(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028430
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】舌上清掃具
(51)【国際特許分類】
A61C 17/00 20060101AFI20220208BHJP
A61B 17/24 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A61C17/00 T
A61B17/24
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131820
(22)【出願日】2020-08-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】520291124
【氏名又は名称】株式会社フジコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】飯田 初枝
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM03
(57)【要約】
【課題】舌の上面を擦って清掃するのに適している舌上清掃具を提供する。
【解決手段】扁平へら状のつかみ部10と、扁平へら状のつかみ部10の扁平な先端部11に設けられ、先端部11全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部20とを備えている。扁平へら状のつかみ部10は厚さが1~4mmの木製であり、スポンジからなる清掃部20は、直径または最大径が20~35mmであり、最大厚さが、6~16mmである。つかみ部10の長手方向に関し、つかみ部10の先端は、清掃部20の長手方向中間部よりも先端方向に伸びている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平へら状のつかみ部(10)と、
この扁平へら状のつかみ部(10)の扁平な先端部(11)に設けられ、該先端部(11)全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部(20)と、
を備えたことを特徴とする舌上清掃具。
【請求項2】
請求項1において、
前記扁平へら状のつかみ部(10)は厚さ(T)が1~4mmの木製であり、
前記スポンジからなる清掃部(20)は、直径(D)または最大径(D1)が20~35mmであり、最大厚さ(T1)が、6~16mmである
ことを特徴とする舌上清掃具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記つかみ部(10)の長手方向に関し、つかみ部(10)の先端(11c)は、前記清掃部20の長手方向中間部(23)よりも先端方向に伸びている
ことを特徴とする舌上清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舌上清掃具に関するものである。より詳しくは、舌の上面を擦って清掃できる舌上清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「高齢者や障害者、寝たきり患者に使用する際、口腔の開き方が不十分であったとしても口腔内を清掃や治療或いは口腔内体液等の除去ができるし、口腔から咽頭まで挿入して清掃することができる口腔用清掃具を提供する」ことを課題とし(同文献要約、課題欄)、
「棒状体11の先端部11aにスポンジ体12aを固定した口腔用清掃具10であり、スポンジ体12が硬度の異なる第1と第2の板状スポンジ体12a,12bによる二層構造であり、スポンジ体12の先端部12aを舌片形状としたもの」(同文献要約、解決手段欄)
が知られている。
【0003】
この口腔用清掃具10は、「高齢者や障害者、寝たきり患者に使用する際、口腔の開き方が不十分であったとしても口腔内を清掃や治療或いは口腔内体液等の除去」には適しているかも知れない。
【0004】
しかし、スポンジ体12はブロック状であり、持ち手も、拡幅部11bはあるものの棒状体であるから、舌の上面を擦って清掃するのに適しているとは言えない。
ブロック状のスポンジ体12を、口腔の開き方が不十分な高齢者等の口腔内に入れるようにするためには、ブロック状のスポンジ体12の大きさは口腔内に容易に入れることができる程度の小ささにする必要がある。
そのため、これを舌の上面を擦って清掃するのに用いようとすれば、舌の上面を擦る回数を増やさざるを得ないため操作が煩雑化するからである。
また、ブロック状のスポンジ体12を小さくすると、これが舌上で安定しないから、棒状の持ち手も安定しないことになるからである。
【0005】
また、従来、例えば特許文献2の
図2に見られるように、棒状の柄3(舌用)の先端に扁平状のスポンジ4(舌用)を設けた柄付き口内清掃スポンジブラシも知られている。
【0006】
しかしこのものは、扁平状のスポンジ4が先広がりの逆三角形状となっているので、舌上を擦りにくい。
また、柄3は棒状であるので、安定した操作を行いにくい。
【0007】
なお、特許文献3の0016段落および
図3には、
「木材よりなる平板状柄部5の先端50に、ほぼ楕円形状のレーヨン系繊維(ここでは綿混繊維)の不織布シートを表と裏から何枚も重ねて貼り合わせて作業部6を形成したもの」
が記載されている。
しかしこのものは、「作業部6がフラットなスプーン形状となり、液状のものだけでなく、そこに固形の砕片も載せることができ、流動食の補給にもっとも適する形態となる」ものであって、舌上面の清掃には適さないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3124504号公報
【特許文献2】特開2005-245991号公報
【特許文献3】実用新案登録第3070715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、舌の上面を擦って清掃するのに適している舌上清掃具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明の舌上清掃具は、
扁平へら状のつかみ部と、
この扁平へら状のつかみ部の扁平な先端部に設けられ、該先端部全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
この舌上清掃具は、扁平へら状のつかみ部の扁平な先端部に該先端部全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部が設けられているので、つかみ部を手でつかみ又は指で摘まんで清掃部の下面で舌の上面を擦ることによって、舌の上面を清掃することができる。
そして、清掃部は扁平へら状のつかみ部の扁平な先端部に該先端部全体を覆う肉厚円板状のスポンジで構成されているので、清掃部は舌の上面を擦る際に、扁平へら状のつかみ部の扁平な先端部全体で舌に向かって押し付けられた状態となる。
したがって、清掃部は舌の上面に対して広い範囲で押し付けられながら舌の上面を良好に擦ることができる。また、清掃部は舌の上面に対して広い範囲で押し付けられながら擦ることとなるので、擦る回数も少なくすることができる。
しかも、つかみ部は扁平へら状であるから、手指で安定した状態でつかみ又は摘まむことができ、かつ、上述したように、つかみ部の扁平な先端部全体で清掃部を舌に向かって押し付けながら舌上面を擦ることができるため、安定した状態で、舌上面を清掃することができる。
さらに、清掃部の下面で舌の上面を擦る際に、清掃部を口中にいれる必要がある場合でも、清掃部は従来技術のような先広がりの逆三角形状ではなく、円板状であるので、口中に入れやすい。
【0012】
以上のように、本発明の舌上清掃具によれば、舌の上面を擦って清掃するのに適しているという効果が得られる。
【0013】
この舌上清掃具においては、
前記扁平へら状のつかみ部は厚さが1~4mmの木製であり、
前記スポンジからなる清掃部は、直径または最大径が20~35mmであり、最大厚さが、6~16mmである構成とすることができる。
【0014】
このように構成すると、舌の上面を擦って清掃するのにより適したものとなる。
【0015】
この舌上清掃具においては、
前記つかみ部の長手方向に関し、つかみ部の先端は、前記清掃部の長手方向中間部よりも先端方向に伸びている構成とすることができる。
【0016】
このように構成すると、清掃部が、つかみ部の扁平な先端部全体で、広範囲に亘って舌に向かって押し付けられる状態となるので、より広範囲に亘って良好に舌の上面を清掃できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る舌上清掃具の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b断面図、(c)は底面図。
【
図2】他の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b断面図、(c)は底面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る舌上清掃具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0019】
図1に示すように、この実施の形態の舌上清掃具1は、
扁平へら状のつかみ部10と、
この扁平へら状のつかみ部10の扁平な先端部11に設けられ、該先端部11全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部20と、
を備えている。
【0020】
この舌上清掃具1は、扁平へら状のつかみ部10の扁平な先端部11に該先端部11全体を覆う肉厚円板状のスポンジからなる清掃部20が設けられているので、つかみ部10を手でつかみ又は指で摘まんで清掃部20の下面(両円板面のうちのいずれかの面)21で舌の上面(図示せず)を擦ることによって、舌の上面を清掃することができる。
【0021】
そして、清掃部20は扁平へら状のつかみ部10の扁平な先端部11に該先端部11全体を覆う肉厚円板状のスポンジで構成されているので、清掃部20は舌の上面を擦る際に、扁平へら状のつかみ部10の扁平な先端部11全体で舌に向かって押し付けられた状態となる。
【0022】
したがって、清掃部20は舌の上面に対して広い範囲で押し付けられながら舌の上面を良好に擦ることができる。また、清掃部20は舌の上面に対して広い範囲で押し付けられながら擦ることとなるので、擦る回数も少なくすることができる。
【0023】
しかも、つかみ部10は扁平へら状であるから、手指で安定した状態でつかみ又は摘まむことができ、かつ、上述したように、つかみ部10の扁平な先端部11全体で清掃部20を舌に向かって押し付けながら舌上面を擦ることができるため、安定した状態で、舌上面を清掃することができる。
【0024】
さらに、清掃部20の下面で舌の上面を擦る際に、清掃部20を口中にいれる必要がある場合でも、清掃部20は従来技術のような先広がりの逆三角形状ではなく、円板状であるので、口中に入れやすい。
【0025】
以上のように、この実施の形態の舌上清掃具によれば、舌の上面を擦って清掃するのに適しているという効果が得られる。
【0026】
扁平へら状のつかみ部10は厚さTが1~4mmの木製とする。
スポンジからなる清掃部20は、直径Dまたは最大径D1(
図2参照)を20~35mmとし、最大厚さを6~16mmとする。
【0027】
このように構成すると、舌の上面を擦って清掃するのにより適したものとなる。
【0028】
扁平へら状のつかみ部10は、プラスチックや紙で構成することもできるが、プラスチックで構成すると、撓りやすくなる傾向があり、紙で構成すると、折れやすくなるという難点がある。
これに対し、木で構成すると、適度な撓りが得られやすくなると同時に、折れにくいつかみ部10を構成することができる。
【0029】
特に、扁平へら状のつかみ部10は上述のように厚さが1~4mmの木製とすることが望ましい。
木製のつかみ部10の厚さが1mm未満であると、撓りやすくなりすぎたり、折れやすくなるという難点が生じやすい。逆に、4mmを超えると、撓りにくくなって、使い勝手が低下するおそれがある。
これに対し、扁平へら状のつかみ部10の厚さを1~4mmの木製とすることで、折れにくくて適度な撓りが得られる。
【0030】
スポンジからなる清掃部20は、上述のように、直径Dまたは最大径D1(
図2参照)を20~35mmとし、最大厚さT1を6~16mmとすることが望ましい。
スポンジからなる清掃部20の直径Dまたは最大径D1が20mm未満であると、舌との接触面積が小さくなるので、擦る回数が増えてしまう。逆に、35mmを超えると、口中に入れる必要がある場合に、入れにくくなる。
【0031】
これに対し、スポンジからなる清掃部20の直径Dまたは最大径D1を20~35mmとすることで、舌上を擦る回数を減らすことができると同時に、口中に入れる必要がある場合に、入れやすくなる。
【0032】
スポンジからなる清掃部20の最大厚さT1が6mm未満であると、薄くなり、特につかみ部10の先端部11で支持される部位の厚さが小さくなって、適度な弾性が得られにくくなり、舌に対して良好にフィットしなくなるおそれがある。逆に、清掃部20の最大厚さT1が16mmを超えると、厚くなりすぎて、口中に入れる必要がある場合に、入れにくくなるとともに、口中で動かしにくくなるので、舌を擦りにくくなる。
【0033】
これに対し、スポンジからなる清掃部20の最大厚さT1を6~16mmとすることで、適度な弾性が得られて、舌に対して良好にフィットしやすくなり、また、口中に入れる必要がある場合には、入れやすくなるとともに、口中で動かしやすくなって、舌を擦りやすくなる。
【0034】
つかみ部10の長手方向(
図1(a)(b)の紙面において上下方向)に関し、つかみ部10の先端11cは、清掃部20の長手方向中間部23よりも先端方向(
図1(a)(b)の紙面において上方向)に伸びている。
【0035】
このように構成すると、清掃部20が、つかみ部10の扁平な先端部11全体で、広範囲に亘って舌に向かって押し付けられる状態となるので、より広範囲に亘って良好に舌の上面を清掃できるようになる。
【0036】
扁平へら状のつかみ部10の形状は適宜の形状を採用でき、公知の適宜の木製板(例えば白樺)で構成することができる。
【0037】
清掃部20は公知の適宜のスポンジ(弾性多孔質体)で構成することができる。
清掃部20の形状も本発明の要旨の範囲内で適宜設定でき
図2に示すようなスプーン形状とすることもできる。
清掃部20はつかみ部10に対し、公知の適宜の接合手段(例えば接着、溶着等)で接合することができる。
【0038】
この舌上清掃具1は、軸が木の軸になっており、プラスチックや、紙の軸とは違い(プラスチックの軸はしなったり、環境の問題も有り、紙の軸は折れたり、)する可能性が有るが、木の軸はしなりや、折れたりする可能性が少ない。そして先端部分(磨く部分)が小さな形状の物や細い形状の物だと、口に入った時に違和感んが強く感じる場合が有り、吐き気を感じる場合も有る。しかし昔からスプーン(円形のスプーンを含む)は普段使っている為馴染みさすく、スプーンの型にした事により舌の上に乗せても違和感んが無く使用する事ができ、舌にフィットする。そして先端(スポンジ、磨き部分)が、舌の使用部分(スポンジ磨き部分)がある程度、舌と同様の面積がある為何度も擦る事無く汚れを落とすことができる。そして昔から馴染み深いスプーンの形状の為使用する時も舐めるように数回使用するだけで汚れを落とすことができる(汚れを擦らず舐めて取る)。しかも使い捨てにすることもでき、衛生的に使用する事ができる。そして磨き部分にフレーバー(ミントや苺やバニラ、その他各種)を付加することで、口に入れる時に香りや味を楽しむ事ができる。そうする事で、楽しみながら使用する事もできる。
【0039】
この舌上清掃具1は、介護用品としても利用できるし、一般のユーザーが楊枝や歯間ブラシ、綿棒といった、衛生的を保つ為に毎日何処でも使用できる物と同様に毎日何処でも使用できるものである。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0041】
1: 舌上清掃具
10: つかみ部
11: 先端部
20: 清掃部