(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028093
(43)【公開日】2022-02-15
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20220207BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220207BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20220207BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/09 V
B60R99/00 360
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018237946
(22)【出願日】2018-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】田森 正紘
(72)【発明者】
【氏名】城ヶ野 修啓
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA21
3D241BA31
3D241BB17
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5H181AA01
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5H181FF33
5H181KK10
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】車両の駐車及び出庫を円滑に行うことができるようにする。
【解決手段】車両制御装置は、車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う動作制御部とを備える。情報処理装置は、第1の車両の検出を行う車両検出部と、前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う車両制御部とを備える。本技術は、例えば、自動運転を行う車両、又は、駐車場の管制装置に適用できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う動作制御部と
を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記他車、又は、前記他車に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、
前記動作制御部は、前記情報処理装置が前記移動の指示に対応して前記他車の遠隔操作とともに行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記他車は、前記他車に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、前記移動の指示に対応する行動計画を作成し、
前記動作制御部は、前記情報処理装置が前記行動計画に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記遠隔操作制御部は、駐車場内で前記車両の遠隔操作を許可し、
前記動作制御部は、前記駐車場内において前記情報処理装置による遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記動作制御部は、前記情報処理装置により指定された移動経路に従って、前記車両を前記駐車場内の指定された位置に移動させる
請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記駐車場内の他車と協調して、前記情報処理装置により指定された位置までの行動を計画する計画部を
さらに備え、
前記動作制御部は、前記計画部により計画された行動に従って、前記車両を前記指定された位置まで移動させる
請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記遠隔操作制御部は、前記車両の速度、前記車両の移動距離、前記車両の移動範囲、前記車両の遠隔操作が可能な場所、及び、前記車両の遠隔操作が可能な時間のうち少なくとも1つを制限する
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記遠隔操作制御部は、前記車両のドアの遠隔操作及び前記車両内の個人情報のアクセスを許可しない
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項9】
車両制御装置が、
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行うによる遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
車両制御方法。
【請求項10】
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
駆動部と、
遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、駆動部の制御を行う動作制御部と
を備える車両。
【請求項12】
第1の車両の検出を行う車両検出部と、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う車両制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項13】
前記第2の車両、又は、前記第2の車両に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信する通信部を
さらに備え、
前記車両制御部は、前記移動の指示に対応して前記第2の車両の遠隔操作とともに前記第1の車両の遠隔操作を行う
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第2の車両は、前記第2の車両に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、前記移動の指示に対応する行動計画を生成し、
前記車両制御部は、前記行動計画に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記車両制御部は、駐車場内で前記第1の車両を移動させることにより、前記第1の車両の位置を制御する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記車両制御部は、前記駐車場内での移動経路を前記第1の車両に指示する
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記車両制御部は、前記駐車場に入庫する車両に前記遠隔操作権を要求する
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記車両制御部は、前記第1の車両が前記駐車場から出庫する場合、前記遠隔操作権を返却する
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理装置が、
第1の車両の検出を行い、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、
前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
情報処理方法。
【請求項20】
第1の車両の検出を行い、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、
前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、車両制御装置、車両制御方法、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関し、特に、車両の駐車及び出庫を円滑に行うことができるようにした車両制御装置、車両制御方法、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがリモートコントロールキーのボタンを押下すると、三方が囲まれた駐車場に縦列駐車されている2台の車両に指令が送信され、手前の車両が一旦出庫し、次に奥の車両が出庫し、最後に手前の車両が再駐車することにより、奥の車両を自動的に出庫できるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、予め2台の車両の車両情報がリモートコントロールキーに登録されていることが前提となっている。従って、特許文献1に記載の発明は、例えば、自宅の駐車場のように予め駐車する車両が決まっている場合には適用できるが、公共の駐車場のように予め駐車する車両が決まっていない場合には適用が困難である。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、車両の駐車及び出庫を円滑に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面の車両制御装置は、車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う動作制御部とを備える。
【0007】
本技術の第1の側面の車両制御方法は、車両制御装置が、車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行うによる遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う。
【0008】
本技術の第1の側面のプログラムは、車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
本技術の第2の側面の車両は、駆動部と、遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、駆動部の制御を行う動作制御部とを備える。
【0010】
本技術の第3の側面の情報処理装置は、第1の車両の検出を行う車両検出部と、前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う車両制御部とを備える。
【0011】
本技術の第3の側面の情報処理方法は、情報処理装置が、第1の車両の検出を行い、前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う。
【0012】
本技術の第3の側面のプログラムは、第1の車両の検出を行い、前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行うステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0013】
本技術の第1の側面においては、車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認が行われ、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行うによる遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御が行われる。
【0014】
本技術の第2の側面においては、遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認が行われ、前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、駆動部の制御が行われる。
【0015】
本技術の第3の側面においては、第1の車両の検出が行われ、前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権が要求され、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本技術を適用した駐車制御システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【
図3】車両制御部の構成例を示すブロック図である。
【
図5】駐車制御部の構成例を示すブロック図である。
【
図6】管制装置の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】駐車制御システムの処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】車両の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
3.その他
【0018】
<<1.実施の形態>>
まず、
図1乃至
図8を参照して、本技術の実施の形態について説明する。
【0019】
<駐車制御システム1の構成例>
図1は、本技術を適用した駐車制御システム1の構成例を示している。
【0020】
駐車制御システム1は、駐車場での車両の駐車及び出庫を制御するシステムである。
【0021】
駐車制御システム1は、車両11-1乃至車両11-n、情報端末12-1乃至情報端末12-n、管制装置13、及び、ネットワーク21を備える。車両11-1乃至車両11-n、情報端末12乃至情報端末12-n、及び、管制装置13は、ネットワーク21を介して相互に接続され、相互に通信を行う。車両11-i(i=1~n)と情報端末12-i(i=1~n)は、ネットワーク21を介さずに直接通信することも可能である。また、車両11-1乃至車両11-nは、ネットワーク21を介さずに直接通信することも可能である。
【0022】
なお、以下、車両11-1乃至車両11-n、及び、情報端末12-1乃至情報端末12-nを個々に区別する必要がない場合、単に車両11及び情報端末12と称する。
【0023】
また、車両11と情報端末12とは必ずしも1対1の関係である必要はない。例えば、1台の車両11に複数の情報端末12が対応付けられたり、1台の情報端末12に複数の車両11が対応付けられたりしてもよい。
【0024】
車両11は、自動運転が可能であり、一部の動作については、外部からの遠隔操作(遠隔制御)が可能である。
【0025】
情報端末12は、例えば、スマートフォン、携帯電話機等の携帯情報端末、又は、キーフォブ等の車両11用の情報端末により構成される。情報端末12は、ネットワーク21を介して、又は、直接車両11と通信を行い、車両11に指示を与えたり、車両11から各種の情報を取得したりする。また、情報端末12は、ネットワーク21を介して、管制装置13と通信を行い、管制装置13と各種の情報の授受を行う。
【0026】
管制装置13は、駐車場に設けられる。管制装置13は、ネットワーク21を介して、各車両11と通信を行い、各車両11の遠隔操作を行うことにより、駐車場内での各車両11の位置を制御する。
【0027】
<駐車場51の構成例>
図2は、駐車制御システム1が設けられる駐車場51の構成例を模式的に示している。
【0028】
駐車場51には、入口52及び出口53が設けられている。例えば、入口52には入場ゲート(不図示)が設けられ、出口53には退場ゲート(不図示)が設けられている。入場ゲート及び退場ゲートの開閉は、管制装置13により制御される。
【0029】
駐車場51内には、専用の降車スペース54及び出庫待機スペース55が設けられている。そして、降車スペース54及び出庫待機スペース55以外のスペースが、各車両11の駐車スペースに用いられる。
【0030】
例えば、車両11は、入口52から駐車場51に入った後、降車スペース54に一旦停車される。そして、管制装置13は、後述するように、車両11内のユーザが降車した後、車両11を遠隔操作して駐車位置に移動させる。また、管制装置13は、後述するように、車両11が出庫する場合、車両11を遠隔操作して、駐車位置から出庫待機スペース55に移動させる。そして、ユーザが出庫待機スペース55に停車されている車両11に乗り込んだ後、車両11は、出口53から駐車場51の外に出る。
【0031】
ここで、後述するように、各車両11を駐車位置に移動させたり、駐車位置から出庫待機スペース55に移動させたりするために、管制装置13は、必要に応じて、各車両11を遠隔操作して、各車両11の入れ替えを行う。このとき、駐車スペースの一部が入れ替え用スペース56として確保され、車両11の入れ替えに用いられる。
【0032】
<車両制御システム100の構成例>
図3は、本技術が適用され得る移動体制御システムの一例であり、各車両11に設けられる車両制御システム100の概略的な機能の構成例を示すブロック図である。
【0033】
なお、以下、各車両11を他の車両11と区別する場合、自車又は自車両と称する。
【0034】
車両制御システム100は、入力部101、データ取得部102、通信部103、車内機器104、出力制御部105、出力部106、駆動系制御部107、駆動系システム108、ボディ系制御部109、ボディ系システム110、記憶部111、自動運転制御部112、及び、遠隔操作制御部113を備える。入力部101、データ取得部102、通信部103、出力制御部105、駆動系制御部107、ボディ系制御部109、記憶部111、自動運転制御部112、及び、遠隔操作制御部113は、通信ネットワーク121を介して、相互に接続されている。通信ネットワーク121は、例えば、CAN(Controller Area-network)、LIN(Local Interconnect-network)、LAN(Local Area-network)、又は、FlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークやバス等からなる。なお、車両制御システム100の各部は、通信ネットワーク121を介さずに、直接接続される場合もある。
【0035】
なお、以下、車両制御システム100の各部が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、通信ネットワーク121の記載を省略するものとする。例えば、入力部101と自動運転制御部112が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、単に入力部101と自動運転制御部112が通信を行うと記載する。
【0036】
入力部101は、搭乗者が各種のデータや指示等の入力に用いる装置を備える。例えば、入力部101は、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ、及び、レバー等の操作デバイス、並びに、音声やジェスチャ等により手動操作以外の方法で入力可能な操作デバイス等を備える。また、例えば、入力部101は、赤外線若しくはその他の電波を利用したリモートコントロール装置、又は、車両制御システム100の操作に対応したモバイル機器若しくはウェアラブル機器等の外部接続機器であってもよい。入力部101は、搭乗者により入力されたデータや指示等に基づいて入力信号を生成し、車両制御システム100の各部に供給する。
【0037】
データ取得部102は、車両制御システム100の処理に用いるデータを取得する各種のセンサ等を備え、取得したデータを、車両制御システム100の各部に供給する。
【0038】
例えば、データ取得部102は、自車の状態等を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ジャイロセンサ、加速度センサ、慣性計測装置(IMU)、及び、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数、モータ回転数、若しくは、車輪の回転速度等を検出するためのセンサ等を備える。
【0039】
また、例えば、データ取得部102は、自車の外部の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ、及び、その他のカメラ等の撮像装置を備える。また、例えば、データ取得部102は、天候又は気象等を検出するための環境センサ、及び、自車の周囲の物体を検出するための周囲情報検出センサを備える。環境センサは、例えば、雨滴センサ、霧センサ、日照センサ、雪センサ等からなる。周囲情報検出センサは、例えば、超音波センサ、レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー等からなる。
【0040】
さらに、例えば、データ取得部102は、自車の現在位置を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、GNSS(Global-Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機等を備える。
【0041】
また、例えば、データ取得部102は、車内の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、運転者を撮像する撮像装置、運転者の生体情報を検出する生体センサ、及び、車室内の音声を集音するマイクロフォン等を備える。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座っている搭乗者又はステアリングホイールを握っている運転者の生体情報を検出する。
【0042】
通信部103は、車内機器104、並びに、車外の様々な機器、サーバ、基地局等と通信を行い、車両制御システム100の各部から供給されるデータを送信したり、受信したデータを車両制御システム100の各部に供給したりする。なお、通信部103がサポートする通信プロトコルは、特に限定されるものではなく、また、通信部103が、複数の種類の通信プロトコルをサポートすることも可能である。
【0043】
例えば、通信部103は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)-NFC(Near Field Communication)、又は、WUSB(Wireless USB)等により、車内機器104と無線通信を行う。また、例えば、通信部103は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又は、MHL(Mobile High-definition Link)等により、車内機器104と有線通信を行う。
【0044】
さらに、例えば、通信部103は、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)との通信を行う。また、例えば、通信部103は、P2P(Peer To Peer)技術を用いて、自車の近傍に存在する端末(例えば、歩行者若しくは店舗の端末、又は、MTC(Machine Type Communication)端末)との通信を行う。さらに、例えば、通信部103は、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、自車と家との間(Vehicle to Home)の通信、及び、歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信等のV2X通信を行う。また、例えば、通信部103は、ビーコン受信部を備え、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行規制又は所要時間等の情報を取得する。
【0045】
車内機器104は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、自車に搬入され若しくは取り付けられる情報機器、及び、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置等を含む。
【0046】
出力制御部105は、自車の搭乗者又は車外に対する各種の情報の出力を制御する。例えば、出力制御部105は、視覚情報(例えば、画像データ)及び聴覚情報(例えば、音声データ)のうちの少なくとも1つを含む出力信号を生成し、出力部106に供給することにより、出力部106からの視覚情報及び聴覚情報の出力を制御する。具体的には、例えば、出力制御部105は、データ取得部102の異なる撮像装置により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像等を生成し、生成した画像を含む出力信号を出力部106に供給する。また、例えば、出力制御部105は、衝突、接触、危険地帯への進入等の危険に対する警告音又は警告メッセージ等を含む音声データを生成し、生成した音声データを含む出力信号を出力部106に供給する。
【0047】
出力部106は、自車の搭乗者又は車外に対して、視覚情報又は聴覚情報を出力することが可能な装置を備える。例えば、出力部106は、表示装置、インストルメントパネル、オーディオスピーカ、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ、ランプ等を備える。出力部106が備える表示装置は、通常のディスプレイを有する装置以外にも、例えば、ヘッドアップディスプレイ、透過型ディスプレイ、AR(Augmented Reality)表示機能を有する装置等の運転者の視野内に視覚情報を表示する装置であってもよい。
【0048】
駆動系制御部107は、各種の制御信号を生成し、駆動系システム108に供給することにより、駆動系システム108の制御を行う。また、駆動系制御部107は、必要に応じて、駆動系システム108以外の各部に制御信号を供給し、駆動系システム108の制御状態の通知等を行う。
【0049】
駆動系システム108は、自車の駆動系に関わる各種の装置を備える。例えば、駆動系システム108は、内燃機関又は駆動用モータ等の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、舵角を調節するステアリング機構、制動力を発生させる制動装置、ABS(Antilock Brake System)、ESC(Electronic Stability Control)、並びに、電動パワーステアリング装置等を備える。
【0050】
ボディ系制御部109は、各種の制御信号を生成し、ボディ系システム110に供給することにより、ボディ系システム110の制御を行う。また、ボディ系制御部109は、必要に応じて、ボディ系システム110以外の各部に制御信号を供給し、ボディ系システム110の制御状態の通知等を行う。
【0051】
ボディ系システム110は、車体に装備されたボディ系の各種の装置を備える。例えば、ボディ系システム110は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、パワーシート、ステアリングホイール、空調装置、及び、各種ランプ(例えば、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカ、フォグランプ等)等を備える。
【0052】
記憶部111は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び、光磁気記憶デバイス等を備える。記憶部111は、車両制御システム100の各部が用いる各種プログラムやデータ等を記憶する。例えば、記憶部111は、ダイナミックマップ等の3次元の高精度地図、高精度地図より精度が低く、広いエリアをカバーするグローバルマップ、及び、自車の周囲の情報を含むローカルマップ等の地図データを記憶する。
【0053】
自動運転制御部112は、自律走行又は運転支援等の自動運転に関する制御を行う。具体的には、例えば、自動運転制御部112は、自車の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、自車の衝突警告、又は、自車のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行う。また、例えば、自動運転制御部112は、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行う。自動運転制御部112は、検出部131、自己位置推定部132、状況分析部133、計画部134、及び、動作制御部135を備える。
【0054】
検出部131は、自動運転の制御に必要な各種の情報の検出を行う。検出部131は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、及び、車両状態検出部143を備える。
【0055】
車外情報検出部141は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の外部の情報の検出処理を行う。例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の物体の検出処理、認識処理、及び、追跡処理、並びに、物体までの距離の検出処理を行う。検出対象となる物体には、例えば、車両、人、障害物、構造物、道路、信号機、交通標識、道路標示等が含まれる。また、例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の環境の検出処理を行う。検出対象となる周囲の環境には、例えば、天候、気温、湿度、明るさ、及び、路面の状態等が含まれる。車外情報検出部141は、検出処理の結果を示すデータを自己位置推定部132、状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153、並びに、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0056】
車内情報検出部142は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、車内の情報の検出処理を行う。例えば、車内情報検出部142は、運転者の認証処理及び認識処理、運転者の状態の検出処理、搭乗者の検出処理、及び、車内の環境の検出処理等を行う。検出対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線方向等が含まれる。検出対象となる車内の環境には、例えば、気温、湿度、明るさ、臭い等が含まれる。車内情報検出部142は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0057】
車両状態検出部143は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の状態の検出処理を行う。検出対象となる自車の状態には、例えば、速度、加速度、舵角、異常の有無及び内容、運転操作の状態、パワーシートの位置及び傾き、ドアロックの状態、並びに、その他の車載機器の状態等が含まれる。車両状態検出部143は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0058】
自己位置推定部132は、車外情報検出部141、及び、状況分析部133の状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の位置及び姿勢等の推定処理を行う。また、自己位置推定部132は、必要に応じて、自己位置の推定に用いるローカルマップ(以下、自己位置推定用マップと称する)を生成する。自己位置推定用マップは、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いた高精度なマップとされる。自己位置推定部132は、推定処理の結果を示すデータを状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153等に供給する。また、自己位置推定部132は、自己位置推定用マップを記憶部111に記憶させる。
【0059】
状況分析部133は、自車及び周囲の状況の分析処理を行う。状況分析部133は、マップ解析部151、交通ルール認識部152、状況認識部153、及び、状況予測部154を備える。
【0060】
マップ解析部151は、自己位置推定部132及び車外情報検出部141等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号を必要に応じて用いながら、記憶部111に記憶されている各種のマップの解析処理を行い、自動運転の処理に必要な情報を含むマップを構築する。マップ解析部151は、構築したマップを、交通ルール認識部152、状況認識部153、状況予測部154、並びに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0061】
交通ルール認識部152は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の周囲の交通ルールの認識処理を行う。この認識処理により、例えば、自車の周囲の信号の位置及び状態、自車の周囲の交通規制の内容、並びに、走行可能な車線等が認識される。交通ルール認識部152は、認識処理の結果を示すデータを状況予測部154等に供給する。
【0062】
状況認識部153は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、車内情報検出部142、車両状態検出部143、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の認識処理を行う。例えば、状況認識部153は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、自車の運転者の状況等の認識処理を行う。また、状況認識部153は、必要に応じて、自車の周囲の状況の認識に用いるローカルマップ(以下、状況認識用マップと称する)を生成する。状況認識用マップは、例えば、占有格子地図(Occupancy Grid Map)とされる。
【0063】
認識対象となる自車の状況には、例えば、自車の位置、姿勢、動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、並びに、異常の有無及び内容等が含まれる。認識対象となる自車の周囲の状況には、例えば、周囲の静止物体の種類及び位置、周囲の動物体の種類、位置及び動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、周囲の道路の構成及び路面の状態、並びに、周囲の天候、気温、湿度、及び、明るさ等が含まれる。認識対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線の動き、並びに、運転操作等が含まれる。
【0064】
状況認識部153は、認識処理の結果を示すデータ(必要に応じて、状況認識用マップを含む)を自己位置推定部132及び状況予測部154等に供給する。また、状況認識部153は、状況認識用マップを記憶部111に記憶させる。
【0065】
状況予測部154は、マップ解析部151、交通ルール認識部152及び状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の予測処理を行う。例えば、状況予測部154は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、運転者の状況等の予測処理を行う。
【0066】
予測対象となる自車の状況には、例えば、自車の挙動、異常の発生、及び、走行可能距離等が含まれる。予測対象となる自車の周囲の状況には、例えば、自車の周囲の動物体の挙動、信号の状態の変化、及び、天候等の環境の変化等が含まれる。予測対象となる運転者の状況には、例えば、運転者の挙動及び体調等が含まれる。
【0067】
状況予測部154は、予測処理の結果を示すデータを、交通ルール認識部152及び状況認識部153からのデータとともに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0068】
ルート計画部161は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、目的地までのルートを計画する。例えば、ルート計画部161は、グローバルマップに基づいて、現在位置から指定された目的地までのルートを設定する。また、例えば、ルート計画部161は、渋滞、事故、通行規制、工事等の状況、及び、運転者の体調等に基づいて、適宜ルートを変更する。ルート計画部161は、計画したルートを示すデータを行動計画部162等に供給する。
【0069】
行動計画部162は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、ルート計画部161により計画されたルートを計画された時間内で安全に走行するための自車の行動を計画する。例えば、行動計画部162は、発進、停止、進行方向(例えば、前進、後退、左折、右折、方向転換等)、走行車線、走行速度、及び、追い越し等の計画を行う。行動計画部162は、計画した自車の行動を示すデータを動作計画部163等に供給する
【0070】
動作計画部163は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、行動計画部162により計画された行動を実現するための自車の動作を計画する。例えば、動作計画部163は、加速、減速、及び、走行軌道等の計画を行う。動作計画部163は、計画した自車の動作を示すデータを、動作制御部135の加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0071】
動作制御部135は、自車の動作の制御を行う。動作制御部135は、緊急事態回避部171、加減速制御部172、及び、方向制御部173を備える。
【0072】
緊急事態回避部171は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、及び、車両状態検出部143の検出結果に基づいて、衝突、接触、危険地帯への進入、運転者の異常、車両の異常等の緊急事態の検出処理を行う。緊急事態回避部171は、緊急事態の発生を検出した場合、急停車や急旋回等の緊急事態を回避するための自車の動作を計画する。緊急事態回避部171は、計画した自車の動作を示すデータを加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0073】
加減速制御部172は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための加減速制御を行う。例えば、加減速制御部172は、計画された加速、減速、又は、急停車を実現するための駆動力発生装置又は制動装置の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0074】
方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための方向制御を行う。例えば、方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された走行軌道又は急旋回を実現するためのステアリング機構の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0075】
遠隔操作制御部113は、車両11の遠隔操作の制御を行う。例えば、遠隔操作制御部113は、通信部103を介して、外部(例えば、管制装置13)と通信を行い、所定の範囲内で車両11を遠隔操作する権限である遠隔操作権の承認を行う。また、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権を付与した相手(遠隔操作を許可した相手)から、遠隔操作を行うための信号(以下、遠隔操作信号と称する)を受信した場合、受信した遠隔操作信号による遠隔操作の承認を行う。遠隔操作制御部113は、遠隔操作を許可する場合、遠隔操作信号を車両制御システム100の各部に供給する。
【0076】
<管制装置13の構成例>
図4は、管制装置13の構成例、より、具体的には、管制装置13がコンピュータ(情報処理装置)により構成される場合の構成例を示すブロック図である。
【0077】
管制装置13において、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0078】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、センサ部207、出力部208、記憶部209、通信部210、及び、ドライブ211が接続されている。
【0079】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォン等の入力デバイスを備える。
【0080】
センサ部207は、例えば、撮像装置、超音波センサ、レーダ、LiDAR、ソナー等の、駐車場51内及び周辺の各車両11の位置や動きを検出するためのセンサを備える。
【0081】
出力部208は、ディスプレイ、スピーカ等の出力デバイスを備える。
【0082】
記憶部209は、ハードディスクや不揮発性のメモリ等を備える。
【0083】
通信部210は、ネットワークインタフェース等を備える。
【0084】
ドライブ211は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア212を駆動する。
【0085】
なお、以下、管制装置13の各部が、バス204及び入出力インタフェース205を介して通信を行う場合、バス204及び入出力インタフェース205の記載を省略するものとする。例えば、CPU201と通信部210が、バス204及び入出力インタフェース205を介して通信を行う場合、単にCPU201と通信部210が通信を行うと記載する。
【0086】
<駐車制御部251の構成例>
図5は、管制装置13のCPU201が所定の制御プログラムを実行することにより実現される駐車制御部251の機能の構成例を示すブロック図である。
【0087】
駐車制御部251は、駐車場51における各車両11の位置を制御する。駐車制御部251は、車両検出部261、計画部262、車両制御部263、及び、ゲート制御部264を備える。
【0088】
車両検出部261は、センサ部207から供給されるセンサデータに基づいて、又は、通信部210及びネットワーク21を介して、各車両11と通信を行うことにより、駐車場51内及び駐車場51周辺の車両11の位置及び動きを検出する。車両検出部261は、車両11の位置及び動きの検出結果を示すデータを計画部262、車両制御部263、及び、ゲート制御部264に供給する。
【0089】
計画部262は、車両制御部263から供給される各車両11の出庫予定情報に基づいて、駐車場51内の各車両11の出庫計画を作成する。出庫予定情報は、例えば、各車両11の出庫予定時刻を含む。また、計画部262は、車両検出部261による車両11の検出結果、及び、出庫計画に基づいて、駐車場51内の各車両11の位置及び動きの計画を作成する。計画部262は、各車両11の位置及び動きの計画を示す情報を車両制御部263に供給する。
【0090】
車両制御部263は、通信部210及びネットワーク21を介して、車両11と通信を行い、車両11と各種のデータ等の授受を行う。例えば、車両制御部263は、車両11の遠隔操作権の取得及び返却を行ったり、遠隔操作権が付与された車両11の遠隔操作を行ったりする。車両制御部263は、出庫予定情報を車両11から取得し、計画部262に供給する。車両制御部263は、降車スペース54の位置を車両11に通知したり、ユーザの降車の通知を車両11から受けたりする。
【0091】
また、車両制御部263は、車両11の駐車又は出庫の許可を判定し、車両11の駐車又は出庫を許可する場合、その旨をゲート制御部264に通知する。
【0092】
ゲート制御部264は、駐車場51の入口52の入場ゲート及び出口53の出場ゲートの制御を行う。
【0093】
<駐車制御システム1の処理>
次に、
図6乃至
図8を参照して、駐車制御システム1の処理について説明する。
【0094】
<管制装置13の処理>
まず、
図6のフローチャート及び
図7のシーケンス図を参照して、管制装置13の処理について説明する。
【0095】
ステップS1において、車両検出部261は、新たに駐車する車両11があるか否かを判定する。
【0096】
各車両11は、例えば、駐車場51に入庫する前に、入口52の前で一旦停車する。
【0097】
これに対して、車両検出部261は、センサ部207からのセンサデータに基づいて、又は、通信部210及びネットワーク21を介して車両11と通信を行うことにより、駐車場51の入口52の前に駐車している車両11を検出した場合、新たに駐車する車両11(以下、新規駐車車両と称する)があると判定し、処理はステップS2に進む。
【0098】
ステップS2において、車両制御部263は、遠隔操作権を要求する。具体的には、車両検出部261は、新規駐車車両を検出したことを車両制御部263に通知する。車両制御部263は、遠隔操作権を要求するための遠隔操作権要求信号を生成し、通信部210及びネットワーク21を介して、新規駐車車両に送信する。
【0099】
これに対して、新規駐車車両は、後述する
図8のステップS51において、遠隔操作権要求信号を受信する。
【0100】
ステップS3において、車両制御部263は、遠隔操作権が付与されたか否かを判定する。
【0101】
具体的には、新規駐車車両が、後述する
図8のステップS52において、遠隔操作権を付与すると判定した場合、ステップS53において、遠隔操作権付与信号を送信する。
【0102】
遠隔操作権付与信号は、管制装置13が新規駐車車両を遠隔操作するのに必要な遠隔操作情報を含む。例えば、遠隔操作情報は、新規駐車車両の車両情報、遠隔操作に必要なパスワード、遠隔操作が可能な車両11の動作の範囲等の情報を含む。また、例えば、遠隔操作権付与信号は、新規駐車車両が駐車場51から出庫する予定時刻を含む出庫予定情報を含んでいてもよい。
【0103】
これに対して、車両制御部263は、ネットワーク21及び通信部210を介して、新規駐車車両から遠隔操作権付与信号を受信した場合、遠隔操作権が付与されたと判定し、処理はステップS4に進む。
【0104】
なお、遠隔操作権が付与されることにより遠隔操作が許可される動作は、駐車場51内で新規駐車車両を移動するのに必要な範囲に制限される。例えば、加速、減速、ブレーキ、進行方向(舵角)等の遠隔操作が許可される。一方、ドアの開閉、空調制御、個人情報へのアクセス等の新規駐車車両の移動と関係ない動作の遠隔操作は許可されない。
【0105】
また、遠隔操作が可能な動作についても、必要に応じて制限が加えられる。例えば、新規駐車車両の速度、移動距離、及び、移動範囲(例えば、駐車場51内)等の制限が加えられる。
【0106】
さらに、例えば、遠隔操作を行う場所及び時間のうち少なくとも1つが制限される。例えば、遠隔操作が可能な場所が駐車場51内に制限されたり、遠隔操作が可能な時間が新規駐車車両の出庫予定時刻までに制限されたりする。
【0107】
これにより、新規駐車車両を遠隔操作により移動可能としつつ、盗難、車上荒らし、個人情報の流出、無駄なエネルギー消費等が防止される。
【0108】
ステップS4において、管制装置13は、降車場所を通知する。具体的には、車両制御部263は、降車スペース54の位置を含む降車場所通知信号を生成し、通信部210及びネットワーク21を介して、新規駐車車両に送信する。
【0109】
また、車両制御部263は、新規駐車車両の駐車を許可することをゲート制御部264に通知する。ゲート制御部264は、駐車場51の入口52の入場ゲートを開くことにより、新規駐車車両の駐車場51への進入を許可する。
【0110】
これに対して、新規駐車車両は、後述する
図8のステップS54において、降車場所通知信号を受信する。
【0111】
ステップS5において、車両制御部263は、ユーザが降車したか否かを判定する。ステップS5の判定処理は、ユーザが降車したと判定されるまで、繰り返し実行される。
【0112】
例えば、新規駐車車両のユーザは、新規駐車車両を降車スペース54まで移動させた後、新規駐車車両から降りる。新規駐車車両は、ユーザの降車を検出した場合、後述する
図8のステップS56において、ユーザの降車を通知するための降車通知信号を管制装置13に送信する。
【0113】
これに対して、車両制御部263は、ネットワーク21及び通信部210を介して、新規駐車車両から降車通知信号を受信した場合、ユーザが降車したと判定し、処理はステップS6に進む。
【0114】
ステップS6において、管制装置13は、各車両11の動きを計画する。
【0115】
具体的には、車両制御部263は、新規駐車車両を駐車するための計画の作成を計画部262に指示する。
【0116】
計画部262は、駐車場51内の各車両11の位置を示す情報を車両検出部261から取得する。例えば、計画部262は、駐車場51内の各車両11の位置、及び、各車両11の出庫予定時刻等に基づいて、新規駐車車両を含む駐車場51内の各車両11の配置を計画する。
【0117】
また、計画部262は、必要に応じて、新規駐車車両を計画した駐車位置に移動させるとともに、計画した配置を実現するための各車両11の動きを計画する。さらに、例えば、計画部262は、必要に応じて、各車両11の移動経路及び移動順等を計画する。
【0118】
計画部262は、作成した計画を示す情報を車両制御部263に供給する。
【0119】
ステップS7において、車両制御部263は、各車両11を移動させる。具体的には、車両制御部263は、計画部262により作成された計画に従って、通信部210及びネットワーク21を介して、遠隔操作の対象となる車両11に遠隔操作信号を送信する。
【0120】
例えば、車両制御部263は、計画部262により各車両11の動きが計画されている場合、各車両11の移動経路及び駐車位置を含む遠隔操作信号を各車両11に送信する。また、車両制御部263は、各車両11の移動順等に従って、各車両11に遠隔操作信号を送信するタイミングを制御する。これにより、各車両11は、遠隔操作により、計画された移動順及び移動経路に従って、計画された駐車位置に移動する。
【0121】
また、例えば、車両制御部263は、計画部262により各車両11の配置のみが計画されている場合、各車両11の駐車位置を含む遠隔操作信号を各車両11に送信する。これに対して、各車両11は、遠隔操作により、互いに通信を行い、協調しながら、計画された駐車位置に自律的に移動する。
【0122】
これにより、新規駐車車両が計画された駐車位置に駐車されるとともに、必要に応じて、他の車両11の配置が変更される。
【0123】
その後、処理はステップS8に進む。
【0124】
一方、ステップS3において、車両制御部263は、新規駐車車両から遠隔操作権付与信号を受信しなかった場合、遠隔操作権が付与されなかったと判定し、ステップS4乃至ステップS7の処理はスキップされ、処理はステップS8に進む。この場合、新規駐車車両は、駐車場51への駐車が許可されない。
【0125】
また、ステップS1において、新たに駐車する車両11がないと判定された場合、ステップS2乃至ステップS7の処理はスキップされ、処理はステップS8に進む。
【0126】
ステップS8において、車両制御部263は、出庫予定が通知されたか否かを判定する。具体的には、車両制御部263は、後述する
図8のステップS60において、車両11から送信された出庫予定通知信号を、ネットワーク21及び通信部210を介して受信した場合、出庫予定が通知されたと判定し、処理はステップS9に進む。なお、出庫予定通知信号は、車両11の出庫予定時刻を含む出庫予定情報を含む。
【0127】
また、車両制御部263は、ステップS3の処理で新規駐車車両から受信した遠隔操作権情報に出庫予定情報が含まれる場合、出庫予定が通知されたと判定し、処理はステップS9に進む。
【0128】
ステップS9において、計画部262は、出庫計画を更新する。具体的には、車両制御部263は、新たに受信した出庫予定情報を計画部262に供給する。計画部262は、取得した出庫予定情報に基づいて、駐車場51内の各車両11の出庫予定時刻を含む出庫計画を更新する。
【0129】
その後、処理はステップS10に進む。
【0130】
一方、ステップS8において、出庫予定が通知されていないと判定された場合、ステップS9の処理はスキップされ、処理はステップS10に進む。
【0131】
ステップS10において、計画部262は、出庫する車両11があるか否かを判定する。具体的には、計画部262は、出庫計画に基づいて、出庫予定時刻が現時刻から所定の時間内(例えば、3分以内)の車両11がある場合、出庫する車両11があると判定し、処理はステップS11に進む。
【0132】
ステップS11において、管制装置13は、各車両11の動きを計画する。
【0133】
具体的には、車両制御部263は、出庫する車両11(以下、出庫車両と称する)を出庫待機スペース55に移動させるための計画の作成を計画部262に指示する。
【0134】
計画部262は、駐車場51内の各車両11の位置を示す情報を車両検出部261から取得する。例えば、計画部262は、駐車場51内の各車両11の位置、及び、各車両11の出庫予定時刻等に基づいて、出庫車両の出庫後の駐車場51内の各車両11の配置を計画する。
【0135】
また、計画部262は、必要に応じて、出庫車両を出庫待機スペース55まで移動させるとともに、計画した配置を実現するための各車両11の動きを計画する。さらに、例えば、計画部262は、必要に応じて、各車両11の移動経路及び移動順等を計画する。
【0136】
計画部262は、作成した計画を示す情報を車両制御部263に供給する。
【0137】
ステップS12において、ステップS6の処理と同様に、作成された計画に従って、各車両11が移動される。これにより、出庫車両に対する移動の指示(出庫予定情報)に対応して、遠隔操作により出庫車両が所定の出庫位置である出庫待機スペース55に移動されるとともに、必要に応じて、遠隔操作により他の車両11の配置が変更される。
【0138】
ステップS13において、車両制御部263は、出庫する車両11の遠隔操作権を返却する。例えば、車両制御部263は、遠隔操作権を返却するための遠隔操作権返却信号を生成し、通信部210及びネットワーク21を介して、出庫車両に送信する。
【0139】
これに対して、出庫車両は、後述する
図8のステップS61において、遠隔操作権返却信号を受信する。
【0140】
また、車両制御部263は、出庫車両の遠隔操作情報を破棄する。
【0141】
さらに、車両制御部263は、例えば、駐車料金の支払いが確認された後、出庫車両の出庫を許可することをゲート制御部264に通知する。ゲート制御部264は、駐車場51の出口53のゲートを開くことにより、出庫車両の出庫を許可する。
【0142】
その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0143】
一方、ステップS10において、出庫する車両がないと判定された場合、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。
【0144】
<各車両11の処理>
次に、
図8のフローチャート及び
図7のシーケンス図を参照して、
図6の管制装置13の処理に対応して、各車両11により実行される処理について説明する。
【0145】
この処理は、例えば、車両11が、駐車場51に入庫するために、入口52の前で一旦停車したとき開始される。
【0146】
ステップS51において、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権の要求を受ける。すなわち、遠隔操作制御部113は、
図6のステップS2において管制装置13から送信された遠隔操作権要求信号を、ネットワーク21及び通信部103を介して受信する。
【0147】
ステップS52において、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権を付与するか否かを判定する。例えば、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権の承認画面の表示を出力制御部105に指示する。出力部106は、出力制御部105の制御の下に、遠隔操作権の承認画面を表示する。
【0148】
これに対して、車両11のユーザ(例えば、運転者)は、入力部101を介して、遠隔操作権の付与を承認するか否かを選択する。入力部101は、ユーザの選択結果を示すデータを遠隔操作制御部113に供給する。
【0149】
遠隔操作制御部113は、ユーザにより遠隔操作権の付与が許可された場合、遠隔操作権を付与すると判定し、処理はステップS53に進む。
【0150】
ステップS53において、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権を付与する。具体的には、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権付与信号を生成する。このとき、例えば、入力部101を介して、ユーザにより出庫予定時刻が入力された場合、遠隔操作制御部113は、出庫予定時刻を含む出庫予定情報を遠隔操作権付与信号に含める。遠隔操作制御部113は、通信部103及びネットワーク21を介して、遠隔操作権付与信号を管制装置13に送信する。
【0151】
ステップS54において、遠隔操作制御部113は、降車場所の通知を受ける。具体的には、遠隔操作制御部113は、
図6のステップS4において管制装置13から送信された降車場所通知信号を、ネットワーク21及び通信部103を介して受信する。遠隔操作制御部113は、降車スペース54の位置の通知を出力制御部105に指示する。例えば、出力部106は、出力制御部105の制御の下に、降車スペース54の位置を示す画像又は音声を出力する。
【0152】
その後、例えば、新規駐車車両のユーザは、新規駐車車両を降車スペース54まで移動させる。
【0153】
ステップS55において、状況認識部153は、車内情報検出部142から供給される車両11内の情報の検出処理の結果を示すデータに基づいて、ユーザが降車したか否かを判定する。この判定処理は、車両11内の全てのユーザが降車したと判定されるまで繰り返され、車両11内の全てのユーザが降車したと判定された場合、処理はステップS56に進む。
【0154】
ステップS56において、状況認識部153は、ユーザの降車を通知する。具体的には、状況認識部153は、ユーザの降車を通知するための降車通知信号を生成し、通信部103及びネットワーク21を介して、管制装置13に送信する。
【0155】
ステップS57において、遠隔操作制御部113は、管制装置13の指示を受けたか否かを判定する。遠隔操作制御部113は、
図6のステップS7又はステップS12において管制装置13から送信された遠隔操作信号を、ネットワーク21及び通信部103を介して受信した場合、管制装置13の指示を受けたと判定し、処理はステップS58に進む。
【0156】
ステップS58において、車両11は、管制装置13の指示に対応した処理を行う。
【0157】
遠隔操作制御部113は、遠隔操作信号により指示された動作が許可された範囲内である場合、遠隔操作信号をルート計画部161に供給する。
【0158】
ルート計画部161は、例えば、移動経路が遠隔操作信号に含まれる場合、遠隔操作信号に含まれる移動経路を示すデータを行動計画部162に供給する。
【0159】
一方、ルート計画部161は、例えば、移動経路が遠隔操作信号に含まれない場合、通信部103及びネットワーク21を介して、駐車場51内の他の車両11と通信を行い、他の車両11と協調しながら、指定された移動先までの移動経路を計画する。ルート計画部161は、計画した移動経路を示すデータを行動計画部162等に供給する。
【0160】
行動計画部162は、ルート計画部161から通知された移動経路を移動するための車両11の行動を計画する。行動計画部162は、計画した車両11の行動を示すデータを動作計画部163等に供給する
【0161】
動作計画部163は、行動計画部162により計画された行動を実現するための車両11の動作を計画する。例えば、動作計画部163は、加速、減速、及び、走行軌道等の計画を行う。動作計画部163は、計画した車両11の動作を示すデータを、動作制御部135等に供給する。
【0162】
動作制御部135は、駆動系制御部107を介して駆動系システム108を制御し、車両11の動作(例えば、加減速制御や方向制御等)を制御することにより、動作計画部163により計画された車両11の動作を実現する。
【0163】
これにより、車両11が、管制装置13による遠隔操作に従って動作し、指示された位置(例えば、駐車位置又は出庫待機スペース55)に移動する。例えば、車両11は、管制装置13による遠隔操作に従って、降車スペース54から駐車位置まで移動する。また、例えば、車両11は、管制装置13が遠隔操作により他車を降車スペース54から駐車位置まで移動させるのに対応して行う遠隔操作に従って、他の駐車位置に移動する。さらに、例えば、車両11は、管制装置13が他車に対する出庫待機スペース55への移動の指示(出庫予定情報)に対応して遠隔操作により他車を出庫待機スペース55まで移動させるのに対応して行う遠隔操作に従って、他の駐車位置に移動する。また、例えば、車両11は、管制装置13が自車に対する出庫待機スペース55への移動の指示(出庫予定情報)に対応して行う遠隔操作に従って、出庫待機スペース55に移動する。
【0164】
なお、遠隔操作制御部113は、遠隔操作信号により指示された動作が許可された範囲外である場合、例えば、遠隔操作信号を無視する。これにより、車両11が遠隔操作により許可された範囲外の動作を行うことが防止される。
【0165】
その後、処理はステップS59に進む。
【0166】
一方、ステップS57において、管制装置13の指示を受けていないと判定された場合、ステップS58の処理はスキップされ、処理はステップS59に進む。
【0167】
ステップS59において、遠隔操作制御部113は、出庫の指示を受けたか否かを判定する。
【0168】
例えば、情報端末12は、ユーザにより車両11の出庫の指示が入力された場合、出庫予定時刻を含む出庫指示信号を生成する。出庫予定時刻は基本的にユーザにより設定されるが、例えば、ユーザによりすぐに出庫するように指示された場合、情報端末12は、現在の時刻又は現在の時刻より所定の時間後(例えば、3分後)を出庫予定時刻に設定する。また、例えば、ユーザにより所定の時間後に出庫するように指示された場合、情報端末12は、現在の時刻から所定の時間後の時刻を出庫予定時刻に設定する。情報端末12は、ネットワーク21を介して、又は、直接、出庫指示信号を車両11に送信する。
【0169】
遠隔操作制御部113は、情報端末12から送信された出庫指示信号を、ネットワーク21及び通信部103を介して受信した場合、出庫の指示を受けたと判定し、処理はステップS60に進む。
【0170】
ステップS60において、車両11は、管制装置13に出庫予定通知信号を送信する。具体的には、遠隔操作制御部113は、出庫指示信号に基づいて、車両11の出庫予定時刻を含む出庫予定通知信号を生成し、通信部103及びネットワーク21を介して管制装置13に送信する。
【0171】
その後、処理はステップS61に進む。
【0172】
一方、ステップS59において、出庫の指示を受けていないと判定された場合、ステップS60の処理はスキップされ、処理はステップS61に進む。
【0173】
ステップS61において、遠隔操作制御部113は、遠隔操作権が返却されたか否かを判定する。遠隔操作権が返却されていないと判定された場合、処理はステップS57に戻る。
【0174】
その後、ステップS61において、遠隔操作権が返却されたと判定されるまで、ステップS57乃至ステップS61の処理が繰り返し実行される。
【0175】
一方、ステップS61において、遠隔操作制御部113は、
図6のステップS13において管制装置13が送信した遠隔操作権返却信号を、ネットワーク21及び通信部103を介して受信した場合、遠隔操作権が返却されたと判定し、処理はステップS62に進む。
【0176】
ステップS62において、遠隔操作制御部113は、管制装置13による遠隔操作を無効にする。これ以降、遠隔操作制御部113は、管制装置13による遠隔操作を禁止し、管制装置13から遠隔操作信号を受信しても、対応しない。
【0177】
その後、車両11の処理は終了する。
【0178】
一方、ステップS52において、遠隔操作制御部113は、ユーザにより遠隔操作権の付与が許可されなかった場合、遠隔操作権を付与しないと判定し、車両11の処理は終了する。
【0179】
以上のようにして、駐車場51内において、各車両11の駐車及び出庫を円滑に行うことができる。
【0180】
また、駐車場51内の駐車スペースを有効に利用することができ、駐車可能台数を増やすことができる。これにより、駐車場51の収益性が向上する。
【0181】
さらに、ユーザは、駐車時に車両11を降車スペース54に置き、出庫時に出庫待機スペース55に移動された車両11に搭乗するだけでよい。これにより、ユーザは、空きスペースの探索、駐車位置への入庫、駐車位置からの出庫、車両11を駐車した位置の探索等の煩瑣な作業から解放される。
【0182】
<<2.変形例>>
以下、上述した本技術の実施の形態の変形例について説明する。
【0183】
管制装置13が遠隔操作権を要求及び返却するタイミングは、変更することが可能である。例えば、管制装置13が、車両11が駐車場51に入ってから遠隔操作権を要求したり、車両11が駐車場51から出てから遠隔操作権を返却したりするようにしてもよい。
【0184】
また、例えば、遠隔操作権の付与を許可しない車両11専用の駐車スペースを駐車場51内に設けるようにしてもよい。そして、遠隔操作権の付与を許可しない場合、例えば、従来の駐車場と同様に、ユーザが自分で専用の駐車スペースに車両11を駐車したり、駐車スペースから出庫したりするようにすればよい。
【0185】
さらに、以上の説明では、車両11が管制装置13に出庫予定通知信号を送信する例を示したが、例えば、車両11に対応付けられている情報端末12が、管制装置13に車両11に関する出庫予定通知信号を送信するようにしてもよい。
【0186】
また、例えば、情報端末12が、対応付けられている車両11に出庫予定通知信号を送信するようにしてもよい。これに対して、例えば、車両11は、行動計画を作成し、作成した行動計画を管制装置13に送信するようにしてもよい。管制装置13は、受信した車両11の行動計画に対応して、車両11が行動計画に従って動作できるように、他の車両11の遠隔操作を行うようにしてもよい。
【0187】
さらに、本技術は、一般的な駐車場以外にも、例えば、倉庫や建物等の所定の領域内に複数の車両を駐車する場合に適用することができる。
【0188】
また、本技術を適用可能な車両の種類は、特に限定されない。例えば、乗用車、トラック、バス以外にも、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、建設機械、農業機械(トラクター)等の車両を所定の領域内に駐車する場合にも本技術を適用することができる。
【0189】
また、本技術は、船舶、飛行機等の車両以外の移動体を所定の領域内に停留させる場合にも適用することができる。
【0190】
<<3.その他>>
<ソフトウエアの提供方法等>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、車両11や管制装置13にインストールされる。
【0191】
例えば、管制装置13では、CPU201が、記憶部209に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、一連の処理が行われる。
【0192】
管制装置13(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア212に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0193】
管制装置13では、プログラムは、リムーバブルメディア212をドライブ211に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部209にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部210で受信し、記憶部209にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部209に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0194】
なお、車両11及び管制装置13が実行するプログラムは、時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0195】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0196】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0197】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0198】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0199】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0200】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0201】
(1)
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う動作制御部と
を備える車両制御装置。
(2)
前記情報処理装置は、前記他車、又は、前記他車に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、
前記動作制御部は、前記情報処理装置が前記移動の指示に対応して前記他車の遠隔操作とともに行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
前記(1)に記載の車両制御装置。
(3)
前記他車は、前記他車に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、前記移動の指示に対応する行動計画を作成し、
前記動作制御部は、前記情報処理装置が前記行動計画に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
前記(1)に記載の車両制御装置。
(4)
前記遠隔操作制御部は、駐車場内で前記車両の遠隔操作を許可し、
前記動作制御部は、前記駐車場内において前記情報処理装置による遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の車両制御装置。
(5)
前記動作制御部は、前記情報処理装置により指定された移動経路に従って、前記車両を前記駐車場内の指定された位置に移動させる
前記(4)に記載の車両制御装置。
(6)
前記駐車場内の他車と協調して、前記情報処理装置により指定された位置までの行動を計画する計画部を
さらに備え、
前記動作制御部は、前記計画部により計画された行動に従って、前記車両を前記指定された位置まで移動させる
前記(4)に記載の車両制御装置。
(7)
前記遠隔操作制御部は、前記車両の速度、前記車両の移動距離、前記車両の移動範囲、前記車両の遠隔操作が可能な場所、及び、前記車両の遠隔操作が可能な時間のうち少なくとも1つを制限する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の車両制御装置。
(8)
前記遠隔操作制御部は、前記車両のドアの遠隔操作及び前記車両内の個人情報のアクセスを許可しない
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の車両制御装置。
(9)
車両制御装置が、
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行うによる遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
車両制御方法。
(10)
車両の遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行い、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、前記車両の動作の制御を行う
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(11)
駆動部と、
遠隔操作を行う権限である遠隔操作権の承認を行う遠隔操作制御部と、
前記遠隔操作権が付与された情報処理装置が他車に対する移動の指示に対応して行う遠隔操作に従って、駆動部の制御を行う動作制御部と
を備える車両。
(12)
第1の車両の検出を行う車両検出部と、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う車両制御部と
を備える情報処理装置。
(13)
前記第2の車両、又は、前記第2の車両に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信する通信部を
さらに備え、
前記車両制御部は、前記移動の指示に対応して前記第2の車両の遠隔操作とともに前記第1の車両の遠隔操作を行う
前記(12)に記載の情報処理装置。
(14)
前記第2の車両は、前記第2の車両に対応付けられている情報端末から前記移動の指示を受信し、前記移動の指示に対応する行動計画を生成し、
前記車両制御部は、前記行動計画に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
前記(12)に記載の情報処理装置。
(15)
前記車両制御部は、駐車場内で前記第1の車両を移動させることにより、前記第1の車両の位置を制御する
前記(12)乃至(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)
前記車両制御部は、前記駐車場内での移動経路を前記第1の車両に指示する
前記(15)に記載の情報処理装置。
(17)
前記車両制御部は、前記駐車場に入庫する車両に前記遠隔操作権を要求する
前記(15)又は(16)に記載の情報処理装置。
(18)
前記車両制御部は、前記第1の車両が前記駐車場から出庫する場合、前記遠隔操作権を返却する
前記(15)乃至(17)のいずれかに記載の情報処理装置。
(19)
情報処理装置が、
第1の車両の検出を行い、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、
前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
情報処理方法。
(20)
第1の車両の検出を行い、
前記第1の車両に遠隔操作を行う権限である遠隔操作権を要求し、
前記遠隔操作権が付与された場合、第2の車両に対する移動の指示に対応して前記第1の車両の遠隔操作を行う
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0202】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0203】
1 駐車制御システム, 11-1乃至11-n 車両, 12-1乃至12-n 情報端末, 13 管制装置, 51 駐車場, 100 車両制御システム, 107 駆動系制御部, 108 駆動系システム, 112 自動運転制御部, 113 遠隔操作制御部, 131 検出部, 132 自己位置推定部, 133 状況分析部, 134 計画部, 135 動作制御部, 141 車外情報検出部, 143 車両状態検出部, 153 状況認識部, 161 ルート計画部, 162 行動計画部, 163 動作計画部, 201 CPU, 251 駐車制御部, 261 車両検出部, 262 計画部, 263 車両制御部, 264 ゲート制御部