(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027807
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】予測装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220203BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20220203BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220203BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20220203BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20220203BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20220203BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/13
G08G1/00 A
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194226
(22)【出願日】2021-11-30
(62)【分割の表示】P 2020155049の分割
【原出願日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2018144538
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】牧野 裕征
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 琢磨
(57)【要約】
【課題】前方の道路で特徴箇所が認識不可能になることを予測する。
【解決手段】予測装置(31)は、車両の前方の所定領域内の第1位置での道路勾配を示す第1勾配値よりも、第1位置よりも車両から離れた第2位置での道路勾配を示す第2勾配値が小さく、かつ、第1勾配値と第2勾配値との変化量が、所定の閾値、若しくは所定の閾値よりも大きい場合、
カメラの撮影方向の調整に関する調整情報を生成する予測部(31D)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上での車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置情報に基づいて前記車両の前方に設定された所定領域内の第1位置での前記道路の勾配を示す第1勾配値に比べて前記所定領域内で前記第1位置よりも前記車両の前方に設定された第2位置での前記道路の勾配を示す第2勾配値が小さく、かつ、前記第1位置から前記第2位置にかけての勾配の変化量が所定の閾値と等しい又は前記閾値よりも大きい場合に、前記車両の前方を撮影するカメラの撮影方向の調整に関する調整情報を生成する予測部と、
前記予測部が生成した前記調整情報を他の装置に通知する通知部と、を備え、
前記予測部は、前記カメラの前記撮影方向の変更後の向きとして下向きを示す前記調整情報を生成することを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記調整情報は、前記カメラの前記撮影方向を変更する程度を表す調整量をさらに示し、
前記予測部は、
前記第1位置から前記第2位置にかけての勾配の前記変化量を特定し、前記変化量に基づいて前記調整量を決定し、
特定した前記変化量が前に特定した前記変化量よりも大きい場合、前記調整量を前に決定した前記調整量よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記予測部は、過去に前記所定領域を走行した前記車両の傾き角度に基づいて特定された前記第1勾配値と前記第2勾配値とを用いて、前記調整情報を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の予測装置。
【請求項4】
道路上での車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置情報に基づいて前記車両の前方に設定された所定領域内の第1位置での前記道路の勾配を示す第1勾配値に比べて前記所定領域内で前記第1位置よりも前記車両の前方に設定された第2位置での前記道路の勾配を示す第2勾配値が小さく、かつ、前記第1位置から前記第2位置にかけての勾配の変化量が所定の閾値と等しい又は前記閾値よりも大きい場合に、前記車両の前方を撮影するカメラの撮影方向の調整に関する調整情報を生成する予測部と、
前記車両が前記所定領域を通過する場合、前記調整情報に基づいて前記カメラの前記撮影方向を下向きに変更する方向調整部と、を備えることを特徴とするシステム。
【請求項5】
道路上での車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置情報に基づいて前記車両の前方に設定された所定領域内の第1位置と前記所定領域内で前記第1位置よりも前記車両の前方に設定された第2位置のそれぞれの前記道路の勾配を特定する予測部と、
前記道路の勾配の変化に基づいて存在が特定された、所定の閾値以上の勾配の上り坂の終点又は所定の閾値以上の勾配の下り坂の始点を前記車両が通過する場合、前記車両の前方を撮影するカメラの撮影方向を下向きに変更する方向調整部とを備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の特徴箇所を認識する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載カメラの撮影画像から白線等の道路の特徴箇所を認識する画像認識装置が種々開発されている。画像認識装置は、特徴箇所の認識結果に基づき、車両の状態に応じた適切な制御処理を行う先進運転支援システム(ADAS、Advanced driver-assistance systems)に利用される。先進運転支援システムでは、制御処理として、例えば、白線が認識できなくなった場合、車両が道路を跨いでいると判定して、運転者に警告を出力することが考えられる。
【0003】
この種の先進運転支援システムに利用可能な構成として、例えば、特許文献1には、車載カメラの画像と地図情報とを用いて三次元道路形状を推定することによって、白線や道路端の道路形状を精度良く推定することが可能な道路形状推定装置が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、自車両が地図データに登録されていない道路を走行中であっても、白線を認識した場合には新規の道路を走行していると判断する地図データ自動更新システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-331787号公報
【特許文献2】特開2003-121161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、道路の勾配によっては、車載カメラで道路の特徴箇所を映すことができない場合がある。例えば、車両が上がり坂の終点に差しかかった場合、または、下り坂の始点に差しかかった場合、車両の水平面に対する傾き角度と、車両前方の道路における勾配の角度とが大きく乖離するため、車載カメラに前方の道路が映らない虞がある。車載カメラに前方の道路が映っていない場合、画像認識装置は道路の特徴箇所を認識できない虞がある。
【0007】
特徴箇所を認識できない場合、画像認識装置は、例えばより高精度な認識を試みたり、再度認識処理を試みたりといった例外的処理を実行する可能性がある。しかしながら、前述のように、そもそも撮影画像に道路および特徴箇所がほとんど映っていないため、上述の例外的処理は無駄な処理となる。
【0008】
また、画像認識装置は、本来は前方に道路および特徴箇所が存在するにも関わらず、特徴箇所を認識できなかったという誤った結果を出力する虞がある。そのため、結果の出力先で、誤った処理制御が行われる可能性がある。例えば、ADASは前述の誤った結果を受けて「道路でない所を車が通行している」と誤判定し、不要な警告を発する虞がある。
【0009】
本発明の一態様は、上述の問題点を鑑みたものであり、前方の道路で特徴箇所が認識不可能になることを予測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る予測装置は、道路上での車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部を備える。予測装置は、勾配情報取得部と、予測部と、通知部と、を備える。勾配情報取得部は、勾配情報を取得する。勾配情報は、前記位置情報に基づいて車両の前方に設定された所定領域における道路の勾配を示す。予測部は、所定領域に車両が位置するときに、特徴認識装置が特徴箇所を認識することが可能か否か、勾配情報取得部が取得した勾配情報を用いて予測する。ここで、特徴認識装置とは、車両に搭載されたカメラによって撮影された画像に映る前記道路の特徴箇所を認識する装置である。通知部は、予測部が予測した予測結果を他の装置に通知する。そして、予測部は、所定領域に設定された第1位置での道路の勾配を示す第1勾配値に比べて、所定領域内において第1位置よりも車両の前方に設定された第2位置での道路の勾配を示す第2勾配値が小さく、かつ、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が、所定の閾値、若しくは所定の閾値よりも大きいと判定した場合、特徴認識装置において特徴箇所の認識が不可能になると予測する。
【0011】
本開示の一態様に係る予測装置において、勾配情報は、道路を走行した車両の位置を示す位置情報と、前記位置での車両の傾き角度を示す傾き情報とを対応付けて記録した走行ログから特定される。
【0012】
本開示の一態様に係る予測装置は、前記変化量に基づいて、特徴認識装置が特徴箇所を認識した認識結果の信頼性を表す信頼係数を算出する係数算出部をさらに備える。
【0013】
本開示の一態様に係る画像認識装置は、予測装置と、特徴認識装置と、を含む。特徴認識装置は、予測装置の通知部から特徴箇所の認識が不可能になると通知された場合、特徴箇所を認識する処理を一時的に停止する。
【0014】
本開示の一態様に係る画像認識装置は、予測装置と、特徴認識装置と、を含む。特徴認識装置は、特徴箇所を認識した認識結果を、運転支援装置へ認識結果を送信する認識結果送信部を備える。運転支援装置とは、車両の運転を支援する装置である。特徴認識装置が通知部から特徴箇所の認識が不可能になると通知された場合、認識結果送信部は、運転支援装置への認識結果の送信を一時的に停止する。
【0015】
本開示の一態様に係る予測システムは、第1車両に搭載されたカメラによって撮影された画像に映る道路の特徴箇所を認識する特徴認識装置を含む予測システムである。予測システムは、走行ログ収集部と、勾配情報特定部と、位置取得部と、予測部と、を含む。走行ログ収集部は、道路を走行した第2車両の位置を示す位置情報と、この位置での第2車両の傾き角度を示す傾き情報とを対応付けて記録した走行ログを収集する。勾配情報特定部は、走行ログから、道路の勾配を示す勾配情報を特定する。位置取得部は、第1車両の現在位置を示す位置情報を取得する。予測部は、位置取得部が取得した位置情報に基づいて第1車両の前方に設定された所定領域に第1車両が位置するときに、特徴認識装置が特徴箇所を認識することが可能か否か、勾配情報を用いて予測する。予測部は、第1勾配値に比べて第2勾配値が小さく、かつ、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が、所定の閾値、若しくは前記所定の閾値よりも大きいと判定した場合、特徴認識装置による特徴箇所の認識が不可能になると予測する。第1勾配値は、所定領域に設定された第1位置での道路の勾配を示す。第2勾配値は、所定領域において第1位置よりも第1車両の前方に設定された第2位置での前記道路の勾配を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、前方の道路で特徴箇所が認識不可能になることを予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1に係る予測システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図2A】予測システムが適用された道路標示認識装置を搭載した車両が、ある道路を走行した際の、道路標示認識装置の特徴認識のONまたはOFFと、カメラの画像の例とを示す図である。
【
図2B】予測システムが適用された道路標示認識装置を搭載した車両が、ある道路を走行した際の、道路標示認識装置の特徴認識のONまたはOFFと、カメラの画像の例とを示す図である。
【
図2C】予測システムが適用された道路標示認識装置を搭載した車両が、ある道路を走行した際の、道路標示認識装置の特徴認識のONまたはOFFと、カメラの画像の例とを示す図である。
【
図3】走行ログのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】走行ログデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】予測システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】車両と、道路と、所定領域と、勾配情報の生成元となる走行ログそれぞれが示す位置との対応関係の一例を図示したものである。
【
図7】予測装置が実行する、特徴認識可否予測の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態2に係る予測システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態3に係る予測システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図10】実施形態3に係る予測システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11A】
図10のステップ300~ステップ303の処理による走行ログの抽出過程を模式的に示した図である。
【
図11B】
図10のステップ300~ステップ303の処理による走行ログの抽出過程を模式的に示した図である。
【
図11C】
図10のステップ300~ステップ303の処理による走行ログの抽出過程を模式的に示した図である。
【
図12】実施形態3に係る予測システムの処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【
図13】車両が、道路のカーブ部分を走行した際の、カメラの画像の一例を示す図である。
【
図14】形状地図情報に基づく特徴認識可否予測の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態5に係る予測システムの要部構成を示すブロック図である。
【
図16】実施形態6に係る予測システムの要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔実施形態1〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る予測システム100を、
図1~
図7に基づいて詳細に説明する。予測システム100は、車両900が道路を走行しているにも関わらず、カメラ8の画像から道路の特徴箇所の認識が不可能になる場合を予測する。
【0019】
なお、本実施形態および以降の実施形態において「認識が不可能になる場合」とは、道路の特徴箇所が完全に認識できなくなる場合だけでなく、認識不良を起こすようになる場合も含む。道路の特徴箇所は、画像認識で認識可能な特徴であればよく、その種類は特に限定されない。例えば、道路の特徴箇所とは、道路上に記載された区画線または指示標示である。また例えば、道路の特徴箇所とは、道路上または道路の近傍に設置された標識、ポール、またはコーンである。
【0020】
本実施形態では予測システム100の一例として、道路標示認識装置32において道路の特徴箇所の認識が不可能になることを予測する予測システム100について説明する。ここで、道路標示認識装置32とは、カメラ8の画像から道路の特徴箇所を認識する装置である。本実施形態では一例として、道路標示認識装置32が、道路の区画線である車道外側線および車道中央線、ならびに、道路の指示標示である停止線を認識する場合について説明する。また、以降、道路標示認識装置32において道路の特徴箇所を認識することを、「特徴認識」とも称する。
【0021】
≪動作概要≫
まず、本実施形態に係る予測システム100を適用することによって実現される、道路標示認識装置32の動作の一例を簡単に説明する。
図2Aは、本実施形態に係る予測システム100が適用された道路標示認識装置32を搭載した車両900が、ある道路R1を走行した際の、道路標示認識装置32の特徴認識のONまたはOFFと、カメラ8の画像の例とを示す図である。
【0022】
図2Aは、車両900が道路R1を走行する際に通過する地点P1~地点P6と、各地点を通過する際の道路標示認識装置32の特徴認識のONまたはOFFとを示す。
図2Aでは、車両の進行方向を矢印A1で例示している。また、
図2Aでは、地点P1~地点P6それぞれにおいて道路標示認識装置32による区画線および指示標示の認識動作がONであるかOFFであるかを、吹き出しに記載している。
【0023】
図2Bは、
図2Aにおける地点P1、地点P3、地点P5、若しくは地点P6でのカメラ8の画像を例示している。また、
図2Cは、
図2Aにおける地点P2若しくは地点P4でのカメラ8の画像を例示している。
【0024】
図2Bおよび
図2Cでは、道路R1の中央に破線の区画線として車道中央線L1が図示されている。車道中央線L1は、破線だけでなく実線でもよい。車道中央線L1は、白色に着色されている場合だけでなく、黄色に着色されていてもよい。また、
図2Bおよび
図2Cでは、道路の両端に実線の区画線として、車道外側線L2が図示されている。車道外側線L2は、破線だけでなく実線でもよい。車道外側線L2は、白色に着色されている場合だけでなく、黄色に着色されていてもよい。
【0025】
図2Aに示す上り坂および下り坂を含む道路R1を、車両900が矢印A1の方向に、すなわち地点P1から地点P6の順に走行したとする。この場合、地点P1、地点P3、地点P5、および地点P6では、
図2Bに示すように、車両900の前方の比較的遠くまでの道路R1、車道中央線L1、および車道外側線L2が、カメラ8に映る。一方、地点P2のような上り坂の終点、および地点P4のような下り坂の始点では、
図2Cに示すように、車両900の前方の道路R1、車道中央線L1、および車道外側線L2は、カメラ8にほとんど映らない。地点P2および地点P4では、車両900の傾き角度、すなわち、カメラ8の撮影方向と、車両900の前方の道路R1の勾配の角度とが大きく異なるからである。
【0026】
上り坂の終点および下り坂の始点は、道路R1の勾配の変化から特定することができる。具体的には、終点および始点の直後の勾配の角度は、終点および始点の直前の道路R1の勾配の角度に比べて小さい。また、勾配の角度の変化度合いが大きいほど、上り坂または下り坂は急な坂であるといえる。
【0027】
本実施形態に係る予測システム100は、車両900の現在位置の前方の所定領域内の第1位置での道路の勾配を示す第1勾配値と、所定領域内の第1位置よりも車両900から離れた位置である第2位置での道路の勾配を示す第2勾配値とを比較して、特徴認識が不可能になるか否かを予測する。具体的には、予測システム100は、第1勾配値よりも第2勾配値が小さく、かつ、第1勾配値と第2勾配値との間の変化量が、所定の閾値である、若しくは所定の閾値よりも大きい場合、特徴認識が不可能になると予測する。
【0028】
なお、所定領域は、カメラ8の取付け位置および画角、道路標示認識装置32の性能、ならびに、車両900の車種および車速等に応じて適宜決定されてよい。また、所定の閾値についても、カメラ8の取付け位置および画角、道路標示認識装置32の性能、ならびに、車両900の車種および車速等に応じて適宜決定されてよい。
【0029】
そして、予測システム100は、特徴認識が不可能になるという予測結果を、道路標示認識装置32に通知する。本実施形態に係る道路標示認識装置32は、通知を受けると、特徴認識を一時的に停止する。
【0030】
これにより、予測システム100は、車両900の前方に、地点P2または地点P4のような上り坂の終点、または下り坂の始点が存在することを予測することができる。さらに、予測システム100は、車両900が、特徴認識が不可能になる地点に到達する前に、道路標示認識装置32に特徴認識が不可能になることを予め通知することができる。これにより、道路標示認識装置32は、車両900が地点P2および地点P4を通過する際に、特徴認識を一時的にOFFにすることができる。
【0031】
なお、道路標示認識装置32において一時的にOFFにした特徴認識を再開させるタイミングは、特に限定されない。例えば、予測システム100は、特徴認識が可能であるという予測結果を得た際に、道路標示認識装置32に予測結果を通知してもよい。そして、道路標示認識装置32は、特徴認識がOFFの状態で特徴認識が可能であるとの予測結果を通知された場合、特徴認識をONにしてもよい。また、道路標示認識装置32は、車両900が地点P4を通過後に所定の距離を走行した場合、若しくは地点P4を通過してから所定の時間が経過した場合に、特徴認識をONにしてもよい。
【0032】
以上の処理により、本実施形態に係る道路標示認識装置32は、
図2Aに示すように、車両900が上り坂の終点、および下り坂の始点を走行するとき、すなわち、道路が特徴認識不可能な地形である場合は特徴認識をOFFにして、道路が特徴認識可能な地形である場合は特徴認識をONにすることができる。したがって、本実施形態に係る道路標示認識装置32は、そもそもカメラ8に道路が映っていない時に、無駄な特徴認識を行わないようにすることができる。よって、自装置の処理負荷を減少させることができる。
【0033】
≪要部構成≫
次に、本実施形態に係る予測システム100、および予測システム100を用いた運転支援を実現するための、装置の要部構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る予測システム100の要部構成を示すブロック図である。なお、
図1では、予測システム100が予測する際に使用する装置と、予測結果を受けて動作する装置も併せて図示している。また、
図1中の実線の矢印、実線の両矢印及び破線の両矢印は、データの流れを例示している。
【0034】
(予測システム100を構成する装置)
予測システム100は、車両900に搭載されたナビゲーション装置1および予測装置31と、車両900の外部に設置されたサーバ2とが共働することによって実現される。以下では、ナビゲーション装置1を、ナビ装置1ともいう。
【0035】
本実施形態におけるナビ装置1は、情報を処理する情報処理装置として機能する。ナビ装置1は、各種センサからの情報と地図情報とに基づいて、車両900の現在位置を特定する機能と、後述する走行ログを生成する機能と、走行ログをサーバ2に送信する機能と、予測装置31からの要求に応じて地図情報を抽出および送信する機能と、を有する。なお、ナビ装置1は車両900のナビゲーションを行う機能を有していてもよい。
【0036】
本実施形態におけるサーバ2は、ナビ装置1が生成した走行ログを収集して蓄積する機能を有する。言い換えれば、サーバ2は、走行ログの情報を管理する管理装置として機能する。また、サーバ2は、収集した走行ログから道路の勾配を示す勾配情報を生成する機能を有する。また、サーバ2は、生成した勾配情報を送信する機能を有する。
【0037】
なお、
図1では、サーバ2と、1台の車両900に搭載されたナビ装置1および画像認識装置3との関係を示している。しかしながら、サーバ2は複数のナビ装置1から走行ログを収集することが望ましい。また、サーバ2は、複数の画像認識装置3の要求に応じて、勾配情報を生成および送信することが望ましい。
【0038】
本実施形態における予測装置31は、ナビ装置1から取得する車両900の現在位置と、車両900の進行方向を示す方向情報と、サーバ2から取得する勾配情報とに基づいて、画像認識装置3において特徴認識が不可能になるか否かを予測する装置である。本実施形態では、予測装置31は、道路標示認識装置32とともに画像認識装置3を構成する1ユニットである。
【0039】
(予測システム100の周辺装置)
車両900は、ユーザによって運転される第1車両である。車両900は、
図1に示す通り、GPS受信機4、傾きセンサ5、ナビ装置1、カメラ8、画像認識装置3、運転支援装置6、および表示装置7を含む。
【0040】
GPS受信機4は、人工衛星から送信されるGPS(Global Positioning System)信号を受信する。GPS信号には、車両900の現在位置の経度および緯度を示す情報が含まれている。GPS受信機4は、経度および緯度を示す情報をGPS情報としてナビ装置1に送信する。言い換えれば、GPS受信機4は、人工衛星から送信される信号から、位置を測位する衛星測位システムに利用される。
【0041】
傾きセンサ5は、車両900の傾きを検出するセンサである。傾きセンサ5は、少なくとも鉛直方向に対する車両900の傾きを検出する。また、傾きセンサ5は検出結果から、少なくとも車両900の鉛直方向への傾き角度を特定する。なお、傾きセンサ5は、鉛直方向だけでなく、互いに直行するX軸、Y軸、およびZ軸の3軸に対する車両900の傾き角度を特定してもよい。以降、特に付記しない限り、「車両900の傾き」とは、車両900の鉛直方向への傾きを意味することとする。傾きセンサ5は傾き角度を示す情報を傾き情報としてナビ装置1に送信する。なお、傾きセンサ5は、単一のセンサであってもよいし、複数のセンサから成るセンサ群であってもよい。
【0042】
例えば、傾きセンサ5は、加速度センサであってもよい。加速度センサは、基準軸に対する加速度を検知することができる。傾きセンサ5としての加速度センサは、基準軸に対する加速度と、車両900にかかる重力とから、車両900の鉛直方向への傾き度合いを検出することができる。
【0043】
なお、傾きセンサ5を加速度センサ単体で実現する場合、基準軸は鉛直方向に完全に平行な軸ではなく、水平方向に傾いた軸であることが望ましい。後述する方向特定部12Bにおいて、傾き情報から車両900の進行方向も特定するためである。
【0044】
また例えば、傾きセンサ5は、加速度センサと2軸ジャイロセンサから成るセンサ群であってもよい。2軸ジャイロセンサは、所定の時間間隔で2軸の基準軸に対する車両900の角度変化を検出するセンサである。傾きセンサ5は、例えば、2軸ジャイロセンサによって、水平面に平行なX軸と、水平面に平行でX軸と直交するY軸とに対する車両900の角度変化を検出し、加速度センサで車両900の鉛直方向、すなわちZ軸方向への傾きを検出することができる。これにより、加速度センサ単体で車両900の傾き度合いを検出する場合に比べて、より正確に傾き度合いを検出することができる。
【0045】
また例えば、傾きセンサ5は、3軸ジャイロセンサであってもよい。3軸ジャイロセンサは、所定の時間間隔で3軸の基準軸に対する車両900の角度変化を検出するセンサである。傾きセンサ5は、例えば、3軸ジャイロセンサによって、X軸と、Y軸と、Z軸とに対する車両900の角度変化を検出することができる。これにより、加速度センサで車両900の傾き度合いを検出する場合に比べて、より正確に傾き度合いを検出することができる。
【0046】
カメラ8は、車両900に搭載された車載カメラである。カメラ8は、車両900の前方を撮影する。カメラ8は撮影画像を画像認識装置3の道路標示認識装置32に送信する。カメラ8の種類は特に限定されないが、例えば、夜間でも撮影可能な赤外線カメラをカメラ8として好適に用いることができる。
【0047】
画像認識装置3は、カメラ8の画像から特徴認識を行うための装置である。画像認識装置3は、前述の予測装置31と、特徴認識を実行する道路標示認識装置32とから成る。
【0048】
道路標示認識装置32は、カメラ8の画像から特徴認識を行う特徴認識装置である。道路標示認識装置32の特徴認識の方法は、特に限定されない。道路標示認識装置32は、認識結果送信部32Aを含む。認識結果送信部32Aは道路標示認識装置32における特徴認識の結果を運転支援装置6に通知する。本実施形態では、道路標示認識装置32は、予測装置31から特徴認識が不可能になるという予測結果を通知された場合、特徴認識を一時的に停止する。また、道路標示認識装置32は、特徴認識を停止している状態で、予測装置31から特徴認識が可能であるという予測結果を通知された場合、特徴認識を再開してもよい。
【0049】
これにより、道路標示認識装置32は、車両900が道路を走行しているにも関わらず、道路の特徴箇所が認識不可能になるような場合でも、無駄な例外処理を行うことが無い。よって、予測システム100は、道路標示認識装置32の処理負荷を減少させることができる。
【0050】
なお、道路標示認識装置32は特徴認識により区画線および指示標示が認識できた場合、区画線および指示標示の種類および位置を特定してもよい。例えば、道路標示認識装置32は、道路端の車道外側線と、道路中央の車道中央線と、停止線とを区別して認識してもよい。また、道路標示認識装置32は、運転支援装置6に特徴認識の結果を通知する際に、区画線および指示標示の種類および位置を併せて通知してもよい。
【0051】
運転支援装置6は、画像認識装置3の認識結果に応じて、車両900の運転を支援する装置である。運転支援装置6の運転支援の内容は特に限定されない。運転支援装置6は、1つの装置であってもよいし、複数の装置で構成されるシステムであってもよい。より具体的には、運転支援装置6は、先進運転支援システムであってもよい。
【0052】
運転支援装置6は、道路標示認識装置32から通知された特徴認識の結果に応じて、車両900に搭載された各種装置を制御する。例えば、運転支援装置6は、道路標示認識装置32から区画線および指示標示が認識できたこと、ならびに、区画線および指示標示の種類および位置を通知された場合、区画線および指示標示の種類および位置に応じて車両900の運転制御を行ってもよい。具体的には、運転支援装置6は、道路端の区画線および指示標示、センターラインの区画線および指示標示、または停止線の区画線および指示標示が認識された場合、車両900が区画線および指示標示を跨がないようにハンドルまたはブレーキ等の動作を制御してもよい。
【0053】
また、運転支援装置6は、道路標示認識装置32から区画線および指示標示が認識できなかったことを通知された場合、運転者であるユーザに対して、光、音、画像等で警告を発してもよい。本実施形態では、区画線および指示標示が認識できなかったことを通知された場合、運転支援装置6は表示装置7に警告画面を表示させることとする。
【0054】
表示装置7は、運転支援装置6の指示に従って警告画面を表示する装置である。なお、表示装置7はナビ装置1のディスプレイであってもよい。また、車両900は表示装置7の代わりに、または表示装置7とともに、運転支援装置6からの警告を出力するスピーカまたはランプ等を備えていてもよい。
【0055】
(ナビ装置1の詳細な構成)
本実施形態に係るナビ装置1は、上述した各機能を実現するために、ナビ記憶部13と、ナビ制御部12と、ナビ通信部11と、を含んでいる。なお、ナビ装置1は車両900のナビゲーションを行うための構成を有していてもよい。しかしながら、ナビゲーションを行うための構成は、本実施形態において必須の構成ではない。
【0056】
ナビ記憶部13は、ナビ装置1で実行する各種処理に必要な情報を記憶する。例えば、ナビ記憶部13は、地図情報13Aを記憶している。
【0057】
地図情報13Aは少なくとも、道路の形状を示す情報を含んでいる。また、地図情報13Aは、各道路のリンクおよびノードを一意に特定するための識別子を含んでいることが望ましい。ここで、リンクとは、ノードとノードとを結ぶ仮想的な線分である。また、ノードとは、交差点等、地図上の所定の地点を示す。すなわち、リンクとは、あるノードからあるノードまでの道路を示す。また、地図情報13Aは、各道路の曲率半径を示す情報を含んでいてもよい。
【0058】
地図情報13Aは、例えば、サーバ2または他のサーバからダウンロードされ更新されるデータである。地図情報13Aは、例えば、予め地図情報が記憶された記録媒体を介して、ナビ記憶部13に記憶されるデータであってもよい。また、地図情報13Aの更新タイミングは特に限定されない。例えばナビ装置1は、1日1回、定期的にサーバ2または他のサーバから最新の地図情報13Aをダウンロードしてもよい。また例えば、ナビ装置1はユーザが手動で地図情報13Aのアップデートを指示する操作を行った時に、サーバ2または他のサーバから最新の地図情報13Aをダウンロードしてもよい。また、ナビ装置1は、最新の地図情報13Aの全データをダウンロードするのではなく、ナビ記憶部13が記憶している地図情報13Aと、最新の地図情報13Aとの差分データをダウンロードし、ナビ記憶部13に記憶している地図情報13Aに差分データを適用させてもよい。
【0059】
ナビ制御部12は、現在位置特定部12Aと、方向特定部12Bと、走行ログ生成部12Cと、を含む。また、ナビ制御部12は、画像認識装置3の予測装置31に地図情報を供給する地図情報送信部として機能してもよい。また、ナビ制御部12は、地図情報13Aの更新を行う機能を有していてもよい。
【0060】
現在位置特定部12Aは、車両900の現在位置を特定する。現在位置特定部12AはGPS受信機4からGPS情報を受信すると、地図情報13Aを読み出して、GPS情報についてマップマッチングを実行する。マップマッチングにより、GPS情報から、車両900の地図上でのより正確な現在位置を特定することができる。以降の説明では、マップマッチングにより特定された位置を示す情報を、位置情報と称する。なお、マップマッチングの詳細な手法は特に限定されない。現在位置特定部12Aは、特定した位置、すなわち現在位置を示す位置情報を、画像認識装置3の予測装置31に送信する。
【0061】
方向特定部12Bは、傾き情報から車両900の進行方向を特定する。ナビ制御部12は特定した車両900の進行方向を示す方向情報を、予測装置31に送信する。
【0062】
走行ログ生成部12Cは、現在位置の位置情報と、傾き情報が示す車両900の傾き角度とを用いて走行ログを生成する。走行ログとは、道路上での位置を示す位置情報と、その位置を車両が走行したときの車両の傾き角度とを対応付けて記録したデータである。車両900の傾き角度は、車両900の居る地点の道路の勾配と略一致するといえる。そのため、後述する勾配情報生成部21Cは、走行ログから道路の勾配を示す勾配情報を生成することができる。
【0063】
なお、走行ログ生成部12Cは、自己の制御クロック等に基づいて走行ログの生成時刻を計時し、時刻を走行ログに含めてもよい。また、走行ログ生成部12Cは、車両900を一意に特定するための識別子(例えば、車両ID)を走行ログに含めてもよい。また、走行ログ生成部12Cは、地図情報13Aを参照して、現在位置が属するリンクまたはノードを一意に特定するための識別子を特定し、識別子を走行ログに含めてもよい。走行ログ生成部12Cは生成した走行ログを、ナビ通信部11を介してサーバ2に送信する。
【0064】
(走行ログのデータ構造)
図3は、走行ログのデータ構造の一例を示す図である。
図3の例では、走行ログは「時刻」と、「車両ID」と、「リンクID」と、「位置」と、「傾き」との6項目から成る。なお、「時刻」と、「車両ID」と、「リンクID」とは必須の項目ではない。また、走行ログのデータ構造に、リンクIDに加え、ノードIDを追加してもよい。
【0065】
「位置」の項目には、現在位置特定部12Aが特定した現在位置の位置情報が格納される。
図3に示す例では、車両900が走行した位置の緯度および経度の値が格納されている。「傾き」の項目には、傾きセンサ5が特定した車両900の傾き角度が格納される。
【0066】
「時刻」の項目には、走行ログの生成時刻を示す情報が格納される。「車両ID」の項目には、車両900を一意に特定するための識別子が格納される。「リンクID」の項目には、「位置」の項目で示される位置が属するリンクを一意に特定するための識別子であるリンクIDが格納される。リンクIDは、走行ログ生成部12Cが現在位置と地図情報13Aとを参照して特定することができる。
【0067】
ナビ通信部11は、ナビ装置1とサーバ2との無線通信を行う。例えば、ナビ通信部11はサーバ2から地図情報13Aを受信して、ナビ制御部12に送信する。また例えば、ナビ通信部11はナビ制御部12の走行ログ生成部12Cが生成した走行ログを、サーバ2に送信する。なお、ナビ通信部11とサーバ2との間の通信形式は特に限定されない。ナビ通信部11は、ナビ装置1とサーバ2との無線通信を行うのであれば、ナビ装置1に内蔵された部材であってもよいし、ナビ装置1に外付けされた部材であってもよい。
【0068】
(サーバ2の詳細な構成)
サーバ2は、前述の各種機能を実現するために、サーバ制御部21と、サーバ記憶部22と、サーバ通信部23とを含む。
【0069】
サーバ記憶部22は、サーバ2で実行する各種処理に必要な情報を記憶する。サーバ記憶部22は少なくとも、走行ログDB22Aを記憶する走行ログ記憶部として機能する。以下では、走行ログデータベース22Aを走行ログDB(Data Base)ともいう。走行ログDB22Aは、走行ログの収集対象となる第2車両の走行ログを蓄積したデータベースである。なお、第2車両には第1車両である車両900も含まれる。
【0070】
(走行ログDB)
図4は、走行ログDB22Aのデータ構造の一例を示す図である。走行ログDB22Aの1レコードは、1つの走行ログを示す。走行ログDB22Aには、
図3で示した走行ログの各項目が含まれている。したがって、走行ログDB22Aは、リンクIDと位置情報とが対応付けられた走行履歴情報のデータベースにもなり得る。また、走行ログDB22Aは、車両の傾き角度と、位置情報とが対応付いた傾き情報のデータベースにもなり得る。また、走行ログDB22Aは、走行ログの収集対象となった第2車両の車両ID等、第2車両に関する情報を示す車種情報のデータベースにもなり得る。サーバ2は、複数の車両900から、すなわち、複数のナビ装置1から走行ログを受信し、走行ログを蓄積管理する。望ましくは、サーバ2は、大量のナビ装置1から走行ログを収集し、ビッグデータとしての走行ログDB22Aを保有していることが望ましい。
【0071】
なお、サーバ記憶部22は、ナビ装置1に送信するための地図情報13Aを記憶していてもよい。サーバ記憶部22が記憶する地図情報13Aは、地図更新システム等の他のシステムによって、または事業者によって、最新のデータに更新される。
【0072】
サーバ制御部21は、走行ログ収集部21Aと、走行ログ抽出部21Bと、勾配情報生成部21Cと、を含む。
【0073】
走行ログ収集部21Aは、1台以上の第2車両から走行ログを収集する。走行ログ収集部21Aは収集した走行ログを、サーバ記憶部22に走行ログDB22Aの一部として記憶させる。
【0074】
走行ログ抽出部21Bは、サーバ制御部21が予測装置31から勾配情報の送信要求を受信した場合、要求が示す条件に合致する走行ログを抽出する。例えば、走行ログ抽出部21Bは、走行ログDB22Aに記憶されている走行ログのうち、位置情報が、車両900の現在位置の前方の所定領域内の位置を示している走行ログを抽出する。これにより、サーバ2に蓄積されたビッグデータである走行ログDB22Aから、予測装置31においてこれから特徴認識の可否を予測しようとしている領域について記録された走行ログを抽出することができる。走行ログ抽出部21Bは抽出した走行ログを勾配情報生成部21Cに送る。
【0075】
勾配情報生成部21Cは、走行ログから勾配情報を生成する。勾配情報生成部21Cは、生成した勾配情報を、サーバ通信部23を介して画像認識装置3の予測装置31に送信する。勾配情報生成部21Cが走行ログから勾配情報を生成する方法は、特に限定されない。
【0076】
また、勾配情報のデータ形式は特に限定されない。しかしながら、勾配情報は、抽出された走行ログが示す傾き角度、または複数の走行ログの傾き角度から算出される2次的な傾き角度が、道路上でどの位置にあるのかを特定可能なデータであることが望ましい。
【0077】
走行ログはマップマッチング後の、道路上での位置を示す位置情報を含んでいる。また、走行ログは、位置情報が示す位置での車両の傾き角度を含んでいる。したがって、勾配情報生成部21Cは、抽出された複数の走行ログの位置を比較することで、各走行ログの道路上での位置関係を特定することができる。また、勾配情報生成部21Cは、サーバ制御部21がナビ装置1から車両900の現在位置を取得している場合、現在位置と各走行ログが示す位置とから、各走行ログの、車両900からの距離を特定することができる。所定領域は車両900の前方の領域であるため、車両900からの距離が遠い走行ログほど、車両900の先の道の道路勾配を示す走行ログであるといえる。
【0078】
例えば、勾配情報生成部21Cは、各走行ログを、各走行ログが示す位置情報に基づいて分類することで、勾配情報を生成してもよい。具体的には、勾配情報生成部21Cは、各走行ログを、各走行ログの位置情報が示す地図上の位置に応じて、所定領域よりも小さい細分領域に区画分けしてもよい。そして、勾配情報生成部21Cは、各細分領域の識別子または各細分領域内のある1点の位置情報と、各細分領域に分類された走行ログが示す傾き角度の平均値または中央値とを対応付けたデータを勾配情報として生成してもよい。
【0079】
また、この場合、勾配情報生成部21Cは、走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログのみ勾配情報に加工するのではなく、予め、走行ログDB22Aに記憶されている全走行ログについての勾配情報を生成して、サーバ記憶部22に記憶させておいてもよい。そして、走行ログ抽出部21Bは、サーバ記憶部22に記憶された勾配情報の中から、予測装置31から要求された条件に合致する勾配情報を抽出して、サーバ通信部23を介して予測装置31に送信してもよい。
【0080】
例えば、勾配情報生成部21Cは、走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログそれぞれが示す位置と車両900の現在位置から、各走行ログの車両900からの距離を特定してもよい。そして、勾配情報生成部21Cは、各走行ログを、車両900からの距離の順に並べたデータを勾配情報として生成してもよい。
【0081】
また例えば、勾配情報生成部21Cは、走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログそれぞれが示す位置と、傾き角度とを解析することで、所定領域内の道路の3次元形状をメッシュ化したデータを生成してもよい。
【0082】
また例えば、勾配情報生成部21Cは、走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログ自体を勾配情報として画像認識装置3に送信してもよい。走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログには、走行ログが示す位置における道路の勾配と略一致する角度である、傾き角度が含まれているからである。この場合、勾配情報生成部21Cは、勾配情報を生成するのではなく、走行ログDB22Aに保存されている走行ログから、勾配情報として予測装置31に送信する勾配情報を特定する勾配情報特定部として機能する。
【0083】
なお、本実施形態では一例として、走行ログ収集部21Aが、各第2車両から収集された走行ログをそのままの形式で走行ログDB22Aに格納する例について説明する。しかしながら、走行ログは、加工されてから走行ログDB22Aに記録されてもよい。
【0084】
例えば、走行ログ収集部21Aは、第2車両から収集した走行ログを、サーバ記憶部22または他の記憶装置に一旦格納しておき、走行ログがある程度蓄積した段階で、勾配情報生成部21Cに送信してもよい。そして、勾配情報生成部21Cは、サーバ記憶部22または他の記憶装置に一旦格納された複数の走行ログを加工して勾配情報を生成してもよい。
【0085】
例えば、勾配情報生成部21Cは、各走行ログを、各走行ログが示す位置情報に基づいて分類してもよい。具体的には、勾配情報生成部21Cは、各走行ログを、各走行ログの位置情報が示す道路上の位置に応じて区画分けしてもよい。以降、この区画分けされた道路上の領域を「細分領域」と称する。そして、勾配情報生成部21Cは、各細分領域の識別子または各細分領域内の代表点の位置情報を、各細分領域に分類された走行ログが示す傾き角度の平均値に対応付けたデータを生成してもよい。そして、勾配情報生成部21Cは、生成した加工データを、走行ログDB22Aの1レコードとしてサーバ記憶部22に記憶させてもよい。この場合、走行ログDB22Aには、「時刻」および「車両ID」の項目は含まれない。また、「位置」の項目には、各細分領域の識別子または代表点の位置情報が記録される。
【0086】
このように、予測装置31からの要求に応じて抽出された走行ログではなく、収集済みの走行ログを用いて予め勾配情報を作成しておく場合、走行ログ抽出部21Bは走行ログを抽出しなくてよい。例えば、走行ログ抽出部21Bは、予測装置31から受信した要求をそのまま勾配情報生成部21Cに伝えてもよい。そして、勾配情報生成部21Cは、該要求条件に合致する勾配情報を、予測装置31に送信してもよい。
【0087】
サーバ通信部23は、サーバ2とナビ装置1および画像認識装置3との無線通信を行う管理装置通信部として機能する。例えば、サーバ通信部23は、ナビ装置1から走行ログを受信して、サーバ制御部21に送信する。また例えば、サーバ通信部23はサーバ制御部21の勾配情報生成部21Cが生成した勾配情報を、画像認識装置3に送信する。なお、サーバ2とナビ装置1および画像認識装置3の間の通信形式は特に限定されない。サーバ通信部23は、サーバ2とナビ装置1および画像認識装置3との間の無線通信を行うのであれば、サーバ2に内蔵された部材であってもよいし、サーバ2に外付けされた部材であってもよい。
【0088】
(予測装置31の詳細な構成)
予測装置31は、車両900が道路を走行しているにも関わらず、特徴認識が不可能になる場合を予測する装置である。予測装置31は、位置取得部31Aと、領域決定部31Bと、勾配情報取得部31Cと、予測部31Dと、通知部31Eとを含む。
【0089】
位置取得部31Aは、ナビ装置1から、車両900の現在位置を取得する。位置取得部31Aは取得した現在位置を、領域決定部31Bおよび予測部31Dに伝える。方向情報取得部31Fは、車両900の進行方向を示す方向情報を取得する。方向情報取得部31Fは、取得した方向情報を領域決定部31Bに送る。なお、方向情報取得部31Fは、取得した方向情報を予測部31Dにも送ってもよい。
【0090】
勾配情報取得部31Cは、領域決定部31Bが決定した所定領域についての、勾配情報をサーバ2に要求し取得する。より具体的には、勾配情報取得部31Cは、位置情報が、前記所定領域内の地点を示す走行ログについての勾配情報を送信するよう、サーバ2に要求する。これにより、サーバ2から、特徴認識可否予測を行う所定領域についての勾配情報を取得することができる。勾配情報取得部31Cは、取得した勾配情報を予測部31Dに送る。
【0091】
領域決定部31Bは、位置取得部31Aから受信した現在位置と、方向情報取得部31Fから受信した方向情報とに基づき、勾配情報を取得する対象となる地図上の領域を決定する。領域決定部31Bは、車両900の現在位置の前方の所定領域を、勾配情報を取得する対象の領域として決定する。領域決定部31Bは、車両900の現在位置を基準として、現在位置から方向情報が示す進行方向に所定距離離れた、所定の大きさの領域を所定領域として決定する。所定領域は、勾配情報取得部31Cが取得する勾配情報の要求条件となる。領域決定部31Bは、決定した所定領域を勾配情報取得部31Cおよび予測部31Dに伝える。
【0092】
予測部31Dは、位置取得部31Aが取得した車両900の現在位置と、勾配情報取得部31Cが取得した勾配情報とから、所定領域の道路において、道路標示認識装置32における特徴認識の可否を予測する。予測部31Dにおける予測方法は、勾配情報取得部31Cが取得する勾配情報のデータ形式に応じて適宜定められてよい。
【0093】
例えば、勾配情報が、各細分領域の識別子または各細分領域内のある1点の位置情報と、各細分領域に分類された走行ログが示す傾き角度の平均値または中央値とを対応付けたデータである場合、予測部31Dは、以下の処理手順で、特徴認識の可否を予測する。すなわち、予測部31Dは、車両900の現在位置の前方の所定領域内のある細分領域の位置を、第1位置と捉え、第1位置での道路の勾配の平均値または中央値を第1勾配値と捉える。そして、予測部31Dは、第1位置よりも車両900から離れた位置にある細分領域の位置を第2位置と捉え、第2位置での道路の勾配を平均値または中央値を第2勾配値と捉える。予測部31Dは、第1勾配値と第2勾配値とを比較して、特徴認識が不可能になるか否かを予測する。具体的には、予測部31Dは、第1勾配値よりも第2勾配値が小さく、かつ、第1勾配値と第2勾配値との間の変化量が、所定の閾値である、若しくは所定の閾値よりも大きい場合、特徴認識が不可能になると予測する。予測部31Dは、第1勾配値と第2勾配値との比較判定処理を、第1位置および第2位置とみなせる細分領域の組み合わせの位置情報の数だけ実行する。
【0094】
また例えば、勾配情報が、各走行ログを、車両900からの距離の順に並べたデータである場合、予測部31Dは、以下の処理手順で、特徴認識の可否を予測する。すなわち、予測部31Dは、前後の並び順である走行ログの間の傾き角度の差を算出してもよい。
【0095】
より詳しくは、予測部31Dは、ある第1位置を示す走行ログの傾き角度を第1勾配値と捉え、その走行ログの次の並び順、すなわち、車両900の現在位置からの距離が、第1位置を示す走行ログの次に近い走行ログの位置を第2位置と捉え、第2位置の走行ログの傾き角度を第2勾配値と捉えてもよい。そして、予測部31Dは、第1勾配値よりも第2勾配値が小さく、かつ、第1勾配値と第2勾配値との変化量が、所定の閾値である、若しくは所定の閾値よりも大きい場合、特徴認識が不可能になると予測する。予測部31Dは、第1勾配値と第2勾配値との比較判定処理を、第1位置および第2位置とみなせる走行ログの位置情報の組み合わせの数だけ実行する。
【0096】
また例えば、勾配情報が、所定領域の道路の3次元形状をメッシュ化したデータである場合、予測部31Dはある第1メッシュと、車両900の現在位置からの距離が第1メッシュよりも遠く、かつ第1メッシュと隣り合う第2メッシュとの勾配の変化量を特定する。この場合、第1メッシュの位置が第1位置、第2メッシュの位置が第2位置に相当する。
【0097】
そして、予測部31Dは、勾配の変化量が所定の閾値である、若しくは、所定の閾値よりも大きいか否か判定する。勾配の変化量が所定の閾値である、若しくは、所定の閾値よりも大きい場合、予測部31Dはさらに、第1メッシュにおける勾配の角度の値である第1勾配値と、第2メッシュにおける勾配の角度の値である第2勾配値とを比較する。
【0098】
第1勾配値よりも第2勾配値の方が小さい場合、予測部31Dは、道路標示認識装置32において特徴認識が不可能になると判定する。一方、勾配の変化量が所定の閾値よりも小さい場合、第1勾配値と第2勾配値が等しい場合、または、第1勾配値よりも第2勾配値の方が大きい場合、予測部31Dは、道路標示認識装置32において特徴認識が可能であると判定する。
【0099】
なお、本実施形態に係る第1位置および第2位置は、その位置さえ特定できるのであれば、ある1点の位置であってもよいし、所定の面積を有する領域であってもよい。
【0100】
また、上述した第1勾配値および第2勾配値を含む、本実施形態における勾配の値は、正負いずれの値もとり得る。例えば、ある地点が上り坂の途中である場合、その地点の勾配の値は正の数で示す角度の値となる。一方、ある地点が下り坂の途中である場合、その地点は負の数で示す角度の値となる。
【0101】
(予測処理の変形例)
なお、勾配情報取得部31Cが、勾配情報として走行ログ自体を受信する場合、予測部31Dは、以下のように走行ログを処理することで、特徴認識の可否を予測してもよい。
【0102】
例えば、予測部31Dは、走行ログ群が示す位置および高さから、所定領域の道路の3次元形状を特定してもよい。そして、予測部31Dは、3次元形状から、道路の勾配が所定の閾値以上減少するか否かを特定してもよい。ここで、「道路の勾配が所定の閾値以上減少する」とは、例えば、道路のある第1位置における第1勾配値よりも、第1位置よりも車両900から遠い第2位置の第2勾配値が小さく、かつ、第1勾配値と第2勾配値との間の変化量が所定の閾値、若しくは所定の閾値よりも大きいことを示す。
【0103】
また例えば、予測部31Dは、走行ログ群を車両900の現在位置からの距離に応じて並べ、前後の走行ログの間の傾き角度の差を算出してもよい。より詳しくは、予測部31Dは、ある第1位置の走行ログの傾き角度から、第2位置の走行ログの傾き角度を差し引いてもよい。ここでの第2位置とは、現在位置からの距離に応じて走行ログを並べた際に、現在位置からの距離が、第1位置の次に近い位置である。この場合、予測部31Dは、傾き角度が所定の閾値以上減少する場合は、所定領域において画像認識不可能になると予測する。また、予測部31Dは、傾き角度の減少量が所定の閾値未満である、または傾き角度が減少しない場合は、所定領域において画像認識可能であると予測する。
【0104】
なお、車両900の現在位置からの距離に応じて並べた走行ログ群を、距離の大きさに応じて複数のクラスタに分類し、各クラスタにおける傾き値の平均または中央値から、次に距離が大きいクラスタにおける傾き値の平均または中央値を差し引くことで、傾き角度の減少量を算出してもよい。予測部31Dは、予測結果を通知部31Eに送る。
【0105】
通知部31Eは、予測部31Dの予測結果を道路標示認識装置32に通知する。なお、通知部31Eは予測結果をナビ装置1、サーバ2、運転支援装置6等に通知してもよい。
【0106】
(装置構成の変形例)
サーバ2は、ナビ装置1の機能の一部または全部を実行してもよい。例えば、サーバ2のサーバ制御部21は、現在位置を取得する現在位置取得部として機能してもよい。また、サーバ制御部21は、傾き情報を取得する傾き情報取得部として機能してもよい。また、サーバ制御部21は、走行ログを生成する走行ログ生成部として機能してもよい。また、サーバ制御部21は、予測装置31へ、車両900の現在位置を送信する現在位置送信部として機能してもよい。
【0107】
また、予測装置31は、ナビ装置1またはサーバ2に搭載されていてもよい。予測装置31をサーバ2に搭載することで、サーバ2は予測装置31と無線通信をする必要が無くなり、ナビ装置1とのみ無線通信することとなる。したがって、サーバ2の無線通信のデータ送信量、およびデータ送信頻度を少なくすることができる。
【0108】
また、予測システム100が複数の車両900から成る場合、各車両900に予測装置31を搭載せずとも、サーバ2で予測装置31の各種機能を統括して実行することができる。したがって、車両900の製造コストを低下させることができる。
【0109】
≪処理の流れ≫
最後に、予測システム100の処理の流れを
図5~
図7を用いて説明する。
図5は、予測システム100の処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートでは、ステップをSとも称する。
【0110】
S101において、ナビ装置1の現在位置特定部12Aは、所定の時間間隔で取得するGPS情報と、地図情報13Aとを用いて、マップマッチングを実行する。これにより、車両900の現在位置が特定される。S102において、方向特定部12Bは、傾きセンサ5から傾き情報を取得する。S103において、方向特定部12Bは、傾き情報から車両900の進行方向を特定する。S104において、現在位置特定部12Aは、特定した現在位置を示す位置情報および方向情報を予測装置31に送信する。S105において、予測装置31の位置取得部31Aは、位置情報および方向情報を受信する。
【0111】
S106において、走行ログ生成部12Cは、現在位置の位置情報と、傾き情報とを用いて、車両900の走行ログを生成する。S107において、走行ログ生成部12Cは作成した走行ログを、ナビ通信部11を介してサーバ2に送信する。
【0112】
S108において、サーバ2の走行ログ収集部21Aは、ナビ装置1からの走行ログを受信する。S109において、走行ログ収集部21Aは、受信した走行ログを、走行ログDB22Aの1レコードとしてナビ制御部12に記憶させる。
【0113】
以上の処理は、GPS受信機4および傾きセンサ5が情報を取得する度に行われてよい。具体的には、GPS受信機4および傾きセンサ5は、例えば1秒~10秒程度の時間間隔で測定を行い、測定結果をナビ制御部12に送信してもよい。また、走行ログ生成部12Cは、例えば1秒~10秒程度の時間間隔で走行ログを生成して、サーバ2に送信してよい。また、走行ログ生成部12Cは、生成した走行ログを都度サーバ2に送信するのではなく、例えば、1時間に1回、所定のタイミングでまとめてサーバ2に送信してもよい。
【0114】
また、走行ログ生成部12Cは、ナビ装置1のナビ通信部11とサーバ2のサーバ通信部23との間で通信不良が起こった場合、生成した送信ログを保持しておくか、ナビ記憶部13に一時的に記憶させてもよい。そして、走行ログ生成部12Cは、ナビ通信部11とサーバ通信部23とが通信可能な状態になったときに、通信不良の間に生成していた走行ログを、まとめてサーバ2に送信してもよい。
【0115】
S110において、予測装置31の領域決定部31Bは、S105で受信した現在位置を基準として、勾配情報の要求条件となる所定領域を決定する。S111において、勾配情報取得部31Cは、領域決定部31Bが決定した所定領域についての勾配情報を、サーバ2に要求する。
【0116】
S112において、サーバ制御部21の走行ログ抽出部21Bは要求を受信する。S113において、走行ログ抽出部21Bは、要求が示す条件に合致する走行ログ、すなわち、所定領域内の位置を示す走行ログを走行ログDB22Aから抽出する。S114において、勾配情報生成部21Cは、走行ログ抽出部21Bが抽出した走行ログから勾配情報を生成する。S115において、勾配情報生成部21Cは、生成した勾配情報を予測装置31に送信する。S116において、予測装置31の勾配情報取得部31Cは勾配情報を取得し、予測部31Dに送る。
【0117】
なお、S117に示すように、予測装置31はナビ装置1に対し、地図情報13Aを要求してもよい。S118に示すように、ナビ制御部12は要求を受信してもよい。S119に示すように、ナビ制御部12は地図情報13Aを予測装置31に送信してもよい。なお、予測装置31は全地図情報ではなく、領域決定部31Bが決定した所定領域の分の地図情報をナビ装置1に要求し、所定領域の分の地図情報のみを取得してもよい。
【0118】
(所定領域と走行ログ)
図6は、車両900と、道路R2と、領域決定部31Bが決定した所定領域αと、勾配情報取得部31Cが取得した勾配情報の生成元となる走行ログそれぞれが示す位置である地点P7~地点P10との対応関係の一例を図示したものである。なお、
図6についても、
図2Aと同様に、車両900の進行方向を矢印A2で示している。
【0119】
領域決定部31Bが所定領域αを決定すると、勾配情報取得部31Cは、所定領域αについての勾配情報をサーバ2に要求する。サーバ2の走行ログ抽出部21Bは、要求に応じて、所定領域α内の位置を示す走行ログを抽出する。勾配情報生成部21Cは、抽出された走行ログから、所定領域αについての勾配情報を作成し、サーバ通信部23を介して予測装置31に送信する。これにより、勾配情報には、道路R2のうち、車両900の前方の所定領域αに含まれる道路についての、道路勾配を示す情報が含まれることになる。なお、図示の例では、所定領域αは車両900から離れた位置にあるが、所定領域αは、車両900の現在位置を含む領域であってもよい。
【0120】
(特徴認識可否予測)
S121において、予測部31Dは、勾配情報取得部31Cが取得した勾配情報を用いて、特徴認識可否予測を実行する。
図7は、予測装置31が実行する、特徴認識可否予測の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、勾配情報取得部31Cが勾配情報として走行ログ自体を取得していた場合、予測部31Dは、各走行ログの傾き角度から、所定領域の道路の3次元形状を特定してから、S201以降の処理を実行する。
【0121】
S201において、予測部31Dは、所定領域内の第1位置での道路の勾配を示す第1勾配値よりも、所定領域内の第1位置よりも車両900から離れた位置である第2位置での道路の勾配を示す第2勾配値が小さいか否かを判定する。なお、S201における第1位置および第2位置は、上述した勾配情報のデータ形式に応じて適宜設定される。また、予測部31Dは、S201の判定を、第1位置および第2位置の組み合わせ、すなわち第1勾配値と第2勾配値の組み合わせの数だけ実行する。
【0122】
S201においてNOの場合、すなわち、全ての第1位置および第2位置の組み合わせで、第1勾配値よりも第2勾配値の方が大きい、若しくは第1勾配値と第2勾配値の値が等しい場合、予測部31Dは、S203において、特徴認識が可能であると予測する。一方、S201においてYESの場合、すなわち、いずれかの第1位置および第2位置の組み合わせで、第1勾配値よりも第2勾配値の方が小さい場合、予測部31Dは、S202の処理を実行する。すなわち、S202において、予測部31Dは、第1勾配値と第2勾配値との変化量が、所定の閾値である、または所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。なお、予測部31Dは、S202の判定についても、第1位置および第2位置の組み合わせの数だけ実行する。
【0123】
S202においてNOの場合、すなわち、全ての第1位置および第2位置の組み合わせで、第1勾配値と第2勾配値との変化量が閾値よりも小さい場合、予測部31Dは、S203において、特徴認識が可能であると予測する。一方、S202においてYESの場合、すなわち、いずれかの第1位置および第2位置の組み合わせで、第1勾配値と第2勾配値との変化量が、所定の閾値である、または所定の閾値よりも大きい場合、予測部31Dは、S204において、特徴認識が不可能になると予測する。予測部31Dは、予測結果を通知部31Eに伝える。
【0124】
S122において、通知部31Eは、予測結果を道路標示認識装置32に通知する。なお、通知部31Eは、予測部31Dが、特徴認識が不可能になると予測した場合のみ、道路標示認識装置32に予測結果を通知することとしてもよい。
【0125】
なお、S101~S109までの処理と、S110以降の処理とは連続して行われなくてもよい。例えば、予測装置31はS105で現在位置の位置情報を受信する度にS110以降の処理を行ってもよいし、S105で位置情報を受信しておき、所定の時間間隔で、S110以降の処理を実行してもよい。
【0126】
なお、
図5の処理において、S117~S120の処理は必須ではない。予測装置31は、領域決定部31Bにおける所定領域の決定、または予測部31Dにおける特徴認識可否予測において地図情報13Aを用いない場合は、地図情報を取得しなくてよい。
【0127】
車両900が上り坂の終点、または下り坂の始点に差しかかった場合、車両の水平面に対する傾き角度と、車両前方の道路における勾配の角度とが大きく乖離するため、車載カメラに前方の道路が映らない虞がある。車載カメラに前方の道路が映っていない場合、道路標示認識装置32は、特徴認識できない虞がある。
【0128】
上り坂の終点および下り坂の始点の存在は、道路の勾配の変化から特定することができる。具体的には、終点および始点の直後の勾配の角度は、終点および始点の直前の道路の勾配の角度に比べて小さい。また、終点および始点の直後の勾配の角度と、終点および始点の直前の道路の勾配の角度との変化量が多いほど、上り坂または下り坂は急な坂であるといえる。
【0129】
予測システム100によれば、予測装置31は、第1勾配値よりも第2勾配値が小さい場合、かつ、第1勾配値と第2勾配値との変化量が、所定の閾値である、若しくは所定の閾値よりも大きい場合、特徴認識が不可能になると予測する。すなわち、終点または始点があり、上り坂または下り坂が、所定の閾値で設定される勾配以上の急勾配である場合、特徴認識が不可能になると予測する。したがって、予測装置31は、車両900の前方の道路で特徴認識が不可能になることを予測することができる。
【0130】
また、予測システム100は、走行ログを用いて道路の特徴認識が不可能になることを予測することができる。換言すると、予測システム100は、過去に車両900または他の車両が所定領域を走行したときの、実際の車両の傾き、すなわち道の勾配に応じて特徴認識が不可能になることを予測することができる。したがって、予測システム100は、予測精度を向上させることができる。
【0131】
例えば、予測システム100は、地図情報から、車両900の前方の道路勾配を特定できなくとも、走行ログに基づく勾配情報を用いて車両900の前方の道路勾配を特定することができる。そのため、地図情報にまだ反映されていない、新しく作られた道路についても道路の勾配を特定することができる。したがって、本実施形態に係る予測システム100によれば、車両900が新しい道路を走行しているときでも、特徴認識の可否を予測することができる。
【0132】
〔実施形態2〕
なお、予測装置31は、予測装置31がナビ装置1から取得する種々の情報を用いて所定領域を決定してもよい。例えば、予測装置31は、カメラ8の取付け位置および画角を示すカメラ情報、車両900の車種を示す車種情報、および車両900の車速を示す車速情報のうち少なくとも1つを取得してもよい。また、領域決定部31Bは、カメラ情報、車種情報、車速情報、および、道路標示認識装置32の特徴認識アルゴリズムの少なくとも1つに応じて、所定領域を決定してもよい。以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、前述の実施形態で説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。これは、以降の実施形態についても同様である。
【0133】
図8は、本実施形態に係る予測システム200の要部構成を示すブロック図である。予測システム200は、車速取得部31Gを含む点で、実施形態1に係る予測システム100と異なる。また、予測システム200における予測部31Dは、タイミング特定部31Hを含んでいてもよい。本実施形態に係る車両900は、車速測定センサ9を含む点で、実施形態1に係る車両900と異なる。
【0134】
車速測定センサ9は、所定の時間間隔で車両900の車速を測定する。車速測定センサ9は、測定した車速を示す車速情報をナビ制御部12に送信する。ナビ制御部12は、車速測定センサ9から車速情報を受信すると、車速情報を予測装置31の車速取得部31Gに送る。
【0135】
車速取得部31Gは、ナビ制御部12から車速情報を取得して領域決定部31Bに送る。なお、車速取得部31Gは、ナビ制御部12から車速情報を取得する度に、車速情報を領域決定部31Bに送信してもよい、若しくは、車速取得部31Gは、領域決定部31Bにおいて、
図5のS110に示した所定領域の決定のための処理が実行される直前に、領域決定部31Bからの要求を受けて、最後に受信した車速情報、すなわち最新の車速情報を領域決定部31Bに送ってもよい。
【0136】
領域決定部31Bは、現在位置と、方向情報と、車速情報とに応じて所定領域を決定する。例えば、領域決定部31Bは、所定領域を、車速情報が示す車速が速いほど車両900の現在位置から遠い位置に決定する。
【0137】
予測装置31は、ある地点において道路の特徴箇所が認識不可能になることを、道路標示認識装置32が実際にその地点についての特徴認識を開始する前に予測する必要がある。本実施形態に係る予測システム200によれば、特徴認識可否予測を行う対象となる所定領域は、車両900の車速が速いほど現在位置から遠い位置に定められる。これにより、予測装置31は、車両900が特徴認識可否予測の前に所定領域を通り過ぎてしまうことを防ぐことができる。
【0138】
(変形例)
なお、予測部31Dは、特徴認識が不可能になると予測した場合、タイミング特定部31Hにおいて、車速情報から、車両900の所定領域への到達タイミングを特定してもよい。ここで、到達タイミングとは、例えば、到達時刻、または到達までにかかる所要時間である。この場合、車速取得部31Gは、取得した車速を領域決定部31Bと、予測部31Dとに送る。予測部31Dは、タイミング特定部31Hにおいて、900の現在位置と、車速情報が示す車両900の車速と、領域決定部31Bの決定した所定領域の位置とに応じて、車両900が所定領域に到達するまでにかかる所要時間を算出する。なお、到達タイミングとして、到達時刻を特定する場合、タイミング特定部31Hは、予測装置31の制御クロック等を参照して、現在時刻を特定し、現在時刻に、算出した所要時間を足した時刻を、到達時刻として特定してもよい。予測部31Dは所要時間または到達時間を通知部31Eに伝える。通知部31Eは、予測部31Dの予測結果と、所要時間または到達時間を道路標示認識装置32に送信する。
【0139】
これにより、本実施形態に係る予測システム200は、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になるタイミングを特定することができる。したがって、道路標示認識装置32における特徴認識のON動作およびOFF動作を、より正確に実行させることができる。
【0140】
〔実施形態3〕
予測システム100または200において、予測装置31は、勾配情報として走行ログ自体を取得する場合、取得した勾配情報をさらに絞り込んでから特徴認識可否予測を実行してもよい。以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0141】
図9は、実施形態3に係る予測システム300の要部構成を示すブロック図である。予測システム300は、地図情報送信部12Dと、地図情報取得部31Iとを含む点で、予測システム100および予測システム200と異なる。また、予測システム300における勾配情報取得部31Cは、リンク特定部31Jを含む。
【0142】
地図情報送信部12Dは、ナビ記憶部13の地図情報13Aの少なくとも一部を抽出して、予測装置31の地図情報取得部31Iに送る。地図情報取得部31Iは、地図情報送信部12Dから地図情報13Aを取得する。地図情報取得部31Iは、取得した地図情報を、勾配情報取得部31Cに送る。勾配情報取得部31Cの処理については、
図10を用いて説明する。
【0143】
予測システム300では、地図情報取得部31Iは、ナビ装置1の地図情報送信部12Dから領域地図情報を取得する。「領域地図情報」とは、地図情報13Aのうち、少なくとも、領域決定部31Bが決定した所定領域についての道路の形状を示す情報であって、各道路のリンクを一意に特定するための識別子を含んでいる情報である。
【0144】
また、予測システム300では、ナビ装置1の走行ログ生成部12Cは、各道路のリンクを一意に特定するための識別子を必ず含む走行ログを生成し、サーバ2の走行ログ収集部21Aは走行ログを収集および蓄積する。
【0145】
(処理の流れ)
図10は、本実施形態に係る予測システム300の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図10において、
図5と同じステップ番号を付したステップの処理は、
図5の同番号のステップと同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
図10に示すフローチャートは、S117およびS120の処理の代わりにS300およびS301の処理を実行する点と、S302~S303の処理を実行する点で、
図5のフローチャートと異なる。
【0146】
S300において、地図情報取得部31Iは、ナビ装置1に領域地図情報を要求する。ナビ制御部12の地図情報送信部12Dは、要求に応じた領域地図情報を、地図情報13Aから抽出して予測装置31に送る。S301において、勾配情報取得部31Cは、地図情報取得部31Iから領域地図情報を取得する。
【0147】
S302において、勾配情報取得部31Cのリンク特定部31Jは、車両900の現在位置および領域地図情報に基づいて、現在リンクと、関連リンクとを特定する。現在リンクとは、車両900が走行中の道路のリンクである。また、関連リンクとは、現在リンクとノードで繋がっており、現在リンクから分岐しているリンクである。リンク特定部31Jは、方向情報取得部31Fが取得した方向情報を参照し、車両900の前方で分岐するリンクを関連リンクとして特定してもよい。
【0148】
S303において、勾配情報取得部31Cは、取得した走行ログから、特定した現在リンク、または関連リンクについての勾配情報を抽出する。より具体的には、勾配情報取得部31Cは、受信した走行ログから、現在リンクおよび関連リンクのいずれかを示す識別子に対応付けられている走行ログを抽出する。S121において、予測部31Dは、勾配情報取得部31Cにより抽出された走行ログを用いて特徴認識可否予測を実行する。以降の処理の流れは、実施形態1の処理の流れと同様である。
【0149】
図11A~
図11Cは、
図10のS300~S303の処理による走行ログの抽出過程を模式的に示した図である。
図11A~
図11Cでは、車両900と、道路R3~道路R5と、領域決定部31Bが決定した所定領域αと、走行ログそれぞれが示す位置を黒点で図示している。また、
図11A~
図11Cでは、車両900の進行方向を矢印A3で示している。
【0150】
図11Aは、走行ログ抽出部21Bによる、サーバ2での走行ログの抽出の前の状態を示している。勾配情報取得部31Cは、領域決定部31Bが決定した所定領域αについての走行ログをサーバ2に要求する、走行ログ抽出部21Bは要求条件に合致する、地点P11~地点P18を示す走行ログを走行ログDB22Aから抽出して、勾配情報取得部31Cに送信する。
【0151】
図11Bは、勾配情報取得部31Cがサーバ2から取得した走行ログから、予測部31Dが特徴認識可否予測に用いる走行ログをさらに抽出する場面を示している。また、
図11Cは、予測部31Dが特徴認識可否予測に用いる走行ログを示している。前述のように、勾配情報取得部31Cは、現在リンクおよび関連リンクについての走行ログを走行ログ群から抽出する。これにより、
図11Bに示すように、車両900が走行中の道路と、道路の前方で分岐している道路以外についての走行ログを特徴認識可否予測の対象から外すことができる。例えば、所定領域αには含まれているが、車両900の後方で繋がっている道路R3の地点P11および地点P12についての走行ログ、または、車両900の走行中の道路R4と繋がっていない道路についての走行ログを、予測対象から外すことができる。また、車両900の前方における道路R4の分岐先である道路R5についての走行ログ、すなわち地点P15および地点P16についての走行ログは、特徴認識可否予測の対象とすることができる。よって、予測部31Dは、特徴認識可否予測の精度を向上させることができる。
【0152】
図9~
図11Cでは、勾配情報取得部31Cが走行ログ群をさらに絞り込む例について説明した。しかしながら、予測装置31は、ナビ装置1から先に領域地図情報を取得しておき、領域地図情報から現在リンクと、関連リンクとを特定してもよい。
【0153】
(処理の変形例)
図12は、本実施形態に係る予測システム300の処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
図12において、
図5と同じステップ番号を付したステップの処理は、
図5の同番号のステップと同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0154】
図12に示すフローチャートは、S400~S404の処理を実行する点で、
図5および
図9のフローチャートと異なる。
【0155】
S105において、予測装置31は、現在位置の位置情報および方向情報を受信する。S400において、地図情報取得部31Iは、ナビ装置1の地図情報送信部12Dに領域地図情報を要求する。S401において、地図情報取得部31Iは、領域地図情報を取得する。地図情報取得部31Iは、取得した領域地図情報を勾配情報取得部31Cに伝える。S402において、勾配情報取得部31Cのリンク特定部31Jは、車両900の現在位置と、領域地図情報とに基づいて、現在リンクと、関連リンクとを特定する。S403において、勾配情報取得部31Cは、領域決定部31Bから伝えられた所定領域内を示す走行ログであって、かつ、リンク特定部31Jが特定した現在リンクまたは関連リンクについての走行ログをサーバ2に要求する。S406において、サーバ2の走行ログ抽出部21Bは、要求が指定する条件に応じた走行ログを抽出する。勾配情報生成部21Cは抽出された走行ログから勾配情報を生成し、予測装置31に送信する。S404において、勾配情報取得部31Cは、サーバ2から勾配情報を取得する。S121において、予測部31Dは、勾配情報取得部31Cが取得した勾配情報を用いて、特徴認識可否予測を実行する。以降の処理の流れは、
図5に示した処理の流れと同様である。
【0156】
図12に示す処理によれば、勾配情報取得部31Cがサーバ2に走行ログを要求する時点で、車両900が走行中の道路と、道路の前方で分岐している道路以外についての走行ログを除外することができる。
【0157】
例えば市街地では、狭い領域に多数の道路が存在していたり、道路と道路が立体的に交差していたりする可能性がある。本実施形態に係る処理によれば、予測システム300は、走行中の道路および走行中の道路と前方で繋がっている道路についての走行ログを用いて、予測を行うことができる。これにより、予測システム300は、所定領域内に複数の道路が存在する場合であっても、特徴認識が不可能になるか否かを正確に予測することができる。
【0158】
また、予測システム300は、車両900の前方に分岐がある場合、分岐先の道路についての走行ログも用いて予測処理を行う。そのため、予測対象となる所定領域内に道路の分岐が存在する場合でも、各分岐先で特徴認識が不可能になるか否かを予測することができる。
【0159】
〔実施形態4〕
予測システム300において、予測装置31の予測部31Dは、道路の形状が所定の形状であるか否かに応じて、道路標示認識装置32における特徴認識が不可能になるか否かを予測してもよい。以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0160】
車両900が特定の形状の道路を走行する場合、形状によっては、カメラ8の画像に、前方の道路が映りづらくなる場合がある。例えば、車両900がカーブを走行する場合、カーブの曲率半径によっては、カメラ8に前方の道路が映りづらくなる場合がある。また、丁字路および交差点等は、一本道の道路と形状が異なるため、車両900が丁字路および交差点等を走行する場合、カメラ8に前方の道路が映りづらく、特徴認識が困難、または不可能になることがある。
【0161】
図13は、車両900が、道路R6のカーブ部分を走行した際の、カメラ8の画像の一例を示す図である。例えばカーブの内径の方に、ビル等の建造物S1が有る場合、道路R6の曲率半径が小さい、すなわち、急カーブであればあるほど、道路R6の前方が建造物S1の影となり、カメラ8に映りづらくなる。本実施形態に係る予測システムは、このような場合にも、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測する。
【0162】
図14は、形状地図情報に基づく特徴認識可否予測の流れの一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る予測システムの要部構成は、予測システム300の要部構成と同様である。以下、
図9を参照しつつ、本実施形態に係る予測システムについて説明する。本実施形態において、地図情報取得部31Iは、ナビ装置1の地図情報送信部12Dから形状地図情報を取得し、予測部31Dに送る。ここで、形状地図情報とは、領域地図情報が有する情報に加え、各道路のノードを示す情報と、各道路の曲率半径を示す情報とが含まれたデータである。本実施形態において、領域決定部31Bは、決定した所定領域を予測部31Dに通知する。
【0163】
S501において、予測部31Dは、形状地図情報を受信するとこれを参照し、領域決定部31Bから通知された所定領域内に、ノードが存在するか否かを判定する。S501でYESの場合、すなわちノードが存在する場合、S504において、予測部31Dは道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測する。一方、S501でNOの場合、すなわちノードが存在しない場合、S502において、予測部31Dはさらに、地図情報13Aが示す所定領域内に、道路の曲率半径が所定値と等しい、または所定値よりも小さくなる地点があるか否かを判定する。S502でYESの場合、すなわち曲率半径が所定値以下になる地点がある場合、予測部31Dは、S504において、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測する。一方、S502でNOの場合、すなわち、曲率半径が所定値以下になる地点が無い場合、予測部31Dは、S503において、道路標示認識装置32による特徴認識が可能であると予測する。
【0164】
以上の処理によれば、予測部31Dは、特徴認識の予測対象である所定領域にノードが含まれている場合、道路の特徴箇所が認識不可能になると予測することができる。これにより、前述の丁字路および交差点等、道路の分岐点では、特徴認識が不可能になると予測することができる。また、予測部31Dは、所定領域における道路のカーブの湾曲がある程度大きい場合に、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測することができる。これにより、急カーブで、特徴認識が不可能になると予測することができる。
【0165】
なお、本実施形態に係る予測装置31は、S501またはS502のいずれか一方のみの処理を行ってもよい。また、本実施形態に係る予測装置31は、
図7に示した特徴認識可否予測と、
図14に示した特徴認識可否予測との両方を組み合わせて行ってもよい。具体的には、
図7のS201およびS202の両方がYESの場合、ならびに、
図14のS501およびS502のいずれかでYESの場合、予測部31Dは、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測してもよい。また、
図7のS201およびS202のいずれか一方がNOの場合、ならびに、
図14のS501およびS502の両方でNOの場合、道路標示認識装置32による特徴認識が可能であると予測してもよい。
【0166】
〔変形例〕
上述の各実施形態では、道路標示認識装置32は、予測装置31の通知部31Eから特徴認識が不可能になる旨を通知された場合、画像認識に係る処理を一時的に停止した。しかしながら、道路標示認識装置32は、通知を受けた際に、画像認識自体は停止しないが、運転支援装置6への画像認識の結果の送信を、一時的に停止することとしてもよい。
【0167】
これにより、運転支援装置6において、単にカメラ8に道路が映っていないために画像認識がなされなかった事を、例えば車両900が道路外を走行している、等と誤認識することを防ぐことができる。したがって、運転支援装置6における誤動作を防止できる。
【0168】
なお、上述の各実施形態に係る地図情報13Aには、道路の勾配を示す勾配情報が含まれていてもよい。なお、地図情報13Aに含まれる勾配情報は、リンク毎、またはノード毎に記録された標高等ではなく、例えば数m間隔での、道路の勾配を記録した情報であることが望ましい。
【0169】
地図情報13Aが前述の勾配情報を含む場合、予測装置31の位置取得部31Aは、勾配情報取得部としても機能する。この場合、予測装置31は勾配情報取得部31Cを備えていなくてもよい。
【0170】
具体的には、位置取得部31Aは、現在位置および、少なくとも所定領域についての地図情報13Aを、ナビ装置1から取得する。また、方向情報取得部31Fは、方向情報を取得する。位置取得部31Aおよび方向情報取得部31Fは取得した各種情報を予測部31Dに送信する。予測部31Dは、地図情報13Aを参照し、所定領域において道路の勾配が所定の閾値以上減少するか否かを判定する。以降の処理は、各実施形態に記載の予測部31Dと同様である。
【0171】
これにより、予測装置31は、サーバ2から勾配情報を取得しなくとも、道路標示認識装置32における特徴認識の可否を予測することができる。したがって、予測装置31は、現在位置および方向情報を受信してから、特徴認識可否予測の結果を出すまでにかかる時間を短縮することができる。また、予測装置31は、サーバ2との間で通信不良が発生した場合でも、特徴認識可否予測を実行することができる。また、予測装置31は、サーバ2との通信が不可能になった場合でも、特徴認識可否予測を実行することができる。
【0172】
なお、予測装置31は、走行ログから生成された勾配情報と、地図情報13Aに含まれる勾配情報とのどちらを特徴認識可否予測に使用するか、状況に応じて選択してもよい。以下、走行ログから生成された勾配情報を第1勾配情報、地図情報13Aに含まれる勾配情報を第2勾配情報と称する。
【0173】
例えば、予測装置31が所定領域についての第2勾配情報を取得可能な場合、予測部31Dは第2勾配情報を用いて特徴認識可否予測を行ってもよい。車両900が、地図情報13Aに反映されている道路上を走行中である場合は、第2勾配情報が取得可能であるため、予測装置31はサーバ2との通信を行う必要がない。したがって、予測装置31は現在位置および方向情報を受信してから、特徴認識可否予測の結果を出すまでにかかる時間を短縮することができる。
【0174】
一方、所定領域についての第2勾配情報を取得不可能な場合は、勾配情報取得部31Cにおいて第1勾配情報を取得してもよい。そして、予測部31Dは第1勾配情報を用いて特徴認識可否予測を行ってもよい。これにより、予測装置31は、例えば、車両900が地図情報13Aに反映されていない道路を走行する場合でも、第1勾配情報を用いて特徴認識可否予測を行うことができる。
【0175】
なお、予測装置31は、第1勾配情報と、第2勾配情報とを併用して、特徴認識可否予測を実行してもよい。第1勾配情報と、第2勾配情報との併用方法は特に限定されない。例えば、予測装置31は、まず特徴認識可否予測の結果を出すまでにかかる時間が短い第2勾配情報を用いて特徴認識可否予測を実行してもよい。そして、予測装置31は、特徴認識が不可能になるという予測結果を得た場合、改めて、第2勾配情報よりも精度の高い第1勾配情報を用いて、特徴認識可否予測を実行してもよい。第1勾配情報は、日々増加する走行ログを用いて作成されるため、第2勾配情報に比べて精度が高い情報といえる。そのため、第1勾配情報を用いて特徴認識可否予測を実行することで、より精度の高い予測結果を得ることができる。第1勾配情報を用いた特徴認識可否予測の結果でも特徴認識が不可能になると予測された場合、通知部31Eは、予測結果を道路標示認識装置32に伝える。
【0176】
〔実施形態5〕
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。
図15は、実施形態5に係る予測システム500の要部構成を示すブロック図である。本実施形態の予測システム500は、信頼係数を算出するように構成される。予測システム500は、この点が上記実施形態1に係る予測システム100と異なる。信頼係数は、道路標示認識装置32による特徴認識の結果の信頼性を示す係数である。以下、
図15において、実施形態1と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0177】
本実施形態において、信頼係数は、係数算出部531Gで算出される。係数算出部531Gは、予測部531Dに備わる。予測装置531は、予測部531Dが係数算出部531Gを有する構成が、実施形態1の予測装置31と異なる。また、車両502は、各パーツの作動状況を検出する作動状況検出部501を備える構成が、実施形態1の車両900と異なる。
【0178】
係数算出部531Gは、予測部531Dが特徴認識可否予測に用いた情報を利用して、信頼係数を算出する。具体的に、係数算出部531Gは、道路標示認識装置32による道路の特徴認識が可能であると予測部531Dが予測した場合、信頼係数の値を100にする。また係数算出部531Gは、道路標示認識装置32による道路の特徴認識が不可能になると予測部531Dが予測した場合、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が大きくなるほど信頼係数が小さい値となるように、信頼係数を算出する。そして、係数算出部531Gは、前記勾配の変化量が、カメラ8に道路が全く映らないと予測されるほど大きい場合、信頼係数の値を0にする。
【0179】
通知部31Eは、予測部531Dが予測した予測結果とともに、係数算出部531Gが算出した信頼係数を道路標示認識装置32に通知する。道路標示認識装置32は、特徴認識の結果とともに、信頼係数を運転支援装置506に通知する。
【0180】
ここで、本実施形態において、運転支援装置506は、独自のアルゴリズムを用いて車両502の動作を判定する。車両502の動作は、2以上の判定材料から複合的に判定される。判定材料としては、道路標示認識装置32から通知された特徴認識の結果、および、作動状況検出部501によって検出される車両502の各パーツの作動状況等が挙げられる。なお、運転支援装置506が判定する車両502の動作としては、片側に2以上の車線が形成された道路における車両502の車線変更等が挙げられる。また、車両502の各パーツの作動状況としては、ハンドルの切り替え状況や、タイヤの回転状況等が挙げられる。
【0181】
運転支援装置506は、信頼係数の値が小さくなるほど、道路標示認識装置32による特徴認識の結果を利用する比率を他の判定材料よりも下げて、車両502の動作の判定を行う。すなわち、
図2Bに示すように、車両502の前方の比較的遠くの道路R1までカメラ8に映ると予測される場合、係数算出部531Gによって算出される信頼係数の値は100となる。そして、運転支援装置506は、道路標示認識装置32による特徴認識の結果を、他の判定材料と比べて高い比率で、車両502の動作の判定に用いる。
【0182】
一方、
図2Cに示すように、カメラ8に映る道路R1の距離が短いと予測される場合、係数算出部531Gによって算出される信頼係数の値は例えば30となる。そして、運転支援装置506は、道路標示認識装置32による特徴認識の結果を、他の判定材料に対して30%の低い比率で、車両502の動作の判定に用いる。また、運転支援装置506は、信頼係数の値が0の場合、道路標示認識装置32による特徴認識の結果を車両502の動作の判定に用いないように構成される。
【0183】
上記のように、予測装置531は、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量に基づいて、道路標示認識装置32が道路の特徴箇所を認識した認識結果の信頼性を表す信頼係数を算出する係数算出部531Gをさらに備える。
【0184】
上記実施形態1において、道路標示認識装置32は、特徴認識が不可能になると予測部31Dによって予測されると、動作を一時的に停止する。これに対して、本実施形態では、道路標示認識装置32は、特徴認識が不可能になると予測部631Dによって予測された場合でも、動作を継続できる。これは、車両502の動作の判定に信頼係数が利用されることで、道路がほとんど映っていない画像を用いた道路標示認識装置32による特徴認識の結果によって、運転支援装置506が誤った判定を行う可能性が低いためである。したがって、運転支援装置506は、上り坂の終点または下り坂の始点を車両502が通過するときでも、判定材料をできるだけ減らすことなく、車両502の動作を判定できる。
【0185】
〔変形例〕
上述の実施形態5において、道路標示認識装置32は、カメラ8に道路が全く映らないと予測されるタイミングで、道路標示認識装置32による特徴認識を一時的に停止させる構成であってもよい。
【0186】
また、係数算出部531Gは、道路標示認識装置32による道路の特徴認識が不可能になると予測部531Dが予測した場合にのみ、信頼係数を算出する構成であってもよい。さらに係数算出部531Gは、道路標示認識装置32による道路の特徴認識が不可能になると予測部531Dが予測し、かつ第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が所定の閾値よりも大きい場合にのみ、信頼係数を算出する構成であってもよい。
【0187】
さらに、係数算出部531Gは、予測装置531に含まれる構成に限定されず、道路標示認識装置32に含まれる構成であってもよい。
【0188】
〔実施形態6〕
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。
図16は、実施形態6に係る予測システム600の要部構成を示すブロック図である。本実施形態の予測システム600は、予測部631Dの予測結果に応じて、車両602に搭載されているカメラ8の撮影方向を自動的に調整できるように構成される。予測システム600は、この点が上記実施形態1に係る予測システム100と異なる。以下、
図16において、実施形態1と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0189】
予測部631Dは、調整情報算出部631Gを備える。予測装置631は、予測部631Dが調整情報算出部631Gを有する構成が、実施形態1の予測装置31と異なる。調整情報算出部631Gは、カメラ8の撮影方向の調整に関する調整情報を生成する。調整情報は、カメラ8の撮影方向の変更後の向きと、カメラ8の撮影方向を変更する程度を表す調整量とを示す。
【0190】
調整情報算出部631Gは、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測部631Dが予測した場合に、調整情報を生成する。調整情報は、予測部631Dが特徴認識可否予測に用いた情報を用いて生成される。具体的に、調整情報算出部631Gは、第1勾配値よりも第2勾配値が小さく、かつ、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が所定の閾値よりも大きい場合、下方向を示す調整情報を生成する。また調整情報算出部631Gは、第1位置から第2位置にかけての勾配の変化量が大きくなるほど、調整量が大きい値となるように調整情報を生成する。
【0191】
また実施形態4のように、予測部631Dが、所定領域でのノードの有無や、道路の曲率半径に基づいて特徴認識可否予測を行う構成の場合、調整情報算出部631Gは、右方向または左方向を示す調整情報を生成する。この調整情報が示す方向は、道路の湾曲方向と一致する方向となる。また調整情報算出部631Gは、道路の曲率半径が小さくなるほど、調整量が大きい値となるように調整情報を生成する。
【0192】
通知部31Eは、調整情報算出部631Gが生成した調整情報を道路標示認識装置32に通知する。道路標示認識装置32は、この通知を受けると、調整情報をカメラ8に送信する。
【0193】
本実施形態において、車両602は、カメラ8の撮影方向を変更する方向調整部608を備える。方向調整部608は、道路標示認識装置32から受信した調整情報に基づいて、カメラ8の撮影方向を変更する。本実施形態において、方向調整部608はカメラ8に備わる。
【0194】
このような本実施形態の予測システム600では、道路標示認識装置32による特徴認識が不可能になると予測された位置を車両602が通過するときに、カメラ8の撮影方向を調整して、比較的遠くの道路までカメラ8に映すことができる。そのため、上り坂の終点または下り坂の始点を車両602が通過するとき、および、急カーブを車両602が通過するときでも、道路標示認識装置32による特徴箇所の認識を継続できる。
【0195】
〔変形例〕
上述の実施形態6において、予測システム600は、荷物等を積載したことによる車両602の傾き角度も考慮して、特徴箇所認識可否予測を行うとともに、調整情報の生成を行う構成であってもよい。
【0196】
荷物等を積載している状態での車両602の傾き角度は、車両602が水平な位置にあるときに傾きセンサ5によって検出される。予測部631Dは、傾きセンサ5が検出した車両602の傾き角度に応じて、勾配情報取得部31Cが取得した勾配情報を調整する。具体的に、予測部631Dは、車両602の後ろ側が荷物等の荷重で車両602の前側よりも下がっている場合、勾配情報が示す道路の勾配値を、車両602の傾き分だけ大きくなるように調整する。予測部631Dは、このように調整された勾配情報を用いて特徴認識可否予測を行う。また調整情報算出部631Gは、調整された勾配情報を用いて、調整情報の生成を行う。
【0197】
なお、上記のように荷物等を積載したことによる車両602の傾き角度を考慮する構成は、上記実施形態1~5に適用されてもよい。
【0198】
〔ソフトウェアによる実現例〕
ナビ装置1、サーバ2、および画像認識装置3の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0199】
後者の場合、ナビ装置1、サーバ2、および画像認識装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、コンピュータにおいて、プロセッサがプログラムを記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、プログラムは、プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体を介してコンピュータに供給されてもよい。任意の伝送媒体は、例えば、通信ネットワーク、若しくは放送波が挙げられる。なお、本発明の一態様は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0200】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0201】
631 予測装置
31A 位置取得部
631D 予測部
31E 通知部
8 カメラ
602 車両