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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028483
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】テーブル装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/62 20140101AFI20220208BHJP
   G03B 21/10 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
G03B21/62
G03B21/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020131911
(22)【出願日】2020-08-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 本願発明であるテーブル装置に関係する新型瞬間調光液晶フィルムを使用した新ガラスブランド「Do!DESKTOP」の製品について、令和1年12月3日から12月6日にかけて、株式会社ナノテック・Doが展示会で展示した。
(71)【出願人】
【識別番号】519418673
【氏名又は名称】株式会社筒丸
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】筒丸 貴行
【テーマコード(参考)】
2H021
2K203
【Fターム(参考)】
2H021BA30
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA43
2K203FA62
2K203FA67
2K203FA83
2K203FB04
2K203GC22
(57)【要約】
【課題】普段スクリーンとして使用しない場合には、外見上、通常の家具としてのテーブルと異なることがなく、また、必要時には画像や映像を表示させることができるテーブル装置を提供すること。
【解決手段】ガラスや透明樹脂などで形成した天面11の少なくとも一部のエリアに、通電することで作動してスクリーンSとなるように構成した液晶スクリーン装置11を、設置したテーブル装置10であって、テーブル本体100の下部に設置したプロジェクタ装置20で形成される画像または映像などの投射光を、テーブル本体100の110の天面へ投射するときには、液晶スクリーン装置11の図示しない液晶層に電圧を印加することでスクリーンSを形成し、ここに画像や映像を投射するように構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルの天面の少なくとも一部にガラス若しくは樹脂などで形成した薄板状の透明部材を設けるとともに、
通電若しくは通電解除することで作動して非スクリーン状態、若しくはスクリーン状態となるように構成したスクリーン装置を、前記テーブル天面の透明部材の設置エリアに設けた、
テーブル装置であって、
前記テーブルの一部若しくはテーブル近傍の下部に、画像または映像を形成するための画像形成装置を備え、
この画像形成装置で形成される画像または映像などの投射光を前記スクリーン装置へ投射することで前記画像または映像を前記スクリーンに形成する
ように構成した、
ことを特徴とするテーブル装置。
【請求項2】
前記天面の一部に設けたスクリーン装置は、通電若しくは通電解除することで電圧を印加若しくは印加解除すると作動し、スクリーン状態となるように構成した液晶を備えたものであって、
前記スクリーン状態となったエリアに、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマデイスプレイ装置、ホログラム装置などの前記画像形成装置からの画像または映像となる投射光を投射するように構成し、
前記画像または映像を投射していないときには、前記スクリーン装置が透明状態な非スクリーンを形成するように構成した、
ことを特徴とする請求項1に記載のテーブル装置。
【請求項3】
前記画像形成装置を作動させるのと同時に、
テーブルの天面の少なくとも一部に設けたスクリーン装置に通電若しくは通電解除することで電圧を印加若しくは印加解除して透明状態である非スクリーンとし、
この非スクリーン上に前記画像形成装置からの画像や映像を投射する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のテーブル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルの一部としてこれと一体に設けた、液晶などを利用するスクリーン装置によりスクリーンを一時的に形成し、液晶、有機EL表示、プラズマデイスプレイ、ホログラムなどのプロジェクタ装置からの画像や映像をそのスクリーンへ投射して表示するテーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、壁面などの垂直壁面などにスクリーンを設置して画像や映像を投影するプロジェクタ装置が多数開発されている。
一方、スクリーンをテーブルなどの水平面に設置してプロジェクタ装置からの画像や映像を投影する水平設置型のディスプレイ装置も提案されている(特許文献1参照)。このテーブル型のディスプレイ装置では、複数個のプロジェクタをスクリーン直下に設け、これらのプロジェクタから画像形成用の光束をスクリーン、特に大型のスクリーンに投写することにより、大画面で、かつ、高解像度での表示を実現し得るようにしたものである。
【0003】
即ち、この特許文献1に記載のものは、画像を形成する光束を投射させる複数個のプロジェクタと、これらのプロジェクタのそれぞれから投射される光束の光路を曲げるための複数個の反射ミラーと、これらの反射ミラーによって光路を曲げられた光束がそれぞれ所定領域に分割して投射される水平設置型の大型スクリーンと、からなるものである。そして、この大型のスクリーンでは、スクリーンの撓みを少なくするために透明ベース部材を備えており、撓みの少ないスクリーンを用いて大画面での高解像度表示を実現させようになっている。
【0004】
しかしながら、このディスプレイ装置は、複数個のプロジェクタと反射ミラーなどを必要とした比較的大型のものであり、小型なものではなかった。しかも、このディスプレイ装置では、この装置を作動させていないときでも、水平に配置されたこの装置上面部分にスクリーンが常時露出しており、一見してスクリーンとわかるものであった。換言すれば、スクリーンを構成するテーブルは、そのスクリーンのためだけのものであって、言わばスクリーン専用の大型テーブルであった。このため、家庭用家具などとしてのテーブルとして使用するには不格好でもあり、甚だ使いづらい。また、普段スクリーンとしては使用しないときには、そのスクリーンが目障りで、邪魔な存在として感じられるものであった。
【0005】
そこで、特許文献2に記載のテーブル型ディスプレイも提案されている。このテーブル型ディスプレイは、光源から出射された照明光を変調する光変調部と、像光をスクリーン上に投射するための光学系とを有するプロジェクタ本体と、このプロジェクタ本体からの像光が投射される透過型のスクリーンと、プロジェクタ本体を収納するのと同時にプロジェクタ本体の上方にスクリーンを支持する保持体と、を備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-12712号公報
【特許文献2】特開2006-251604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献2に記載のものは、特に大型スクリーンに限定されるものではないが、テーブルを構成する透明樹脂板の天板に拡散板パネルなどを重ねた構造となっており、この拡散板パネルにプロジェクタ本体からの像光が投射されるようなスクリーンとなっている。また、このスクリーン上には、必要な画像を表示するだけでなく、テーブル天板として資料その他の物品を置くことができるようになっている。しかしながら、テーブル天板のスクリーンとなる部分で画像を形成させる必要上、スクリーンを構成する拡散板パネルは、画像を投射しないときであっても目視されてしまうので、拡散板パネルの存在が目障りとなっている。
【0008】
このように、このテーブル型ディスプレイは、普段、スクリーンとして機能させない場合であっても拡散板パネルの存在が目立ち、外観上のデザインが損なわれるので、家具としての価値が損なわれるといった問題があった。さらに、このテーブル型ディスプレイ装置では、プロジェクタ本体やスクリーンを収納支持する保持体の底面にキャスタを取付けており、家庭用の家具テーブルというより事務的なテーブルとしての趣向が強いものであった。特に、保持体は、スクリーンとプロジェクタ装置をまとめて収納する都合上、バルクが大きくなり易いので、特許文献1のものと同様にこれもまた不格好な形状をもたらす原因となっており、デザイン性が損なわれている。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、普段は、外見上、通常の家具としてのテーブルと異なることがなく、また、必要時には画像や映像を表示させるためにスクリーンを形成させることができる、機能性と高デザイン性とを兼ね備えたテーブル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るテーブル装置は、テーブルの天面の少なくとも一部にガラス若しくは樹脂などで形成した薄板状の透明部材を設けるとともに、通電若しくは通電解除することで作動して非スクリーン状態、若しくはスクリーン状態となるように構成したスクリーン装置を、前記天面の透明部材の設置エリアに設けたテーブル装置であって、前記テーブルの一部若しくはテーブル近傍に、画像または映像を形成するための画像形成装置を備え、この画像形成装置で形成される画像または映像などの投射光を前記スクリーン装置へ投射することで前記画像または映像を前記スクリーンに形成するように構成したものである。
これにより、このテーブル装置は、普段は家具テーブルとして使用可能となる一方、テーブルの一部若しくはテーブル近傍に画像形成装置を設置することで、スクリーン装置が形成するスクリーンを画像形成装置のスクリーンとして構成できる。特に、天面部分を含むテーブル全体を透明部材で形成すれば、機能性と高デザイン性とを兼ね備えたテーブル装置が提供可能となる。また、スクリーン装置は単一のもので構成可能なので、テーブル装置の小型化も容易である。
【0011】
本発明に係るテーブル装置は、前記天面の一部に設けたスクリーン装置が、通電若しくは通電解除することで電圧を印加若しくは印加解除すると作動してスクリーン状態となるように構成した液晶を備えたものであって、前記スクリーン状態となったエリアに、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマデイスプレイ装置、ホログラム装置などの前記画像形成装置からの画像または映像となる投射光を投射するように構成し、前記画像または映像を投射していないときには、前記スクリーン装置が透明状態な非スクリーンを形成するように構成したものである。
従って、このテーブル装置によれば、画像形成装置を使用する時のみ、スクリーン装置を作動してスクリーンを形成すれば、画像形成装置からの投影光がスクリーンへ投光・投影されるので、簡単なスイッチ操作で、所望の画像や映像をテーブルの天面にて視認できる。また、画僧形性装置を使用しない時には、テーブル本体、特に天面の全てが透明となり、普通の家具としてのテーブルとなるので、スクリーンの設置場所を別に設ける必要もなく、便宜である。
【0012】
本発明に係るテーブル装置は、前記画像形成装置を作動させるのと同時に、テーブル天面の少なくとも一部に設けたスクリーン装置に通電若しくは通電解除することで電圧を印加若しくは印加解除して透明状態である非スクリーンとし、この非スクリーン上に前記画像形成装置からの画像や映像を投射するように構成したものである。
従って、このような構成とすることで、画像形成装置を作動して明るい静止画像などを、スクリーン装置の非スクリーン状態である透明エリアに投光させることにより、このテーブル装置を室内での間接照明手段などとして機能させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、テーブルの天面の少なくとも一部に設けた液晶などを有するスクリーン装置を作動させることで、テーブル天面の少なくとも一部にスクリーンを一時的に形成し、このスクリーン面に、液晶、有機EL表示、プラズマデイスプレイ、ホログラムなどのプロジェクタ装置からの画像や映像を形成することができ、テーブル装置に対して大きな付加価値を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係るテーブル装置などを示す斜視図である。
図2】この実施形態のテーブル装置とプロジェクタ装置とを組み合わせたシステムにおける光路を示す説明図である。
図3図2のA部の拡大図であって、液晶スクリー装置の構造を示す概略構成図である。
図4】このテーブル装置と組み合わせたプロジェクタ装置の光学機構を示す概略光路図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るテーブル装置の第1の変形例を示す斜視図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係るテーブル装置の第2の変形例を示す斜視図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係るテーブル装置を示す斜視図である。
図8】(a)はこのテーブル装置として使用するプロジェクタ装置とスクリーンとなるすりガラスとの組み合わせ構造を示す概略構成図、(b)はそのプロジェクタ装置のバックライト部の構成を示す概略斜視図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係るテーブル装置を設けた室内を示す斜視図である。
図10図9に示すテーブル装置などの電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、テーブルの天面の少なくとも一部にガラス若しくは樹脂などで形成した薄板状の透明部材を設けるとともに、通電若しくは通電解除することで作動して非スクリーン状態、若しくはスクリーン状態となるように構成したスクリーン装置を、前記天面の透明部材の設置エリアに設けたテーブル装置であって、前記テーブルの一部若しくはテーブル近傍に、画像または映像を形成するための画像形成装置を備え、このプロジェクタ装置で形成される画像または映像などの投射光を前記スクリーン装置へ投射することで前記画像または映像を前記スクリーンに形成するように構成したものである。
【0016】
このような構成により、本発明は、テーブルに設けたスクリーン表示機能を作動させることでテーブルの少なくとも一部にスクリーンを一時的に形成し、このスクリーン面に、液晶、有機EL表示、プラズマデイスプレイ、ホログラムなどの画像形成装置からの画像や映像を形成することができ、テーブルに対して大きな付加価値を与えることができるものである。以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るテーブル装置10及びこのテーブル装置10に設けた液晶スクリーン装置11へ向けて所望の画像を投射するプロジェクタ装置20を示すものであり、図2はその液晶スクリーン装置11とプロジェクタ装置20との光学的な関係を示す光路図である。なお、この図2において、プロジェクタ装置20については模式的に示すものであって、その内部構造を省略しており、特にバックライトを形成する光源の配置はこれに限定されるものではない。なお、図1及び図2において、符号Iは、合わせガラス内部に配線された、商用電源(図略)から液晶スクリーン装置11への電源供給のためのフレキシブルプリントPC:Flexible Printed Circuits)を示すものである。
【0018】
[テーブル装置]
このテーブル装置10は、テーブル本体100の天面110の内部に液晶スクリーン装置11が埋設されており、本実施形態のものでは、この液晶スクリーン装置11のスイッチをオンして電圧Vを印加させると、テーブル本体100の天面110にスクリーンSが形成される。また、この液晶スクリーン装置11のスイッチをオフにして電源を切ると、テーブル本体100の天面110が全て透明な状態となり、スクリーンS自体が消失するので、一般的な家具としてのテーブルと全く変わりない状態になる。
【0019】
この天面110は、適宜の透明ガラスを2枚貼り合わせた「合わせガラス」で構成されているが、特に天面110の後述する液晶スクリーン装置11のスクリーンSに投影されてきた画像の直上などにフェルトペンなどで文字や絵などを書たり消したりすることができるように、透明性だけでなく、平滑性も高い適宜のガラス或いは透明樹脂などで構成されている。繰り返しの書き消しを行いたい場合には、内部への色素などの含侵の可能性が少ない光学ガラスの方が好ましいが、透明樹脂を使用する場合には、例えば透明度が非常に高いPMMA(ポリメチル・メタ・アクリレート)などを用いるのが好ましい。これにより、平滑性が高い天面110では、見栄えが良いだけでなく、ここに書き込んだ文字や絵などを容易に消し去ることができるように構成されている。
【0020】
さらに、このテーブル装置10では、液晶スクリーン装置11のスイッチなどを設けたコントロールパネル部Pを設置している。さらに、このテーブル装置10には、例えばスクリーンSに書き込んだ文字や絵、さらにはスクリーンSに投影された画像などのデータをテーブル装置10の外部に設けたプリンタに送出してプリントアウトさせることができるようにするため、撮像素子とプリンタとの間で無線通信を行うブルーツース機能を有する送信手段などを備えた構成してもよい。
【0021】
[液晶スクリーン装置]
液晶スクリーン装置11は、図3に示すように、概略構成として、液晶層12と、この液晶層12を挟持する透明導電膜13A,13Bと、これらの透明導電膜13A,13Bを外側から挟持するフィルム層14A,14Bと、を備えており、このスクリーン装置11を(透明部材である)上下の合わせガラスG1、G2で挟持させた構成となっている。
【0022】
なお、この液晶スクリーン装置11は、一般の液晶表示装置(LCD:liquid crystal display)である画像情報などに合わせて所望の画像や映像を形成して画面に表示させる構成のものとは異なり、必要時に、半透明等のスクリーンSを単純に形成するだけのものである。そのため、R(Red)、G(Green)、B(Blue)のカラーフィルタなどを付設する必要がない分、シンプルなものとなっている。
【0023】
即ち、液晶スクリーン装置11は、スクリーンSに投射させる画像や映像を、テーブル装置10のテーブル本体100直下に設置したプロジェクタ装置20から投影させるようにした背面投射型のものである。そのため、この液晶スクリーン装置11は、バックライトも不要であって、このプロジェクタ装置20と液晶スクリーン装置11の間から差し込む外光を利用して、高輝度、高コントラストで明るい画面が得られるようになっている。
【0024】
本実施形態の液晶層12は、例えば適宜タイプの液晶分子を適宜の高分子材料で包んだ液晶マイクロカプセルタイプのものを用いており、電圧を印加していないときには液晶の配向方向が一定方向にそろった状態となっているとともに、電圧を印加すると液晶の配向方向がランダムな状態となるタイプのものを用いている。即ち、この液晶層12は、電源スイッチを入れて電圧を印加すると、液晶マイクロカプセル内の液晶の配向方向がランダムとなり、この液晶の屈折率とこの外側を囲む高分子の屈折率とが不整合となり、液晶内に入射する各光はランダムな方向に散乱する。つまり、電圧印加により散乱ガラスのような状態となり、スクリーンSを構成するようになっている。なお、本発明の液晶層には、本実施形態のような液晶マイクロカプセルタイプのものを用いてあるが、特にこれに限定されるものではない。即ち、同様の作用効果を得られるものであれば適用可能である。例えば、電圧印加のON又はOffのいずれかの状態によってシャッタ機能が作動するような構成などであってもよい。
【0025】
下側及び上側の透明導電膜(ITO:Indium Tin Oxide)13A,13Bは、双方を対峙させることで、液晶層12となる空間を形成するとともに、この空間内に液晶分子を含んだカプセル状のもの(以下、これを液晶カプセルとよぶ)を充填させ、かつ、液晶層内の各液晶カプセルに所定電圧を印加させてカプセル内部の液晶の配向方向を無秩序なランダム状態を作り出すことで、スクリーンを形成するようになっている。なお、この透明導電膜13A,13Bへ所要電圧を印加させるため、テーブル本体100の一部の脚111の内部に図示外のFPC(フレキシブルプリント基板)を設けるとともに、このFPCを介して商用電源との接続を図るコード112を設けており、商用電源との電気的な接続を図っている。
【0026】
下側及び上側のフィルム層14A,14Bは、絶縁性のある薄膜、例えばPET(ポリエチレン・テレフタレート)や、透明度が非常に高いPMMA(ポリメチル・メタ・アクリレート)などを用いて、2枚の合わせガラスG1、G2の間に介装されており、液晶スクリーン装置11の作動に伴う電気的なショート事故の発生も防止するようになっている。
【0027】
また、この液晶スクリーン装置11には、テーブル本体100の天面110の一部に液晶スクリーン装置11を駆動制御するための操作パネルPも設置されており、指でのタッチ操作などでスイッチオン・オフ操作などが行えるようになっている。この他、ブルーツースで図示外のプリンタを駆動してスクリーンSに表示された画像などを印刷できるような操作も可能になっている。
【0028】
[プロジェクタ装置]
一方、プロジェクタ装置20は、画像形成装置を構成するものであり、光学系30を介して、液晶スクリーン装置11へ画像などを投射させる。本実施形態のプロジェクタ装置20は、ビデオや映像やコンピュータからの画像に関するデータを、前述のスクリーンSに投射して表示するように構成されている。なおこのプロジェクタ装置20には、例えば液晶プロジェクタ装置、レーザープロジェクタ装置や、ホロクラムプロジェクタ装置など、各種タイプのものが適用可能であるが、本実施形態では液晶を用いたプロジェクタで構成している。
【0029】
即ち、本実施形態のプロジェクタ装置20には、通常のタイプの液晶プロジェクタ装置を用いてあり、特にその詳細な説明は省略するが、一般的な液晶(
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)プロジェクタ装置は、(映像信号のRGBの各成分に対応する)3種類のLCDパネルを設け、これらにバックライト光を通して映像を投光する。なお、このプロジェクタ装置20には、例えば、透過型液晶方式(LCD)、反射型液晶方式(LCOS:Liquid crystal on silicon)、DLP方式などのものがよく知られており、勿論、どのタイプのものであっても適用可能である。
【0030】
本実施形態の液晶プロジェクタ装置20では、図4に示すように、バックライトである水銀ランプなどの光源21と、誘電体多層膜で形成されて3原色のうちの2種の波長の色のみをそれぞれ選択的に反射させる2枚のダイクロイックミラー22A,22Bと、これによって分割された3種の波長の色を各光路上に設置した適宜のミラー23A~23Cと、これらのミラー23A~23Cを介してそれぞれ3方向(1種類の波長の光はミラーが不要)から3種類の波長の光がそれぞれ投光される透過型液晶パネル24A~24Cと、この透過型液晶パネル24A~24Cを透過した光を入射させるとともに、これら3種の波長の光を合波させてカラーの光画像を作り、残り1方向から出射させる略四角形状のクロスダイクロイックプリズム25と、投影レンズ26を含む図示しない各種レンズ、例えばコンデンサレンズ、フレネルレンズなどの光学系27とを備えている。そして、これらの液晶パネル24A~24C、各種光学素子、及び光学系27などを通過後、液晶スクリーン装置11に投光されてきた光画像がスクリーンSに結像されるようになっている。なお、ここで、クロスダイクロイックプリズム25とは、
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の二つの反射面が、互いに直交するように配置した
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であり、また
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とは、それぞれの反射面に異なる透過波長域をもたせるように誘電体多層膜などを設けたプリズムのことである。
【0031】
次に、本実施形態の作用について説明する。
テーブル装置10の天面110に設けた図3に示す液晶スクリーン装置11の電源を入れ、液晶層12に電圧を印加すると、この液晶層12に多数充填された液晶カプセル内の液晶の配向方向がランダムとなる。即ち、各カプセル内の液晶の屈折率とこの外側を取り囲む高分子のカプセルの屈折率とが不整合となり、液晶内に入射する各外部からの光はランダムな方向に散乱する。つまり、電圧印加により、この液晶層12が散乱ガラスのような状態となり、その結果、テーブル装置10の外側から見ると、灰色などの色相を呈するスクリーンSを形成するようになる。
【0032】
このようにして、液晶スクリーン装置11において、テーブル装置10の天面110にスクリーンSを形成したならば、図4に示す液晶プロジェクタ装置20の電源を入れ、水銀ランプなどの光源21を点灯させる。すると、この光源21から出射される光が、ダイクロイックミラー22A,22Bに入射後、ここで反射及び透過することによって、3原色(RGB)の各色の波長に分割され、その後、所定光路をそれぞれ進行した後、各色波長の光ごとに、透過型液晶パネル24A~24Cを適宜透過する。これにより、3分解されていた画像情報に関する各波長の光が、クロスダイクロイックプリズム25で3波を合波し、フルカラーとなった投影画像が光学系27へ入射する。これにより、スクリーンS上に投影画像が投射されて結像する。
【0033】
一方、プロジェクタ装置20での画像投影を終了するときには、このプロジェクタ装置20の電源を切るとともに、スクリーン装置11の電源を切る。すると、図3において、スクリーン装置11の液晶層12のカプセル内の液晶は、電圧を印加していないとき液晶の配向方向が一定方向にそろった状態となる。従って、下側ガラスG1から入射するとともにここを進行する外来光は、その殆どがフィルム層14Aから透明導電膜13A、液晶層12を透過し散乱することがないので、その通過する。そして、透明導電膜13B、フィルム層14Bを透過した後、上側のガラスG2を進行し、テーブル天面110から上側の視認者の目に入るので、スクリーンSが消失した透明な状態の天面110が確認できる。
【0034】
従って、本実施形態のテーブル装置10によれば、普段は液晶スクリーン装置11の電源を切っておくと、家具テーブルとして使用することが可能となる。一方、テーブル本体100の天面110に設置した液晶スクリーン装置11の直下に液晶プロジェクタ装置20を設置することで、液晶スクリーン装置11の電源を入れれば、液晶スクリーン装置11を液晶プロジェクタ装置20のプロジェクタ用のスクリーンとして使用することができる。
【0035】
即ち、プロジェクタ装置20の使用時のみ、液晶スクリーン装置11の電源を入れてテーブル天面110にスクリーンSを形成すれば、プロジェクタ装置20からの投影光が直上にあるスクリーンSへ直ちに投光・投影される。従って、簡単なスイッチ操作で、所望の画像や映像をテーブル本体100の天面110にて視認できる。また、プロジェクタ装置20を使用しない時には、テーブル装置10のテーブル本体100、特に天面110の全てが透明となり、普通の家具としてのテーブルとなるので、スクリーンSの設置場所を別に設ける必要もなく、便宜である。
【0036】
しかも、このテーブル本体100は、天面110の合わせガラス部分に液晶スクリーン装置11を埋設している点と、テーブル本体100の一方の脚部120に電源コード112が取付けてある点以外には、一般のテーブル何ら変わりがない。このため、特に天面110がクリスタルのように輝くガラス製や透明度が非常に高いPMMAなどの樹脂製の高級家具テーブルを構成することができ、別言すれば、デザイン性の高いモダンでシンプルなテーブルとしても提供可能である。さらに、このテーブル装置10によれば、天面110に設置する液晶スクリーン装置11は単一のもので構成可能なので、スクリーン画面が特に大型でない限り、小型の家庭用の家具テーブルに適用できる。
【0037】
(第1の実施形態の変形例:第1の変形例)
次に、図5を参照しながら、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
なお、本変形例において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して、重複説明を避ける。
前述した第1の実施形態では、プロジェクタ装置20を使用しないときには、液晶スクリーン装置11のスイッチを切っておくことで、スクリーンSが形成されず、テーブル本体100がクリスタルのように輝く透明な状態とした構成であった。
【0038】
一方、図5に示す本変形例では、液晶スクリーン装置11´のスイッチのON/OFFの切り替え動作は、プロジェクタ装置20の作動時及び非作動時によらず必要ない。つまり、液晶スクリーン装置11´のスイッチがOFFの状態のままであれば、常時、スクリーンSが形成されており、いつでもプロジェクタ装置20を作動させるだけで、スクリーンSに画像や映像が投影できるようになっている。従って、その分の節電も可能となっている。
【0039】
また、本変形例1では、テーブル本体100´の天面110´の一部(つまり、液晶スクリーン装置11´の設置エリアを除いた部分)と、前後左右両脚部全面との都合5面に対して、不透明な色又は不透明な材質の合成樹脂などで形成してある。
【0040】
さらに、使い勝手を配慮して、テーブル本体100´の両脚部120の2面は第1の実施形態と同じである一方、他の2面には蝶番130等で開閉自在な脚部120´を設置した構成としており、そこからテーブル本体100´の下部空間へ(プロジェクタ装置20以外にも)色々な物の出入れが簡単に行えるようになっている。
【0041】
因みに、本変形例のような構成とするには、スイッチをOFFにして液晶層に電圧を印加していないときに液晶の配向方向がランダムな状態、つまりスクリーン状態となるタイプの液晶スクリーン装置11´を用いればよい。即ち、この液晶スクリーン装置11´では、第1の実施形態とは逆に、図示しない液晶層に電圧を印加していないときには、液晶の配向方向がランダムな状態となり、例えば灰色に近い色相などの材質が見えている状態となる。
【0042】
また、この液晶スクリーン装置11´のスイッチをONにしてスクリーンSの形成を停止させるのは、次のような場合に便宜である。例えばスイッチをOFFにすれば、スイッチONのときには不透明であったスクリーンS形成エリアが、非スクリーン状態の透明エリアとなるので、読書や細かい辞書の文字などを確認するときなどに照明光などとして利用可能となり、便宜である。即ち、この場合、液晶スクリーン装置11´のスイッチを入れてスクリーンS形成エリアを透明状態にするとともに、プロジェクタ装置20を作動し、例えば明るい静止画像などを液晶スクリーン装置11´の非スクリーン状態の透明エリアに投光させる。これにより、細かい辞書の文字などを確認するときなどに、態々、拡大鏡や室内灯の照明の明るさをアップさせるような操作を行う手間を省けるようになる。
【0043】
また、このような使用態様であれば、室内灯を消灯させ、ここでの光のみを使用すれば、間接照明手段としての利用も可能である。即ち、プロジェクタ装置20から例えば静止画像や動画などを投射すれば、透明状態にある液晶スクリーン装置11´を介してプロジェクタ装置20からの光がテーブル本体100´の天面110´上方に、カラフルな照明光として浮かび上がらせることも可能である。従って、ムーディな室内空間を形成することも可能である。
【0044】
従って、本変形例1によれば、このように、普段プロジェクタ装置20を使用しないような時には勿論、使用する場合であっても、液晶スクリーン装置11´のスイッチはOFFにしておくようにしておけばよい。これにより、いつでもスクリーンSが形成されているので、プロジェクタ装置20を使用するときには、液晶スクリーン装置11´のスイッチON/OFF操作が不要となる。
【0045】
また、本変形例1によれば、例えばテーブル本体100´の天面110´の一部(つまり、液晶スクリーン装置11´の設置エリアを除いた部分)と、前後左右両脚部全面との都合5面に対して、不透明な色又は不透明な材質の合成樹脂などで形成してあるので、液晶スクリーン装置11´に通電していないときには、テーブル本体100´の全面が不透明な状態となっている。従って、普段、液晶スクリーン装置11´のスイッチをOFFにしてあれば、図5に示すように、テーブル本体100´の下部空間にプロジェクタ装置20を常設してあったとしても、外から見えないので、目障りにはならない。
【0046】
このように本変形例1によれば、テーブル本体100´の下部空間を、天面110´、両脚部120´、120´´の5面で囲んでおくような構成としてあるので、プロジェクタ装置20が隠れて見えず、好都合であり、見栄えもよい。また、プロジェクタ装置20を使用しないときの置き場所としてこの下部空間を利用してそのまま静置しておけば、使用の都度、プロジェクタ装置20を持ち込んできてその設置位置や設置高さを毎回微調整しなくても済み、便宜である。さらに、例えば、突然の来客があったような場合には、床面などに多く散らばっている日用品などをテーブル本体100´の下部空間にまとめて放り込んでおいても、外部から見えないので、その点でも都合がよい。
【0047】
(第1の実施形態の変形例:第2の変形例)
次に、図6を参照しながら、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。
なお、図5に示す第1の変形例では、プロジェクタ装置20を使用しないときには、液晶スクリーン装置の液晶層に電圧を印加しなければ、液晶の配向方向がランダムな状態となり、例えば灰色に近い色相などの材質のものに見えるように構成した。
【0048】
一方、この第2の変形例では、第1の変形例とは異なり、テーブル本体の天面の内部に設けた液晶スクリーン装置11´´に使用する液晶が第1の実施形態や第1の変形例のものとは、全く異なるタイプのものである。即ち、図6に示すこの第2の変形例では、図示外のプロジェクタ装置からの光を透過又は遮断するシャッタのような機能を有するものである。また、その構成は、従来の一般的な液晶表示装置(LCD)と類似した構成ではあるが、シャッタ機能を備えていれば良いので、バックライトとなる光源を設けていない。
【0049】
また、この第2の変形例では、上下のガラスG1,G2のうち、例えば上側ガラスG2の液晶スクリーン装置11´´と接する界面に微細な凹凸を設け、すりガラス面αとしてあるが、このすりガラス面αは下部ガラスG1に形成してもよい。なお、本発明では、特にこのすりガラスに限定されるものではなく、例えばガラス面に半透明なフィルム(これ以外にも、例えば所望の色に淡く着色されたカラーフィルム)などを貼り付けるような構成など、各種の同様の効果を奏するものであればそれで構成してもよい。
【0050】
即ち、この液晶スクリーン装置11´´は、図6において、大略構成として、入射する光の偏光面が互いに90度異なる、一方の偏光子(これを「P型偏光子16A」とよぶ)及他方の偏光子(これを「S型偏光子16B」とよぶ)と、一対の透明導電膜17、17と、一対の配向膜18、18と、液晶層19とを備えている。なお、バックライトについては、上述したように通常のLCDとは異なり不要となっているので、そのバックライト用の光源は設けていない。また、透明導電膜17、17は、第1の実施形態と同様であって、即ち、単に液晶層19の全面に所定電圧を均一に印加させるだけの構成であって、情報内容に応じた各画素に対する細かい電圧制御を行う必要はない。
【0051】
従って、本実施形態の液晶スクリーン装置11´´は、図示外のプロジェクタ装置を作動して画像や映像をテーブル本体の天面に投影したいときには、この液晶スクリーン装置11´´に通電して電圧を印加する。これにより、液晶層19での液晶分子の配向方向が90度捩じられる。その結果、下側ガラスG1に入射進行してきた外来光は、P型偏光子16AでP波の光のみ通過させ、その後、液晶層19内の液晶分子は90度配向面が捩じれるので、ここを通過するP波の光が偏光面を90度捩じられてS波となり、S型偏光子16Bを透過することができる。そして、この透過したS波の光は上側ガラスG2のすりガラス面αで散乱して拡散するので、スクリーン面を形成する。
【0052】
これにより、図示しないプロジェクタ装置からの画像や映像のデータに応じて形成された投影光が液晶スクリーン装置11´´のスクリーン面Sに投影され、テーブル本体の天面の上から視認者がその画像や映像をみることができる。
【0053】
一方、このプロジェクタ装置を使用しないときには、液晶スクリーン装置11´´の電源をOFFにしておけばよい。これにより、液晶スクリーン装置11´´では外来光が透過しないのでそのエリアだけ光が透過しない暗部が形成される。
【0054】
従って、本実施形態によれば、図示外のプロジェクタ装置を使用しないときには、液晶スクリーン装置11´´の方も電源をOFFにしておけば、テーブル本体の天面の液晶スクリーン装置11´´が設置されているエリアだけ真っ黒な暗部が形成される(この暗部形成については、図示外のプロジェクタ装置をONにしてあっても同様である)。
【0055】
従って、このような環境下では、例えばダイヤモンドやその他の宝石の色相などの鑑定などの際に、暗部エリアにそれらを載置すれば、外光や迷光などの不要な光の散乱の発生を防止できる。その結果、例えば鑑定者の使用する専用の小さなライトなどの光源などで細かい鑑定作業などを行うようなことも可能である。
【0056】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態のテーブル装置50について図7及び図8を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図7において符号Cは、外部の電源と接続させるための接続端子を示すものであり、テーブル装置50を使用する場合に、図示外の電源コードを介して家庭用の商用電源に接続させるようになっている。また、符号P´は、テーブル装置50のスクリーンSに画像や映像を投射させる際の制御を行う操作パネルであって、第1の実施形態と略同様の構成及び機能となっているので、テーブル本体100´´の直下などにはプロジェクタ装置を設置する必要はない。
【0057】
この実施形態のテーブル装置50は、図8(a)に示すように、テーブル本体100´´の天面110´´の内部にスクリーンSとなるすりガラス63を設けているほか、画像形成用のプロジェクタ装置の機能を備えた液晶表示装置60を設けている。なお、図8(a)では、便宜上、LCD本体62とすりガラス63とを直接接触した構造としてあるが、形成する焦点距離などの関係で双方の間に図示外のスペーサを介装させ、焦平面を調整するように構成してもよい。また、場合によっては、すりガラスを設置しないで上ガラスG2を通して直接LCD本体からの画像を直接視認する構成としてもよい。
【0058】
この液晶表示装置60では、図8(a)に示すように、下側及び上側の合わせガラスG1及びG2の間に挟持した状態で設置されており、大略構成として、バックライト部61と、LCD本体62とを備えている。
【0059】
バックライト部61は、図8(b)に示すように、プリント基板61Aに1次元アレイ状に多数実装された面発光型LED61Bを用いており、これらの発光する光を導光板61Cへ投光させるようになっている。また、この導光板61Cには、下面及び背面に反射膜61Dが成膜されており、下面から外部へ逃げようとするLED光を漏れなく上方のLCD本体62へ投光させることができるようになっている。
【0060】
LCD本体62は、図6の構成とほぼ同様な構成であって、大略構成として、何れも図示しないが、偏光面が縦方向のP波及び横方向のS波となるように90度偏光面を異ならせたP型偏光子及びS型偏光子と、透明導電膜と、配向膜と、液晶層とを備えているが、スクリーンSとなるすりガラス63をLCD本体62上面に設置している。なお、LCD本体62を構成する各要素、即ち、P型偏光子及びS型偏光子、透明導電膜、配向膜、及び液晶層については、第2の変形例を参照されたい。
【0061】
すりガラス63は、LCD本体62の画像や映像となる光(以下、画像光や映像光とよぶ)を出射する画面である上面全体を覆うように設置されており、その画像光や映像光を拡散させるために、上面又は下面に微細な凹凸を有する微細加工が施されている。
【0062】
この拡散機能を有する、すりガラス63を設置することで、画像光や映像光が拡散されるので、LCD本体62の直上からの視認だけでなく、斜め方向からの画像や映像を視認することができるようになっており、視野角が大幅に拡大されている。なお、このすりガラス63は、特に設置することが必要であるわけではなく、視野角の拡大を必要としない場合には、設置しなくてもよい。また、このすりガラス63の替わりに、第1の実施形態のものと同様な液晶スリーン装置を設け、通電するとスクリーン状態を形成するような構成としてもよい。
【0063】
従って、本実施形態によれば、プロジェクタとして使用する場合には、図示外の電源コードを接続端子Cに接続して商用電源と接続し、操作パネルP´のスイッチをONする。すると、液晶表示装置60が作動し、すりガラス63のスクリーンSに、液晶表示装置60の画像光や映像光が投射されるので、スクリーンSを介して広画角で画像や映像が視認できる。
【0064】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について、図9及び図10を参照しながら説明する。
図9に示す本実施形態のテーブル装置70では、第2の実施形態の構成のものと同様の構成であるが、テーブル本体100´´´の天面110´´´を通して視認する動画などの画像情報の表示(これを「画像モード」とよぶ)の他に、画像情報が重畳されていない単なる単色またはカラーの色情報のみを表示する(これを「色モード」とよぶ)こともできるようになっている。
【0065】
即ち、このテーブル装置70では、図10に示すように、LCD本体71と、高出力で高輝度のバックライトを生成する面発光型LED72と、LCD本体71の画像情報や色情報を投射するときのスクリーンSとなるすりガラス73と、LCD本体71及びLED72を制御する制御部74と、制御部74を介してLCD71の制御を行い、画像モードと色モードの切替え操作などを行う操作ボタン75とを備えており、このうち、制御部74と操作ボタン75とが、図示外のテーブル本体の天面に設けた操作パネルP´´内部に設けている。
【0066】
なお、このテーブル装置70では、この装置70の外部に、画像信号出力手段80であるTV装置やVTR装置等を設けており、画像信号出力手段80の出力がLCD本体71及び面発光型LED72の入力と接続されている。
【0067】
従って、本実施形態によれば、TV装置やVTR装置等と制御部74とをケーブル81で接続するとともに、テーブル装置70の電源を入れ、操作ボタン75を操作して「画像モード」を選択してこれに設定する。すると、外部のTV装置やVTR装置等の画像信号出力手段80からの映像信号がケーブル81を介してLCD本体71に入力される。また、これと同時に、面発光型LED72が作動し、明るく輝度の高いバックライトが形成されるとともに、その画像情報に応じ、画素ごとに所定の電圧が印加される。
【0068】
従って、これら各画素の集合した全体として所望の画面に、画像光が逐次形成されるとともに、その画像光がすりガラス73に投射される。その結果、視認者は、このすりガラス73のスクリーンSに結像する、高輝度の明るい画像を天面の上から視認することができる。
【0069】
また、テーブル装置70の電源を入れ、操作ボタン75を操作して「色モード」を選択してこれに設定する。すると、外部のTV装置やVTR装置等の画像信号出力手段80からの画像信号が制御部74へ出力され、ここで所定の画像処理が施される。その結果、全画素での液晶層への電圧が全て均一に印加制御され、入力画像情報に応じた各画素への制御が停止されて全画素の液晶層が均一に制御されるので、LCD本体71では画像信号出力手段80からの画像信号に応答せず、画像情報が重畳されていない単なる単色またはカラーの色での高輝度で明るい画像光を形成する。従って、LCD本体71から出射する高輝度で明るい画像光がスクリーンSとなるすりガラス73へ入射すると、単色又はカラーでの色情報が結像される。
【0070】
従って、色モードを設定してテーブル装置70を作動すると、テーブル本体の天面部分のスクリーンSに対応するエリアが上述の単色又はカラーで強く浮かび上がる。従って、例えば夜間に、このテーブル装置70を備えたテーブル本体を設置している室内の図示しない照明器具90の照明を切ると、暗い室内にスクリーンSからの単色又はカラーでの色が強く浮かび上がり、間接照明手段として機能させることができる。
【0071】
また、この液晶表示装置60を使用しない場合には、コードを外せば、操作パネルP´の他には、スクリーンS部分のみがすりガラス63であるので灰色状態のスクリーンSが目視されるけれども、それ以外は一般のテーブルと全く同様の外観、構成である。従って、家具テーブルとして家庭内に配置しても全く違和感がなく、家具テーブルとしての付加価値を高めることができる。
【0072】
以上、本発明に係るテーブル装置の第1~第3の実施形態及び第1、第2の変形例について詳細に説明してきたが、これらの5態様のテーブル装置について、スクリーンの構成、プロジェクタ装置の要否、電源をON/OFFしたときのスクリーンの状態(例えば、透明/不透明/暗部形成など)、適用分野や効果などの各項目について下記の表1にまとめてある。
【0073】
【表1】
【0074】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。
また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0075】
10 テーブル装置
11、11´、11´´ 液晶スクリーン装置
12 液晶層
13A,13B 透明導電膜
14A,14B フィルム層
20 プロジェクタ装置(画像形成装置)
21 光源
22A,22B ダイクロイックミラー
23A~23C ミラー
24A~24C 透過型液晶パネル
25 クロスダイクロイックプリズム
26 投影レンズ
27 光学系
50 テーブル装置
60 液晶表示装置(LCD本体)
61 バックライト部(面発光型LED)
61A プリント基板
61B 面発光型LED
61C 導光板
61D 反射膜
62 LCD本体
63 すりガラス
70 テーブル装置
71 LCD本体
72 面発光型LED
73 すりガラス
74 制御部
75 操作ボタン
80 画像信号出力手段
100、100´、100´´ テーブル本体
110,110´ 天面
111 脚
112 コード
120´、120´´ 脚部
130 蝶番
C 接続端子
G1、G2 合わせガラス(透明部材)
I フレキシブル基板
P,P´ 操作パネル
S スクリーン
α すりガラス面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10