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特開2022-28016情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028016
(43)【公開日】2022-02-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/847 20140101AFI20220203BHJP
【FI】
A63F13/847
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206990
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2020119204の分割
【原出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】池田 早縁子
(57)【要約】
【課題】多数のユーザが参加する共通イベントにおいて、1つのゲーム空間内で共通のミッションを実行するのが困難な場合でも、ユーザが協働して共通のミッションを遂行しているようなゲームを提供する。
【解決手段】複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理する第1イベント実施部と、第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理する第2イベント実施部と、第2イベントの実施状況に基づいて第1イベントのミッションの達成度を判断する達成度判断部とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理する第1イベント実施部と、
前記第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、前記第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理する第2イベント実施部と、
前記第2イベントの実施状況に基づいて前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する達成度判断部と、を備えた情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム空間において、複数のプレイヤが協働して共通のイベントに参加し、ミッションをクリアするゲームが知られている。例えば特許文献1には、複数のプレイヤが共通の敵キャラクタと対戦するゲームを行い、敵キャラクタのヒットポイントを0にして倒すと、参加したプレイヤに特典が付与されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6148022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたゲームは、1つのゲーム空間で、複数ユーザが共通の敵との対戦というイベントに参加するという形態である。しかし、非常に多くのユーザがイベントに参加する場合には、1つのゲーム空間内で全ユーザがミッションを実行するのは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、多数のユーザが参加する共通イベントにおいて、1つのゲーム空間内で共通のミッションを実行するのが困難な場合でも、ユーザが協働して共通のミッションを遂行しているようなゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理する第1イベント実施部と、前記第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、前記第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理する第2イベント実施部と、前記第2イベントの実施状況に基づいて前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する達成度判断部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多数のユーザが参加する共通イベントにおいて、1つのゲーム空間内で共通のミッションを実行するのが困難な場合でも、ユーザが協働して共通のミッションを遂行しているようなゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による、ゲームシステム1の構成の一例を示す図。
図2】本発明の実施の形態による、ゲームサーバ及び端末のハードウェア構成の一例を示す図。
図3】本発明の実施の形態による、ゲームサーバ10の機能ブロック構成例を示す図。
図4】本発明の実施の形態による、端末20の機能ブロック構成例を示す図。
図5】本発明の実施の形態による、ゲームサーバ10が行う処理手順の一例を示すフローチャート。
図6】本発明の実施の形態による、第2イベントの進行状況を示す画面を例示する図。
図7】本発明の実施の形態による、第1イベントの進行状況を示す画面を例示する図。
図8】本発明の実施の形態による、特典付与を通知するメッセージ画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成の一例を示す図である。図1に示すゲームシステム1は、ゲームサーバ10(情報処理装置)と、複数の端末20とを備える。ゲームサーバ10及び端末20(ユーザ端末)は、インターネット、イントラネット、無線LAN又は移動通信等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
ゲームサーバ10は、例えば、プレイヤ(ユーザ)に関する各種情報を管理したり、ゲームの一部の処理を実行したりする等、端末20がゲームを提供する上でその一部の機能を担う装置である。ゲームサーバ10は、1又は複数の情報処理装置から構成されていてもよいし、仮想的なサーバ(クラウドサーバ等)を用いて構成されていてもよい。
【0011】
端末20は、ゲームをプレイヤに提供する情報処理装置であり、プレイヤは、端末20を操作することで本実施形態に係るゲームを実行することができる。端末20は、例えば、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、パーソナルコンピュータ、アーケードゲーム装置、又は、コンシューマゲーム装置等のコンピュータである。端末20は、GPS(Global Positioning System)等を用いて検出した自身の位置をゲームサーバ10に通知する。
【0012】
<ゲーム概要>
続いて、本実施形態に係るゲームシステム1が提供するゲームの概要を説明する。ゲームシステム1が提供するゲーム(以下、「本ゲーム」と言う。)では、プレイヤは、所有している複数のキャラクタの中から選択したキャラクタでデッキを編成し、編成したデッキを用いてクエストをクリア(達成)することで、新たなキャラクタやアイテムを入手することができる。また、プレイヤは、入手した複数のキャラクタを合成することでより強いキャラクタに成長させたり、アイテムを用いてキャラクタの属性を強化したりすることで、より難易度の高いクエストに挑戦することができる。
【0013】
ここで、クエストとは、予め定められた一定の条件を満たすことがクリア条件であるミッションを意味する用語である。クエストは、探索や課題と呼ばれることもある。クエストに参加したプレイヤは、当該一定の条件を満たすことでクエストをクリアすることができ、クエストをクリアすると、プレイヤに特典が与えられたり、本ゲームのストーリーが進行したりする。
【0014】
本ゲームでは、全てのプレイヤが共通のクエスト(ミッション)のクリアに参加する全プレイヤ参加イベント(第1イベント)と、プレイヤが個別にクエストを実施する個別イベント(第2イベント)が同時に提供される。全プレイヤ参加イベントは、参加している各プレイヤがそれぞれでプレイしている個別イベントの状況に基づいてクエストの達成度が判断される。クエストがクリアされると、参加している全プレイヤに特典が与えられる。
【0015】
個別イベントには、プレイヤが1人で実施するものや、他のプレイヤと共同で実施すること(マルチプレイ)を選択できるものも含まれる。個別イベントにおいては、クエストをクリアすると、プレイを行った1人または複数のプレイヤに特典が与えられる。個別イベント(第2イベント)は、全プレイヤ参加イベント(第1イベント)とは独立して実施されるイベントである。すなわち、個別イベントには、全プレイヤ参加イベントに含まれるイベント(全プレイヤ参加イベントの一部)や、全プレイヤ参加イベントの進行に連動して進行するイベントは含まれない。具体的には、例えば、全プレイヤ参加イベントのミッションとは異なるミッションの実施や、ゲームへのログインなどが個別イベントに含まれる。
【0016】
プレイヤがクエストを実行する際、「スタミナ」と呼ばれる、プレイヤが有する所定のパラメータが消費される。消費されるスタミナの量はクエストごとに異なる。また、スタミナの上限は、プレイヤのランクや経験値等に応じて上限値が定められている。クエストをプレイすることで消費されたスタミナは、時間の経過とともに自動的に回復する。
【0017】
<ハードウェア構成>
図2は、ゲームサーバ10及び端末20のハードウェア構成例を示す図である。ゲームサーバ10及び端末20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル及び/又はスピーカ等である。
【0018】
<機能ブロック構成>
図3は、ゲームサーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。ゲームサーバ10は、記憶部100と、ゲーム制御部110とを含む。記憶部100は、ゲームサーバ10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、ゲーム制御部110は、ゲームサーバ10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0019】
記憶部100は、プレイヤ管理DB100aを記憶する。プレイヤ管理DB100aは、プレイヤ毎に所持されるゲームデータを管理する。プレイヤ管理DB100aには、例えば、プレイヤを一意に識別するID(プレイヤID)、プレイヤの呼び名(ニックネーム)、プレイヤが利用する端末20の識別子、プレイヤのレベル、プレイヤのランク、プレイヤが所持しているアイテムのIDが記憶されている。また、全プレイヤ参加イベントへの参加の有無、プレイヤによる個別イベントの実施状況等が記憶されている。
【0020】
ゲーム制御部110は、本ゲームを実行するために必要な各種の機能を提供する。ゲーム制御部110は、第1イベント実施部111と、第2イベント実施部112と、ユーザパラメータ管理部113と、達成度判断部114、特典付与部115とを含む。これらの各機能ブロックは、ゲームサーバ10ではなく端末20が備えることとしてもよい。ゲームサーバ10及び端末20は、コンピュータと称されてもよい。
【0021】
<端末>
図4は、端末20の機能ブロック構成例を示す図である。端末20は、記憶部200と、通信部201と、UI(User Interface)部202と、ゲーム制御部203とを含む。記憶部200は、端末20が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、通信部201と、UI部202と、ゲーム制御部203とは、端末20のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0022】
記憶部200は、ゲーム制御部203が本ゲームを実行するために必要なゲームデータを記憶する。ゲームデータには、キャラクタの画像データ、ゲームシナリオ等が格納される。
【0023】
通信部201は、通信IF13を用いてゲームサーバ10との間で各種の通信を行う機能を有する。
【0024】
UI部202は、プレイヤから各種の入力を受け付ける処理と、ディスプレイに各種のゲーム画面を表示させる機能とを有する。また、UI部202は、ゲームサーバ10の指示に従い、ゲーム画面を表示する。
【0025】
ゲーム制御部203は、ゲームサーバ10と連携することで、本ゲームを実行するために必要な各種の機能を提供する。例えば、ゲーム制御部203は、ゲーム画面に描画するための各種の情報(アイコン画像データ、テキストデータ等)をゲームサーバ10から取得する機能等を提供する。
【0026】
次に、ゲームサーバ10が、第1イベント(全プレイヤ参加イベント)の実施を管理する手順について説明する。
【0027】
図5は、ゲームサーバが行う処理手順の一例を示すフローチャートである。第1イベント実施部111は、第1イベント(全プレイヤ参加イベント)を開始する(ステップS101)。ここでは、第1イベントは、敵キャラクタC0に参加プレイヤがダメージを与えることによって敵キャラクタC0のHP(ヒットポイント)を減らし、HPが一定の値まで減ったら(半減、ゼロ等)ミッションをクリアとするゲームである。HPは、敵キャラクタC0が耐えることができるダメージを数値化した値である。本実施形態では、イベントに参加しているプレイヤそれぞれのレベル(パラメータ)に応じて決まるダメージ値の合計に基づいてHPが減っていく。
【0028】
第1イベント実施部111は、第1イベントに参加しているプレイヤについて、プレイヤ管理DB100aの「全プレイヤ参加イベントへの参加の有無」を「有」に更新する(ステップS102)。第1イベント実施部111は、第1イベントを開始してから、ミッションが所定の達成度(例えば、敵キャラクタC0のHPが半減またはゼロになる。)に達するまでの間に、本ゲームにログインしたプレイヤについて、ログインの時点で第1イベントに参加したと判断し、「全プレイヤ参加イベントへの参加の有無」を「有」に更新する。本ゲームにログインしたプレイヤは、第1イベントに参加登録されると共に、個人で、またはマルチプレイによって他のプレイヤと共に、第2イベント(個別イベント)のミッション(クエスト)を実施することができる。プレイヤによる第2イベントのミッションの実施状況に応じて当該プレイヤのレベル(パラメータ)が更新され、このレベルが第1イベントのミッションの達成度に反映される。
【0029】
第2イベント実施部112によって実施される第2イベントには、例えば、本ゲームへのログイン、特定のクエストの実施、マルチプレイの実施等が含まれる。このうち、本ゲームへのログインは、イベントを実施しただけでレベルを上げることができる。一方、特定のクエストの実施については、クエストをクリアした時点でレベルアップの対象となり、クリア回数に応じてレベルを上げることができる。マルチプレイについても、実施回数に応じてレベルを上げることができる。
【0030】
図6は、プレイヤの端末20に表示される第2イベントの進行状況を示す画面を例示する図である。図6に示すように、画面左上に現在のレベル(クラス)が表示されている。また、第2イベントに含まれる各ミッション(クエスト)とそれぞれの進行状況が図示されている。それぞれのミッションをクリアすると、右端に表示されたポイント(pt)が与えられ、合計ポイント数に応じて、レベルが上がっていく。
【0031】
第2イベント実施部112は、プレイヤによる第2イベントの実施状況をプレイヤ管理DB100aに記録する。また、ユーザパラメータ管理部113は、プレイヤの第2イベントの実施状況によって更新されるレベルをプレイヤ管理DB100aに記録する。
【0032】
なお、第2イベント実施部112は、プレイヤの習熟度に関するパラメータに応じて第2イベントに含まれるミッションの内容を決定するようにしてもよい。習熟度に関するパラメータは、例えば、プレイヤのランク、本ゲームを開始してからの経過時間又はプレイ時間である。プレイヤのランクとは、本ゲームにおけるプレイヤの格付け(初級者、中級者、上級者等)であり、過去の実績等に基づいて決定される。ランクが高いプレイヤほど「スタミナ」の上限値が高くなる。第2イベント実施部112は、ランクの高いプレイヤほど難易度の高いミッションを設定する。これにより、プレイヤの熟練度に応じたミッションを設定して、どのランクのプレイヤもバランスよくレベルを上げることができるようにする。
【0033】
達成度判断部114は、所定のタイミングで第1イベントのミッションの達成度を判断する。第1イベントのミッション達成度を判断するタイミングは、例えば、プレイヤによる端末20の操作によって、端末20に第1イベントの進行状況を示す画面(図7)が表示されたタイミングで行う。端末20に第1イベントの進行状況を示す画面が表示されると(ステップS103:YES)、第1イベント実施部111は、プレイヤ管理DB100aから、第1イベントに参加しているプレイヤのレベルを取得する(ステップS104)。
【0034】
さらに、達成度判断部114は、取得された各プレイヤのレベルに基づいて、第1イベントのミッションの達成度を判断する。プレイヤのレベルは、例えば1~10までの数値で設定されている。本ゲームにログインした時点では、レベル1が設定され、その後第2イベントの実施状況に応じてレベルが上がっていく。
【0035】
達成度判断部114は、レベル毎のプレイヤの人数を集計する(ステップS105)。さらに、レベル毎の人数にレベル毎のダメージ値を掛けて合算したものを、総ダメージ値として算出する(ステップS106)。レベル毎のダメージ値は、レベルが高いほど大きな値としてもよい。例えば、レベル3が10人、レベル5が5人、レベル7が10人で、レベル3,5,7のダメージ値がそれぞれ3点、5点、7点であれば、総ダメージ値は、3×10+5×5+7×10=125点となる。なお、特定のレベル(例えば、レベル2)に到達していないプレイヤについては、ダメージ値の集計からは除外するようにしてもよい。これにより、ゲームの特典を受け取ることのみを目的としてログインするプレイヤを対象から外すことができる。
【0036】
さらに、達成度判断部114は、敵キャラクタC0の当初のHPから総ダメージ値を差し引くことにより、敵キャラクタC0の現在のHPを算出する(ステップS107)。現在のHPが所定の値(例えば、当初の半分、又はゼロ)に達した場合には(ステップS108:YES)、第1イベントのミッションが達成されたと判断する。
【0037】
第1イベント実施部111は、プレイヤの端末20に図7に示すような第1イベントの進行状況を示す画面を表示する。図7に示すように、画面中央部に、敵キャラクタC0の当初のHP(HP0)と、現在のHP(HP1)が表示される。プレイヤは、現在のHPの減少具合を確認することができる。また、画面下方には、参加しているプレイヤのレベル(L)の内訳(%)が表示される。
【0038】
なお、達成度判断部114は、上記のタイミング以外にも、定期的(例えば10分毎)にミッション達成度の判断を実施するようにしてもよい。
【0039】
次に、特典付与部115は、端末20に第1イベントの進行状況を示す画面(図7)が表示され、達成度判断部114によって第1イベントのミッションが達成されたと判断された場合には(ステップS108:YES)、参加プレイヤに特典を付与する処理を実施する(ステップS109)。特典付与部115は、端末20に、図8に示すような特典が貰えることを知らせるメッセージを表示し、プレイヤが受け取るボタンを選択すると、特典が各プレイヤの特典受け取り用のメッセージボックス等に送信される。特典は、ゲームに利用できるアイテムや、デジタルコンテンツや、景品の抽選に応募するためのコード情報などである。また、特典としてさらに上の段階のミッションに参加できるようにする(ミッションを開放する)ようにしてもよい。例えば、特典付与部115は、第1イベントのミッションが達成された場合には、第1イベントに参加したプレイヤに対し、本来はプレイする条件を満たしていない特定のクエスト(ミッション)について、プレイする資格を与えるようにしてもよい。具体的には、例えば、本来の挑戦条件(プレイする資格)が、所定の能力を備えたキャラクタを一定数以上所持していることであるクエストについて、第1イベントに参加したプレイヤに対しては挑戦条件を緩和し、それらのキャラクタを一定数所持していない場合でも、当該クエストに挑戦することができるようにしてもよい。ここで、本来の挑戦条件とは、例えば、特定のミッションについて第1イベントのミッションが達成される前に設定されている挑戦条件である。なお、挑戦条件を緩和しても、ミッションをクリアした際の報酬や特典を無くしたりするいわゆる練習モードのような形で実施することはなく、あくまでも、報酬や特典などの内容は維持した状態で、挑戦条件のみを緩和させる。
【0040】
また、特典付与部115は、上記のような第1イベントに参加している全てのプレイヤに対して与えられる特典(第1の特典)の他に、各プレイヤのレベルに応じた特典(第2の特典)の付与も実施するようにしてもよい。各プレイヤのレベルに応じた特典は、プレイヤのレベルが上がったタイミングで付与される。特典として、例えばゲームで使用できるキャラクタなどが付与される。
【0041】
また、特典付与部115は、第1の特典を、第1イベントのミッションが達成された時点でレベルが一定値以上のユーザに対して付与するようにしてもよい。この場合、第1イベント実施部111は、第1イベントのミッションの達成が近づいた時点で、レベルがまだ特典を受けられる一定値に達していないプレイヤに対して通知を行うようにしてもよい。ここで、ミッションの達成が近づいた時点とは、達成度が所定値に到達した時点や、達成までの所定の割合に到達した時点とすることができる。例えば、ミッションの達成が敵キャラクタC0のHPがゼロになることである場合、敵キャラクタC0の残りのHPが所定値(例えば100HP)になった時点としてもよい。また、敵キャラクタC0の残りのHPが当初のHPの所定割合(例えば10%)まで減った時点としてもよい。
【0042】
通知のタイミングは、プレイヤがゲームにログインした際に達成度を算出し、上記のようなミッションの達成が近づいた時点に到達していたら、通知を行うようにしてもよい。また、プレイヤの操作によって、端末20に第1イベントの進行状況を示す画面(図7)が表示されたタイミングで、通知を行うようにしてもよい。
【0043】
通知する内容は、特典を受けるのに必要なレベルやポイント数の情報の他、必要なポイントを取得可能な第2イベントのミッションの情報が含まれていてもよい。また、必要なポイントを取得可能な第2イベントのミッションのうち、取得できるポイント数が高いミッションを優先的に通知してもよい。さらに、端末20に確認画面を表示して、通知したミッションに挑戦するか否かをプレイヤに確認し、プレイヤが挑戦することを選択した場合には、当該ミッションをプレイする画面に遷移させるなどの誘導を行うようにしてもよい。
【0044】
なお、レベルがまだ一定値に達していないプレイヤであっても、第2イベントのプレイの状況やプレイヤのレベルに基づいて、特典の付与が困難であると判断されたプレイヤに対しては、通知は行わないようにしてもよい。例えば、第2イベントの実施状況に関して、前回ポイントを取得してからの経過時間が一定時間以上となっているプレイヤ(ポイントが一定時間以上変化していないプレイヤ)や、ポイントまたはレベルが、特典の付与に必要なポイントまたはプレイヤのレベルと、敵キャラクタC0の残りのHPとに基づいて算出される所定値よりも低い(現在のポイントやレベルが所定の条件を満たさないプレイヤ)など、レベルが一定値に到達できる見込みがないと判断されるプレイヤには、通知は行わないようにしてもよい。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、複数のプレイヤが参加して共通のミッションを達成する第1イベントと、プレイヤが個人で、又はマルチプレイによって複数人で実施する第2イベントとを実施するゲームにおいて、各プレイヤの第2イベントの実施状況に基づいて第1イベントのミッションの達成度を判断するようにした。これにより、多数のユーザが参加する第1イベントにおいて、同じゲーム空間内で共通のミッションを実行するのが困難な場合でも、第2イベントを介して、プレイヤが協働して共通のミッションを遂行しているようなゲームを提供することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、本発明の情報処理装置をゲームサーバ10としているが、情報処理装置はサーバに限られない。例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末などの端末装置や、ゲーム専用機であってもよい。
【0047】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得る。ただし、本発明を以下に限定するものではない。
(付記1)
複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理する第1イベント実施部と、
前記第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、前記第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理する第2イベント実施部と、
前記第2イベントの実施状況に基づいて前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する達成度判断部と、を備えた情報処理装置。
【0048】
上記構成によれば、非常に多くのユーザが参加する第1イベントにおいて、1つのゲーム空間で共通のミッションを実行するのが現実的に困難な場合でも、各々のユーザが個々に実施する第2イベントの実施状況に基づいて、間接的に共通の第1ミッションを実行することができる。
【0049】
(付記2)
前記第2イベントの実施状況に基づいて更新される、各々のユーザに付随するパラメータを管理するユーザパラメータ管理部を備え、
前記達成度判断部は、
前記第1イベントに参加する各々のユーザの前記パラメータに基づいて、前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する、付記1に記載の情報処理装置。
【0050】
上記構成によれば、各々のユーザが個々に実施する第2イベントの実施状況で決定される各自のパラメータを用いて、間接的に共通の第1ミッションを実行することができる。
【0051】
(付記3)
前記第1イベントの前記ミッションが所定の達成度に達した場合に、前記第1イベントに参加するユーザに特典を付与する特典付与部を備えた、付記1または2に記載の情報処理装置。
【0052】
上記構成によれば、第1イベントのミッションの達成度を、参加するユーザの第2イベントの実施状況に基づいて判断し、特典を付与することができる。
【0053】
(付記4)
前記第1イベント実施部は、
各々のユーザによって、ユーザ端末への前記第1イベントの特定画面の表示が要求された際に当該ユーザに付随するパラメータの情報を取得し、
前記達成度判断部は、
各々のユーザのパラメータを取得したタイミングで、前記ミッションの達成度を判断する、付記1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0054】
上記構成によれば、ユーザが第1イベントの画面を表示したタイミングで取得した最新のパラメータ情報に基づいて、第1イベントのミッションの達成度を判断することができるので、ユーザがゲームの状況を確認する際に最新の情報を提供することができる。
【0055】
(付記5)
前記特典付与部は、
ユーザのユーザ端末に、前記第1イベントの特定画面が表示された際、前記ミッションが所定の達成度に達していた場合には、当該ユーザに前記特典を付与する、付記3に記載の情報処理装置。
【0056】
上記構成によれば、ユーザが第1イベントの画面を表示したタイミングで、特典を付与することができるので、ユーザに特典が付与されたことを確実に通知することができる。
【0057】
(付記6)
前記達成度判断部は、
各々のユーザのパラメータに基づく値の累積値が所定値に達した場合に、前記ミッションが達成されたと判断する付記1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0058】
上記構成によれば、各ユーザの第2イベントの実施状況に応じたパラメータを、第1イベントのミッションの達成度に反映する仕組みを実現することができる。
【0059】
(付記7)
前記ユーザパラメータ管理部は、
前記第2イベントの実施状況が進行するにしたがって、前記パラメータの値を大きくし、
前記達成度判断部は、
各々のユーザのパラメータの値が大きいほど、前記ミッションの達成に与える影響を大きく評価する、付記6に記載の情報処理装置。
【0060】
上記構成によれば、各ユーザが、第2イベントの実施によって自身のパラメータの値を上げることで、第1イベントのミッションを達成するという仕組みを実現することができる。
【0061】
(付記8)
前記特典付与部は、
前記第1イベントの前記ミッションが所定の達成度に達した場合に、前記第1イベントに参加する全てのユーザに対して、第1の特典を付与すると共に、各ユーザに付随するパラメータの値に応じた第2の特典を付与する、付記3に記載の情報処理装置。
【0062】
上記構成によれば、ミッション達成への貢献度が高いユーザに対しては第2の特典も付与されるので、ゲームの初級者から上級者までバランスよく特典を付与することができる。
【0063】
(付記9)
前記第1イベント実施部は、
前記第1イベントの前記ミッションが所定の達成度に達するまでの間に、前記第1イベントを実施するゲームにログインしたユーザに対して、ログインの時点で前記第1イベントの参加ユーザとして登録する、付記1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0064】
上記構成によれば、効率よく第1イベントへの参加ユーザの登録を管理することができる。また、ユーザにとっても、特別な操作を行なわず、簡易に第1イベントに参加することができる。
【0065】
(付記10)
前記第2イベント実施部は、
各々のユーザのランクに応じて、前記第2イベントの内容を決定する、付記1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0066】
上記構成によれば、第2イベントの内容をユーザの熟練度に応じて設定できるので、初級者から上級者まで、どのユーザも第2イベントで結果を出すことが可能となり、第1イベントのミッションに貢献できる仕組みを実現できる。
【0067】
(付記11)
前記第1イベント実施部は、
前記第1イベントの前記ミッションの達成度が、前記所定の達成度に一定程度近づいた時点で、前記第1イベントに参加するユーザのうち、前記パラメータの値が所定値未満のユーザに対して通知を行い、
前記特典付与部は、
前記第1イベントの前記ミッションが前記所定の達成度に達した場合に、前記パラメータの値が前記所定値以上のユーザに対して特典を付与する、付記3に記載の情報処理装置。
【0068】
上記構成によれば、あと少しのところで、特典を逃すユーザが出ることを防止することができる。また、対象のユーザに対して、より多くの第2イベントのミッションの実行を促すことができる。
【0069】
(付記12)
前記特典付与部は、
前記第1イベントの前記ミッションが前記所定の達成度に達した場合に、前記第1イベントに参加したユーザに対し、当該ユーザが本来は参加する条件を満たしていない特定のミッションに参加する資格を付与する、付記3に記載の情報処理装置。
【0070】
上記構成によれば、本来の参加条件を満たすのは困難なミッションでも、第1イベントに参加してミッションを達成することで参加資格が得られる仕組みを設け、ユーザに多用な楽しみ方を提供すると共に、第1イベントへの参加や第2イベントのミッションの実施を促すことができる。
【0071】
(付記13)
コンピュータが、複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理し、
コンピュータが、前記第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、前記第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理し、
コンピュータが、前記第2イベントの実施状況に基づいて前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する、情報処理方法。
【0072】
上記構成によれば、非常に多くのユーザが参加する第1イベントにおいて、1つのゲーム空間で共通のミッションを実行するのが現実的に困難な場合でも、各々のユーザが個々に実施する第2イベントの実施状況に基づいて、間接的に共通の第1ミッションを実行することができる。
【0073】
(付記14)
コンピュータを、
複数のユーザが参加して共通のミッションを達成する第1イベントの実施を管理する第1イベント実施部と、
前記第1イベントとは独立して実施されるイベントであって、前記第1イベントに参加するユーザが1人以上で実施する第2イベントの実施を管理する第2イベント実施部と、
前記第2イベントの実施状況に基づいて前記第1イベントの前記ミッションの達成度を判断する達成度判断部として、機能させるプログラム。
【0074】
上記構成によれば、非常に多くのユーザが参加する第1イベントにおいて、1つのゲーム空間で共通のミッションを実行するのが現実的に困難な場合でも、各々のユーザが個々に実施する第2イベントの実施状況に基づいて、間接的に共通の第1ミッションを実行することができる。
【0075】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0076】
1…ゲームシステム、10…ゲームサーバ、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…端末、100…記憶部、100a…プレイヤ管理DB、110…ゲーム制御部、111…第1イベント実施部、112…第2イベント実施部、113…ユーザパラメータ管理部、114…達成度判断部、115…特典付与部、200…記憶部、201…通信部、202…UI部、203…ゲーム制御部
図1
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図8