IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サクラボの特許一覧 ▶ 株式会社ジュニー・クルールの特許一覧

<>
  • 特開-下肢用衣料 図1
  • 特開-下肢用衣料 図2
  • 特開-下肢用衣料 図3
  • 特開-下肢用衣料 図4
  • 特開-下肢用衣料 図5
  • 特開-下肢用衣料 図6
  • 特開-下肢用衣料 図7
  • 特開-下肢用衣料 図8
  • 特開-下肢用衣料 図9
  • 特開-下肢用衣料 図10
  • 特開-下肢用衣料 図11
  • 特開-下肢用衣料 図12
  • 特開-下肢用衣料 図13
  • 特開-下肢用衣料 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028227
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】下肢用衣料
(51)【国際特許分類】
   A41B 9/04 20060101AFI20220208BHJP
   A41B 9/02 20060101ALI20220208BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20220208BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A41B9/04 G
A41B9/04 B
A41B9/04 E
A41B9/02 J
A41B9/02 M
A41C1/00 E
A41C1/00 G
A41D13/05 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131522
(22)【出願日】2020-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】520289866
【氏名又は名称】株式会社サクラボ
(71)【出願人】
【識別番号】517384590
【氏名又は名称】株式会社ジュニー・クルール
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 麻美
【テーマコード(参考)】
3B011
3B128
3B131
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AC17
3B128EA01
3B128EB23
3B128EC11
3B128EC12
3B131AA07
3B131AB11
3B131AB12
3B131BA11
3B131BA21
3B131BB36
(57)【要約】
【課題】反り腰を維持することが可能となる下肢用衣料を提供する。
【解決手段】腰天部10、身頃部20、骨盤ベルト部30、およびクロッチ部40を有するとともに、下端に脚部101が挿通される脚部挿通口を有する下肢用衣料1であって、腰天部10の後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む後窪み部11を有するとともに、腰天部10の前部の中央部の上部に、下方に向かって窪む前窪み部12を更に有し、後窪み部11の深さ寸法Xは、前窪み部12の深さ寸法Yよりも大きい寸法に設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰天部および身頃部を有するとともに、脚部挿通口を有する下肢用衣料であって、
前記腰天部の後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を設けることを特徴とする下肢用衣料。
【請求項2】
前記腰天部の前部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を設けるとともに、
前記腰天部の後部の窪み部の深さ寸法は、前記腰天部の前部の窪み部の深さ寸法よりも大きい寸法に設定することを特徴とする請求項1に記載の下肢用衣料。
【請求項3】
前記腰天部は、前部に設けられる前腰天部、左側部から後部にかけて設けられる左腰天部、右側部から後部にかけて設けられる右腰天部を有し、
前記前腰天部は、少なくとも2枚の生地を下方に傾斜させつつ相互に交差するように前後に重ね合わせることにより前記前部の窪み部を形成し、
前記左腰天部は、生地を左側部から後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けるとともに、前記右腰天部は、生地を右側部から後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けて、前記左腰天部の端部と前記右腰天部の端部を相互に交差するように前後に重ね合わせて前記後部の窪み部を形成することを特徴とする請求項1に記載の下肢用衣料。
【請求項4】
前記腰天部の生地は、伸縮可能な伸縮生地とすることを特徴とする請求項1に記載の下肢用衣料。
【請求項5】
前記前部の窪み部および前記後部の窪み部における前記生地の伸縮方向は、前記傾斜に沿って相互に交差する方向とすることを特徴とする請求項2に記載の下肢用衣料。
【請求項6】
前記身頃部は、前部に前身頃部、左側部から後部にかけて設けられる左身頃部、右側部から後部にかけて設けられる右身頃部を有する請求項1に記載の下肢用衣料。
【請求項7】
前記左身頃部は、第1の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、第1の右身頃部を有し、
前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部は、上辺、側辺、および下辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記第1の側辺および前記第2の側辺は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように傾斜する傾斜線とすることを特徴とする請求項6に記載の下肢用衣料。
【請求項8】
前記左身頃部は、第1の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、第1の右身頃部を有し、
前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部は、上辺、側辺、および下辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記下辺は、第1の下辺、第2の下辺、および第3の下辺を有し、
前記上辺は、横方向に延びる線とし、
前記第1の側辺および前記第2の側辺は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように傾斜する傾斜線とし、
前記第1の下辺は、前記下辺の前部側として、湾曲する湾曲線とし、
前記第2の下辺は、前記下辺の中間部として、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線とし、
前記第3の下辺は、前記下辺の後部側として、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線とすることを特徴とする請求項6に記載の下肢用衣料。
【請求項9】
前記左身頃部は、前記第1の左身頃部と重ね合わせて設けられる第2の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、前記第1の右身頃部と重ね合わせて設けられる前記第2の右身頃部を有し、
前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、側辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記第1の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の側辺と前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の下辺との間で前部側を欠損させるように傾斜する傾斜線とし、前記欠損する前部側を前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることを特徴とする請求項7に記載の下肢用衣料。
【請求項10】
前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、湾曲線を有するとともに、前記湾曲線は、臀部と対応するように、かつ、前記左身頃部および前記右身頃部の後部の上部側を欠損させるように湾曲する湾曲線とし、前記欠損する上部側を前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることを特徴とする請求項9に記載の下肢用衣料。
【請求項11】
前記左身頃部は、前記第1の左身頃部と重ね合わせて設けられる第2の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、前記第1の右身頃部と重ね合わせて設けられる前記第2の右身頃部を有し、
前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、上辺、側辺、下辺、および湾曲線を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記下辺は、第2の下辺および第3の下辺を有し、
前記上辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の上辺と対応するように、かつ、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の上辺の前端から中間部まで達するように横方向に延びる線とし、
前記第1の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の側辺と前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の下辺との間で前部側を欠損させるように傾斜する傾斜線とし、前記欠損する前部側は前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとし、
前記第2の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の側辺と対応するように、かつ、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の側辺の下端から中間部まで達する傾斜線とし、
前記下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の下辺と対応するように、かつ、前記第2の下辺および前記第3の下辺を有するとともに、前記第1の下辺は欠損した構成とし、
前記第2の下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の下辺と一致し、前記下辺の中間部として、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線とし、
前記第3の下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第3の下辺と一致し、前記下辺の後部側として、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線とし、
前記湾曲線は、臀部と対応するように、かつ、前記左身頃部および前記右身頃部の後部の上部側を欠損させるように、前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部の上辺の後端から前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部の第2の側辺の上端に達し湾曲する湾曲線とし、前記欠損する部側は前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることを特徴とする請求項7に記載の下肢用衣料。
【請求項12】
前記第1の左身頃部、前記第2の左身頃部、前記第1の右身頃部、および前記第2の右身頃部は、伸縮可能な伸縮生地とすることを特徴とする請求項9に記載の下肢用衣料。
【請求項13】
前記伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向とすることを特徴とする請求項12に記載の下肢用衣料。
【請求項14】
前記身頃部の上部側に骨盤の回りを周回するように覆う帯状の骨盤ベルト部を前記身頃部に対し更に重ねて設けることを特徴とする請求項1に記載の下肢用衣料。
【請求項15】
前記骨盤ベルト部は、伸縮可能な伸縮生地とすることを特徴とする請求項14に記載の下肢用衣料。
【請求項16】
前記骨盤ベルト部の伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向として前記左身頃部および前記右身頃部の伸縮方向と重畳する方向とすることを特徴とする請求項15に記載の下肢用衣料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下肢用衣料に関し、特に腰天部の前部および後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を有する下肢用衣料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から美しい体型を維持するための補正下着が提案されている。例えば、特許文献1には、引き締め用生地を用いてバランスのとれた体型に補正する補正下着が開示されている。また、特許文献2には、ガ-ドルなどの使用時、トイレで用をたす際に脱ぎ着せず、はいた時のスタイルが持続できる補正下着が開示されている。更には、特許文献3には、腹部、ウエスト部、ヒップ及びバストの形を整える補正下着が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-65371号
【特許文献2】特開2008-25070号
【特許文献3】特開平8-209404号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、美しい体型とされるものとして反り腰の体型があるが、年を重ねるごとに反り腰を維持することが難しく、近年は反り腰を維持することが可能となる補正下着の開発が望まれていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、反り腰を維持することが可能となる下肢用衣料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、下肢用衣料に係る請求項1の発明は、腰天部および身頃部を有する下肢用衣料であって、腰天部の後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を設けることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、腰天部の後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を有することとしたので、腰部を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0008】
前記腰天部の前部の中央部の上部に、下方に向かって窪む窪み部を更に設けるとともに、前記腰天部の後部の窪み部の深さ寸法は、前記腰天部の前部の窪み部の深さ寸法よりも大きい寸法に設定することとすれば、腰天部の後部において腰部を更に下方に引っ張るように矯正することが可能となる。
【0009】
前記腰天部は、前部に設けられる前腰天部、左側部から後部にかけて設けられる左腰天部、右側部から後部にかけて設けられる右腰天部を有し、前記前腰天部は、少なくとも2枚の生地を傾斜させつつ交差するように前後に重ね合わせることにより前記前部の窪み部を形成し、前記左腰天部は、生地を左側部から後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けるとともに、前記右腰天部は、生地を右側部から後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けて、前記左腰天部の端部と前記右腰天部の端部を交差するように前後に重ね合わせて前記後部の窪み部を形成することができる。
前記腰天部の生地は、伸縮可能な伸縮生地とすることができる。
【0010】
前記窪み部における前記生地の伸縮方向は、前記傾斜に沿って相互に交差する方向とすることができる。
【0011】
前記身頃部は、前部に前身頃部、左側部から後部にかけて設けられる左身頃部、右側部から後部にかけて設けられる右身頃部を有することができる。
【0012】
前記左身頃部は、第1の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、第1の右身頃部を有し、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部は、上辺、側辺、および下辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記第1の側辺および前記第2の側辺は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように傾斜する傾斜線とすることができる。
【0013】
前記左身頃部は、第1の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、第1の右身頃部を有し、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部は、上辺、側辺、および下辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記下辺は、第1の下辺、第2の下辺、および第3の下辺を有し、前記上辺は、横方向に延びる線とし、前記第1の側辺および前記第2の側辺は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように傾斜する傾斜線とし、前記第1の下辺は、前記下辺の前部側として、湾曲する湾曲線とし、前記第2の下辺は、前記下辺の中間部として、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線とし、前記第3の下辺は、前記下辺の後部側として、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線とすることができる。
【0014】
前記左身頃部は、前記第1の左身頃部と重ね合わせて設けられる第2の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、前記第1の右身頃部と重ね合わせて設けられる前記第2の右身頃部を有し、前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、側辺を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記第1の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の側辺と前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の下辺との間で前部側を欠損させるように傾斜する傾斜線とし、前記欠損する前部側は前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることとすれば、欠損する略三角形状の前部側において下肢用衣料を装着するユーザの動作を規制することを少なくすることができる。
【0015】
前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、湾曲線を有するとともに、前記湾曲線は、臀部と対応するように、かつ、前記左身頃部および前記右身頃部の後部の上部側を欠損させるように湾曲する湾曲線とし、前記欠損する上部側を前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることとすれば、欠損する略円弧形状の上部側において下肢用衣料を装着するユーザの臀部の動作を規制することを少なくすることができるとともに、湾曲線によって臀部を持ち上げるように保持することができる。
【0016】
前記左身頃部は、前記第1の左身頃部と重ね合わせて設けられる第2の左身頃部を有するとともに、前記右身頃部は、前記第1の右身頃部と重ね合わせて設けられる前記第2の右身頃部を有し、前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部は、上辺、側辺、下辺、および湾曲線を有するとともに、前記側辺は、第1の側辺および第2の側辺を有し、前記下辺は、第2の下辺および第3の下辺を有し、前記上辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の上辺と対応するように、かつ、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の上辺の前端から中間部まで達するように横方向に延びる線とし、前記第1の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の側辺と前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第1の下辺との間で前部側を欠損させるように傾斜する傾斜線とし、前記欠損する前部側を前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとし、前記第2の側辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の側辺と対応するように、かつ、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の側辺の下端から中間部まで達する傾斜線とし、前記下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の下辺と対応するように、かつ、前記第2の下辺および前記第3の下辺を有するとともに、前記第1の下辺は欠損した構成とし、前記第2の下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第2の下辺と一致し、前記下辺の中間部として、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線とし、前記第3の下辺は、前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部の第3の下辺と一致し、前記下辺の後部側として、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線とし、前記湾曲線は、臀部と対応するように、かつ、前記左身頃部および前記右身頃部の後部の上部側を欠損させるように、前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部の上辺の後端から前記第2の左身頃部および前記第2の右身頃部の第2の側辺の上端に達し湾曲する湾曲線とし、前記欠損する上部側を前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部との非重ね合わせ領域として前記第1の左身頃部および前記第1の右身頃部のみとすることができる。
【0017】
前記第1の左身頃部、前記第2の左身頃部、前記第1の右身頃部、および前記第2の右身頃部は、伸縮可能な伸縮生地とすることができる。
前記伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向とすることとすれば、更に腰部を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0018】
前記身頃部の上部側に骨盤の回りを周回するように覆う帯状の骨盤ベルト部を前記身頃部に対し更に重ねて設けることができる。
前記骨盤ベルト部は、伸縮可能な伸縮生地とすることができる。
【0019】
前記骨盤ベルト部の伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向として前記左身頃部および前記右身頃部の伸縮方向と重畳する方向とすることとすれば、更に一層腰部を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反り腰を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る下肢用衣料の未装着時の構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図2】同下肢用衣料の装着時の構成を示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
図3】同下肢用衣料を展開した状態を示す展開図である。
図4】同下肢用衣料の前腰天部の構成を示す図で、(a)は折り返し生地を形成する前の状態を示す図、(b)は折り返し生地を形成した状態を示す図である。
図5】同下肢用衣料の左腰天部および右腰天部の構成を示す図で、(a)は折り返し生地を形成する前の状態を示す図、(b)は折り返し生地を形成した状態を示す図である。
図6】同下肢用衣料の前腰天部と左腰天部および右腰天部を連結した状態を示す図である。
図7】同下肢用衣料の腰天部の前窪み部および後窪み部を形成した状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図8】同下肢用衣料の前身頃部の構成を示す図で、(a)は第1の前身頃部の構成を示す図、(b)は第2の前身頃部の構成を示す図、(c)は第1の前身頃部と第2の前身頃部を重ね合わせた状態を示す図である。
図9】同下肢用衣料の左身頃部の構成を示す図で、(a)は第1の左身頃部の構成を示す図、(b)は第2の左身頃部の構成を示す図、(c)は第1の左身頃部と第2の左身頃部を重ね合わせた状態を示す図である。
図10】同下肢用衣料の右身頃部の構成を示す図で、(a)は第1の右身頃部の構成を示す図、(b)は第2の右身頃部の構成を示す図、(c)は第1の右身頃部と第2の右身頃部を重ね合わせた状態を示す図である。
図11】同下肢用衣料の前身頃部、左身頃部、右身頃部を連結した状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図12】同下肢用衣料の骨盤ベルト部の構成を示す図で、(a)は骨盤ベルト部を身頃部に装着する前の状態を示す図、(b)は骨盤ベルト部を身頃部に装着した後の状態を示す図である。
図13】同下肢用衣料の前身頃部、左身頃部、右身頃部を連結した状態で骨盤ベルト部を装着した状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図14】同下肢用衣料のクロッチ部の構成を示す図で、(a)は第1のクロッチ部の構成を示す図、(b)は第2のクロッチ部の構成を示す図、(c)は第1のクロッチ部と第2のクロッチ部を重ね合わせた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る下肢用衣料の未装着時の構成を示す図、図2は、同下肢用衣料の装着時の構成を示す図、図3は、同下肢用衣料を展開した状態を示す展開図、図4は、同下肢用衣料の前腰天部の構成を示す図、図5は、同下肢用衣料の左腰天部および右腰天部の構成を示す図、図6は、同下肢用衣料の前腰天部と左腰天部および右腰天部を連結した状態を示す図、図7は、同下肢用衣料の腰天部の前窪み部および後窪み部を形成した状態を示す図、図8は、同下肢用衣料の前身頃部の構成を示す図、図9は、同下肢用衣料の左身頃部の構成を示す図、図10は、同下肢用衣料の右身頃部の構成を示す図、図11は、同下肢用衣料の前身頃部、左身頃部、右身頃部を連結した状態を示す図、図12は、同下肢用衣料の骨盤ベルト部の構成を示す図、図13は、同下肢用衣料の前身頃部、左身頃部、右身頃部を連結した状態で骨盤ベルト部を装着した状態を示す図、図14は、同下肢用衣料のクロッチ部の構成を示す図である。なお、以下の説明においては、下肢用衣料1を着用した人体100を基準として前後、左右、上下を定義するものとし、各方向は図において示すものとする。
【0023】
図1乃至図3を参照して本実施形態の下肢用衣料1の概要を説明すると、下肢用衣料1は、腰天部10、身頃部20、骨盤ベルト部30、およびクロッチ部40を有しており、下端に人体100の脚部101が挿通される脚部挿通口50を有している。
【0024】
腰天部10は、人体100の腰部102の周りを帯状に周回するように設けられており、V字状の後窪み部11と前窪み部12を有している。後窪み部11は、腰天部10の後部の中央部の上部より詳しくは上端部において、下方に向かって窪むように設けられている。また、前窪み部12は、腰天部10の前部の中央部の上部より詳しくは上端部において、下方に向かって窪むように設けられている。後窪み部11の上下方向の深さ寸法Xは、前窪み部12の上下方向の深さ寸法Yよりも大きい寸法に設定されている。
【0025】
ここで、腰天部10は、図4乃至図7に示すように、生地10a1,10a2,10b,10cを折り返し部分10a1´,10a2´,10b´,10c´を介して折り返すことにより生地10a1,10a2,10b,10cを重ね合わせた折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´により帯状に構成されている。
【0026】
そして、腰天部10は、折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´における折り返し部分10a1´,10a2´,10b´,10c´が上端部となるように構成されている。
【0027】
窪み部11,12は、複数の折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´を窪み部11,12の形成位置に向かって下方に傾斜させつつ相互に交差するように前後に重ね合わせることにより形成することができる。
【0028】
より詳しくは、腰天部10は、前腰天部10A、左腰天部10B、右腰天部10Cを有しており、前腰天部10Aは、前部に設けられ、左腰天部10Bは、左側部から後部にかけて設けられ、右腰天部10Cは、右側部から後部にかけて設けられている。
【0029】
すなわち、前腰天部10Aは、2枚の折り返し生地10a1´´,10a2´´を相互に反対向きに前窪み部12の形成位置に向かって下方に傾斜させつつ相互に交差するように前後に重ね合わせることにより前窪み部12を形成している。
【0030】
左腰天部10Bは、1枚の折り返し生地10b´´を左側部から後窪み部11の形成位置となる後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けている。
右腰天部10Cは、左腰天部10Bと相互に反対向きとなるように、1枚の折り返し生地10c´´を右側部から後窪み部11の形成位置となる後部の中央に向かって下方に傾斜するように設けている。
【0031】
つまり、左腰天部10Bの端部10B´と右腰天部10Cの端部10C´を後部の中央において相互に交差するように前後に重ね合わせて後窪み部11を形成している。
【0032】
これら腰天部10の折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´(生地10a1,10a2,10b,10c)は、伸縮可能な伸縮生地とすることができる。この伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。
【0033】
この腰天部10における伸縮生地(折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´)は、メッシュ生地とすることができ、メッシュ生地は、パワーネットとすることができる。また、伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。
【0034】
前窪み部12および後窪み部11における折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´の伸縮方向は図において一点鎖線の矢印で示すように、腰天部10の傾斜に沿った方向であり、重ね合わせ部分において相互に交差する方向とすることができる。
【0035】
なお、腰天部10は、折り返し生地10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´´の内側より詳しくは上端部の折り返し部分10a1´,10a2´,10b´,10c´の内側に線状または帯状の生地10dを挟み込むように設けることができる。
【0036】
線状または帯状の生地10dは、伸縮可能な伸縮生地とすることができ、この伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮方向は、図において一点鎖線の矢印で示すように腰天部10の伸縮方向に沿った方向とすることができる。
【0037】
また、伸縮生地(生地10d)は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。伸縮生地は、ストレッチ生地とすることができ、ストレッチ生地は、ストレッチテープとすることができる。なお、伸縮生地より詳しくはストレッチテープは、折り返し部分10a1´,10a2´,10b´,10c´の内側に挟み込むように設けることとしたので、人体100への食い込みを少なくすることができる。
【0038】
身頃部20は、図8乃至図11に示すように、前身頃部20A、左身頃部20B、および右身頃部20Cを有している。前身頃部20Aは、身頃部20の前部に設けられており、左身頃部20Bは、身頃部20の左側部から後部の中央にかけて設けられており、右身頃部20Cは、右側部から後部の中央にかけて設けられている。
【0039】
前身頃部20Aは、図8に示すように、第1の前身頃部20A1(図8(a))と第2の前身頃部20A2(図8(b))を有しており、第2の前身頃部20A2は、第1の前身頃部20A1と同形となっている。前身頃部20Aは、第1の前身頃部20A1を表生地とし、第2の前身頃部20A2を裏生地として、第1の前身頃部20A1と第2の前身頃部20A2を位置が一致するように重ね合わせて構成されている(図8(c))。
【0040】
前身頃部20Aは、上辺20a1、側辺20a2,20a3、および下辺20a4を有している。側辺20a2,20a3は、左側辺20a2および右側辺20a3を有している。
【0041】
すなわち、上辺20a1は、下方に突出し円弧状に湾曲する湾曲線となっている。左側辺20a2および右側辺20a3は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次小さくなるように逆ハの字状に傾斜する傾斜線となっている。下辺20a4は、上方に突出し円弧状に湾曲する湾曲線となっている。
【0042】
上辺20a1は、前腰天部10Aの下端10A1と連結し、左側辺20a2は、後述する左身頃部20Bの第1の側辺20b12と連結し、右側辺20a3は、後述する右身頃部20Cの第1の側辺20c12と連結し、下辺20a4は、後述するクロッチ部40の前辺40aと連結している。
【0043】
前身頃部20を構成する第1の前身頃部20A1および第2の前身頃部20A2は、伸縮可能な伸縮生地とすることができ、伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。
【0044】
第1の前身頃部20A1および第2の前身頃部20A2のいずれか一方は、伸縮方向を図において一点鎖線の矢印で示すように横方向(側方)とし、第1の前身頃部20A1および第2の前身頃部20A2のいずれか他方は、伸縮方向を図において一点鎖線の矢印で示すように縦方向(上下方向)として、第1の前身頃部20A1の伸縮方向と第2の前身頃部20A2の伸縮方向を直交するように交差させることができる。
【0045】
第1の前身頃部20A1における伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地は、メッシュ生地とすることができ、メッシュ生地は、パワーネットとすることができる。
【0046】
第2の前身頃部20A2つまり裏生地における伸縮生地は、綿混生地とすることができる。裏生地を綿混生地とすることにより、優れた肌触りを提供することができる。なお、綿混生地は、綿とポリエステル繊維を混合した生地とすることができる。
【0047】
左身頃部20Bは、図9に示すように、第1の左身頃部20B1(図9(a))および第2の左身頃部20B2(図9(b))を有している。左身頃部20Bは、第1の左身頃部20B1を表生地とし、第2の左身頃部20B2を裏生地として、第1の左身頃部20B1と第2の左身頃部20B2を重ね合わせて設けている(図9(c))。
【0048】
また、右身頃部20Cは、図10に示すように、第1の右身頃部20C1(図10(a))および第2の右身頃部20C2(図10(b))を有している。右身頃部20Cは、第1の右身頃部20C1を表生地とし、第2の右身頃部20C2を裏生地として、第1の右身頃部20C1と第2の右身頃部20C2を重ね合わせて設けている(図10(c))。第1の左身頃部20B1と第1の右身頃部20C1は相互に対称な形状となっており、第2の左身頃部20B2と第2の右身頃部20C2についても相互に対称な形状となっている。
【0049】
第1の左身頃部20B1は、上辺20b11、側辺20b12,20b13、および下辺20b14を有しており、第1の右身頃部20C1は、上辺20c11、側辺20c12,20c13、および下辺20c14を有している。
【0050】
上辺20b11,20c11は、横方向(側方)に略水平に延びる水平線となっている。
第1の左身頃部20B1の側辺20b12,20b13は、第1の側辺20b12および第2の側辺20b13を有し、第1の右身頃部20C1の側辺20c12,20c13は、第1の側辺20c12および第2の側辺20c13を有している。これら第1の側辺20b12,20c12および第2の側辺20b13,20c13は、上方から下方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように略ハの字状に傾斜する傾斜線となっている。第2の側辺20b13,20c13は、上方から下方にかけて湾曲しながら傾斜する傾斜線となっている。
【0051】
第1の左身頃部20B1の下辺20b14は、第1の下辺20b14´、第2の下辺20b14´´、および第3の下辺20b14´´´を有し、第1の右身頃部20C1の下辺20c14は、第1の下辺20c14´、第2の下辺20c14´´、および第3の下辺20c14´´´を有している。
【0052】
第1の下辺20b14´,20c14´は、下辺20b14,20c14の前部側であり、上方に突出して円弧状に湾曲する湾曲線となっている。
第2の下辺20b14´´,20c14´´は、下辺20b14,20c14の中間部であり、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線となっている。
【0053】
第3の下辺20b14´´´,20c14´´´は、下辺20b14,20c14の後部側であり、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線となっている。
【0054】
第1の左身頃部20B1の上辺20b11は、左腰天部10Bの下端と連結し、第1の右身頃部20C1の上辺20c11は、右腰天部10Cの下端と連結し、第1の左身頃部20B1の第1の側辺20b12は、前身頃部20Aの側辺20a2と連結し、第1の右身頃部20C1の第1の側辺20c12は、前身頃部20Aの側辺20a3と連結し、第1の左身頃部20B1の第2の側辺20b13と第1の右身頃部20C1の第2の側辺20c13が連結し、第2の左身頃部20B2の第2の側辺20b23と第2の右身頃部20C2の第2の側辺20c23が連結し、身頃部20は、周回するように構成されている。
【0055】
また、第1の下辺20b14´,20c14´と第2の下辺20b14´´,20c14´´は、脚部挿通口50を形成し、第3の下辺20b14´´´,20c14´´´は、クロッチ部40の後辺40dと連結している。
【0056】
第2の左身頃部20B2は、上辺20b21、側辺20b22,20b23、下辺20b24、および湾曲線20b25を有しており、第2の右身頃部20C2は、上辺20c21、側辺20c22,20c23、下辺20c24、および湾曲線20c25を有している。
【0057】
側辺20b22,20b23,20c22,20c23は、第1の側辺20b22,20c22および第2の側辺20b23,20c23を有している。下辺20b24,20c24は、第2の下辺20b24´´,20c24´´および第3の下辺20b24´´´,20c24´´´を有している。
【0058】
上辺20b21,20c21は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の上辺20b11,20c11と対応するように、かつ、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の上辺20b11,20c11の前端から中間部まで達するように横方向(側方)に略水平に延びる水平線となっている。
【0059】
第1の側辺20b22,20c22は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の側辺20b12,20c12と第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の下辺20b14´,20c14´との間で略三角形を描いて前部側を略三角形状に欠損させるように第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の側辺20b12,20c12と反対向きに傾斜する傾斜線となっている。
【0060】
すなわち、欠損する略三角形状の前部側は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1との非重ね合わせ領域としており、この領域では、第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2を有することなく、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1のみを有する構成となっている。
【0061】
第2の側辺20b23,20c23は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第2の側辺20b13,20c13と対応するように、かつ、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第2の側辺20b13,20c13の下端から中間部まで達する傾斜線となっている。
【0062】
下辺20b24,20c24は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第2の下辺20b14´´,20c14´´および第3の下辺20b14´´´,20c14´´´と対応するように、第2の下辺20b24´´,20c24´´および第3の下辺20b24´´´,20c24´´´を有するとともに、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の下辺20b14´,20c14´と対応する第1の下辺は欠損した構成となっている。
【0063】
第2の下辺20b24´´,20c24´´は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第2の下辺20b14´´,20c14´´と一致し、下辺20b24,20c24の中間部として、後部側に行くにしたがって下降するように傾斜する傾斜線となっている。
【0064】
第3の下辺20b24´´´,20c24´´´は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第3の下辺20b14´´´,20c14´´´と一致し、下辺20b24,20c24の後部側として、後端に行くにしたがって上昇するように傾斜する傾斜線となっている。
【0065】
湾曲線20b25,20c25は、人体100の臀部の下端と対応するように、かつ、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの後部の上部側を略円弧状に欠損させるように、第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2の上辺20b21,20c21の後端から第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2の第2の側辺20b23,20c23の上端に達し円弧状に湾曲する湾曲線となっている。
【0066】
すなわち、欠損する略円弧形状の上部側は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1との非重ね合わせ領域として、この領域では、第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2を有することなく、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1のみを有する構成となっている。
【0067】
上辺20b21,20c21は、左腰天部10Bおよび右腰天部10Cの下端10B1,10C1と連結し、第2の左身頃部20B2の第2の側辺20b23と第2の右身頃部20C2の第2の側辺20c23が連結している。
【0068】
なお、第1の左身頃部20B1の第2の側辺20b13と第1の右身頃部20C1の第2の側辺20c13との連結および第2の左身頃部20B2の第2の側辺20b23と第2の右身頃部20C2の第2の側辺20c23との連結は、後部の中央において、ゴム状の糸20Dで縫合して行われている。このゴム状の糸20Dは、ラバースレッドとすることができる。ゴム状の糸20Dの縫合は伸縮方向が上下方向となるように行うことができる。
【0069】
また、ゴム状の糸20Dの縫合位置と重なる位置に伸縮可能な伸縮生地20Eを設けることができる。伸縮生地20Eは、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地20Eの伸縮方向は、上下方向とすることができる。伸縮生地20Eは、伸縮方向を一方向より詳しくは上下方向とする1WAY生地とすることができる。この伸縮生地20Eは、ストレッチ生地とすることができ、ストレッチ生地は、ストレッチテープとすることができる。
【0070】
第2の下辺20b24´´,20c24´´は、第1の左身頃部20B1の第2の下辺20b14´´および第1の右身頃部20C1の第2の下辺20c14´´とともに、脚部挿通口50を形成し、第3の下辺20b24´´´,20c24´´´は、第1の左身頃部20B1の第3の下辺20b14´´´および第1の右身頃部20C1の第3の下辺20c14´´´とともに、クロッチ部40の後端(後辺40d)と連結している。
【0071】
第1の左身頃部20B1、第2の左身頃部20B2、第1の右身頃部20C1、および第2の右身頃部20C2は、伸縮可能な伸縮生地とすることができ、伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。伸縮方向は図において一点鎖線の矢印で示すように、第2の下辺20b14´´,20b24´´,20c14´´,20c24´´の傾斜に沿うように、かつ、左腰天部10Bおよび右腰天部10Cの傾斜に沿うように後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向とすることができる。
【0072】
骨盤ベルト部30は、図12(a)に示すように、帯状の構成となっており、より詳しくは、身頃部20の上部側に骨盤の回りを周回するように覆う帯状の構成となっており、図12(b)および図13に示すように、身頃部20に対し更に重ねて設けられている。
【0073】
より詳しくは、骨盤ベルト部30は、身頃部20の裏面側の上部側に設けられており、前骨盤ベルト部30A、左骨盤ベルト部30B、および右骨盤ベルト部30Cを有している。
【0074】
前骨盤ベルト部30Aは、骨盤ベルト部30の前部に設けられるとともに、前身頃部20Aの裏面側の上部側に対し更に重ねて設けられている。左骨盤ベルト部30Bは、骨盤ベルト部30の左側部から後部にかけて設けられるとともに、左身頃部20Bの裏面側の上部側に対し更に重ねて設けられている。右骨盤ベルト部30Cは、骨盤ベルト部30の右側部から後部にかけて設けられるとともに、右身頃部20Cの裏面側の上部側に対し更に重ねて設けられている。
【0075】
骨盤ベルト部30は、伸縮可能な伸縮生地とすることができ、伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。骨盤ベルト部30の伸縮方向は図において一点鎖線の矢印で示すように、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向としており、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの伸縮方向と重畳する方向とすることができる。
【0076】
より詳しくは、前骨盤ベルト部30Aの伸縮方向は図において一点鎖線の矢印で示すように、前身頃部20Aの伸縮方向のうち横方向(側方)の伸縮方向と重畳する横方向(側方)となっている。左骨盤ベルト部30Bの伸縮方向は同じく図において一点鎖線の矢印で示すように、左腰天部10Bの傾斜に沿うように後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向としており、左身頃部20Bの伸縮方向と重畳する方向となっている。右骨盤ベルト部30Cの伸縮方向は同じく図において一点鎖線の矢印で示すように、右腰天部10Cの傾斜に沿うように後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向としており、右身頃部20Cの伸縮方向と重畳する方向なっている。
【0077】
なお、伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地は、メッシュ生地とすることができ、メッシュ生地は、パワーネットとすることができる。
【0078】
クロッチ部40は、図14に示すように、人体100の股間と対応するように、前後方向に延びるように設けられている。クロッチ部40は、第1のクロッチ部41(図14(a))と第2のクロッチ部42(図14(b))を有しており、第2のクロッチ部42は、第1のクロッチ部41と同形となっている。クロッチ部40は、第1のクロッチ部41を表生地とし、第のクロッチ部42を裏生地として、第1のクロッチ部と第2のクロッチ部を位置が一致するように重ね合わせて構成されている(図14(c))。
【0079】
クロッチ部40は、前辺40a、第1の側辺40b、第2の側辺40c、および後辺40dを有している。
【0080】
前辺40aは、前方に突出し円弧状に湾曲する湾曲線となっている。第1の側辺40bおよび第2の側辺40cは、内側に突出し、前方から後方にかけて相互に間隔が漸次大きくなるように円弧状に湾曲する湾曲線となっている。後辺40dは、後方に突出し円弧状に湾曲する湾曲線となっている。
【0081】
前辺40aは、前身頃部20Aの下辺20a4と連結し、第1の側辺40bおよび第2の側辺40cは、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの第1の下辺20b14´,20b24´,20c14´,20c24´および第2の下辺20b14´´,20b24´´,20c14´´,20c24´´とともに、脚部挿通口50を形成し、後辺40dは、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの第3の下辺20b14´´´,20b24´´´,20c14´´´,20c24´´´と連結している。
【0082】
第1のクロッチ部41および第2のクロッチ部42は、伸縮可能な伸縮生地とすることができ、伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることができる。第1のクロッチ部41および第2のクロッチ部42は、伸縮方向を図において一点鎖線の矢印で示すようにいずれも横方向(側方)としている。
【0083】
第1のクロッチ部41における伸縮生地は、メッシュ生地とすることができ、メッシュ生地は、パワーネットとすることができる。第1のクロッチ部41の伸縮生地は、ポリウレタン繊維により構成することができる。第2のクロッチ部42の伸縮生地つまり裏生地における伸縮生地は、綿混生地とすることができる。裏生地を綿混生地とすることにより、優れた肌触りを提供することができる。なお、綿混生地は、綿とポリエステル繊維を混合した生地とすることができる。
【0084】
脚部挿通口50は、人体100の脚部101の付根と対応するように設けられている。脚部挿通口50は、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの第1の下辺20b14´,20b24´,20c14´,20c24´と第2の下辺20b14´´,20c14´´、クロッチ部40の第1の側辺40bおよび第2の側辺40cにより囲まれるように形成することができる。
【0085】
脚部挿通口50は、伸縮可能な伸縮生地50Aを設けることができ、伸縮生地Aは、ポリウレタン繊維により構成することができる。伸縮生地Aは、ストレッチ生地とすることができる。ストレッチ生地は、ストレッチレースとすることができる。
【0086】
以上説明したように本発明によれば、腰天部10の後部の中央部の上部に、下方に向かって窪む後窪み部11を有することとしたので、人体100の腰部102を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0087】
また、腰天部10の前部の中央部の上部に、下方に向かって窪む前窪み部12を更に有するとともに、後窪み部11の深さ寸法Xは、前窪み部12の深さ寸法Yよりも大きい寸法に設定することとしたので、腰天部10の後部において人体100の腰部102を更に下方に引っ張るように矯正することが可能となる。
【0088】
更に、第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2の第1の側辺20b22,20c22は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の側辺20b12,20c12と第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の下辺20b14´,20c14´との間で略三角形を描いて前部側を略三角形状に欠損させるように第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1の第1の側辺20b12,20c12と反対向きに傾斜する傾斜線とし、欠損する略三角形状の前部側を第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1との非重ね合わせ領域として、この領域は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1のみを有する構成とすることとしたので、伸縮力を少なくして、欠損する略三角形状の前部側において下肢用衣料1を装着するユーザの動作を規制することを少なくすることができる。
【0089】
更にまた、第2の左身頃部20B2および第2の右身頃部20C2は、湾曲線20b25,20c25を有するとともに、湾曲線20b25,20c25は、人体100の臀部の下端と対応するように、かつ、左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの後部の上部側を略円弧状に欠損させるように円弧状に湾曲する湾曲線20b25,20c25とし、欠損する略円弧形状の上部側を第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1との非重ね合わせ領域として、この領域は、第1の左身頃部20B1および第1の右身頃部20C1のみを有する構成とすることとしたので、伸縮力を少なくして、欠損する略円弧形状の上部側において下肢用衣料1を装着するユーザの臀部の動作を規制することを少なくすることができるとともに、湾曲線20b25,20c25によって臀部を持ち上げるように保持することができる。
【0090】
また更に、第1の左身頃部20B1、第2の左身頃部20B2、第1の右身頃部20C1、および第2の右身頃部20C2は、伸縮可能な伸縮生地とし、伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向とすることとしたので、更に腰部102を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0091】
また、骨盤ベルト部30は、伸縮可能な伸縮生地とし、骨盤ベルト部30の伸縮方向は、後部の中央に向かって下方に傾斜する方向に沿った方向として左身頃部20Bおよび右身頃部20Cの伸縮方向と重畳する方向とすることとしたので、更に一層腰部102を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0092】
更にまた、第1の左身頃部20B1の第2の側辺20b13と第1の右身頃部20C1の第2の側辺20c13との連結を、ゴム状の糸20Dで縫合して行うとともに、ゴム状の糸20Dの縫合位置と重なる位置に上下方向に伸縮可能な伸縮生地20Eを設けることとしたので、更に一層腰部102を下方に引っ張るように矯正することが可能となり反り腰を維持することが可能となる。
【0093】
また、伸縮生地は、伸縮方向を一方向とする1WAY生地とすることとしたので、伸縮力が複数の方向に分散することなく、伸縮力を向上させることができる。
【0094】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0095】
例えば、上述した実施形態にあっては、前腰天部10Aは、2枚の折り返し生地10a1´´,10a2´´を相互に反対向きに下方に傾斜させつつ相互に交差するように前後に重ね合わせることにより前部の前窪み部12を形成することとしているが、2枚以上の折り返し生地を重ね合わせることとしても所要の効果を奏する。すなわち、前腰天部10Aは、少なくとも2枚の折り返し生地10a1´´,10a2´´を相互に反対向きに下方に傾斜させつつ相互に交差するように前後に重ね合わせることにより前部の前窪み部12を形成することとしても所要の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0096】
X:後窪み部11の上下方向の深さ寸法
Y:前窪み部11の上下方向の深さ寸法
1:下肢用衣料
10:腰天部
10A:前腰天部
10B:左腰天部
10c:右腰天部
10a1,10a2,10b,10c,10d:生地
10a1´,10a2´,10b´,10c´:折り返し部分
10a1´´,10a2´´,10b´´,10c´:折り返し生地
11:後窪み部
12:前窪み部
20:身頃部
20A:前身頃部
20A1:第1の前身頃部
20A2:第2の前身頃部
20a1:上辺
20a2:左側辺
20a3:右側辺
20a4:下辺
20B:左身頃部
20B1:第1の左身頃部
20b11:上辺
20b12:第1の側辺
20b13:第2の側辺
20b14:下辺
20b14´:第1の下辺
20b14´´:第2の下辺
20b14´´´:第3の下辺
20B2:第2の左身頃部
20b21:上辺
20b22:第1の側辺
20b23:第2の側辺
20b24:下辺
20b24´´:第2の下辺
20b24´´´:第3の下辺
20b25:湾曲線
20C:右身頃部
20C1:第1の右身頃部
20c11:上辺
20c12:第1の側辺
20c13:第2の側辺
20c14:下辺
20c14´:第1の下辺
20c14´´:第2の下辺
20c14´´´:第3の下辺
20C2:第2の右身頃部
20c21:上辺
20c22:第1の側辺
20c23:第2の側辺
20c24:下辺
20c24´´:第2の下辺
20c24´´´:第3の下辺
20c25:湾曲線
20D:ゴム状の糸
20E:伸縮生地
30:骨盤ベルト部
30A:前骨盤ベルト部
30B:左骨盤ベルト部
30C:右骨盤ベルト部
40:クロッチ部
40a:前辺
40b:第1の側辺
40c:第2の側辺
40d、後辺
41:第1のクロッチ部
42:第2のクロッチ部
50:脚部挿通口
50A:伸縮生地
100:人体
101:脚部
102:腰部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14