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特開2022-27795AVBストリームのモジュール式ルーティングの方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027795
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】AVBストリームのモジュール式ルーティングの方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/72 20220101AFI20220203BHJP
【FI】
H04L47/72
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021189522
(22)【出願日】2021-11-22
(62)【分割の表示】P 2019548942の分割
【原出願日】2017-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ,フランツ-ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】キースリング,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】グエン,アン ニン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ユルゲン
(57)【要約】
【課題】AVBストリームのモジュール式ルーティングの方法及び装置に関し、メモリの少ない簡素な端末で使用可能な方式を提案する。
【解決手段】IEEE802.1に準拠するタイムセンシティブネットワーキング規格に基づいてネットワークにおいて予約されたパスに沿ってストリームをルーティングすることに関し、該方法では、ネットワークにおいてパスを構築するための予約プロセスがモジュール式で行われ、このモジュール式のプロセスで、第1のステップにおいて、トーカーアドバタイズメッセージを伴う送信機器の登録を、ネットワークのアクセス可能な第1のネットワーク要素のみに送信してここに保存し、そして、リスナーレディメッセージを伴う受信機器の登録を、アクセス可能な第2のネットワーク要素に送信してここに保存し、第2のステップにおいて、第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間のパスの予約を、事前に保存した前記情報に基づいて行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IEEE802.1に準拠したタイムセンシティブネットワーク規格に基づいてネットワークの予約されたパスに沿ってストリームをルーティングする方法であって、
前記ネットワークにパスを構築する予約プロセスがモジュール式で行われ、このモジュル式プロセスでは、
第1のステップにおいて、トーカーアドバタイズメッセージ(11)を伴う送信機器(T)の登録が、前記ネットワークのアクセス可能な第1のネットワーク要素(B2)のみに送信されて該要素(B2)に保存(R)され、そして、リスナーレディメッセージ(21)を伴う受信機器(L)の登録が、アクセス可能な第2のネットワーク要素(B4)に送信されて該要素(B4)に保存(R)され、
第2のステップにおいて、パスの予約が、前記第1のネットワーク要素(B2)と前記第2のネットワーク要素(B4)との間で、事前に保存された前記情報に基づいて行われる、方法。
【請求項2】
前記パスの予約に必要なすべての情報が、中間のネットワーク要素(B)のデータベースに保存され、該ネットワーク要素のそれぞれのポートに対し、それぞれの送信方向及び受信方向に関して、中央データベースが存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信機器(L)が、自身のリスナーレディメッセージ(21)において、前記受信機器(L)の位置に関する第1の情報(L_BRIDGE)を送信することで、パス予約において前記ネットワーク内の前記送信機器(T)の位置に関する第2の情報(T_BRIDGE)を用いてパス設定を実行することができる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記トーカーアドバタイズメッセージ(11)と前記リスナーレディメッセージ(21)のいずれか又は両方に、レイテンシ(REQ_LATENCY)に関して追加の情報が含まれている、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記パスの予約が、前記保存された情報のレイテンシに関する累積情報(ACC_LATENCY)に基づいて行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記受信機器(L1,L2,L3)は、ストリーム(ストリームID)をネットワーク要素(B)に登録して該ネットワーク要素(B)から追加のデータ(1-10)を取得することができる、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記受信機器(L1,L2,L3)は、ストリーム(ストリームID)を前記ネットワーク要素(B)に登録して前記ネットワーク要素(B)から追加の登録データ(1,2,3)を取得することができる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項の特定事項に従う方法を実行するように構成された装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
IEEEワーキンググループTSN(タイムセンシティブネットワーキング;IEEE802.1)の拡張により、標準化イーサネットネットワーク(イーサネットは登録商標)でのリアルタイム通信が可能になる。ネットワークを設定するために、必要な接続(ストリーム)の確立及びリソースの使用について処理する、予約(リザベーション)プロトコル(メッセージセッションリレープロトコル;MSRP;RFC4975)が使用される。
TSNワーキンググループでは、AVBワーキンググループの成果をさらに発展させている。予約プロトコルはAVB(オーディオ/ビデオ-ブリッジング;IEEE 802.1)で開発され、これは、ホームネットワークで使用するために定義されている。
【0002】
ネットワークの冗長機能は考慮されておらず-場合によっては可能なパスのスイッチングによりネットワーク内のすべてのアクティブなストリームの完全な消滅がいつでももたらされる。ネットワーク全体にアクティブな接続(コネクション)は1つしかない-冗長接続はホームネットワークに普通は存在しない。予約プロトコルは、ストリームの確立及びネットワークの設定を処理する。利用可能なストリームに関する情報は、すべての端末に転送される。この情報の転送が必要なのは、利用可能なリソースの検証が事前に行われるためである。
【0003】
産業分野における従来の冗長性アプローチ(例えば、リング冗長性)は、特殊なネットワークでのみ使用可能であり、ストリームの確立に必要なネットワークコンポーネントのローカル設定を考慮していない。
【0004】
従来、すべての端末は、すべてのストリーム情報を受信できる必要がある。端末における実装がより単純であれば不要な情報をキャッシュするためのメモリ要件を低減できるが、パケットを受信して分析する必要は残る。AVBでは、端末は、それ相応にパワフルでなければならない。これに対し、プロトコルの従来の設計では、処理可能なパッケージ数が制限されている。
ストリームの数が増加すると、簡素なネットワーク参加機器においてネットワーク負荷が大きくなる。これに対し、産業用アプリケーションの場合の端末は、可能な限り安価である必要があって、その主なタスクは、データ送信ではなく、物理的測定値の取得及び分析である。したがって、あまり簡素な端末は使用できない。
【0005】
産業用アプリケーションは、別々のストリームで送信される多数の測定値の処理及びその結果生じるアクチュエータの作動に基づいているし、同様に複数の装置への複数のストリームにも基づく。この場合は通常、様々な端末の位置はネットワークによって秘匿される-個々の接続に必要な送信時間は、予約プロトコルによって、予約が成功した後にメッセージの受信機器のみが認識する。
ネットワーク内の複数のアプリケーションによってストリーム数は増加する-しかしながら端末は、すべてのストリーム情報を受信する。
【0006】
高可用性の要件は、これまで十分に考慮されていなかった。ローカルナレッジによるターゲットに向けた接続のスイッチングは、既知の方法ではできない。
【0007】
そのうえ既知のアプローチでは、プロトコルが同期できるデータ量が限定されているから、ネットワークにおいてサポートされるストリームの最大数に制限がある。
産業用ネットワークで使用する場合には、ストリーム数に加えてさらに要件が追加される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以下の要件をもつ産業分野で使用するために既知の方法を適合させる方法を提供することを、目的とする。
【0009】
メモリの少ない簡素な端末で使用可能な方法である必要がある。このときのアプリケーションは、多数のIOデバイス(すなわち、多数のストリーム)からのデータを使用する-すべてのストリームの送信時間がこの場合同様に重要である(すなわち、メイクスパンとも称する送信の開始から終了までの期間)。
さらに、非常に多くの接続をもつネットワーク全体において複数のアプリケーションがサポートされる必要がある。
このときの接続は、高可用性も有している必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、独立形式請求項の特徴を備える方法によって解決される。
この方法は、IEEE802.1に準拠するタイムセンシティブネットワーキング規格に基づいてネットワークにおいて予約されたパス(経路)に沿ってストリームをルーティングすることに関し、該方法では、ネットワークにおいてパスを構築するための予約プロセスはモジュール式で行われ、このモジュール式のプロセスでは、第1のステップにおいて、トーカーアドバタイズ(トーカー宣言)メッセージを伴う送信機器の登録を、ネットワークのアクセス可能な第1のネットワーク要素のみに送信してここに保存し、そして、リスナーレディ(リスナー起動)メッセージを伴う受信機器の登録を、アクセス可能な第2のネットワーク要素に送信してここに保存し、第2のステップにおいて、第1のネットワーク要素と第2のネットワーク要素との間のパスの予約を、事前に保存した前記情報に基づいて行う。
【0011】
TSN用にさらに開発された予約プロトコルに新しい属性(L_BRIDGE)が導入されたことで、イーサネット規格の既存のメカニズムは、より適切な使用が可能となった。このためには、各受信機器及び各送信機器は(従来は送信機器がすでに利用可能であるが)ネットワークで認識されている必要がある。
【0012】
本発明のさらなる有利な態様が引用形式請求項によって提示される。
【0013】
パスの予約に必要なすべての情報は、データベースに保存されている。これらデータベースはブリッジにあり、当該データベースは、中央メモリと、各トーカー/送信機器及び各リスナー/受信機器の方向に関する各ポートデータベースとに分けられる。
方向指定のないデータパケット(TLV)は、この場合、属性の最後に読まれたパケットシーケンス番号(ストリームID)と共に中央メモリに保存される。
方向指定のあるデータパケット(TLV)は、受信データベースの受信ポート及び送信データベースの送信ポートに保存される。属性L_REGISTRATIONはこの場合新規である。
したがって、受信機器は、自身のリスナーレディメッセージにおいて受信機器の位置に関する第1の情報を送信し、パス予約は、ネットワーク内の送信機器の位置に関する第2の情報を使用して予約及びパス設定を実行することができる。
【0014】
本発明の一態様において、最大許容レイテンシ(REQ_LATENCY)に関してトーカーアドバタイズメッセージとリスナーレディメッセージのいずれか又は両方に追加情報が含まれている。
パスは、レイテンシに基づいて予約され、レイテンシに関する累積情報(ACC_LATENCY)がメッセージで送信され得る。
このときのパスの決定は、個々のネットワーク要素間でそれぞれ必要な送信時間を考慮した最良のルーティングに基づく。
【0015】
受信機器は、追加データ、例えばストリーム記述、をネットワーク要素から受信するために、自身のストリームIDによって識別されるストリームを最も近いネットワーク要素に登録することができる。
あるいは、受信機器は、追加の登録データのみをネットワーク要素から受信するように、ストリームをネットワーク要素に登録することもできる。これにより、関連情報のみが実際に送信されるという利点があり、ネットワーク負荷及び受信情報の評価に関するリスナーの負担が低減される。
【0016】
受信機器は、次いで、自身に関連する情報のみをネットワークから受け取る。
他の情報が変更された場合、受信機器に前もって通知されることはない。
従来のブリッジでは、「プルーニング」と呼ばれる同様のメカニズムが既知であり、このプルーニングでは、送信可能なネットワーク部分でのみ情報が選択的に転送される。「リスナープルーニング」と称する新規機能により、データ(ストリーム)の受信に関与する端末への関連情報のターゲット転送が可能になる。
ネットワークコンポーネントは、登録(認証、ログイン)情報を使用して、関連するデータ及びこのデータの事後変更のみを端末に転送できる(「リスナープルーニング」)。これにより、情報量が低減され、これに付随してパッケージ数が低減される。結果的に、端末において計算負荷が軽減される。したがって、簡素な端末を、より大規模なネットワークでも使用することが可能であり、ネットワークにおいて、格段に多くのストリームを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下の図面を参照して本発明をさらに詳述する。
図1】トーカーアドバタイズ、すなわち、既知のAVBにおいて成立した予約を示す。
図2】リスナーレディ、すなわち、予約の確認を示す。
図3図1及び図2を通して確立されたパスの通信を示す。
図4】新規モジュール式予約プロセスのトーカーアドバタイズ及びリスナーレディを示す。
図5】すべてのネットワーク要素(ブリッジ)に対するトーカーアドバタイズ及びリスナーレディからのグローバル情報の配信を示す。
図6】いわゆるリスナープルーニングを示す。
図7】本発明によるネットワークにおけるパス設定について様々な実施の選択肢を示す。
図8図1図3に示した既知の方法のアプローチの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図8には、既知のアプローチ(手続)に従って進行する、ネットワークにおけるストリームのAVB予約プロセスが示されている。B1~B6は、いわゆるブリッジである中間のネットワーク要素を示す。Tは、いわゆるトーカーである送信機器を示す。Lは、リスナーステーション、すなわち目的地の受信機器を示す。まず、第1のステップにおいて、いわゆるアドバタイズを介して全員に情報が送信され、ブリッジにおいて登録及び宣言が行われる。応答として、リスナーステーションはレディメッセージを返し、これにより、それぞれのパスが予約される。
【0019】
図1図3には、RSTPルートブリッジRを使用した図8の代替予約プロセスが説明されている。ネットワーク要素/ブリッジB1~B4は、いくつかの代替ルートを部分的に介することでも互いに接続されている。ブリッジには端末E1~E4が接続され、ブリッジB3は、ネットワーク内のパス決定を実行するRSTPルートブリッジRとして設定されている。トーカーアドバタイズは、ネットワークを介して様々なネットワーク要素11~18に配信され、各端末に到達する。図2には、ターゲット受信機器/リスナーである端末E2が、そのリスナーレディメッセージを次に接続されているブリッジB4に送信すること(21)が示されている。しかし、図8で説明したアプローチのように、そこから送信機器/トーカーにまでは送信されず、代わりにそこで次のトーカーアドバタイズを「待機」する。次いで、図3には、予約パス1~4を介した通信が示されている。
【0020】
図4には、予約のモジュール式プロセスが再度示されている。送信機器であるトーカーTは、第1のネットワーク要素B2に対し、要素B2に保存される(R)自身のメッセージを送信する(11)。このメッセージには、ボックス内に表示してある情報、L2TRANSPORT、TRAFFIC_SPEC、ACC_LATENCY、DIAG DOWNに関する情報が含まれる。
【0021】
同様にして、受信機器/リスナーLは、保存(R)に関係する次のネットワーク要素B4へメッセージを送信する(21)。これには、RES_STATE及びDIAG UPの情報が含まれる。
【0022】
第2のステップでは、トーカーアドバタイズ及びリスナーレディから保存情報が、保存(R)に関係するすべてのネットワーク要素B1~B4に送信される(31,32,33,34)。T_BRIDGEによりトーカー情報が生成され、L_BRIDGEによりリスナー情報が生成される。
一例として、L2TRANSPORT及びTRAFFIC_SPECの情報を含むメッセージT_BRIDGEが図示されている。
【0023】
図6には、受信機器への情報配信の実施形態が再度例示されている。最初に、受信機器L1,L2,L3は、自身の情報、具体的にはストリーム記述、を最も近いネットワーク要素Bに伝送する。通常、この(新しい)情報1-10はすべて、フィルタリングされずにすべての受信機器/リスナーに返送される。フィルタリングが行われるバージョンが選択された場合には、各リスナーL1,L2,L3は、ネットワーク要素R1,R2,R3に自身又は自身のストリームを登録する。次いで、トーカー登録に沿ったリスナー登録と同様に、登録情報のみが転送される。
【0024】
図7には、ストリームのためのネットワーク内のパス設定が再び示されている。
これまでに説明したローカル設定では、ストリーム記述(L2TRANSPORT)が、ネットワーク上のリスナーの位置(L_BRIDGE)及びトーカーの位置(T_BRIDGE)と組み合わされ、ストリームのパスへの割当であるFDBのローカル設定が得られる。
トーカーからリスナーへのレイテンシはパスで蓄積される。あるいは(右上)、トーカーブリッジB1から他のすべてのブリッジB2,B3,B4へのパスで転送が行われる。
【0025】
左下には、情報T_BRIDGEにより与えられる、予約ステータスがリスナーからトーカーにどのように伝えられるかが示されている。この場合、図8の例に類似して、Dが宣言を表し、Rが予約を表す。
右下には、パスがレイテンシ追加によって決定された、追加代替手段が示される。
【0026】
全体として、説明したアプローチは、すでに説明した利点に加えて、さらに重要な利点を示す。
アプリケーションにとって重要な全体の送信時間を最適化できる。ネットワーク内に多数のホップがあるリモート端末に対してフレームを最初に送信することができる。これらフレームは、フレームが近くの端末でまだ待機しなければならないときに、すでに送信されている。これにより、メイクスパンを最適化することもできる。時間の短縮により、産業環境におけるより厳しい要件にも適合される。
【0027】
TAS-Time Aware Shaper-を使用する場合、通信全体を最適化するには、通常、制御装置(プログラマブルロジックコントローラ又は産業設備のPLC)の送信シーケンスのローカル的な最適化で十分である。TASを使用すると、ネットワークリソースは送信専用に予約され、他のアプリケーションで使用することはできない。ローカル的最適化によって、必要なTASウィンドウを削減し、排他的に使用される帯域幅を最適に設計することができる。これにより、同じウィンドウ内で他のアプリケーション又はより多数の接続用の帯域幅を使用できるようになる。
【0028】
イーサネットでの高度なルーティングメカニズムの使用が可能になる。受信機器(リスナー)の既知の位置により、例えば、SPBアルゴリズム(最短パスブリッジング)を使用して、送信の最短パスを見つけることができる。これにより、ストリームを調整する際のレイテンシが最適化される。
【0029】
障害が発生した場合、端末の位置に関する知識をローカルスイッチングの実行に使用できる。これは、例えば、IPにおいて「Fast-ReRoute」と呼ばれる。各ブリッジは、既存のトポロジーナレッジにより(例えば、SPBのIS-IS;中間システム-中間システムにより)、ストリームを変更するときに同じポートで転送すべきかどうか、又は送信をさらに可能にするために他の代替形態を使用する必要があるかどうかを決定する。標準化されたメカニズムにより、ネットワーク内のストリームの高可用性が保証される。
予約は、トポロジーが変更された場合であっても、適切にローカライズできるため、ストリームパスのスイッチングは、高速化される。
【0030】
端末の登録と既存のトポロジー情報の使用により、送信機器(産業環境のPLCなど)においてローカルにデータの順序を最適化して、メイクスパンを短縮することができる。これにより、アプリケーションサイクルの短縮が可能となる。
【0031】
Fast-Rerouteとも称する本方法は、トポロジーナレッジ及び接続の参加機器のアナウンスに基づく。ローカルでは、新規の転送が計算され、直接応答することができる。隣接するネットワークコンポーネントへの通信は、不要である。これにより、はるかに高速のスイッチングが可能になる。
【0032】
産業用ネットワークにおいてアプリケーションは、必要な接続を定義する。それにより、送信機器及び受信機器は、必要な接続識別子であるストリームIDを認識する。ストリーム情報を受信する前の登録により、関連情報のみが転送される。
最後に、ネットワークコンポーネントのリソースに対する要求が、より簡素なネットワークコンポーネントの使用、あるいは、ネットワーク内の複数のアプリケーションの作動のための使用、によって削減されることから、大規模なネットワークでも、より簡素且つ費用対効果の高い端末の使用が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IEEE802.1に準拠したタイムセンシティブネットワーク規格に基づいてネットワークの予約されたパスに沿って中間のネットワーク要素によりストリームをルーティングし、このときに、前記中間のネットワーク要素により前記ネットワークにパスを構築する予約プロセスがモジュール式で行われる、方法であって、
送信機器によるトーカーアドバタイズメッセージにおいて該送信機器の登録を前記ネットワークの第1の到達可能なネットワーク要素のみに送信し、そして該第1の到達可能なネットワーク要素で前記送信機器の前記登録を保存し
受信機器によるリスナーレディメッセージにおいて該受信機器の登録を第2の到達可能なネットワーク要素のみに送信し、そして該第2の到達可能なネットワーク要素で前記受信機器の前記登録を保存し
前記第1の到達可能なネットワーク要素及び前記第2の到達可能なネットワーク要素によりそれぞれ前記送信機器の前記登録及び前記受信機器の前記登録を前記中間のネットワーク要素へ送信し、
前記中間のネットワーク要素により、保存されている前記送信機器の前記登録及び前記受信機器の前記登録に基づいて前記第1の到達可能なネットワーク要素と前記第2の到達可能なネットワーク要素との間のパスを予約する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記パスの予約に必要なすべての情報が前記中間のネットワーク要素のデータベースに保存され、中央データベースと、前記ネットワーク要素のそれぞれのポートに対し、送信方向及び受信方向それぞれのポートデータベースとが存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信機器により前記リスナーレディメッセージにおいて前記受信機器の位置に関する第1の情報を送信することをさらに含み前記パスの予約において前記ネットワーク内の前記送信機器の位置に関する第2の情報を用いてパス設定を実行することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トーカーアドバタイズメッセージと前記リスナーレディメッセージのいずれか又は両方に、レイテンシに関して追加の情報が含まれている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パスの予約が、保存された前記レイテンシに関する累積情報に基づいて行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記受信機器は、ストリーム前記中間のネットワーク要素に登録して前記中間のネットワーク要素から追加のデータを取得することができる、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記受信機器は、前記ストリームを前記中間のネットワーク要素に登録して前記中間のネットワーク要素から追加の登録データを取得することができる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記受信機器により、前記リスナーレディメッセージにおいて前記受信機器の位置に関する第1の情報を送信することをさらに含み、前記パスの予約において、前記ネットワーク内の前記送信機器の位置に関する第2の情報を用いてパス設定を実行することができる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記トーカーアドバタイズメッセージと前記リスナーレディメッセージのいずれか又は両方に、レイテンシに関して追加の情報が含まれている、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記パスの予約が、保存された前記レイテンシに関する累積情報に基づいて行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信機器は、ストリームを前記中間のネットワーク要素に登録して前記中間のネットワーク要素から追加のデータを取得することができる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記受信機器は、前記ストリームを前記中間のネットワーク要素に登録して前記中間のネットワーク要素から追加の登録データを取得することができる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
IEEE802.1に準拠したタイムセンシティブネットワーク規格に基づいてネットワークの予約されたパスに沿ってストリームをルーティングし、このときに、前記ネットワークにパスを構築する予約プロセスがモジュール式で行われる、装置であって、
送信機器によるトーカーアドバタイズメッセージにおいて該送信機器の登録を前記ネットワークの第1の到達可能なネットワーク要素のみに送信し、そして該第1の到達可能なネットワーク要素で前記送信機器の前記登録を保存し、
受信機器によるリスナーレディメッセージにおいて該受信機器の登録を第2の到達可能なネットワーク要素のみに送信し、そして該第2の到達可能なネットワーク要素で前記受信機器の前記登録を保存し、
前記第1の到達可能なネットワーク要素及び前記第2の到達可能なネットワーク要素によりそれぞれ前記送信機器の前記登録及び前記受信機器の前記登録を中間のネットワーク要素へ送信し、
前記中間のネットワーク要素により、保存されている前記送信機器の前記登録及び前記受信機器の前記登録に基づいて前記第1の到達可能なネットワーク要素と前記第2の到達可能なネットワーク要素との間のパスを予約する、ように構成される装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【外国語明細書】