(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028636
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】チップのフローガイディング構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
H01L21/60 311S
H01L21/92 602P
H01L21/60 311Q
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126580
(22)【出願日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】63/059,178
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518253554
【氏名又は名称】シトロニックス テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】クオ-ウェイ ツェン
(72)【発明者】
【氏名】ポ-チ チェン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】導電媒体のフロー方向をガイドするか又は導電媒体のフローを妨げることができるチップのフローガイディング構造を提供する。
【解決手段】フローガイディング構造1は、チップ2の表面上に配置され、複数の接続バンプ10に隣接する少なくとも1つのフローガイディング部材20を備える。チップが回路基板上に配置されるとき、少なくとも1つのフローガイディング部材は、チップの表面上の導電媒体をガイドして、複数の接続バンプに向かって流れるようにし、導電媒体の複数の導電粒子が複数の接続バンプに向かって移動せざるを得ないようにし、その結果、複数の接続バンプの表面上の複数の導電粒子の数を増加させるか或いは複数の導電粒子が複数の接続バンプの表面を離れる(去る)のを防止するために、導電媒体のフローを妨げて、その結果、複数の接続バンプの表面上の複数の導電粒子の数の減少を防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップの表面上に配置された複数の接続バンプと、
前記チップの前記表面上に配置され、かつ前記複数の接続バンプに隣接している、少なくとも1つのフローガイディング部材と、
を備える、チップのフローガイディング構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフローガイディング部材の高さが、前記複数の接続バンプの高さ以下である、請求項1に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフローガイディング部材の少なくとも1つの側面が、前記複数の接続バンプに隣接しており、
前記少なくとも1つのフローガイディング部材の前記少なくとも1つの側面が、傾斜面である、請求項1に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフローガイディング部材が、複数のフローガイディング部材を含み、
前記複数のフローガイディング部材が、複数のフローガイディングバンプを含み、
前記複数のフローガイディングバンプが、前記複数の接続バンプに隣接している、請求項1に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項5】
前記複数のフローガイディングバンプの第1の側面が、前記複数の接続バンプの第2の側面に対応しており、
前記第1の側面の面積が、前記第2の側面の面積よりも大きい、請求項4に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項6】
前記複数のフローガイディングバンプのうちの多数のフローガイディングバンプが、前記複数の接続バンプのうちの少なくとも1つの接続バンプの複数の側面に隣接している、請求項4に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項7】
前記複数のフローガイディングバンプの少なくとも1つの側面が前記複数の接続バンプに隣接しており、
前記複数のフローガイディングバンプの前記少なくとも1つの側面が傾斜面である、請求項4に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項8】
前記複数のフローガイディングバンプが、導体または非導体である、請求項4に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフローガイディング部材が少なくとも1つの詰め物部材であり、
前記少なくとも1つの詰め物部材が、前記チップの回路領域内に詰められ、かつ前記複数の接続バンプに隣接している、請求項1に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つの詰め物部材が、複数の詰め物部材を含み、
前記複数の詰め物部材が、ギャップによって離隔されている、請求項9に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項11】
前記少なくとも1つの詰め物部材がさらに、前記複数の接続バンプ間の複数のギャップ内に詰められている、請求項9に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項12】
前記少なくとも1つの詰め物部材の少なくとも1つの側面が、前記複数の接続バンプに隣接しており、
前記少なくとも1つの詰め物部材の前記少なくとも1つの側面が、傾斜面である、請求項9に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つの詰め物部材の材料が絶縁材料である、請求項9に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項14】
前記複数の接続バンプがそれぞれ、複数の電気接続部材に対応しており、
前記複数の電気接続部材が、基板部材上に配置されている、請求項1に記載のチップのフローガイディング構造。
【請求項15】
チップのフローガイディング構造であって、
チップの表面上に配置され、かつそれぞれ複数のバンプを含む複数の接続バンプ群を備え、
同一の前記接続バンプ群内の前記複数のバンプは、互いに隣接し、かつ同一の電気接続部材に対応している、チップのフローガイディング構造。
【請求項16】
前記電気接続部材が、基板部材上に配置されている、請求項15に記載のチップのフローガイディング構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、チップのフローガイディング構造(flow guiding structure)に関する。本発明は特に、チップ上に配置される構造であって、導電媒体のフロー(流れ:flow)の方向をガイドし、または導電媒体のフローを妨げることのできる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
時が経つにつれて、電子製品は軽く、薄くおよび小型になるように開発されている。さまざまな電子製品、例えば、カムコーダ、ノートブックコンピュータ、スマートフォン、または他のモバイルデバイスのほとんどすべては、情報を表示するためのディスプレイを含む。そのため、ディスプレイは電子製品における重要な部品となっている。
【0003】
画像を表示するためには、駆動チップがディスプレイに含まれているべきであろう。駆動チップは、画像を表示するためのディスプレイのパネルを駆動するために用いられる。一般に、駆動チップをパネル上に配置するための多数の技術がある。これらの技術を採用するためには、導電媒体(conductive medium)、例えば、異方性導電膜(anisotropic conductive film:ACF)が使用されるべきであろう。導電媒体は導電粒子を含む。当該導電粒子は、駆動チップの接続バンプとパネルの電気接続部材とを接触(コンタクト; contact)させ得る。それにより、駆動チップは、パネルに電気的に接続され、次いで、駆動信号をパネルに伝送してパネルを駆動し、画像を表示し得る。
【0004】
従来技術によれば、駆動チップをパネル上に配置する間、導電媒体は駆動チップの表面上を任意に(勝手に;arbitrarily)流れ、その結果、導電媒体の導電粒子は駆動チップの接続バンプの表面上に効果的に分布(分散)することができなくなる。そのため、パネルに信号を伝送する駆動チップの性能に影響があり、パネルが正常に機能しないこともあるだろう。さらに、この問題はパネルの駆動チップにおいて存在するばかりでなく、チップを回路基板上に配置する等の、他のチップタイプにおいても現れる。そのため、接続バンプの表面上に分布する導電粒子の数を増加させるために、チップの接続バンプに向かって流れるよう導電媒体をガイドし得るフローガイディング構造を提供することが求められている。あるいは、当該フローガイディング構造は、接続バンプの表面上に分布する導電粒子の数の減少を避けるために、導電媒体のフローを妨げ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、チップのフローガイディング構造を提供することであって、前記チップのフローガイディング構造は、チップの表面上に配置される少なくとも1つのフローガイディング部材であって、チップの表面上に配置される複数の接続バンプに隣接する前記少なくとも1つのフローガイディング部材を備える。前記チップが回路基板上に配置されるとき、前記フローガイディング部材は、導電媒体をガイドして、前記複数の接続バンプに向かって流れるようにし、複数の導電粒子が前記複数の接続バンプに向かって移動せざるを得ないようにし、その結果、前記複数の接続バンプの表面上の前記複数の導電粒子の数を増加させ得る。あるいは、前記フローガイディング部材は、前記複数の導電粒子が前記複数の接続バンプの前記表面を離れる(去る)のを防止するために、前記導電媒体のフローを妨げて、その結果、前記複数の接続バンプの前記表面上の前記複数の導電粒子の数の減少を防止し得る。
【0006】
また、本発明の別の目的は、チップの表面上に配置された複数の接続バンプ群を備える、チップのフローガイディング構造を提供することである。前記複数の接続バンプ群はそれぞれ、複数のバンプを含む。前記チップを基板部材上に配置する間、前記複数のバンプは前記導電媒体のフローを妨げて、その結果、前記複数の導電粒子が前記複数のバンプの表面を離れる(去る)のを防止して、前記複数のバンプの前記表面上の前記複数の導電粒子の数の減少を防止し得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の接続バンプと、少なくとも1つのフローガイディング部材と、を備えるチップのフローガイディング構造を提供する。前記複数の接続バンプは、チップの表面上に配置されている。前記少なくとも1つのフローガイディング部材は、前記チップの前記表面上に配置され、かつ前記複数の接続バンプに隣接している。前記フローガイディング部材は、導電媒体をブロックし前記導電媒体が強制的に前記複数の接続バンプに向かって流れるようにするために、または、前記導電媒体のフローを妨げて、それにより、前記複数の接続バンプの前記表面上の複数の導電粒子の数が過度に減少するのを防止するために、用いられる。
【0008】
また、本発明は、チップの表面上に配置された複数の接続バンプ群を備える、別のチップのフローガイディング構造を提供する。前記複数の接続バンプ群はそれぞれ、複数のバンプを含む。同一の接続バンプ群内の前記複数のバンプは、互いに隣接し、かつ同一の電気接続部材に対応している。当該構造は、導電媒体をブロックし、前記導電媒体のフローを妨げて、その結果、前記複数のバンプの表面上の複数の導電粒子の数が過度に減少するのを防止するために、用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。
【
図2】本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。
【
図3】本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。
【
図4】本発明の第2の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。
【
図5】本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。
【
図6】本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。
【
図7】本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。
【
図8】本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。
【
図9】本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。
【
図10】本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。
【
図11】本発明の第5の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。
【
図12】本発明の第6の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。
【
図13】本発明の第6の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の構造および特性、ならびに有効性がさらに理解および認識されるようにするために、本発明の詳細な説明を、複数の実施形態および添付の図面とともに、以下に提供する。
【0011】
図1を参照されたい。
図1は、本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。図に示すように、本発明によるフローガイディング構造1は、複数の接続バンプ10と、少なくとも1つのフローガイディング部材20と、を備える。
【0012】
図1および
図3を参照されたい。
図3は、本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。本実施形態によれば、複数の接続バンプ10は、チップ2の表面3上に配置されている。複数の接続バンプ10の材料は導電性材料である。少なくとも1つのフローガイディング部材20は、チップ2の表面3上に配置され、複数の接続バンプ10に隣接している。少なくとも1つのフローガイディング部材20は高さH1を有し、複数の接続バンプ10は高さH2を有する。高さH1は、高さH2以下である。少なくとも1つのフローガイディング部材20は、複数の接続バンプ10よりも高くはない。
【0013】
図1および
図3、ならびに
図2を参照されたい。
図2は、本発明の第1の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。図に示すように、本実施形態によるフローガイディング部材20の数は、多数であり得る。フローガイディング部材20は、説明のための一例として理解される。フローガイディング部材20は、複数の接続バンプ10に隣接する複数のフローガイディングバンプ22を含み得る。フローガイディングバンプ22の第1の側面221は、複数の接続バンプ10の第2の側面101に対応する。第1の側面221の面積は、第2の側面101の面積よりも大きくてもよい。ディスプレイパネルまたは回路基板であり得る基板部材30上にチップ2が配置されるとき、フローガイディングバンプ22は導電媒体40を効果的にブロックし、導電媒体40のフローを妨げ、導電媒体40を複数の接続バンプ10に逆流せざるを得ないようにし得る。すなわち、フローガイディングバンプ22は、導電媒体40が複数の接続バンプ10へと流れるようにガイドする。
【0014】
図2および
図3に示すように、チップ2を基板部材30上に配置するためにチップ2の表面3に導電媒体40を加える間、力がチップ2に及ぼされることにより、導電媒体40がチップ2の表面3上を流れることが可能になる。
図2に示されるように、導電媒体40は、フローガイディングバンプ22によってブロックされ、その結果、そのフローを妨げることになる。加えて、導電媒体40は、フローガイディングバンプ22によってブロックされた後、複数の接続バンプ10へと逆流することになる。
図3に示すように、導電媒体40内に含まれる複数の導電粒子42は、それに応じて複数の接続バンプ10に向かって移動し、複数の接続バンプ10の表面に達することになる。複数の電気接続部材32は、基板部材30上に配置されている。複数の接続バンプ10はそれぞれ、当該複数の電気接続部材32に対応している。
【0015】
チップ2が基板部材30上に配置されるとき、複数の接続バンプ10の表面上に位置する導電粒子42は、複数の接続バンプ10と対応する電気接続部材32とを接触(コンタクト)させることになる。それにより、複数の接続バンプ10は対応する電気接続部材32と電気的に接続され得るが、これは、チップ2が基板部材30に電気的に接続され得ることを意味する。フローガイディングバンプ22は、導電媒体40をブロックし、導電媒体40のフローを妨げ、その結果、導電粒子42が複数の接続バンプ10の表面を離れる(去る)(leave)のを防止する。さらに、導電媒体40がフローガイディングバンプ22によってブロックされ、複数の接続バンプ10へと逆流するとき、導電粒子42は、複数の接続バンプ10に向かって移動し、その結果、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間の導電粒子42の数が増加する。それにより、チップ2と基板部材30との間の伝送能力が向上する。本発明の一実施形態によれば、フローガイディングバンプ22が電気接続部材32に対応していることは要求されない。換言すれば、フローガイディングバンプ22が電気接続部材32に電気的に接続されていることは要求されない。
【0016】
再び
図3を参照されたい。フローガイディング部材20の少なくとも1つの側面は、複数の接続バンプ10に隣接している。フローガイディング部材20の少なくとも1つの側面は、非傾斜面または傾斜面であり得る。本実施形態によれば、フローガイディングバンプ22は、少なくとも1つのフローガイディング部材20の実施例である。フローガイディングバンプ22の少なくとも1つの側面は、傾斜面202または非傾斜面であり得る。導電媒体40が流れるとき、傾斜面202は、導電媒体40と、その中に含まれる導電粒子42とをガイドして、複数の接続バンプ10に向かって移動させ、その結果、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間の導電粒子42の数を増加させ得る。フローガイディングバンプ22の傾斜面202と底面203との間の角度は、鋭角であり得る。フローガイディングバンプ22は、導電性または非導電性であり得る。導電媒体40は異方性導電膜(anisotropic conductive film:ACF)であり得るが、それに限定されるものではない。
【0017】
図4を参照されたい。
図4は、本発明の第2の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。図に示すように、本実施形態によれば、2つ以上のフローガイディングバンプ22が少なくとも1つの接続バンプ10の周囲に配置され得る。すなわち、接続バンプ10の前側面、後側面、左側面、または右側面にそれぞれ対向して、1つのフローガイディングバンプ22が配置され得る。多数のフローガイディングバンプ22は、当該少なくとも1つの接続バンプ10の複数の側面に隣接している。導電媒体40のフローを制限するためにフローガイディングバンプ22を用いることによって、導電粒子42は、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間に集まらざるを得ないようにし得る。
【0018】
図5を参照されたい。
図5は、本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。図に示すように、本実施形態によるフローガイディング構造1は、チップ2の表面3上に配置されてそれぞれ複数のバンプ52を含む、複数の接続バンプ群50を備える。同一の接続バンプ群50内の複数のバンプ52は互いに隣接しており、基板部材30の同一の電気接続部材32に対応している。第1の実施形態と比較して、本実施形態による複数の接続バンプ10は、同一の電気接続部材32に対応する複数のバンプ52に分割されている。
【0019】
図5、
図6および
図7を参照されたい。
図6は、本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示し、
図7は、本発明の第3の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。図に示すように、本実施形態によれば、チップ2を基板部材30上に配置するために導電媒体40をチップ2の表面3に加える間、力がチップ2に及ぼされることにより、導電媒体40がチップ2の表面3上を流れることが可能になる。導電媒体40はバンプ22によってブロックされ、その結果、バンプ52の周囲の導電媒体40を最大限に維持する(とどまらせる)ために、そのフローが妨げられる。これにより、導電粒子42はバンプ52の表面を離れる(去る)のを防止され得、バンプ52と電気接続部材32との間に集められ得る。
【0020】
図8を参照されたい。
図8は、本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。図に示すように、本実施形態によるフローガイディング構造1は、複数の接続バンプ10と、少なくとも1つのフローガイディング部材20と、を備える。本実施形態によれば、少なくとも1つのフローガイディング部材20は、チップ2の回路領域4内に詰められ(stuffed)複数の接続バンプ10に隣接している、少なくとも1つの詰め物部材(stuffing member)24であり得る。回路領域4は、回路の配置されているチップ2内の領域である。本実施形態によれば、少なくとも1つの詰め物部材24は、複数の接続バンプ10を取り囲む。
図10に示すように、少なくとも1つの詰め物部材24は高さH1を有する;複数の接続バンプ10は高さH2を有する。高さH1は、高さH2以下である。
【0021】
図8、
図9および
図10を参照されたい。
図9は、本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示し、
図10は、本発明の第4の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。図に示すように、チップ2を基板部材30上に配置するためにチップ2の表面3に導電媒体40を加える間、力がチップ2に及ぼされ、その結果、導電媒体40がチップ2の表面3上および少なくとも1つの詰め物部材24の表面上を流れることが可能になる。少なくとも1つの詰め物部材24が複数の接続バンプ10を取り囲んでいるので、チップ2の表面3上の導電媒体40は、少なくとも1つの詰め物部材24によってブロックされ、その結果、複数の接続バンプ10の位置の周囲を流れるよう制限されることになる。すなわち、少なくとも1つの詰め物部材24は、導電媒体40をガイドして、複数の接続バンプ10の表面へと流れるようにし、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間に導電粒子42を集める。さらに、チップ2を基板部材30に配置するためにチップ2に力が及ぼされるとき、少なくとも1つの詰め物部材24の表面上に位置する導電媒体40は、少なくとも1つの詰め物部材24によってブロックされ、その結果、少なくとも1つの詰め物部材24によって詰められていないチップ2の表面へと流れるように導電媒体40が駆動される、すなわち、複数の接続バンプ10の位置へと流れるように導電媒体40が駆動される。
図10に示すように、少なくとも1つの詰め物部材24の表面上に位置する導電媒体40内に含まれる導電粒子42は、それに応じて複数の接続バンプ10に向かって移動することになる。その結果、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間の導電粒子42の数が増加することになる。
【0022】
再び
図10を参照されたい。本実施形態によれば、少なくとも1つの詰め物部材24の少なくとも1つの側面は、複数の接続バンプ10に隣接している。少なくとも1つの詰め物部材24の当該少なくとも1つの側面は、傾斜面であり得る。あるいは、それは非傾斜面であってもよい。本実施形態によれば、少なくとも1つの詰め物部材24の材料は、絶縁材料、例えばポリイミド(polyimide:PI)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene:BCB)であるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
図11を参照されたい。
図11は、本発明の第5の実施形態によるフローガイディング構造の上面図を示す。図に示すように、本実施形態によるフローガイディング構造1は、複数の詰め物部材24を備え得る。詰め物部材24は、ギャップ242によって離隔されている。チップ2を基板部材30上に配置するためにチップ2の表面3および詰め物部材24の表面に導電媒体40を加える間、チップ2の表面3上に位置する導電媒体40は、詰め物部材24によってブロックされ、その結果、導電媒体40のフローが妨げられることになる。導電媒体40は、複数の接続バンプ10に逆流することになる。すなわち、導電媒体40は、複数の接続バンプ10の表面へと流れるようガイドされる。さらに、上述したように、詰め物部材24の表面上に位置する導電媒体40は、複数の接続バンプ10へと流れることになる。本実施形態によれば、詰め物部材24の少なくとも一方の側面は、傾斜面であり得る。
【0024】
図12を参照されたい。
図12は、本発明の第6の実施形態によるフローガイディング構造の立体図を示す。図に示すように、本実施形態による詰め物部材24はさらに、詰め物部材24が複数の接続バンプ10の側面を包囲するように、複数の接続バンプ10間の複数のギャップ12内に詰められている。本実施形態によれば、詰め物部材24は、チップ2のほぼすべての表面を覆っている。一実施形態によれば、詰め物部材24の高さは、複数の接続バンプ10の高さ以下であり得る。
【0025】
図12および
図13を参照されたい。
図13は、本発明の第6の実施形態によるフローガイディング構造の断面図を示す。図に示すように、チップ2を基板部材30上に配置するために詰め物部材24の表面に導電媒体40を加える間、上述のように、詰め物部材24の表面上の導電媒体40は、複数の接続バンプ10へと流れることになる。
図13に示されるように、導電媒体40内に含まれる導電粒子42は、それに応じて複数の接続バンプ10に向かって移動することになる。その結果、複数の接続バンプ10と電気接続部材32との間の導電粒子42の数が増加することになる。効果を高めるために、上述の複数の実施形態が相互に適用されてもよい。
【0026】
要約すれば、本発明は、チップのフローガイディング構造を提供するものであり、前記チップのフローガイディング構造は、チップの表面上に配置される少なくとも1つのフローガイディング部材であって、チップの表面上に配置される複数の接続バンプに隣接する前記少なくとも1つのフローガイディング部材を備える。前記フローガイディング部材は、導電媒体をブロックし、前記導電媒体をガイドして、前記複数の接続バンプに向かって流れるようにし、その結果、前記複数の接続バンプの表面上の複数の導電粒子の数を増加させ得る。あるいは、前記フローガイディング部材は、前記複数の導電粒子が前記複数の接続バンプの前記表面を離れる(去る)のを防止するために、前記導電媒体のフローを妨げ得る。加えて、前記接続バンプは、複数のバンプに分割され得る。前記複数のバンプは、前記複数のバンプの周囲の前記導電媒体を維持するために、前記導電媒体のフローを妨げて、その結果、前記複数のバンプの表面上に位置する前記複数の導電粒子が離れる(去る)のを防止し得る。
【0027】
したがって、本発明はその新規性、非自明性および有用性ゆえに、法的要件に適合している。しかしながら、前述の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するために使用されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載された形状、構造、特徴、または趣旨にしたがってなされるこれらの均等な変更または修正は、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものである。
【外国語明細書】