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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028404
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】無機洗剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/20 20060101AFI20220208BHJP
   C11D 7/06 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
C11D7/20
C11D7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131777
(22)【出願日】2020-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】520210262
【氏名又は名称】有限会社トーコーテクノ
(71)【出願人】
【識別番号】391000232
【氏名又は名称】清川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】太田 襄二
(72)【発明者】
【氏名】清川 要治
(72)【発明者】
【氏名】西村 卓也
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003BA01
4H003DA01
4H003DA05
4H003DB02
4H003EA21
4H003EA25
4H003EA30
4H003FA04
4H003FA25
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】人体有害性および環境負荷が小さく、汚れ除去性能が高い無機洗剤を提供する。
【解決手段】水と反応して金属イオンを生成する一以上の無機酸化物を含有し、前記無機酸化物として少なくとも酸化アルミニウムを含有する無機洗剤とし、前記酸化アルミニウムを活性アルミナとした。また、前記無機酸化物として前記活性アルミナに加えて少なくとも高活性酸化マグネシウムを含有した。さらに、前記無機酸化物に加えて水酸化カルシウムを含有した。また、前記無機酸化物に加えて天然鉱石を含有する構成とした。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と反応して金属イオンを生成する一以上の無機酸化物を含有し、
前記無機酸化物として少なくとも酸化アルミニウムを含有し、
前記酸化アルミニウムが活性アルミナである
無機洗剤。
【請求項2】
前記無機酸化物として、活性アルミナに加えて高活性酸化マグネシウムを含有する
請求項1記載の無機洗剤。
【請求項3】
前記無機酸化物に加えて、さらに水酸化カルシウムを含有する
請求項1または2記載の無機洗剤。
【請求項4】
前記無機酸化物に加えて、さらに電気を発生する天然鉱石を含有する
請求項1、2、または3記載の無機洗剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、洗濯や調理器具の洗浄に使用する無機洗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類や食器に付着する汚れは油脂を由来とする汚れであることから、水道水等を使用した水洗いだけでは十分に洗浄することができなかった。そのため、高分子の有機化合物や、界面活性剤を含有した洗剤を用いて、汚れを取り除いてきた。
【0003】
このような洗剤として、アニオン界面活性剤とアルカリ剤と高分子化合物とを所定の割合で配合した衣料用粉末洗剤が提案されている(特許文献1参照)
。また、ここで使用される高分子化合物は、複数のアルキル基を含む有機高分子化合物であることが示されている(明細書段落[0013]~[0028]参照)
【0004】
しかし、特許文献1のようなアニオン界面活性剤や有機高分子化合物を使用した洗剤は、分解性が低いことから人体への有害性があり、さらに環境への負荷も大きいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-47871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑みて、人体有害性および環境負荷が小さい無機洗剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、水と反応して金属イオンを生成する一以上の無機酸化物を含有し、前記無機酸化物として少なくとも酸化アルミニウムを含有する無機洗剤であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明により、人体有害性および環境負荷が小さく、汚れ除去性能が高い無機洗剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態について説明する。
【0010】
本発明の無機洗剤は、水と反応して金属イオンを生成する一以上の無機酸化物を含有する。無機酸化物としては、酸化アルミニウム(Al)を必須成分として含有し、酸化アルミニウムと併せて酸化マグネシウムまたは水酸化カルシウムの少なくとも一方を使用することがより好ましく、酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムを両方併用することがさらに好ましい。
【0011】
また、本発明の無機洗剤は、微弱電気を発生する天然鉱石(界面活性能力を有する天然鉱石)を含有することが好ましい。このような天然鉱石としてはトルマリンおよび希土類含有鉱石を使用できる。
以下に、本発明の無機洗剤に含有することが好ましいとした各物質の洗剤作用について説明する。
<酸化アルミニウム>
【0012】
酸化アルミニウムは、水中でアルミニウムイオンとしてイオン化する。このとき、イオン化したアルミニウムイオンが洗浄対象に付着した汚れ成分と反応して吸着材としてはたらき、洗浄対象に付着した汚れ成分を剥離除去する。水への分散性および反応性と、吸着作用を高めることから使用する酸化アルミニウムは、反応性の高い比表面積200m/g以上の活性アルミナを使用することが好ましく、比表面積200~300m/gの活性アルミナを使用することがより好ましい。また、無機洗剤中に含まれる酸化アルミニウムは5~50重量%とすることが好ましい。この活性アルミナは、水和物ゲルを300~500℃で脱水して製造するなど、適宜の製造方法で製造される。この活性アルミナは、塩基性(例えばpH9)タイプを使用することができる。
<酸化マグネシウム>
【0013】
酸化マグネシウム(MgO)は、水中でマグネシウムイオンとしてイオン化する。このとき、マグネシウムイオンを含有する水は塩基性を示し、洗浄対象に付着した脂肪酸を除去する。また、塩基性水溶液中では菌やカビが増殖しない。水との反応性を高めるため、使用する酸化マグネシウムは、活性度の高い高活性酸化マグネシウム(活性酸化マグネシウム)を使用することが好ましい。また、無機洗剤中に含まれる酸化マグネシウムは5~40重量%とすることができ、5~25重量%とすることが好ましい。
<水酸化カルシウム>
【0014】
水酸化カルシウム(Ca(OH))は、水中でカルシウムイオンとしてイオン化する。このとき、水中に存在するカルシウムイオンが洗浄対象に付着した有機化合物を剥離除去する。また、無機洗剤中に含まれる水酸化カルシウムは5~30重量%とすることが好ましい。
【0015】
また、本発明の無機洗剤は、使用する無機酸化物および添加剤の種類および含有量を洗浄対象に合わせて適宜調整することができる。例えば、食器や調理器具の洗浄を行うことを目的とした場合は、調理器具に付着したぬめりおよび異臭の成分である油脂類を含む有機化合物の剥離性能が高い水酸化カルシウムを多く含有させて使用する。また、例えば、衣類の洗濯を行うことを目的とした場合は、酸性脂肪酸を中和反応で除去できる酸化マグネシウムを多く含有させて使用する。
<天然鉱石>
【0016】
トルマリンおよび希土類元素を含有する天然鉱石は、微弱電気を放出する。天然鉱石を水に投入した場合、放出された電気によってHO水分子を電気分解し、H ヒドロキシイオンに活性化させる。電気分解されたHO水分子は微小となって界面活性作用を有し、洗浄対象に付着した汚れ成分を除去する。また、無機洗剤中に含まれる天然鉱石は5~50重量%とすることができ、10~50重量%とすることが好ましい。
【0017】
本発明の無機酸化物は、上述した無機酸化物および天然鉱石から、1種から4種を選択して使用することができる。
【0018】
また、本発明の無機洗剤は、洗浄対象に合わせて上記以外の様々な無機酸化物および添加剤を一以上使用できる。
【0019】
これらの酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、天然鉱石(トルマリンまたは/および希土類含有鉱石)を、それぞれ3~10mmの顆粒とし、布状若しくはメッシュ状の容器中に全て混在(同梱)させる、あるいは水溶性のボール状とするなど、適宜の方法で混在させて無機洗剤とすることができる。
<実施例1>
【0020】
活性アルミナ15g、高活性酸化マグネシウム20g、水酸化カルシウム10g、およびトルマリン鉱石15gを、それぞれ3~10mmの顆粒とし、混合して60gの球型無機洗剤(実施例1)を作製した。
<比較例1,2>
【0021】
球形金属マグネシウム60gを、球形金属マグネシウムの最小粒径未満の網目径を有する網体に封入し、洗濯用具を作製し、比較例1とした。また、一般に市販されている洗濯洗剤を比較例2とした。
<比較試験1>
【0022】
実施例1と、比較例1とを、それぞれJIS L 1919に規定された防汚性試験中の、「汚れの落ちやすさ」試験で使用した。すなわち、本来の「汚れの落ちやすさ」試験では、洗濯用合成洗剤または中性洗剤を使用するところ、実施例にて作製した無機洗剤または比較例2にて作製した洗濯用具を使用し、「汚れの落ちやすさ」試験を実施した。本試験の洗浄対象としては、実施例1、比較例1ともに、「汚れやすさ」試験を同一条件で実施した繊維検体を使用した。
【0023】
表1は、JIS L 1919のB法に規定されたスプレー法およびJIS L 1919のC法に規定された滴下拭き取り法によって作成した汚れ付着試験片について、実施例1または比較例1を使用して「汚れの落ちやすさ」試験を実施した結果の表である。スプレー法は、親水性の汚れ成分を含有する汚染水溶液を試験片に散布する試験方法であって、親水性の汚れについて評価する評価方法であり、滴下拭き取り法は、親油性の汚染成分を含有する汚染液を試験片に少量滴下する試験方法であって、親油性の汚れについて評価する評価方法である。
【0024】
【表1】
【0025】
スプレー法において、実施例1の無機洗剤を使用した結果は、汚れ除去の度合いを示す等級が4.5級であった。一方、比較例1の洗濯用具を使用した結果は、汚れ除去の度合いを示す等級が4.0級であった。これらの結果から、実施例1の無機洗剤は比較例1の洗濯用具と比較して高い親水性汚れ除去性能を有することが判明した。
【0026】
また、滴下拭き取り法において、実施例1の無機洗剤または比較例1の洗濯用具を使用して試験を実施した結果、汚れ除去の度合いを示す等級は実施例1、比較例1ともに1.5級であった。そこで、それぞれの排水を採取して透過度を測定したところ、実施例1の無機洗剤を使用した排水は、透過度が99.32%であった。一方、比較例1の洗濯用具を使用した排水は、透過度が99.72%であった。すなわち、実施例1の無機洗剤を使用した排水は、比較例1の洗濯用具を使用した排水と比較して透過度が小さく、より多くの汚れを含有している。これらの結果から、実施例の無機洗剤は比較例の洗濯用具と比較して高い親油性汚れ除去性能を有することが判明した。
【0027】
表2は、JIS L 1919のB法に規定されたスプレー法によって作成した汚れ付着試験片について、実施例1または比較例2を使用するか、洗剤を使用せずに水のみで「汚れの落ちやすさ」試験を実施した後、においの検査をした結果の表である。すなわち、においの測定により、汚れの成分の元となり得る有機化合物の系統類似度(その系統の類似度を指す、以下同じ)を測定している。
【0028】
【表2】
【0029】
実施例1の無機洗剤を使用した結果は、一般の洗濯洗剤を使用した場合および水のみを使用した場合と比較して、汚れ成分の元となり得る各有機化合物の系統類似度が低い値を示した。すなわち、実施例1の無機洗剤を使用した場合は、一般の洗濯洗剤を使用した場合および洗剤なしの場合と比較して、汚れが除去されている結果であった。これらの結果から、実施例1の無機洗剤は一般の洗濯洗剤と比較して高い汚れ成分除去性能を有することが判明した。
【0030】
表3は、実施例1または比較例2を使用するか、洗剤を使用せずに同等の汚れが付着した布を同じ方法で洗濯した後、未乾燥状態でSCLDP寒天平板培養法によって布に付着した細菌数を測定した結果の表である。
【0031】
【表3】
【0032】
実施例1の無機洗剤を使用した結果は、一般細菌数が5.2×10/gであった。一方、比較例2の洗濯洗剤を使用した結果は、一般細菌数が2.9×108/gであった。さらに、洗剤を使用せず水のみで洗濯した場合の結果は、一般細菌数が9.4×10/gであった。これらの結果から、実施例1の無機洗剤は高い初期除菌性能(殺菌性能)を有することが判明した。
【0033】
表4は、実施例1の無機洗剤を使用するか、洗剤を使用せずに人工汚染布(5cm×5cm)と白布(5cm×5cm)を5枚ずつ洗濯し、洗濯後の各布について分光式色差計を使用して白色度を測定し、洗浄率を算出した結果の表である。また、実施例1の無機洗剤を約300回使用(衣類の洗濯に使用)した後、同様の工程を実施して洗浄率を算出した。
【0034】
【表4】
【0035】
約300回繰り返し使用した実施例1の無機洗剤は、洗剤を使用しなかった場合と比較して、高い洗浄率を示した。すなわち、実施例1の無機洗剤は、約300回使用後も洗浄力が殆ど低下せず、高い耐久性を有する。
<実施例2>
【0036】
活性アルミナ35重量%、高活性酸化マグネシウム25重量%、水酸化カルシウム20重量%、およびトルマリン鉱石20重量%の配合比率として、それぞれ3~10mmの顆粒とし、混合して球型無機洗剤(実施例2)を作製した。
<実施例3>
【0037】
配合比率を活性アルミナ100重量%とした以外は、実施例2と同様にして球型無機洗剤(実施例3)を作製した。
<比較例3>
【0038】
配合比率を高活性酸化マグネシウム100重量%とした以外は、実施例2と同様にして球型無機洗剤(比較例3)を作製した。
<比較例4>
【0039】
配合比率を水酸化カルシウム100重量%とした以外は、実施例2と同様にして球型無機洗剤(比較例4)を作製した。
<比較例5>
【0040】
配合比率を高活性酸化マグネシウム20重量%、水酸化カルシウム30重量%、およびトルマリン鉱石50重量%の配合比率とした以外は、実施例2と同様にして球型無機洗剤(比較例5)を作製した。
<比較試験2>
【0041】
表5は、実施例2、実施例3、比較例3、比較例4、または比較例5の無機洗剤を使用して同様の汚れが付着した同じ大きさの布を同条件で洗濯し、洗濯後の布の汚れの落ち方、油の落ち方、および脱臭強度を、よく取り除けている場合は「〇」、取り除けているが十分でない場合は「△」、ほとんど取り除けていない場合は「×」として、それぞれ3段階で評価した結果の表である。
【0042】
【表5】
【0043】
活性アルミナを配合した2種の実施例の無機洗剤は、活性アルミナを配合しない3種の比較例よりも汚れ成分および油成分の除去性能が高い結果となった。さらに、高活性酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、およびトルマリン鉱石を追加で配合した場合は、高いにおい成分除去性能を有することが判明した。
【0044】
以上の構成により、人体有害性および環境負荷が小さく、汚れ除去性能が高い無機洗剤を提供することができる。特に、使用している材料がいずれも粒状で存在し、選択中に水に溶融して無くなるものではなく粒状の形状および大きさを維持できるため、何度も繰り返して使用できる。そして、繰り返し使用しても洗浄力が殆ど低下しないため、何度繰り返して使用しても安定した洗浄力を得ることができる。また、使い切りの一般洗剤と一緒に使用してもそれぞれの洗浄機能を発揮できるため、相乗効果で洗濯能を高めることができる。
【0045】
本発明の無機洗剤は、水と反応して金属イオンを生成する酸化アルミニウムを含有し、前記金属イオンとして放出されるアルミニウムイオンにより汚れ成分を剥離除去する。この構成により、人体および環境への影響が大きい界面活性剤や有機高分子化合物を使用することなく対象を洗浄することができる。さらに、酸化アルミニウムを含有しない洗剤と比較して、汚れ成分および油脂類を含む有機化合物を多く除去することができる。
【0046】
また、本発明の無機洗剤は、含有する酸化アルミニウムが反応性の高い活性アルミナである。この構成により、同時に含有した酸化アルミニウム以外の金属イオンが汚れ成分と反応する際、洗浄対象に付着している状態よりも容易に反応できる。さらに、通常の酸化アルミニウムを使用するよりも洗浄対象の汚れ成分を多く吸着し、高い汚れ成分除去性能を発揮できる。すなわち、活性アルミナを用いることによって表面積およびイオン放出量を一般的な酸化アルミニウムよりもさらに大きくできる。
【0047】
また、本発明の無機洗剤は、無機酸化物として活性アルミナを5重量%以上含有する。この構成により、より高い汚れ成分除去性能を発揮できる。
また、本発明の無機洗剤は、無機酸化物として酸化マグネシウムを含有する。この構成により、洗浄水を塩基性とし、洗浄水が塩基性とすることから菌の増殖を防ぎ、高い抗菌作用および殺菌作用を発揮することができる。
【0048】
また、本発明の無機洗剤は、さらに水酸化カルシウムを含有する。この構成により、におい成分である酸性汚染物質を洗浄対象から剥離して取り除くことができる。さらに、水酸化カルシウムを含有した無機洗剤は、洗浄対象に付着した有機化合物を剥離除去する。そのため、食器および調理器具に付着したぬめりおよびにおい成分である有機化合物を除去することができる。このように、活性アルミナに対して酸化マグネシウムまたは/および水酸化カルシウムを混在させて、それぞれの機能を殺さず相乗効果を発揮させて洗浄効果を高めることができる。
【0049】
また、本発明の無機洗剤は、無機酸化物として高活性酸化マグネシウムを含有する。この構成により、水中での反応性を向上させ、より汚染物質との反応が促進される。すなわち、より多くの汚染物質を取り除くことができる。
【0050】
また、本発明の無機洗剤は、微弱電気を発生する天然鉱石を含有する。この構成により、無機洗剤の界面活性効果が高くなり、洗浄対象に付着した汚れ成分をより効果的に除去することができる。特にトルマリンを含有した場合には、ぬめりの除去効果を高めることができる。
【0051】
また、本発明の無機洗剤が含有する各物質は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、天然鉱石といった水に不溶または難溶であるものから選択される。この構成により、数百回にわたる使用回数を経ても洗浄力が低下せず、高い耐久性を有することができる。
【0052】
また、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、天然鉱石(トルマリンまたは/および希土類含有鉱石)を、それぞれ別々に3~10mmの顆粒としている。このため、布状の収納容器に収納しておけばこぼれる心配がなく、かつ、収納容器が水を透過するので本件発明の効果を十分に発揮することができる。また、それぞれの素材による洗浄機能を十分に発揮させるとともに、これらの素材の相乗効果を得ることができる。また、それぞれの顆粒は、球状に形成され、かつ、布状の容器(収納布袋)内に収納された状態で洗濯機の中で洗浄動作によって回転等されても破損しない硬さに形成されている。このため、それぞれの顆粒が破損することがなく、破片が収納布袋から放出されることや破損によって洗浄効果が変化するといったことを防止できる。
【0053】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本実施例では、評価試験が洗濯を実施する内容であったことから複数の無機酸化物、水酸化カルシウム、および天然鉱石を原料として球体一個の無機洗剤とした。しかし、本発明の無機洗剤は用途に応じて様々な形態で使用してもよい。例えば、浴槽の洗浄を行う際は、混合した粉体をそのまま水を張った浴槽に投入してもよいし、一回の洗浄に適した量に小分けして包装してもよい。あるいは、例えば、調理器具の洗浄を行う際は、複数の小球体として網体に封入し、調理器具を浸けた水に投入して浸け置き洗浄を行う形態としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
この発明は、無機酸化物を含有する無機洗剤の製造販売にかかる産業に利用することができる。