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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028366
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】測定用ソケット
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20220208BHJP
   H01R 33/76 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G01R31/26 J
H01R33/76 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131719
(22)【出願日】2020-08-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】312014155
【氏名又は名称】株式会社SDK
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100180976
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】扇浦 徹哉
【テーマコード(参考)】
2G003
5E024
【Fターム(参考)】
2G003AA06
2G003AG01
2G003AG16
2G003AH07
5E024CA30
(57)【要約】
【課題】電子光学部品を正確に位置決めして確実な導通および光軸合わせを行うことができる測定用ソケットを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、ベースに被せられるカバーと、電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、を備え、電子光学部品が凹部に収容された状態において、カバーが閉じる動作に基づいてタイミング調整部材によって押圧部材が押圧され、電子光学部品が基準壁に押し当てられる測定用ソケットである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、
前記電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、
前記ベースに被せられるカバーと、
前記電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、
前記押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、
を備え、
前記電子光学部品が前記凹部に収容された状態において、前記カバーが閉じる動作に基づいて前記タイミング調整部材によって前記押圧部材が押圧され、前記電子光学部品が前記基準壁に押し当てられる、ことを特徴とする測定用ソケット。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記タイミング調整部材と接触する第1部材と、前記電子光学部品と接触する第2部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間に位置する付勢手段を有する、請求項1に記載の測定用ソケット。
【請求項3】
前記タイミング調整部材は前記カバーに設けられる、請求項1に記載の測定用ソケット。
【請求項4】
前記カバーは、前記ベースに対して回動可能に支持され、
前記タイミング調整部材は前記カバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、前記カバーが閉じる動作に同期する前記偏心カムの動作によって前記押圧部材が押圧される、請求項1記載の測定用ソケット。
【請求項5】
前記ベースと前記カバーとの間に設けられ前記ベースに対して回動可能に支持されたセンターカバーをさらに備え、
前記タイミング調整部材は前記センターカバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、前記センターカバーが閉じる動作に同期する前記偏心カムの動作によって前記押圧部材が押圧される、請求項1記載の測定用ソケット。
【請求項6】
前記ベースに対して回動可能に支持された前記カバーと、前記ベースと前記カバーとの間に設けられたセンターカバーをさらに備え、
前記押圧部材は前記センターカバーに設けられる、請求項1記載の測定用ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子光学部品の導通検査や特性測定などを行う際に用いられる測定用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IC等の電子部品の電気的な測定を行う際に用いられる測定用ソケット(以下、単に「ソケット」とも言う。)として、電子部品を一方向に押圧して位置決めするソケットが開示されている。例えば、特許文献1では、ICパッケージの表面を押圧して位置決めを行う半導体装置用ソケットが開示される。
【0003】
また、特許文献2には、ソケットカバーの電気部品を押圧する押圧動作に伴って操作され、収容部に収容された電気部品の位置決め部と反対側の隅角部にて直交する側面にそれぞれ点接触し、電気部品を位置決め部に対して片寄せする片寄せ手段を備えた電気部品用ソケットが開示される。
【0004】
また、特許文献3には、ソケット本体に、電気部品が押圧部材で押圧される前に、載置部の周縁部の一部に設けられた固定ガイド部に当接される電気部品の側面と反対側の側面を固定ガイド部の方向に押し、電気部品を固定ガイド部に当接させて所定の載置位置に位置決めする手段を備えた電気部品用ソケットが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-023164号公報
【特許文献2】特開2005-061948号公報
【特許文献3】特開2004-296155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子光学部品の測定においては、電気的な測定とともに光学的な測定も行う必要があることから、測定用ソケットには、電子光学部品に設けられたコネクタとの的確なコンタクトと、光学軸の正確な位置合わせとの両立が求められる。特に、フレキシブル基板に電子部品およびコネクタが接続されている電子光学部品では、フレキシブル基板の弾性力、曲がり、捩れなどによって電子部品やコネクタが浮き上がって配置されることがある。電子光学部品が浮き上がったままカバーを閉めると、導通不良の原因となる。また、電子光学部品を押圧して基準位置に合わせる場合、押圧の仕方によっては光学軸の傾きや回転が発生することもあり、電子光学部品の押圧の重要性が高まっている。
【0007】
本発明は、電子光学部品を正確に位置決めして確実な導通および光軸合わせを行うことができる測定用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、ベースに被せられるカバーと、電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、を備え、電子光学部品が凹部に収容された状態において、カバーが閉じる動作に基づいてタイミング調整部材によって押圧部材が押圧され、電子光学部品が基準壁に押し当てられる測定用ソケットである。
【0009】
このような構成によれば、タイミング調整部材を用いることにより、電子光学部品を基準壁に押し当てるタイミングを任意に調整できる。例えば、電子光学部品に設けられて電気的な接触を行うためのコネクタと測定用ソケットのコネクタガイドとの嵌合タイミングとの関係で、電子光学部品の基準壁への押し当てタイミングを任意に調整できる。また、例えば、コネクタとコネクタガイドとが嵌合した後に電子光学部品を基準壁へ押し当てたい場合には、タイミング調整部材による押圧部材の動作開始を遅くすればよい。
【0010】
上記測定用ソケットにおいて、押圧部材は、タイミング調整部材と接触する第1部材と、電子光学部品と接触する第2部材とを備え、第1部材と第2部材との間に位置する付勢手段を有していてもよい。このような付勢手段を介することによって、カバーの動作に起因する押圧部材の押圧力を安定させることができ、精密部品である電子光学部品への押圧部材の接触が安定化される。
【0011】
上記測定用ソケットにおいて、タイミング調整部材はカバーに設けられていてもよい。これにより、タイミング調整部材をベースに配置しなくてもよいため、ベースの配置自由度が高まる。
【0012】
上記測定用ソケットにおいて、カバーは、ベースに対して回動可能に支持され、タイミング調整部材はカバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、カバーが閉じる動作に同期する偏心カムの動作によって押圧部材が押圧されるようになっていてもよい。このように、タイミング調整部材として偏心カムを用いることにより、装置構成の小型化を図ることができる。
【0013】
上記測定用ソケットにおいて、ベースとカバーとの間に設けられベースに対して回動可能に支持されたセンターカバーをさらに備え、タイミング調整部材はセンターカバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、センターカバーが閉じる動作に同期する偏心カムの動作によって押圧部材が押圧されるようになっていてもよい。これにより、センターカバーの動作に連動して偏心カムを動作させて電子光学部品を押圧することができる。
【0014】
上記測定用ソケットにおいて、ベースに対して回動可能に支持されたカバーと、ベースとカバーとの間に設けられたセンターカバーをさらに備え、押圧部材はセンターカバーに設けられていてもよい。これにより、押圧部材の構造をベースに配置しなくてもよいため、ベースのレイアウトの自由度を高めることができる。特に、電子光学部品とコネクタとが近接する場合には、基準壁の位置によっては、押圧部材をベース側に配置することが困難な場合もある。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子光学部品を正確に位置決めして確実な導通および光軸合わせを行うことができる測定用ソケットを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図2】測定対象の電子光学部品を例示する斜視図である。
図3】第1実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
図4】第2実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図5】測定対象の電子光学部品を例示する斜視図である。
図6】第2実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
図7】第3実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図8】第3実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
図9】第4実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図10】第4実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
図11】第5実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図12】第6実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図13】第7実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図14】押圧部材の拡大斜視図である。
図15】(a)から(c)は、第7実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
図16】本実施形態に係るコンタクト装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図2は、測定対象の電子光学部品を例示する斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。なお、図3では、説明の便宜上、ベース10内に組み込まれた構成を実線で表している。
【0019】
第1実施形態に係る測定用ソケット1Aは、電子光学部品100の電気的な測定および光学的な測定を行う際に用いられるソケットである。測定用ソケット1Aは、測定対象となる電子光学部品100を搭載して、電子光学部品100との電気的な接続および光軸合わせを行う。
【0020】
本実施形態では、測定対象となる電子光学部品100として、フレキシブル基板102に電子部品101およびコネクタ103が接続されたものが適用される。フレキシブル基板102には配線パターンが形成され、電子部品101とコネクタ103との間の通電がなされる。したがって、本実施形態の測定用ソケット1Aでは、後述するコンタクトピン71をコネクタ103の端子と接触させることによって、電子部品101に対する電気的な導通を得ることができる。また、電子部品101には受光素子やレンズなどの光学要素が設けられる。測定用ソケット1Aでは、電子部品101の筐体1011等を基準壁Wに押し当てることで位置決めし、光学要素の光軸合わせを行うことができる。すなわち、測定用ソケット1Aは、測定対象となる電子光学部品100に対する電気的な導通と、光学的な位置合わせ(光軸合わせ)との両立を図るものである。
【0021】
本実施形態に係る測定用ソケット1Aは、ベース10と、第1カバー20と、押圧部材30と、タイミング調整部材40とを備える。なお、以下の説明において、ベース10における電子光学部品100を搭載する面と直交する方向をZ方向、Z方向と直交する方向の1つをX方向、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向ということにする。
【0022】
ベース10は、電子光学部品100を搭載する凹部11を有する。凹部11は、電子部品101およびフレキシブル基板102の配置位置を決めるためのガイドの役目を果たす。凹部11の開口側には、上に広がるテーパ部が設けられ、テーパ部の下方にはストレート部が設けられている。凹部11に載置された電子光学部品100はテーパ部で呼び込まれて、ストレート部に収容される。
【0023】
ベース10には、コネクタ103をガイドするガイド部70が設けられる。ガイド部70の内側にはコンタクトピン71が設けられ、コネクタ103がガイド部70に嵌め込まれた状態でコンタクトピン71がコネクタ103の端子と接触することになる。なお、ガイド部70およびコンタクトピン71は第1カバー20側に設けられていてもよい。
【0024】
第1カバー20は、ベース10に対して回動可能に取り付けられる。本実施形態では、ベース10の一端に設けられたヒンジ50を介して第1カバー20が取り付けられる。第1カバー20は、ヒンジ50の軸55を中心として開閉動作可能に設けられる。
【0025】
測定用ソケット1Aの例えば第1カバー20にはラッチ60が設けられる。第1カバー20を閉じた状態でラッチ60をベース10の爪16に引っ掛けることで、第1カバー20を閉じた状態が維持される。第1カバー20は、ヒンジ50の軸55に取り付けられたバネ56によって開く方向に付勢されている。したがって、ラッチ60を外すことで、バネ56の付勢力によって第1カバー20は開くことになる。
【0026】
押圧部材30は、ベース10の凹部11に収容された電子光学部品100を基準壁Wに押し当てるための部材である。測定用ソケット1Aにおいては、押圧部材30はベース10に組み込まれている。押圧部材30は、電子光学部品100における電子部品101の例えば筐体1011に接触して電子部品101を所定方向に押圧する。
【0027】
押圧部材30は1つでもよいし、複数設けられていてもよい。測定用ソケット1Aでは、2つの押圧部材30A、30Bが設けられる。各押圧部材30A、30Bは互いに異なる2方向へ筐体1011を押圧して電子部品101を基準壁Wに押し当てるようになっている。すなわち、押圧部材30Aは平面視で矩形の筐体1011の一側面をY方向に押圧し、押圧部材30Bは筐体1011の一側面と直交する他側面をX方向に押圧する。押圧部材30A、30Bを区別せず説明するときは押圧部材30と称することにする。
【0028】
タイミング調整部材40は、押圧部材30の動作を開始するタイミングを調整する部材である。測定用ソケット1Aにおいてタイミング調整部材40はベース10に組み込まれている。タイミング調整部材40は、第1カバー20が閉じる動作に基づいて押圧部材30を押圧し、電子光学部品100の筐体1011を基準壁Wに押し当てるタイミングを調整する。
【0029】
2つの押圧部材30A、30Bを備える測定用ソケット1Aでは、押圧部材30A、30Bのそれぞれに対応してタイミング調整部材40A、40Bが設けられる。タイミング調整部材40A、40Bを区別せず説明するときはタイミング調整部材40と称することにする。
【0030】
タイミング調整部材40は、ロッド41および揺動プッシャ42を有する。ロッド41は一方向に進退動作するように設けられ、揺動プッシャ42の一端を押す。揺動プッシャ42は軸42aを中心に揺動することでロッド41から伝達される力の方向を変換する。ロッド41によって揺動プッシャ42の一端が押されると、揺動プッシャ42の揺動動作によって押圧部材30が電子部品101を押圧するように動作する。
【0031】
例えば、タイミング調整部材40Aにおいては、ロッド41が一方向に押されることで揺動プッシャ42によってその方向を90°変換する。タイミング調整部材40Bにおいては、ロッド41が一方向に押されることで揺動プッシャ42によってその方向を180°変換する。
【0032】
ロッド41は、ベース10内において揺動プッシャ42の一端の位置からラッチ60の掛かる爪16の側まで延在している。ロッド41の端部41aはベース10の縁10aから僅かに突出しており、第1カバー20を閉じてラッチ60が爪16に掛かるとラッチ60によってロッド41の端部41aがベース10内に押し込まれる。ロッド41が押し込まれることによって揺動プッシャ42が揺動し、押圧部材30を押圧する。
【0033】
押圧部材30Aは、他端が受け部351に支持されたコイルばね等の付勢手段35によって電子光学部品100から離れる方向に付勢される。タイミング調整部材40Aの揺動プッシャ42によって押圧されることで付勢手段35の付勢力に打ち勝って押圧部材30Aが電子光学部品100の筐体1011を押圧する。揺動プッシャ42の押圧が解除されると押圧部材30Aは付勢手段35の付勢力によって電子光学部品100から離れる方向に戻される。
【0034】
押圧部材30は、押圧部材30Bのように、揺動プッシャ42と接触する第1部材31と、電子光学部品100と接する第2部材32とを有していてもよい。第1部材31と第2部材32との間にはコイルばね等の補助付勢手段36が設けられる。第1部材31はX方向にスライド可能に設けられ、コイルばね等の付勢手段37によって電子光学部品100から離れる方向に付勢される。付勢手段37は、一方の端部が第1部材31の一部であるスライドプレート312に接し、他方の端部はベース10に対して相対位置が固定された受け部371に接している。
【0035】
このような構成により、押圧部材30Bは揺動プッシャ42の揺動による力を第1部材31で受けて、第1部材31から補助付勢手段36を介して第2部材32へ伝え、第2部材32によって電子光学部品100を押圧する。補助付勢手段36を介することによって、第1カバー20の動作に起因する押圧部材30の押圧力を安定させることができ、精密部品である電子光学部品100への押圧部材30の接触が安定化される。具体的には、例えば、第1カバー20が勢いよく閉じられたことによって揺動プッシャ42が強く揺動した場合には、第1部材31がX方向の電子光学部品100側に強い力で移動することになるが、このような場合であっても、補助付勢手段36が第1部材31からの力を適当に減衰させて第2部材32に伝達するため、第2部材32の電子光学部品100への接触・押圧を安定化させることができる。揺動プッシャ42の押圧が解除されると第1部材31は付勢手段37の付勢力によって電子光学部品100から離れる方向に戻され、これとともに第2部材32も電子光学部品100から離れる。この場合も、第1部材31と第2部材32との間に位置する補助付勢手段36の付勢力がなくなるまでは第2部材32は電子光学部品100に接触するため、電子光学部品100の基準壁Wへの押し当て解除が穏やかに行われる。
【0036】
タイミング調整部材40によって押圧部材30で電子光学部品100を押圧するタイミングを調整することで、第1カバー20の閉動作およびコネクタ103とガイド部70との嵌合動作との関係で押圧部材30の動作タイミング(押し当てのタイミング)を調整することができる。例えば、第1カバー20を閉じてコネクタ103とガイド部70との嵌合タイミングとの関係で、押し当てタイミングを任意に調整することができる。コネクタ103とガイド部70とが嵌合した後に押し当てたい場合には、タイミング調整部材40による押圧部材30の動作開始を遅くすればよい。押圧のタイミングはロッド41の長さ、初期位置、揺動プッシャ42の軸から端部までの距離などによって調整される。ロッド41の長さや初期位置を調整可能(可動式)に設けてもよい。
【0037】
また、押圧部材30の取付位置を調整可能(可動式)に設けてもよい。例えば、押圧部材30Bにおける第1部材31が揺動プッシャ42に接触するコンタクトプレート311と付勢手段37に接触するスライドプレート312とを有し、コンタクトプレート311とスライドプレート312とのX方向の相対位置が変更可能とされていてもよい。この相対位置を変更することにより、揺動プッシャ42がコンタクトプレート311に接触するタイミングを調整することができる。あるいは、受け部371がベース10とは別部材から構成され、ベース10に対する受け部371の取付位置を調整できるようになっていてもよい。この取付位置を変更することにより揺動プッシャ42と接触する前の初期状態における押圧部材30B(第1部材31)の位置が変更されるため、揺動プッシャ42がコンタクトプレート311に接触するタイミングを調整することができる。
【0038】
測定用ソケット1Aによって電子光学部品100の測定を行うには、先ず、第1カバー20を開いた状態で、ベース10の凹部11に電子光学部品100を載置する。電子光学部品100の筐体1011は、凹部11のテーパ部で呼び込まれて、ストレート部に収容される。コネクタ103はガイド部70に嵌合される。第1カバー20が開いた状態では、押圧部材30は電子光学部品100の筐体1011から離れている。
【0039】
次に、第1カバー20を閉じる。第1カバー20を閉じるとラッチ60が爪16に掛かる前に第1カバー20によってコネクタ103が押さえられる。例えば、第1カバー20におけるコネクタ103と対応する位置には凸部23が設けられており、第1カバー20を閉じることで凸部23がコネクタ103をZ方向に押圧し、コネクタ103をガイド部70に嵌合させる。これにより、ガイド部70内のコンタクトピン71がコネクタ103の端子と接触する状態となる。
【0040】
さらに第1カバー20を閉じてラッチ60が爪16に掛かるタイミングでラッチ60によってロッド41が押し込まれる。ロッド41の押し込みによって揺動プッシャ42が動作して押圧部材30を押圧する。測定用ソケット1Aでは、2つの押圧部材30A、30Bによって電子光学部品100の筐体1011を2方向(X、Y方向)に押圧し、筐体1011が基準壁Wに押し当てられる。
【0041】
筐体1011が押圧部材30によって押圧される段階では、コネクタ103はガイド部70に嵌合しておりコネクタ103の端子とコンタクトピン71との接触(電気的導通)は完了している。この後で押圧部材30によって筐体1011が基準壁Wに押し当てられることで、コンタクトピン71とコネクタ103の端子との接触を維持した状態で光軸が正確に合わせられる。電子光学部品100の電気的導通および光軸の正確な合わせが行われた状態でラッチ60が爪16に掛かって第1カバー20がベース10に固定される。第1カバー20を閉じてベース10に固定された状態で、測定用ソケット1Aを用いて電子光学部品100の電気的および光学的な測定が行われる。
【0042】
測定用ソケット1Aでは、第1カバー20を閉じてコネクタ103がガイド部70に嵌合した際、電子部品101の筐体1011の位置が正確に定まっていない場合でも、コネクタ103とコンタクトピン71との接触の後で押圧部材30によって筐体1011が基準壁Wに押し当てられる。特に、フレキシブル基板102が固い場合、コネクタ103の位置が固定されることでフレキシブル基板102の曲がりや捩れなどで電子部品101の位置ずれや浮きが発生しやすい。このように電子部品101の位置ずれが発生していても、押圧部材30によって筐体1011を押圧することでの電子部品101の位置を正確に決めることができる。
【0043】
一方、コネクタ103とガイド部70とが確実に嵌合する前に押圧部材30による押圧が始まるとコネクタ103の端子とコンタクトピン71との確実な接触の妨げとなる。また、第1カバー20を閉じる際にフレキシブル基板102を押さえる動作との関係から、フレキシブル基板102の押さえが完了する前に押圧部材30で筐体1011を押圧して電子部品101の光軸を合わせておくことが好ましい。測定用ソケット1Aでは、タイミング調整部材40によって第1カバー20の動作と連動して押圧部材30による電子光学部品100の押圧のタイミングを任意に設定でき、電子部品101との電気的接続と、光学的な軸合わせとの両立を図ることができる。
【0044】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図5は、測定対象の電子光学部品を例示する斜視図である。
図6は、第2実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。なお、図6では、説明の便宜上、第1カバー20を省略した状態が表されている。
第2実施形態に測定用ソケット1Bは、押圧部材30およびタイミング調整部材40が第1カバー20に設けられている。
【0045】
本実施形態に係る測定用ソケット1Bにおいて、第1カバー20はベース10に対して回動可能に取り付けられる。測定対象となる電子光学部品100として、フレキシブル基板102に電子部品101およびコネクタ103が接続されたものが適用される。フレキシブル基板102は途中で基板面方向に屈曲する部分と基板高さ(厚さ)方向に屈曲する部分とを有している。
【0046】
このような電子光学部品100を測定対象とした測定用ソケット1Bにおいては、ベース10のガイド部70は第1カバー20のヒンジ50側に配置され、凹部11はヒンジ50とは反対側(ラッチ60側)に配置される。ベース10に電子光学部品100を載置すると、フレキシブル基板102の屈曲によってコネクタ103は電子部品101よりも高い位置(Z方向にベース10から離れる位置)に配置される。したがって、第1カバー20を閉じると、第1カバー20に設けられた押圧部材30が電子部品101と接触する前に第1カバー20がコネクタ103と接触してガイド部70へ嵌合させることができる。
【0047】
第1カバー20側に設けられたタイミング調整部材40は第1カバー20に沿って進退可能なロッド41を有する。ロッド41の端部41aは第1カバー20の縁20aから僅かに突出している。第1カバー20を閉じてラッチ60が爪16に掛かるタイミングでラッチ60がロッド41の端部41aに当接し、ロッド41を押し込むようになる。ロッド41が押し込まれると押圧部材30が電子部品101の筐体1011を押圧することになる。
【0048】
タイミング調整部材40のロッド41はベースプレート43に対して進退可能に取り付けられる。このベースプレート43は、第1カバー20に取り付けられる。ベースプレート43の第1カバー20に対する取付位置は調整可能となっており、ベースプレート43の取付位置の調整によってロッド41を介して押圧部材30を電子部品101の筐体1011に当接させるまでのタイミングを調整することができる。
【0049】
測定用ソケット1Bにおいて、第1カバー20を閉じて筐体1011が押圧部材30によって押圧される段階では、コネクタ103はガイド部70に嵌合しており、第1カバー20に設けられた凸部23によって押圧されることでコネクタ103の端子とコンタクトピン71との接触(電気的導通)は完了している。この後で押圧部材30によって筐体1011が基準壁Wに押し当てられることで光軸が正確に合わせられる。電子光学部品100の電気的導通および光軸の正確な合わせが行われた状態でラッチ60が爪16に掛かって第1カバー20がベース10に固定される。第1カバー20を閉じてベース10に固定された状態で、測定用ソケット1Bを用いて電子光学部品100の電気的および光学的な測定が行われる。
【0050】
測定用ソケット1Bでは、タイミング調整部材40が第1カバー20側に設けられ、ベース10側に配置しなくてもよいため、ベース10の構成が簡素化され、ベース10における電子光学部品100の配置自由度および設計自由度が高まる。
【0051】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図8は、第3実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
第3実施形態に係る測定用ソケット1Cは、ベース10と第1カバー20との間に第2カバー25(センターカバー)が設けられる。測定用ソケット1Cにおいては、押圧部材30が第2カバー25に設けられる。押圧部材30は電子部品101の筐体1011の隅部を斜めに押圧するように設けられる。
【0052】
タイミング調整部材40は、第1カバー20側に設けられる突出部44と、第2カバー25側に設けられるリンク部46とを有する。第1カバー20および第2カバー25を閉じる際、第1カバー20側の突出部44が第2カバー25側のリンク部46の端部に当接してリンク部46を押すことになる。リンク部46が押されることで押圧部材30が延出して筐体1011を押圧することになる。
【0053】
タイミング調整部材40では、第1カバー20に対する突出部44の取付位置が調整可能となっている。これにより、突出部44とリンク部46との位置関係が調整され、第1カバー20および第2カバー25を閉じた際の突出部44とリンク部46との当接のタイミングが変わり、押圧部材30による筐体1011の押圧タイミングを調整できることになる。
【0054】
また、測定用ソケット1Cにおいては、第2カバー25に窓部25hが設けられており、窓部25h越しに第1カバー20に設けられた凸部23がベース10のガイド部70側に突出するようになっている。これにより、第1カバー20および第2カバー25を閉じる際、押圧部材30で筐体1011を押圧する前に、窓部25hからガイド部70側に突出した凸部23がガイド部70に載置されたコネクタ103を押圧し嵌合させる。その後、押圧部材30が延出して筐体1011を押圧し基準壁Wへ押し付けるようになる。
【0055】
測定用ソケット1Cでは、第2カバー25によってフレキシブル基板102を押さえることができ、電子光学部品100をベース10に載置した際のフレキシブル基板102の浮きを効果的に抑制することができる。
【0056】
測定用ソケット1Cにおけるタイミング調整部材40は、第1カバー20および第2カバー25の閉動作と連動し、第1カバー20の閉動作に伴うコネクタ103のガイド部70への嵌合のタイミング、および第2カバー25によるフレキシブル基板102の押圧のタイミングとの関係で、電子部品101の押圧のタイミングを調整することができる。また、第2カバー25に押圧部材30およびタイミング調整部材40の一部が設けられることで、第1カバー20やベース10の構成を簡素化することができる。
【0057】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図10は、第4実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
第4実施形態に係る測定用ソケット1Dは、第3実施形態に係る測定用ソケット1Cと同様、ベース10と第1カバー20との間に第2カバー25(センターカバー)が設けられ、押圧部材30が第2カバー25に設けられる。
【0058】
測定用ソケット1Dでは、第1カバー20に設けられた突出部44がローラ状になっている。ローラ状の突出部44によって、第1カバー20を閉じた際の突出部44とリンク部46との当たりが滑らかになり、低抵抗で第1カバー20および第2カバー25を閉じることが可能となる。
【0059】
(第5実施形態)
図11は、第5実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図5実施形態に係る測定用ソケット1Eでは、押圧部材30およびタイミング調整部材40がプッシュユニット300として一体構成となっている。プッシュユニット300はベース10に取り付けられている。
【0060】
プッシュユニット300は筐体301を有し、筐体301内に押圧部材30およびタイミング調整部材40が組み込まれている。プッシュユニット300の筐体301からはタイミング調整部材40の一部であるプッシュボタン45が突出している。プッシュボタン45を押すことで筐体301内のリンク(タイミング調整部材40の一部)が動作して押圧部材30が電子光学部品100側へ突出し、筐体1011を押圧して基準壁Wに押し当てるようになる。
【0061】
プッシュユニット300におけるプッシュボタン45の高さ(Z方向の位置)を調整するか、または第1カバー20側のプッシュボタン45と当接する部分の高さ(厚さ)を調整することで、第1カバー20を閉じた際のプッシュボタン45との当接のタイミングが調整される。これにより、押圧部材30による筐体1011の押圧タイミングを調整できることになる。また、押圧部材30およびタイミング調整部材40がプッシュユニット300になっていることで、プッシュユニット300の単位で交換や、他の測定用ソケットへの転用が容易となって、測定用ソケットの設計自由度を高めることができる。
【0062】
(第6実施形態)
図12は、第6実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
第6実施形態に係る測定用ソケット1Fでは、第2カバー25に2つの押圧部材30A、30Bが設けられる。各押圧部材30A、30Bは互い異なる2方向(例えば、X方向およびY方向)へ筐体1011を押圧して電子部品101を基準壁Wに押し当てるようになっている。
【0063】
押圧部材30A、30Bのそれぞれに対応したタイミング調整部材40A、40Bはベース10側に設けられる。これにより、第2カバー25が閉じることでタイミング調整部材40A、40Bと押圧部材30A、30Bとが当接し、タイミング調整部材40A、40Bに設けられたテーパ壁に沿って押圧部材30A、30Bの後端部が押され、押圧部材30A、30Bがスライドしながら筐体1011を押圧していくことになる。
【0064】
測定用ソケット1Fでは、ベース10に対するタイミング調整部材40A、40Bの取付位置を調整することで、タイミング調整部材40A、40Bと押圧部材30A、30Bとの当接のタイミングを変更することができ、第1カバー20の閉動作に伴うコネクタ103のガイド部70への嵌合のタイミング、および第2カバー25によるフレキシブル基板102の押圧のタイミングとの関係で、電子部品101の押圧のタイミングを調整することができる。
【0065】
(第7実施形態)
図13は、第7実施形態に係る測定用ソケットを例示する斜視図である。
図14は、押圧部材の拡大斜視図である。
図15(a)から(c)は、第7実施形態に係る測定用ソケットの動作を説明する模式図である。
本実施形態に係る測定用ソケット1Gにおいて、第1カバー20はベース10に対して回動可能に取り付けられる。タイミング調整部材40は第1カバー20の回動の軸55に設けられた偏心カム47と、偏心カム47によって移動可能に設けられたスライド部48とを有する。また、押圧部材30はベース10側に設けられ、スライド部48と接触する第1部材31と、電子光学部品100と接触する第2部材32とを有する。第1部材31と第2部材32との間には補助付勢手段36が設けられ、第1部材31を電子光学部品100から離れる方向に付勢する付勢手段37が設けられる。
【0066】
スライド部48は付勢手段37によって偏心カム47側に付勢されている。また、スライド部48には、偏心カム47と当接する第1ローラ481と、第1部材31と当接する第2ローラ482とが設けられる。
【0067】
測定用ソケット1Gによって電子光学部品100の測定を行うには、先ず、図15(a)に示すように第1カバー20を開いた状態で、ベース10の凹部11に電子光学部品100を載置する。電子光学部品100の筐体1011は、凹部11のテーパ部で呼び込まれて、ストレート部に収容される。第1カバー20が開いた状態では、スライド部48は偏心カム47とは当接せず、付勢手段37によってヒンジ50側に寄っている。これにより、押圧部材30の第2部材32は電子光学部品100の筐体1011から離れている。
【0068】
次に、図15(b)に示すように、第1カバー20を閉じる。第1カバー20を閉じると偏心カム47が第2ローラ482と当接しスライド部48を押圧する。スライド部48が押圧されることで第1ローラ481によって押圧部材30の第1部材31が押され、補助付勢手段36を介して第2部材32が押される。これにより第2部材32が電子部品101の筐体1011を押圧し、筐体1011を基準壁Wに押し当てる。これにより電子部品101の位置決めが行われる。
【0069】
さらに、図15(c)に示すように第1カバー20を閉じていくと、第1カバー20によって電子光学部品100がZ方向に押圧される。これにより、電子光学部品100の裏面に設けられたパッド(図示せず)とコンタクトピン71とが接触し、電気的な接続が行われる。
【0070】
測定用ソケット1Gに設けられた偏心カム47を用いることで、偏心カム47のプロファイルの変更によって第1カバー20を閉じる動作と押圧部材30による電子光学部品100の押圧のタイミング、押圧力の変化を任意に設定可能となる。また、タイミング調整部材40として偏心カム47を用いることにより、装置構成の小型化を図ることができる。
【0071】
なお、測定用ソケット1Gにおいて、第2カバー25を備えており第2カバー25の回動軸に偏心カム47を設けるようにしてもよい。これにより、第2カバー25の動作に連動して偏心カム47を動作させて押圧部材30により電子光学部品100を押圧することができる。また、測定用ソケット1Gの測定対象となる電子光学部品100は、電子部品101、フレキシブル基板102およびコネクタ103を備えた構成であってもよい。
【0072】
(コンタクト装置)
図16は、本実施形態に係るコンタクト装置を例示する模式図である。
本実施形態に係るコンタクト装置500は、先に説明した測定用ソケット1A~1Gと同様に、ベース10、第1カバー20、押圧部材30およびタイミング調整部材40を備える。コンタクト装置では、第1カバー20がベース10に対して上下動するよう構成される。
【0073】
ベース10には、電子光学部品100を載置する凹部11が設けられる。ベース10には、例えば4箇所に支柱15が設けられている。第1カバー20は、この支柱15によって支持され、支柱15に沿って上下動可能に設けられる。支柱15にはバネ17が設けられており、第1カバー20を上方に付勢している。第1カバー20は、図示しない駆動機構によってバネ17の付勢力を超えた力で押し込まれることにより、ベース10の上に被せられる。
【0074】
第1カバー20を下降することでガイド部70にコネクタ103が嵌合し、コンタクトピン71とコネクタ103の端子とが接触するようになる。この第1カバー20の下降の動作に連動して、タイミング調整部材40を介して押圧部材30が動作し、押圧部材30によって電子部品101の筐体1011を押圧して基準壁Wに押し当てる。これにより、電子光学部品100の電気的接続と、光学的な軸合わせとの両立を図ることができる。この際、タイミング調整部材40によって第1カバー20の動作と連動して押圧部材30による電子光学部品100の押圧のタイミングを任意に設定することができる。
【0075】
図16に示すコンタクト装置500の例では、第1カバー20側に押圧部材30およびタイミング調整部材40が設けられているが、ベース10側に押圧部材30およびタイミング調整部材40を設けてもよい。
【0076】
以上説明したように、実施形態に係る測定用ソケット1A~1Gによれば、電子光学部品100を正確に位置決めして確実な導通および光軸合わせを行うことが可能となる。
【0077】
なお、上記に本実施形態およびその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、測定対象となる電子光学部品100として、フレキシブル基板102に電子部品101およびコネクタ103が接続されたものを例としたが、電子光学部品100の構成は、これに限定されない。また、前述の実施形態またはその具体例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0078】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…測定用ソケット
10…ベース
10a…縁
11…凹部
15…支柱
16…爪
17…バネ
20…第1カバー
20a…縁
23…凸部
25…第2カバー
25h…窓部
30…押圧部材
30A,30B…押圧部材
31…第1部材
32…第2部材
35,37…付勢手段
36…補助付勢手段
40…タイミング調整部材
40A,40B…タイミング調整部材
41…ロッド
41a…端部
42…揺動プッシャ
42a…軸
43…ベースプレート
44…突出部
45…プッシュボタン
46…リンク部
47…偏心カム
48…スライド部
50…ヒンジ
55…軸
56…バネ
60…ラッチ
70…ガイド部
71…コンタクトピン
100…電子光学部品
101…電子部品
102…フレキシブル基板
103…コネクタ
300…プッシュユニット
301…筐体
311…コンタクトプレート
312…スライドプレート
351,371…受け部
481…第1ローラ
482…第2ローラ
500…コンタクト装置
1011…筐体
W…基準壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2020-11-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、
前記電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、
前記ベースに被せられるカバーと、
前記電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、
前記押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、
を備え、
前記電子光学部品が前記凹部に収容された状態において、前記カバーが閉じる動作に基づいて前記タイミング調整部材によって前記押圧部材が押圧され、前記電子光学部品が前記基準壁に押し当てられ、
前記カバーは、前記ベースに対して回動可能に支持され、
前記タイミング調整部材は前記カバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、前記カバーが閉じる動作に同期する前記偏心カムの動作によって前記押圧部材が押圧される、ことを特徴とする測定用ソケット。
【請求項2】
電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、
前記電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、
前記ベースに被せられるカバーと、
前記電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、
前記押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、
を備え、
前記電子光学部品が前記凹部に収容された状態において、前記カバーが閉じる動作に基づいて前記タイミング調整部材によって前記押圧部材が押圧され、前記電子光学部品が前記基準壁に押し当てられ、
前記ベースと前記カバーとの間に設けられ前記ベースに対して回動可能に支持されたセンターカバーをさらに備え、
前記タイミング調整部材は前記センターカバーの回動軸に設けられた偏心カムを有し、前記センターカバーが閉じる動作に同期する前記偏心カムの動作によって前記押圧部材が押圧される、ことを特徴とする測定用ソケット
【請求項3】
電子光学部品を測定対象とする測定用ソケットであって、
前記電子光学部品を収容する凹部を有するベースと、
前記ベースに被せられるカバーと、
前記電子光学部品を基準壁に押し当てるための押圧部材と、
前記押圧部材の動作を開始するタイミングを調整するタイミング調整部材と、
を備え、
前記電子光学部品が前記凹部に収容された状態において、前記カバーが閉じる動作に基づいて前記タイミング調整部材によって前記押圧部材が押圧され、前記電子光学部品が前記基準壁に押し当てられ、
前記ベースに対して回動可能に支持された前記カバーと、前記ベースと前記カバーとの間に設けられたセンターカバーをさらに備え、
前記押圧部材は前記センターカバーに設けられる、ことを特徴とする測定用ソケット
【請求項4】
前記タイミング調整部材は前記カバーに設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の測定用ソケット。