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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022027836
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】抗菌効果のある医療用活栓コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/22 20060101AFI20220203BHJP
   A61M 39/02 20060101ALI20220203BHJP
   F16K 5/04 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61M39/22 100
A61M39/02
F16K5/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197006
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2019121976の分割
【原出願日】2015-04-14
(31)【優先権主張番号】14/260,037
(32)【優先日】2014-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ フイビン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エフ.ビールマイアー
(72)【発明者】
【氏名】ジャニス リン
(57)【要約】
【課題】患者に流体を選択的に投与する方法およびシステムのための抗菌効果のある医療用活栓コネクタを提供する。
【解決手段】本発明は、医療用活栓コネクタデバイスであって、近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングであって、前記ハウジングは、上流ポートと、下流ポートと、中間ポートと、をさらに含むハウジング、および前記ハウジングの前記内側内腔に回転可能に着座され、外面を有するシャフトを備え、流体チャネルと抗菌溝とを備えるタップ、を備えることを特徴とする医療用活栓コネクタデバイスを提供する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用活栓コネクタデバイスであって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングであって、前記ハウジングは、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポートであって、前記上流ポートに対して平行である下流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、をさらに含むハウジング、および
前記ハウジングの前記内側内腔に回転可能に着座され、外面を有するシャフトを備えるタップであって、
前記シャフトの前記外面に形成された流体チャネルであって、前記流体チャネルは前記シャフトの外周の半分よりも大きい長さを有し、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記中間ポートの前記中空内部と前記下流ポートの前記中空内部との間で実質的に流れを阻止しない流体路を提供し、前記タップの外面は、前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記下流ポートと前記上流ポートとの間で流体連通することを妨げ、前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポートおよび前記中間ポートのうち一つのみと流体連通する、流体チャネルと、
前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝であって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通するように配置され、前記抗菌溝が、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含み、前記抗菌溝の長さは前記流体チャネルの長さより短い、抗菌溝と、を含むタップ、
を備えることを特徴とする医療用活栓コネクタデバイス。
【請求項2】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記流体路は前記シャフトおよび前記ハウジングの内壁との間を伸び、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
医療用活栓コネクタデバイスであって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングであって、前記ハウジングは、
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポートであって、前記上流ポートに対して平行である下流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、
前記ハウジングの前記内側内腔に回転可能に着座され、外面を有するシャフトを備えるタップであって、
前記シャフトの前記外面に形成された流体チャネルであって、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記下流ポートと前記中間ポートとの間であり、前記上流ポートではない、流体流れを妨げる流体チャネルと、 前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝であって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通するように配置され、前記タップが前記第1の位置にあるときに、前記抗菌溝が前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含む抗菌溝と、を含むタップと、を備え、
前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記タップの外面が前記下流ポートおよび前記上流ポートとの間の流体連通を妨げ、
前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポート、および前記中間ポートのうちの1つのみと流体連通し、
前記タップが第3の位置まで回転されたとき、流体は、前記流体チャネルを通って前記上流ポートおよび前記中間ポートの間ならびに、前記流体チャネルを通って前記上流ポートおよび前記下流ポートの間を移動し、前記タップが前記第3の位置まで回転されたとき、前記抗菌溝が前記上流ポート、前記中間ポート、または前記下流ポートと流体連通しない、ことを特徴とする医療用活栓コネクタデバイス。
【請求項7】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記流体チャネルは、前記シャフトと前記ハウジングの前記内面との間に前記流体路を画成し、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
医療用活栓コネクタの製造方法であって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングを用意するステップであって、前記ハウジングが
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記上流ポートに対して平行である下流ポートであって、前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポート、と、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、をさらに含むステップと、
前記ハウジングの前記内側内腔にタップを回転可能に着座させるステップであって、前記タップが外面を有するシャフトを備えるステップと、
前記タップの前記外面に流体チャネルを形成するステップであって、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記中間ポートの前記中空内部と前記下流ポートの前記中空内部との間で実質的に流れを阻止しない流体路を提供し、前記流体チャネルは前記シャフトの外周の半分よりも大きい長さを有し、前記タップの外面は、前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記下流ポートと前記上流ポートとの間で流体連通することを妨げ、前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポートおよび前記中間ポートのうち一つのみと流体連通する、ステップと、
前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝を形成するステップであって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通し、前記抗菌溝は、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含み、前記抗菌溝の長さは前記流体チャネルの長さより短いステップと、
を含むことを特徴とする医療用活栓コネクタの製造方法。
【請求項12】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記流体チャネルは、前記シャフトと前記ハウジングの前記内面との間に前記流体路を画成し、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌効果のある様々な医療用活栓コネクタに関する。より詳細には、本発明は、抗菌効果のある医療用活栓コネクタを提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
注入療法は、一般に、静脈内での薬剤の投与を伴う。典型的な注入療法を行う場合には、1つまたは複数の注入療法デバイス(例えば、チューブセット、カテーテルなど)が通例使用される。いくつかの例では、注入療法デバイスは、流体の注入療法デバイスを介した選択的な投与を可能にする医療用活栓コネクタを含むことができる。医療用活栓コネクタは、タップが中に回転可能に着座されるハウジングを備える。タップは、ハウジング内を流体が通過できるようにするか、または通過できないようにするためにハウジング内で位置合わせされる(すなわち開位置)かまたは位置合わせされ得ない(すなわち閉位置)流体路を含む。したがって、流体を投与したいとき、タップは、閉位置から開位置へと回転され、それによって流体がハウジング内を通って注入療法デバイスを介して患者に注入される。逆に、流体の投与を中止したいときは、タップは閉位置へと回転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第12/397,760号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/829,010号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/476,997号明細書
【特許文献4】米国特許出願第12/490,235号明細書
【特許文献5】米国特許出願第12/831,880号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2010/0137472号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2010/0135949号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
閉位置にあるとき、医療用活栓コネクタの流体路内に閉じ込められた流体は、滞留し、注入療法デバイス内の残りの流体から隔離された状態を保つ。閉位置にあるときは、注入療法デバイス内の流体も滞留する。これらの滞留状態は、微生物の増殖およびコロニー形成には理想的であり、これが、医療用コネクタが開けられ流体が患者に注入されると、その後の微生物感染につながる恐れがある。
【0005】
このように、医療用活栓コネクタを使用して患者に流体を選択的に投与する方法およびシステムが現在も存在するが、依然として課題が残っている。したがって、現在の技術を本明細書で討論されるシステムおよび方法を用いて向上させる、またはそれと置き換えることは技術の改善になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、抗菌効果のある様々な医療用活栓コネクタに関する。より詳細には、本発明は、抗菌効果のある医療用活栓コネクタを提供するためのシステムおよび方法に関する。本発明は、さらに、活栓タップの外面の部分に設けられる流体チャネルを有する活栓タップであって、それによって、流体が活栓タップの外面と活栓ハウジングの内面との間を流れることで活栓をバイパスして流体チャネルを通る、活栓タップに関する。いくつかの実施形態は、1つまたは複数の流体チャネル内に設けられる抗菌コーティングまたは抗菌インサートをさらに備え、それによって、流体チャネルを流れる流体が、抗菌コーティングまたは抗菌コーティングから流出する(elute)抗菌剤に接触する。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、流体チャネルの反対側に位置する抗菌溝を備え、それによって、活栓が「オフ」位置にあるときに、抗菌溝が、ブロックされたポート内の流体に接触し、それによってその中での微生物の増殖が防止される。
【0007】
本発明のさらなる特徴および利点は以下の説明に記載され、一部は説明から明らかになり、または本発明の実施によって知ることができる。本発明の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘した機器の手段および組み合わせによって実現し、得ることができる。本発明の上記およびその他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになり、または以下に記載される本発明の実施によって知ることができよう。
【0008】
本発明の上記およびその他の利点および特徴を得ることができる方法を説明するために、上記で簡単に説明した本発明のより具体的な説明が、添付の図面に示されるその具体的な実施形態を参照して提示される。これらの図面が本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると考えるべきではないことを理解しつつ、本発明が添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に記述され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の例示的な一実施形態による抗菌効果のある医療用活栓コネクタの分解斜視図である。
図2A】本発明の例示的な一実施形態による、開位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図2B】本発明の例示的な一実施形態による、開位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図3A】本発明の例示的な一実施形態による、閉位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図3B】本発明の例示的な一実施形態による、閉位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図4A】本発明の例示的な一実施形態による、閉位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの水平断面図である。
図4B】本発明の例示的な一実施形態による、開位置にある、抗菌効果のある医療用活栓コネクタの水平断面図である。
図5A】本発明の例示的な実施形態による、開構成および閉構成にある3つのポートを有する抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図5B】本発明の例示的な実施形態による、開構成および閉構成にある3つのポートを有する抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図5C】本発明の例示的な実施形態による、開構成および閉構成にある3つのポートを有する抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図5D】本発明の例示的な実施形態による、開構成および閉構成にある3つのポートを有する抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
図5E】本発明の例示的な実施形態による、開構成および閉構成にある3つのポートを有する抗菌効果のある医療用活栓コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、抗菌効果のある様々な医療用活栓コネクタに関する。より詳細には、本発明は、抗菌効果のある医療用活栓コネクタを提供するためのシステムおよび方法に関する。本発明は、さらに、活栓タップの外面の部分に設けられる流体チャネルを有する活栓タップであって、それによって、流体が活栓タップの外面と活栓ハウジングの内面との間内を流れることで活栓をバイパスして流体チャネルを通る、活栓タップに関する。いくつかの実施形態は、1つまたは複数の流体チャネル内に設けられる抗菌コーティングまたは抗菌インサートをさらに備え、それによって、流体チャネル内を流れる流体が、抗菌コーティングまたは抗菌コーティングから流出する抗菌剤に接触する。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、流体チャネルの反対側に位置する抗菌溝を備え、それによって、活栓が「オフ」位置にあるときに、抗菌溝が、ブロックされたポート内の流体に接触し、それによってその中での微生物の増殖が防止される。
【0011】
次に、図1を参照すると、図1は、医療用活栓コネクタ10の分解斜視図が示される。医療用活栓コネクタ10は、全体的に管状形状のハウジング20を備える。ハウジング20は、タップ30を適合的に収容するように寸法設定される開口すなわち近位端22を備える。いくつかの例では、ハウジングは、カテーテルアダプタなどの静脈用デバイスのための側方ポートを備える。ハウジング20は、開口22の反対側に位置する閉端すなわち遠位端24をさらに備える。ハウジング20は、近位端22と遠位端24との間に延びる内腔26を備える。いくつかの例では、遠位端24は、さらに、タップ30が内腔26内に着座されるときにタップ30を支持するように構成される座面を備える。
【0012】
いくつかの例では、ハウジング20は、ハウジング20に連結され内腔26と流体連通する1つまたは複数のポートをさらに備える。例えば、いくつかの実施形態では、ハウジング20は、上流ポート40と、下流ポート50を備える。上流ポート40および下流ポート50はそれぞれ、内腔26と流体連通する中空内部42および中空内部52を含む。ポート40およびポート50の自由端は、静脈チュービングのセクションまたはシリンジなどの静脈用デバイスに結合され得る。上流ポート40内の流体は、内腔26を通過して下流ポート50に入ることができる。さらに、内腔26内の流体は、所望の流れ方向に応じて、上流ポート40か下流ポート50のいずれかを通過することができる。
【0013】
活栓タップ30は、内腔26内に適合して挿入されるように構成され、それによって、タップ30の基部32は、タップ30がハウジング20に完全に挿入されると、遠位端24の内面に対して着座される。タップ30は、内腔26に回転可能に着座される。さらに、流体密シールがタップ30のシャフト34と内腔26との間に確立され、それによって、タップ30が内腔26に着座されるときに内腔26中の流体が開口22から出ないようにされる。いくつかの例では、シリコーングリースのような疎水性潤滑剤がシャフト34とハウジング20の内面との間に挿入され、それによって流体密シールが確立される。他の例では、近位開口22がOリングのような機械的なシールを備え、それによってシャフト34に対する流体密シールが確立される。
【0014】
シャフト34の円周は、内腔26の円周よりも若干小さい。したがって、シャフト34は、最小公差で内腔26に挿入され得る。内腔26に挿入されると、シャフト34の外面と内腔26の内面との間の最小公差によって、上流ポート40と下流ポート50との間の流体の通過が阻止される。
【0015】
シャフト34の外面は、1つまたは複数の流体チャネル36をさらに含む。いくつかの例では、チャネル36は、くぼみを形成する溝を含む。チャネル36の長さは、シャフト34の円周よりも短い。いくつかの例では、シャフト34は、シャフト34の円周の半分未満の長さの単一のチャネル36を備える。他の例では、シャフト34は、それぞれの長さがシャフト34の円周の3分の1未満の2つのチャネル36を備える。さらに、いくつかの実施形態では、シャフト34は、それぞれの長さがシャフト34の円周の4分の1未満の3つのチャネル36を備える。
【0016】
シャフト34は、内腔26におけるチャネル36の軸方向位置(axial position)を変えるように、内腔26内で回転され得る。いくつかの例では、シャフト34は、図2A、2Bおよび4Bに示されるように、チャネル36が上流ポート40と下流ポート50の中空内部に同時に接触するように、内腔26内で回転される。したがって、チャネル36は、シャフト34と内腔26の内面との間に流体路をもたらし、それによって、中空内部42と中空内部52との間に流体が流れることができるようになる。チャネル36が1つの中空内部のみに接触するかまたは中空内部に接触しないようにシャフト34が内腔26内で回転されると、図3A図4Aに示されるように、流体はシャフト34をバイパスできなくなる。このように、上流ポート40と下流ポート50との間における流体60の選択的な流れは、内腔26内のシャフト34の回転によって達成され得る。
【0017】
次に、図4Aおよび図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、シャフト34は、第1の流体チャネル36aと、第2の流体チャネル36bとを備える。各チャネルの長さは、シャフト34の円周の2分の1未満である。チャネル36aおよびチャネル36bは、抗菌コーティング70をさらに含む。
【0018】
抗菌コーティング70は、微生物を殺すか、またはそれらの増殖を阻止する薬剤である。抗菌コーティング70は、静脈内投与での使用に適合可能な任意の材料またはその材料の組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、抗菌コーティング70は、本発明の教示に従って使用するのに安全である任意のタイプまたは形態の抗菌性材料を含む。例えば、いくつかの例では、抗菌性材料70は、クロルヘキシジンジアセテート、クロルヘキシジングルコン酸塩、アレキシジン、サルファダイアジン銀、酢酸銀、クエン酸銀水和物、セトリミド、塩化セチルピリジウム、塩化ベンザルコニウム、o-フタルアルデヒド、および銀元素からなる群から選択される。
【0019】
いくつかの例では、抗菌コーティング70は、不溶性の硬化コーティングを含む。他の例では、抗菌コーティング70は、流体に曝されると軟化し、それによって抗菌剤の一部が流体に流出する、硬化コーティングを含む。さらに、いくつかの例では、抗菌コーティング70は、抗菌剤が充填される基材を形成する硬化材料を含む。流体に曝されると、抗菌剤は、基材から徐々に流出し、それによって、コーティングされた表面の周りに抗菌性の抑制域がもたらされる。さらに、いくつかの例では、抗菌コーティング70は、流体に長く曝されると徐々に溶解する可溶性のコーティングを含む。
【0020】
いくつかの例では、抗菌コーティング70は、流体チャネル36に挿入される抗菌インサートを備える。抗菌インサートは、任意の適合材料を含むことができる。いくつかの例では、抗菌インサートは、抗菌剤または抗菌コーティングでコートされた相溶性ポリマー材料を含む。他の例では、抗菌インサートは、流体チャネル36に挿入されるように構成された抗菌性材料を含む。抗菌性材料は、抗菌剤と組み合わせて作られるポリマー材料を含み得、それにより最終材料は抗菌性を有する。例えば、いくつかの例では、最終材料は、流体に直接接触することにより抗菌作用を示す。いくつかの例では、抗菌インサートは、銀元素などの金属材料を含む。
【0021】
他の例では、最終材料は、流体に接触すると抗菌剤が流出し、それによって材料を囲繞する抑制域がもたらされる。例えば、いくつかの実施形態では、抗菌性材料70は、抗菌剤が中に分散された(図示せず)複数の微視的間隔を含む基材を形成するUV硬化親水性ポリマー材料を含む。流体60に曝されると、ポリマー基材は、軟化し、流体が入り込む。ポリマー基材内の抗菌剤が基材から流出して流体に入り、それによってポリマー基材に近接する抑制域が形成される。全体が本明細書に組み込まれる特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5に、適当なポリマー材料の例が挙げられている。
【0022】
図4Aを詳細に参照すると、シャフト34が軸方向位置に図示されており、この位置では、チャネル36aおよびチャネル36bは、それぞれ1つの中空内部だけに、すなわちそれぞれ中空内部52および中空内部42に接触しており、それによって流体60がシャフト34をバイパスしないようになっている。流体チャネル36aおよび流体チャネル36b内の各抗菌コーティング70は、流体60に直接接触し、それによって滞留流体内での微生物のコロニー形成および/または増殖が防止される。
【0023】
シャフト34が回転されると、チャネル36aおよびチャネル36bは、上流ポート40と下流ポート50の両方に接触し、それによって、図4Bに示されるように流体60がそれらの間を自由に流れることができるようになる。流体60は、チャネル36aおよびチャネル36b内を通過するときに抗菌コーティング70に接触し、それによってコーティングされた表面における微生物の増殖および/またはコロニー形成が防止される。いくつかの例では、コーティング70内の抗菌剤がコーティング70から流出し、それによって流体60が処理され、コーティングされているチャネル36の周りに抑制域がもたらされる。
【0024】
チャネル36は、上流ポート40と下流ポート50との間に所望の流量を達成する任意の断面積を含むことができる。いくつかの例では、チャネル36aとチャネル36bを合わせた断面積は、上流ポート40または下流ポート50の断面積と等しい。チャネル36が抗菌コーティング70を含む場合、チャネルと抗菌領域を合わせた断面積は、デバイス10の所望の流量を確保するように選択される。したがって、チャネル36は、デバイス10の流量を遅らせない。
【0025】
次に、図5A図5Eを参照すると、ハウジング20は、さらに、上流ポート40と下流ポート50との間に位置する中間ポート80を備え得る。中間ポート80は、内腔26と流体連通する中空内部82を含む。いくつかの例では、シャフト34は、シャフト34の円周の半分よりも長さが大きい単一流体チャネル136を備える。したがって、シャフト34は、図5Aに示されるように、流体チャネル136がポート40の中空内部42、ポート50の中空内部52、およびポート80の中空内部82と同時に接触するように、ハウジング20の内腔26内で軸方向に位置合わせされ得る。この位置では、流体60は、シャフト34をバイパスし、それらポートの間を自由に流れることができる。流体チャネル136は、流体70が流体路136内を通過するときに接触する抗菌コーティング70をさらに含む。
【0026】
いくつかの例では、シャフト34が反時計回りに回転され、それによって、図5Bに示されるように、流体チャネル136が上流ポート40および中間ポート80だけと流体連通するようになる。したがって、流体60は、下流ポート50内へは流れることができなくなる。シャフト34が反時計回り方向にさらに回転されると、流体チャネル136は、図5Cに示されるように、上流ポート40だけと流体連通するように配置される。したがって、流体60は、下流ポート50および中間ポート80内を流れることができなくなる。上流ポート40および流体チャネル136内の流体60は止められ、それによって流体60が抗菌コーティング70に接触したままになり、それによって内腔26における微生物のコロニー形成が防止される。
【0027】
いくつかの例では、シャフト34が反時計回り方向にさらに回転されると、流体チャネル136は、図5Dに示されるように、流体チャネル136が上流ポート40および下流ポート50だけと流体連通するように配置される。したがって、流体60は、上流ポート40と下流ポート50との間を自由に流れることができるようにされ、中間ポート80内へは流れることができなくなる。抗菌コーティング70は、流体60が流体チャネル136内を通過するときに、その流体60によって接触される。
【0028】
シャフト34が反時計回り方向にさらに回転されると、流体チャネル136は、図5Eに示されるように、下流ポート50および中間ポート80だけと流体連通するようになる。したがって、流体60は、下流ポート50と中間ポート80との間を自由に流れることができるようにされ、上流ポート40内へは流れることができなくなる。流体路136内を流れる流体60は、抗菌コーティング70に接触し、それによって、上述したように、微生物の増殖および/またはコロニー形成が防止される。
【0029】
いくつかの例では、シャフト34は、流体チャネル136の反対側に位置する抗菌溝90をさらに備える。抗菌溝90は、上述した材料による抗菌コーティングを含む。溝90は、流体チャネル136と位置合わせしていないかまたは流体連通していない1つまたは複数のポートと位置が合うように、シャフト34の外面に配置される。換言すると、溝90は、「オフ」位置にある1つまたは複数のポートと流体連通するように構成される。したがって、それぞれのポート内の流体は、溝90内の抗菌性材料に曝され、それによって、「オフ」位置にある間、ポート内の微生物の増殖またはコロニー形成が防止される。図5Eに示されるように、抗菌溝90は、ポート50およびポート80が流体チャネル136に接触すると、上流ポート40と位置合わせされて、その上流ポート40に接触する。したがって、すべてのポート内の流体60は、シャフト34およびそれぞれのポートが「オン」の位置にあるか「オフ」の位置にあるかにかかわらず、抗菌剤70に曝される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態は、医療用活栓コネクタと一緒に使用するためのタップ構成要素をさらに備える。いくつかの例では、ハンドルを有する第1の端部と、第1の端部の反対側にある第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に介在する外面とを備えるタップ構成要素が提供される。外面は、上述したように、溝を形成する流体チャネルをさらに含む。医療用活栓コネクタに挿入されると、流体チャネルは、外面と医療用活栓コネクタの表面との間に流体路を形成する。例えば、いくつかの例では、流体路は、タップ構成要素の外面と医療用活栓コネクタハウジングの内面との間に形成される。流体チャネルおよびそれによる流体路は、流体がタップ構成要素をバイパスし、医療用活栓コネクタ内を流れることができるようにする。
【0031】
タップ構成要素は、さらに、流体チャネルに適用される抗菌剤を含むことができ、流体チャネル内を通過する流体は、抗菌性材料に接触する。タップ構成要素は、さらに、抗菌溝を備える。抗菌溝は、タップ構成要素の外面に形成され、閉位置にあるときに医療用活栓コネクタの少なくとも1つのポートと流体連通するように配置される。さらに、流体チャネルの長さは、外面の円周よりも短くてよい。
【0032】
当業者には、本発明の様々な他の実施形態が、抗菌性潤滑剤で同様にコーティング可能であり、それによってさらにデバイスに接触殺滅効果を加えることができることが明らかであろう。本発明の様々な実施形態は、さらに、既知の方法および手順に従って製造され得る。いくつかの例では、抗菌構成要素は、抗菌性材料からなる。他の例では、抗菌構成要素は、ポリカーボネート、コポリエステル、ABS、PVC、およびポリウレタンなど、抗菌性材料または抗菌剤に良好な結合強度を有するベースポリマー材料で押出成形または成形される。ベースポリマー構造は、流出特性を有することができる、接着剤を基材とした抗菌性材料でコーティングされ得る。いくつかの例では、ベースポリマー構造のトポロジー(topology)およびサイズ(dimensions)は、微生物学効力(microbiology efficacy)、持続する流出特徴(lasting elution profiles)、およびアセンブリ幾何学制約(assembly geometry constraints)について最適化される。
【0033】
本発明の様々な抗菌構成要素は、抗菌性材料から直接注型成形または成形されてもよい。いくつかの例では、抗菌構成要素は、プラスチックで注型成形され、その後に抗菌性材料でコーティングされる。いくつかの実施形態では、抗菌構成要素は、デバイスの他の構成要素上に直接成長させられる。他の例では、デバイスの様々な構成要素は、接着剤またはエポキシによって一緒に接合される。本発明の抗菌構成要素およびコーティングは、1種または複数の抗菌剤が入ったポリマー基材からなってもよい。ポリマー基材は、接着剤を基材としてよく、接着剤は、結合強度を良好にし、流出速度を速くするためにアクリレート系またはシアノアクリレート系であることが好ましい。結合を増強させるために溶剤が加えられ得る。適当な抗菌性材料組成の非限定的な例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、特許文献6および特許文献7に提供されている。
【0034】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態において実施可能である。よって、記載の実施形態は、あらゆる点で単に例示的なものであって限定のためのものではないと考えられるべきである。したがって本発明の範囲は、上述した記載によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味するところと、これに等価な範囲とに至るすべての変更は、それらの範囲に包含されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
【手続補正書】
【提出日】2021-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用活栓コネクタデバイスであって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングであって、前記ハウジングは、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポートであって、前記上流ポートに対して平行である下流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、をさらに含むハウジング、および
前記ハウジングの前記内側内腔に回転可能に着座され、外面を有するシャフトを備えるタップであって、
前記シャフトの前記外面に形成された流体チャネルであって、前記流体チャネルは前記シャフトの外周の半分よりも大きい長さを有し、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記中間ポートの前記中空内部と前記下流ポートの前記中空内部との間で実質的に流れを阻止しない流体路を提供し、前記タップの外面は、前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記下流ポートと前記上流ポートとの間で流体連通することを妨げ、前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポートおよび前記中間ポートのうち一つのみと流体連通する、流体チャネルと、
前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝であって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通するように配置され、前記抗菌溝が、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含み、前記抗菌溝の長さは前記流体チャネルの長さより短い、抗菌溝と、を含むタップ、
を備えることを特徴とする医療用活栓コネクタデバイス。
【請求項2】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記流体路は前記シャフトおよび前記ハウジングの内壁との間を伸び、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
医療用活栓コネクタデバイスであって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングであって、前記ハウジングは、
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポートであって、前記上流ポートに対して平行である下流ポートと、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、
前記ハウジングの前記内側内腔に回転可能に着座され、外面を有するシャフトを備えるタップであって、
前記シャフトの前記外面に形成された流体チャネルであって、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記下流ポートと前記中間ポートとの間であり、前記上流ポートではない、流体流れを妨げる流体チャネルと、 前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝であって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通するように配置され、前記タップが前記第1の位置にあるときに、前記抗菌溝が前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含む抗菌溝と、を含むタップと、を備え、
前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記タップの外面が前記下流ポートおよび前記上流ポートとの間の流体連通を妨げ、
前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポート、および前記中間ポートのうちの1つのみと流体連通し、
前記タップが第3の位置まで回転されたとき、流体は、前記流体チャネルを通って前記上流ポートおよび前記中間ポートの間ならびに、前記流体チャネルを通って前記上流ポートおよび前記下流ポートの間を移動し、前記タップが前記第3の位置まで回転されたとき、前記抗菌溝が前記上流ポート、前記中間ポート、または前記下流ポートと流体連通しない、ことを特徴とする医療用活栓コネクタデバイス。
【請求項7】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記流体チャネルは、前記シャフトと前記ハウジングの内壁との間に前記流体路を画成し、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
医療用活栓コネクタの製造方法であって、
近位開口、遠位端、および前記近位開口と前記遠位端との間に延びる内側内腔を有するハウジングを用意するステップであって、前記ハウジングが
前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する上流ポートと、
前記上流ポートに対して平行である下流ポートであって、前記ハウジングに結合され前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する下流ポート、と、
前記内側内腔と流体連通する中空内部を有する中間ポートと、をさらに含むステップと、
前記ハウジングの前記内側内腔にタップを回転可能に着座させるステップであって、前記タップが外面を有するシャフトを備えるステップと、
前記タップの前記外面に流体チャネルを形成するステップであって、前記流体チャネルは、前記タップが第1の位置まで回転されたときに、前記中間ポートの前記中空内部と前記下流ポートの前記中空内部との間で実質的に流れを阻止しない流体路を提供し、前記流体チャネルは前記シャフトの外周の半分よりも大きい長さを有し、前記タップの外面は、前記タップが前記第1の位置まで回転されたとき、前記下流ポートと前記上流ポートとの間で流体連通することを妨げ、前記タップが第2の位置まで回転されたとき、前記流体チャネルは、前記上流ポート、前記下流ポートおよび前記中間ポートのうち一つのみと流体連通する、ステップと、
前記シャフトの前記外面に形成された抗菌溝を形成するステップであって、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記抗菌溝が前記上流ポートと流体連通し、前記抗菌溝は、前記タップが前記第1の位置にあるときに前記上流ポート内で流体と接触する抗菌性材料を含み、前記抗菌溝の長さは前記流体チャネルの長さより短いステップと、
を含むことを特徴とする医療用活栓コネクタの製造方法。
【請求項12】
前記抗菌性材料は前記流体チャネルに適用され、前記流体チャネル内を通過する流体は、前記抗菌性材料に接触することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記抗菌性材料は、硬化コーティング、潤滑剤、可溶性コーティング、および不溶性コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記内側内腔、前記上流ポート、前記下流ポート、及び前記中間ポート内の前記シャフトの回転の各点は、前記流体チャネルおよび前記抗菌溝の少なくとも1つの中の前記抗菌性材料と接触することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記流体チャネルは、前記シャフトと前記ハウジングの内壁との間に前記流体路を画成し、前記ハウジングの前記内壁は少なくとも2つのポートの間に介在することを特徴とする請求項11に記載の方法。