(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028740
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】輸送方法及び保冷方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/18 20060101AFI20220208BHJP
B65D 81/38 20060101ALI20220208BHJP
B65D 81/26 20060101ALI20220208BHJP
A23L 3/36 20060101ALN20220208BHJP
A23B 4/06 20060101ALN20220208BHJP
【FI】
B65D81/18 B
B65D81/38 Q
B65D81/26 H
A23L3/36 Z
A23B4/06 501A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180860
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2018079666の分割
【原出願日】2017-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】504139846
【氏名又は名称】下田 一喜
(71)【出願人】
【識別番号】501376338
【氏名又は名称】株式会社エイディーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100135828
【弁理士】
【氏名又は名称】飯島 康弘
(72)【発明者】
【氏名】下田 一喜
(57)【要約】
【課題】より好適に保冷対象物を保冷可能な輸送方法を提供する。
【解決手段】輸送方法は、保冷対象物1と-100℃以下の氷3とを共に容器5に収容して輸送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷対象物と-100℃以下の氷とを共に容器に収容して輸送する
輸送方法。
【請求項2】
前記保冷対象物と前記氷との間に水を吸収可能な吸水物を介在させる
請求項1に記載の輸送方法。
【請求項3】
前記吸水物が、多孔質材料からなる可撓性シートである
請求項2に記載の輸送方法。
【請求項4】
前記保冷対象物と前記吸水物との間に、遮水性の材料からなり、前記吸水物よりも薄い可撓性シートを介在させる
請求項3に記載の輸送方法。
【請求項5】
保冷対象物と-100℃以下の氷とを共に容器に収容する
保冷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、魚介類等の保冷対象物を輸送する輸送方法及び保冷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保冷対象物と氷とを共に容器に収容して輸送する輸送方法が知られている。特許文献1は、水が容器外に漏れることを抑制するために、容器の底又は内壁に吸水体を配置することを提案している。特許文献1では、吸水体として、高吸水性樹脂を収容した布袋、及びウレタン製のスポンジを挙げている。また、特許文献1は、氷が保冷対象物に直接接触することを防止するために当接防止部材を設けることを提案している。特許文献1では、当接防止部材として、紙製又はポリエチレン製のシートを挙げている。さらに、特許文献1では、保冷対象物が冷え過ぎて凍結してしまうことを防ぐために、上記の当接防止部材を断熱材料によって構成することも提案している。特許文献1では、断熱材料として、発砲スチロールを挙げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より好適に保冷対象物を保冷可能な輸送方法及び保冷方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る輸送方法は、保冷対象物と-100℃以下の氷とを共に容器に収容して輸送する。
【0006】
一例において、前記保冷対象物と前記氷との間に水を吸収可能な吸水物を介在させる。
【0007】
一例において、前記吸水物が、多孔質材料からなる可撓性シートである。
【0008】
一例において、前記保冷対象物と前記吸水物との間に、遮水性の材料からなり、前記吸水物よりも薄い可撓性シートを介在させる。
【0009】
本開示の一態様に係る保冷方法は、保冷対象物と-100℃以下の氷とを共に容器に収容する。
【発明の効果】
【0010】
上記の方法によれば、より好適に保冷対象物を保冷できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る輸送方法を説明するための斜視図。
【
図2】実施形態に係る輸送方法を説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(輸送方法の概略)
図1及び
図2は、実施形態に係る輸送方法を説明するための斜視図及び断面図である。
【0013】
実施形態に係る輸送方法は、保冷対象物1を保冷しつつ輸送するものである。保冷対象物1は、複数の氷3とともに容器5(7および9)に収容されることによって保冷される。また、氷3と保冷対象物1との間には、例えば、遮水シート11及び吸水シート13が介在している。なお、保冷対象物1は、単体で容器5に収容されてもよいし、複数で容器5に収容されてもよいが、
図1及び
図2では、図解を容易にするために、1つの保冷対象物1のみを示している。
【0014】
(保冷対象物)
保冷対象物1としては、例えば、生鮮食品、移植用臓器及びワクチン(移植用臓器又はワクチンが封入された容器)を挙げることができる。保冷の語は、一般に食料品に用いられるが、前記の例示から理解されるように、本開示では、保冷対象物は食料品に限られない。生鮮食品としては、例えば、鮮魚(魚介類)、精肉(肉類)及び青果を挙げることができる。
図1及び
図2では、保冷対象物1として、魚を例に取っている。
【0015】
(容器)
容器5は、保冷対象物1及び氷3を共に収容できるものであればよく、その材料及び構造は問わない。例えば、容器5の材料としては、樹脂、木材、金属、紙またはこれらの組み合わせを挙げることができる。樹脂からなる材料としては、発泡スチロールに代表される発泡プラスチックを挙げることができる。複数の材料が組み合わされる場合としては、例えば、強度を確保する目的とする部材(材料)と、保温を目的とする部材(材料)とが、容器5の内外方向に重ねられる場合が挙げられる。
【0016】
図1及び
図2の例では、容器5として、上方が開放された箱体7と、箱体7の上方の開口を塞ぐ蓋体9とを有しているものを例に取っている。蓋体9は、例えば、その一部が箱体7の開口に嵌合することによって箱体7に対して固定される。このような箱体7及び蓋体9は、上記に例示したいずれの材料によって構成されていてもよいが、例えば、発泡スチロールによって構成されている。
【0017】
この他、容器5は、例えば、蓋体9がヒンジ構造によって箱体7に連結されたクーラーボックスなどであってもよい。また、例えば、輸送距離が短い場合、あるいは輸送せずに単に保冷対象物1を保冷しているだけの場合においては、箱体7のみによって容器5が構成されていてもよい。
【0018】
(氷)
氷の語は、ここでは、固体状の水を指すものとし、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素又はメタン等の水以外の低分子物質の固体は意味しないものとする。ただし、水は、純粋である必要はなく、例えば、海水、塩水、水道水、又はその他の不純物若しくは添加物を含む水であってよい。
【0019】
氷3は、少なくとも保冷対象物1と氷3とを容器5に収容した時点において、-100℃以下(例えば-120℃程度)である。このような-100°C以下の氷は、例えば、株式会社エイディーディー社製の「超低温チラー コールドウェーブ」を用いることによって作製可能である。この超低温チラーは、多段蒸発器及び混合冷媒を用いることによって、供給された気体(例えば、空気、フロンガス、液体窒素又はアルゴンガス)を-130℃程度の温度まで冷却することができる。そして、例えば、水を貯留した不図示の製氷容器内に設けられた流路又は前記製氷容器周辺の流路に前記のチラーによって冷却された気体を流すことによって、-100℃以下の氷を作製することができる。
【0020】
なお、地球上で計測された最も低い温度は、南極における-90℃程度といわれている。従って、自然界においては-100℃以下の氷は存在しない。ひいては、極寒の地方において保冷対象物1及び氷が共に容器5に収容されていても、本実施形態の輸送方法が意図せずに既に実施されているというようなことはない。
【0021】
氷3は、保冷対象物1の大きさ及び形状等に応じて適宜な大きさに形成されて、保冷対象物1の周囲に複数配置される。このような氷3は、例えば、比較的大きな不図示の製氷容器に形成された氷を破砕することによって形成される。もちろん、製氷容器に仕切りを設けて当初から適宜な大きさの複数の氷3を作製してもよい。
【0022】
(遮水シート)
遮水シート11は、水を通さない材料からなる可撓性シートである。遮水シート11は、例えば、保冷対象物1に対して直接に当接している。遮水シート11は、可撓性であることから、保冷対象物1の形状に応じてその形状を変化させ、保冷対象物1に対して概ね密着している。
【0023】
また、遮水シート11は、保冷対象物1の全体を覆っている。
図1及び
図2では、遮水シート11は、保冷対象物1を上下方向に挟むように2枚設けられている。なお、1枚の遮水シート11によって保冷対象物1を包むようにしてもよいし、遮水シート11によって形成された袋に保冷対象物1を収容するようにしてもよい。複数の保冷対象物1が共に容器5に収容される場合、複数の保冷対象物1は、共通の遮水シート11に覆われていてもよいし、複数の遮水シート11によって個別に覆われていてもよい。
【0024】
遮水シート11の材料としては、例えば、樹脂を挙げることができる。すなわち、遮水シート11は、食品用ラップフィルム等の樹脂フィルムによって構成されてよい。遮水シート11は、その厚さ及び強度等が適宜なものとされてよい。例えば、遮水シート11は、その強度がある程度確保されている限り、極力薄いものとされてよい。例えば、遮水シート11の厚さは、1mm未満又は100μm未満とされてよい。なお、食品用ラップフィルムの厚さは、一般に、10μm~20μmである。もちろん、遮水シート11は、ここで例示した厚さよりも厚くても構わない。
【0025】
(吸水シート)
吸水シート13は、水を保持することができる(別の観点では水を通す)材料からなる可撓性シートである。吸水シート13は、例えば、保冷対象物1側においては遮水シート11に当接し、その反対側では複数の氷3に当接している。吸水シート13は、可撓性であることから、保冷対象物1(遮水シート11)の形状に応じてその形状を変化させ、保冷対象物1に対して(遮水シート11を介して)概ね密着している。
【0026】
また、吸水シート13は、保冷対象物1の全体を覆っている。
図1及び
図2では、吸水シート13は、遮水シート11と同様に、保冷対象物1を上下方向に挟むように2枚設けられている。なお、1枚の吸水シート13によって保冷対象物1を包むようにしてもよいし、吸水シート13によって形成された袋に保冷対象物1を収容するようにしてもよい。複数の保冷対象物1が共に容器5に収容される場合、複数の保冷対象物1は、共通の吸水シート13に覆われていてもよいし、複数の吸水シート13によって個別に覆われていてもよい。吸水シート13が保冷対象物1を覆う具体的態様は、遮水シート11が保冷対象物1を覆う具体的態様と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0027】
吸水シート13の材料としては、例えば、スポンジ等の多孔質材料、紙、布及び綿を挙げることができる。これらの材料は、例えば、毛管現象によって水を吸収及び/又は保持し、また、保持できる量を超える水を外部へ排出する(水は重力等によって吸水体から流れ出る。)。スポンジの材料としては、例えば、ウレタン等の樹脂を挙げることができる。吸水シート13は、その厚さ及び強度等が適宜なものとされてよい。例えば、吸水シート13は、遮水シート11よりも厚いものとされている。また、例えば、吸水シート13の厚さは、1mm以上10mm以下である。もちろん、吸水シート13は、ここで例示した厚さよりも厚くても構わない。
【0028】
(作用)
以上のとおり、本実施形態の輸送方法は、保冷対象物1と-100℃以下の氷3とを共に容器5に収容して輸送する。換言すれば、本実施形態の輸送方法は、保冷対象物1と-100℃以下の氷3とを共に容器5に収容する収容ステップと、保冷対象物1と氷3とを共に収容している容器5を移送する移送ステップとを有している。なお、氷3は、収容ステップにおいて-100℃以下であればよく、移送ステップにおいては、必ずしも-100℃である必要はない。
【0029】
上記のような輸送方法では、例えば、通常の氷(例えば-10℃~-20℃)を用いた場合に比較して、氷3が融けるまでの時間が長い。その結果、例えば、保冷対象物1を長時間に亘って保冷することができる。別の観点では、輸送に必要な氷の量を削減することができる。ひいては、輸送する重量を低減することができ、輸送費を削減することができる。
【0030】
また、本実施形態では、保冷対象物1と氷3との間に吸水物(吸水シート13)を介在させる。
【0031】
従って、氷3が直接に保冷対象物1を冷却するのではなく、氷3が融けて生じた水が吸水シート13に浸透し、この水によって保冷対象物1が冷却される。周知のように水の温度は基本的に0℃以上である。従って、保冷対象物1が凍結するおそれを低減しつつも、氷3によって保冷対象物1を0℃に近づけることができる。その結果、例えば、保冷対象物1が鮮魚である場合において、品質をより良好に保つことができる。
【0032】
また、本実施形態では、吸水物(吸水シート13)は、多孔質材料からなる可撓性シートである。
【0033】
従って、例えば、多孔質体の孔によって、氷3が融けて生成された水の、氷3から保冷対象物1までの流路が確保される。また、吸水シート13は、その可撓性により保冷対象物1に密着するから、上記の流路の長さは、吸水シート13の厚さによって規定される。その結果、例えば、保冷対象物1の温度調整が容易化される。
【0034】
また、本実施形態では、保冷対象物1と吸水シート13との間に、遮水性の材料からなり、吸水シート13よりも薄い可撓性シート(遮水シート11)を介在させる。
【0035】
従って、例えば、吸水シート13から染み出した水が保冷対象物1に浸透するおそれを低減しつつ、吸水シート13を保冷対象物1に密着させ、保冷効果を向上させることができる。
【0036】
なお、以上の説明では、実施形態の技術を輸送方法として捉えて説明したが、実施形態の技術は、保冷方法として捉えられてよい。保冷方法においては、移送(移送ステップ)は必須の要件ではなく、保冷対象物1と-100℃以下の氷3とを共に容器5に収容する収容ステップが行われればよい。
【0037】
(実験)
株式会社エイディーディー製の超低温チラーを用いて-120℃程度の氷を作製した。この氷と、アジ及びサバなどの比較的傷みやすい鮮魚とを、実施形態において説明したように容器5に収容した。容器5は、発泡スチロール製のものとした。遮水シート11は、市販の食品用ラップフィルムとした。吸水シート13は、厚さ5mm程度のウレタン製のスポンジとした。そして、上記のように鮮魚を収容した容器5を鳥取県米子市から沖縄県へ輸送した。輸送は、実際に事業が行われた場合に予想される状況に近づくように、陸路及び空路を利用するとともに、概ね2日間の日程で行った。また、比較例として、-120℃の氷に代えて、通常の氷(-20℃~-10℃)を用いたものについても同様の実験を行った。
【0038】
その結果、通常の氷を用いた場合においては、目的地に到着したときに氷は全て融けており、鮮魚に傷みが生じていた。一方、-120℃の氷を用いた場合においては、氷は残っており、鮮魚に傷みは生じていなかった。また、鮮魚が冷凍された場合には目が白くなるなどの変化が生じるが、そのような変化も生じていなかった。冷凍抑制は、吸水シート13による効果である。
【0039】
上記の実験及びその他の実験から、-100℃以下の氷は、完全に融けるまでに48時間はかかることが分かった。一方、通常の氷は、18時間程度で融ける。すなわち、-100℃以下の氷は、通常の氷の約3倍の時間で保冷効果を発揮できることが分かった。なお、ドライアイスを-100℃以下に冷却する実験も行ったが、保冷効果を発揮できる時間を長くする効果は殆ど得られなかった。
【0040】
保冷効果を維持できる時間が約3倍になるということは、別の観点では、保冷効果を所定の時間に亘って維持するために必要な氷の量を1/3にできるということである。従って、例えば、10kgの鮮魚の輸送に通常の氷を3kg用いている場合、通常の氷に代えて-100℃以下の氷を用いれば、氷の量は1kgで済む。すなわち、輸送重量が約15%低減される。ひいては、輸送コストを削減できる。
【0041】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0042】
実施形態では、保冷対象物よりも小さい複数の氷が用いられた。しかし、例えば、保冷対象物と、比較的大きい(例えば保冷対象物よりも大きい)1つの氷とを容器に収容してもよい。この場合であっても、例えば、-120℃の氷によって、保冷の長期化及び/又は氷の量の削減が図られる。
【0043】
また、実施形態では、保冷対象物の全体が複数の氷に埋設された。しかし、例えば、保冷対象物が氷に埋設されずに、単数又は複数の氷の上、下又は横に保冷対象物が位置してもよいし、単数の氷に保冷対象物が埋設されてもよいし、保冷対象物の一部のみが単数又は複数の氷に埋設されてもよい。保冷対象物の種類又は魚の種類によって保冷対象物と氷との位置関係が適宜に設定されてよい。
【0044】
容器は、冷蔵庫のように冷却機能を有しているものであってもよい。なお、本願発明者は、保冷温度2℃の冷蔵庫に-120℃程度の氷とともに鮮魚(具体的にはアジ)を保存する実験を行った。この場合においても、2日間経過しても鮮魚に傷みは生じなかった。なお、通常の氷の場合においては、2日間で傷みが発生する。
【0045】
また、例えば、容器は、氷が融けて生成された水が保冷対象物の周囲に貯留されないように構成されていてもよい。例えば、容器は、孔を有する板によって底上げがされて板の下に水を貯留可能になっていてもよいし、容器の底部に吸水物が設けられていてもよい。なお、このような構成は、氷と保冷対象物との間に吸水物(吸水シート13)を介在させる構成と矛盾するものではない。
【0046】
吸水物(吸水シート13)及び遮水シートは、設けられなくてもよい。例えば、-100℃の氷が直接に保冷対象物に当接しても構わない。逆に、吸水物及び遮水シートに加えて、又は代えて、適宜な部材が容器内に配置されてもよい。例えば、遮水性の断熱材を保冷対象物と氷との間に介在させてもよい。断熱材は、可撓性のものであってもよいし、なくてもよい。また、保冷対象物と氷との間に緩衝材を介在させてもよい。緩衝材は、例えば、保冷対象物を覆うような大きなものであってもよいし、保冷対象物の周囲に複数乃至は多数配置される比較的小さなものであってもよい。
【0047】
吸水物は、シート状のものに限定されないし、可撓性を有しているものに限定されない。例えば、吸水物は、保冷対象物の形状と同様の形状の空間が形成された直方体状のものであってもよい。また、例えば、吸水物として、吸水性を有する材料からなる多数の小片を保冷対象物の周囲に配置したり、小片間の隙間によって吸水性を発揮するように多数の小片を保冷対象物の周囲に配置したりしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…保冷対象物、3…氷、5…容器、7…箱体、9…蓋体、11…遮水シート、13…吸水シート(吸水物)。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワクチン及び当該ワクチンが封入されている第1容器を有する保冷対象物と、-100℃以下の氷とを共に第2容器に収容するステップと、
前記保冷対象物と、少なくとも前記収容するステップにおいて-100℃以下の氷であったものとを収容している前記第2容器を輸送するステップと、
輸送方法。
【請求項2】
前記収容するステップでは、前記保冷対象物と前記氷との間に水を吸収可能な吸水物を介在させる
請求項1に記載の輸送方法。
【請求項3】
前記吸水物が、多孔質材料からなる可撓性シートである
請求項2に記載の輸送方法。
【請求項4】
前記収容するステップでは、前記保冷対象物と前記吸水物との間に、遮水性の材料からなり、前記吸水物よりも薄い可撓性シートを介在させる
請求項3に記載の輸送方法。
【請求項5】
ワクチン及び当該ワクチンが封入されている第1容器を備えた保冷対象物と、-100℃以下の氷とを共に第2容器に収容するステップを備えており、
前記氷は、少なくとも前記収容するステップにおいて-100℃以下である
保冷方法。