(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028737
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】フィルターカートリッジ組立品
(51)【国際特許分類】
A61B 17/94 20060101AFI20220208BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20220208BHJP
B01D 46/64 20220101ALI20220208BHJP
【FI】
A61B17/94
B01D46/52 B
B01D46/64
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180710
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2019572381の分割
【原出願日】2018-05-25
(31)【優先権主張番号】62/527,553
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/988,702
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケイン マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アウゲリ マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シルバー ミキヤ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】煙、粒子、および不純物の改善された除去を含む優れた特性を持つ外科手術ガスを濾過するフィルターカートリッジ組立品を提供する。
【解決手段】外科手術ガス送達システム10用のフィルターカートリッジ24は、外科手術ガス送達システム10のフィルターカートリッジインターフェース20内に着座するように構成されたフィルターハウジングを含む。第一のフィルター要素は、フィルターハウジングの第一の端部内に着座する。第二のフィルター要素は、第一の端部に対向するフィルターハウジングの第二の端部内に着座する。第三のフィルター要素は、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に着座する。第三のフィルター要素は、活性炭ディスクなどの活性炭材料を含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジであって、
外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングと、
前記フィルターハウジングの第一の端部内に着座する第一のフィルター要素と、
前記第一の端部に対向する前記フィルターハウジングの第二の端部内に着座する第二のフィルター要素と、
前記第一のフィルター要素と前記第二のフィルター要素との間の前記フィルターハウジング内に着座する第三のフィルター要素と、を含む、フィルターカートリッジ。
【請求項2】
前記第三のフィルター要素が活性炭材料を含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項3】
前記第三のフィルター要素が活性炭ディスクを含む、請求項2に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項4】
前記第一および第二のフィルター要素のそれぞれがひだ付きフィルター材料を含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項5】
前記第一のフィルター要素と前記第二のフィルター要素との間の前記フィルターハウジング内にセパレータ壁をさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項6】
前記セパレータ壁はそこを通るガス開口部を含み、プレナムが前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に画定され、前記ガス開口部は、前記ガス開口部の断面積よりも大きい前記第三のフィルター要素の断面積を利用するために、前記プレナムをガスで加圧するように構成される、請求項5に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項7】
周辺リムが前記セパレータ壁の周りに画定され、前記第三のフィルター要素が前記周辺リムに対して着座し、前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に画定される容積の内部および前記周辺リム内に画定される前記プレナムを維持する、請求項6に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項8】
シールが前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に着座され、前記プレナムから前記第三のフィルター要素を通してガス流を強制する、請求項7に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項9】
シールシートが、中に前記シールが着座する前記周辺リム内に画定される、請求項8に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項10】
流体トラップが前記第一のフィルター要素と前記セパレータ壁との間に画定され、前記ガス開口部が、前記流体トラップ内に閉じ込められた流体の貯蔵部の上方のガスの通過を可能にするように構成される、請求項6に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項11】
前記第二のフィルター要素が前記第三のフィルター要素の下流の流路内にある、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項12】
前記第一のフィルター要素が前記第二および第三のフィルター要素とは別個の流路内にある、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項13】
前記第一のフィルター要素を前記フィルターハウジングの前記第一の端部に固定するため、前記フィルターハウジングに取り付けられたカバープレートをさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項14】
前記カバープレートが、三内腔チューブセットと前記フィルター要素との間のガスの連通のために前記三内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含む、請求項13に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項15】
前記フィッティングに接続された三内腔チューブセットをさらに含む、請求項14に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項16】
前記カバープレートが、二内腔チューブセットと前記フィルター要素との間のガスの連通のために二内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含む、請求項13に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項17】
前記フィッティングに接続された二内腔チューブセットをさらに含む、請求項16に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項18】
前記第二のフィルター要素を前記フィルターハウジングの前記第二の端部に固定するために、前記フィルターハウジングに取り付けられたカバープレートをさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項19】
前記カバープレートが、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするよう構成された三つの開口部を画定する、請求項16に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項20】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジであって、
外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングと、
第一の流路内の前記フィルターハウジングの第一の端部内に着座する第一のフィルター要素と、
第二の流路内の前記第一の端部に対向する前記フィルターハウジングの第二の端部内に着座する第二のフィルター要素と、
前記第一および第二のフィルター要素の間に前記フィルターハウジング内に着座する第三のフィルター要素と、を含み、前記第三のフィルター要素が前記第二の流路内にあり、前記第一および第二の流路が前記フィルターハウジング内で互いに流体的に分離される、フィルターカートリッジ。
【請求項21】
前記フィルターハウジング内の前記第一および第二の流路から流体的に分離された第三の流路内に着座する第四のフィルター要素をさらに含む、請求項20に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項22】
外科手術ガス送達システム用の外科手術ガスを処理する方法であって、
気腹からフィルターカートリッジへと排煙ガスを受け取ることと、
前記排煙ガスを前記フィルターカートリッジ内の活性炭フィルター要素を通して流して、煙、粒子、および不純物のうちの少なくとも一つを前記排煙ガスから濾過することと、
前記濾過された排煙ガスを外科手術ガス送達システムに受け入れることと、を含む、方法。
【請求項23】
前記排煙ガスを、ひだ付きフィルター要素を通して、前記活性炭フィルター要素の下流
におよび、前記外科手術ガス送達システムの上流に流すことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
注入ガスを、前記排煙ガスから、前記フィルターカートリッジ内の別個の流路を通して前記気腹内に流すことであって、前記注入ガスが前記フィルターカートリッジ内の第二のひだ付きフィルター要素を通過するように、流すことをさらに含み、前記フィルターカートリッジを通して前記気腹から圧力を連通することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、3017年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/527,553号明細書、2018年5月24日に出願された米国仮特許出願第15/988,702号明細書の優先権の利益を主張するものであり、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、腹腔鏡外科手術を目的とし、より具体的には、腹腔鏡外科手術の間に使用されるマルチモードのガス注入システム用のフィルターカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡下または「侵襲が最小限の」外科技術は、胆嚢摘出、虫垂切除術、ヘルニア修復および腎摘出などの手術の実施において普及している。このような手術の利点には、患者への外傷の減少、感染の機会の低減、および回復時間の減少が含まれる。腹部(腹膜)空洞内のこのような手術は、典型的には、套管針またはカニューレとして知られる装置を通して実施され、これは腹腔鏡器具の患者の腹腔内への導入を促進する。
【0004】
さらに、このような手術は、一般に、二酸化炭素などの加圧流体で腹部(腹膜)空洞の充填または「注入」して、気腹と呼ばれるものを作り出すことを含む。注入は、注入流体を送達するように装備された手術用アクセス装置(時に「カニューレ」または「套管針」と呼ばれる)、または注入(ベレス)ニードルなどの別個の注入装置によって、実施され得る。気腹を維持するために、注入ガスの実質的な損失なしに、外科手術機器の気腹への導入が望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡下手術の間、外科医は、通常、約12ミリメートル未満の小さな三つから四つの切創を行い、これは典型的には手術用アクセス装置自体で、典型的には、その中に別個のインサータまたは閉塞具を使用してなされる。挿入後、インサータが取り外され、套管針は腹腔内に挿入される機器に対するアクセスを可能にする。典型的な套管針は、外科医が作業する開放内部空間を持つように、腹腔に注入する手段を提供することが多い。
【0006】
套管針は、使用されている套管針と外科手術機器の間の密封によって空洞内の圧力を維持する手段を提供し、なお外科手術機器の少なくとも最小の移動の自由を可能にしなければならない。このような器具には、例えば、はさみ、把持器具および閉塞具、焼灼ユニット、カメラ、光源およびその他の外科手術機器が含まれ得る。密封要素または機構は通常、注入ガスの漏れを防ぐために套管針に提供される。密封要素または機構は一般に、套管針を通過する外科手術機器の外側表面の周りに密封するために、比較的柔軟な材料で作られたダックビル型弁を含む。
【0007】
さらに、腹腔鏡外科手術、電気メス、およびその他の技術(例えば、超音波メス)は、外科手術空洞内で煙およびその他の残骸を生成し、視界を曇らせ、残骸および同種のものの表面を被覆することによって可視性を低減する。さまざまな外科用注入システムおよび排煙システムが当業界で周知である。
【0008】
さらに、米国ニューヨーク州ユーティカのCONMED Corporationは、全体または一部が米国特許第7,854,724号に記載されている、従来のメカニカルシールなしで通気された手術腔へのアクセスを可能にする手術用アクセス装置を開発し、
そのようなアクセス装置に十分な圧力と流量を提供するための関連システムを開発した。
【0009】
本開示は、標準または特殊な手術用アクセス装置、またはベレスニードルなどの他の器具への注入、標準または特殊な外科用アクセス装置を介した排煙を含む、複数の手術用ガス供給機能、および米国特許第7,854,724号、米国特許第7,182,752号、米国特許第7,285,112号、米国特許第7,413,559号、または米国特許第7,338,473号に記載されている上述の外科用アクセス装置のような注入流体の再循環および濾過などの特殊な機能を実行できるマルチモーダルシステム、ならびに関連するデバイスおよび方法に関する。
【0010】
本明細書に記述されたものなどの単一マルチモーダルシステムの使用は、複数の機能を達成しつつ、一つだけのシステムの購入を必要とすることによってコストを削減し、それによって手術室で必要な装置の量を減少させ、それによってその他の必要な機器のための空間を可能にする。
【0011】
従来的な技術は、意図された目的で満足していると考えられている。しかし、手術用アクセス装置での濾過改善の必要性が存在する。本開示は、この問題の解決策を提供する。
【発明の概要】
【0012】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジは、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングを含む。第一のフィルター要素は、フィルターハウジングの第一の端部内に着座する。第二のフィルター要素は、第一の端部に対向するフィルターハウジングの第二の端部内に着座する。第三のフィルター要素は、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に着座する。
【0013】
第三のフィルター要素は活性炭材料を含み得る。第三のフィルター要素は、活性炭ディスクを含み得る。第一および第二のフィルター要素のそれぞれは、ひだ付きフィルター材料を含み得る。第二のフィルター要素は、第三のフィルター要素の下流に、流路内に存在することができる。第一のフィルター要素は、第二および第三のフィルター要素から別個の流路内に存在することができる。
【0014】
セパレータ壁を、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に含めることができる。セパレータ壁は通過するガス開口部を含むことができ、プレナムがセパレータ壁と第三のフィルター要素との間に画定され、ガス開口部は、ガス開口部の断面積よりも大きい第三のフィルター要素の断面積を利用するために、プレナムをガスで加圧するように構成される。周辺リムをセパレータ壁の周りに画定することができ、第三のフィルター要素が周辺リムに対して着座し、セパレータ壁と第三のフィルター要素との間に画定される容積の内部であっておよび周辺リム内に画定されるプレナムを維持する。セパレータ壁と第三のフィルター要素との間にシールを着座して、プレナムから第三のフィルター要素を通るガス流を強制することができる。シールシートは、中に着座するシールを有する周辺リムに画定され得る。流体トラップを第一のフィルター要素とセパレータ壁との間に画定することができ、ガス開口部が、流体トラップ内に閉じ込められた流体の貯蔵部の上方のガスの通過を可能にするように構成される。
【0015】
カバープレートをフィルターハウジングに取り付けて、第一のフィルター要素をフィルターハウジングの第一の端部に固定することができる。カバープレートは、三内腔チューブセットとフィルター要素との間のガスの連通のための三内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含み得る。三内腔チューブセットはフィッティングに接続され得る。また、カバープレートは、二内腔チューブセットとフィルター要素の間のガスの連通
のために二内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含み得ることが意図されている。二内腔チューブセットをフィッティングに接続することができる。
【0016】
第二のカバープレートをフィルターハウジングに取り付けて、第二のフィルター要素をフィルターハウジングの第二の端部に固定することができる。第二のカバープレートは、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェースで画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするよう構成された三つの開口部を画定することができる。
【0017】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジの別の模範的実施形態は、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングを含む。第一のフィルター要素は、第一の流路内でフィルターハウジングの第一の端部内に着座する。第二のフィルター要素は、第二の流路内の第一の端部に対向するフィルターハウジングの第二の端部内に着座する。第三のフィルター要素は、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に着座し、第三のフィルター要素は第二の流路内にあり、第一および第二の流路はフィルターハウジング内で互いに流体的に分離される。第四のフィルター要素は、フィルターハウジング内の第一および第二の流路から流体的に分離された第三の流路内に着座することができる。
【0018】
外科手術ガス送達システムのための外科手術ガスを処理する方法は、気腹からフィルターカートリッジへの排煙ガスを受けることを含む。方法は、排煙ガスをフィルターカートリッジ内の活性炭フィルター要素を通して流して、煙、粒子、および不純物のうちの少なくとも一つを排煙ガスから濾過することを含む。方法はまた、濾過された排煙ガスを外科手術ガス送達システムに受けることを含む。
【0019】
方法は、排煙ガスを、ひだ付きフィルター要素を通して、活性炭フィルター要素の下流におよび、外科手術ガス送達システムの上流に流すことを含むことができる。また、方法は、排煙ガスからフィルターカートリッジ内の別個の流路を通して気腹内に注入ガスを流すことを含むことができ、注入ガスはフィルターカートリッジ内の第二のひだ付きフィルター要素を通過し、注入ガスおよび排煙ガスの流路とは別個にフィルターカートリッジを貫通する第三の流路を通して、圧力を気腹から連通することができることが意図されている。
【0020】
本開示のシステムおよび方法のこれらおよびその他の特徴は、図面と併せて実行された好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、当業者により容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
主題の開示が属する当業者は、必要以上の実験無しに、主題の開示の装置および方法を作成および使用する方法を容易に理解するであろうゆえに、好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態に従って構成されたマルチモードガス送達装置の斜視図であり、フィルターカートリッジおよび対応するフィルターカートリッジインターフェースを示す。
【
図2】
図2は、第一のカバープレート内のトリ内腔チューブセットのフィッティングにおける開口部に向かって見たフィルターカートリッジ構成要素を示す、
図1のガス送達装置とインターフェースするよう適合され構成されたフィルターカートリッジの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のフィルターカートリッジインターフェースのガスポートに対してシールする第二のカバープレートの開口部に向かって見たフィルターカートリッジ構成要素を示す、
図1のフィルターカートリッジの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、フィルターハウジングに組み立てられたフィルター要素を示す、
図1のフィルターカートリッジの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、同様の参照番号が主題の開示の類似の構造特徴または態様を特定する図面を参照する。説明および説明の目的で、本開示によるフィルターカートリッジの例示的な実施形態の部分図は、
図1に示されているがこれに限定されない、また一般的に参照符号100によって指定される。本開示によるフィルターカートリッジのその他の実施形態、またはその態様は、
図2~
図4に記載されている。本明細書に記載のシステムおよび方法は、煙を生成する外科手術の間の気腹からの排煙ガスなどの外科手術ガスを濾過するために使用できる。
【0024】
図1には、腹腔鏡外科手術の間の使用のための外科手術ガス送達システム10が図示されている。システム10は、ハウジングの各側に持ち運びハンドル14を持つ装置ハウジング12を含む。ハウジング12の前面は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提示するための静電容量式のまたは抵抗性のタッチスクリーン16、および装置をオンおよびオフにするための電源スイッチ18を持つ。
【0025】
ハウジング12の前面は、装置ハウジング12内の使い捨てフィルターカートリッジ24の確実な係合を促進するように構成された回転可能なラッチ機構22を有するフィルターカートリッジインターフェース20をさらに含む。さらに、ハウジング12の前面は、標準的な6mmの注入接続26を含む。図示しないが、ハウジング12の後面は、圧縮ガス源との接続のためのガス供給フィッティング、使用目的のための標準USBインターフェース、および標準的な電力接続を含む。
【0026】
フィルターカートリッジインターフェース20は、どのタイプのフィルター24がハウジングに挿入されたかを認識するように設計されている。例えば、フィルターカートリッジの適切な位置または配向を認識し得る。挿入されたフィルターが、第一の動作モード(すなわち、気体密封モード)で使用するために特に設計されているかどうか、またはフィルターが第二の動作モード(すなわち、注入および排煙モード)での使用のために特別に設計されているかどうかを認識することもできる。外科手術ガス送達システムのその他の態様は、米国特許第9,067,030号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0027】
図2を参照すると、フィルターカートリッジ24は、三内腔チューブセット36に関連付けられたフィッティング46を持つ第一のカバープレート30を含むフィルターハウジング28を持つ(
図1に示すように)。フィルターハウジング28は、
図1の外科手術ガス送達システム10のフィルターカートリッジインターフェース20内に着座するように構成される。フィルターハウジング28は、一対の第一および第二のひだ付きフィルター要素38aおよび38bを保持するように寸法設定され、かつ構成され、排煙中にチューブセット36の吸引ラインを通してシステム内に引き出された液体を収集するための内部貯蔵部または流体トラップ40を画定する。
【0028】
第一のフィルター要素38aは、フィルターハウジング28の第一の端部26内に着座する。
図3に示すように、第二のフィルター要素38bは、第一の端部26の反対側のフィルターハウジング28の第二の端部42内に着座する。第三のフィルター要素44は、
図4に示す通り、第一のフィルター要素38aと第二のフィルター要素38bとの間にフィルターハウジング28内に着座する。
図3に示すように、端部キャップ50内、第四の
フィルター要素32がありこれは下記に説明する検出/注入のためのひだ無しフィルターである。第三のフィルター要素44は、活性炭材料を含み、活性炭ディスクの形態である。第一および第二のフィルター要素38aおよび38bのそれぞれは、ひだ付きフィルター材料を含む。第三のフィルター要素44は、第二および第三のフィルター要素38aおよび38bから別個のフィルター要素であるが、第二のフィルター要素38bと一緒に組み込むことができることが意図されている。例えば、メッシュ支持体を紙フィルターと炭素フィルターとの間に挟むことができ、それによってひだに折り畳まれて、組み合わされた第二のフィルター要素38bおよび第三のフィルター要素44を形成することができる。
【0029】
第一のカバープレート30は、フィルターハウジング28の第一の端部に取り付けられ、第一のフィルター要素38aをフィルターハウジング28の第一の端部26に固定する。第一のカバープレート30は、三内腔チューブセット36とフィルター要素38a、38b、および44との間のガスの連通のために、三内腔チューブセット36に接続するためのフィッティング46を含む。第二のカバープレート50は、フィルターハウジング28の反対側の端部に取り付けられ、第二のフィルター要素38bをフィルターハウジングの第二の端部42に固定する。第二のカバープレート50は、近位プレートおよび遠位プレートを含み、またはそうでなければ、その間に挟まれた第四のフィルター要素32とともに接合される。
図3を参照すると、第二のカバープレート50は、それぞれが、
図1のフィルターカートリッジインターフェース20内に画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするように構成された三つの開口部52a、52b、および52cを画定する。フィッティング46は、三つの対応する開口部54a、54b、および54cを含む。
【0030】
第一の流路は、開口部54aから流体トラップ40に至るまでフィルターカートリッジ24を通過して(
図4に破線で示されているように)、第二および第三のフィルター要素38bおよび44を通して気腹からの排煙ガスの濾過のために開口部52aから出て、三内腔チューブセット36内の管腔のうちの一つを通して、外科手術ガス送達システム10に入るように、画定される。第二のフィルター要素38bは、この第一の流路内の第三のフィルター要素44の下流にある。
【0031】
第二の流路は、フィルターカートリッジ24を通って画定され、これはフィルターカートリッジ24内で第一の流路から流体的に分離される。第二の流路は、三内腔チューブセット36の内腔の第二の一つを通過するガスを有する気腹を維持するために、ガスを、外科手術ガス送達システム10から、開口部52bを通して、第一のフィルター要素38aを通して、開口部54bから外にもたらす。従って、第一のフィルター要素38aは、第二および第三のフィルター要素38bおよび44からの別個の流路である。この第二の流路は圧力ライン内にあり、ジェットに圧力を供給して、例えば、三内腔チューブセット36に接続された手術用アクセス装置のために、バルブがないシールにガスシールを作り出す。
【0032】
第三の流路は、フィルターカートリッジ24内で他方の二つの流路から流体的に分離されたフィルターカートリッジ24を通って画定される。この第三の流路は、フィルター要素38a、38b、または44のいずれも通過しない。その代わりに、第三の流路は、開口部54cからの腹部圧をフィルターカートリッジ24を通して開口部52cに伝え、外科手術ガス送達システム10が、三内腔チューブセット36の内腔のうちの第三の一つを通して気腹の圧力を監視することができるように、フィルター要素38a、38b、および44をバイパスする。CO2注入ガスは、開口部52cから開口部54cまで気腹に流れることができる。この第三の流路は、注入/検出ラインとして機能し、第四のフィルター要素32を通過する三つの流路の唯一の一つである。
【0033】
ここで
図4を参照すると、セパレータ壁56は、第一のフィルター要素38aと第二のフィルター要素38bとの間にフィルターハウジング28内に含まれる。セパレータ壁56は、第一のフィルター要素38aの内側にあるフィルターハウジング28のバルクヘッド58と連携して、気腹からの流入ガスから流体をトラップするために、その間の流体トラップ40を画定する(体トラップ40の底部に
図4に流概略的に示す)。セパレータ壁56は、それを通ってガス開口部60を含む。ガス開口部60は、流体トラップ40の底部に閉じ込められた流体の貯蔵部の上方のガスの通過を許容するように構成される。
【0034】
プレナム62は、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間に画定される。ガス開口部60は、ガス開口部60の断面積よりも第三のフィルター要素44のより大きな断面積を利用するためのガスでプレナム62を加圧するよう構成されており、すなわち、プレナム62は第三のフィルター要素44の活性炭のほぼ完全な面積使用のために加圧される。これにより、フィルターカートリッジ24内の活性炭フィルター要素44を通して排煙ガスを流すことができ、排煙ガスからの煙、粒子、不純物のうちの少なくとも一つをフィルターにかけることができる。
【0035】
周辺リム64は、セパレータ壁56の周りに画定され、ここで、第三のフィルター要素44は、周辺リム64に対して着座して、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間および周辺リム64内に画定される、容積内に画定されたプレナム62の間隔を維持する。シール66は、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間に着座され、第三のフィルター要素44を通してプレナム62からガス流を強制する。シールシート68は、中に着座するシール66を有する周辺リム64内に画定される。
【0036】
本開示によるチューブセットを備えたフィルターの別の実施形態は、例えば、上述のガスシールの作成の原因となる開口部54bをプラグすることによって圧力ラインをプラグするアダプタを含む。この実施形態では、二内腔チューブセットがフィルターカートリッジに取り付けられ、例えば、一つのルーメンは開口部54aに接続され、一つのルーメンは開口部54cに接続され、一つのルーメンはガスの検出/注入を担い、他の一つのルー
メンは、手術用ガスと煙を空洞から除去する。この実施形態は、煙排出用に上述した第三のフィルター要素44を含み、三内腔チューブセット36の第三の内腔を省略する。
【0037】
上述し、図面に示す通り、本開示の方法およびシステムは、煙、粒子、および不純物の改善された除去を含む優れた特性を持つ外科手術ガスの濾過を提供する。対象開示の装置および方法が好ましい実施形態を参照して示され、記述されてきたが、当業者であれば、変更および/または修正が、対象開示の範囲から逸脱することなく作成され得ることを容易に理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジであって、
外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングと、
前記フィルターハウジングの第一の端部内に着座する第一のフィルター要素であって、圧縮ガス源からのガスを外科手術ガス送達システムから気腹に運ぶ第二の流路にある第一のフィルター要素と、
前記第一の端部に対向する前記フィルターハウジングの第二の端部内に着座する第二のフィルター要素であって、排煙ガスを気腹から外科手術ガス送達システムに運ぶ第一の流路にある第二のフィルター要素と、
前記第一のフィルター要素と前記第二のフィルター要素との間の前記フィルターハウジング内に着座する第三のフィルター要素であって、前記第一の流路にある第三のフィルター要素と、
前記フィルターハウジング内の前記第一の流路および前記第二の流路から流体的に分離された第三の流路にある第四のフィルター要素と、
を含み、
前記第三の流路は、外科用ガス送達システムが気腹の圧力を監視できるように前記第一のフィルター要素、前記第二のフィルター要素および前記第三のフィルター要素をバイパスする、フィルターカートリッジ。
【請求項2】
前記第三のフィルター要素が活性炭材料を含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項3】
前記第三のフィルター要素が活性炭ディスクを含む、請求項2に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項4】
前記第一のフィルター要素および前記第二のフィルター要素のそれぞれがひだ付きフィルター材料を含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項5】
前記第一のフィルター要素と前記第二のフィルター要素との間の前記フィルターハウジング内にセパレータ壁をさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項6】
前記セパレータ壁はそこを通るガス開口部を含み、プレナムが前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に画定され、前記ガス開口部は、前記ガス開口部の断面積よりも大きい前記第三のフィルター要素の断面積を利用するために、前記プレナムをガスで加圧するように構成される、請求項5に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項7】
周辺リムが前記セパレータ壁の周りに画定され、前記第三のフィルター要素が前記周辺リムに対して着座し、前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に画定される容積の内部および前記周辺リム内に画定される前記プレナムを維持する、請求項6に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項8】
シールが前記セパレータ壁と前記第三のフィルター要素との間に着座され、前記プレナムから前記第三のフィルター要素を通してガス流を強制する、請求項7に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項9】
シールシートが、中に前記シールが着座する前記周辺リム内に画定される、請求項8に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項10】
流体トラップが前記第一のフィルター要素と前記セパレータ壁との間に画定され、前記ガス開口部が、前記流体トラップ内に閉じ込められた流体の貯蔵部の上方のガスの通過を可能にするように構成される、請求項6に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項11】
前記第二のフィルター要素が前記第三のフィルター要素の下流の流路内にある、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項12】
前記第一のフィルター要素が前記第二および第三のフィルター要素とは別個の流路内にある、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項13】
前記第一のフィルター要素を前記フィルターハウジングの前記第一の端部に固定するため、前記フィルターハウジングに取り付けられたカバープレートをさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項14】
前記カバープレートが、三内腔チューブセットと前記フィルター要素との間のガスの連通のために前記三内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含む、請求項13に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項15】
前記フィッティングに接続された三内腔チューブセットをさらに含む、請求項14に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項16】
前記カバープレートが、二内腔チューブセットと前記フィルター要素との間のガスの連通のために二内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含む、請求項13に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項17】
前記フィッティングに接続された二内腔チューブセットをさらに含む、請求項16に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項18】
前記第二のフィルター要素を前記フィルターハウジングの前記第二の端部に固定するために、前記フィルターハウジングに取り付けられたカバープレートをさらに含む、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項19】
前記カバープレートが、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするよう構成された三つの開口部を画定する、請求項16に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項20】
外科手術ガス送達システム用のフィルターカートリッジであって、
外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングと、
第一の流路において前記フィルターハウジングの第一の端部内に着座する第一のフィルター要素と、
第二の流路において前記第一の端部に対向する前記フィルターハウジングの第二の端部内に着座する第二のフィルター要素と、
前記第一のフィルター要素および前記第二のフィルター要素の間に前記フィルターハウジング内に着座する第三のフィルター要素と、
前記フィルターハウジング内の前記第一の流路および前記第二の流路から流体的に分離された第三の流路にある第四のフィルター要素と、
を含み、
前記第三のフィルター要素が前記第二の流路にあり、
前記第一の流路および前記第二の流路が前記フィルターハウジング内で互いに流体的に分離されており、
前記第一のフィルター要素は外科手術ガス送達システムから気腹に運ばれる圧縮ガス源からのガスが通過し、
前記第三のフィルター要素および前記第二のフィルター要素は気腹から外科手術ガス送達システムに運ばれる排煙ガスが通過し、
前記第二のフィルター要素が前記第三のフィルター要素よりも下流側に位置し、
前記第三の流路は、外科用ガス送達システムが気腹の圧力を監視できるように前記第一のフィルター要素、前記第二のフィルター要素および前記第三のフィルター要素をバイパスする、フィルターカートリッジ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
第一のフィルター要素38aは、フィルターハウジング28の第一の端部26内に着座する。
図3に示すように、第二のフィルター要素38bは、第一の端部26の反対側のフィルターハウジング28の第二の端部42内に着座する。第三のフィルター要素44は、
図4に示す通り、第一のフィルター要素38aと第二のフィルター要素38bとの間にフィルターハウジング28内に着座する。
図3に示すように、端部キャップ50内、第四のフィルター要素32がありこれは下記に説明する検出/注入のためのひだ無しフィルターである。第三のフィルター要素44は、活性炭材料を含み、活性炭ディスクの形態である。第一および第二のフィルター要素38aおよび38bのそれぞれは、ひだ付きフィルター材料を含む。第三のフィルター要素44は、第
一および第
二のフィルター要素38aおよび38bから別個のフィルター要素であるが、第二のフィルター要素38bと一緒に組み込むことができることが意図されている。例えば、メッシュ支持体を紙フィルターと炭素フィルターとの間に挟むことができ、それによってひだに折り畳まれて、組み合わされた第二のフィルター要素38bおよび第三のフィルター要素44を形成することができる。