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特開2022-28633重要業績評価指標の階層的計算のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028633
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】重要業績評価指標の階層的計算のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20220208BHJP
【FI】
H04W24/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126151
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】202021032646
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】520433964
【氏名又は名称】ジオ プラットフォームズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アジェイ クマール グプタ
(72)【発明者】
【氏名】ブイ.ラジェシュワリー
(72)【発明者】
【氏名】アーユシュ バトナーガル
(72)【発明者】
【氏名】ニテーシュ ソナルカル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、タイムスライスに対して各ノードに関連付けられたカウンタを受信することと、関連付けられたカウンタに基づいて各ノードのメトリックを各タイムスライスで定義することと、メトリックの局所的に集約された値及び時間的に集約された値を計算することと、各メトリックの時間的に集約された値をコントロールセンター階層(CCH)にマッピングすること、CCHに対応するKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリック毎に階層的に集約された値を、各メトリックの全ての時間集計値の集計に基づいて計算することと、少なくとも階層的に集約された値及びKPI式に基づいて前記CCHに対応するKPIをKPIスケジューラ装置によって計算することと、を包含する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するための方法であって、
トランシーバ装置[202]によって、通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから前記少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセットを受信することであって、前記一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、前記各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタを備えることと、
処理装置[204]によって、前記各タイムスライスで前記各ノードに関連付けられた前記一つ以上のカウンタに基づく前記各ノードの一つ以上のメトリックを、前記少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義することと、
局所スケジューラ装置[206]によって、前記各タイムスライスに対して、前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算することと、
メトリックスケジューラ装置[208]によって、前記目標時間間隔に対して、前記目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対して定義された局所的一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算することと、
前記処理装置[204]によって、前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックからの各メトリックの時間的に集約された値を、前記各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングすることと、
前記処理装置[204]によって、少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリックごとに階層的に集約された値を、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る前記目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間集計値の集計に基づいて計算することと、
KPIスケジューラ装置[210]によって、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層のための一つ以上のKPIを、少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式及び前記メトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの階層的に集約された値に基づいて計算することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックからの前記各メトリックは、前記各ノードから受信した前記一つ以上のカウンタにマッピングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一つ以上のメトリックからの各メトリックは、対応する局所集約式及び対応する時間集約式に関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値は、対応する局所集約式に従って、前記一つ以上のメトリックからの前記各メトリックのマッピングされた前記一つ以上のカウンタの集約に基づいて計算される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの時間的に集約された値は、対応する時間集計式に更に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記処理装置[204]によって、前記目標時間間隔に対して、前記一つ以上のコントロールセンター階層に対応する前記一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の少なくとも一つのKPI式を定義することであって、前記一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた各KPI式は、少なくとも、前記一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた一つ以上のメトリックを備えることと、
前記処理装置[204]によって、前記一つ以上のコントロールセンター階層に対応する前記一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された前記少なくとも一つのKPI式に基づいて、前記メトリックのリストに存在する前記各メトリックに対応する階層的集約式を決定することと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記処理装置[204]によって、前記コントロールセンター階層に存在する全ての目標時間間隔におけるメトリックの前記目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の階層的に集約された値を計算することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントロールセンター階層に存在する全ての目標時間間隔におけるメトリックの前記目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約は、前記コントロールセンター階層に対応する前記一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられた前記メトリックの目標リストに存在する前記各メトリックに対応する階層的集約式に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するためのシステムであって、
通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから前記少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセットを受信するように構成されたトランシーバ装置[202]であって、前記一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、前記各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタを備える、トランシーバ装置[202]と、
前記各タイムスライスで前記各ノードに関連付けられた前記一つ以上のカウンタに基づく前記各ノードの一つ以上のメトリックを、前記少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義するように構成された処理装置[204]と、
前記各タイムスライスに対して、前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算するように構成された局所スケジューラ装置[206]と、
前記目標時間間隔に対して、前記目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対して定義された局所的一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算するように構成されたメトリックスケジューラ装置[208]であって、前記処理装置[204]は、
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックからの各メトリックの時間的に集約された値を、前記各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングし、かつ、
少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリックごとに階層的に集約された値を、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る前記目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間集計値の集計に基づいて計算するように更に構成された、メトリックスケジューラ装置[208]と、
前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層のための一つ以上のKPIを、少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式及び前記メトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの階層的に集約された値に基づいて計算するように構成されたKPIスケジューラ装置[210]と、
を備えるシステム。
【請求項10】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックからの前記各メトリックは、前記各ノードから受信した前記一つ以上のカウンタにマッピングされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記一つ以上のメトリックからの各メトリックは、対応する局所集約式及び対応する時間集約式に関連付けられている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの局所的に集約された値は、対応する局所集約式に従って、前記一つ以上のメトリックからの前記各メトリックのマッピングされた前記一つ以上のカウンタの集約に基づいて計算される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記各ノードに対して定義された前記一つ以上のメトリックの時間的に集約された値は、対応する時間集計式に更に基づく、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理装置[204]は、
前記目標時間間隔に対して、前記一つ以上のコントロールセンター階層に対応する前記一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の少なくとも一つのKPI式を定義することであって、前記一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた各KPI式は、少なくとも、前記一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた一つ以上のメトリックを備え、かつ、
前記一つ以上のコントロールセンター階層に対応する前記一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された前記少なくとも一つのKPI式に基づいて、前記メトリックのリストに存在する前記各メトリックに対応する階層的集約式を決定するように更に構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理装置[204]は、前記コントロールセンター階層に存在する全ての目標時間間隔におけるメトリックの前記目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の階層的に集約された値を計算するように更に構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントロールセンター階層に存在する全ての目標時間間隔におけるメトリックの前記目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約は、前記コントロールセンター階層に対応する前記一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられた前記メトリックの目標リストに存在する前記各メトリックに対応する階層的集約式に従う、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、重要業績評価指標の計算に関し、更に具体的には、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する通信ネットワークのコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の関連技術の説明は、本開示の分野に関する背景情報を提供することを意図している。このセクションは、本開示の様々な特徴に関連し得る当技術分野の特定の態様を含み得る。しかしながら、このセクションは、先行技術の承認としてではなく、本開示に関して読者の理解を高めるためにのみ使用されることを理解されたい。
【0003】
現在、音声、ビデオ、データ、コンテンツ、広告、メッセージング、ブロードキャスト等の様々な通信サービスを提供するために広く展開されているワイヤレスネットワークは、通常、複数のアクセスネットワークで構成され、利用可能なネットワークリソースを共有することで複数のユーザの通信をサポートする。このようなネットワークの一例は、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の代替となることを目的とした無線アクセスネットワーク標準であるEvolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA)3GPPリリース5以降で指定されている高速ダウンリンクパケットアクセス/高速アップリンクパケットアクセス(HSDPA/HSUPA)技術である。HSPAとは異なり、Long Term Evolution(LTE)のE-UTRAは、W-CDMAとは無関係で互換性のない全く新しいエアインターフェイスシステムである。それは、更に高いデータレート及び更に低い遅延を提供し、パケットデータ用に最適化されている。初期のUMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)は、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)の一部として定義されている無線アクセスネットワーク(RAN)及び第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)がサポートする第3世代(3G)携帯電話技術である。グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))技術の後継であるUMTSは、現在、広帯域-符号分割多元接続(W-CDMA)、時分割-符号分割多元接続(TD-CDMA)及び時分割-同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)のような様々なエアインターフェイス規格をサポートする。UMTSは、関連するUMTSネットワークにより高いデータ転送速度及び容量を提供する高速パケットアクセス(HSPA)のような拡張された3Gデータ通信プロトコルもサポートする。さらに、モバイルデータ及び音声アクセスの需要が増加し続けるのに従って、研究開発は、アクセスの需要の増加に対応するだけでなくユーザデバイスのユーザエクスペリエンスを向上及び強化するために技術を進歩させ続ける。GSM(登録商標)/EDGE、UMTS/HSPA、CDMA2000/EV-DO及びTD-SCDMA無線インターフェイスを3GPPリリース8及びe-UTRAで開始して進化した技術の一部は、データ速度及びスペクトル効率を向上させるとともに更に多くの機能を提供できるようにするための単一の進化パスを提供するように設計される。
【0004】
また、3GPPは、リリース13で狭帯域モノのインターネットIoT(NB-IoT)技術を導入した。低価格のIoTアプリケーションは、この技術で満たすことができる。NB-IoTの標準化を完了するとともにIoT市場に対応するのに努力を要した。NB-IoT技術は、認可された帯域で実装されている。LTEの許可された帯域は、この技術を活用するために使用される。この技術は、180KHzの最小システム帯域幅を利用する、すなわち、この技術には、一つのPRB(物理リソースブロック)が割り当てられる。NB-IOTは、個別のRAT(無線アクセス技術)と見なすことができる。NB-IOTを、「インバンド」、「ガードバンド」及び「スタンドアロン」の三つのモードで展開することができる。「インバンド」操作では、LTEキャリア内に存在するリソースブロックが使用される。NB-IOTに使用されないLTE信号の同期用に予約された特定のリソースブロックが存在する。「ガードバンド」操作では、どの事業者も利用していないLTEキャリア間のリソースブロックが使用される。「スタンドアロン」操作では、GSM(登録商標)周波数が使用される又は未使用のLTEバンドが使用される。リリース13は、不連続受信(eDRX)及び省電力モードのような重要な改良点を含む。PSM(省電力モード)は、リリース12でバッテリーの寿命を保証し、更に頻繁にデータを受信する必要があるデバイス用にeDRXによって完成される。
【0005】
さらに、上記の開示された同様の通信技術を介した一つ以上スマートデバイス/ユーザデバイスは、ユーザへの一つ以上の通信サービスを提供し、ここで、「スマートコンピューティングデバイス又はユーザ機器(UE)又はユーザデバイス」とは、電気、電子、電気機械のコンピューティングデバイス若しくは機器又は上記のデバイスの一つ以上の組合せを意味する。また、「スマートフォン」は、パーソナルコンピュータのオペレーティングシステムの機能とモバイル又はハンドヘルドでの使用に役立つ他の機能とを組み合わせた高度なモバイル操作システムによってエンドユーザが2G,3G,4G,5G等のモバイルブロードバンドインターネット接続のサービスを使用できるようにするモビリティワイヤレスセルラー接続デバイスを意味する「スマートコンピューティングデバイス」の一種である。また、スマートフォンは、パーソナルコンピュータのオペレーティングシステムの機能とモバイル又はハンドヘルドでの使用に役立つ他の機能と組み合わせた高度なモバイルオペレーティングシステムによってエンドユーザが2G,3G,4G,5G及び/又はWi-Fi(登録商標)、NFC(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)機能を有するモバイルブロードバンドインターネット接続のサービスを使用できるようにするスマートモビリティワイヤレスセルラー接続デバイスの一例である。さらに、近年、無認可の無線帯域の中で、IEEE802.11規格に基づくWi-Fi(登録商標)技術は、驚異的な成長及び商業化を遂げている。セルラー機能をサポートするほとんど全ての利用可能なUE(ユーザ機器)は、無認可の周波数帯域、2.4GHz又は5GHzのいずれかで動作するWi-Fi(登録商標)ネットワークに接続するために、デフォルトでWi-Fi(登録商標)機能を備える。
【0006】
さらに、一般的なテレコムネットワーク内には、一つ以上のテレコム機能をホストする多数のワイヤレスノード及び有線ノードが存在する。さらに、これらのノードの一部は、一元化されたサービスを提供するためにデータセンターに配置され、それ以外は、テレコムカバレッジを提供するために地理的エリアに分散している。これらのノードは全て連携して動作し、(一つ以上の)スマートコンピューティングデバイス上のユーザ/顧客にシームレスで信頼性の高い通信サービスを提供する。
【0007】
ユーザに提供されるシームレスで信頼性の高いサービスを妨げる潜在的な問題を検出するために、通信サービスプロバイダは、一つ以上の通信機能をホストするこれら全てのノードで信頼性の高い監視を行う必要がある。ほとんどの通信サービスプロバイダ/ベンダーは、さまざまな階層レベルで監視メカニズムを実装するために、一つ以上のノード又は一つ以上のノードグループに関連する特定の重要業績評価指標(KPI)に依存する。監視対象のKPIを使用して、テレコムサービスプロバイダ/ベンダーは、階層の対応するノードに最適化ルーチンを実装し、容量要件を見積もり、ビジネスインサイト及び容量使用率のダッシュボードを準備し、対応するノードの機能の問題をプロアクティブに検出することができる。また、各KPIは、タイムスライスのノードの監視モジュールによって生成された一つ以上のカウンタ/パラメータで構成され、特定の階層に属し、ここで、階層は、一つ以上の類似又は非類似ノードで構成されている。さらに、各KPIを、四半期、時間、日、週、月又はカスタムの時間範囲のような複数の時間間隔で計算することができる。
【0008】
また、一般的な通信ネットワークは、多数のノードで構成されており、ノードが複数のカウンタ又はパラメータを公開しているので、様々な階層レベル及び時間間隔で計算する必要のある多数のKPIが存在する。したがって、これらの計算は、最小限のリソース使用で目的のKPIを確実かつ迅速に計算できる効率的な方法及びシステムを必要とする。大抵の場合、現在知られている計算の解決は、効率的ではない未加工(raw)の計算手法を包含する。更に具体的には、現在知られている解決では、モジュラー計算の手法がないために、様々な時間間隔での様々なKPIの階層的な計算を、KPIの定義の時間間隔の様々なタイムスライスのノードで使用可能な対応する未加工のカウンタ/パラメータで実行する必要がある。このような未加工のパラメータに基づく計算は、次の状況で大規模な計算タスクになる可能性がある。
・関心のある何千もの未加工のカウンタ/パラメータがノードごとの小さなタイムスライスで利用可能であるとき。
・KPI計算を行う必要があるノードは数百万あるとき。
・ノードごとに数千のKPI計算を行う必要があるとき。
・KPIを階層レベルの複数の階層で計算する必要があるとき。
・KPIを複数の階層レベルに対して計算する必要がある場合。
・KPIを複数の時間間隔で計算する必要がある場合。
【0009】
また、このような大規模な計算には膨大なリソースが必要であり、このように大規模であるので、計算の信頼性が低いままである。さらに、KPIの計算に関連する問題に対処するために、現在知られている解決の中には、マシンデータから派生した重要業績評価指標を使用してサービス監視ダッシュボードを表示する解決も提供するものがあり、ここで、一つ以上の処理デバイスは、、一つ以上の重要業績評価指標(KPI)ウィジェットを含むサービス監視ダッシュボードの表示を引き起こす。これらの現在知られている解決は、様々な階層レベル及び時間間隔でKPIを計算するためのモジュラー計算の解決を提供しない。また、現在知られている解決は、他の多くのスケーリング及び信頼性の問題に関連する。したがって、現在知られている解決のスケーリング及び信頼性の問題、現在知られている未加工の計算手法の制限及び現在知られている解決のそのような他の制限を考慮すると、大規模なKPIを確実かつ効率的に計算するためにモジュラーアプローチを構築する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、当技術分野では、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するための効率的かつ効果的なシステム及び方法を提供するためのモジュラー計算の解決を提供する必要がある。
【0011】
関連技術の上記の例及びそれに関連する限定は、例示的であり、排他的ではないことを意図する。関連技術の他の限定は、明細書を読むとともに図面を観察することによって当業者に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このセクションは、以下の詳細な説明で更に説明する簡略化された形で本発明の特定の目的及び態様を導入するために提供される。この要約は、主張された主題の主要な特徴又は範囲を特定することを意図したものではない。
【0013】
前のセクションで言及された欠点及び当業者に知られている欠点の少なくともいくつかを解消するために、本開示の目的は、様々な階層レベルと時間間隔で更に多くのKPIを計算するモジュールの計算方法及びシステムを提供するための新しい解決を提供することである。本発明の別の目的は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算のための方法及びシステムを提供することである。
【0014】
また、本開示の目的は、タイムスライスで各テレコムノードの監視モジュールによって生成された一つ以上のカウンタ/パラメータに基づいて一つ以上コントロールセンター階層に存在する各テレコムノードのタイムスライスでメトリックを定義することである。さらに、本発明の目的は、一つ以上のカウンタ/パラメータを含むデータセットがノードから受信されるタイムスライス内でメトリックにマッピングされた一つ以上のカウンタ/パラメータを集約するための局所集約式を提供することである。また、本発明の目的は、時間間隔Tのような目標時間間隔に包含される複数のタイムスライスに亘って局所的に集約された値を集約するための時間集約式を提供することである。本開示の別の目的は、容量要件を更に見積もり、ビジネスインサイト及び容量使用率のダッシュボードを準備し、かつ、様々な階層レベル及び時間間隔でノードの機能の問題をプロアクティブに検出するために、階層の対応するノードに最適化ルーチンを実装するように一つ以上のKPIを計算するためのスケーラブルで使いやすく、かつ、シームレスで効率的な方法を提供することである。また、本開示の目的は、階層的に集約されたメトリック式として時間間隔の(一つ以上の)階層的なKPIを計算するための効率的かつ効果的な新規メカニズムを提供することである。本開示の別の目的は、(一つ以上の)階層的なKPIを管理及び計算するためのスケーラブルな方法を提供することである。さらに、本開示の目的は、最小限のリソースの使用で所望のKPIを確実かつ迅速に計算するための新しい方法を提供することである。また、本開示の目的は、シームレスなKPI計算サービスを同時に又は順次受信する機能及び能力を備えたサービスを提供することであり、その結果、待ち時間なしに所望のパラメータを修正する。本開示の別の目的は、テレコムエコシステムにおいて同時に大量のKPIを処理するための機能及び能力を提供することである。本発明の更に別の目的は、ノード/UEが6G/5G/4G/3G/EV-Do/eHRPD対応技術であるか否かに関係なくノード/UEの所望のKPIを迅速に計算するシームレスな方法を提供するメカニズムを提供することである。
【0015】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するための方法及びシステムを提供する。
【0016】
本発明の第1の態様は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するための方法に関する。方法は、トランシーバ装置によって、通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセットを受信することであって、一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタを備えることを包含する。方法は、処理装置によって、各タイムスライスで各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタに基づく各ノードの一つ以上のメトリックを、少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義することを更に包含する。方法は、局所スケジューラ装置によって、各タイムスライスについて、各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算することを備える。さらに、方法は、メトリックスケジューラ装置によって、目標時間間隔に対して、目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、各ノードに対して定義された局所的一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算することを備える。方法は、処理装置によって、各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの各メトリックの時間的に集約された値を、各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングすることを更に包含する。さらに、方法は、処理装置によって、少なくともコントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリックごとに階層的に集約された値を、各ノードに対応するコントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算することを備える。方法は、KPIスケジューラ装置によって、各ノードに対応するコントロールセンター階層のための一つ以上のKPIを、少なくともメトリックの目標リストに存在する各メトリックの階層的に集約された値及び前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて計算することを包含する。
【0017】
本発明の別の態様は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するためのシステムに関する。システムは、通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセットを受信するように構成されたトランシーバ装置であって、一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタを備える、トランシーバ装置を備える。システムは、各タイムスライスで各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタに基づく各ノードの一つ以上のメトリックを、少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義するように構成された処理装置を更に備える。さらに、システムは、各タイムスライスについて、各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算するように構成された局所スケジューラ装置を備える。システムは、目標時間間隔に対して、目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、各ノードに対して定義された局所的一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算するように構成されたメトリックスケジューラ装置を備える。さらに、処理装置は、各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの各メトリックの時間的に集約された値を、各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングし、かつ、少なくともコントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリックごとに階層的に集約された値を、各ノードに対応するコントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算するように更に構成される。さらに、システムは、各ノードに対応するコントロールセンター階層のための一つ以上のKPIを、少なくともコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式及びメトリックの目標リストに存在する各メトリックの階層的に集約された値に基づいて計算するように構成されたKPIスケジューラ装置を備える。
【0018】
ここに組み込まれるとともに本開示の一部を構成する添付の図面は、同様の参照番号が異なる図面全体に亘って同一の部分を示す開示された方法及びシステムの例示的な実施形態を示す。図面の構成要素は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに本開示の原理を明確に示すことに重点が置かれている。一部の図面は、ブロック図を使用して構成要素を示している場合があり、各構成要素の内部回路を表していない場合がある。そのような図面の開示は、そのような構成要素を実装するために一般的に使用される電気構成要素、電子構成要素又は回路の開示を含むことが当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の例示的な実施形態による例示的な通信ネットワークを示す。
図2】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算のためのシステム[200]の例示的なブロック図を示す。
図3】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算のための例示的な方法フロー図[300]を示す。
図4a】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算を示す例示的なプロセスを示す。
図4b】本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算を示す例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記は、本開示の以下のより詳細な説明からより明らかになるものとする。
【0021】
以下の説明では、説明の目的で、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために様々な特定の詳細を示す。しかしながら、本開示の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施できることは明らかである。以下に説明するいくつかの機能をそれぞれ、互いに独立して又は他の機能の任意の組み合わせで使用することができる。個々の機能が上記の問題の全てに対処するわけではない場合又は上記の問題の一部のみに対処する場合がある。上述した問題のいくつかは、ここで説明する機能のいずれによっても完全に対処されない場合がある。
【0022】
以下の説明は、例示的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、適用可能性又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、例示的な実施形態の以下の説明は、例示的な実施形態を実施するための有効な説明を当業者に提供する。記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができることを理解すべきである。
【0023】
また、個々の実施形態は、フローチャート、流れ図、シーケンス図、データフロー図、較正図又はブロック図として示されるプロセスとして説明され得ることに留意されたい。フローチャートが操作を順次プロセスとして説明する場合があるが、操作の多くを並行して又は同時に実行することができる。さらに、操作の順序を再配置してもよい。プロセスは、その操作が完了すると終了するが、図に含まれていない追加のステップが含まれる可能性がある。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラム等に対応することができる。プロセスが関数に対応する場合、その終了は、呼び出し元の関数又はメイン関数への関数の戻りに対応することができる。
【0024】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語又はその任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコードに実装されている場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメント(例えば、コンピュータプログラム製品)を機械可読媒体に格納してもよい。(一つ以上の)プロセッサは、必要なタスクを実行してもよい
【0025】
「機械可読記憶媒体」又は「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、携帯型又は非携帯型記憶装置、光記憶装置及び(一つ以上の)命令及び/又はデータを格納、格納、含有又は担持することができる他の様々な媒体を含むが、それに限定されない。機械可読媒体は、データを格納することができるとともに無線又は有線接続を介して伝搬する搬送波及び/又は一時的な電子信号を含まない非一時的な媒体を含んでもよい。非一時的な媒体の例は、磁気ディスク若しくは磁気テープ、コンパクトディスク(CD)若しくデジタル多用途ディスク(DVD)のような光記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリ又は記憶装置を含んでもよいが、それに限定されない。コンピュータプログラム製品は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス又は命令、データ構造若しくはプログラムステートメントの任意の組み合わせを表すことができるコード及び/又は機械実行可能命令を含んでもよい。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ又はメモリのコンテンツの受け渡しを行うことによって、別のコードセグメント又はハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して渡されてもよい、転送されてもよい又は送信されてもよい。
【0026】
「例示的」及び/又は「実証的」という用語を、ここでは、例、実例、は例示としての役割を果たすことを意味するために使用する。誤解を避けるために、ここに開示される主題は、そのような例によって限定されない。さらに、ここで「例示的」及び/又は「実証的」として記載されている態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好適である又は有利であると解釈される必要がなく、当業者に知られている同等の例示的な構造及び技術を排除することを意味するものでもない。さらに、「含む」、「有する」、「含有する」という用語及び他の同様の単語が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用される範囲で、そのような用語は、追加の要素又は他の要素を排除することなく、オープンな転換語(open transition word)として「備える」という用語と同様に包括的であることを意図する。
【0027】
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」又は「実施形態において」という句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造又は特性を、一つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせてもよい。
【0028】
ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される場合、単数形(singular forms “a”,”an”)及びそれ(“the“)は、文脈が明らかに他のことを示さない限り複数形も含むことを意図する。「備える」及び/又は「備え」という用語が本明細書で使用される場合に記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが一つ以上の他の機能、整数、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はその群の存在又は追加を排除しないことを理解すべきである。ここで使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの一つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0029】
「第1の」、「第2の」、「一次」及び「二次」という用語は、特に明記されていない限り、ある要素、セット、データ、オブジェクト、ステップ、プロセス、機能、アクティビティ又はモノを別の要素、セット、データ、オブジェクト又はモノと区別するために使用され、相対位置又は時間の配置若しくは相対的な重要性を示すために使用されない。ここで使用される「結合された」「に結合された」及び「と結合した」はそれぞれ、(a)直接的な又は一つ以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、操作、プロセス、プログラム、メディア、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム又は手段を介した接続、(b)直接的な又は一つ以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、操作、プロセス、プログラム、メディア、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム又は手段を介した通信関係、及び/又は、(c)一つ以上のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、操作、プロセス、プログラム、メディア、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム又は手段の操作が全体的に又は部分的にその他の操作に依存する機能的関係を構成する二つ以上のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、操作、プロセス、プログラム、メディア、コンポーネント、ネットワーク、システム、サブシステム及び/又は手段の間の関係を意味する。
【0030】
「通信する」及び「通信し」という用語は、ここで使用される場合、送信元から宛先へのデータの伝送並びに通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、デバイス、ワイヤ、ケーブル、ファイバ、回路及び/又はリンクへの宛先に伝送されるデータの配信の両方を含み、ここで使用される「通信」という用語は、そのように伝達又は配信されるデータを意味する。ここで使用される「通信」という用語は、通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、デバイス、ワイヤ、ケーブル、ファイバ、回路及びリンクのうちの一つ以上を含む。
【0031】
さらに、「ユーザ機器」(UE)、「電子機器」、「モバイルステーション」、「ユーザデバイス」、「モバイル加入者ステーション」、「アクセス端末」、「端末」、「スマートフォン」、「スマートコンピューティングデバイス」、「スマートデバイス」、「デバイス」、「ハンドセット」及び同様の用語は、電気、電子、電気機械装置又は上記のデバイスの一つ以上の組み合わせを指す。スマートコンピューティングデバイスは、携帯電話、スマートフォン、仮想現実(VR)デバイス、拡張現実(AR)デバイス、ページャー、ラップトップ、汎用コンピュータ、デスクトップ、携帯情報端末、タブレットコンピュータ、メインフレームコンピュータ、スマートセットトップボックス(STB)、スマートスピーカ、スマートフィットネスバンド、スマートウォッチ又は当業者に明らかであるとともに本発明の特徴を実施するために必要とされる可能性がある他の任意のコンピューティングデバイスを含むがそれに限定されない音声及び非音声対応デバイスを含んでもよい。一般的には、スマートコンピューティングデバイスは、自律的に動作できる、ユーザが構成したデジタルのコンピューターネットワークデバイスである。スマートコンピューティングデバイスは、データ及び他の個人情報/機密情報を保存するための適切なシステムのうちの一つである。前記デバイスは、ISO参照モデルの七つのレベル全てで動作してもよいが、主な機能は、タッチスクリーン、アプリエコシステム、物理的及び生体認証セキュリティ等の追加機能を備えたネットワーク層、セッション層及びプレゼンテーション層と共にアプリケーション層に関連する。さらに、「スマートフォン」は、パーソナルコンピュータのオペレーティングシステムの機能とモバイル又はハンドヘルドでの使用に役立つ他の機能とを組み合わせた高度なモバイル操作システムによってエンドユーザが2G,3G,4G,5G等のモバイルブロードバンドインターネット接続のサービスを使用できるようにするモビリティワイヤレスセルラー接続デバイスを意味する「スマートコンピューティングデバイス」の一種である。これらのスマートフォンは、インターネットにアクセスでき、タッチスクリーンユーザインターフェイスを有し、オンラインアプリケーション及び音楽プレーヤーをホストする機能を含むサードパーティのアプリを実行でき、ビデオ通話、ホットスポット機能、モーションセンサ、モバイル決済メカニズム及び緊急時のアラーム及びアラートを有する強化されたセキュリティ機能を有する高速モバイルブロードバンド4G LTEインターネットを備えたカメラフォンである。モビリティデバイスは、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、スマートバンド、ウェアラブル拡張デバイス等を含んでもよい。具体的には、本開示ではフィーチャーフォンとスマートフォンの両方をモビリティデバイスと称するが、それは、開示の範囲を制限するものではなく、技術的解決を実装する際に任意のモビリティデバイスに拡張することができる。スマートフォンを含む上記のスマートデバイス及びIoT等を搭載したフィーチャーフォンは、デバイス上での通信を可能にする。さらに、上述した用語は、主題の明細書及び関連する図面において交換可能に使用される。
【0032】
ここで使用するような「プロセッサ」又は「処理装置」は、一つ以上のプロセッサを有し、プロセッサは、命令を処理するための任意の論理回路を指す。プロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、通常のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、複数のマイクロコントローラ、DSPコアに関連する一つ以上のマイクロコントローラ、コントローラ、マイクロコントローラ、低価格のプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ回路、他のタイプの集積回路等であってもよい。ここで使用するような「プロセッサ」という用語は、一つ以上のコンピュータ、有線回路、信号変更デバイス及びシステム、システムを制御するためのデバイス及びマシン、中央処理装置、プログラマブルデバイス及びシステム、チップ上のシステム、個別の要素及び/又は回路で構成されるシステム、ステートマシン、仮想マシン、データプロセッサ、処理施設並びに上記のいずれかの組み合わせを含むがそれに限定されない。プロセッサは、信号符号化データ処理、入力/出力処理及び/又は本開示によるシステムの動作を可能にする他の任意の機能を実行することができる。更に具体的には、プロセッサ又は処理装置は、ハードウェアプロセッサである。ここで使用するような「プロセッサ」という用語は、ハードウェア、有形に具体化されたソフトウェア又はその両方で実装されているかに関係ない及びプログラム可能であるか否かに関係ない処理デバイス、装置、プログラム、回路、コンポーネント、システム及びサブシステムを意味する。
【0033】
ここで使用するように、「メモリ装置」、「記憶装置」及び/又は「メモリ」は、コンピュータ又は同様のマシンによって読み取り可能な形式で情報を格納するための任意のメカニズムを含むマシン又はコンピュータ可読媒体を指す。例えば、コンピュータ可読媒体は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス又は他のタイプの制御される(machine-accessible)記憶媒体を含む。ここで使用される記憶装置は、一時的であるか永久的であるかに関係なくデータを保持するとともにそのような保持されたデータを様々な装置に供給して各機能を実行するように構成される。
【0034】
ここで使用するように、「トランシーバ装置」は、データを一つ以上の宛先に送信するための送信機及び一つ以上のソースからデータを受信するための受信機を有してもよいが、それに限定されない。さらに、トランシーバ装置は、本発明の特徴を実施するために必要とされる他の同様の装置を有してもよい。トランシーバ装置は、送信及び受信のためにデータ又は情報の信号への変換及びその逆を行ってもよい。
【0035】
背景のセクションで開示したように、既存の技術は、多くの限定を有し、従来知られている解決の制限の少なくともいくつかを解消するために、本開示は、様々な階層レベル及び時間間隔で一つ以上のKPIを計算するための新規の自動的なモジュラー計算の解決を提供する。更に具体的には、本発明は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上のコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算のための解決を提供する。(時間間隔Tのような)目標時間間隔の(タイプHの一つ以上の階層のような)一つ以上のコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を計算するための本発明は、ノードレベルで一つ以上のメトリックを定義することを包含する。実装では、タイプHの階層は、一つ以上のノードで構成される物理モジュールを表し、他の一つの実装では、タイプHの階層は、一つ以上のノードで構成される論理関係を表し、更に別の実装では、タイプHの階層は、特定の地理的境界内の一つ以上のノードで構成される空間関係を表す。また、(一意のグローバル値並びにドメイン及びサブドメインの分類を有するメトリックMのような)一つ以上のメトリックからの各メトリックは、各メトリックが定義される(ノードNのような)各ノードから受信した(Cのような)少なくとも一つのカウンタ/パラメータにマッピングされる。さらに、前記各メトリックが定義されるノードから受信した少なくとも一つのカウンタ/パラメータCに対する各メトリックMの前記マッピングは、タイムスライスTSのマッピングされた少なくとも一つのカウンタ/パラメータCを集約するために定義された局所集約式(例えば、LAGG)及び時間間隔T(すなわち、目標時間間隔)にある複数のタイムスライスに亘って局所的に集約された値を集約するために定義された時間集約式(例えば、TAGG)によって行われる。また、本発明によって開示されているような解決によって、階層的な集約は、(メトリックMのような)上記の各メトリックに特有の階層式(例えば、HAGG)に従って(メトリックMのような)各メトリックについて行われる。さらに、本発明は、タイプHの一つ以上の階層における時間間隔TのKPIのセットを定義することを包含し、KPIのセットからの各KPIは、前記各KPIに対して定義されたKPI式に関連付けられる。各KPI式は、一つ以上の階層的に集約されたメトリックで構成される。実装では、同一のKPI定義を複数の階層タイプに適用してもよい。
【0036】
さらに、本発明は、(ノードNのような)前記各ノードの目標時間間隔で定義された一つ以上のメトリックを計算することを包含し、最初に時間間隔T(すなわち、目標時間間隔)の各タイムスライスTSの(LAGGのような)局所集約式に従って(Cのような)マッピングされた少なくとも一つのカウンタ/パラメータを集約し、その後に(TAGGのような)時間集約式に従って時間間隔Tの全てのタイムスライスのマッピングされた少なくとも一つのカウンタ/パラメータCの局所的に集約された値を集約することによって、(メトリックMのような)各メトリックの計算を行う。さらに、一例では、各タイムスライスTSでのメトリック計算は、対応するタイムスライスTSの終わりからのオフセットで実行される定期的なスケジュールジョブによって実行される。また、実装では、ノードのメトリックを計算する間に、タイムスライスの少なくとも一つのマッピングされたカウンタに対して局所的な集約を実行する前に所定のフィルターを適用することができる。さらに、本発明は、例えば、少なくとも、タイプHの一つ以上の階層から階層H1のKPIを計算することによって一つ以上のコントロールセンター階層(すなわち、タイプHの一つ以上の階層)の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を計算することを包含する。実装では、タイプHのH1のような所定の階層に前記ノードを割り当てるためにノードの一つ以上の属性を使用する。階層H1のKPIの計算を、最初に前記KPIの対応するKPI式に含まれる一つ以上のメトリックから各メトリックを階層的に集約することによって行い、階層的な集約は、対応するKPI式に含まれる一つ以上のメトリックからの前記各メトリックに対応する階層式(例えば、HAGG)に従って行われ、前記階層的な集約は、階層H1に属する全てのノードのメトリック値に亘って行われる。さらに、一つ以上のメトリックの階層的に集約された値が、一つ以上のコントロールセンター階層の対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)について決定されると、本発明は、前記一つ以上のKPIの一つ以上の対応するKPI式において、一つ以上のメトリックの階層的に集約された値を代入する。代入後、対応する一つ以上のKPIの計算値を取得するために、前記一つ以上のKPI式の値を求める(evaluate)。
【0037】
したがって、本発明は、様々な階層レベル及び時間間隔で一つ以上のKPIを計算するための新規の自動的なモジュラー計算の解決を提供する。また、本発明は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上のコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算のための解決を提供することによって技術的な効果を提供する。本発明は、大規模なリソースを必要とする大規模な計算の削減、更に信頼性の高いソリューションの提供並びに様々な階層レベル及び時間間隔でKPIのモジュラー計算の解決の提供のうちの少なくとも一つによって、従来知られている解決に対する技術的な進歩を提供する。また、本発明は、未加工の計算手法の制限を排除することによって従来知られている解決に対する技術的進歩を提供する。
【0038】
以下、当業者が本開示を容易に実施できるようにするために、本開示の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
図1を参照すると、本発明の例示的な実施形態による例示的な通信ネットワークを示す。更に具体的には、図1は、複数の無線アクセスネットワーク(RAN)ノード(eNodeB)、すなわち、101A,101B,102A,102B,102C,103A,103B,103C及び103Dを示す通信ネットワークを示し、前記複数の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードは、通信サービス区域(telecom coverage)を提供するために地理的なエリア内に広がっている。また、図1の全てのeNodeBは、コントロールセンター(CC)と称する空間的な階層に配置され、コントロールセンターの三つの階層、すなわち、1(すなわち、CC1)、2(すなわち、CC2)及び3(すなわち、CC3)を図1に示し、ここで、CC1は、eNodeB101A及び101Bから構成され、CC2は、eNodeB102A、102B及び102Cから構成され、CC3は、eNodeB103A、103B、103C及び103Dから構成される。また、図1は、全てのeNodeBがサーバ装置[104]に接続されていることを示し、サーバ装置[104]は、リアルタイム又は定期的な時間間隔で各eNodeBから一つ以上のカウンタ/パラメータを収集するとともに一つ以上のKPI定義に従って階層CC1、CC2及びCC3の制御中央階層レベルで一つ以上のKPIを計算するように構成され、ここで、前記一つ以上のKPIの前記計算は、本発明の特徴の実装によるサーバ装置[104]でのシステム[200]の構成に基づく。
【0040】
図2を参照すると、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔のための一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算のためのシステム[200]の例示的なブロック図を示す。システム[200]は、少なくとも一つのトランシーバ装置[202]と、少なくとも一つの処理装置[204]と、少なくとも一つの局所スケジューラ装置[206]と、少なくとも一つのメトリックスケジューラ装置[208]と、少なくとも一つのKPIスケジューラ装置[210]と、(図2に示さない)少なくとも一つの記憶装置と、を備える。また、システム[200]の全ての構成要素/装置は、以下に特に明記されていない限り相互に接続されていることを想定する。また、図2には、少数の装置のみを示すが、本開示の特徴を実施するために必要な場合、システム[200]は、複数のそのような装置を備えてもよい、又は、システム[200]は、任意の数の前記装置を備えてもよい。さらに、実装において、システム[200]は、本発明の特徴を実装するためにサーバデバイスに存在してもよい。
【0041】
システム[200]は、システム[200]の構成要素/装置の間の相互接続の助けにより、少なくとも一つのタイムスライスで構成される目標時間間隔の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)を階層的に計算するように構成される。
【0042】
システム[200]のトランシーバ装置[202]は、通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノード(例えば、一つ以上のeNodeB)から少なくとも一つのワンタイムスライスに対応するデータセットを受信するように構成され、ここで、一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、前記各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタを備える。例えば、以下に設けた表1は、タイムスライスTSに対応するeNodeBから受信した例示的なデータセットを提供し、前記例示的なデータセットは、カウンタ/パラメータP1、P2、P3及びP4に対する四つのレコードから構成される。
【0043】
【表1】
【0044】
さらに、トランシーバ装置[202]は、少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセット(すなわち、一つ以上のノードから受信したデータセット)を処理装置[204]に供給するように構成される。その後、処理装置[204]は、前記各タイムスライスで前記各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタに基づいて、一つ以上のノードからの前記各ノードの一つ以上のメトリックを少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義するように構成される。さらに、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの各メトリックは、前記各ノードから受信した一つ以上のカウンタにマッピングされ、一つ以上のメトリックからの各メトリックは、対応する局所集約式及び対応する時間集約式に関連付けられる。例えば、以下に設けた表2は、前記eNodeBから受信したデータセットに基づく各タイムスライスTSにおいて、一つ以上のeNodeB(すなわち、ノード)からのeNodeB(すなわち、ノード)に対して定義された例示的なメトリックM1、M2、M3及びM4を示し、ここで、メトリックM1、M2、M3及びM4からの各メトリックは、前記eNodeBから受信したパラメータ/カウンタにマッピングされ、それに対して定義された局所集約式及び時間集約式を有する。例えば、表2は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM1が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するパラメータP1にマッピングされ、かつ、ベース/局所集約がSUMとして定義されるとともに時間集約がMAXとして定義されることを示す。さらに表2は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM2が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するパラメータP2にマッピングされ、かつ、ベース/局所集約がMAXとして定義されるとともに時間集約がMAXとして定義されることを示す。また、表2は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM3が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するパラメータP3にマッピングされ、かつ、ベース/局所集約がSUMとして定義されるとともに時間集約がSUMとして定義されることを示す。さらに、表2は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM4が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するパラメータP4にマッピングされ、かつ、ベース/局所集約がAVGとして定義されるとともに時間集約がMAXとして定義されることを示す。
【0045】
【表2】
【0046】
さらに、処理装置[204]は、前記各ノードの各タイムスライスで定義された一つ以上のメトリックを一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから局所スケジューラ装置[206]に供給するように構成される。その後、局所スケジューラ装置[206]は、少なくとも一つのタイムスライスから前記各タイムスライスについて、前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算するように構成される。前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値は、対応する局所集約式に従って、一つ以上のメトリックからの前記各メトリックの一つ以上のマッピングされたカウンタの集約に基づいて計算される。例えば、表2に開示されているメトリック、すなわち、各タイムスライスTSでeNodeBに対して定義されたM1、M2、M3及びM4については、局所スケジューラ装置[206]は、前記各タイムスライスTSについて、M1、M2、M3及びM4の局所的に集約された値を計算するように構成される。さらに、M1、M2、M3及びM4の局所的に集約された値は、対応するマッピングされたパラメータ/カウンタの複数のレコード(すなわち、M1、M2、M3及びM4のそれぞれのP1、P2、P3及びP4の複数のレコード)に対する局所集約を実行することによって、M1、M2、M3及びM4のそれぞれの対応する局所集約式(すなわち、SUM、MAX、SUM及びAVGのそれぞれ)に従って計算され、ここで、前記複数のレコードからの各レコードは、タイムスライスTSについてeNodeBから受信したデータセットに存在する。
【0047】
さらに、前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値が計算されると、処理装置[204]は、局所的に集約された値を記憶装置に格納するように構成される。したがって、各タイムスライスでの各ノードの局所的に集約されたメトリック値は、データベースすなわち記憶装置に格納される。
【0048】
メトリックスケジューラ装置[208]は、前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの計算した局所的に集約された値を局所スケジューラ装置[206]又は記憶装置から受信するように更に構成され、ここで、前記計算は、前記各タイムスライスで実行される。その後、メトリックスケジューラ装置[208]は、目標時間間隔に対して、目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算するように構成される。前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値は、対応する時間集約式に基づく。さらに、前記目標時間間隔で前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値が計算されると、処理装置[204]は、時間的に集約された値を記憶装置に格納するように構成される。したがって、一つ以上のノードからの前記各ノードの時間的に集約されたメトリック値も、前記目標時間間隔でデータベースすなわち記憶装置に格納される。例えば、表2に開示したようなメトリック、すなわち、eNodeBに対して定義されたメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれについて、メトリックスケジューラ装置[208]は、最初に時間間隔Tの一部を形成する各タイムスライスに対するメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれに対応する対応ノードすなわちeNodeBの局所的に集約された値を読み取ることによって、(時間間隔Tのような)目標時間間隔の時間的に集約された値を計算するように構成される。読み取り動作後、各メトリックについて、時間間隔Tの全てのタイムスライスの局所的に集約された値の集約は、定義されたメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれについて、最終的なメトリック値(すなわち、時間的に集約された値)に到達するために前記各メトリックに対して定義された時間集約式に従ってメトリックスケジューラ装置[208]によって実行され、最終的なメトリック値も、対応ノードすなわちeNodeB及び時間間隔Tに対してデータベースに格納される。
【0049】
その後、処理装置[204]は、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの前記各メトリックの時間的に集約された値を前記各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングするように構成される。例えば、M1、M2、M3及びM4メトリックのそれぞれの時間的に集約された値が、それぞれ三つのeNodeBのA、B及びCに対して計算され、A、B及びCのそれぞれがコントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3に存在する場合、そのような状況の処理装置[204]は、M1、M2、M3及びM4メトリックのそれぞれについて計算された前記時間的に集約された値を対応するコントロールセンター階層すなわちCC1、CC2及びCC3のそれぞれにマッピングするように更に構成される。
【0050】
また、処理装置[204]は、目標時間間隔に対して、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して少なくとも一つのKPI式を定義するように更に構成され、ここで、一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた各KPI式は、少なくとも、一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた一つ以上のメトリックを備える。例えば、二つのメトリックM1及びM2がコントロールセンター階層すなわちCCH1のノードすなわちノードAに対して定義される場合、所定の例の処理装置[204]は、目標時間間隔に対して、コントロールセンター階層CCH1に対応する少なくとも一つの重要業績評価指標(KPI)を定義するように構成され、ここで、CCH1に関連する各KPI式は、少なくとも、CCH1すなわちM1及びM2に関連する一つ以上のメトリックを備える。例えば、目標時間間隔Tの特定の瞬時では、CCH1に対応する一つ以上のKPIのKPI式は、M1+M2であってもよい。また、処理装置[204]は、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された前記少なくとも一つのKPI式に基づいてメトリックのリスト及びメトリックのリストに存在する各メトリックに対応する階層集約式を決定するように更に構成される。例えば、目標時間間隔TについてCCH1に対応する一つ以上のKPIのKPI式がM1+M2として定義される上記の例では、所定の例の処理装置[204]は、前記KPI式であるM1+M2に基づいてメトリックのリスト及びメトリックのリストに存在する各メトリックに対応する階層集約式を決定するように更に構成される。したがって、特定の例では、メトリックのリストは、M1及びM2を備え、メトリックM1の階層集約式は、AVGであってもよく、メトリックM2の階層集約式は、SUMであってもよい。
【0051】
さらに、処理装置[204]は、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連するメトリックの目標リストに存在する各メトリックについて階層的に集約された値を計算するように構成される。前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストを、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて決定されたメトリックのリストから識別してもよい。また、実装では、処理装置[204]は、前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の階層的に集約された値を計算するように更に構成される。さらに、前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約は、前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックに対応する階層集約式に従って行われる。一例では、メトリックのリストは、コントロールセンター階層CCH1のノード1に対応するメトリックM1、コントロールセンター階層CCH2のノード2に対応するM2並びにコントロールセンター階層CCH3のノード3に対応するM3及びM4から構成されてもよい。また、メトリックの前記リストは、コントロールセンター階層(CCH1、CCH2及びCCH3)に対応する重要業績評価指標(KPI)に対して定義されたKPI式に基づいて決定される。特定の例では、コントロールセンター階層CCH3に対応するKPIに対して定義されたKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストは、CCH1、CCH2及びCCH3に対応する重要業績評価指標(KPI)に対して定義されたKPI式に基づいて決定されたメトリックのリストから識別され、特定の例では、メトリックの目標リストは、メトリックM3及びM4を備えてもよい。その後、処理装置[204]は、前記コントロールセンター階層CCH3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4のそれぞれの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて少なくともメトリックの目標リストに存在する各メトリック(すなわち、M3及びM4のそれぞれ)について階層的に集約された値を計算するように構成される。また、特定の例では、実装では、処理装置[204]は、前記コントロールセンター階層CCH3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4のそれぞれの全ての時間的に集約された値の集約に基づいてコントロールセンター階層CCH3の階層的に集約された値を計算するように更に構成される。さらに、前記コントロールセンター階層CCH3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4のそれぞれの全ての時間的に集約された値の集約は、前記コントロールセンター階層CCH3に対応するKPIに対して定義されたKPI式に関連するメトリックの目標リストに存在するM3及びM4のそれぞれに対応する階層集約式に従って行われる。
【0052】
さらに、以下に設けた表3は、時間間隔Tにおける例示的なコントロールセンター階層の例示的なKPIに対して定義された例示的なKPI式を示す。また、表3は、定義されたKPI式に基づいて識別されたメトリックに対応する階層集約式及び各例示的なKPIに対応する階層タイプを示す。
【0053】
【表3】
【0054】
したがって、表3は、コントロールセンター階層レベルでの時間間隔Tの階層的なKPIの定義を示し、ここで、各KPIは、各KPI式に対応する各メトリックに指定された階層集約式に従ってコントロールセンター階層レベルでの一つ以上の階層的に集約されたメトリックの対応するKPI式に基づく。例えば、KPI1のKPI式は、メトリックM1及びM2の階層的に集約された値の加算として定義され、M1は、SUM式を使用して階層的に集約され、それに対し、M2は、MAX式を使用して階層的に集約される。また、KPI2のKPI式は、メトリックM3及びM1の階層的に集約された値のMAXとして定義され、M1は、SUM式を使用して階層的に集約され、それに対し、M3は、AVG式を使用して階層的に集約される。
【0055】
さらに、メトリクスの目標リストに存在する前記各メトリクスの階層的に集約された値が計算されると、処理装置[204]は、階層的に集約された値をKPIスケジューラ装置[210]に供給するように構成される。その後、KPIスケジューラ装置[210]は、少なくともメトリックの目標リストに存在する各メトリックの階層的に集約された値及びコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の一つ以上のKPIを計算するように構成される。更に具体的には、メトリックの目標リストに存在する(一つ以上の)メトリックの階層的に集約された値を、前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された対応する少なくとも一つのKPI式に代入することによって、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の一つ以上のKPIが計算される。一例では、コントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3の時間間隔Tで二つのKPIであるKPI1及びKPI2を計算するために、KPIスケジューラ装置[210]は、階層的に集約されたメトリック値を一つ以上のKPI式に代入することによってコントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つ以上のKPI式の値を求めるように構成され、ここで、階層的に集約されたメトリック値は、対応する階層集約式に従って各メトリックの階層的な集約に基づいて決定される。
【0056】
図3を参照すると、本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的計算のための例示的な方法フロー図[300]を示す。実装では、方法は、システム[200]によって実行される。さらに、実装において、システム[200]は、本発明の特徴を実装するためにサーバ装置に存在してもよい。また、図3に示すように、方法は、ステップ[302]から開始する。
【0057】
ステップ[304]において、この方法は、トランシーバ装置[202]によって、通信ネットワークの一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードから少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセットを受信し、一つ以上のノードからの各ノードから受信したデータセットは、一つ以上を備えることを備える。例えば、以下に設けた表4は、タイムスライスTに対応するeNodeBから受信した例示的なデータセットを提供し、ここで、前記例示的なデータセットは、カウンタC1、C2、C3及びC4に対する四つのレコードから構成される。
【0058】
【表4】
【0059】
さらに、方法は、トランシーバ装置[202]を介して、少なくとも一つのタイムスライスに対応するデータセット(すなわち、一つ以上のノードから受信したデータセット)を処理装置[204]に供給する。次に、ステップ[306]において、方法は、処理装置[204]によって、前記各タイムスライスで前記各ノードに関連付けられた一つ以上のカウンタに基づく前記各ノードの一つ以上のメトリックを、少なくとも一つのタイムスライスからの各タイムスライスで定義することを備える。また、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの各メトリックは、前記各ノードから受信した一つ以上のカウンタにマッピングされ、前記一つ以上のメトリックからの各メトリックは、対応する局所集約式及び対応する時間集約式に関連付けられる。例えば、以下に設けた表5は、前記eNodeBから受信したデータセットに基づいて各タイムスライスT1で一つ以上のeNodeBからのeNodeBに対して定義された例示的なメトリックM1、M2、M3及びM4を示し、ここで、メトリックM1、M2、M3及びM4からの各メトリックは、前記eNodeBから受信したカウンタにマッピングされ、それに対して定義された局所集約式及び時間集約式を有する。例えば、表5は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM1が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するカウンタC1にマッピングされ、かつ、ベース/局所的な集約がMAXとして定義されるとともに時間的な集約がSUMとして定義されることを示す。さらに、表5は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM2が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するカウンタC2にマッピングされ、かつ、ベース/局所的な集約がMAXとして定義されるとともに時間的な集約がMAXとして定義されることを示す。また、表5は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM3が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するカウンタC3にマッピングされ、かつ、ベース/局所的な集約がSUMとして定義されるとともに時間的な集約がSUMとして定義されることを示す。さらに、表5は、上記eNodeBに対して定義されたメトリックM4が上記eNodeBから受信したデータセットに存在するカウンタC4にマッピングされ、かつ、ベース/局所的な集約がMAXとして定義されるとともに時間的な集約がAVGとして定義されることを示す。
【0060】
【表5】
【0061】
さらに、方法は、処理装置[204]によって、一つ以上のコントロールセンター階層に存在する一つ以上のノードからの前記各ノードの各タイムスライスで定義された一つ以上のメトリックを局所スケジューラ装置[206]に供給することを包含する。次に、ステップ[308]において、方法は、局所スケジューラ装置[206]によって、前記各タイムスライスについて、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値を計算することを備える。また、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値は、対応する局所集約式に従って一つ以上のメトリックからの前記各メトリックの一つ以上のマッピングされたカウンタの集約に基づいて計算される。例えば、表5に開示されているメトリック、すなわち、各タイムスライスT1でeNodeBに対して定義されたM1、M2、M3及びM4について、方法は、局所スケジューラ装置[206]によって、前記各タイムスライスT1についてのM1、M2、M3及びM4の局所的に集約された値の計算を包含する。さらに、M1、M2、M3及びM4の局所的に集約された値は、対応するマップされたパラメータ/カウンタの複数のレコード(すなわち、M1、M2、M3及びM4のそれぞれのC1、C2、C3及びC4の複数のレコード)に対する局所的な集約を行うことによって、M1、M2、M3及びM4のそれぞれの対応する局所集約式(すなわち、MAX、MAX、SUM及びMAXの各々)に従って計算され、ここで、前記複数のレコードからの各レコードは、タイムスライスT1についてeNodeBから受信したデータセットに存在する。さらに、前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値が計算されると、方法は、処理装置[204]を介して、計算した局所的に集約された値を記憶装置に格納することを備える。したがって、各タイムスライスでの各ノードの局所的に集約されたメトリック値は、データベースすなわち記憶装置に格納される。
【0062】
その後、方法は、メトリックスケジューラ装置[208]によって、前記各タイムスライスで前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの計算した局所的に集約された値を、局所スケジューラ装置[206]又は記憶装置から受信することを備え、ここで、前記計算は、前記各タイムスライスに対して行われる。次に、ステップ[310]において、方法は、メトリックスケジューラ装置[208]によって、目標時間間隔に対して、目標時間間隔に存在する全てのタイムスライスに亘って前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの局所的に集約された値の集約に基づいて、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値を計算することを備える。前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値は、対応する時間集約式に基づく。
【0063】
さらに、前記目標時間間隔で前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックの時間的に集約された値が計算されると、方法は、処理装置[204]によって、計算した前記時間的に集約された値を記憶装置に格納することを包含する。したがって、一つ以上のノードからの前記各ノードの時間的に集約されたメトリック値も、前記目標時間間隔でデータベースすなわち記憶装置に格納される。例えば、表5に開示したメトリック、すなわち、eNodeBに対して定義されたメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれについて、方法は、メトリックスケジューラ装置[208]を介して、最初に時間間隔Tの一部を形成する各タイムスライスに対してメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれに対応する対応eNodeBの局所的に集約された値を読み取ることによって、(時間間隔Tのような)目標時間間隔の時間的に集約された値を計算することを包含する。読み取り動作後、メトリックごとに、時間間隔Tの全てのタイムスライスの局所的に集約された値の集約は、定義されたメトリックM1、M2、M3及びM4のそれぞれの最終メトリック値(すなわち、時間的に集約された値)に到達するために、前記各メトリックに対して定義された時間集約式に従ってメトリックスケジューラ装置[208]によって実行され、最終メトリック値も、対応するeNodeB及び時間間隔Tに対してデータベースに格納される。
【0064】
その後、ステップ[312]において、方法は、処理装置[204]によって、前記各ノードに対して定義された一つ以上のメトリックからの各メトリックの時間的に集約された値を、前記各ノードに対応するコントロールセンター階層にマッピングすることを備える。例えば、M1、M2、M3及びM4メトリックのそれぞれの時間的に集約された値が、それぞれ三つのeNodeBのB、C及びDに対して計算され、B、C及びDのそれぞれがコントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3に存在する場合、方法は、そのような状況において、処理装置[204]によって、M1、M2及びM3メトリックのそれぞれについて計算された前記それぞれの時間的に集約された値を、対応するコントロールセンター階層すなわちCC1、CC2及びCC3にそれぞれマッピングすることを包含する。
【0065】
さらに、方法は、処理装置[204]によって、目標時間間隔に対して、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の少なくとも一つのKPI式を定義することを備え、ここで、一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた各KPI式は、少なくとも、一つ以上のコントロールセンター階層に関連付けられた一つ以上のメトリックを備える。例えば、二つのメトリックM1及びM2がコントロールセンター階層すなわちCC1のノードすなわちノード1に対して定義されている場合、方法は、特定の場合には、処理装置[204]を介して、コントロールセンター階層CC1に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の少なくとも一つのKPI式を目標時間間隔に対して定義し、ここで、CC1に関連付けられた各KPI式は、少なくとも、CC1に関連付けられた一つ以上のメトリックすなわちM1及びM2を備える。例えば、目標時間間隔Tの特定の場合には、CC1に対応する一つ以上のKPIのKPI式は、MAX(M1,M2)であってもよい。また、その後、方法は、処理装置[204]によって、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された前記少なくとも一つのKPI式に基づいて、メトリックのリスト及びメトリックのリストに存在する各メトリックに対応する階層集約式を決定することを備える。例えば、目標時間間隔Tに対して、CC1に対応する一つ以上のKPIのKPI式がMAX(M1,M2)として定義された上記の例では、特定の場合の方法は、処理装置[204]によって、前記KPI式MAX(M1、M2)に基づいて、メトリクスのリスト及びメトリクスのリストに存在する各メトリクスに対応する階層集約式を決定することを包含する。したがって、特定の場合には、メトリックのリストはM1及びM2を備え、メトリックM1の階層集約式は、SUMであってもよく、メトリックM2の階層集約式は、AVGであってもよい。
【0066】
次に、ステップ[314]において、方法は、処理装置[204]によって、少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在するメトリックごとに階層的に集約された値を、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算することを備える。前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストを、一つ以上のコントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて決定したメトリックのリストから識別してもよい。また、実装では、方法は、処理装置[204]によって、前記各ノードに対応するコントロールセンター階層の階層的に集約された値を、前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算することを包含する。さらに、前記コントロールセンター階層に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの全ての時間的に集約された値の集約を、前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上のKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に関連付けられたメトリックの目標リストに存在する前記各メトリックに対応する階層集約式に従って行う。例では、メトリックのリストを、コントロールセンター階層CC1のノードAに対応するメトリックM1と、コントロールセンター階層CC2のノードBに対応するメトリックM2と、コントロールセンター階層CC3のノードCに対応するメトリックM3及びM4と、によって構成してもよい。また、メトリックの前記リストは、コントロールセンター階層すなわちCC1、CC2及びCC3に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて決定される。特定の場合において、コントロールセンター階層CC3に対応するKPIに対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて決定されるメトリックの目標リストを、CC1、CC2及びCC3に対応する重要業績評価指標(KPI)に対して定義されたKPI式に基づいて決定されたメトリックのリストから識別してもよく、特定の場合において、メトリックの目標リストは、メトリックM3及びM4を備えてもよい。その後、方法は、処理装置[204]によって、少なくともメトリックの目標リストに存在する各メトリック(すなわち、M3及びM4の各々)の階層的に集約された値を、前記コントロールセンター階層CC3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4の各々の全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算することを包含する。また、特定の場合において、実装では、方法は、処理装置[204]によって、コントロールセンター階層CC3の階層的に集約された値を、コントロールセンター階層CC3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4の各々の全ての時間的に集約された値の集約に基づいて計算することを更に備える。さらに、コントロールセンター階層CC3に存在する全てのノードに亘る目標時間間隔のM3及びM4の各々の全ての時間的に集約された値の集約を、コントロールセンター階層CC3に対応するKPIに対して定義されたKPI式に基づいて決定されるメトリックの目標リストに存在するM3及びM4の各々に対応する階集約式に従って行う。
【0067】
さらに、以下に設けた表6は、時間間隔Tにおける例示的なコントロールセンター階層の例示的なKPIに対して定義された例示的なKPI式を示す。また、表6は、定義されたKPI式に基づいて識別されたメトリックに対応する階層集約式及び各例示的なKPIに対応する階層タイプを示す。
【0068】
【表6】
【0069】
したがって、表6は、コントロールセンター階層レベルでの時間間隔Tの階層KPIの定義を示し、ここで、各KPIは、各KPI式に対応する各メトリックに指定された階層集約式に従ってコントロールセンター階層レベルでの一つ以上の階層的に集約されたメトリックの対応するKPI式に基づく。例えば、表6において、KPI1のKPI式は、メトリックM1及びM2の階層的に集約された値のMAXとして定義され、M1は、MAX式を使用して階層的に集約され、それに対し、M2は、SUM式を使用して階層的に集約される。また、表6において、KPI2のKPI式は、メトリックM3及びM1の階層的に集約された値の加算として定義され、M1は、AVG式を使用して階層的に集約され、それに対し、M3は、MAX式を使用して階層的に集約される。
【0070】
さらに、メトリクスの目標リストに存在する前記各メトリクスの階層的に集約された値が計算されると、方法は、階層的に集約された値を処理装置[204]を介してKPIスケジューラ装置[210]に供給することを含む。その後、ステップ[316]において、方法は、KPIスケジューラ装置[210]によって、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層のための一つ以上のKPIを、メトリックの目標リストに存在する前記各メトリックの階層的に集約された値及び少なくとも前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に基づいて計算することを備える。更に具体的には、メトリックの目標リストに存在する(一つ以上の)メトリックの階層的に集約された値を、前記コントロールセンター階層に対応する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)に対して定義された少なくとも一つのKPI式に代入することによって、前記各ノードに対応する前記コントロールセンター階層の一つ以上のKPIが計算される。一例において、コントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3の時間間隔T1で二つのKPIであるKPI1及びKPI2を計算するために、方法は、KPIスケジューラ装置[210]によって、コントロールセンター階層CC1、CC2及びCC3に対応する一つ以上のKPIに対して定義された一つ以上のKPI式の値を、階層的に集約されたメトリック値を一つ以上のKPI式に代入することによって求めることを備え、ここで、階層的に集約されたメトリック値は、対応する階層集約式に従って各メトリックの階層的な集約に基づいて決定される。
【0071】
少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算の後、方法は、ステップ[318]で終了する。
【0072】
図4(すなわち、図4A及び図4B)を参照すると、本発明の例示的な実施形態による少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算を示す例示的なプロセスを示す。図4に示すように、プロセス/方法は、ステップ[402]で開始する。
【0073】
さらに、ステップ[404]において、例示的なプロセスは、(タイムスライスTS1及びTS2のような)一つ以上のタイムスライスからの各タイムスライスに対して、一つ以上のコントロールセンター階層の(二つのノードN1及びN2のような)一つ以上のノードから各ノードのデータセットを読み取る。また、図4の[800],[801],[802]及び[803]において、タイムスライスTS1及びTS2について二つのノードN1及びN2から受信した例示的なデータセットを示し、ここで、各データセットは、ノードN1及びN2のそれぞれのメトリックM1、M2及びM3を定義するために使用されるパラメータ/カウンタP1、P2、P3及びP4の複数のレコードを含む。
【0074】
次に、ステップ[406]において、例示的なプロセスは、タイムスライスの各々の各ノードに対して定義された種々のメトリックの局所的に集約された値を計算することを包含し、ここで、局所的な集約は、各メトリックに対して定義された局所集約式に従って各メトリックの一つ以上のマッピングされたパラメータで行われる。また、図4の[804],[805],[806]及び[807]において、タイムスライスTS1及びTS2のそれぞれにおいてノードN1及びN2のそれぞれに対して定義されたメトリックM1、M2及びM3の例示的な計算を示し、ここで、局所的な集約は、M1、M2及びM3に対して定義された局所集約式に従って行われる。一例において、M1、M2及びM3に対して定義された局所集約式を、上記の表2に記載したようにしてもよい。
【0075】
さらに、ステップ[408]において、例示的なプロセスは、各ノード及びタイムスライスに対する局所的に集約された値をデータベースに格納することを包含する。
【0076】
次に、ステップ[410]において、例示的なプロセスは、各ノード及び時間間隔Tのような目標時間間隔の一部である全てのタイムスライスに対する局所的に集約された値をデータベースから読み取ることを包含する。
【0077】
さらに、ステップ[412]において、例示的なプロセスは、時間間隔Tの各ノードに対して定義されたメトリックの時間的に集約された値を計算することを包含し、ここで、時間的な集約は、時間間隔Tに含まれる全てのタイムスライスに亘って各ノードの定義されたメトリックの局所的に集約された値を集約することによって行われる。また、集約は、メトリックごとに定義された時間集約式に従って行われる。また、図4の[808]において、対応する時間集約式に従った各例示的なノードN1、N2及びN3のメトリックM1、M2及びM3の例示的な計算を示す。
【0078】
次に、ステップ[414]において、例示的なプロセスは、前記ノードの前記階層に対するマッピングに関連するノードの各々のメトリックの各々の時間的に集約された値の階層へのマッピングを行うことを包含する。また、図4の[809]において、ノードN1、N2及びN3からコントロールセンター(CC)階層への各ノードの例示的なメトリックM1、M2、M3の例示的なマッピングを示し、ここで、例示的なノードN1及びN2は、コントロールセンターCC1に属し、N3は、コントロールセンターCC2に属する。
【0079】
次に、ステップ[416]において、例示的なプロセスは、全てのKPIの予め定義されたKPI定義を読み取るとともにメトリックの一意のタプル及び対応する階層的な集約式のリストを構築することを包含する。また、図4の[810]において、例示的な(一つ以上の)KPI定義を使用して構築されたそのような例示的なリストの例を示す。
【0080】
次に、ステップ[418]において、例示的なプロセスは、ステップ[416]で構築されたリストの反復について説明し、ここで、メトリックの各々及び階層の各々に対する階層的な集約の各々について、階層的に集約された値を、各メトリックの対応する階層式に従って対応する階層の全てのノードに亘る時間間隔Tの各メトリックの全ての時間的に集約された値を集約することによって計算する。また、図4の[811]において、[809]及び[810]に示す対応する階層的な集約のそれぞれに対する例示的な階層CC1及びCC2のそれぞれについての例示的なメトリックM1、M2及びM3のそれぞれの階層的に計算された値の例を示す。
【0081】
さらに、ステップ[420]において、例示的なプロセスは、(一つ以上の)対応するKPI式にメトリックの対応する計算した階層的に集約された値を代入することによって階層の各々の各KPIを計算することを包含する。また、図4の[812]において、階層CC1及びCC2についてのKPIであるKPI1及びKPI2の計算を対応するKPI1及びKPI2のKPI式に[811]のM1、M2及びM3の階層的に集約された値を代入することにより行う例を示す。その後、例示的なプロセスは、ステップ[422]で終了する。
【0082】
したがって、本発明は、様々な階層レベル及び時間間隔で一つ以上のKPIを計算するための新規の自動的なモジュラー計算の解決を提供する。さらに、本発明は、容量要件を見積もり、ビジネスインサイト及び容量使用率のダッシュボードを準備し、かつ、様々な階層レベル及び時間間隔でノードの機能の問題をプロアクティブに検出するために、階層の対応するノードに最適化ルーチンを実装するようにKPIを計算するためのスケーラブルで使いやすく、かつ、シームレスで効率的な解決を提供する。また、本発明は、少なくとも一つのタイムスライスを備える目標時間間隔に対する一つ以上のコントロールセンター階層の一つ以上の重要業績評価指標(KPI)の階層的な計算のための解決を提供することによって技術的な効果を提供する。本発明は、大規模なリソースを必要とする大規模な計算の削減、更に信頼性の高いソリューションの提供並びに様々な階層レベル及び時間間隔でのKPIのモジュラー計算の解決の提供のうちの少なくとも一つによって、従来知られている解決に対する技術的な進歩を提供する。また、本発明は、未加工の計算手法の制限を排除することによって従来知られている解決に対する技術的進歩を提供する。
【0083】
ここでは好適な実施形態にかなりの重点を置いたが、本発明の原理から逸脱することなく、多くの実施形態を行うことができるとともに好適な実施形態において多くの変更を行うことができることが理解される。本発明の好適な実施形態におけるこれらの変更及び他の変更は、本明細書の開示から当業者には明らかであり、それにより、上記の説明事項は、限定としてではなく単に本発明の例示として実施されるべきであることが明確に理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
【外国語明細書】