に対して表示灯基板41を位置決めする。具体的な手法は任意であるが、例えば、部品板5の部品板側位置決め部54の突起が表示灯基板41の基板側位置決め部412の位置決め穴に挿通されるように、部品板5に対して、表示灯基板41を正面側(+Z方向)から重ねて位置決めする。この場合、表示灯基板41は、基板対向部51と対向することになる。
【0077】
次に、部品板5に対してライトガイド2を位置決めする。具体的な手法は任意であるが、例えば、部品板5の部品板側位置決め部54の突起がライトガイド2のライトガイド側位置決め部23の位置決め穴に挿通されるように、表示灯基板41が重ねられている部品板5に対して、ライトガイド2を正面側(+Z方向)から重ねて位置決めをする。この場合、ライトガイド2は、表示灯基板41を介して基板対向部51と対向し、且つ、表示灯基板41を介さずに直接的に基板非対向部52と対向することになる。
【0078】
次に、部品板5に対してライトガイド2及び表示灯基板41を固定する。具体的な手法は任意であるが、例えば、ライトガイド用固定ねじS12を、ライトガイド2のライトガイド側取付部24の通し穴を通して、部品板5の部品板側ライトガイド用螺合部53のねじ穴と螺合して固定する。この場合、ライトガイド2は、ライトガイド用固定ねじS12の螺合により、部品板5に対して固定されて取り付けられることになる。また、この場合、ライトガイド2は、部品板5とライトガイド2との間に挟まれることにより、部品板5に対して固定されて取り付けられることになる。
【0079】
次に、部品板5に対して、図5の保護板42、押さえばね43、スイッチ44、図4の発信機基板61、及び基板カバー62を、任意の固定手段(例えば、ねじでの螺合、係合構造での係合、あるいは、嵌合構造での嵌合等)を用いて、取り付ける。
【0080】
次に、図4の板金91の開口部に部品板5の一部を挿入した上で、部品板用固定ねじS11を用いて、板金91に対して当該部品板5を螺合して取り付ける。
【0081】
次に、部品板5に対して表カバー1を、任意の固定手段(例えば、ねじでの螺合、あるいは、係合構造での係合等)を用いて、取り付ける。これにて、表示灯付発信機100の組み立て及び設置が終了する。
【0082】
(発光)
次に、表示灯付発信機100による発光について説明する。ここでは、例えば、発光部3がライトガイド2に対して発光した場合の光の光路について説明するが、上側発光部31からの光の光路と下側発光部32からの光の光路とは相互に同様であるので、上側発光部31からの光の光路についてのみについて説明する。
【0083】
まず、図8及び図9の正面発光部81は、表示灯付発信機100の正面側(+Z方向)に向かって発光する。この場合、正面発光部81からの光は、拡散部71に照射されて、この拡散部71にて方向が変更されてライトガイド2の時計回り方向及び反時計回り方向に沿って、ライトガイド2全体に拡散されることになる。つまり、この場合、正面発光部81からの光を、ライトガイド2が導光することになる。
【0084】
また、側面発光部82は、表示灯付発信機100の側面側に向かって発光する。この場合、側面発光部82からの光は、入射部72を介してライトガイド2に入射して、ライトガイド全体に導光されることになる。つまり、この場合、側面発光部82からの光を、ライトガイド2が導光することになる。
【0085】
この後、ライトガイド2が導光した光は、表カバー1の透過領域13を介して、表示灯付発信機100の表側における表示灯付発信機100の外部に出力されることになる。この場合、特に、前述のように図3の透過領域13が表カバー1の正面部11に加えて側面部12にも設けられているので、正面部11に加えて側面部12からも発光させることができるので、ユーザは、表示灯付発信機100の一部が赤色にて発光していることを、表示灯付発信機100の表側のあらゆる位置から視認して確認することが可能となる。
【0086】
(通報動作)
次に、表示灯付発信機100が火災発生を通報する動作である通報動作について説明する。ここでは、例えば、ユーザが露出開口部17を介して保護板42を押下した場合の通報動作について説明するが、この通報動作は従来と同様であるので、概要のみについて説明する。
【0087】
ユーザが露出開口部17を介して保護板42を押下した場合、保護板42と共にスイッチ44が押下されることになり、発信機基板61の電気回路は、不図示の通信線を介して、防災受信機に対して火災を通報する信号である火災通報信号を送信して通報する。このようにして、通報動作が行われる。
【0088】
(透過領域の形状による効果)
前述のように図2の透過領域13が、横方向(X方向)において円弧状の2つの左側透過領域131及び右側透過領域132を備えているので、表示灯付発信機100の横方向(X方向)からの視認性が要求される所定の規格(例えば、消防法に関連する規格等)を確実に満たした上で、複数個所の発光により、1か所のみの発光に比べて表示灯付発信機100を目立たせることができる。
【0089】
また、図2の表カバー1における発光部3と対向する領域が、上側非透過領域142及び下側非透過領域143となっているので、発光部3と対向する領域を遮光することにより、発光部3の光量が強くなり発光状態がまだらになりやすい領域を遮光することができるので、表カバー1の透過領域13全体を一様に発光させることができ、発光している透過領域13を含む表示灯付発信機100の全体の意匠性を向上させることができる。特に、表示灯付発信機100の内部における上側非透過領域142及び下側非透過領域143と対向する領域を、発光部3を設ける領域として用いることができるので、発光部3を設ける領域を2か所に集中することができ、表示灯付発信機100の内部のスペースを有効利用することにより、表示灯付発信機100のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0090】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、表カバー1が透過領域13を複数備えており、ライトガイド2が複数の透過領域13にわたって設けられていることにより、例えば、表カバー1の複数個所から発光して表示性を向上させることができ、且つ、透過領域13の数よりもライトガイド2の数を少なくすることができるので、部品点数を減少させて製造コストを減少させることができる。
【0091】
また、正面発光部81が発光した光を側面側に向かってライトガイド2内に拡散させる拡散部71を備えることにより、例えば、ライトガイド2全体にて光を一様に導光することができるので、あらゆる方向に対して表示灯付発信機100を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0092】
また、ライトガイド2が上側発光部31を備えることにより、例えば、少なくとも側面発光部82を上側発光部31に収容することができるので、側面発光部82を設けるために表示灯付発信機100全体の厚みを厚くすることが不要となり、表示灯付発信機100のコンパクト化を図ることができる。また、側面発光部82が発光した光を入射させる入射部72を備えることにより、例えば、側面発光部82からの光をライトガイド2に確実に入射させることができるために、ライトガイド2にて比較的強い強度の光を導光することができるので、あらゆる方向に対して表示灯付発信機100を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0093】
また、入射部72が、複数の側面発光部82と対向するように、ライトガイド2の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、ライトガイド2の周方向における相互にずれた位置に複数設けられていることにより、例えば、複数の側面発光部82を相互にずらして設けることができるので、複数の側面発光部82を実装するための要素(例えば、端子として機能するいわゆるランド等)が干渉することを防止して、複数の側面発光部82を密集して実装することができ、表示灯付発信機100のコンパクト化を図ることができる。
【0094】
また、反時計回り方向に沿って発光する第1外周側面発光部821及び第1内周側面発光部822が発光した光を入射させる第1外周入射部721及び第1内周入射部722と、時計回り方向に沿って発光する第2外周側面発光部823及び第2内周側面発光部824が発光した光を入射させる第2外周入射部723及び第2内周入射部724とを備えることにより、例えば、反時計回り方向及び時計回り方向の両方からの光をライトガイド2が導光することができるので、ライトガイド2全体にて光を一様に導光し、且つ、比較的強い強度の光を導光することができるために、あらゆる方向に対して表示灯付発信機100を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0095】
また、ライトガイド側取付部24がライトガイド2の内側に設けられていることにより、例えば、ライトガイド側取付部24の形状にとらわれずに表示灯付発信機100の外形
を決定することができるので、表示灯付発信機100の設計の自由度を向上させることができる。また、例えば、ライトガイド2の外周部分全体において導光することができるので、表示灯付発信機100のあらゆる方向に発光することができるために、あらゆる方向に対して表示灯付発信機100を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0096】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0097】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0098】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0099】
(表カバーについて)
また、上記実施の形態において、表カバー1の透過領域13及び非透過領域14の構成を任意に変更してもよい。例えば、透過領域13を、正面部11及び側面部12のうちのいずれか一方のみに設けてもよい。また、透過領域13について、環状とならない限りにおいて、任意の形状としてもよい。また、透過領域13を3つ以上の領域としてもよい。
【0100】
(ライトガイドについて(その1))
また、上記実施の形態において、ライトガイド2の全体の構成を、複数の透過領域にわたる限りにおいて、任意に変更してもよい。例えば、ライトガイド2を任意の個数に分割して、2個以上のライトガイドとして構成してもよい。また、例えば、ライトガイド2を、円環形状以外の任意の形状(一例としては、三角形、矩形等)としてもよい。
【0101】
(ライトガイドについて(その2))
また、図9の拡散部71と正面発光部81との間の隙間を広げた上で、この隙間に拡散手段として機能する反射材を設けて、正面発光部81から光をこの反射材にてライトガイド2全体に拡散してもよい。
【0102】
(発光部について)
また、発光部3に含まれる各発光部(特に、側面発光部82)を、正面部11に沿う方向と直交する方向(Z方向)に相互にずれた位置に複数設けてもよく、つまり、表示灯基板41から離して設けてもよい。この場合、当該各発光部として、リード線を備える発光ダイオードを用いてもよい。このように構成した場合、複数の各発光手段が、正面部11に沿う方向と直交する方向(Z方向)に相互にずれた位置に設けられていることにより、例えば、複数の各発光手段を表カバー1の正面部11に沿う方向に並べる必要がないので、表示灯付発信機100における正面部11に沿う方向の大きさを小さくすることができ、表示灯付発信機100のコンパクト化を図ることができる。
【0103】
(表示灯付発信機の取り付けについて)
また、上記実施の形態の表示灯付発信機100を、板金91に対して任意に取り付けてもよい。具体的には、表示灯付発信機100を、板金91に対して正面側(+Z方向)から任意の取付アダプタを介して取り付けてもよく、あるいは、板金91に対して裏側(-Z方向)から任意の手段を用いて取り付けてもよい。
【0104】
(部品又は特徴部分について)
また、上記実施の形態の表示灯付発信機100において、部品又は特徴部分の個数を任意に変更したり、当該部品又は特徴部分を任意に省略してもよい。
【0105】
(適用について)
また、上記実施の形態の表示灯付発信機100の少なくとも一部の特徴部分を、発信機以外の防災機器(以下、「他の防災機器」)、あるいは、防災機器以外の任意の機器(以下、「他の機器」)に適用してもよい。例えば、表示灯付発信機100における光を出力するための構成を「他の防災機器」又は「他の機器」に設けてもよい。つまり、例えば、表示灯付発信機100における中心側に設置する機器を、発信機以外の「他の防災機器」又は「他の機器」に置き換えてもよい。
【0106】
(付記)
付記1の表示灯付発信機は、監視領域における異常を通報する表示灯付発信機であって、発光手段と、前記発光手段が発光した光を導光する導光手段と、前記表示灯付発信機の正面側から前記発光手段及び前記導光手段を覆う正面部であって、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の正面側における前記表示灯付発信機の外部に透過する領域である透過領域を複数備えている前記正面部を備える表カバーと、を備え、前記導光手段は、前記正面部に沿って、複数の前記透過領域にわたって設けられている。
【0107】
付記2の表示灯付発信機は、付記1に記載の表示灯付発信機において、前記発光手段は、前記表示灯付発信機の正面側に向かって前記導光手段に対して発光する正面側発光手段、を備えており、前記導光手段は、前記正面側発光手段が発光した光を、前記表示灯付発信機の側面側に向かって前記導光手段内に拡散させる拡散手段、を備える。
【0108】
付記3の表示灯付発信機は、付記1又は2に記載の表示灯付発信機において、前記発光手段は、前記表示灯付発信機の側面側に向かって前記導光手段に対して発光する側面側発光手段、を備えており、前記導光手段は、少なくとも前記側面側発光手段を収容する収容領域と、前記収容領域の内部に設けられた入射面であって、前記側面側発光手段が発光した光を入射させる前記入射面と、を備えている。
【0109】
付記4の表示灯付発信機は、付記3に記載の表示灯付発信機において、前記表カバーの前記正面部は、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の正面側における前記表示灯付発信機の外部に透過しない領域である中心側非透過領域であって、前記正面部に沿う方向における前記正面部の中心側に設けられている前記中心側非透過領域、を備えており、前記正面部の複数の前記透過領域は、前記中心側非透過領域を取り囲むように弧状に設けられており、前記導光手段は、前記表示灯付発信機を操作するための操作手段であって前記正面部に沿う方向における前記表示灯付発信機の中心側に設けられている前記操作手段を取り囲むように複数の前記透過領域に沿って環状に形成されており、前記側面側発光手段は、少なくとも前記導光手段の周方向における相互に同じ方向に沿って発光するように、前記収容領域に複数設けられており、複数の前記側面側発光手段は、前記導光手段の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、前記導光手段の周方向における相互にずれた位置に設けられており、前記入射面は、複数の前記側面側発光手段と対向するように、前記導光手段の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、前記導光手段の周方向における相互にずれた位置に複数設けられている。
【0110】
付記5の表示灯付発信機は、付記3に記載の表示灯付発信機において、前記表カバーの前記正面部は、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の正面側における前記表示灯付発信機の外部に透過しない領域である中心側非透過領域であって、前記正面部に沿う方向における前記正面部の中心側に設けられている前記中心側非透過領域、を備えており、前記正面部の複数の前記透過領域は、前記中心側非透過領域を取り囲むように弧状に設けられており、前記導光手段は、前記表示灯付発信機を操作するための操作手段であって前記正面部に沿う方向における前記表示灯付発信機の中心側に設けられている前記操作手段を取り囲むように複数の前記透過領域に沿って環状に形成されており、前記側面側発光手段は、前記導光手段の周方向における第1の周方向に沿って発光する第1の側面側発光手段であって、前記収容領域に設けられている前記第1の側面側発光手段と、前記導光手段の周方向における前記第1の周方向とは反対側の方向である第2の周方向に沿って発光する第2の側面側発光手段であって、前記収容領域に設けられている前記第2の側面側発光手段と、を備えており、前記入射面は、前記第1の側面側発光手段が発光した光を入射させる第1の入射面と、前記第2の側面側発光手段が発光した光を入射させる第2の入射面と、を備えている。
【0111】
付記6の表示灯付発信機は、付記1から3のいずれか一項に記載の表示灯付発信機において、前記表カバーの前記正面部は、前記導光手段が導光した光を前記表示灯付発信機の正面側における前記表示灯付発信機の外部に透過しない領域である中心側非透過領域であって、前記正面部に沿う方向における前記正面部の中心側に設けられている前記中心側非透過領域、を備えており、前記正面部の複数の前記透過領域は、前記中心側非透過領域を取り囲むように弧状に設けられており、前記導光手段は、前記表示灯付発信機を操作するための操作手段であって前記正面部に沿う方向における前記表示灯付発信機の中心側に設けられている前記操作手段を取り囲むように複数の前記透過領域に沿って環状に形成されており、前記表示灯付発信機は、前記導光手段を前記表示灯付発信機に取り付ける取付手段であって、前記正面部に沿う方向における前記導光手段の内側に設けられている前記取付手段、を備える。
【0112】
(付記の効果)
付記1に記載の表示灯付発信機によれば、表カバーが透過領域を複数備えており、導光手段が複数の透過領域にわたって設けられていることにより、例えば、表カバーの複数個所から発光して表示性を向上させることができ、且つ、透過領域の数よりも導光手段の数を少なくすることができるので、部品点数を減少させて製造コストを減少させることができる。
【0113】
付記2に記載の表示灯付発信機によれば、正面側発光手段が発光した光を側面側に向かって導光手段内に拡散させる拡散手段を備えることにより、例えば、導光手段全体にて光を一様に導光することができるので、あらゆる方向に対して表示灯付発信機を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0114】
付記3に記載の表示灯付発信機によれば、導光手段が収容領域を備えることにより、例えば、少なくとも側面側発光手段を収容領域に収容することができるので、側面側発光手段を設けるために表示灯付発信機全体の厚みを厚くすることが不要となり、表示灯付発信機のコンパクト化を図ることができる。また、側面側発光手段が発光した光を入射させる入射面を備えることにより、例えば、側面側発光手段からの光を導光手段に確実に入射させることができるために、導光手段にて比較的強い強度の光を導光することができるので、あらゆる方向に対して表示灯付発信機を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0115】
付記4に記載の表示灯付発信機によれば、入射面が、複数の側面側発光手段と対向するように、導光手段の径方向における相互にずれた位置であり、且つ、導光手段の周方向における相互にずれた位置に複数設けられていることにより、例えば、複数の側面側発光手段を相互にずらして設けることができるので、複数の側面側発光手段を実装するための要素(例えば、端子として機能するいわゆるランド等)が干渉することを防止して、複数の側面側発光手段を密集して実装することができ、表示灯付発信機のコンパクト化を図ることができる。
【0116】
付記5に記載の表示灯付発信機によれば、第1の周方向に沿って発光する第1の側面側発光手段が発光した光を入射させる第1の入射面と、第2の周方向に沿って発光する第2の側面側発光手段が発光した光を入射させる第2の入射面とを備えることにより、例えば、第1の周方向及び第2の周方向の両方からの光を導光手段が導光することができるので、導光手段全体にて光を一様に導光し、且つ、比較的強い強度の光を導光することができるために、あらゆる方向に対して表示灯付発信機を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【0117】
付記6に記載の表示灯付発信機によれば、取付手段が導光手段の内側に設けられていることにより、例えば、取付手段の形状にとらわれずに表示灯付発信機の外形を決定することができるので、表示灯付発信機の設計の自由度を向上させることができる。また、例えば、導光手段の外周部分全体において導光することができるので、表示灯付発信機のあらゆる方向に発光することができるために、あらゆる方向に対して表示灯付発信機を目立たせることができ、表示性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 表カバー
2 ライトガイド
3 発光部
5 部品板
11 正面部
12 側面部
13 透過領域
14 非透過領域
15 開閉開口部
16 表示板
17 露出開口部
21 上側収容領域
22 下側収容領域
23 ライトガイド側位置決め部
24 ライトガイド側取付部
31 上側発光部
32 下側発光部
41 表示灯基板
42 保護板
43 押さえばね
44 スイッチ
51 基板対向部
52 基板非対向部
53 部品板側ライトガイド用螺合部
54 部品板側位置決め部
61 発信機基板
62 基板カバー
71 拡散部
71a 溝中心部
72 入射部
81 正面発光部
82 側面発光部
91 板金
100 表示灯付発信機
131 左側透過領域
132 右側透過領域
141 中心側非透過領域
142 上側非透過領域
143 下側非透過領域
144 側面側非透過領域
411 反射層
412 基板側位置決め部
721 第1外周入射部
722 第1内周入射部
723 第2外周入射部
724 第2内周入射部
821 第1外周側面発光部
822 第1内周側面発光部
823 第2外周側面発光部
824 第2内周側面発光部
S11 部品板用固定ねじ
S12 ライトガイド用固定ねじ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10