IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フューチャースタンダードの特許一覧

特開2022-28155手洗い管理システム及び手洗い管理方法
<>
  • 特開-手洗い管理システム及び手洗い管理方法 図1
  • 特開-手洗い管理システム及び手洗い管理方法 図2
  • 特開-手洗い管理システム及び手洗い管理方法 図3
  • 特開-手洗い管理システム及び手洗い管理方法 図4
  • 特開-手洗い管理システム及び手洗い管理方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028155
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】手洗い管理システム及び手洗い管理方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
A47K1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131373
(22)【出願日】2020-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】514065025
【氏名又は名称】株式会社フューチャースタンダード
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 哲史
(57)【要約】      (修正有)
【課題】手洗いを行う者に追加の操作を要求することなく、容易に手洗いの管理を行うことができる手洗い管理システムを提供する。
【解決手段】手洗い管理システムは、撮像装置110により取得した画像から顔画像を検知する処理を行う顔検知手段122と、顔検知手段122により検知した顔画像から個人を特定する処理を行う認証手段123と、撮像装置110により取得した画像から手洗い動作を検出する処理を行う手洗い動作検出手段125と、少なくとも手洗い動作検出手段125により検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測する計測手段126と、認証手段123により特定された個人と、計測手段126により計測された手洗い動作の時間と、を紐づけて記録する記録手段127と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により取得した画像から顔画像を検知する処理を行う顔検知手段と、
前記顔検知手段により検知した前記顔画像から個人を特定する処理を行う認証手段と、
前記撮像装置により取得した画像から手洗い動作を検出する処理を行う手洗い動作検出手段と、
少なくとも前記手洗い動作検出手段により検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測する計測手段と、
前記認証手段により特定された個人と、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間と、を紐づけて記録する記録手段と、を含む、手洗い管理システム。
【請求項2】
前記計測手段は、前記手洗い動作検出手段により検出された手洗い動作の時間と、前記顔検知手段による顔画像の検知と、に基づいて、手洗い時間を計測するよう構成されている、請求項1に記載の手洗い管理システム。
【請求項3】
前記撮像装置により取得した画像は、魚眼レンズを通して取得した画像であり、
前記手洗い管理システムは、前記魚眼レンズを通して取得した画像の歪を補正する歪み補正手段を有する、請求項1又は2に記載の手洗い管理システム。
【請求項4】
前記顔検知手段と前記認証手段と前記手洗い動作検出手段の少なくとも1つは、前記歪み補正手段により補正された画像に基づいて処理を行う、請求項3に記載の手洗い管理システム。
【請求項5】
前記認証手段は、予め記録されている顔画像と、前記顔検知手段により検知した前記顔画像とを比較することによって、個人の特定を行うよう構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の手洗い管理システム。
【請求項6】
前記手洗い管理システムは、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間に関する情報を出力するよう表示装置に要求するよう構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の手洗い管理システム。
【請求項7】
前記記録手段は、前記認証手段により特定された個人と、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間と、手洗い動作が行われた時刻と、を紐づけて記録するよう構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の手洗い管理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
撮像装置により取得した画像から顔画像を検知する処理を行う顔検知ステップと、
前記顔検知ステップにより検知した前記顔画像から個人を特定する処理を行う認証ステップと、
前記撮像装置により取得した画像から手洗い動作を検出する処理を行う手洗い動作検出ステップと、
少なくとも前記手洗い動作検出ステップにより検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測する計測ステップと、
前記認証ステップにより特定された個人と、前記計測ステップにより計測された前記手洗い動作の時間と、を紐づけて記録する記録ステップと、
を実行する、手洗い管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手洗い管理システム及び手洗い管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品工場、食堂、病院等の施設では、衛生管理が重要である。したがって、このような施設では、作業者は、身体、例えば手や指を清潔にすることが求められる。このような観点から、人の手洗いを検知し、監視するシステムが提案されている。
【0003】
特許文献1は、撮影した動画に基づいて人の手洗い動作を判定することが可能な手洗いモニタを開示している。特許文献1では、手洗いシンク付近に設置されたタッチパネルのディスプレイに表示された作業名を、作業者自身がタッチすることにより、手洗いする者の認証が行われる。
【0004】
特許文献2は、撮像装置によって人の手洗いを検出することによって、手洗いの手順を監視するシステムを開示する。また、特許文献2は、指の静脈認証によって手洗いの実行者を特定する機能も開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-017631号
【特許文献2】特開2020-091739号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2では、カメラで取得した画像から手洗い検知をするとともに、手洗いを行っている者の特定(認証)を行うことが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されているように、手洗いを行う者自身がタッチパネルを操作することにより認証を行う場合、手で直接タッチパネルを触るため、衛生面において改善の余地が生じることもあり、また、手洗いを実行する者に追加の行為を要求することにもなる。
【0007】
また、特許文献2に記載されているような指の静脈認証は、認証用のカメラの表面のガラスに指を直接当てたり、認証用のカメラに向けて手をかざすことが要求される。したがって、衛生面において改善の余地が生じることもあり、また、手洗いを実行する者に追加の行為を要求することにもなる。
【0008】
したがって、手洗いを行う者に追加の操作を要求することなく、容易に手洗いの管理を行うことができる手洗い管理システム及び手洗い管理方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る手洗い管理システムは、撮像装置により取得した画像から顔画像を検知する処理を行う顔検知手段と、前記顔検知手段により検知した前記顔画像から個人を特定する処理を行う認証手段と、前記撮像装置により取得した画像から手洗い動作を検出する処理を行う手洗い動作検出手段と、少なくとも前記手洗い動作検出手段により検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測する計測手段と、前記認証手段により特定された個人と、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間と、を紐づけて記録する記録手段と、を含む。
【0010】
好ましい一態様によれば、前記計測手段は、前記手洗い動作検出手段により検出された手洗い動作の時間と、前記顔検知手段による顔画像の検知と、に基づいて、手洗い時間を計測するよう構成されている。
【0011】
好ましい一態様によれば、前記撮像装置により取得した画像は、魚眼レンズを通して取得した画像であり、前記手洗い管理システムは、前記魚眼レンズを通して取得した画像の歪を補正する歪み補正手段を有する。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記顔検知手段と前記認証手段と前記手洗い動作検出手段の少なくとも1つは、前記歪み補正手段により補正された画像に基づいて処理を行う。
【0013】
好ましい一態様によれば、前記認証手段は、予め記録されている顔画像と、前記顔検知手段により検知した前記顔画像とを比較することによって、個人の特定を行うよう構成されている。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記手洗い管理システムは、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間に関する情報を出力するよう表示装置に要求するよう構成されている。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記記録手段は、前記認証手段により特定された個人と、前記計測手段により計測された前記手洗い動作の時間と、手洗い動作が行われた時刻と、を紐づけて記録するよう構成されている。
【0016】
一態様に係る手洗い管理方法では、コンピュータが、撮像装置により取得した画像から顔画像を検知する処理を行う顔検知ステップと、前記顔検知ステップにより検知した前記顔画像から個人を特定する処理を行う認証ステップと、前記撮像装置により取得した画像から手洗い動作を検出する処理を行う手洗い動作検出ステップと、少なくとも前記手洗い動作検出ステップにより検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測する計測ステップと、前記認証ステップにより特定された個人と前記計測ステップにより計測された前記手洗い動作の時間とを紐づけて記録する記録ステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0017】
上記態様によれば、手洗いを行う者に追加の操作を要求することなく、容易に手洗いの管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】手洗い管理システムの内部構成例を示す図である。
図2】手洗い場付近に設置された撮像装置の模式図である。
図3】魚眼レンズを通して取得した画像の歪み補正処理の一例を説明するための模式図である。
図4】表示装置に出力される画像の一例を説明するための模式図である。
図5】記録手段に記録される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0020】
図1は、一実施形態における証明発行装置の模式図である。図2は、温度測定装置の内部構成例を示す図である。図3は、管理サーバの内部構成例を示す図である。図4は、出力装置から出力された記録媒体を示す模式図である。
【0021】
一実施形態において、手洗い管理システム100は、撮像装置110と、表示装置130と、管理サーバ120と、を備えていてよい。
【0022】
撮像装置110は、所定のフレーム周期で画像を繰り返し取得するカメラであってよい。フレーム周期は、特に制限されないが、例えば10~60フレーム/秒であってよい。
【0023】
好ましくは、撮像装置110は、魚眼レンズを有する。魚眼レンズを有する撮像装置110は、例えば170°以上、好ましくは180°以上の画角を有していてよい。また、魚眼レンズを有する撮像装置110は、等距離射影方式のものであってもよく、等立体角射影方式のものであってもよい。
【0024】
撮像装置110は、手洗い場で手を洗っている最中の人の顔と手を撮像できるよう設置される(図2参照)。例えば、撮像装置110は、手洗い場の蛇口の上方付近に設置される。具体的には、撮像装置110は、蛇口に向かって立つ人の正面又は当該正面の上方に設置されることが好ましい。
【0025】
焦点距離が比較的長く、かつ比較的小さい画角の撮像装置の場合、手洗い中の人の顔と手の両方を撮像するためには、撮像装置110は、蛇口から遠くに設置される必要がある。しかしながら、既存の建物では、蛇口から遠くの壁面と蛇口との間にどのような建材や物が存在するかわからない。そのため、手洗い中の人の顔と手の両方を撮像できる最適な領域が存在するとは限らない。前述した魚眼レンズを有する撮像装置110では、蛇口の上方の壁面に設置すれば、手洗い中の人の顔と手の両方を撮像できるというメリットがある。蛇口は、通常、壁部に設置されるため、魚眼レンズを有する撮像装置110は、ほとんどの建物において設置可能である。
【0026】
撮像装置110は、取得した画像を管理サーバ120へ送信する。撮像装置110により取得した画像は、直接管理サーバ120へ送信されてもよいし、不図示の中継装置等を経て管理サーバ120へ送信されてもよい。
【0027】
表示装置130は、撮像装置110の近くに設置されていてよい。表示装置130は、手洗いを実行する者に対して情報を表示する(図4参照)。表示装置130は、撮像装置110によって取得した画像や、後述する管理サーバ120から送られる情報を表示する。撮像装置110によって取得された画像は、直接、表示装置130に送られても良いし、管理サーバ120を経て表示装置130に送られても良い。表示装置130の種類は、動画を表示可能であれば特に制限されない。一例では、表示装置130は、液晶パネル又は有機ELパネル等であってよい。
【0028】
管理サーバ120は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含むコンピュータにより構成されていてよい。
【0029】
CPUは、管理サーバ120を制御する演算装置である。ROMは、CPUによる各種の処理を実現するプログラムなどを記憶する。RAMは、CPUによる各種の処理に必要なデータを記憶する。
【0030】
管理サーバ120は、前述したように、撮像装置110によって取得された画像を受信する。管理サーバ120は、取得した画像に対して後述する所定の処理を実行するための各種の手段を有する。これらの手段は、前述したCPU、ROM、及びRAM等により実現される。
【0031】
管理サーバ120は、歪み補正手段121と、顔検知手段122と、認証手段123と、手検知手段124と、手洗い動作検出手段125と、計測手段126と、記憶手段127と、を有していてよい。
【0032】
歪み補正手段121は、好ましくは、撮像装置110が魚眼レンズを含む場合に用いられる。歪み補正手段121は、魚眼レンズを通して取得した画像の歪を補正するよう構成されている。
【0033】
歪み補正手段121による画像の歪みの補正方法は、任意の方法により実行できる。例えば、図3に示すように、撮像装置110によって予めチェッカーボードパターンの画像(魚眼レンズを通して取得した画像)を取得する。歪み補正手段121は、魚眼レンズを通して取得したチェッカーボードパターンの画像から、チェッカーボードの各格子の角に相当する座標を算出する。歪み補正手段121は、この座標を、チェッカーボードの各格子が正方形になるように座標変換する。ここで得られた座標変換の値は、後の歪みの補正のために記憶しておく。
【0034】
歪み補正手段121は、撮像装置110によって取得した画像に対して、前述した座標変換を適用することによって、魚眼レンズを通して取得した画像の歪みを解消した補正画像を出力することができる。
【0035】
顔検知手段122は、撮像装置110により取得した画像から、顔画像を検知する処理を行うよう構成されていてよい。顔検知手段122は、画像内に人の顔が存在するかどうかを検知可能であればよい。このような顔画像の検知は、公知の任意の画像処理技術により実行できる。例えば、顔検知手段122は、ディープラーニングを用いた機械学習による検出技術によって、画像中に含まれる複数の特徴点(例えば目、鼻、口等)を検出し、それらの特徴点の位置関係に基づいて顔の検知をすることができる。
【0036】
認証手段123は、顔検知手段122により検知した顔画像から個人を特定する処理を行うよう構成されている。認証手段123は、予め記録されている顔画像と、顔検知手段122により検知した顔画像とを比較することによって、個人の特定を行うよう構成されている。
【0037】
例えば、管理サーバ120は、人の顔画像と、人の氏名と、当該人のID番号などを紐づけて記憶していてよい。例えば、会社等のグループでは、ID番号は、社員番号などであってよい。
【0038】
この場合、認証手段123は、顔検知部122により検知した顔の画像が、予め記憶されている人の情報と一致するかどうかを判断することができる。認証手段123による顔の認証は、公知の任意の技術によって行うことができる。顔認証は、例えば、ニューラルネットワークを用いた機械学習を利用した画像認証技術によって実行することができる。
【0039】
これにより、認証手段123は、撮像装置110によって取得した画像に映る者、すなわち手洗いを実行している者が、予め記憶されている人物の情報のうちの誰であるかを特定することができる。
【0040】
撮像装置110が魚眼レンズを含む場合、認証手段123は、歪み補正手段121により補正された画像に基づいて顔認証の処理を行うことが好ましい。すなわち、認証手段123は、魚眼レンズによる歪を補正した顔画像と、予め記録されている顔画像とを対比することによって、顔認証を行えばよい。
【0041】
撮像装置110によって取得した画像に基づいた顔認証によって手を洗っている者を特定することができる。したがって、手を洗う者は、個人の認証のために、追加の行為を行う必要がない。また、手を洗う者は、認証のためにカメラやセンサ等を触れる必要がないため、衛生面においてもメリットがある。
【0042】
手検知手段124は、撮像装置110により取得した画像から手の画像を検知する処理を行うよう構成されていてよい。より好ましくは、手検知手段124は、撮像装置110により取得した画像のうちの所定の領域に、手、好ましくは両手が存在するかどうかを検知する。所定の領域は、例えば水道の蛇口の直下を含む領域であってよい。
【0043】
手検知手段124は、所定の領域に両手が存在するかどうかを検知可能であればよい。このような画像の検知は、公知の任意の画像処理技術により実行できる。例えば、手検知手段124による手の検知は、例えば、ニューラルネットワークを用いた機械学習を利用した画像認証技術によって実行することができる。
【0044】
撮像装置110が魚眼レンズを含む場合、手検知手段124は、歪み補正手段121により補正された画像に基づいて手検知の処理を行うことが好ましい。
【0045】
手洗い動作検出手段125は、撮像装置により取得した画像、好ましくは歪み補正後の画像から、手洗い動作を検出する処理を行うよう構成されている。手洗い動作検出手段125は、手検知手段124によって検知された両手が動いているかどうかを判断することができれば、どのような処理を行っても良い。
【0046】
例えば、手洗い動作検出手段125は、所定の時間間隔を置いて取得された2つの画像の差分を算出する。算出された差分が所定の閾値以上であった場合、手洗い動作検出手段125は、手洗いを実行している者の両手が動いていると判断する。
【0047】
ここで、手洗い動作検出手段125は、撮像装置110により取得した画像のうち、手検知手段124により検知する対象の所定の領域の画像部分を用いて、両手の動きを判断してもよい。
【0048】
手洗い動作検出手段125は、例えば、ディープラーニングを用いた機械学習による検出技術によって実行することができる。この場合、手洗い動作検出手段125は、画像中の手に含まれる複数の特徴点(例えば指の関節等)を検出し、それらの特徴点の位置関係に基づいて手の動きを判定することができる。
【0049】
手が動いているかどうかについては、近い時間に撮像された2枚の画像の差分を算出することによって判定可能である。
【0050】
計測手段126は、少なくとも手洗い動作検出手段125により検出された手洗い動作の時間に基づいて、手洗い時間を計測するよう構成されている。計測手段126は、手洗い動作検出手段125により手が動いていると判定されている間、手洗い時間を累積的にカウントすることが好ましい。言い換えると、手洗い動作検出手段125が手が止まっていると判定した期間、計測手段126は、手洗い時間のカウントを停止していてよい。これにより、計測手段126は、実際に手洗いの動作を行った合計の時間を計測することができる。
【0051】
計測手段126は、手洗い動作検出手段125により検出された手洗い動作の時間と、顔検知手段による顔画像の検知と、の両方に基づいて、手洗い時間を計測してもよい。例えば、手洗い動作検出手段125が手の動きを検出したとしても、顔検知手段122により顔が検知されていない場合、正しい手洗い動作が行われていない可能性がある。したがって、計測手段126は、手洗い動作検出手段125により手が動いていると判定されている期間であって、顔検知手段122により顔が検知されている期間を累積的にカウントしてもよい。
【0052】
記録手段127は、認証手段123により特定された個人の情報と、計測手段126により計測された手洗い動作の時間と、を紐づけて記録するよう構成されている(図5参照)。より具体的には、記録手段127は、手洗い動作が行われた時刻も紐づけて記録するよう構成されていてよい。
【0053】
図5に示される例では、記録手段127は、認証手段123により特定された個人の情報としてユーザIDと氏名が記録されている。また、記録手段127は、手洗い動作の評価値も紐づけて記録されていてよい。
【0054】
手洗い動作の評価値は、管理サーバ120が自動で算出する。例えば、手洗い動作の評価値は、計測手段126により計測された手洗い動作の時間に基づいて算出される。また、手洗い管理システムは、手洗いの実行者が石鹸のような洗浄剤を使用したかどうかを、自動で判別してもよい。この場合、手洗い動作の評価値は、手洗い動作の時間と洗浄剤の使用とに基づいて算出されることが好ましい。
【0055】
前述した表示装置130は、計測手段126により計測された手洗い動作の時間に関する情報を出力してもよい。図4に示す例では、表示装置130に手洗い動作の時間が表示されている。また、表示装置130は、認証手段123により特定され個人の情報を出力してもよい。図4に示す例では、表示装置130に手洗い動作を実行している者の氏名が表示されている。
【0056】
次に、手洗い管理システムによる手洗い管理方法の各処理の流れの一例について説明する。まず、撮像装置110は、手洗い管理システムの起動中において、常時、手洗い場の蛇口とそのまわりの画像(動画)を取得する。撮像装置110は、取得した画像を管理サーバ120に送信する。
【0057】
管理サーバ120は、受信した画像に対して必要に応じて歪み補正ステップを実行する。歪み補正ステップは、魚眼レンズを通して取得した画像の歪を補正する処理である。歪みの補正方法は、前述したとおりである。
【0058】
次に、手検知手段124が、撮像装置110により取得した画像、好ましくは歪み補正後の画像から、手の画像を検知する処理を行う。手検知手段124は、好ましくは、予め設定された所定の領域に、手、好ましくは両手が存在するかどうかを検知する(手検知ステップ)。所定の領域は、例えば水道の蛇口の直下を含む領域であってよい。
【0059】
手検知手段124が所定の領域に手が存在することを検知した場合、顔検知手段122が、撮像装置110により取得した画像、好ましくは歪み補正後の画像から、顔画像を検知する処理を行う(顔検知ステップ)。顔の検知は、前述した方法により実行される。
【0060】
手検知手段124が手を検知し、かつ顔検知手段122が顔を検知した場合に、管理サーバ120は、手洗いが行われると判断する。したがって、手検知手段124が手を検知し、かつ顔検知手段122が顔を検知したことをトリガーとして、管理サーバ120は、後述の手洗い動作検出ステップや、手洗い時間を計測する計測ステップ等を実行すればよい。
【0061】
手洗い動作検出ステップでは、手洗い動作検出手段125が、手洗い動作検出手段125は、撮像装置110により取得した画像、好ましくは歪み補正後の画像から、手洗い動作を検出する処理を行う。手洗い動作検出手段125は、前述したように、手検知手段124によって検知された両手が動いているかどうかを判断する。
【0062】
手洗い動作検出手段125が、手の動作が止まっていると判定した場合、管理サーバ120は、好ましくは、表示装置130に警告を表示するよう要求する。これにより、手洗いの実行者は、手洗いの動作が適切ではないということを認識することができる。
【0063】
計測手段126は、前述したように、少なくとも手洗い動作検出手段125により検出された手洗い動作の時間に基づいて、好ましくは、手洗い動作検出手段125により検出された手洗い動作の時間と顔検知手段122による顔画像の検知との両方に基づいて、手洗い時間を計測する(計測ステップ)。計測手段126による手洗い動作の時間の計測方法については、前述したとおりである。
【0064】
計測手段126が計測中の手洗い動作の時間は、表示装置130に表示されることが好ましい。これにより、手洗いの実行者は、手洗い動作の時間を認識することができる。
【0065】
手洗い動作検出手段125により手洗い動作が停止したと判定され、かつ顔検知手段122により顔が検知されなくなってから所定の期間経過した場合、管理サーバ120は、一連の手洗い動作が終了したと判定する。この場合、記録手段127が、認証手段123により特定された個人の情報と、計測手段126により計測された手洗い動作の時間と、を紐づけて記録する(図5参照)。
【0066】
また、記録手段127は、手洗い動作が行われた時刻も紐づけて記録するよう構成されていてよい。手洗い動作が行われた時刻は、例えば、手検知手段124による手の検知と、顔検知手段122手段による顔の検知が行われたときであってよい。
【0067】
上記の実施形態で説明した処理をコンピュータが行う方法も本発明の範囲に含まれることに留意されたい。さらに、そのような方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。
【0068】
このようなコンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)に格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。
【0069】
非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0070】
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0071】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0072】
100 手洗い管理システム
110 撮像装置
120 管理サーバ
121 歪み補正手段
122 顔検知手段
123 認証手段
124 手検知手段
125 手洗い動作検出手段
126 計測手段
127 記憶手段
130 表示装置

図1
図2
図3
図4
図5