(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028637
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】土工機械のための土工ローラ
(51)【国際特許分類】
E02D 3/026 20060101AFI20220208BHJP
E01C 19/26 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
E02D3/026
E01C19/26
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126639
(22)【出願日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】10 2020 120 376.4
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508123375
【氏名又は名称】ハム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Hamm AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・マイアー
【テーマコード(参考)】
2D043
2D052
【Fターム(参考)】
2D043CB01
2D052BB03
(57)【要約】
【課題】容易な方法で、様々な作業プロセスに適応可能である土工機械のための土工ローラを供給する。
【解決手段】作業ジャケットセグメント(40)それぞれは、セグメントシェル(42)を有し、セグメントシェル(42)それぞれの上では、支持体ジャケット(34)の支持体ジャケット外側面(36)に対向する、又は/及び、支持体ジャケット外側面(36)に支持された、セグメントシェル内側面に、径方向内側に向かって突出した複数の固定機構(76)が固定して配置されており、支持体ジャケット(34)内では、固定機構(76)それぞれに割り当てて、固定機構係合開口部(78)が設けられており、固定機構係合開口部(78)に係合する固定機構(76)それぞれは、支持体ジャケット(34)の支持体ジャケット内側面において、ローラ本体(22)に対して固定するために突出している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ本体(22)を回転可能に支承するための支持体構造(28)と、径方向外側において前記支持体構造(28)に支持された支持体ジャケット(34)と、を有する、ローラ回転軸(W)の周りに回転可能なローラ本体(22)と、
周方向において連続する複数の作業ジャケットセグメント(40)を有し、支持体ジャケット外側面(36)に接し、かつ土工ローラ(20)の作業外側面(46)を供給する作業ジャケット(38)と、
を含んでいる、土工機械のための土工ローラであって、
前記作業ジャケットセグメント(40)それぞれは、セグメントシェル(42)を有し、
前記セグメントシェル(42)それぞれの上では、前記支持体ジャケット(34)の前記支持体ジャケット外側面(36)に対向する、又は/及び、前記支持体ジャケット外側面(36)に支持された、セグメントシェル内側面(74)に、径方向内側に向かって突出した複数の固定機構(76)が固定して配置されており、
前記支持体ジャケット(34)内では、前記固定機構(76)それぞれに割り当てて、固定機構係合開口部(78)が設けられており、
前記固定機構係合開口部(78)に係合する前記固定機構(76)それぞれは、前記支持体ジャケット(34)の支持体ジャケット内側面(86)において、前記ローラ本体(22)に対して固定するために突出している土工ローラ。
【請求項2】
前記セグメントシェル(42)上には、前記固定機構(76)の領域において、前記セグメントシェル(42)を貫通する開口部が設けられていないことを特徴とする、請求項1に記載の土工ローラ。
【請求項3】
前記セグメントシェル(42)に、前記ローラ回転軸の方向において互いに間隔を有して位置している少なくとも3つの接続領域(54、56、58、60)において、それぞれ少なくとも1つの固定機構(76)が固定して配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の土工ローラ。
【請求項4】
前記セグメントシェル(42)それぞれの軸方向端部領域(62、64)に位置する端部接続領域(66、68)に、互いに対して周方向間隔を有して配置された少なくとも2つの固定機構(76)が固定して配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の土工ローラ。
【請求項5】
前記端部接続領域(66、68)において、前記固定機構(76)同士の周方向間隔が、前記固定機構(76)それぞれの、前記固定機構それぞれに直接隣接するセグメントシェルの長手方向縁部(44)に対する周方向間隔よりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の土工ローラ。
【請求項6】
前記セグメントシェル(42)それぞれの軸方向端部領域(62、64)の間に位置する少なくとも1つの中央接続領域(70、72)において、前記固定機構(76)が、好ましくは前記セグメントシェル(42)の周方向中央領域に固定して配置されていることを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記固定機構(76)に割り当てて、前記支持体ジャケット(34)の前記支持体ジャケット内側面(86)には、固定領域(80)が固定して配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項8】
前記固定領域(80)それぞれが、前記支持体ジャケット(34)に、軸方向において前記固定機構係合開口部(78)に続いて、固定して配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の土工ローラ。
【請求項9】
前記中央接続領域(70、72)に配置された前記固定機構(76)に割り当てて設けられた少なくとも1つの前記固定領域(80)が、前記支持体構造(28)に設けられていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の土工ローラ。
【請求項10】
前記支持体構造(28)が、前記支持体ジャケット(34)の前記支持体ジャケット内側面(86)に接続された少なくとも1つの支持体プレート(24、26)を含んでおり、前記中央接続領域(70、72)に固定して配置された前記固定機構(76)に割り当てて設けられた、少なくとも1つの前記固定領域(80)は、前記支持体プレート(24、26)の径方向外側領域に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の土工ローラ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記固定領域(80)が、前記支持体ジャケット(34)の前記支持体ジャケット内側面(86)上に、径方向内側に向かって突出した固定突起(115)を含むことを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項12】
少なくとも1つの前記固定領域(80)には、前記固定機構(76)がネジ接続によって固定可能であることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項13】
前記固定機構(76)の内の少なくとも1つの固定機構が、プレート状に形成されており、周方向において延在するように配置されていることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項14】
少なくとも1つの前記中央接続領域(70、72)には、少なくとも1つのプレート状で周方向に延在した前記固定機構(76)が配置されていることを特徴とする、請求項6を引用する請求項13に記載の土工ローラ。
【請求項15】
少なくとも1つの前記端部接続領域(66、68)には、少なくとも1つのプレート状で周方向に延在した前記固定機構(76)が配置されていることを特徴とする、請求項4を引用する、請求項13又は14に記載の土工ローラ。
【請求項16】
前記固定機構(76)の内の少なくとも1つの固定機構が、ボルト状に形成されており、概ね径方向において延在するように配置されていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項17】
少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在する前記固定機構(76)が、雄ネジを有するように形成されていることを特徴とする、請求項16に記載の土工ローラ。
【請求項18】
少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在する前記固定機構(76)が、前記セグメントシェル(42)に対して間隔を有して配置され、前記セグメントシェルを前記支持体ジャケットに固定するためにクランプジョーアセンブリ(100)と協働するボルト頭部(98)を有していることを特徴とする、請求項16又は17に記載の土工ローラ。
【請求項19】
前記クランプジョーアセンブリ(100)が、2つの互いに向かい合う、少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在する前記固定機構(76)の前記ボルト頭部(98)を包囲する、互いに対して固定されたクランプジョー(104、106)を含むことを特徴とする、請求項18に記載の土工ローラ。
【請求項20】
ボルト状で概ね径方向に延在する前記固定機構(76)の少なくとも1つの前記ボルト頭部(98)を包囲する前記クランプジョーアセンブリ(100)の前記クランプジョー(104、106)が、前記支持体ジャケット(34)の前記支持体ジャケット内側面(86)に支持されており、前記クランプジョーによって包囲された少なくとも1つの前記ボルト頭部(98)に、径方向内側に向かって加えられる力の作用を生じさせることを特徴とする、請求項19に記載の土工ローラ。
【請求項21】
少なくとも1つの前記クランプジョーアセンブリ(100)が、周方向において互いに直接隣接する前記作業ジャケットセグメント(40)の前記セグメントシェル(42)に配置された、ボルト状で概ね径方向に延在している2つの前記固定機構(76)の前記ボルト頭部(98)と協働することを特徴とする、請求項19又は20に記載の土工ローラ。
【請求項22】
少なくとも1つの前記端部接続領域(66、68)には、少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在する前記固定機構(76)が固定して配置されていることを特徴とする、請求項4を引用する請求項16から21のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項23】
少なくとも1つの前記固定機構係合開口部(78)が、スリット状である、又は/及び、概ね周方向において細長いことを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項24】
ボルト状で概ね径方向に延在している前記固定機構(76)によって係合される少なくとも1つの前記固定機構係合開口部(78)が、前記固定機構係合開口部(78)に係合するボルト状で概ね径方向に延在している前記固定機構(76)のボルト脚部(94)を受容するために、長手方向領域(96)において、前記固定機構係合開口部の長手方向延在方向に対して横に拡大していることを特徴とする、請求項16から22のいずれか一項を引用する請求項23に記載の土工ローラ。
【請求項25】
周方向において直接連続する少なくとも2つの前記作業ジャケットセグメント(40)の、前記固定機構係合開口部(78)に係合する前記固定機構(76)が、前記支持体ジャケット(34)の径方向内側に配置された周方向クランプ機構(116)によって、周方向において互いにクランプされていることを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項26】
-前記作業ジャケット(38)が、少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つの作業ジャケットセグメント(40)を含んでいること、又は/及び、
-前記作業ジャケットセグメント(40)が、前記作業ジャケット(38)の概ね構造化されていない、閉じられた前記作業外側面(46)を供給すること、若しくは、前記作業ジャケットセグメント(40)には、前記作業ジャケット(38)の構造化された前記作業外側面(46)を供給するために、径方向外側に向かって突出したローラ工具(48)が配置されていることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の土工ローラ。
【請求項27】
少なくとも1つの、請求項1から26のいずれか一項に記載の土工ローラ(20)を含む土工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土工機械のための土工ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
土工ローラを有する構造の土工機械は、様々な領域において、底土の土工作業に用いられる。このような土工機械は、例えば道路建設において、アスファルト材料又はアスファルト材料の下側に位置する底土を圧縮するために、ソイルコンパクタとして用いられ、圧縮される材料の可能な限り平らな表面を得るために、このようなソイルコンパクタとして機能する土工機械に設けられるコンパクタローラは、構造化されていない、すなわち略平らで閉じられた作業外側面を有している。他の作業プロセスに関しては、土工ローラに構造化された作業外側面を供給するために、例えばタンパー脚部(Stampffuesse)又はドリルビット等のローラ工具が設けられていてよい。
【0003】
特許文献1からは、コンパクタローラが、ローラジャケット上に、タンパー脚部の形状で形成されたローラ工具を支持しており、これによって、土工ローラが基本的に、構造化された作業外側面を有するように構成された土工機械が知られている。この既知の土工機械の土工ローラを、平らで構造化されていない作業外側面を必要とする作業領域においても使用可能にするために、ローラジャケットには、周方向において連続する複数の被覆セグメントが、ネジによって固定され得る。被覆セグメントが土工ローラに固定されている場合、被覆セグメントは、土工ローラを、そのローラジャケットに設けられたタンパー脚部と共に包囲する、平らな、すなわち概ね構造化されていない作業外側面を形成する。この既知の土工機械において、コンパクタローラが被覆セグメントによって包囲されているか否か次第で、作業外側面は、フレームに回転可能に支持された土工ローラの各ローラジャケットによってか、又は、ローラジャケットを包囲する被覆セグメントによって供給されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第3427675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、容易な方法で、様々な作業プロセスに適応可能である土工機械のための土工ローラを供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、本課題は、ローラ本体を回転可能に支承するための支持体構造と径方向外側において支持体構造に支持された支持体ジャケットとを有する、ローラ回転軸の周りに回転可能なローラ本体と、周方向において連続する複数の作業ジャケットセグメントを有し、支持体ジャケット外側面に接し、かつ土工ローラの作業外側面を供給する作業ジャケットと、を含んでいる土工機械のための土工ローラによって解決され、各作業ジャケットセグメントは、セグメントシェルを有し、各セグメントシェル上では、支持体ジャケットの支持体ジャケット外側面に対向する、又は/及び、支持体ジャケット外側面に支持された、セグメントシェル内側面に、径方向内側に向かって突出した複数の固定機構が固定して配置されており、支持体ジャケット内では、各固定機構に割り当てて、固定機構係合開口部が設けられており、固定機構係合開口部に係合する各固定機構は、支持体ジャケットの支持体ジャケット内側面において、ローラ本体に固定するために、又は、ローラ本体に対して突出している。
【0007】
本発明に係る土工ローラは、先行技術から知られた土工ローラとは、基本的に、ローラ回転軸の周りに回転可能に支持体構造に支持されたジャケットが、作業外側面を供給するローラジャケットではなく、実施されるべき作業プロセスのために作業外側面を供給する作業ジャケットが別個のアセンブリとして固定されている、又は、固定可能である支持体ジャケットであることによって異なる。
【0008】
これは、本発明に係る土工ローラの場合、土壌の土工のいずれの動作状態においても、支持体ジャケットが作業外側面を供給していないこと、及び、土壌の土工のいずれの動作状態においても、作業外側面が、作業ジャケットによって、すなわち、ローラ本体に別個のアセンブリとして固定されるべき作業ジャケット上に供給されていることを意味している。
【0009】
その結果、支持体ジャケットには、複数の作業ジャケットセグメントで構成された作業ジャケットの明確かつ安定した固定を可能にする構造を設けることが可能であり、このような構造が、土工ローラの作業外側面に設けられる場合、一方では土工作業の結果を損ねる可能性があり、他方ではその機能を損なう摩耗が生じる可能性があるということを考慮する必要はなくなる。
【0010】
例えばアスファルト材料等の土工作業が行われる土壌に描出され得る構造による土工プロセスの阻害を回避するために、固定機構の領域において、セグメントシェルに、セグメントシェルを貫通する開口部が設けられていないことが提案される。これは、セグメントシェルが、固定機構が設けられている領域においても、及び、当該領域において特に、閉じられており、従って、貫通する、中断されない外側表面を供給していることを意味している。
【0011】
作業ジャケットセグメントのローラ本体への安定した固定のために、さらに、セグメントシェルに、ローラ回転軸の方向において互いに間隔を有して位置している少なくとも3つの接続領域において、それぞれ少なくとも1つの固定機構が固定して配置されていることが提案される。
【0012】
このために、例えば各セグメントシェルの軸方向端部領域に位置する端部接続領域に、互いに対して周方向間隔を有して配置された少なくとも2つの固定機構が、固定して配置されていてよい。
【0013】
この際、特にセグメントシェルを、その周方向に位置する周縁領域において固定することを可能にするために、さらに、端部接続領域において、固定機構同士の周方向間隔が、各固定機構の各固定機構に直接隣接するセグメントシェルの長手方向縁部に対する周方向間隔よりも大きいことが提案される。
【0014】
さらに、各セグメントシェルの軸方向端部領域の間に位置する少なくとも1つの中央接続領域における、作業ジャケットセグメントの、ローラ本体への安定した固定のために、固定機構は、例えばセグメントシェルの周方向中央領域に固定して配置されている。このような中央接続領域を、必ずしも正確に、各セグメントシェルの軸方向長手中央に位置決めする必要はないことが指摘される。
【0015】
作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するために、少なくとも1つの、好ましくは各固定機構に割り当てて、支持体ジャケットの支持体ジャケット内側面には、固定領域が固定して配置されていてよい。
【0016】
この際、固定領域とセグメントシェルに設けられた固定機構との間における固定相互作用を容易に可能にするために、各固定領域が、支持体ジャケットに、軸方向において固定機構係合開口部に続いて、固定して配置されていることが提案される。その結果、固定機構係合開口部に係合する固定機構は、配設された固定領域の直接隣に位置決めされ、従って、当該固定領域に固定され得る。
【0017】
容易かつ安定した構造のために、中央接続領域に配置された固定機構に割り当てて設けられた少なくとも1つの固定領域が、支持体構造に設けられていてよい。
【0018】
このために、例えば支持体構造は、支持体ジャケットの支持体ジャケット内側面に接続された少なくとも1つの支持体プレートを含むことが可能であり、少なくとも1つの固定領域、好ましくは中央接続領域に固定して配置された固定機構に割り当てて設けられた各固定領域は、支持体プレートの径方向外側領域に設けられていてよい。
【0019】
支持体構造による1つ又は複数の固定領域の供給に対して代替的又は付加的に、少なくとも1つの固定領域が、支持体ジャケットの支持体ジャケット内側面において径方向内側に向かって突出した固定突起を含むことが可能である。
【0020】
容易に形成される、安定した、かつ、容易に解除され得る接続のために、少なくとも1つの固定領域、好ましくは各固定領域に、固定機構がネジ接続によって固定可能であってよい。
【0021】
作業ジャケットセグメントのローラ本体への安定した接続は、さらに、固定機構の内の少なくとも1つがプレート状に形成されており、周方向において延在するように配置されていることによって支援され得る。
【0022】
例えば、少なくとも1つの中央接続領域には、少なくとも1つのプレート状で、周方向に延在する固定機構が配置されていてよい。
【0023】
代替的又は付加的に、少なくとも1つの端部接続領域に、少なくとも1つのプレート状で、周方向に延在する固定機構が配置されていてよい。
【0024】
別の態様では、少なくとも1つの固定機構、好ましくは複数の固定機構が、ボルト状に形成され、概ね径方向に延在するように配置されていてよい。
【0025】
この際、支持体ジャケットへの安定した接続は、例えば少なくとも1つのボルト状の、概ね径方向に延在する固定機構が、雄ネジを有するように形成されていることによって得られる。このような雄ネジに取り付けられたナットによって、支持体ジャケットに関する固定が行われ得る。
【0026】
別の態様では、ボルト状で概ね径方向に延在する少なくとも1つの固定機構、好ましくは各固定機構は、セグメントシェルに対して間隔を有して配置され、セグメントシェルを支持体ジャケットに固定するためにクランプジョーアセンブリと協働するボルト頭部を有し得る。
【0027】
この際、このようなクランプジョーアセンブリは、2つの互いに向かい合う、少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在する固定機構のボルト頭部を包囲する、互いに対して固定されたクランプジョーを含み得る。
【0028】
ローラ本体への安定した、間隙を生じない固定を保証するために、さらに、ボルト状で概ね径方向に延在する固定機構の少なくとも1つのボルト頭部を包囲するクランプジョーアセンブリのクランプジョーは、支持体ジャケットの支持体ジャケット内側面に支持されており、クランプジョーによって包囲された少なくとも1つのボルト頭部に、径方向内側に向かって加えられる力の作用を生じさせることが提案される。
【0029】
少なくとも1つのクランプジョーアセンブリが、周方向において互いに直接隣接する作業ジャケットセグメントのセグメントシェルに配置された、ボルト状で概ね径方向に延在している2つの固定機構のボルト頭部と協働する場合、作業ジャケットセグメントが、その周方向に位置する周縁領域の近くで、支持体ジャケットに固定され得ることが保証されている。
【0030】
例えば、少なくとも1つの端部接続領域に、少なくとも1つのボルト状で概ね径方向に延在している固定機構が、固定して配置されていてよい。
【0031】
固定機構と協働するために、少なくとも1つの固定機構係合開口部、好ましくは各固定機構係合開口部が、スリット状、又は/及び、概ね周方向において細長いことが規定されていてよい。
【0032】
ボルト状に形成された固定機構の安定した接続のために、当該固定機構は、支持体ジャケットに、例えば溶接によって固定された、径方向に拡大したボルト脚部を有し得る。このように形成された固定機構を、当該固定機構に配設された固定機構係合開口部に受容可能にするために、さらに、ボルト状で概ね径方向に延在している固定機構によって係合される少なくとも1つの固定機構係合開口部が、当該固定機構係合開口部に係合するボルト状で概ね径方向に延在している固定機構のボルト脚部を受容するために、長手方向領域において、その長手方向延在方向に対して横に拡大していることが提案される。このような固定機構を有するように構成され、環状に湾曲した作業ジャケットセグメントを支持体ジャケットに取り付ける際、ボルト状の固定機構は、そのボルト頭部で、係合開口部の拡大された長手方向領域に接続する部分を、ボルト脚部がそれぞれ拡大された長手方向領域に進入するまで貫通する。
【0033】
複数の、又は、全ての周方向において連続する作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するための別の代替的な態様では、周方向において直接連続する少なくとも2つの、好ましくは全ての作業ジャケットセグメントの、固定機構係合開口部に係合する固定機構は、支持体ジャケットの径方向内側に配置された周方向クランプ機構によって、周方向において互いにクランプされていてよい。
【0034】
作業ジャケットは、例えば少なくとも4つ、好ましくは少なくとも6つの作業ジャケットセグメントを含み得る。これによって、環状に湾曲した作業ジャケットセグメントそれぞれが、径方向外側から、支持体ジャケットに近づけられ、作業ジャケットセグメントに設けられた固定機構で、支持体ジャケット内の配設された固定機構係合開口部を貫通し得ることが保証される。
【0035】
特に、例えばアスファルト材料又はこのようなアスファルト材料の下側に位置する底土を圧縮するためといったように、道路建設において圧縮プロセスを実施するためには、作業ジャケットセグメントが、作業ジャケットの概ね構造化されていない、閉じられた作業外側面を供給していると有利である。例えば土壌物質等の圧縮、又は、硬質な底土の破砕といった、別の作業プロセスの場合、作業ジャケットセグメントに、作業ジャケットの構造化された作業外側面の供給のために、径方向外側に向かって突出したローラ工具が配置されていると有利である。
【0036】
本発明はさらに、少なくとも1つの本発明に係る土工ローラを備えた土工機械に関する。
【0037】
以下に、添付された図面を参照して、本発明を詳細に記載する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】土工ローラを備えた土工機械の斜視図である。
【
図2】
図1に係る土工機械の土工ローラを示す斜視図である。
【
図3】ローラ本体に設けられた作業ジャケットの、土工ローラのローラ本体から離れた作業ジャケットセグメントを備えた、
図2に係る土工ローラを示す図である。
【
図4】作業ジャケットセグメントの内側面を観察した図である。
【
図5】径方向外側から見た、
図2及び
図3に係る土工ローラのローラ本体を示す図である。
【
図6】
図5に係るローラ本体を示す軸方向図である。
【
図7】作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するための、ボルト状に形成された固定機構と協働するクランプジョーアセンブリを示す図である。
【
図8】ローラ本体から径方向に離れた作業ジャケットセグメントを示す図である。
【
図9】土工ローラの軸方向端部領域を、ローラ本体に、
図7に係るクランプジョーアセンブリによって固定された作業ジャケットセグメントと共に示す図である。
【
図10】作業ジャケットセグメントに関する代替的な取り付け方法を有する、土工ローラの軸方向端部領域を示す斜視図である。
【
図11】
図10に係る土工ローラの作業ジャケットセグメントの内側面を観察した図である。
【
図12】
図11に示したような作業ジャケットセグメントのボルト状固定機構を示す図である。
【
図13】作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するための、さらなる代替的な態様の
図10に対応する図である。
【
図14】
図13に係る土工ローラの作業ジャケットセグメントの内側面を観察した図である。
【
図15】
図13に係る土工ローラの軸方向端部領域を示す図である。
【
図16】作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するための、さらなる代替的な態様の
図10に対応する図である。
【
図18】作業ジャケットセグメントをローラ本体に固定するための、さらなる代替的な態様の
図10に対応する図である。
【
図19】
図18に係る土工ローラの作業ジャケットセグメントの内側面を観察した図である。
【
図20】ローラ本体を包囲する作業ジャケットの別の態様を有する土工ローラの、
図2に対応する図である。
【
図21】ローラ本体を包囲する作業ジャケットの別の態様を有する土工ローラの、
図2に対応する別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1では、土工機械全体に、参照符号10が付されている。土工機械10は、車両後部12に設けられた駆動ユニットを有する車両後部12と、駆動ユニットによって、例えばディーゼル内燃機関によって駆動される車輪14と、を含んでいる。車両後部12には、さらに、土工機械10を操作する操作員のためのキャビン16が設けられている。
【0040】
車両後部12と旋回可能に接続された車両前部18には、全体として符号20が付された土工ローラが、ローラ回転軸Wの周りに回転可能に支持されている。
図2に詳細に示された土工ローラ20は、車両前部18に回転可能に支承されたローラ本体22を有するように構成されている。ローラ本体22は、図示された実施例では、一般的に円形板金とも称される、互いに軸方向間隔を有して配置された2つの支持体プレート24、26を有するように構成された支持体構造28を含んでおり、支持体構造28は、各支承領域を通じて、車両前部18の側方のフレーム領域30、32に、ローラ回転軸Wの周りに回転可能に支持されている。その外周領域において、両方の支持体プレート24、26は、例えば溶接によって、略円筒形かつ環状で閉じられた支持体ジャケット34に固定されている。
【0041】
支持体ジャケット外側面36には、全体として符号38が付された作業ジャケットが設けられている。図示された実施例において、作業ジャケット38は、周方向において連続し、互いに直接接続された6つの作業ジャケットセグメント40を含んでおり、作業ジャケットセグメント40は、支持体ジャケット34の環状に湾曲した外周輪郭に適応して湾曲したセグメントシェル42を有している。
図2からは、セグメントシェル42が、その周方向において互いに接続されたセグメントシェルの長手方向縁部44において、かみ合わせのように、互いに係合していることが認識される。代替的に、セグメントシェルの長手方向縁部44は、ローラ回転軸Wの方向において直線状に延在しているように構成されていてもよいであろう。
【0042】
図示された実施例において、圧縮ローラ20は、いわゆる砕土ローラとして構成されており、このために、作業ジャケット38の作業外側面46において、作業ジャケットセグメント40それぞれの上に、複数のローラ工具48を有している。図示された例では、これらのローラ工具は、各作業ジャケットセグメント40に例えば溶接によって固定された交換ホルダ50と、当該交換ホルダ内に受容された、ドリルビットの形状における交換工具52と、を有するように構成されている。
【0043】
好ましくは互いに同一に構成され、長手中央に関して略鏡面対称に構成された作業ジャケットセグメント40のそれぞれは、ローラ回転軸Wの方向において、互いに対して軸方向間隔を有する4つの接続領域54、56、58、60を有している。これら4つの接続領域54、56、58、60のそれぞれにおいて、作業ジャケットセグメント40は、ローラ本体22の支持体ジャケット34に固定可能であり、これによって、作業ジャケットセグメント40の軸方向長さ全体にわたって、ローラ本体22への安定した接続が保証されている。この際、作業ジャケットセグメント40の軸方向端部領域62、64に位置する接続領域54、60が、それぞれ端部接続領域66又は68を形成する一方で、作業ジャケットセグメント40の長手中央領域の近くに位置する接続領域56、58は、それぞれ中央接続領域70、72を形成している。
【0044】
接続領域54、56、58、60のそれぞれにおいて、支持体ジャケット外側面36に対向するセグメントシェル42のセグメントシェル内側面74には、1つ又は複数の固定機構76が設けられている。この際、中央接続領域70、72に設けられた固定機構76は、プレート状に形成されており、固定機構76が概ね周方向において、径方向内側に向かって延在するように、例えば溶接によって、セグメントシェル42に固定されている。これらの中央接続領域70、72に配置された、プレート状で概ね周方向に延在する固定機構76に割り当てて、支持体ジャケット内には、スリット状で概ね周方向において細長い固定機構係合開口部78が設けられている。これらは、
図5から認識されるように、軸方向において、支持体構造28の各支持体プレート24、26に直接隣接して配置されている。
【0045】
このようなスリット状の固定機構係合開口部78それぞれに割り当てて、又は、このような固定機構係合開口部78に係合するように位置決めされるべき、中央接続領域70、72の固定機構76それぞれに割り当てて、ローラ本体には、固定領域80が形成されており、固定領域80は、固定領域80に固定されるべき固定機構76によって、径方向において部分的に重なっている。図示された実施例では、当該固定領域80は、各支持体プレート24又は26の径方向外側領域に形成されており、それぞれ2つの、例えば雌ネジが設けられた開口部82、84を含んでいる。各作業ジャケットセグメント40をローラ本体22に載置する際、中央接続領域70、72のプレート状に形成された固定機構76は、軸方向において支持体プレート24、26の直接隣に設けられた固定機構係合開口部78を貫通し、これによって、固定機構76は、支持体ジャケット内側面86において、径方向内側に向かって突出している。スタッドボルトは、概ね軸方向において、これらの固定機構76に設けられた開口部88、90を貫通することが可能であり、配設された各固定領域80の開口部82、84にねじ込まれ得る。この際、例えば、スタッドボルトの離脱を困難にする、又は、防止するために、ネジ頭と各固定機構76との間には、円盤バネ又は保護リング等が配置され得る。
【0046】
図5から認識されることに、各支持体プレート24、26の直接隣に設けられた固定機構係合開口部78は、支持体プレート24、26に関して、それぞれその互いに軸方向において背向する側に位置しており、従って、中央接続領域70、72の、スタッドボルトの使用によって支持体プレート24、26に固定されるべき固定機構76は、軸方向外側から容易に、スタッドボルトを用いて、支持体プレート24、26に固定され得る。
【0047】
端部接続領域66、68に設けられた固定機構76は、ボルト状に形成されており、セグメントシェル内側面74において概ね径方向内側に向かって延在している。
図7から認識可能であるように、これらのボルト状の固定機構76は、ボルト軸92に対して拡大されたボルト脚部94を有するように構成されており、ボルト脚部94は、溶接によって、各セグメントシェル42に固定可能であり、これによって、端部接続領域66、68のボルト状に形成された固定機構76も、セグメントシェル42に固定して配置されている。この際認識されることに、例えば各固定機構がセグメントシェル42を貫通することを可能にするための開口部は、固定機構76をそれぞれ支持するセグメントシェル42内の、いずれの固定機構76の領域においても形成されていない。その結果、特にセグメントシェル42に固定機構76が配置されている領域において、例えばセグメントシェル42の外側に向かって露出した外側面には、摩耗する、又は、作業結果を損なう開口部は、形成されていない。図示された実施例では、ローラ工具48の領域においてのみ、セグメントシェル42に開口部が形成されており、これによって、内側から交換工具52へのアクセスを有し、従って、交換工具52を、交換ホルダ50から解除することができる。しかしながら、これらの開口部は、交換ホルダ50によって外側が覆われているので、材料がこれらの開口部を通って進入する危険、又は、これらの開口部の領域内で摩耗が生じる危険は存在しない。
【0048】
端部接続領域66、68に設けられたボルト状の固定機構76に割り当てて、支持体ジャケット34内には、同様に、スリット状で概ね周方向において細長い固定機構係合開口部78が設けられている。これらの支持体ジャケット34の軸方向端部領域に配置された固定機構係合開口部78は、その長手中央に位置する長手方向領域96において、拡大部を有している。これらの拡大部に、固定機構係合開口部78に係合するように位置決めされるべきボルト状の固定機構76のボルト脚部94が、受容され得る。
【0049】
図7から認識されるように、これらのボルト状の固定機構76は、その径方向内側に突出した端部領域に、それぞれボルト軸92に対して拡大したボルト頭部98を有している。ボルト状に形成された固定機構76は、その各ボルト軸92及びボルト頭部98で、支持体ジャケット内側面86において、径方向内側に向かって突出しており、当該領域において、それぞれボルト状の固定機構76の対に配設されたクランプジョーアセンブリ100によって包囲される。各クランプジョーアセンブリ100は、軸方向において互いに向かい合う、スタッドボルト102によって互いに固定されるべき2つのクランプジョー104、106を有している。この際、このようなクランプジョーアセンブリ100によって包囲された両方のボルト状の固定機構76は、それぞれ異なる、互いに直接隣接する作業ジャケットセグメント40に配設されている。
図4から認識可能であるように、この目的で、各端部接続領域66、68に配置されたボルト状の固定機構76は、セグメントシェルの長手方向縁部44に配置されているので、隣接した作業ジャケットセグメント40に配置され、共通のクランプジョーアセンブリ100によって包囲されたボルト状の固定機構76は、作業ジャケットセグメント40の各端部接続領域66、68に配置された両方のボルト状の固定機構76よりも、互いに対して近くに位置している。
【0050】
このようなボルト状の固定機構76によって包囲されたクランプジョー104、106の対それぞれにおいて、当該クランプジョーは、配設されたセグメントシェル42のセグメントシェル内側面74に当接しており、この際、包囲されたボルト状の固定機構76に、径方向内側に向かって加えられる力の作用が生じるので、作業ジャケットセグメント40は、支持体ジャケット外側面36に対して強く引っ張られる。この目的で、ボルト状の固定機構76は、そのボルト頭部98に、それぞれ円錐形に形成された楔形面108を有しており、楔形面108は、各楔形面110と、クランプジョー104、106において、この径方向内側に向かう力を生じさせるために協働する。
【0051】
図10から
図12は、作業ジャケットセグメント40の、その端部接続領域66、68における、ローラ本体22への固定に関する代替的な態様を示している。当該態様においても、端部接続領域66、68に配置された固定機構76は、ボルト状であり、概ね径方向内側に向かって延在するように形成されているか、又は、セグメントシェル42に固定されている。各ボルト脚部94から延在するボルト軸92には、雄ネジが設けられている。周方向において直接隣接する2つのボルト状の固定機構76の、径方向内側に向かって、支持体ジャケット34から突出したボルト軸92には、まず、支持体ジャケット内側面86に当接するカバープレート112が押し込まれる。それに続いて、雄ネジが設けられたボルト軸92には、ナット114が取り付けられる。ここでも、ナット114の離脱を困難にする、又は、防止するために、カバープレート112と、カバープレート112の内側面に配置されたナット114と、の間には、円盤バネ又は保護リング等が設けられていてよい。
【0052】
中央接続領域70、72では、作業ジャケットセグメント40は、
図2から
図9を用いてすでに詳細に記載したように構成されているので、これらの態様が参照される。
【0053】
作業ジャケットセグメント40のローラ本体22への固定に関するさらなる代替的な態様は、
図13から
図15に示されている。当該態様において、端部接続領域66、68に設けられた固定機構76は、プレート状又はストラップ状に形成されており、セグメントシェル内側面74において、径方向内側に向かって延在している。端部接続領域66、68のプレート状の固定機構76に割り当てて、支持体ジャケット34内には、スリット状に形成された固定機構係合開口部78が形成されており、固定機構係合開口部78は、固定機構76がプレート状に形成されているので、必ずしも、上述の描写から認識可能な、拡大された長手方向領域を有さずともよい。
【0054】
支持体ジャケット34には、支持体ジャケット内側面86に、周方向において連続して、固定領域80の複数のプレート状に形成された、概ね周方向において延在する固定突起115が、径方向内側に向かって延在するように固定して、例えば溶接によって固定して、設けられている。このようなプレート状の固定領域80は、例えば互いに直接隣接する作業ジャケットセグメント40の2つのプレート状の固定突起115に割り当てて、設けられている。配設されたプレート状の固定突起115に径方向において部分的に重なるように配置されたプレート状の固定機構76に概ね軸方向において係合し、プレート状の固定領域80の雌ネジ開口部にねじ込まれたスタッドボルトによって、作業ジャケットセグメント40は、その両方の端部接続領域66、68において、ローラ本体22に固定され得る。
【0055】
当該態様においても、中央接続領域70、72において、作業ジャケットセグメント40は、すでに
図2から
図9を参照して詳述した方法で、ローラ本体22に固定され得る。
【0056】
図13から
図15に示された、作業ジャケットセグメント40のローラ本体22への接続方法の変型例が、
図16及び
図17に示されている。当該態様においては、端部接続領域の、各固定機構係合開口部78に係合するプレート状の固定機構76は、支持体ジャケット34に設けられた固定領域にはネジで固定されない。むしろ、互いに直接隣接し、異なる作業ジャケットセグメント40に配設された固定機構76は、その径方向内側に向かって支持体ジャケット34から突出した長手方向領域において、周方向クランプ機構116によって、周方向において互いに対してクランプされる。これは、周方向において連続する全ての作業ジャケットセグメント40において行われるので、環状に閉じられた構造が形成され、当該構造によって、作業ジャケットセグメント40は、一方では周方向において互いに対してクランプされ、他方では径方向内側に向かってクランプされ、従って、支持体ジャケット34に対して強く押圧され得る。
【0057】
作業ジャケットセグメント40のローラ本体22への固定に関するさらなる変型例は、
図18及び
図19に示されている。この際、作業ジャケットセグメント40の端部接続領域66、68は、支持体ジャケット34を、その軸方向端面において、径方向内側に向かって延在し、固定機構として有効である周縁部分118を有するように形成されている。この周縁部分118を貫通して、スタッドボルトは、支持体ジャケット34の軸方向端面に形成された雌ネジ開口部にねじ込まれ得る。中央接続領域70、72での固定は、やはり、上述したように行われ得る。
【0058】
図20及び
図21は、支持体機能のみを有するローラ本体22と、ローラ本体22の外周に配置された作業ジャケット38と、を有する、本発明に係る土工ローラ20において、高い変動性が存在することを明らかにしている。上述の実施例においては、ドリルビットとして形成された交換工具52を有する作業ジャケット38が設けられていたが、
図20は、概ね構造化されていない、すなわち平らな作業外側面46を供給する作業ジャケットセグメント40を備えた作業ジャケット38の構造を示している。ローラ本体22への固定に用いられるいずれの固定機構76の領域においても、セグメントシェル42に開口部が形成されていないので、作業外側面46全体は、構造化されておらず、例えば、アスファルト材料を圧縮し、この際、平らな表面を形成するために用いられ得る。
【0059】
図21に示された実施形態では、作業ジャケットセグメント40に、タンパー脚部120の形状に形成されたローラ工具48が設けられている。当該ローラ工具は、例えばセグメントシェル42に、溶接によって固定され得るが、代替的に、
図2から認識可能な交換ホルダ50を用いても、セグメントシェル42に交換可能に固定され得る。
【0060】
これまで様々な態様の変型例において記載されてきた本発明に係る土工ローラは、基本的に2つのシステム領域に分割される構造を有しているということを特徴としている。第1のシステム領域、すなわちローラ本体は、土工機械の機械フレームに回転可能に支持されており、第2のシステム領域、すなわち作業ジャケットのための支持体を形成している。このような土工ローラの作業動作において、専ら作業ジャケットは、その作業外側面で、土工作業が行われるべき底土と接触する。ローラ本体は、つねに作業ジャケットによって覆われており、従って、ローラ本体自体は、その支持体ジャケットの概ね構造化されていない平らな外側面で、一方では摩耗を生じることはなく、他方では作業ジャケットの接続に関して最適な構成を有し得る。特に、支持体ジャケットはこのために、様々な長手方向領域及び様々な周方向領域において開口部を有することが可能であり、固定機構は、作業ジャケットセグメントの固定のために、当該開口部を貫通し得る。作業動作において、これら全ての開口部は、作業ジャケットによって覆われているので、当該開口部を通じて汚染物質が進入するという危険も、当該開口部が、土工作業が行われるべき底土に描出されるという危険も存在しない。
【符号の説明】
【0061】
10 土工機械
12 車両後部
14 車輪
16 キャビン
18 車両前部
20 土工ローラ
22 ローラ本体
24、26 支持体プレート
28 支持体構造
30、32 フレーム領域
34 支持体ジャケット
36 支持体ジャケット外側面
38 作業ジャケット
40 作業ジャケットセグメント
42 セグメントシェル
44 セグメントシェルの長手方向縁部
46 作業外側面
48 ローラ工具
50 交換ホルダ
52 交換工具
54、56、58、60 接続領域
62、64 軸方向端部領域
66、68 端部接続領域
70、72 中央接続領域
74 セグメントシェル内側面
76 固定機構
78 固定機構係合開口部
80 固定領域
82、84 開口部
86 支持体ジャケット内側面
88、90 開口部
92 ボルト軸
94 ボルト脚部
96 長手方向領域
98 ボルト頭部
100 クランプジョーアセンブリ
102 スタッドボルト
104、106 クランプジョー
108、110 楔形面
112 カバープレート
114 ナット
115 固定突起
116 周方向クランプ機構
118 周縁部分
120 タンパー脚部
W ローラ回転軸
【外国語明細書】