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特開2022-28394部材の抗ウイルス表面処理方法及び抗ウイルス部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028394
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】部材の抗ウイルス表面処理方法及び抗ウイルス部材
(51)【国際特許分類】
   B24C 1/00 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
B24C1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131763
(22)【出願日】2020-08-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】519217434
【氏名又は名称】株式会社サーフテクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】511241583
【氏名又は名称】株式会社フリクション
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】下平 英二
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 正夫
(72)【発明者】
【氏名】児玉 伴子
(72)【発明者】
【氏名】新井 正彦
(57)【要約】
【課題】 部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに形成することで、部材の表面に抗ウイルス効果(作用)を持たせることができる部材の抗ウイルス表面処理方法、及び抗ウイルス効果を有する抗ウイルス部材を提供する。
【解決手段】 本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法は、部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.3μm以上であり最大値が1.0μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.01μm以上であり最大値が0.3μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.3μm以上であり最大値が1.0μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.01μm以上であり最大値が0.3μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項2】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.497μm以上であり最大値が1.739μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.176μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス性表面処理方法。
【請求項3】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.513μm以上であり最大値が0.890μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.011μm以上であり最大値が0.026μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項4】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.378μm以上であり最大値が0.769μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.283μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項5】
前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1つに記載の部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項6】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.3μm以上であり最大値が1.0μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.01μm以上であり最大値が0.3μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項7】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.497μm以上であり最大値が1.739μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.176μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項8】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.513μm以上であり最大値が0.890μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.011μm以上であり最大値が0.026μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項9】
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.378μm以上であり最大値が0.769μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.283μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項10】
前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されることを特徴とする請求項6~請求項9の何れか1つに記載の抗ウイルス部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材の表面に微小凹部を無数にランダムに形成する処理を行うことで部材表面に抗ウイルス性(抗ウイルス作用、抗ウイルス効果)を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、本出願人等は、特許文献1において提案しているように、ショット材を投射するショット材投射処理の一つである微粒子投射処理(例えば、微粒子ピーニング処理など)を施すことにより、粉体と接触する部材(以下、粉体接触部材とも称する)の表面に微小凹凸を無数に不規則(ランダム)に形成することで、粉体の付着を抑制することができる技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6416151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本出願人等は、微小凹凸を無数にランダムに形成することによる表面改質技術の様々な分野への適用の可能性を探るべく、部材の表面(対象物と接触する表面)に微小凹凸を無数に形成することによる作用効果を様々な分野で確認するといったアプローチを種々行っているが、その過程において、本発明者等は、これまで知られていなかった新たな知見を得た。
【0005】
なお、これまでに、微小凹部を複数(無数)に形成することによる効果として知られていた効果は、粉体や粘着物の付着抑制、摺動部に微小凹凸を無数に形成することでオイル溜まりとして機能させて摺動抵抗の低減・摩耗抑制などの効果であり、今回発見した効果はこれらからは予測不能な全く別異の効果である。
【0006】
今回得られたその知見とは、部材の表面に、微小凹凸を無数に(複数)ランダムに形成すると、抗ウイルス作用(効果)を生じさせることができるというものである。
【0007】
本発明は、上述したような実情に鑑みなされたもので、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに形成することで、部材の表面に抗ウイルス効果(作用)を持たせることができる部材の抗ウイルス表面処理方法、及び抗ウイルス効果を有する抗ウイルス部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.3μm以上であり最大値が1.0μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.01μm以上であり最大値が0.3μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.497μm以上であり最大値が1.739μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.176μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.513μm以上であり最大値が0.890μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.011μm以上であり最大値が0.026μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.378μm以上であり最大値が0.769μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.283μm以下である微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る部材の防ウイルス表面処理方法において、前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とすることができる。
【0013】
本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.3μm以上であり最大値が1.0μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.01μm以上であり最大値が0.3μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.497μm以上であり最大値が1.739μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.176μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.513μm以上であり最大値が0.890μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.011μm以上であり最大値が0.026μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、その凹凸ピッチの最小値が0.378μm以上であり最大値が0.769μm以下であり、その凹部の深さの最小値が0.047μm以上であり最大値が0.283μm以下である微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る抗ウイルス部材において、前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに形成することで、部材の表面に抗ウイルス効果(作用)を持たせることができる部材の抗ウイルス表面処理方法、及び抗ウイルス効果を有する抗ウイルス部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験の結果(試料(1)~(3))を示す図である。
図2】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験の試験条件等を示す図である。
図3】図上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験の結果(試料(4)~(7))を示す図である。
図4】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(1)(比較対照:Reference)の表面の3D画像及び表面形状の一例を示す図である。
図5】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(2)(P43処理)の表面の3D画像を示す図である。
図6】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(2)(P43処理)の表面形状データの一例を示す表である。
図7】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(3)(P60処理)の表面の3D画像を示す図である。
図8】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(3)(P60処理)の表面形状データの一例を示す表である。
図9】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(5)(PT1処理)の表面の3D画像を示す図である。
図10】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(5)(PT1処理)の表面形状データの一例を示す表である。
図11】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(6)(P10処理)の表面の3D画像を示す図である。
図12】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(6)(P10処理)の表面形状データの一例を示す表である。
図13】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(7)(M処理)の表面の3D画像を示す図である。
図14】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料(7)(M処理)の表面形状データの一例を示す表である。
図15】同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料の表面形状データに対する抗ウイルス性効果のまとめを示す表である。
図16】(A)は同上実施の形態に係る抗ウイルス性能評価試験に供した試料の表面形状データに対する抗ウイルス性効果を示したグラフであり、(B)は各種ウイルスの大きさを例示した表である。
図17】ショット材投射処理の一例である微粒子ピーニング処理に用いるメディアをワンショットすることにより実験的に形成した単一の微小凹部の断面SEM像である。
図18】レーザ加工による凹部断面SEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0021】
上述したように、本出願人等は、ディンプル状の微小凹部を無数にランダムに形成することによる表面改質技術の様々な分野への適用の可能性を探るべく、部材の表面に微小凹部を無数に形成することによる作用効果を様々な分野で確認するといったアプローチを種々行っているが、そのようなアプローチの過程において、本発明者等は、従来知られていなかった新たな知見を得た。
【0022】
具体的には、前記アプローチの過程において、ディンプル状の微小凹部を表面に無数に形成した部材(試験片)を、抗ウイルス性能評価試験(ISO 21702を参照)に供してみたところ、微小凹部を表面に無数に形成した部材(試料或いは試験片)には、抗ウイルス作用(抗ウイルス性、抗ウイルス効果)があるという知見を得た。
かかる知見は、ディンプル状の微小凹部を無数に表面に形成した部材に関して、従来知られていない作用効果であり、上述したように、これまでの知見からは予測不能な作用効果である。
【0023】
なお、試験は、外部機関(地方独立法人神奈川県立産業技術総合研究所)にて実施し、その抗ウイルス性能評価試験の結果を、図1に示す。試験方法、条件などについては、図2に示した通りである。
【0024】
図1に示すように、比較対照である試料(1)「SUS304 ♯700 未処理」(Reference)は、Ref.-1、Ref.-2、Ref.-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、4.40×E+04~6.90×E+04の範囲(平均値は、5.63×E+04)であった。なお、E+04は、10を表す(以下同様)。
「SUS304 ♯700 未処理」(Reference)は、SUS304からなるステンレス製の板材の表面をP700番バフにより研磨仕上げしたもので、その表面は、図4の3D画像に示すように、鏡面に近い状態である。
後述する試料(2)~(5)は、この比較対照である試料(1)に対して各種の表面処理を施したものである。
【0025】
なお、後述するものを含めて、本実施の形態における3D画像、表面形状、表面形状データは、KEYENCE社製の形状測定レーザーマイクロスコープVK-X1000を用いて取得した。
【0026】
試料(2)「SUS304 ♯700 P43(処理)」(Antibac-P43)は、図1に示したように、P43-1、P43-2,P43-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、5.60×E+03~1.30×E+04の範囲(平均値は、1.02×E+04)であり、また、抗ウイルス活性値は、0.7であった。
試料(2)「SUS304 ♯700 P43(処理)」(Antibac-P43)は、比較対照(未処理のSUS304 ♯700)に対して抗ウイルス性(ウイルスに対する抑制効果)があることが確認された。
【0027】
なお、ここでの抗ウイルス活性値は、以下の式から算出される。
抗ウイルス活性値:R=Ut-At
Ut:無加工試験片(試料)における反応後の単位体積当たりのウイルス平均感染価の対数値
At:抗ウイルス加工試験片(試料)における反応後の単位体積当たりのウイルス平均感染価の対数値
【0028】
なお、P43(処理)は、ディンプル状の微小凹部を無数に形成する表面処理(ショット材投射処理、マイクロディンプル処理、微粒子投射処理など。以下、同様)の一つであり、SUS304からなるステンレス製の板材(比較対照)の表面に、まず最初に、例えば、1種類目のメディア(商品名「フジランダム(カーボランダム)」、粒番号C♯400(最大粒子径75μm以下、累積高さ50%点の粒子径30.0±2.0μm)のSiC(炭化珪素))を1/数(例えば0.3)MPa程度の圧縮空気と共に噴射ノズルから噴射し、被加工面(試料の表面、部材の表面)に投射処理(以下、投射加工とも称する)を行う。
次に、例えば、2種類目のメディア(商品名「フジランダム(カーボランダム)」、粒番号C♯3000(最大粒子径13μm以下、累積高さ50%点の粒子径4.0±0.5μm)のSiC(炭化珪素))を、1/数(例えば0.4)MPa程度の圧縮空気と共に被加工面に投射処理(投射加工)を行う処理である。
【0029】
なお、試料(2)「SUS304 ♯700 P43」(Antibac-P43)は、図5に示すように、表面に、ディンプル状の微小凹部が無数にランダムに形成されている。
また、図6に示すように、試料(2)の表面に形成された微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.378~0.769μm程度の範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が0.378μm程度以上で、最大値が0.769μm程度以下である。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.047~0.283μm程度の範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.047μm程度以上で、最大値が0.283μm程度以下)であった。
【0030】
試料(3)「SUS304 ♯700 P60(処理)」(Antibac-P60)は、図1に示したように、P60-1、P60-2,P60-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、1.30×E+04~2.50×E+04の範囲(平均値は、2.10×E+04)であった。また、抗ウイルス活性値は、0.4であった。
試料(3)「SUS304 ♯700 P60(処理)」(Antibac-P60)には、比較対照(未処理のSUS304 ♯700)に対して抗ウイルス性(ウイルスに対する抑制効果)があることが確認された。
【0031】
なお、P60(処理)は、ディンプル状の微小凹部を無数に形成する表面処理の一つであり、SUS304からなるステンレス製の板材(比較対照)の表面に、(株)不二製作所製の研磨材(商品名「不二ランダムGC(グリーンカーボランダム)」、粒番号C#6000(最大粒子径8μm以下、累積高さ50%点の粒子径2.0±0.4μm)のSiC(炭化ケイ素)を1/数(例えば0.7)MPa程度の圧縮空気と共に噴射ノズルから噴射し、被加工面に投射処理(投射加工)を行う処理である。
【0032】
なお、試料(3)「SUS304 ♯700 P60」(Antibac-P60)は、図7に示すように、表面に、ディンプル状の微小凹部が無数にランダムに形成されている。
また、図8に示すように、試料(3)の表面に形成された微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.513~0.890μm程度の範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が0.513μm程度以上で、最大値が0.890μm程度以下である。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.011~0.026μm程度の範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.011μm程度以上で、最大値が0.026μm程度以下)であった。
【0033】
以下の試料(4)~(7)は、上記とは異なる試験日にて同一の試験を行った。試料(4)~(7)の試験結果を図3に示す。なお、試験条件などは、図2と同じである。
比較対照である試料(4)は、試料(1)と同じ試料「SUS304 ♯700 未処理」(Reference)であり、図3に示したように、Ref.-1、Ref.-2、Ref.-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、3.8×E+04~1.1×E+05の範囲(平均値は、7.43×E+04)であった。
【0034】
試料(5)「SUS304 ♯700 PT1(処理)」は、図3に示したように、PT1-1、PT1-2,PT1-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、4.4×E+04~6.3×E+04の範囲(平均値は、5.23×E+04)であった。また、抗ウイルス活性値は、0.1であった。
試料(5)「SUS304 ♯700 PT1(処理)」は、比較対照(未処理のSUS304 ♯700)に対して抗ウイルス性(ウイルスに対する抑制効果)がある程度あることが確認された。
【0035】
なお、PT1(処理)は、ディンプル状の微小凹部を無数に形成する表面処理の一つであり、SUS304からなるステンレス製の板材(比較対照)の表面に、新日本金属(株)製のタングステンカーバイド粉、記号WC-10(粒度:0.70~1.19μm)を、1/数(例えば0.4)MPa程度の圧縮空気と共に噴射ノズルから噴射し、被加工面に投射加工を行う処理である。
【0036】
なお、試料(5)は、図9に示すように、表面に、ディンプル状の微小凹部が無数にランダムに形成されている。
また、図10に示すように、試料(5)の表面に形成された微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.497~1.739μm程度の範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が0.497μm程度以上で、最大値が1.739μm程度以下である。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.047~0.176μm程度の範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.047μm程度以上で、最大値が0.176μm程度以下)であった。
【0037】
試料(6)「SUS304 ♯700 P10(処理)」は、図3に示したように、P10-1、P10-2,P10-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、5.6×E+04~8.8×E+04の範囲(平均値は、7.10×E+04)であった。また、抗ウイルス活性値は、-0.1であった。
試料(6)「SUS304 ♯700 P10(処理)」は、比較対照(未処理のSUS304 ♯700)に対して抗ウイルス性(ウイルスに対する抑制効果)がほとんどないことが確認された。
【0038】
ここで、P10処理は、ディンプル状の微小凹部を無数に形成する表面処理の一つであり、SUS304からなるステンレス製の板材(比較対照)の表面に、(株)不二製作所製の研磨材(商品名「不二ランダムC(カーボランダム)」、粒番号C#1000(最大粒子径32μm以下、累積高さ50%点の粒子径11.5±1.0μm)のSiC(炭化ケイ素)を1/数(例えば0.3)MPa程度の圧縮空気と共に噴射ノズルから噴射し、被加工面に投射処理(投射加工)を行う処理である。
なお、試料(6)は、図11に示すように、表面に、ディンプル状の微小凹部が無数にランダムに形成されている。
また、図12に示すように、試料(6)の表面に形成された微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が1.488~6.763μm程度の範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が1.488μm程度以上で、最大値が6.763μm程度以下である。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.198~0.387μm程度の範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.198μm程度以上で、最大値が0.387μm程度以下)であった。
【0039】
試料(7)「SUS304 ♯700 M(処理)」は、図3に示したように、M-1、M-2,M-3の3つのロットにおいて、ウイルスの感染価(pfu/cm)の値が、5.0×E+04~8.1×E+04の範囲(平均値は、6.47×E+04)であった。また、抗ウイルス活性値は、0.1であった。
試料(7)「SUS304 ♯700 M(処理)」は、比較対照(未処理のSUS304 ♯700)に対して抗ウイルス性(ウイルスに対する抑制効果)がほとんどないことが確認された。
【0040】
なお、M処理は、ディンプル状の微小凹部を無数に形成する表面処理の一つであり、ここでは、SUS304からなるステンレス製の板材(比較対照)の表面に、(株)不二製作所製の研磨材FGB(フジガラスビーズ)の粒番号400(中心粒径が、≦53μm)のメディア(ショット材)を1/数(例えば0.3)MPa程度の圧縮空気と共に投射する投射処理(投射加工)を行う処理である。
【0041】
なお、試料(7)は、図13に示すように、表面に、ディンプル状の微小凹部が無数にランダムに形成されている。
また、図14に示すように、試料(7)の表面に形成された微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が19.63~43.96μm程度の範囲(言い換えると、凹凸ピッチの最小値が19.63μm程度以上で、最大値が43.96μm程度以下である。)、凹部深さの最小値と最大値の範囲が0.638~1.795μm程度の範囲(言い換えると、凹凸深さの最小値が0.638μm程度以上で、最大値が1.795μm程度以下)であった。
【0042】
以上の抗ウイルス性試験の結果及び各試料の表面形状データをまとめたものを、図15に示す。
P43処理を施した試料(2)が、無加工品(比較対照)と比較したウイルス感染価の減少率が81.9%で抗ウイルス性が一番高く、P60処理を施した試料(3)は同ウイルス感染価の減少率が62.7%で抗ウイルス性が二番目に高く、PT1処理を施した試料(5)は同ウイルス感染価の減少率が29.67%で抗ウイルス性が三番目に高く、P10処理を施した試料(6)は同ウイルス感染価の減少率が4.48%で抗ウイルス性は小さく、M処理を施した試料(7)は同ウイルス感染価の減少率が13.0%で高いウイルス性を確認することはできなかった。
【0043】
また、図16(A)に、図15のデータを基に、横軸を凹凸ピッチとし、縦軸を凹部深さとし、得られるウイルス感染価の減少率が等しくなる領域を囲って区分けして表してみたところ、ウイルス感染価の減少率が50%以上となる領域X(凹凸ピッチが0.3μm~1μmの範囲、凹部深さが0.01~0.3μmの範囲)を確認することができた。
なお、M処理(試料(7))は抗ウイルス性が低く数値レンジ大きくかけ離れているため、図16(A)への図示は省略した。
ここで、PT1処理(試料(5))はウイルス感染価の減少率が約30%(29.6%)であったが、それにもかかわらず、このPT1処理(試料(5))の領域には、ウイルス感染価の減少率が50%以上となる領域Xと重複する部分が存在している。これは、減少率が約5%(4.48%)であったP10処理(試料(6))の凹凸ピッチの範囲(或いは減少率が50%より小さい凹凸ピッチの範囲)が含まれているためであり、それらの凹凸ピッチを除けば、すなわち、領域Xの範囲内の凹凸ピッチにすべて揃えたならば、ウイルス感染価の減少率が50%以上の高い微小凹凸表面になるものと考えられる。
以上より、無加工品(比較対照)と比較したウイルス感染価の減少率が50%以上得られる微小凹凸の凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)は、0.3~1.0μmの範囲であり、その凹凸深さの最小値と最大値の範囲が0.01~0.3μmの範囲である。
【0044】
すなわち、本発明によれば、部材の表面に、無数の微小凹凸であって、その凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.3μm~1.0μmの範囲であり、凹部深さの最小値と最大値の範囲が、0.01μm~0.3μmの範囲である微小凹部をランダムに形成することで、その表面に無加工材に対してウイルス減少率50%以上の抗ウイルス性を付与することができる。
【0045】
また、本発明によれば、部材の表面に、無数の微小凹凸であって、その凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.3μm~1.8μmの範囲であり、凹部深さの最小値と最大値の範囲が、0.01μm~0.3μmの範囲である微小凹部をランダムに形成することで、その表面に無加工材に対してウイルス減少率30%程度の抗ウイルス性を付与することができる。
【0046】
また、本発明によれば、部材の表面に、無数の微小凹凸であって、その凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.513μm~0.890μmの範囲であり、凹部深さの最小値と最大値の範囲が、0.011μm~0.026μmの範囲である微小凹部をランダムに形成することで、その表面に無加工材に対してウイルス減少率63%程度の抗ウイルス性を付与することができる。
【0047】
また、本発明によれば、部材の表面に、無数の微小凹凸であって、その凹凸ピッチ(凸部の間隔或いは凹部の間隔)の最小値と最大値の範囲が0.378μm~0.769μmの範囲であり、凹部深さの最小値と最大値の範囲が、0.047μm~0.283μmの範囲である微小凹部をランダムに形成することで、その表面に無加工材に対してウイルス減少率82%程度の抗ウイルス性を付与することができる。
【0048】
以上のように、本発明者等は、消毒液などを用いなくても、部材の表面に、ディンプル状の微小凹部(微小凹凸)をランダムに無数に形成することで、抗ウイルス性を持たせることができるという知見を得ることができた。
【0049】
このように、微小凹凸(微小凹部)を部材の表面にランダムに無数に形成すると、その表面には抗ウイルス性が生じるという知見を得ることができたが、かかる知見は、微小凹凸(微小凹部)を無数に表面に形成した部材に関して、従来知られていない作用効果に関するものであり、上述したように、これまでの知見からは予測不能なものである。
【0050】
なお、このような新たな知見に基づいて、本発明は、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)をランダムに無数に形成した部材を、抗ウイルス性を有する抗ウイルス部材という用途に用いるものである。
【0051】
すなわち、本発明によれば、部材の表面に微小凹凸(微小凹部)を無数にランダムに形成することで、部材の表面に抗ウイルス効果(作用)を持たせることができる部材の抗ウイルス表面処理方法、及び抗ウイルス効果を有する抗ウイルス部材を提供することができる。
【0052】
ところで、本実施の形態では、ディンプル状の微小凹部をショット材投射処理により、無数にランダムに形成することとして説明したが、例えば、部材の表面に化学研磨(化学エッチング)或いはプラズマ処理(例えばアルゴンボンバード処理)などを施して微小凹凸を無数にランダムに形成することもできる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る微小凹部は、化学エッチング、プラズマ処理、ショット材投射処理などの少なくとも一つ或いはこれらを適宜に組み合わせることによって形成することも可能である。
なお、化学研磨(化学エッチング)としては、例えば、塩酸・硝酸・硫酸・リン酸などの酸性薬剤や塩化鉄(III)などを任意の割合で水溶液に調製し使用することが想定される。
【0053】
また、部材の表面に微小凹凸を形成することには、化学エッチング、プラズマ処理、ショット材投射処理などに基づいて(利用して)形成した微小凹凸をその表面に有する型を用いて、例えば転写等により、部材の表面に複合凹凸形状(複合ディンプル)を形成する場合なども含まれるものである。
【0054】
なお、本発明に係る抗ウイルス部材は、例えば、抗ウイルス性が求められる部材全般に適用でき、例えば、保管容器、収容容器(例えば、ホッパー等の容器)、運搬器具(ベルトコンベアの粉体載置部など)、滑落器具(例えば、シューターなど)、ふるい、撹拌器具、調理用ボール、調理用器具、手術用器具、医療用器具、水回り(風呂場、洗面所、台所、トイレなど)に用いられる部材などを含む各種の部材に適用可能である。
【0055】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、車両用の吊手(つり革のグリップ部分)、その他の取っ手或いは持ち手(グリップ)、ドアノブ、ハンドル、トイレ用品、台所用品、洗面用品など人や動物が触れる部材など、抗ウイルス等の目的のために用いられる部材であれば適用可能である。
【0056】
また、本実施の形態に係る微小凹凸形成処理による抗ウイルス効果は、例えばステンレス材であれば、処理前のベース材の♯400、♯700、2B等、表面の仕上げ仕様には拘らず、特に非磁性のオーステナイト系のステンレス(SUS303、304、316など)、どれでも同等の効果が得られると考えられる。また、ステンレス材以外の金属材料(例えば、鉄の場合には、例えばスチール(SS400など)、アルミニウム、チタン等の金属製或いは合金製など)であっても本発明は適用可能である。
【0057】
なお、本発明に係る抗ウイルス部材は、樹脂製部材とすることも可能であり、その材料は特に限定されるものではない。例えばセラミックスとすることも可能であり、金属製部材の場合は、鉄、アルミニウム、チタン等の金属製(合金製)とすることができる。
【0058】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、ブロック状、プレート状、シート状などあらゆる形が想定され、その形状・サイズなどは特に限定されるものではない。
【0059】
なお、本実施の形態では、インフルエンザウイルスを用いて抗ウイルス性試験を行ったが、そのウイルスの大きさ(直径)は100nm程度であるが、ウイルスの大きさに対応した微小凹凸の凹凸サイズ(ピッチや深さ)を有する表面に抗ウイルス性(効果)が生じるものと考えられるため、同程度の大きさ(直径)の新型コロナウイルス(Covid-19)(直径50~200nm程度)その他のウイルス(図16(B)参照)に対しても、本発明に係る抗ウイルス部材は抗ウイルス性(効果)を有するものである、
【0060】
また、同様に、ウイルスの大きさに対応した微小凹凸の凹凸サイズ(ピッチや深さ)を有する表面に抗ウイルス性(効果)が生じるものと考えられるため、図16(B)に示したエンベロープ(ウイルスの一番外側見られる膜上構造)の有無にかかわらず、本発明に係る抗ウイルス部材は抗ウイルス性(効果)を生じさせることができるものである。
【0061】
ここで、本実施の形態に係るショット材投射処理(或いは微小凹凸形成処理、マイクロディンプル処理)は、既知の噴射装置により、上述したようなメディア(ショット材、研磨材粒子)を噴射して加工対象である部材の表面に衝突させることで行うことができる。
【0062】
例えば、噴射装置としては、ブラスト装置を用いることができ、ブラスト装置の一例としては、例えば、株式会社不二製作所製の「PNEUMA BLASTER」(型式:SCシリーズ、SGシリーズなど)などを用いることができる。また、例えば、特開2019-25584号公報などに記載されているものを用いることができる。
【0063】
より具体的には、噴射粒体を部材の表面に向けて噴射する噴射装置としては、圧縮気体(空気、アルゴン、窒素等)と共に研磨材(微粒子)の噴射を行う既知のブラスト加工装置(ブラスト処理装置)を使用することができる。
【0064】
そして、ブラスト加工装置(ブラスト処理装置)としては、圧縮気体の噴射により生じた負圧を利用して研磨材を噴射するサクション式のブラスト加工装置,研磨材タンクから落下した研磨材を圧 縮気体に乗せて噴射する重力式のブラスト加工装置,研磨材が投入されたタンク内に圧縮気体を導入し、別途与えられた圧縮気体供給源からの圧縮気体流に研磨材タンクからの研磨材流を合流させて噴射する直圧式のブラスト加工装置、及び、上記直圧式の圧縮気体流を、ブロワーユニットで発生させた気体流に乗せて噴射するブロワー式ブラスト加工装置等が市販されているが,これらはいずれも前述した噴射粒体の噴射に使用可能である。
また、水などの液体と共にショットを高圧で噴射するウォータージェットも使用することができる。
【0065】
ここで、本発明では、微小凹凸形成処理、マイクロディンプル処理、微粒子投射処理などのショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された凹凸表面を形状或いは構造面から特定するために、レーザ加工等で予め設計された図面に従って形成される幾何学的かつ規則的な凹凸形状とは全く異なり、ディンプル状の微小凹部と凹部周辺に稜線状の凸部が、それぞれの形状、ピッチ、深さが無数にランダムに形成されているという特定方法を用いている。
すなわち、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)、その表面に微小凹部を形成した」という表現を用いる代わりに、「部材の表面に、微小凹部を無数にランダムに形成した」などの特定方法(表現)を用いている。
しかしながら、先行技術などとの対比において、上記特定方法(表現)では、ショット材投射処理により形成された凹凸表面を、他と区別した特徴的な特定方法(表現)として採用することが難しくなる場合も想定される。
【0066】
このため、「ショット材投射処理により(或いは基づいて)表面に微小凹凸を形成する」という特定方法(表現)により、ショット材投射処理により(或いは基づいて)形成された凹凸表面を特定せざるを得ない状況が想定される。
従って、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在しており、「ショット材投射処理により(或いは基づいて(転写などの場合を考慮))表面に微小凹凸を形成することで」という表現を用いざるを得ない場合があることについて、以下に説明しておく。
【0067】
ショット材投射処理は、投射粒(メディア)を、圧縮空気を介し秒速数十から百m以上の速度で加工対象表面に衝突させ、有意な寸法変化を伴わずに、その縁に凸部を有する略球面状のミクロンサイズの微小凹部を不規則に加工面の略全面に形成するものであり、ショット材投射処理においてメディアが衝突して微小凹部が形成される際には、クレーター状に、その周囲が隆起して凸部が形成され(図17参照)、この隆起した凸部は、他のメディアが衝突することで、凹まされるため凸部の高さは不規則となる。
【0068】
これに対して、レーザ加工や切削加工等の機械的加工は規則正しい凹部が形成されると共に、除去加工であるため凸部は形成されない(凹部の形成に伴って凸部が隆起されることはない)。このため、レーザ加工や切削加工等の機械的加工における微小凹部の周囲の凸部の高さは被加工材(レーザ加工されている部材)の表面(元々の素材表面)の高さに一致している(図18参照)。
【0069】
また、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成されるため、当該ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷(すじ状などの溝)を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)とは異なるが、表面粗さ計などにより測定すると、両者は数値的には似た値となってしまうため、表面粗さなどにより両者を区別することはできない。
【0070】
しかし、ショット材投射処理により形成される表面テクスチャ(形状)によって得られる効果(粉体付着抑制効果や抗ウイルス効果など)は、研磨や研削処理などの表面を削って傷を付与する処理により形成される表面形状(テクスチャ)からは予想できない格別なものである。
また、数ミリオーダーのメディアを衝突させて残留応力を付与して疲労限を改善するショットピーニング処理からは、ショット材投射処理を施した表面が粉体付着抑制効果や抗ウイルス効果などを有するといったことは到底予測できないものである。
【0071】
このように、ショット材投射処理により形成される微小凹凸は無数に不規則に(ランダムに)形成され、微小凹部及びその周囲の凸部の形状は不規則であり、その不規則性が本発明により奏される作用効果の源になっていることに鑑みれば、ショット材投射処理により形成された表面テクスチャ(形状)を特定するための用語として、「ショット材投射処理により形成された」という表現を用いる以外には、ショット材投射処理により形成された表面を特定することはできない。
以上のように、ショット材投射処理により形成された微小凹凸を形状、構造、特性等により特定することには、本願出願時において不可能・非現実的事情が存在している。
【0072】
ところで、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、部材の表面にディンプル状の微小凹部を無数形成することで、部材の表面に抗ウイルス性(効果)を持たせることができ、衛生を問題とする産業界において有益であり利用可能である。




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項2】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス性表面処理方法。
【請求項3】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項4】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項5】
前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1つに記載の部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項6】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項7】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項8】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項9】
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項10】
前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されることを特徴とする請求項6~請求項9の何れか1つに記載の抗ウイルス部材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
このため、本発明に係る部材のウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明に係る部材のウイルス性表面処理方法は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る部材のウイルス性表面処理方法は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、本発明に係る部材のウイルス性表面処理方法は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に係る部材のウイルス表面処理方法において、前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とすることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、凹凸ピッチ最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあり、当該凹凸ピッチに関連する凹部の深さ最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項2】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項3】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項4】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項5】
前記微小凹凸を、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成することを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1つに記載の部材の抗ウイルス表面処理方法。
【請求項6】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項7】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項8】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項9】
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする抗ウイルス部材。
【請求項10】
前記微小凹凸は、ショット材を投射する投射処理に基づいて形成されることを特徴とする請求項6~請求項9の何れか1つに記載の抗ウイルス部材。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
このため、本発明に係る部材の抗ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本発明に係る部材の抗ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明に係る部材の抗ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、本発明に係る部材の抗ウイルス表面処理方法は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに形成することで、部材の当該表面に抗ウイルス作用を持たせることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.3μmから最大値1.0μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.01μmから最大値0.3μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.497μmから最大値1.739μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.176μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.513μmから最大値0.890μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.011μmから最大値0.026μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、本発明に係る抗ウイルス部材は、
部材の表面に、
微小凹凸であって、最小値0.378μmから最大値0.769μmの範囲にあ凹凸ピッチに関連する凹部の深さが最小値0.047μmから最大値0.283μmの範囲にある微小凹凸を無数にランダムに有することを特徴とする。