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特開2022-27787触覚アクチュエータの均一なスケーリング
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  • 特開-触覚アクチュエータの均一なスケーリング 図1
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  • 特開-触覚アクチュエータの均一なスケーリング 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027787
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】触覚アクチュエータの均一なスケーリング
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20220203BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61B34/35
B25J3/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021188526
(22)【出願日】2021-11-19
(62)【分割の表示】P 2018530684の分割
【原出願日】2017-01-12
(31)【優先権主張番号】62/277,827
(32)【優先日】2016-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーナー,ロートン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,シェン-シン
(57)【要約】
【課題】手術器具での力環境と一致する触覚フィードバックを保証するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】入力デバイスと、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータと、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを制御するコントローラ、又は第1の命令出力が第1のアクチュエータの第1の所定の動作範囲の外側になるときに第1のスケーリング係数を第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータについての第1の命令出力及び第2の命令出力にそれぞれ適用するように構成されるコントローラとを含み、第1のスケーリング係数は、第1の所定の動作範囲の内側になるよう第1の命令出力を調整する、手術システムが提供される。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスと、
前記入力デバイスで触覚フィールドバックを提供するよう前記入力デバイスに連結される第1のアクチュエータと、
前記入力デバイスで触覚フィールドバックを提供するよう前記入力デバイスに連結される第2のアクチュエータと、
前記第1のアクチュエータ及び前記第2のアクチュエータを制御するコントローラとを含み、
前記第1のアクチュエータは、最小信頼出力レベルと、最大出力限界と、第1の所定の動作範囲とを有し、
前記第1の所定の動作範囲の上限は、前記第1のアクチュエータの前記最大出力限界以下であり、前記第1の所定の動作範囲の下限は、前記第1のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル以上であり、
前記第2のアクチュエータは、最小信頼出力レベルと、最大出力限界と、第2の所定の動作範囲とを有し、
前記第2の所定の動作範囲の上限は、前記第2のアクチュエータの前記最大出力限界以下であり、前記第2の所定の動作範囲の下限は、前記第2のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル以上であり、
前記コントローラは、前記第1のアクチュエータへの第1の命令出力を生成し、前記第2のアクチュエータへの第2の命令出力を生成し、第1のスケーリング係数を適用する、ように構成され、
前記コントローラは、前記第1の命令出力が前記第1のアクチュエータを前記第1の動作範囲の外側で作動させるならば、前記コントローラが前記第1の命令出力及び前記第2の命令出力に第1のスケーリング係数を適用する、ように構成され、
前記第1のスケーリング係数によってスケーリングされた前記第1の命令出力は、前記第1のアクチュエータを前記第1の所定の動作範囲の内側で作動させ、
前記第1のスケーリング係数によってスケーリングされた前記第2の命令出力は、前記第2のアクチュエータを前記第2の所定の動作範囲の内側で作動させる、
手術システム。
【請求項2】
前記入力デバイスで触覚フィールドバックを提供するよう前記入力デバイスに連結される第3のアクチュエータを更に含み、
前記コントローラは、前記第3のアクチュエータへの第3の命令出力を生成するように構成され、
前記コントローラは、前記第1の命令出力が前記第1のアクチュエータを前記第1の所定の動作範囲の外側で作動させるならば、前記コントローラが前記第3の命令出力に前記第1のスケーリング係数を適用する、ように構成される、
請求項1に記載の手術システム。
【請求項3】
前記コントローラが前記第1の命令出力及び前記第2の命令出力に前記第1のスケーリング係数を適用しているという状態で、前記コントローラは、前記第1のスケーリング係数が適用されていない前記第1の命令出力が前記第1のアクチュエータを前記第1の所定の動作範囲の内側で作動させるならば、前記コントローラが前記第1の命令出力及び前記第2の命令出力から前記第1のスケーリング係数を除去する、ように構成される、
請求項1又は2に記載の手術システム。
【請求項4】
前記第1の所定の動作範囲は、前記入力デバイスの運動学的構成に少なくとも部分的に基づく、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項5】
前記コントローラが前記第1の命令出力及び前記第2の命令出力に前記第1のスケーリング係数を適用しているという状態で、前記コントローラは、前記第2の命令出力に適用された前記第1のスケーリング係数が前記第2のアクチュエータを前記第2の所定の動作範囲の外側で作動させるならば、前記コントローラが前記第1の命令出力及び前記第2の命令出力に第2のスケーリング係数を適用する、ように構成され、
前記第2のスケーリング係数によってスケーリングされた前記第1の命令出力は、前記第1のアクチュエータを前記第1の所定の動作範囲の内側で作動させ、
前記第1のスケーリング係数によってスケーリングされた前記第2の命令出力は、前記第2のアクチュエータを前記第2の所定の動作範囲の内側で作動させる、
請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項6】
入力デバイスと、
前記入力デバイスに連結される第1のアクチュエータと、
前記入力デバイスに連結される第2のアクチュエータと、
コントローラとを含み、
前記入力デバイスは、ユーザから入力を受信して、前記ユーザに触覚フィールドバック力を提供することができ、
前記第1のアクチュエータは、最大出力閾値力と、最小信頼出力レベル力とを有し、
前記第1のアクチュエータの動作範囲は、前記第1のアクチュエータの前記最大出力閾値力以下の上限と、前記第1のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル力以上の下限とによって画定され、
前記コントローラは、前記第1のアクチュエータが前記入力デバイスに提供する第1の命令出力触覚フィードバック力と、前記第2のアクチュエータが前記入力デバイスに提供する第2の命令出力触覚フィールドバック力とを決定し、
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の外側にある状態で、前記コントローラは、共通の第1のスケーリング係数を、前記第1のアクチュエータが前記入力デバイスに提供する前記第1の命令出力触覚フィールドバック力と、前記第2のアクチュエータが前記入力デバイスに提供する前記第2の命令出力触覚フィールドバック力とに適用し、
前記第1のスケーリング係数は、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の内側になるよう調整する、
手術システム。
【請求項7】
前記第2のアクチュエータは、最大出力閾値力と、最小信頼出力レベル力とを有し、
前記第2のアクチュエータの動作範囲は、前記第2のアクチュエータの前記最大出力閾値力以下の上限と、前記第2のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル力以上の出力限界とによって画定され、
前記第1のスケーリング係数は、前記第2の命令出力触覚フィールドバック力が前記第2のアクチュエータの前記動作範囲の内側になるよう調整する、
請求項6に記載の手術システム。
【請求項8】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の外側にある状態は、第1の時に生じ、
前記第1の時の後の第2の時に、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の内側にある状態で、前記コントローラは、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力及び前記第2の命令出力触覚フィールドバック力から前記第1のスケーリング係数を除去する、
請求項6又は7に記載の手術システム。
【請求項9】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の外側にある状態は、第1の時に生じ、
前記第1の時の後の第2の時に、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力に適用された前記第1のスケーリング係数が、前記第1のアクチュエータに、前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の外側で力を出力させる状態で、前記コントローラは、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力及び前記第2の命令出力触覚フィールドバック力に第2のスケーリング係数を適用し、
前記第2のスケーリング係数は、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の内側になるよう調整する、
請求項6又は7に記載の手術システム。
【請求項10】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記動作範囲の外側にある状態は、第1の時に生じ、
前記第1の時の後の第2の時に、前記第1の命令出力触覚フィードバック力に適用された前記第1のスケーリング係数が前記第2のアクチュエータを前記第2のアクチュエータの前記第2の動作範囲の外側で力を出力させる状態で、前記コントローラは、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力及び前記第2の命令出力触覚フィードバック力に第2のスケーリング係数を適用し、
前記第2のスケーリング係数は、前記第2の命令出力触覚フィールドバック力が前記第2のアクチュエータの前記第2の動作範囲の内側になるよう調整する、
請求項6又は7に記載の手術システム。
【請求項11】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の外側にある状態は、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の上方出力限界よりも大きい状態である、請求項6~10のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項12】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の外側にある状態は、前記第1の命令出力触覚フィールドバック力が前記第1のアクチュエータの前記第1の動作範囲の下方出力限界よりも小さい状態である、請求項6~10のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項13】
前記第1のアクチュエータの前記最大出力閾値力、前記第1のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル力、又は前記第1のアクチュエータの前記最大出力閾値力及び前記最小信頼出力レベル力の両方は、動的であり、前記入力デバイスの運動学的構成に基づく、請求項6~12のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項14】
前記第1のアクチュエータの前記最大出力閾値力、前記第1のアクチュエータの前記最小信頼出力レベル力、又は前記第1のアクチュエータの前記最大出力閾値力及び前記最小信頼出力レベル力の両方は、動的であり、前記第1のアクチュエータの現在のパラメータに基づく、請求項6~12のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【請求項15】
前記第1の命令出力触覚フィールドバック力は、第1の方向において前記入力デバイスを付勢し、
前記第2の命令出力触覚フィールドバック力は、前記第1の方向とは異なる第2の方向において前記入力デバイスを付勢する、
請求項6~14のうちのいずれか1項に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、2016年1月12日に出願された米国仮特許出願第62/277,827号の優先権の利益を主張し、その全文を本明細書中に参照として援用する。
【0002】
本発明は、手術システムの操作者に触覚フィードバックを提供するシステム及び方法に向けられており、より具体的には、触覚フィードバックアクチュエータが性能限界に達するときに、ユーザのために直感的な触覚プロファイルを維持することに向けられている。
【背景技術】
【0003】
遠隔操作手術システムは、しばしば、医療処置中の外科医の精度を高め且つ/或いは患者の外傷を削減することを意図する。そのようなシステムにおいて、外科医は、(「マスタ」又は「マスタコントローラ」と呼ぶことがある)入力デバイスと相互作用して、モータのような駆動機構によって作動させられる手術器具を制御する。外科医は手術器具を直接的に操作しないので、(例えば、手術器具、手術システムの他の要素、及び/又は手術システムによって生成される仮想若しくは合成要素/構成で感じられる)相互作用力を示す或いは再現する入力デバイスで触覚フィードバック(haptic feedback)を提供することが有益なことがあり得る。ユーザに提示される力フィードバックは、センサ、アルゴリズム、ユーザインターフェースキュー(user interface cue)、衝突検出(collision detection)、モデル相互作用(model interaction)などからのフィードバックの合計であってよいことに留意のこと。
【0004】
良好なユーザ体験を提供するために、外科医はシステム状態及び設定変化を通じてシームレスな触覚体験を体験するのが理想的である。しかしながら、これを達成するのは難しいことがある。例えば、触覚フィードバックを提供するために使用されるアクチュエータは異なる性能限界を有し、或いは異なるアクチュエータは異なる時間にそれらの性能限界に到達する。そのような場合、ユーザに提示される触覚フィードバックは、知覚されるユーザ体験(例えば、手術器具で感知される実際の力又は相互作用的物体(interactive object)の視覚的表現)と適切に一致しないことがあり、紛らわしい又は非直観的なユーザ体験をもたらすことがある。
【0005】
例えば、モータのトルク限界(即ち、飽和限界)は、典型的には、ロボットインターフェースのためのソフトウェア中に課される。これらの性能限界は、モータを過熱から保護すること、外科医/患者に加えられる力を制限すること、及び/又はモータをその理想的なトルク動作範囲内に維持することを含む、幾つかの理由のために創り出されることができる。モータでのトルクを制限することは、インターフェース(例えば、入力デバイスのハンドル又は器具の先端)で非等方性の力飽和をもたらし得る。これが意味することは、2以上(2つ又はそれよりも多く)のモータを含むインターフェースで力を与えようとするときに、1つのモータがモータのトルク限界によって制限されるならば、力方向が不正確であり得るということである。
【0006】
これは入力デバイスでユーザに力を与える(触覚フィードバック)ときに特に問題となり得る。ユーザは所定の方向において力を感じることがあるが、ユーザに加えられる力が増加し、ユーザに力を与えることに関連するモータのうちのいずれかのモータについてトルク限界に達すると、ユーザに表示される力の方向は回転し始め、それはユーザを狼狽させ且つ/或いは混乱させることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、手術器具での力環境と一致する触覚フィードバックを保証するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
予期される力方向と触覚フィードバック方向との間の不一致を最小限に抑えるために、アクチュエータのうちの1以上(1つ又はそれよりも多く)のアクチュエータが所定の出力閾値に達するときにはいつでも、触覚フィードバックアクチュエータの出力はスケーリング(調整)(増減)され(scaled)、それにより、個々のアクチュエータがそれらの正確な性能範囲の外側で作動するよう他の方法で命令されるときに、適切な触覚フィードバック方向性を維持する。そのようなスケーリング(調整)(増減)(scaling)は全体的な触覚フィードバックの大きさを変更することがあるが、触覚フィードバック方向が適切に維持されることを可能にする。
【0009】
ソフトウェアがいずれかのアクチュエータの出力を制限する幾つかの実施形態では、監視プロセス(モニタリングプロセス)が、アクチュエータの出力が(ソフトウェアで定められる出力限界以下にある)最大閾値出力を超えるときを決定することができ、その時点で、他のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータの出力を減少させることができるので、全出力(例えば、力又はトルク)の所望の方向が維持される。幾つかの実施形態において、監視プロセスは、追加的に又は代替的に、アクチュエータの出力が(それよりも下ではアクチュエータ出力が低すぎて正確に発生しない)最小出力閾値より下であるときを決定することができ、その時点で、その出力及び他のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータの出力を増大させるので、全出力(例えば、力又はトルク)の所望の方向は維持される。幾つかの実施形態において、全てのアクチュエータは、1つのアクチュエータがその閾値出力に達するときにスケーリングされるのに対し、他の実施形態では、同時にアクティブなアクチュエータのみがスケーリングされる。幾つかの実施形態において、アクチュエータについての出力閾値は固定され、様々な他の実施形態において、アクチュエータについての出力閾値は時間の経過に伴って又はアクチュエータ及び/又はシステム状態に基づいて変化し得る。
【0010】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述は、両方とも本質的に例示的且つ説明的であり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解を提供することを意図していることが理解されるべきである。その点については、本開示の追加的な態様、構成、及び利点が、以下の詳細な記述から当業者に明らかであろう。
【0011】
本開示の態様は、添付の図面と共に判読されるときに、以下の詳細な記述から最良に理解される。業界の標準的な慣例に従って、様々な構成は一定の縮尺で描かれていないことが強調される。実際には、様々な構成の寸法は、議論の明瞭化のために任意に増減されることがある。加えて、本開示は、様々な例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰返しは簡潔性及び明確性の目的のためであり、それ自体は議論する様々な実施形態及び/又は構成間の関係を規定しない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の様々な実施形態に従った、アクチュエータ最大出力に達するときに、手術システムのユーザに一貫した触覚フィードバックを提供する方法を示している。
【0013】
図2A】アクチュエータ出力最大が対処されるときに対するアクチュエータ出力最大が無視されるときの例示的な触覚力ベクトル出力を示している。
図2B】アクチュエータ出力最大が対処されるときに対するアクチュエータ出力最大が無視されるときの例示的な触覚力ベクトル出力を示している。
【0014】
図3A】本発明の様々な実施形態に従った、アクチュエータ出力最大閾値に応答して触覚力フィードバックを提供する例示的な手術システムを示している。
図3B】本発明の様々な実施形態に従った、アクチュエータ出力最大閾値に応答して触覚力フィードバックを提供する例示的な手術システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の態様の以下の詳細な記述では、開示する実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくてもこの開示の実施形態が実施される場合があることが当業者に明らかであろう。他の場合には、本発明の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、コンポーネント(構成部品)及び回路は詳細に記載されない。また、不必要な記述的な繰返しを避けるために、1つの例示的な実施形態に従って記載する1以上(1つ又はそれよりも多く)のコンポーネント又は動作(actions)は、他の例示的な実施形態から適用可能であるものとして使用されることができ或いは省略されることができる。
【0016】
所望の(例えば、手術システムによって感知される或いはモデル化される)触覚力フィードバック方向と実際の触覚力フィードバック方向との間の不一致を最小限に抑えるために、アクチュエータのうちの1以上のアクチュエータの命令出力(命令された出力)(commanded output)がそのアクチュエータについての所定の動作範囲の外側になる(所定の動作範囲から外れる)ときにはいつでも、触覚フィードバックアクチュエータの出力はスケーリング(調整)(増減)され(scaled)てよい。所定の動作範囲は、アクチュエータの出力限界以下の最大出力閾値(maximum output threshold)、及び/又はアクチュエータの最小正確出力レベル(minimum accurate output level)以上の最小出力閾値(minimum output threshold)によって定められることができる。そのようなスケーリング(調整)(増減)(scaling)は、全体的な触覚フィードバックの大きさを減少させることがあるが、触覚フィードバック方向が適切に維持されるのを可能にし、それはしばしば触覚フィードバックのより重大な態様である。
【0017】
図1は、アクチュエータの出力限界を超えるときに方向的に一貫した触覚フィードバックを提供する例示的な方法を示している。触覚フィードバック提供ステップ110(PROVIDE HAPTIC FEEDBACK step)において、手術システムは、ユーザ(例えば、外科医)が(複数の)入力デバイス(例えば、(複数の)レバー(複数の)グリッパ、(複数の)ジョイスティック、又はユーザ入力を受信し得る任意の他の構成)を介して手術器具(及び/又は、ロボットアーム、セットアップ構造、又はブーム若しくはカートのような位置決め要素)を制御することを可能にし、次に、所望の触覚フィードバックプロファイル(現実の相互作用(interactin)又は仮想の/モデル化された相互作用の物理的な体験を少なくとも部分的に再現し或いは表現する1以上の触覚フィードバック効果のセット)に基づいて、その入力デバイスに力フィードバックを提供する。触覚フィードバックプロファイルは、器具(例えば、組織又は他の器具の相互作用)又はロボットアーム(例えば、構造又はスタッフとのアーム衝突)で感知される力、ユーザガイダンス(例えば、触覚的な戻り止め、フェンス、又はユーザが所望の経路又は軌跡に沿って(複数の)入力デバイスを移動させるためのガイダンスを提供する他のプロファイル、及び(例えば、仮想ハンドル又はステアリングホイールをユーザに提示する)ユーザインターフェース(UI)要素のような、任意の触覚モデル入力に基づくことができる。この触覚フィードバックは、触覚フィードバックプロファイルの直接的な複製から、触覚フィードバックプロファイルをスケーリングすること、触覚フィードバックプロファイルの非線形修正を適用すること又は任意の他の変換(例えば、器具状態/速さ、視認倍率(viewing magnification)などのような1以上の他の要因に依存して変化する力スケーリング(force scaling))までの、いずれかであり得る。
【0018】
入力デバイスで提供される実際の力フィードバックは、様々な力及び方向のフィードバックを提供するために協働する2以上のアクチュエータ(例えば、モータ、駆動装置、又は任意の他の起動要素)によって生成される。例えば、ピッチ及びヨー能力を有する入力デバイスが、ピッチ軸の周りで反対方向に力を加える第1のペア(対)のアクチュエータとヨー軸の周りで反対方向に力を加える第2のペアのアクチュエータとに連結されてよい。次に、ピッチアクチュエータ及びヨーアクチュエータのうちの2以上を同時に使用して、ピッチ及びヨー軸からオフセットされた力フィードバックを提供することができる。
【0019】
アクチュエータは、一般的には、固有の性能限界に起因するにせよ、或いは動作上の制約/効果(例えば、熱、機械的制約)に起因するにせよ、全く同じ性能特性を有さない。例えば、触覚フィードバックアクチュエータの群のうちの1つは、典型的には、他のものの前にその最大出力レベルに達する。その最大出力レベルを超える如何なる命令出力も、出力の増大をもたらさず、結果的に、最大出力(maxed-out)アクチュエータを含む触覚フィードバックは、予想される力フィードバック方向から逸脱する可能性が高い。加えて、特定のレベルより下の触覚フィードバックも、予想される力フィードバック方向から逸脱するよう、出力が特定のレベルより下に減少すると、アクチュエータは、ノイズのより多い(精度の低い)出力を生成し始めることがある。
【0020】
図2Aは、この触覚オフセットの一例を図式的に表しており、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータ(それぞれ、「アクチュエータ1」及び「アクチュエータ2」)の出力が、それぞれ、グラフの水平軸及び垂直軸によって表されている。また、グラフの軸に表示されているのは、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータについてのそれぞれの出力限界OL1及びOL2であり、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの出力限界を表している。
【0021】
前述のように、アクチュエータは、(例えば、アクチュエータの固有の性能特性によって定められる)静的であることがある、或いは(例えば、温度のような、アクチュエータの現在のパラメータ、アクチュエータを機械的に好ましくない位置に置く被駆動構造の運動学的構成のような、物理的制約に基づく)動的であることがある、それらの出力限界を超えることができない。
【0022】
よって、問題は、アクチュエータの命令出力が所望の命令フィードバック力FD(命令されたフィードバック力)によって示されるようなその出力限界を超えるならば、生じる。所望のフィードバック力FDを生成するために、アクチュエータ1は、命令される出力CO1を受け取り、アクチュエータ2は、命令される出力CO2を受け取る。命令される出力CO1は、出力限界OL1よりも少ないので、アクチュエータ1によって提供されることができる。しかしながら、命令される出力CO2は出力限界OL2よりも大きいので、アクチュエータ2の実際の出力は出力レベルOL2に限定され、所望のフィードバック力FDよりも小さい並びに所望のフィードバック力FDからオフセットされた、全体的なフィードバック力FOをもたらす。触覚フィードバックの大きさの僅かな変動は、一般的には、然程の困難を伴わずにユーザによって適応させられることができるが、力方向の逸脱は、ユーザにとって極めて紛らわしく(misleading)、ユーザによる応答によって不適切な制御作用(control actions)を引き起こし得る。
【0023】
図1に戻ると、この力フィードバックオフセットの問題を緩和するために、アクチュエータ閾値検出ステップ120(ACTUATOR THRESHOLD DETECTION step)において、アクチュエータについての最大出力閾値を超えるそのアクチュエータについての命令出力を特定する。幾つかの実施形態では、アクチュエータについての最大出力閾値をそのアクチュエータについての出力限界として定めることができるが、様々な他の実施形態では、最大出力閾値を出力限界より下のレベルに設定して、アクチュエータ限界の接近を検出するための及び/又はいずれかの出力限界に達する前に(以下に更に詳細に記載するように)スケーリング係数(scaling factor)を適用するためのバッファを提供することができる。上述のように、触覚フィードバックアクチュエータについての最大出力閾値は、静的又は動的であることができ、アクチュエータに亘って個別化又は共通化されることができるに更に留意のこと。
【0024】
次に、全体的アクチュエータスケーリングステップ130(GLOBAL ACTUATOR SCALING step)において、共通のスケーリング係数をアクチュエータについての命令出力に適用する。スケーリング係数は、特定されるアクチュエータ(即ち、出力閾値よりも大きい命令出力を有するステップ120で特定されるアクチュエータ)の出力をその出力限界より小さく維持するように選択される。スケーリング係数は各アクチュエータについての命令出力に適用されるので、全体的な力の方向は維持され、全体的な大きさは減少させられる。幾つかの実施形態では、複数のアクチュエータがそれらの出力限界を超える命令出力を受け取るならば、スケーリング係数はその関連するアクチュエータの出力閾値を最大量だけ超える命令出力に基づく-即ち、スケーリング係数は 「最悪の」出力不一致(“worst” output discrepancy)に基づく。
【0025】
図2Bは、同じ第1及び第2のアクチュエータ特性(それぞれ、出力限界OL1及びOL2)並びに所望のフィードバック力FDに対する、この触覚スケーリングの一例を図式的に表している。しかしながら、アクチュエータ2と関連付けられる出力限界が、全体的な触覚力を、図2Aに示すように所望の力の方向から離れさせるよりもむしろ、スケーリング係数を命令出力CO1及びCO2に適用して、両方を調整命令出力CO1’及びCO2’(調整された命令出力)(adjusted commanded outputs)に比例して減少させる。スケーリング係数は、調整命令出力CO2’が少なくとも出力限界まで減少させられるように選択されるが、様々な実施形態において、スケーリング係数は、調整命令出力CO2’を幾らかの増分だけ出力限界OL2より少なくさせるように選択されることができる。
【0026】
幾つかの実施形態において、アクチュエータ1及び2は、追加的に又は代替的に、低出力レベルで低減された出力精度を示すことができる。そのような実施形態では、命令出力CO1及びCO2のいずれかがアクチュエータ1又はアクチュエータ2についての最小出力閾値よりもそれぞれ少ないならば、スケーリング係数を命令出力CO1及びCO2に適用することができる。次に、スケーリング係数は、調整命令出力CO1’及びCO2’を、出力精度が低下するレベルより上に増加させる。上述のように、触覚フィードバックアクチュエータについての最小出力閾値は静的又は動的であることができ、アクチュエータに亘って個別化又は共通化されることができることに留意のこと。
【0027】
いずれにしても、スケーリング係数の適用は、元々の所望のフィードバック力FDと方向的に整列させられた全体的なスケーリングされたフィードバック力FSをもたらす。上述のように、力フィードバックの方向的な一貫性が維持される限り、力の大きさの変化であるとしても、一貫した触覚体験を提供することができる。
【0028】
図1に戻ると、様々な実施形態において、ステップ120において特定されるアクチュエータについての(スケーリングされていない)命令出力が、任意的なアクチュータ閾値未満検出ステップ140(ACTUATOR SUB-THRESHOLD DETECTION step)においてそのアクチュエータについての出力閾値を超える(例えば、最大出力閾値を超える或いは最小出力閾値を下回る)ことが検出されると、ステップ130において全ての命令出力に適用されるスケーリングファクタは、任意的な全体的アクチュータスケーリング除去ステップ150(GLOBAL ACTUATOR DE-SCALING step)において除去される(或いは1にセットされる)。ステップ110に戻って、スケーリングされていない触覚フィードバックを提供することを進める。
【0029】
前述のように、幾つかの実施形態において、触覚フィードバックアクチュエータについての出力閾値は動的であることができる-即ち、特定の値は、アクチュエータ動作パラメータ、入力デバイスの運動学的構成、又は様々な他の要因に依存して変化し得る。そのような実施形態では、手術システムの動作過程に亘って、ステップ120において適用される(複数の)出力閾値は、異なる値を有し得る。加えて、様々な他の実施形態では、異なるアクチュエータが、手術システムの動作過程に亘ってステップ120を引き起こし得る。
【0030】
図3A及び図3Bは、入力デバイス330での触覚フィードバックと、図1図2A、及び図2Bに関して上述したようなユーザのための一貫した触覚体験を提供する手段とを組み込んだ、手術システム300のブロック図を示している。手術システム300は、外科タスクを行う器具310(例えば、鉗子、カッタ、リトラクタ、血管シーラ、針ドライバ、カテーテルなど)と、ユーザ(例えば、外科医)からの入力を受け取る入力デバイス330(例えば、(複数の)レバー、(複数の)グリッパ、(複数の)ジョイスティック、又はユーザ入力を受け取り得る任意の他の構造)と、入力デバイス330から入力命令を受け取り、操作構造313を介して相応して器具310の作用を制御し、触覚フィードバック作動機構340に命令を提供して、所望の触覚フィードバックプロファイルに従って入力デバイス330に触覚フィードバックを提供する、コントローラ320とを含む。様々な実施形態において、操作構造313は、とりわけ、(複数の)ロボットアーム/マニピュレータ、(複数の)セットアップ構造、及び/又は(複数の)ブーム若しくは(複数の)カートのような(複数の)位置決め要素を含む、器具310の挙動を操作し、位置決めし、作動させ、或いは他の方法で制御する、任意の数のシステム及び構造を含むことができる。コントローラ320は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び本明細書に記載する動作(actions)を生成し、管理し、制御し、且つ/或いは達成する他のモダリティの任意の組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、コントローラ320は、器具310、入力デバイス330、及び/又は個別の制御ハードウェア(例えば、スタンドアロン処理ユニット又はコンピューティングプラットフォーム)と一体化させられることができる。
【0031】
例示的な目的のために、図3Aは、組織390の一部を把持している器具310のシャフト312の端にあるエンドエフェクタ311を示している(例えば、収縮)。これはエンドエフェクタ311で力FMを生じさせ、力FMは、入力デバイス330で所望の触覚フィードバックプロファイル力FDとして給送されるのが理想的である。実際の触覚フィードバック給送は、触覚フィードバック作動機構340によって可能とされ、触覚フィードバック作動機構340は、組織390が引っ込められているときに組織390によって提供される抵抗の「感触」を外科医に提示するために触覚フィードバックプロファイル力FDを提供しようとする複数のアクチュエータを含む。
【0032】
触覚フィードバックプロファイル力FDは、例示的目的のために器具310のエンドエフェクタ311で感知される力FMから得られるものとして記載されているが、様々な他の実施形態において、力FMは、シャフト312にある器具又は操作構造313の任意の他の要素のような、入力デバイス330での対応する触覚フィードバックが有益である任意の場所で感知されることができる(例えば、構造又はスタッフとのアーム衝突)。
【0033】
様々な他の実施形態において、力FMは、ガイダンス又はユーザインターフェース構成のような、非物理的パラメータに従って定められることができる。例えば、幾つかの実施形態において、手術システム300は、ディスプレイ350(例えば、(複数の)モニタ、(複数の)ヘッドインビューア、投影、(複数の)ビデオメガネ/ヘルメット、及び/又は任意の他のグラフィック表現要素)を含むことができる。様々な実施形態において、ディスプレイ350は、入力デバイス330を介して相互作用することができる仮想(virtual)又は合成要素361(synthetic element)を提示することができる。幾つかの実施形態において、合成要素361は、手術システム300の物理的コンポーネントと相互作用するための補助的なインターフェースとして使用されることができる。例えば、図3Aに示すように、合成要素361は、手術部位で器具310を再配置するために入力デバイス330を使用して「把持し」且つ「引きずり回す」ことができる仮想のハンドル又はノブであることができる。他の実施形態において、合成要素361は、ダイヤル、トグル、レバー、又は手術システム300を制御する任意の他の構造のような、純粋に仮想の相互作用要素を提供することができる。いずれの場合にも、合成要素361との相互作用と関連付けられるモデル力FM1(丸いノブを把持することで生成される径方向外向きの抵抗力)に基づく触覚フィードバックプロファイルを生成することによって、コントローラ320は、次に、入力デバイス330で適切な触覚フィードバックプロファイル力FDを提供しようとすることができる。
【0034】
様々な他の実施形態において、手術システム300は、器具310及び/又は入力デバイス330の動きに関してユーザにガイダンスを提供してよい。例えば、器具310の所望の動き(例えば、標的化された又は安全な切開経路、所望の収縮動作、又は任意の他の有益な関節作動)を、任意的に、軌道362として定めることができる。軌道362に沿う器具310の位置を維持することに関連するモデル力FM2(例えば、軌道362からの逸脱に基づいて生成される内向きに方向付けられる力)に基づいて触覚フィードバックプロファイルを生成することによって、コントローラ320は、次に、入力デバイス330で適切な触覚フィードバックプロファイル力FDを提供しようとすることができる。
【0035】
図3Bは、触覚フィードバック力の成分を入力デバイス330に適用する複数のアクチュエータ341を含む作動機構340の例示的なブロック図を示している。ケーブル又はテンドン(腱)を介して入力デバイス330を駆動する4つのアクチュエータが記述の目的のために示されているが、様々な他の実施形態において、作動機構340は、任意の数及び種類のアクチュエータ(例えば、回転アクチュエータ、リニアアクチュエータ、水力学、及び/又は圧電、振動、若しくは流体アクチュエータ)、及び/又は力伝達機構(例えば、直接駆動、リンク装置、伝動装置など)を含むことができる。
【0036】
様々なアクチュエータ341は、所望の触覚フィードバックプロファイル力FDを生成しようとして互いの組み合わせにおいて作動出力(例えば、トルク又は力)を提供する。しかしながら、所望の触覚フィードバックプロファイル力FDが、その動作範囲の外側になるアクチュエータ341のうちの1つからの出力を必要とするならば、アクチュエータ341についての命令出力を修正せずに使用しようとすることは、(図1及び図2Aに関して上述したような)所望の力FDと異なる大きさ及び方向の両方を有する修正されていない触覚フィードバック力FOをもたらす。上述のように、最大出力閾値(例えば、アクチュエータの出力限界以下)及び/又は最小出力閾値(例えば、アクチュエータの最小信頼出力レベル(minimum reliable output level)以上)によってアクチュエータの動作範囲を定めることができる。
【0037】
従って、コントローラ320が、アクチュエータ341のいずれかについての命令出力が(図1のステップ120に関して上述したように)そのアクチュエータの規定された出力閾値を超えることを検出するとき、コントローラは、全てのアクチュエータ341についての命令出力が(図1のステップ130に関して上述したように)それらの所定の動作範囲内に留まるよう、各アクチュエータ341に供給される命令出力に共通のスケーリング係数を適用する。これは全てのアクチュエータ341の出力を比例して変化させる効果を有し、ひいては、所望のフィードバック力FDに対して大きさは異なるが、(図2Bに関して上述したように)所望のフィードバック力FDと方向的に整列させられたままである、スケーリングされた触覚フィードバック力FSをもたらす。
【0038】
様々な実施形態において、コントローラ320が、スケーリングされていない命令出力がアクチュエータ341のうちのいずれかについての規定された出力閾値をもはや超えないことを検出すると、スケーリング係数を除去(又は1に設定)することにより、(図1のステップ140及びステップ150に関して上述したように)入力デバイス330でのスケーリングされていない触覚フィードバックの回復を可能にすることができる。
【0039】
本発明の特定の例示的な実施形態を添付の図面に記載し且つ示したが、そのような実施形態は例示的であるに過ぎず、広範な発明を制限するものでないこと、並びに本発明の実施形態は、図示し且つ記載した特定の構造及び構成に限定されないことが理解されるべきである。何故ならば、様々な他の修正が当業者の心に思い浮かぶことがあるからである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【外国語明細書】