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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028603
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】ロック機構を備えたコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092881
(22)【出願日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2020131427
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】細田 翔平
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB15
5E021FC36
5E021HC12
5E021HC33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタ長さ方向における各端部付近におけるロック力を強化することができるロック機構を備えたコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング110に保持された端子120及び付加部材150とを含む。ハウジングは、嵌合凸部116と、嵌合凸部の外壁を周状に取り囲む、一対の第1側壁部112及び第2側壁部114とを含み、相手コネクタ200の少なくとも一部を受容する受容部118を形成する。少なくとも一方の端部側の付加部材は、第1側壁部に保持された第1ロック部154と、第2側壁部のそれぞれに保持された一対の第2ロック部155とを含む。第1ロック部は、受容部を形成している第1側壁部の内壁112bの少なくとも一部を構成する。第2ロック部は、受容部を形成している一対の第2側壁部の内壁114bの少なくとも一部を構成し、且つ、第2ロック部の少なくとも一部が、嵌合凸部よりも一方の端部側に寄った位置に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングに保持された端子及び付加部材とを含むコネクタであって、
前記ハウジングは、
相手コネクタとの嵌合側に突出した嵌合凸部と、
前記相手コネクタとの嵌合側に突出し且つ前記嵌合凸部の外壁を周状に取り囲む、第1方向に延在する一対の第1側壁部及び第2方向に延在する一対の第2側壁部とを含み、
前記嵌合凸部の外壁と、一対の前記第1側壁部及び一対の前記第2側壁部の内壁との間に、前記相手コネクタの少なくとも一部を受容する受容部が形成されており、
前記第2方向における少なくとも一方の端部側の前記付加部材は、
前記第1側壁部に保持された第1ロック部と、一対の前記第2側壁部のそれぞれに保持された一対の第2ロック部とを含み、
前記第1ロック部が、前記受容部を形成している前記第1側壁部の内壁の少なくとも一部を構成し、
前記第2ロック部が、前記受容部を形成している一対の前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成し、且つ、前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部が、前記第2方向において、前記嵌合凸部よりも前記一方の端部側に寄った位置に設けられていること
を特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第1ロック部の少なくとも一部が、前記第1方向において、前記嵌合凸部の中央領域から、前記嵌合凸部を超えて一対の前記第2側壁部の少なくとも一方の側に延びていること
を特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部が、前記第2方向において、前記嵌合凸部を超えて前記一方の端部側とは反対の他方の端部側に延びていること
を特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタは、レセプタクルコネクタであり、
前記第1側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第1ロック部の少なくとも一部が、前記第1側壁部の内壁の表面よりも、前記第2方向において前記受容部の側に突出した曲面であり、
前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部が、前記第2側壁部の内壁の表面よりも、前記第1方向において前記受容部の側に突出した曲面であること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記付加部材は、前記相手コネクタとの電源用の接点となる電源端子を含み、
前記電源端子は、前記第2方向において、前記端子と並べて前記第2側壁部に配列されたこと
を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部は、前記第2方向において、前記電源端子の可動部の接点まで延びていること
を特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1方向において前記第2ロック部と対面し且つ前記受容部の少なくとも一部を構成している、前記嵌合凸部の外壁の少なくとも一部が、金属部材から成ること、
及び/又は
前記第2方向において前記第1ロック部と対面し且つ前記受容部の少なくとも一部を構成している、前記嵌合凸部の外壁の少なくとも一部が、金属部材から成ること、
を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項8】
前記相手コネクタと嵌合する方向に沿って延びる軸と直交する面において、前記一方の端部側に設けた付加部材と前記第2方向において前記一方の端部側とは反対の他方の端部側に設けた付加部材とが、前記軸を対称点として点対称に配置されており、
前記面において、前記一方の端部側に設けた付加部材と前記他方の端部側に設けた付加部材のそれぞれが、前記第1ロック部及び一対の前記第2ロック部を含むこと
を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記付加部材は更に、
前記第1側壁部を挟んで前記第1側壁部の内壁と前記第2方向において対向する前記第1側壁部の外壁側に第1実装部を有し、
及び/又は
前記第2側壁部を挟んで前記第2側壁部の内壁と前記第1方向において対向する前記第2側壁部の外壁側に第2実装部を有すること
を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1実装部は、前記第1の方向と交差する方向において分割された、前記第1の方向に沿う複数部分から成り、及び/又は、前記第2実装部は、前記第2の方向と交差する方向において分割された、前記第2の方向に沿う複数部分から成ること
を特徴とする請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記付加部材は、更に、
前記相手コネクタと嵌合する方向に沿って延びる軸と直交する面のうち、前記相手コネクタと嵌合する側における前記コネクタの最表面に、前記第1側壁部に保持され且つ前記第1側壁部から露出した第1頂部、及び、一対の前記第2側壁部のそれぞれに保持され且つ一対の前記第2側壁部のそれぞれから露出した一対の第2頂部を含むこと
を特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項12】
前記付加部材は、更に、
前記相手コネクタと嵌合する方向に沿って延びる軸と直交する面のうち、前記相手コネクタと嵌合する側における前記コネクタの最表面に、前記嵌合凸部から露出した第3頂部を含むこと
を特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項13】
前記第3頂部は、前記第2方向において、前記第1ロック部と連結されていること
を特徴とする請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記第3頂部は、前記第2方向における前記嵌合凸部の少なくとも一方の端部側に設けられていること
を特徴とする請求項12又は13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記第3頂部の少なくとも一部は、前記第1方向において、前記嵌合凸部の全体に亘って設けられていること
を特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項16】
請求項15に記載された前記第3頂部の少なくとも一部は、前記第1方向における少なくとも一方の端部側から、前記相手コネクタと嵌合する方向とは反対の方向に向って前記相手コネクタと嵌合する方向に沿って延長された延長部を有し、該延長部が、前記嵌合凸部の外壁の少なくとも一部の面を構成していること
を特徴とする請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記第1ロック部と前記第2ロック部は、前記第1ロック部及び前記第2ロック部が設けられた位置よりも、前記相手コネクタと嵌合する方向に沿う方向において前記相手コネクタと嵌合する側とは反対の側に位置する部分を通じて連結されていること
を特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項18】
前記第2ロック部は、前記第1方向における前記第1ロック部の両側に、前記第1ロック部とは直交する方向に延在するように設けられていること
を特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項19】
前記付加部材は、前記第1ロック部及び前記第2ロック部が設けられた位置よりも、前記相手コネクタと嵌合する側とは反対の側に、平面部をそれぞれ備えたこと
を特徴とする請求項1から18のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項20】
前記第1ロック部及び前記第2ロック部は、前記相手コネクタとの嵌合時に、前記相手コネクタの第1相手ロック部及び第2相手ロック部と係合し、前記第1ロック部及び前記第2ロック部の前記平面部は、前記第1相手ロック部及び前記第2相手ロック部をそれぞれ受け入れるように構成されたこと
を特徴とする請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
ハウジングと、前記ハウジングに保持された端子及び付加部材とを含むコネクタであって、
前記ハウジングは、
相手コネクタとの嵌合側に突出し且つ前記相手コネクタの少なくとも一部を嵌合させることができる嵌合凹部を内壁によって形成している、第1方向に延在する一対の第1側壁部及び第2方向に延在する一対の第2側壁部とを含み、
一対の前記第1側壁部及び一対の前記第2側壁部は、前記相手コネクタの少なくとも一部が前記嵌合凹部に嵌合されたときに前記相手コネクタの受容部に受容されるようになっており、
前記第2方向における少なくとも一方の端部側の前記付加部材は、
前記第1側壁部に保持された第1ロック部と、一対の前記第2側壁部のそれぞれに保持された一対の第2ロック部とを含み、
前記第1ロック部が、前記相手コネクタの少なくとも一部が前記嵌合凹部に嵌合されたときに前記相手コネクタの前記受容部に受容される前記第1側壁部の外壁の少なくとも一部を構成し、
前記第2ロック部が、前記相手コネクタの少なくとも一部が前記嵌合凹部に嵌合されたときに前記相手コネクタの前記受容部に受容される一対の前記第2側壁部の外壁の少なくとも一部を構成し、且つ、前記第2側壁部の外壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部が、前記第2方向において、少なくとも前記嵌合凹部よりも前記一方の端部側に寄った位置に設けられていること
を特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、特に、相手コネクタとの嵌合状態を維持するためのロック機構を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第6530015号公報に、上記のロック機構を備えたコネクタ、特に、プラグコネクタとレセプタクルコネクタそれぞれの一例が開示されている。これらプラグコネクタとレセプタクルコネクタは、回路基板の実装面に固定した状態で互いに嵌合させることができる、いわゆる基板対基板型のものである。
【0003】
上記特許公報に開示されたレセプタクルコネクタ1は、略直方体外形をなすハウジング10と、ハウジング10の長手方向で該ハウジング10に一体モールド成形により配列保持される複数のレセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30を有する。
【0004】
レセプタクル補強金具30は、コネクタ長さ方向でのレセプタクル信号端子20の配列範囲に対して両方の外側位置でハウジング10に設けられており、ハウジング10を補強する機能のみならず、ロック金具としての機能、さらには電源端子としての機能をも有することができる。
【0005】
レセプタクル補強金具30はまた、金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、上方から見て、コネクタ幅方向での底壁11から上方へ起立するとともにコネクタ長さ方向に延びるハウジングの突壁12の位置に設けられる部分と、コネクタ幅方向で対向する底壁11の縁部から起立してコネクタ長さ方向に延びる一対の外壁としての側壁14のそれぞれの位置に設けられる部分と、一対の側壁14の端部同士を連結しコネクタ幅方向に延びる一対の外壁としての端壁15の位置に設けられる部分と、底壁11から起立し突壁12を囲む四角枠状の周壁13と突壁12との間で上方に開口したプラグコネクタ2の嵌合部を受け入れるための受入部16の位置に設けられる部分を有する。
【0006】
レセプタクル補強金具30における、側壁14の位置に設けられる部分には、側壁14の内面に沿って下方へ延びるロック板部41が含まれ、該ロック板部41は、受入部16側に位置する板面が側壁14の内面から露呈した状態で該側壁14に保持されており、その露呈した板面から矩形状に没したロック凹部41Aが形成されている。
【0007】
一方、プラグコネクタ2は、略直方体外形をなすハウジング50と、ハウジング50の長手方向で該ハウジング50に一体モールド成形により配列保持される複数のプラグ信号端子60及びプラグ補強金具70を有する。
【0008】
プラグコネクタは、レセプタクルコネクタの受入部16に適合した枠状の嵌合部を有しており、嵌合部が受入部16内に嵌入することにより、コネクタ同士が嵌合接続されるようになっている。
【0009】
プラグ補強金具70は、レセプタクル補強金具30に対応して、ハウジング50を補強する機能のみならず、レセプタクル補強金具30とロックするロック機能、さらには該レセプタクル補強金具30の電源接触腕部44と接触して電気的に導通する電源端子としての機能をも有し得る。プラグ補強金具70は、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル補強金具30に対応して、コネクタ長さ方向でのハウジング10の各端部側に一つずつ設けられている。
【0010】
プラグ補強金具70はまた、レセプタクル補強金具30と同様に金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、ハウジング50の側壁54の外面に沿って延びる外側板部71を含む。外側板部71では、側壁54の外面から板面が露呈しており、その露呈した板面には、該板面の上部が没して形成された段状をなし外側板部71の幅方向(コネクタ長さ方向)に延びる被ロック段部71Aが形成されている。被ロック段部71Aは、レセプタクルコネクタ1との嵌合状態にて、レセプタクル補強金具30のロック凹部41Aとロックし合うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第6530015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に開示されたコネクタにおけるロック機構は、プラグコネクタのプラグ補強金具70とレセプタクルコネクタのレセプタクル補強金具30のそれぞれにおけるコネクタ長さ方向に沿う比較的中心寄りの所定範囲にのみ、更に詳細には、コネクタ長さ方向におけるハウジングの突壁の範囲内にのみ設けられており、コネクタ長さ方向における端部側、及び、コネクタ幅方向には、ロック機構は何ら設けられていない。
【0013】
プラグコネクタとレセプタクルコネクタの嵌合状態を維持するには、嵌合を解除する際に力が最も働き易い、コネクタ長さ方向における各端部側付近におけるロック力を強化することが重要であるが、特許文献1のコネクタでは、コネクタ長さ方向に沿う比較的中心寄りの所定範囲でのみ、被ロック段部71Aとロック凹部41Aが係合するように構成されている。従って、コネクタ長さ方向における各端部付近におけるロック力を強化するのが望ましい。
【0014】
本発明は上記従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、コネクタ長さ方向における各端部付近におけるロック力を強化することができるロック機構を備えたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の1つの実施形態に係るコネクタは、ハウジングと、前記ハウジングに保持された端子及び付加部材とを含むコネクタであって、前記ハウジングは、相手コネクタとの嵌合側に突出した嵌合凸部と、前記相手コネクタとの嵌合側に突出し且つ前記嵌合凸部の外壁を周状に取り囲む、第1方向に延在する一対の第1側壁部及び第2方向に延在する一対の第2側壁部とを含み、前記嵌合凸部の外壁と、一対の前記第1側壁部及び一対の前記第2側壁部の内壁との間に、前記相手コネクタの少なくとも一部を受容する受容部が形成されており;前記第2方向における少なくとも一方の端部側の前記付加部材は、前記第1側壁部に保持された第1ロック部と、一対の前記第2側壁部のそれぞれに保持された一対の第2ロック部とを含み、前記第1ロック部が、前記受容部を形成している前記第1側壁部の内壁の少なくとも一部を構成し、前記第2ロック部が、前記受容部を形成している一対の前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成し、且つ、前記第2側壁部の内壁の少なくとも一部を構成している前記第2ロック部の少なくとも一部が、前記第2方向において、前記嵌合凸部よりも前記一方の端部側に寄った位置に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コネクタ長さ方向における各端部付近におけるロック力を強化することができるロック機構を備えたコネクタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るプラグコネクタとレセプタクルコネクタを、プラグ側からみた斜視図である。
図2図1に示したプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタのそれぞれに含まれるプラグ付加部材及びレセ付加部材のみを示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係るプラグコネクタとレセプタクルコネクタを、側面からみた側面図である。
図4図3に示した切断箇所A-Aで切断したプラグ端子及びレセプタクル端子の断面図である。
図5図3に示した切断箇所B-Bで切断した電源端子及び電源端子が接触する部分の断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るプラグコネクタとレセプタクルコネクタを、レセプタクル側からみた斜視図である。
図7図6に示したプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタのそれぞれに含まれるプラグ付加部材及びレセ付加部材のみを示した図である。
図8】レセプタクルコネクタを示す上面図である。
図9図8に示した切断箇所C-Cで切断したレセプタクルコネクタの断面図である。
図10】プラグコネクタを示す上面図である。
図11図10に示した切断箇所D-Dで切断したプラグコネクタの断面図である。
図12】プラグ付加部材及びレセ付加部材が嵌合した状態を電源端子側からみた図である。
図13】プラグ付加部材及びレセ付加部材が嵌合した状態をプラグ側からみた上面図である。
図14図13に示した切断箇所E-Eで切断したプラグ付加部材及びレセ付加部材の断面図である。
図15図13に示した切断箇所F-Fで切断したプラグ付加部材及びレセ付加部材の断面図である。
図16】変形例に係るレセ付加部材を有するレセプタクルコネクタを基板に設けたパッドとともに示した斜視図である。
図17】変形例に係るレセ付加部材を有するレセプタクルコネクタを基板に設けたパッドとともに示した斜視図である。
図18図16に示されたレセ付加部材とパッドを示した斜視図である。
図19図17に示されたレセ付加部材とパッドを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全ての図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、本発明の一実施形態に係るプラグコネクタ又はレセプタクルコネクタの構成、形状は、嵌合方向(Z軸方向)の中止軸を対称点として点対称の関係にあるから、符号が付された部分、部材、部品等に対して点対称である部分、部材、部品等については、基本的には、同一の符号を付すことを省略する。但し、以下の説明から明らかなように、本構成は、実施形態に例示した点対称の形状に限定されるものではなく、非対称の形状とすることもできる。さらに、それぞれの実施形態は、独立して説明されているが、互いの構成要素を組み合わせて、プラグコネクタ又はレセプタクルコネクタを構成することを排除するものではない。また、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタからなる構成を、コネクタ装置とも呼ぶ。
【0019】
本明細書及び特許請求の範囲においては、2つのコネクタを区別するために、プラグコネクタ及びレセプタクルコネクタと呼び、各々の部材又は部品等を、プラグハウジングとレセプタクルハウジング、プラグ端子とレセプタクル端子、第1プラグロック部と第1レセロック部、第2プラグロック部と第2レセロック部、プラグ平面部とレセ平面部等と呼んでいるが、コネクタの形状で区別せずに呼ぶ場合には、プラグ及びレセプタクル(レセ)との表現を省略して、単にコネクタ、ハウジング、端子、第1ロック部、第2ロック部、平面部等と呼ぶことにする。
【0020】
また、コネクタの形状で区別しない場合には、一方のコネクタと嵌合する他方のコネクタを相手コネクタと呼び、相手コネクタの第1ロック部及び第2ロック部を第1相手ロック部及び第2相手ロック部と呼ぶことにする。
【0021】
図1から図7は、本発明の1つの実施形態に係るプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを示す。図1は、本発明の一実施形態に係るプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタを、プラグ側(Z2側)から見た時のそれぞれのコネクタの外観を示す。図2は、図1に示したプラグコネクタ及びレセプタクルのそれぞれに含まれるプラグ付加部材及びレセ付加部材のみを示す。図3は、本発明の一実施形態に係るプラグコネクタとレセプタクルコネクタを、側面(Y1側)からみた側面図であり、図4は、図3に示した切断箇所A-Aで切断したプラグ端子及びレセプタクル端子の断面を示し、図5は、図3に示した切断箇所B-Bで切断した電源端子及び電源端子が接触する部分の断面を示す。また、図6は、図1とは上下が逆転し、レセプタクルコネクタ側(Z1側)から見た時のそれぞれのコネクタの外観を示す。図7は、図6に示したプラグコネクタ及びレセプタクルのそれぞれに含まれるプラグ付加部材及びレセ付加部材のみを示す。
【0022】
本発明のプラグコネクタ及びレセプタクルは、例えば、携帯電話やスマートフォン、デジタルカメラ、ノートパソコンなどの小型電子機器における内部部品として使用することができる。コネクタの嵌合方向は、図中のZ1―Z2方向(Z軸方向)である。プラグコネクタ200は、Z軸方向のZ1側にある相手コネクタであるレセプタクルコネクタ100と嵌合し、レセプタクルコネクタ100は、Z軸方向のZ2側にある相手コネクタであるプラグコネクタ200と嵌合し、それぞれ電気的に接続される。本発明において、矩形状のコネクタの長手方向はX1―X2方向(X軸方向)であり、長手方向(X軸方向)と直交する短手方向はY1―Y2方向(Y軸方向)である。
【0023】
また、レセプタクルコネクタ100及びレセプタクル端子120における上下について、基板側(基板に取り付けられる側)を「下」又は「裏」とし、プラグコネクタ200及びプラグ端子220を受け入れる側を「上」又は「表」とする。同様に、プラグコネクタ200及びプラグ端子220における上下について、基板側(基板に取り付けられる側)を「下」又は「裏」とし、レセプタクルコネクタ100及びレセプタクル端子120を受け入れる側を「上」又は「表」とする。
【0024】
レセプタクルコネクタ100及びプラグコネクタ200は、プリント配線基板又はフレキシブルフラットケーブル等に半田付けされて実装される。ここでは、プリント配線基板及びフレキシブルフラットケーブル等、コネクタが実装されるものを、単に「基板」と呼ぶ。図1に示されるように、レセプタクルコネクタ100は基板(基板上のパッド300のみを示す)に実装され、図6に示されるように、プラグコネクタ200は基板(基板上のパッド400のみを示す)に実装される。
【0025】
まず、図1及び図2を主に参照して、レセプタクルコネクタ100の構成について説明する。レセプタクルコネクタ100は、レセプタクルハウジング110と、レセプタクル端子120と、相手コネクタであるプラグコネクタ200との嵌合状態を維持するためのレセ付加部材150とを含む。レセプタクル端子120は、リン青銅等の金属からなり、レセプタクルハウジング110の長手方向(X軸方向)に延在した第2側壁部114に埋め込まれて、相手端子であるプラグ端子220と接触する表面を第2側壁部114から露出させてレセプタクルハウジング110に保持される。レセプタクル端子120は、半田付け等により基板(300)に取り付けるための実装部121を端部に備える。レセ付加部材150は、レセプタクル端子120と同様に、リン青銅等の金属からなる。
【0026】
レセプタクルハウジング110は、液晶ポリマー(LCP)等の絶縁性の樹脂からなり、長手方向(X軸方向)における各端部側(α1、α2)において短手方向(Y軸方向)にそれぞれ延在した一対の第1側壁部112、及び、短手方向(Y軸方向)における各端部側(β1、β2)において長手方向(X軸方向)に延在した一対の第2側壁部114を備え、更に、第1側壁部112及び第2側壁部114によって周状に取り囲まれた中央部分に長手方向(X軸方向)に延在した嵌合凸部116を備える。これら第1側壁部112、第2側壁部114、及び嵌合凸部116は全て、プラグコネクタ200との嵌合側(Z軸方向のZ2側)にそれぞれ突出させた状態で設けられており、また、レセプタクルハウジング110は、レセプタクル端子120の可動部127側に、嵌合凸部116と、レセプタクル端子120の固定部125側に第2側壁部114を含む。以上の構成により、レセプタクルハウジング110は、嵌合凸部116の外壁116aと、第1側壁部112及び第2側壁部114のそれぞれの内壁112b、114bとの間に、プラグコネクタ200の少なくとも一部を受容することができる空間としての受容部118を備え、受容部118に受容されたプラグコネクタ200の所定部分を、レセプタクル端子120と接触させることが可能となっている。
【0027】
レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200とが接続した際には、嵌合凸部116は、プラグコネクタ200の嵌合凹部216(図6参照)に収容され、嵌合凹部216の第1側壁部212及び第2側壁部214(図6参照)は、レセプタクルコネクタ100の受容部118に収容される。
【0028】
ここで、図1及び図2に加えて、図4を参照すると、レセプタクル端子120は、実装部121から上方(Z軸方向のZ2側)に折れ曲がった部分を介して脚部122を備える。脚部122は、固定接点124及び固定部125とレセプタクルハウジング110の第2側壁部114を挟んで対向し、脚部122と固定接点124及び固定部125との間は、第2側壁部114の上端に位置する頂部123を介してつながっている。
【0029】
脚部122の周囲は、頂部123に隣接する部分を除いて、すべてレセプタクルハウジング110の樹脂(周壁部113と第2側壁部114の樹脂)に覆われている。すなわち、脚部122は、頂部123に隣接する部分を除いて、第1側壁部112及び第2側壁部114を囲む周壁部113によって、第2側壁部114に埋め込まれて、レセプタクルハウジング110に保持される。脚部122、頂部123、固定接点124及び固定部125の裏面(相手端子に接触する面とは反対側の面)は、第2側壁部114によって支持される。つまり、レセプタクル端子120の脚部122及び固定部125は、それぞれ対向する面を第2側壁部114によって支持される。
【0030】
レセプタクル端子120の固定接点124は、第2側壁部114の表面よりも嵌合凸部116側に突出し、固定接点124の接点側面129が第2側壁部114から露出している。固定接点124は、相手端子であるプラグ端子220との嵌合状態において、外側脚部225に当接し電気的に接続される(図4参照)。固定接点124及び固定部125は、相手端子との嵌合の際に動くことがないように、相手端子と接触する面とは反対側の面を第1側壁部112によって支持されて固定される。
【0031】
図4に示す断面図からも明らかなように、レセプタクル端子120は、レセプタクルハウジング110とのインサート成形(一体成形)により、可動部127側の部分以外は、レセプタクルハウジング110に密着している。また、レセプタクル端子120の脚部122、頂部123、固定接点124及び固定部125で囲まれた空間は、樹脂(ハウジング)が充填されている。
【0032】
レセプタクル端子120は、固定部125と可動部127との間に、それらとつながっている底部126を含む。底部126は、レセプタクルコネクタ100の短手方向(Y軸方向)に延び、直角に折れ曲がった部分を介して固定部125及び可動部127につながっている。底部126の板厚方向は、嵌合方向(Z軸方向)に沿っており、底部126の受容部118側の面(Z2側の面)は、レセプタクルハウジング110の底壁119から露出している。底部126の基板側(相手端子を受け入れる面(Z2側の面)とは反対側(Z1側))の面(つまり、裏面)の一部分は、レセプタクルハウジング110の底壁119の裏面から露出し、露出した部分以外の部分は、第2側壁部114及び嵌合凸部116付近の樹脂によって支持される(図6参照)。そのため、底壁の裏面側から可動部127は視認できない。
【0033】
可動部127は、嵌合凸部116の側壁には触れておらず自由端であり、端部周辺を固定接点124側に突出させて形成された可動接点128を含む。可動部127は、相手端子であるプラグ端子220を受け入れて嵌合する際に、弾性により嵌合凸部116側に押されて変形し、嵌合状態において、可動接点128は、プラグ端子220の内側脚部222に当接し電気的に接続される。
【0034】
レセ付加部材150は、レセプタクル端子120が保持された第2側壁部114の中央部分を間に挟んで、レセプタクルコネクタ100の両側に配置される。つまり、レセ付加部材150は、レセプタクルコネクタ100の長手方向(X軸方向)両側の各端部側(α1、α2)に、それぞれ設けられる。長手方向(X軸方向)両側に設けることにより、長手方向における双方の端部側において、コネクタ長さ方向におけるロック力を強化することができる。但し、必ずしも両側に設ける必要はなく、一方の端部側にのみ設けた場合には、当該一方の端部側において、ロック力を強化することができる。レセ付加部材150は、1つの第1レセロック部154と、一対の第2レセロック部155とを含む。レセプタクルハウジング110は、第1レセロック部154を第1側壁部112で保持し、第2レセロック部155を第2側壁部114で保持する。レセ付加部材150は、第1側壁部112に保持された第1レセロック部154の両側(Y1及びY2側)に、第1レセロック部154とは直交する方向(X軸方向)に延在する第2レセロック部155を備える。すなわち、第1レセロック部154は、短手方向(Y軸方向)において、一対の第2レセロック部155の間に位置する。第1レセロック部154を備える部分と第2レセロック部155を備える部分とは、レセ連結部165を介してつながっている。レセ連結部165は、第1ロック部154及び第2ロック部155を設けた位置よりも、嵌合方向(Z軸方向)においてプラグコネクタ200と嵌合する側(Z2)とは反対の側(Z1)に位置付けられた状態で、レセプタクルハウジング110に埋設されている。レセ連結部165を上記のように位置付けることによって、第1ロック部154及び第2ロック部155におけるロック機能を妨げることなく、それらを連結することができる。
【0035】
ここで、図1及び図2に加えて、図8及び図9も合わせて参照しながら、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタの構成について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタを上方からみた上面図であり、図9図8に示した切断箇所C-Cで切断したレセプタクルコネクタの断面図である。図8は、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、プラグコネクタ200と嵌合する側におけるレセプタクルコネクタの最表面を示しているものと捉えることもできる。この結果、本発明の一実施形態に係るレセプタクルコネクタにおいては、長手方向(X軸方向)における一方の端部側(α1)に設けたレセ付加部材150Aと一方の端部側(α1)とは反対の他方の端部側(α2)に設けたレセ付加部材150Bは、当該最表面(直交面)において、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)のうちの、特に中心軸を対称点として点対称に配置されており、また、一方の端部側(α1)に設けたレセ付加部材150Aと他方の端部側(α2)に設けたレセ付加部材150Bはそれぞれ、当該直交面において、第1ロック部154及び一対の第2ロック部155を含むものということもできる。
【0036】
レセ付加部材150は、半田付け等により基板(300)に取り付けるための第1実装部151A及び第2実装部151Bを備え、更に、これら第1実装部151A及び第2実装部151Bの各々から上方(Z軸方向のZ2側)に折れ曲がった部分を介してレセ脚部152A,152Bを備える。ここで、第1実装部151Aは、第1側壁部112を挟んで第1側壁部112の内壁112bと長手方向(X軸方向)において対向する第1側壁部112の外壁112a側に設けられ、一方、第2実装部151Bは、第2側壁部114を挟んで第2側壁部114の内壁114bと短手方向(Y軸方向)において対向する第2側壁部114の外壁114a側に設けられる。また、第1レセロック部154及びレセ脚部152Aは、第1側壁部112を挟んで対向し、第1レセロック部154とレセ脚部152Aとの間は、第1側壁部112の端部、即ち、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、プラグコネクタ200と嵌合する側におけるレセプタクルコネクタ100の最表面に位置する第1頂部153Aを介してつながっている。同様に、第2レセロック部155及びレセ脚部152Bは、第2側壁部114を挟んで対向し、第2レセロック部155とレセ脚部152Bとの間は、上記最表面に位置する第2頂部153Bを介してつながっている。
【0037】
第1レセロック部154は、レセ脚部152Aを介して実装部151Aとつながっており、実装部151Aを半田付け等により基板(300)に取り付けることで、コネクタ同士の接続の際に、レセ付加部材150に加わる力に耐えることができる。同様に、第2レセロック部155は、レセ脚部152Bを介して実装部151Bとつながっており、実装部151Bを半田付け等により基板(300)に取り付けることで、コネクタ同士の接続の際に、レセ付加部材150に加わる力に耐えることができる。
【0038】
レセ脚部152A,152Bの周囲は、第1頂部153A及び第2頂部153B、更にこれらに隣接する部分を除いて、すべてレセプタクルハウジング110の樹脂に覆われている。すなわち、レセ脚部152A,152Bは、第1頂部153A及び第2頂部153B、更にこれらに隣接する部分を除いて、第1側壁部112及び第2側壁部114を囲む周壁部113によって、第1側壁部112及び第2側壁部114に埋め込まれて、レセプタクルハウジング110に保持される。言い換えれば、第1頂部153A及び第2頂部153B、更にこれらに隣接する部分は、レセプタクルコネクタ110から露出しており、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時に、金属から成るこれらの強固な部分を プラグコネクタ200と衝突させることができ、レセプタクルコネクタコネクタ100の破損を効果的に防止することができる。また、上述したように、これら第1頂部153Aと第2頂部153Bは、共に、最表面に位置付けられていることから、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時に、いずれか一方の頂部にのみプラグコネクタ200が衝突して、過剰な負荷がかかることを効果的に防止することができる。レセ脚部152A、第1頂部153A及び第1レセロック部154の裏面は、第1側壁部112によって支持され、レセ脚部152B、第2頂部153B及び第2レセロック部155の裏面は、第2側壁部114によって支持される。
【0039】
第1レセロック部154、更に詳細には、第1側壁部112の内壁112bの少なくとも一部を構成している第1レセロック部154の少なくとも一部は、第1側壁部112の内壁112bの表面よりも、長手方向(X軸方向)において受容部118の側に突出した曲面となるように構成され、且つ、短手方向(Y軸方向)と直交する断面形状が同じ曲面として短手方向(Y軸方向)に延在している。突出した曲面構造とすることにより、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時に、第1レセロック部154を、より確実に、相手ロック部(234)と係合させることができる。また、曲面として形成された、第1レセロック部154の当該部分は、長手方向(X軸方向)において、受容部118の少なくとも一部を構成している嵌合凸部116の外壁116a、特に、金属製のレセ付加部材150の一部(161)によって形成された面161aと対面し得ることから、これら第1レセロック部154の当該部分とレセ付加部材150の一部(161)とによって挟まれた、受容部118の空間は、対向側を金属部材で形成されることになり、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時における強度を向上させることができる。
【0040】
同様に、第2レセロック部155、更に詳細には、第2側壁部114の内壁114bの少なくとも一部を構成している第2ロック部155の少なくとも一部は、第2側壁部114の内壁114bの表面よりも、短手方向(Y軸方向)において受容部118の側に突出した曲面となるように構成され、且つ、長手方向(X軸方向)と直交する断面形状が同じ曲面として長手方向(X軸方向)に延在している。突出した曲面構造とすることにより、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時に、第2レセロック部155を、より確実に、相手ロック部(235)と係合させることができる。また、曲面として形成された、第2レセロック部155の当該部分は、短手方向(Y軸方向)において、受容部118の少なくとも一部を構成している嵌合凸部116の外壁116a、特に、金属製のレセ付加部材150の一部(161)によって形成された面161bと対面し得ることから、これら第2レセロック部156の当該部分とレセ付加部材150の一部(161)とによって挟まれた、受容部118の空間は、対向側が金属部材で形成されていることになり、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時における強度を向上させることができる。
【0041】
上に説明したように、第2レセロック部155は、第2側壁部114によって保持されるが、この場合であっても、第2レセロック部155の少なくとも一部(図1の「m」及び「n」で示す範囲)は、長手方向(X軸方向)に沿って第2側壁部114の内壁114bにおいて露出し、内壁114bの少なくとも一部を構成する。ここで、「m」及び「n」で示した範囲に含まれる第2レセロック部155の部分のうちの、少なくとも一部「m」は、長手方向(X軸方向)において、嵌合凸部116よりも一方の端部側(α1)に寄った位置に設けられている。このような構成とすることにより、嵌合凸部116よりも一方の端部側(α1)に寄った位置においても、ロック機能を有効とすることができ、コネクタ長さ方向における端部付近におけるロック力を強化することができる。ここで、当該少なくとも一部「m」は、「n」で示すように、長手方向(X軸方向)において、嵌合凸部116を超えて一方の端部側(α1)とは反対の他方の端部側(α2)に延びているのが好ましい。これにより、ロック可能な範囲を広げて、ロック機構を更に強化する可能性を高めることができる。同じように、「n」で示す範囲は、長手方向(X軸方向)において、電源端子160の可動部163の接点164まで延びているのが好ましい。このような構成としても、第2レセロック部155を電源端子として使用する場合には、コネクタの機能に影響を与えることはない。
【0042】
第1レセロック部154についても、上と同様の構成を採用することができる。第1レセロック部154は、第1側壁部112によって保持されるが、この場合であっても、第1レセロック部154の少なくとも一部(図8の「s」及び「t」で示す範囲)は、短手方向(Y軸方向)に沿って第1側壁部112の内壁112bにおいて露出し、内壁112bの少なくとも一部を構成する。ここで、「s」及び「t」で示した範囲に含まれる第1レセロック部154の部分のうちの、少なくとも一部「t」は、短手方向(Y軸方向)において、嵌合凸部116の中央領域116aから、嵌合凸部116を超えて一対の第2側壁部114の、例えばそれぞれの側(β1、β2)に延ばす。このような構成とすることにより、嵌合凸部116よりも第2側壁部114のそれぞれの側(β1、β2)に寄った位置においても、ロック機能を有効とすることができ、コネクタ長さ方向における端部付近におけるロック力を強化することができる。
【0043】
第1レセロック部154及び第2レセロック部155は、それぞれ第1側壁部112及び第2側壁部114からレセロック側面159A,159Bを露出する。レセ付加部材150は、第1レセロック部154及び第2レセロック部155が設けられた位置よりもレセプタクルハウジング110の底側(Z1側)、言い換えれば、相手コネクタであるプラグコネクタ200と嵌合する側(Z2側)とは反対の側(Z1側)に、第1レセロック部154及び第2レセロック部155よりも第1側壁部112及び第2側壁部114側に位置するレセ平面部156A,156Bをそれぞれ備える。
【0044】
レセ付加部材150は、第1レセロック部154に対向してT字部158を含み、T字部158は、底部157、レセ平面部156Aを介して第1レセロック部154とつながっている。T字部158は、嵌合方向(Z軸方向)に延在するレセ固定部161によって、嵌合凸部116の長手方向(X軸方向)の端部分の側壁を覆うように保持され、レセ付加部材150をレセプタクルハウジング110に固定することができる。
【0045】
T字部158には、第1頂部153A及び第2頂部153Bと同様の機能及び構成を有する第3頂部153Cが設けられている。第3頂部153Cは、第1頂部153A及び第2頂部153Bと同様に嵌合凸部116から露出した状態で、且つ、第1頂部153A及び第2頂部153Bと同じ面内、即ち、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、プラグコネクタ200と嵌合する側におけるレセプタクルコネクタ100の最表面に設けられている。この結果、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時には、これら最表面に位置付けられた第1頂部153A、第2頂部153B、及び第3頂部153Cのいずれかの頂部にのみプラグコネクタ200が衝突して一か所に過剰な負荷がかかってしまうような事態を効果的に防止することができる。但し、このような過剰な負荷がかかった場合でも、これらの頂部153A乃至153Cは全て金属製であることから、レセプタクルコネクタ100の破損を効果的に防止することができる。
【0046】
第3頂部153Cは、長手方向(X軸方向)において、底部157及びレセ固定部161(161a)等を通じて第1ロック部154と連結された状態で、また、長手方向(X軸方向)における嵌合凸部116の一方の端部側(α1側又はα2側)に位置付けられているのが好ましい。更に、短手方向(Y軸方向)において、嵌合凸部116の全体に亘って設けられているのが好ましい。このような構成とすることにより、破損の危険が高い嵌合凸部116の端部側を、強固な金属で効果的に保護することができる。
【0047】
第3頂部153Cは、また、短手方向(Y軸方向)において、嵌合凸部116の全体に亘って設けられているのが好ましい。また、短手方向(Y軸方向)における少なくとも一方の端部側(β1又はβ2)から、プラグコネクタ200と嵌合する方向(Z2)とは反対の方向(Z1)に向って嵌合方向(Z軸方向)に沿って延長された延長部を有し、該延長部が、嵌合凸部116の外壁116aの少なくとも一部の面161bを構成するのが好ましい。このような構成とすることにより、頂上側だけでなく、嵌合凸部116の外壁116aをも、強固な金属で保護することができる。
【0048】
T字部158と連結された、レセ付加部材150の底部157、レセ平面部156A、及びレセ固定部161は、レセプタクルハウジング110から露出した状態で受容部118に面している。また、レセ付加部材150は、レセプタクル端子120に隣接する側(X1側のレセ付加部材150のX2側、X2側のレセ付加部材150のX1側)に、電源端子160を備える。電源端子160は、数アンペア程度の電力を供給するための端子である。レセ付加部材150の電源端子160は、レセプタクル端子120の両側(X1側及びX2側)に等間隔に配列される。
【0049】
ここで、図1及び図2に加えて、図5を参照すると、レセ付加部材150のレセ脚部152Bは、第2レセロック部155及びレセ平面部156Bとレセプタクルハウジング110の第2側壁部114を挟んで対向し、レセ脚部152Bと第2レセロック部155及びレセ平面部156Bとの間は、第2側壁部114の上端に位置する第2頂部153Bを介してつながっている。
【0050】
レセ脚部152Bの周囲は、第2頂部153Bに隣接する部分を除いて、すべてレセプタクルハウジング110の樹脂(周壁部113と第2側壁部114の樹脂)に覆われている。すなわち、レセ脚部152Bは、第2頂部153Bに隣接する部分を除いて、第1側壁部112及び第2側壁部114を囲む周壁部113によって、第2側壁部114に埋め込まれて、レセプタクルハウジング110に保持される。レセ脚部152B、第2頂部153B、第2レセロック部155及びレセ平面部156Bの裏面(第2プラグロック部235に接触する面とは反対側の面)は、第2側壁部114によって支持される。つまり、レセ付加部材150の第2レセロック部155側のレセ脚部152B及びレセ平面部156Bは、それぞれ対向する面を第2側壁部114によって支持される。
【0051】
電源端子160は、レセ平面部156Bから嵌合凸部116に向けて延出し、レセ平面部156Bと可動部163との間に、それらとつながっている底部162を含む。底部162は、レセプタクルコネクタ100の短手方向(Y軸方向)に延び、直角に折れ曲がった部分を介してレセ平面部156B及び可動部163につながっている。底部162の基板側(相手端子を受け入れる面(Z2側の面)とは反対側(Z1側))の面(つまり、裏面)の一部分は、レセプタクルハウジング110の裏面から露出し、露出した部分以外の部分は、第2側壁部114及び嵌合凸部116付近の樹脂によって支持される(図5及び6参照)。
【0052】
図5に示す断面図からも明らかなように、レセ付加部材150は、レセプタクルハウジング110とのインサート成形(一体成形)により、電源端子160の可動部163側の部分以外は、レセプタクルハウジング110に密着している。また、レセ付加部材150のレセ脚部152B、第2頂部153B、第2レセロック部155及びレセ平面部156Bで囲まれた空間は、樹脂(ハウジング)が充填されている。
【0053】
可動部163は、嵌合凸部116の側壁には触れておらず自由端であり、端部周辺を第2レセロック部155側に突出させて形成された可動接点164を含む。可動部163は、相手付加部材であるプラグ付加部材230を受け入れて嵌合する際に、弾性により嵌合凸部116側に押されて変形し、嵌合状態において、可動接点164は、プラグ付加部材230のプラグ脚部232に当接し電気的に接続される。
【0054】
次に、図6及び図7を主に参照して、プラグコネクタ200の構成について説明する。プラグコネクタ200は、プラグハウジング210と、プラグ端子220端子と、相手コネクタであるレセプタクルコネクタ100との嵌合状態を維持するためのプラグ付加部材230とを含む。プラグ端子220は、リン青銅等の金属からなり、プラグハウジング210の長手方向(X軸方向)に延在した第2側壁部214に埋め込まれて、レセプタクル端子120と接触する表面を第2側壁部214から露出させて、プラグハウジング210に保持される。プラグ端子220は、半田付け等により基板(400)に基板に取り付けるための実装部221を端部に備える。プラグ付加部材230は、プラグ端子220と同様に、リン青銅等の金属からなる。
【0055】
プラグハウジング210は、液晶ポリマー(LCP)等の絶縁性の樹脂からなり、レセプタクルコネクタ100との嵌合側(Z軸方向のZ1側)にそれぞれ突出するとともに長手方向(X軸方向)における各端部側(α1、α2)において短手方向(Y軸方向)に延在した第1側壁部212、及び、レセプタクルコネクタ100との嵌合側(Z軸方向のZ1側)にそれぞれ突出するとともに短手方向(Y軸方向)における各端部側(β1、β2)において長手方向(X軸方向)に延在した一対の第2側壁部214を備え、更に、第1側壁部212の内壁212b及び第2側壁部214の内壁214bによって周状に取り囲まれた中央部分に、レセプタクルコネクタ100の一部である嵌合凸部116を収容するための空間として嵌合凹部216を備える。
【0056】
プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ100とが嵌合接続した際には、嵌合凹部216は、レセプタクルコネクタ100の嵌合凸部116を収容し、同時に、嵌合凹部216の第1側壁部212及び第2側壁部214は、それら第1側壁部212及び第2側壁部214それぞれの外壁212a及び214aを周状に取り囲まれた状態でレセプタクルコネクタ100の受容部118に収容される。
【0057】
ここで、図6及び図7に加えて、図4を参照すると、プラグ端子220は、基板側(Z2側)の端部に実装部221を備え、実装部221から上方(Z1側)に直角に折れ曲がった部分を介して内側脚部222を備える。内側脚部222は、外側脚部225とプラグハウジング210の第2側壁部214を挟んで対向し、内側脚部222と外側脚部225との間は、第2側壁部214の端部、即ち、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、レセプタクルコネクタ100と嵌合する側におけるプラグコネクタ200の最表面に位置する頂部223を介してつながっている。内側脚部222、頂部223、突出部224、外側脚部225の裏面(相手端子に接触する面とは反対側の面)は、第2側壁部214によって支持される。
【0058】
突出部224は、頂部223に隣接した外側脚部225の部分を外側に突出させて形成される。突出部224の接点側面226は、第2側壁部214から露出している。相手端子であるレセプタクル端子120との嵌合状態において、突出部224は、第2レセロック部155に係合して嵌合した状態(ロックした状態)を維持することができる。内側脚部222、頂部223、突出部224及び外側脚部225は、相手端子との嵌合の際に動くことがないように第2側壁部214によって固定される。
【0059】
図4に示す断面図からも明らかなように、プラグ端子220は、プラグハウジング210とのインサート成形(一体成形)により、プラグハウジング210に密着している。また、プラグ端子220の内側脚部222、頂部223、突出部224及び外側脚部225で囲まれた空間は、樹脂(ハウジング)が充填されている。
【0060】
プラグ付加部材230は、プラグ端子220が保持された第2側壁部214の中央部分を間に挟んで、プラグコネクタ200の両側に配置される。つまり、プラグ付加部材230は、プラグコネクタ200の長手方向(X軸方向)両側の各端部側(α1、α2)に、それぞれ設けられる。長手方向(X軸方向)両側に設けることにより、長手方向における双方の端部側において、コネクタ長さ方向におけるロック力を強化することができる。但し、必ずしも両側に設ける必要はなく、一方の端部側にのみ設けた場合には、当該一方の端部側において、ロック力を強化することができる。プラグ付加部材230は、2つの第1プラグロック部234と、一対の第2プラグロック部235とを含む。プラグハウジング210は、第1プラグロック部234を第1側壁部212で保持し、第2プラグロック部235を第2側壁部214で保持する。プラグ付加部材230は、第1側壁部212に保持された第1プラグロック部234の両側(Y1及びY2側)に、第1プラグロック部234とは直交する方向(X軸方向)に延在する第2プラグロック部235を備える。すなわち、2つの第1プラグロック部234は、短手方向(Y軸方向)において、一対の第2レセロック部155の間に位置する。第1プラグロック部234を備える部分と第2プラグロック部235を備える部分とは、プラグ連結部238を介してつながっている。プラグ連結部238は、プラグハウジング210から露出されている。
【0061】
図5を参照すると、プラグ付加部材230は、半田付け等により基板(400)に取り付けるための実装部231を備えており、実装部231から上方(Z軸方向のZ1側)に折れ曲がった部分を介してプラグ脚部232を備える。第2プラグロック部235及びプラグ脚部232は、第2側壁部214を挟んで対向し、第2プラグロック部235とプラグ脚部232との間は、第2側壁部214の端部、即ち、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、レセプタクルコネクタ100と嵌合する側におけるプラグコネクタ200の最表面に位置する頂部233Bを介してつながっている。
【0062】
図5に示す断面図からも明らかなように、プラグ付加部材230は、プラグハウジング210とのインサート成形(一体成形)により、プラグハウジング210に密着している。また、プラグ付加部材230のプラグ脚部232、頂部233B、第2プラグロック部235及びプラグ平面部236Bで囲まれた空間は、樹脂(ハウジング)が充填されている。
【0063】
プラグ脚部232は、第2側壁部214から露出している。プラグ脚部232と実装部231との間の部分は、プラグハウジング210の樹脂に覆われて、プラグハウジング210に保持される。第1プラグロック部234及び頂部233Aの裏面は、第1側壁部212によって支持され、第2プラグロック部235、頂部233A及びプラグ脚部232の裏面は、第2側壁部214によって支持される。頂部233Aは、第1側壁部212の端部、即ち、頂部223Bと同様に、嵌合方向(Z軸方向)に沿って延びる軸(Z軸)と直交する直交面のうち、レセプタクルコネクタ100と嵌合する側におけるプラグコネクタ200の最表面に位置する。頂部を設けることによる効果は、レセプタクルコネクタの説明で述べたとおりである。
【0064】
ここで、図6及び図7に加えて、図10及び図11も合わせて参照しながら、本発明の一実施形態に係るプラグコネクタの構成について説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るプラグコネクタを上方からみた上面図であり、図11図10に示した切断箇所D-Dで切断したプラグコネクタの断面図である。プラグ付加部材230のプラグ脚部232は、プラグ端子220のプラグ脚部232の両側(X1側及びX2側)を等間隔に間をあけて第2側壁部214に保持される。
【0065】
第1プラグロック部234は、第1側壁部212の表面から突出した曲面となるように構成され、短手方向(Y軸方向)と直交する断面形状が同じ曲面として短手方向(Y軸方向)に延在している。第2プラグロック部235は、第2側壁部214の表面から突出した曲面となるように構成され、長手方向(X軸方向)と直交する断面形状が同じ曲面として長手方向(X軸方向)に延在している。第1プラグロック部234及び第2プラグロック部235は、それぞれ第1側壁部212及び第2側壁部214からプラグロック側面237を露出する。プラグ付加部材230は、第1プラグロック部234及び第2プラグロック部235が設けられた位置よりもプラグハウジング210の底側(Z1側)に、プラグ平面部236A,236Bをそれぞれ備える。
【0066】
第1プラグロック部234は、短手方向(Y軸方向)に延在する第1側壁部212に対して直交する方向(X軸方向)で分割されている。分割された第1プラグロック部234及びプラグ平面部236Aの端部には、半田付け等により基板(400)に取り付けるための実装部は設けられていない。つまり、分割された第1プラグロック部234及びプラグ平面部236Aの端部は自由端である。一方で、レセ付加部材150の第1レセロック部154及び第2レセロック部155のそれぞれのレセ平面部156A,156Bが実装部151A,151Bにより基板(300)に固定される。
【0067】
このように、第1レセロック部154及び第2レセロック部155がレセプタクルハウジング110に強固に固定されることによりレセ付加部材150が基準となり、プラグ付加部材230との干渉量等を調整することで、プラグコネクタ200とレセプタクルコネクタ100とが接続する際及び接続中にかかる力(ここでは、「ロック力」という)を微調整することが可能となる。つまり、2つに分割した第1プラグロック部234及びプラグ平面部236Aを基板(400)に固定しないように構成したことで、コネクタ同士の嵌合時に、2つに分割した第1プラグロック部234と共に当該第1プラグロック部234を保持する第1側壁部212を変形し易くして、第1プラグロック部234に係る力を逃がして、ロック力を調整することができる。
【0068】
また、レセ付加部材150の第1レセロック部154及び第2レセロック部155と、プラグ付加部材230の第1プラグロック部234及び第2プラグロック部235とを、それぞれ第1側壁部112、212の表面及び第2側壁部114、214の表面よりも突出した曲面となるように構成したことで、製造工程において金属部材(レセ付加部材150やプラグ付加部材230)を加工して凸部や凹部を設ける工程を省いて製造コストを抑えることができる。さらに、レセ付加部材150の第1レセロック部154及び第2レセロック部155と、プラグ付加部材230の第1プラグロック部234及び第2プラグロック部235とは、それぞれ側壁部によって支持された曲面なのでコネクタの脱着の際にかかる力が一点に集中することを防ぎ、変形や摩耗に強い構造である。
【0069】
なお、プラグ付加部材230の第1プラグロック部234を2つに分割した構成は、レセ付加部材150の第1レセロック部154にも適用することができ、レセ付加部材150の第1レセロック部154を、2つに分割し、第1レセロック部154に第1頂部153Aを介してつながっているレセ脚部152Aの端部を基板(300)に固定しないように構成することもできる。
【0070】
図12は、プラグ付加部材及びレセ付加部材が嵌合した状態を電源端子側からみた図である。電源端子160は、第2レセロック部155の下方(Z1側)に垂直に延在するレセ平面部156Bから短手方向(Y軸方向)に延びる底部162から上方(Z2側)に折れ曲がった部分である可動部163を備える。可動部163は、レセプタクルハウジング110の樹脂などにより固定されていない自由端であり、可動部163の端部には可動接点164を含む。可動部163は、プラグ付加部材230の内側脚部222を、第2レセロック部155との間に受け入れる際に、弾性により嵌合凸部116側に押されて変形し、受け入れた状態において、可動接点164は、プラグ付加部材230の内側脚部222の表面に当接し電気的に接続される。
【0071】
図13は、プラグ付加部材及びレセ付加部材が嵌合した状態をプラグ側からみた上面図であり、図14図13に示した切断箇所E-Eで切断したプラグ付加部材及びレセ付加部材の断面図である。また、図15図13に示した切断箇所F-Fで切断したプラグ付加部材及びレセ付加部材の断面図である。
【0072】
図14は、第1レセロック部154と第1プラグロック部234との係合の様子を示す。レセプタクルコネクタ100と相手コネクタであるプラグコネクタ200との接続時に、第1レセロック部154は、第1相手ロック部である第1プラグロック部234と係合し、第1レセロック部154のレセ平面部156Aは第1プラグロック部234を受け入れるように構成される。同様に、プラグコネクタ200と相手コネクタであるレセプタクルコネクタ100との接続時に、第1プラグロック部234は、第1相手ロック部である第1レセロック部154と係合し、第1プラグロック部234のプラグ平面部236Aは第1レセロック部154を受け入れるように構成される。このように、レセ平面部156Aと第1プラグロック部234の曲面とが対応して長手方向(X軸方向)において対面し、プラグ平面部236Aと第1レセロック部154の曲面とが対応して長手方向(X軸方向)において対面している。
【0073】
このような構成により、第1レセロック部154と第1プラグロック部234とが係合し、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200との嵌合状態を維持することができる。上述したとおり、第1プラグロック部234及びプラグ平面部236Aを基板(300)に固定していないので、コネクタ同士の嵌合時に、第1プラグロック部234と共に当該第1プラグロック部234を保持する第1側壁部212を変形し易くして、第1プラグロック部234に係る力を逃がして、ロック力を調整することが可能である。
【0074】
図15は、第2レセロック部155と第2プラグロック部235との係合の様子を示す。レセプタクルコネクタ100と相手コネクタであるプラグコネクタ200との接続時に、第2レセロック部155は、第2相手ロック部である第2プラグロック部235と係合し、第2レセロック部155のレセ平面部156Bは第2プラグロック部235を受け入れるように構成される。同様に、プラグコネクタ200と相手コネクタであるレセプタクルコネクタ100との接続時に、第2プラグロック部235は、第2相手ロック部である第2レセロック部155と係合し、第2プラグロック部235のプラグ平面部236Bは第2レセロック部155を受け入れるように構成される。このように、レセ平面部156Bと第2プラグロック部235の曲面とが対応して短手方向(Y軸方向)において対面し、プラグ平面部236Bと第2レセロック部155の曲面とが対応して短手方向(Y軸方向)において対面している。
【0075】
このような構成により、第2レセロック部155と第2プラグロック部235とが係合し、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200との嵌合状態を維持することができる。また、レセ付加部材150のT字部158から嵌合方向の下方(Z軸方向のZ1側)に延びるレセ固定部161は、コネクタ同士の嵌合時に、プラグ付加部材230のプラグ脚部232と向い合せになる。
【0076】
上に説明したように、第1プラグロック部234は、第1側壁部212によって保持されるが、この場合であっても、第1プラグロック部234の少なくとも一部は、短手方向(Y軸方向)に沿って第1側壁部212の外壁212aにおいて露出し、レセプタクルコネクタ200の一部が嵌合凹部216に嵌合されたときにレセプタクルコネクタ200の受容部118に受容される第1側壁部212の外壁212aの少なくとも一部を構成する。
【0077】
また、第2プラグロック部235は、第1側壁部212によって保持されるが、この場合であっても、第2プラグロック部235の少なくとも一部(図10「v」及び「w」で示す範囲)は、長手方向(X軸方向)に沿って第1側壁部212の外壁212aにおいて露出し、レセプタクルコネクタ200の一部が嵌合凹部216に嵌合されたときにレセプタクルコネクタ200の受容部118に受容される第2側壁部214の外壁214aの少なくとも一部を構成する。ここで、「v」及び「w」で示した範囲に含まれる第2プラグロック部235の部分のうちの、少なくとも一部「w」は、長手方向(X軸方向)において、嵌合凹部216よりも一方の端部側(α1)に寄った位置に設けられている。このような構成とすることにより、嵌合凹部216よりも一方の端部側(α1)に寄った位置においても、ロック機能を有効とすることができ、コネクタ長さ方向における端部付近におけるロック力を強化することができる。
【0078】
図16乃至図19を参照して、レセ付加部材150の変形例を説明する。図16図17は、変形例に係るレセ付加部材150-1を有するレセプタクルコネクタ100-1を、基板に設けたパッド300B-1、300B-2とともに示した斜視図であって、図16は、プラグコネクタとの嵌合側からみた斜視図、図17は、プラグコネクタとの嵌合側とは反対側からみた斜視図である。また、図18図19は、それぞれ、図16図17に示されたレセ付加部材150-1とパッド400を、図16図17と同様の方法で示した斜視図である。これらの図において、図1等と同様の部材には、図1等に示した実施形態と同じ参照番号を付している。
【0079】
変形例に係るレセ付加部材150-1の第2実装部は、図1等に示したレセ付加部材150のそれと異なり、コネクタの長手方向(X軸方向)と交差する方向において、一部を切り欠いて分割された長手方向に沿う複数部分、ここでは、第2実装部分151B-1、151B-2を含む。これに対応して、基板のパッドも、長手方向と交差する方向において分割された長手方向に沿う複数部分、即ち、パッド部分300B-1、300B-2を含む。第2実装部分151B-1、151B-2は、それぞれ、パッド部分300B-1、300B-2に半田付けされ得る。このように、第2実装部を分割することにより、また、これに対応して、基板のパッドを分割することにより、第2実装部をパッドに半田付けするために必要とされる半田の量を減らして、コストの削減を図ることができる。また、このような分割構成は、第2実装部の撓みを防止するといった効果も発揮する。更に、例えば、第2実装部に付与した半田の量が多すぎた場合には、半田の一部が、第2実装部の内側に押し出され、この結果、電源端子160の底部126を伝って、可動部127に至り、可動接点128における電気的な接続に悪影響を及ぼすといった問題が生じ得るが、本構成によれば、分割によって形成された、第2実装部151B-1と第2実装部151B-2の間の間隙151B-3に余分な半田が入り込み、半田の一部を逃がすことができるため、このような問題が生じる可能性を減らすことができる。
【0080】
変形例に係るレセ付加部材150-1の第1実装部についても、第2実装部と同様の分割構成を有することができる。この点は、図1等に示した実施形態にも示されている。即ち、レセ付加部材150-1の第1実装部は、コネクタの短手方向(Y軸方向)と交差する方向において一部を切り欠いて分割された短手方向に沿う複数部分、即ち、第1実装部分151A-1、151A-2を含んでもよく、また、これに対応して、基板のパッドも、短手方向と交差する方向において分割された短手方向に沿う複数部分、即ち、パッド部分300A-1、300A-2を含んでもよい。この短手方向においては、上に説明した端子における半田上がりの問題は生じないが、長手方向と同様に、半田の量を減らす等の効果を得ることができる。
【0081】
以上のとおり、本発明は、本発明の個々の実施形態は、独立したものではなく、それぞれ組み合わせて適宜実施することができる。
また、本実施形態は本発明の範囲を超えない範囲で、種々に変形することができる。例えば、本実施形態では、付加部材を、長手方向における双方の端部側に設けているが、必ずしも双方の端部側に設ける必要はなく、いずれか一方の端部側に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係るコネクタは、電気信号の高速伝送を行うスマートフォン、携帯電話等の電子機器において、基板間をフラットケーブルで接続する等の用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
100 レセプタクルコネクタ
110 レセプタクルハウジング
112 第1側壁部
113 周壁部
114 第2側壁部
116 嵌合凸部
118 受容部
119 底壁
120 レセプタクル端子
121 実装部
122 脚部
123 頂部
124 固定接点
125 固定部
126 底部
127 可動部
128 可動接点
129 接点側面
150 レセ付加部材
151A,151B 実装部
152A,152B レセ脚部
153A 第1頂部
153B 第2頂部
153C 第3頂部
154 第1レセロック部
155 第2レセロック部
156A,156B レセ平面部
157 底部
158 T字部
159A,159B レセロック側面
160 電源端子
161 レセ固定部
162 底部
163 可動部
164 可動接点
165 レセ連結部
200 プラグコネクタ
210 プラグハウジング
212 第1側壁部
214 第2側壁部
216 嵌合凹部
220 プラグ端子
221 実装部
222 内側脚部
223 頂部
224 突出部
225 外側脚部
226 接点側面
230 プラグ付加部材
231 実装部
232 プラグ脚部
233A,233B 頂部
234 第1プラグロック部
235 第2プラグロック部
236A,236B プラグ平面部
237A,237B プラグロック側面
238 プラグ連結部
300 基板
400 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19