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特開2022-28848ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028848
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/44 20140101AFI20220208BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20220208BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20220208BHJP
   A63F 13/214 20140101ALI20220208BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20220208BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20220208BHJP
【FI】
A63F13/44
A63F13/533
A63F13/798
A63F13/214
A63F13/814
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189618
(22)【出願日】2021-11-22
(62)【分割の表示】P 2020018371の分割
【原出願日】2020-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智昭
(72)【発明者】
【氏名】福島 圭悟
(72)【発明者】
【氏名】根本 潤
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 翔平
(57)【要約】
【課題】複数種類のプレイ行為の要求に共用される一部の実行時期へのプレイ行為を、その種類に応じて異なる評価手法により評価することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせてプレイ行為が実行された場合にそのプレイ行為を評価するタイミングゲームを提供する。ゲームシステム1は、一部の実行時期を押しボタンスイッチBSへの押す操作及びタッチパッドTPへのタッチ操作に共通する実行時期として案内画面50を通じて案内する。そして、ゲームシステム1は、その一部の実行時期に合わせて、押す操作が実行された場合にその押す操作を評価するための第1評価手法に基づいてその押す操作を評価し、タッチ操作が実行された場合に第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいてそのタッチ操作を評価する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、当該プレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を案内するための案内画面を表示する表示装置と、に接続され、前記案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせて前記プレイ行為が実行された場合に前記プレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記入力装置が前記プレイ行為として異なる二種類のプレイ行為の入力に使用される場合に、前記シーケンスデータに記述される複数の実行時期の少なくとも一部の実行時期を前記二種類のプレイ行為に共通する実行時期として前記案内画面を通じて案内する時期案内手段と、
前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の一方のプレイ行為が実行された場合に、前記一方のプレイ行為を評価するための第1評価手法に基づいて前記一方のプレイ行為を評価する第1評価手段と、
前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の他方のプレイ行為が実行された場合に、前記第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいて前記他方のプレイ行為を評価する第2評価手段と、
を備える、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、そのプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を案内するための案内画面を表示する表示装置と、に接続され、案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせてプレイ行為が実行された場合にそのプレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、そのプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を案内するための案内画面を表示する表示装置と、に接続され、案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせてプレイ行為が実行された場合にそのプレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このような入力装置としてタッチパネル及び押しボタンの二つの入力装置を利用し、フチに沿うように配置される円形のライン、及び真ん中からラインに向かって飛んでくるリングを含む円形の画面を通じて、リングがラインに重なるタイミングによりタッチパネルへのタッチ、或いは押しボタンを押す操作のいずれかを実行するタイミングを案内する音楽ゲームを提供するゲーム装置が知られている(例えば非特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】maimaiデラックスDXPLUS、あそびかた、[onlin e]、[令和2年1月28日検索]、インターネット、<URL:https:// maimai.sega.jp/play/howto/>
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6380644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の音楽ゲームでは、一つのリングを通じて、タッチパネル及び押しボタンの異なる二つの入力装置のいずれかへの操作の実行時期が共通に案内されている。一方、このゲームでは、その一つのリングに対してタッチパネルをタッチする操作、及び押しボタンを押す操作のいずれが実行されても、それらの操作は公平性の観点からいずれも同様に評価される。具体的には、例えば押しボタンを押す操作が実行された場合、その押す操作が検出された時期とリングを通じて指示される実行時期との間のずれ時間が評価される。同様に、タッチパネルがタッチされた場合も、そのタッチが検出された時期とリングを通じて指示される実行時期との間のずれが評価される。また、それらのずれ時間はいずれも同じ基準に基づいて評価される。つまり、押しボタンとは別にタッチパネルが設けられているものの、タッチパネルへのタッチは、操作の時期を検出するために単に押しボタンへの押す操作の代替として使用されるに過ぎない。これは使用する入力装置の相違によりゲーム結果に差がでることを避け、公平性を担保するためと考えられる。
【0006】
しかし、入力装置にはそれぞれに特性がある場合が多く、異なる入力装置がプレイ行為の入力に使用される場合には、むしろ同様の評価を行う方が公平でないと考えられる場合もある。あるいは、それらの特性の相違をゲーム性の一部として積極的に利用した方が好ましいと考えられる場合もある。入力装置が同じであっても、そこに要求されるプレイ行為の種類が相違していれば同様のことが言える。
【0007】
また、特許文献1には、第1操作部材としての押しボタンと第2操作部材としての操作レバーとが設けられ、押しボタンは操作指示標識のタイミング指示標識への到達に合わせて実行される操作に、操作レバーはキャラクタの操作に、それぞれ利用されるゲーム装置が開示されている。しかし、このゲーム装置では、異なる入力装置がプレイに使用されているものの、それらは別々の目的に使用されているに過ぎない。
【0008】
そこで、本発明は、複数種類のプレイ行為の要求に共用される一部の実行時期へのプレイ行為を、その種類に応じて異なる評価手法により評価することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、当該プレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を案内するための案内画面を表示する表示装置と、に接続され、前記案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせて前記プレイ行為が実行された場合に前記プレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステムであって、前記入力装置が前記プレイ行為として異なる二種類のプレイ行為の入力に使用される場合に、前記シーケンスデータに記述される複数の実行時期の少なくとも一部の実行時期を前記二種類のプレイ行為に共通する実行時期として前記案内画面を通じて案内する時期案内手段と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の一方のプレイ行為が実行された場合に、前記一方のプレイ行為を評価するための第1評価手法に基づいて前記一方のプレイ行為を評価する第1評価手段と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の他方のプレイ行為が実行された場合に、前記第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいて前記他方のプレイ行為を評価する第2評価手段と、を備えるものである。
【0010】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0011】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置と、当該プレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を案内するための案内画面を表示する表示装置と、に接続され、前記案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせて前記プレイ行為が実行された場合に前記プレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記入力装置が前記プレイ行為として異なる二種類のプレイ行為の入力に使用される場合に、前記シーケンスデータに記述される複数の実行時期の少なくとも一部の実行時期を前記二種類のプレイ行為に共通する実行時期として前記案内画面を通じて案内する時期案内手順と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の一方のプレイ行為が実行された場合に、前記一方のプレイ行為を評価するための第1評価手法に基づいて前記一方のプレイ行為を評価する第1評価手順と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の他方のプレイ行為が実行された場合に、前記第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいて前記他方のプレイ行為を評価する第2評価手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】音楽ゲームにおけるプレイ行為を説明するための説明図。
図4】共用オブジェクトに要求される押す操作を説明するための説明図。
図5】共用オブジェクトに要求されるスライド操作を説明するための説明図。
図6】共用オブジェクトに押しボタンスイッチへの押す操作が実行された場合の評価手法を説明するための説明図。
図7】共用オブジェクトにタッチパッドへのタッチ操作が実行された場合の評価手法を説明するための説明図。
図8】シーケンスデータの構成の一例を示す図。
図9】プレイデータの構成の一例を示す図。
図10】シーケンス処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】タッチ標識配置処理の手順の一例を示すフローチャート。
図12】タッチ標識移動処理の手順の一例を示すフローチャート。
図13】ボタン操作評価処理の手順の一例を示すフローチャート。
図14】タッチ操作評価処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0014】
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置(例えば後述のユーザ端末装置4を含む)が利用されてよいが、図1の例では商業用(業務用)のゲーム機が利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
【0015】
ゲーム機3は、タイミングゲームを提供する。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を案内、及び評価するタイプのゲームである。タイミングゲームでは、各実行時期の案内は、スピーカSPからの音声を通じた案内等、各種の出力装置を通じて適宜に実現されてよいが、一般的に表示装置に表示されるゲーム画面を通じて実現される。このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、これらの指示標識及び基準標識の位置が各実行時期において一致するように、これらの指示標識と基準標識との間に経路に沿った相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。タイミングゲームは、要求するプレイ行為の種類、実行時期の案内の仕方、或いは評価の仕方等に応じて適宜に構成される。ゲーム機3は、このような適宜のタイミングゲームを提供してよいが、一例として音楽ゲームを提供し、音楽ゲームを提供する音楽ゲーム機として構成される。
【0016】
音楽ゲームは、タイミングゲームの一種であり、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を楽曲とともに提供するタイプのゲームである。具体的には、音楽ゲームは、楽曲のリズムと一致する時期を実行時期として利用する。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。音楽ゲームの詳細は、後述する。
【0017】
ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される場合もある。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0018】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0019】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3にゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0020】
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0021】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバ用プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、各種のサービスの提供に必要な各種のデータを含む。このようなデータは、例えば後述のゲームデータGDの一部、或いは全部等の音楽ゲーム用の各種のデータを含み得るが、図2の例ではプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。プレイデータPDの詳細は後述する。
【0022】
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバ用プログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。このような論理的装置には、例えば上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行するWebサービス管理部等が含まれ得るが、図2の例ではゲーム機サービス管理部24が示されている。ゲーム機サービス管理部24は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する論理的装置である。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0023】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、図2の例ではゲーム提供部33が示されている。ゲーム提供部33は、ゲームの提供に必要な各種の処理、或いはセンターサーバ2が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する論理的装置である。ゲーム提供部33は、このような各種の処理として、例えばシーケンス処理、タッチ標識配置処理、タッチ標識移動処理、ボタン操作評価処理、及びタッチ操作評価処理を実行する。これらの処理の手順については後述する。
【0024】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図2の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG2に従ってユーザに所定の音楽ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えば音楽ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、図2の例ではプレイデータPD、楽曲データMD、及びシーケンスデータQDが示されている。プレイデータPD(その他のゲームデータGDがセンターサーバ2に記憶されている場合は、それも同様)は、必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供される。
【0025】
楽曲データMDは、音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDは各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報が互いに関連付けられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。シーケンスデータQDの詳細は後述する。
【0026】
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、図2の例では出力装置としてモニタMO、及びスピーカSPが、入力装置としてリーダRD、及びコントロールパネルCPが、それぞれ示されている。モニタMOは、制御ユニット31からの出力信号に従って音楽ゲームを提供するためのゲーム画面等の各種画面(画像)を表示する周知の表示装置である。同様に、スピーカSPは、制御ユニット31からの出力信号に従って楽曲等の各種音声を再生するための周知の音声再生装置である。この例においてモニタMOが本発明の表示装置として機能する。
【0027】
リーダRDは、ユーザが所持する記録媒体(各種の情報を記録する媒体)から情報を取得するための周知の装置である。記録媒体は適宜に構成されてよく、リーダRDも記録媒体の種類(あるいは記録方法)に応じて適宜に構成されてよいが、図2の例では記録媒体としてカードCDが利用されている。カードCDには、ICチップ等の適宜の方法で情報が記録されてよいが、一例として所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して記録される。同様に、リーダRDとして、ICチップ等の電子的記録媒体に記録された情報を各種の近距離無線通信規格を通じて受信するための受信機等の各種の装置が使用されてよいが、一例としてカードCDのコードを読み取るためのカメラが利用される。ユーザを識別するためのIDカード、或いはゲームにキャラクタを再現するためのキャラクタカード等の適宜のカードがカードCDとして使用されてよく、それらに応じて適宜の情報がコードを介してカードCDには記録される。リーダRDは、コードの読み取りを通じて、それらの情報を取得し、制御ユニット31に提供する。
【0028】
コントロールパネルCPは、ユーザの操作を入力するための各種の入力装置(あるいは操作部)が設けられる周知の装置である。コントロールパネルCPには、適宜の入力装置が設けられ得るが、図2の例では押しボタンスイッチBS、及びタッチパッドTPが示されている。押しボタンスイッチBSは、ユーザの押す操作を入力するための周知の入力装置である。タッチパッドTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する周知の入力装置である。この例において押しボタンスイッチBS、及びタッチパッドTPが本発明の二種類の入力装置としてそれぞれ機能する。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。例えば、このような入力装置には、所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれる。しかし、これらの図示は省略した。
【0029】
次に、図3図7を参照して、ゲーム機3が提供する音楽ゲームについて説明する。音楽ゲームは、上述のとおりシーケンスデータQDに記述された各実行時期を音楽(楽曲)のリズムに合わせて案内し、各ユーザの実際のプレイ行為の時期を評価するタイプのタイミングゲームの一種である。図3は、音楽ゲームにおけるプレイ行為を説明するための説明図である。図3の例は、ゲーム機3のモニタMO、及びコントロールパネルCPを拡大して模式的に示している。図3に示すように、モニタMOには、案内画面50が表示される。案内画面50は、指示標識と基準標識との間の相対的変位を案内するためのゲーム画面である。案内画面50は、指示標識としてのオブジェクト51、基準標識としての判定ライン52、及び各オブジェクト51が配置されるべき経路としてのレーン53を含んでいる。
【0030】
案内画面50には、適宜のレーン53に適宜の数のオブジェクト51が出現し、その出現したレーン53に沿って判定ライン52に向かって移動する。つまり、レーン53は時間軸として機能し、このレーン53(時間軸)に沿って移動するオブジェクト51の判定ライン52への到達により各実行時期が案内される。具体的には、レーン53は、曲線、或いは適宜の屈曲部(折れ曲がる部分)を有する直線等の適宜の形状に構成されてよいが、図3の例では上下方向に伸びる直線として構成されている。また、レーン53の数も適宜でよいが、図3の例では9つのレーン53が設けられている。さらに、各レーン53は、視覚的に認識出来ないように設定されてもよいが、図3の例では視覚的に識別可能に構成されている。つまり、案内画面50には、上下方向に直線状に伸びる9つのレーン53が互いに区別可能に表示されている。
【0031】
また、判定ライン52は、各オブジェクト51の移動先(到達位置でも通過位置でもよい)として各レーン53の形状等に合わせて適宜の数、適宜の位置に適宜の形状で配置されてよい。例えば、判定ライン52はレーン53毎に別々の位置に異なる形状で配置されてもよいし、各レーン53と交差するように伸びる一つの判定ライン52として構成されてもよい。このように判定ライン52は適宜に構成されてよいが、図3の例では9つのレーン53と直交するように、これらのレーン53の並ぶ方向(左右方向)に伸びる一本の直線として構成され、各レーン53の下端側付近に位置するように配置されている。
【0032】
各オブジェクト51は、図3の例では各レーン53の上端側に出現し、下端側の判定ライン52に向かって移動する。オブジェクト51は、一種類のプレイ行為を要求するように一種類だけであってもよいが、一例として複数種類のプレイ行為をそれぞれ要求する複数種類のオブジェクト51を含んでいる。具体的には、オブジェクト51は、通常オブジェクト51A、共用オブジェクト51B、及び特別オブジェクト51Cを含んでいる。通常オブジェクト51Aは、コントロールパネルCPの押しボタンスイッチBS、及びタッチパッドTPのうち、押しボタンスイッチBSを押す操作を要求するオブジェクト51である。コントロールパネルCPには、適宜の数の押しボタンスイッチBSが設けられてよいが、図3の例では9つのレーン53にそれぞれ対応する9つの押しボタンスイッチBSが設けられている。この場合、ユーザには、通常オブジェクト51の判定ライン52への到達に合わせて、その通常オブジェクト51が移動しているレーン53に対応する押しボタンスイッチBSへの押す操作が要求される。そして、このような要求時期(シーケンスデータQDの実行時期)とユーザがその押しボタンスイッチBSに押す操作を実行した実際の押す操作の時期とのずれ時間が、そのずれ時間が短いほど評価が高くなるように評価される。
【0033】
特別オブジェクト51Cは、コントロールパネルCPの押しボタンスイッチBS、及びタッチパッドTPのうち、タッチパッドTPへのタッチ操作を要求するオブジェクト51である。特別オブジェクト51Cは、タッチパッドTPに対する各種のタッチ操作(例えば、円を描くような操作、左右にタッチ位置を移動させるスワイプ操作、所定の位置へのタッチ操作を維持する長押し操作、或いは単なるタッチ操作等)を要求してよいが、一例としてタッチパッドTPにおいてタッチ操作の位置を左右方向HD(破線矢印)のいずれか一方に素早く移動させるフリック操作を要求する。また、特別オブジェクト51Cは、このようなフリック操作を要求する各種の形態(形、大きさ、配色等)により適宜に構成されてよいが、一例として9つのレーン53のうち中央付近に位置するレーン53から左右方向HDに各レーン53と直交するように伸びるボックス状に構成される。
【0034】
コントロールパネルCPには、要求されるタッチ操作に応じて適宜の形態のタッチパッドTPが設けられてよいが、図3の例では上述のフリック操作が入力可能なように左右方向HD(各レーン53が並ぶ方向)に所定の長さで伸びる矩形のタッチパッドTPが設けられている。具体的には、タッチパッドTPは、案内画面50の9つのレーン53に対応する範囲(横幅、左右方向HDの範囲)を含む長さを有するように左右方向HDに伸びる矩形状に形成される。タッチパッドTPのタッチ位置と各レーン53との対応関係は適宜に設定されてよいが、一例としてタッチパッドTPは左右方向HDに9つのレーン53にそれぞれ対応する9つの領域に区分される。この場合、ユーザには、ボックス状の特別オブジェクト51Cの判定ライン52への到達に合わせて、その特別オブジェクト51をなぞるように、その特別オブジェクト51が跨がる複数のレーン53(図3の例では真ん中から右端までの5つのレーン53)にそれぞれ対応する複数の領域へのフリック操作が要求される。この例において、左右方向HDが本発明の対応する方向、及び並ぶ方向として機能する。
【0035】
一方、共用オブジェクト51Bは、押しボタンスイッチBSへの押す操作の要求、及びタッチパッドTPへのタッチ操作の要求の両方に共用されるオブジェクト51である。共用オブジェクト51Bは、押す操作及びタッチ操作の両方を同時に要求してもよいが、一例として押す操作及びタッチ操作のいずれか一方の実行を要求する。つまり、共用オブジェクト51Bは、押す操作の実行、及びタッチ操作の実行のいずれも適切なプレイ行為として、その両者のいずれも許容する。共用オブジェクト51Bに対して押す操作及びタッチ操作の両方が実行された場合、例えば評価の高い方等、いずれか一方の操作が適宜に優先されてよいが、一例としてタッチ操作が優先される。つまり、仮に共用オブジェクト51Bに対して押す操作及びタッチ操作の両方が実行された場合、その共用オブジェクト51Bに対するプレイ行為としてタッチ操作が優先的に採用され、評価される。この場合、押す操作の方の評価は実行されない。一方、プレイの仕方の幅を広げるために、押す操作、及びタッチ操作が混在する操作も許容される。例えば、共用オブジェクト51Bに複数のプレイ行為が要求される場合において、その一部が押す操作により、残りがタッチ操作により、それぞれ実行されてもよい。つまり、複数のプレイ行為の途中においてプレイ行為が押す操作からタッチ操作に切り替わってもよい。この例において、押しボタンスイッチBSへの押す操作、及びタッチパッドTPへのタッチ操作が本発明の二種類のプレイ行為として機能する。
【0036】
また、共用オブジェクト51Bは、各種の押す操作及びタッチ操作を要求するように適宜の数、適宜の形状、或いは配色等により構成されてよい。例えば、一回の押す操作、或いはタッチ操作(いずれも連続的な操作を含む)を要求する一つのオブジェクト51(例えば特別オブジェクト51Cのような形態)として構成されてもよい。あるいは、複数の押す操作(連続的でなくてもよいが、短時間に多くの操作を含む高密度の操作が好ましい)、或いはタッチ操作を要求する一つ、或いは複数のオブジェクト51として構成されてもよい。このように共用オブジェクト51Bは、適宜に構成されてよいが、図3の例では全レーン53に跨がって時差的に位置する一連のオブジェクト群として構成されている。つまり、共用オブジェクト51Bは、全レーン53に一定時間毎にずれて各実行時期を案内する9つのオブジェクト51(以下、個別オブジェクト51Sと呼ぶ場合がある)によって構成される。そして、共用オブジェクト51Bは、一連のオブジェクト群(9つの個別オブジェクト51S)を通じて各個別オブジェクト51Sの到達順に連続的に全押しボタンスイッチBSを押す操作、或いは各個別オブジェクト51Sの到達順に各レーン53に対応するタッチパッドTPの各領域を連続的にタッチするスライド操作を要求する。この例において共用オブジェクト51Bを構成する一連のオブジェクト群(9つの個別オブジェクト51S)、及びそれらが配置される全レーン53が、本発明の一連の指示標識、及び二以上の経路としてそれぞれ機能する。
【0037】
図4及び図5を参照して、共用オブジェクト51Bに要求される押す操作、及びスライド操作について説明する。図4は、共用オブジェクト51Bに要求される押す操作を説明するための説明図である。図4の例は、案内画面50、及びコントロールパネルCPの押しボタンスイッチBSを模式的に示している。図4に示すように、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群は、判定ライン52に向かって先頭に位置する個別オブジェクト51Sから順に判定ライン52に到達する。ユーザには、一連のオブジェクト群の到達に合わせて、各個別オブジェクト51Sが移動するレーン53に対応する押しボタンスイッチBSを順に押す操作が要求される。
【0038】
具体的には、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群は、9つのレーン53のうち左右両端、或いはそれらの間の適宜のレーン53等の適宜のレーン53に先頭(最も早い実行時期に対応する個別オブジェクト51S)が位置するように配置されてよいが、図4の例では左端のレーン53に先頭の個別オブジェクト51Sが配置され、そこから右端に向かって順に時差的に各個別オブジェクト51Sが配置されている。結果として、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群は、左端から右端に向かって徐々に上昇する傾斜を描くように直線上に配置されている。この場合、左端の個別オブジェクト51Sが判定ライン52にまず到達し、破線の仮想オブジェクト51Vが示すように、その後はその右隣、その右隣の更に右隣といった具合に順に右隣の各レーン53の各個別オブジェクト51Sが判定ライン52に到達する。この場合、ユーザにはまず先頭(左端)の個別オブジェクト51Sの到達に合わせて、その個別オブジェクト51Sが移動した左端のレーン53に対応する左端の押しボタンスイッチBSを押す操作が要求される。以降同様に、破線矢印BA1で示すように、各レーン53の個別オブジェクト51Sの到達に合わせて左端から二番目の押しボタンスイッチBSから右端の押しボタンスイッチBSまで、連続的に順に押す操作がユーザに要求される。
【0039】
また、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群に対する押す操作は、適宜に評価されてよく、例えば全体で一つの操作として評価されてもよいが、一例として個別オブジェクト51S毎に個別に評価される。つまり、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群に対する押す操作は、通常オブジェクト51Aへの押す操作と同様に、各個別オブジェクト51Sに対応する実行時期(シーケンスデータQDに記述される)と、各押しボタンスイッチBS(適切な位置のもの)に対する押す操作の実際の時期との間のずれ時間に基づいて評価される。例えば、先頭(左端)の個別オブジェクト51Sへの押す操作は、判定ライン52への到達前でも後でもなく、その到達した時期に、まさに左端の押しボタンスイッチBSを押す操作が要求され、その要求時期と押す操作の実際の時期との間のずれ時間が評価される。以降においても、各個別オブジェクト51Sが仮想オブジェクト51Vに対応する位置に到達した時期に各押しボタンスイッチBSを押す操作が要求され、その要求時期と押す操作の実際の時期との間のずれ時間が評価される。このずれ時間の評価基準は、通常オブジェクト51Aの評価基準と一致していても相違していてもよく、適宜に設定されてよいが、一例として通常オブジェクト51Aよりも緩い基準(以下、緩和基準と呼ぶ場合がある)が設定される。緩和基準の詳細は後述する。
【0040】
図5は、共用オブジェクト51Bに要求されるスライド操作を説明するための説明図である。図5の例は、図4の例と同様の共用オブジェクト51Bに対してスライド操作が実行される場合における案内画面50のレーン部分、及びタッチパッドTPを模式的に示している。図5に示すように、共用オブジェクト51Bの一連のオブジェクト群は、図4の例と同様に左端の個別オブジェクト51Sから右端の個別オブジェクト51Sに向かって順に判定ライン52に到達するが、この共用オブジェクト51Bに対してユーザがタッチパッドTPを使用する場合、ユーザには各個別オブジェクト51Sの判定ライン52への到達に合わせてタッチパッドTPを左端のレーン53に対応する領域から左端のレーン53に対応する領域までタッチ操作の位置を連続的に移動(変化)させるスライド操作が要求される。
【0041】
具体的には、タッチパッドTPへのスライド操作とそれに対応するレーン53(或いは判定ライン52)の位置とは適宜に対応してよいが、図5の例ではタッチパッドTPには上述のように9つのレーン53にそれぞれ対応する9つの領域TRが形成されている。各領域TRは、各レーン53の大きさ(特に横幅)及び配置(特に左右方向HDの配置)と一致していても相違していてもよいが、図5の例では横幅及び左右方向HDにおける位置関係が一致するように配置されている。つまり、各レーン53の下方にそのレーン53に対応する同様の横幅の領域TRが配置されるように、9つの領域TRが9つのレーン53の下方に横並びに配置されている。この場合、タッチ操作の位置は、9つの領域TRのいずれに属するか、各領域TRの単位で特定されてもよいが、一例としてタッチパッドTPにおける座標まで特定される。そして、その座標が属する領域TRが判別され、そのタッチ操作がいずれの領域TRに実行されたか特定される。
【0042】
また、タッチパッドTPは適宜の大きさに形成されてよいが、一例として9つのレーン53を含むようにそれら全部の横幅よりも大きく形成されている。このため、タッチパッドTPの左右には予備の領域が残っている。この場合、ユーザには、各個別オブジェクト51Sの判定ライン52への到達に合わせて、その到達した個別オブジェクト51Sのレーン53に対応する各領域TRに対するタッチ操作が順に要求される。例えば、ユーザには左端の個別オブジェクト51Sの判定ライン52への到達に合わせて、左端のレーン53に対応する領域TRに対するタッチ操作が要求される。以降同様に、各レーン53の個別オブジェクト51Sの到達に合わせて左端から二番目のレーン53に対応する領域TR(9つの領域TRのうち左から二番目)から右端のレーン53に対応する領域TR(9つの領域TRのうち右端)まで連続的に各領域TRをタッチするタッチ操作がユーザに要求される。
【0043】
各領域TRへのタッチ操作として、例えばレーン53毎にタッチパッドTPから指を離す領域TR毎のタッチ操作、つまり一連のオブジェクト群の数と同数だけタッチパッドTPにタッチするタッチ操作等の適宜のタッチ操作が許容されてよいが、タッチ操作の位置を前の領域TRから次の領域TRへと指を離さずに連続的に横方向にスライドするスライド操作も許容される。このため、ユーザは領域TR毎にタッチ操作を終了し、指をタッチパッドTPから離す必要はない。結果として、各個別オブジェクト51Sの到達に合わせて各レーン53に対応する位置にタッチ操作が実行されているようにタッチ操作の位置をその状態を維持したまま左端の領域TRから右端の領域TRまで横方向(破線矢印BA2で示す方向)に移動させるスライド操作が許容される。
【0044】
各領域TRは、タッチパッドTPにおいて視覚的に識別可能に区別されていてもよいが、一例として視覚的な区別は省略される。この場合(あるいは視覚的に区別される場合も同様)、タッチ操作が実行されている領域TRとそれに対応するレーン53との間の対応関係が表示されてもされなくてもよいが、一例としてタッチ標識55を通じてこれらの対応関係が案内画面50に提示される。つまり、タッチパッドTPに対するタッチ操作の位置とその位置に対応するレーン53の位置との間の対応関係を示す補助的な標識としてタッチ標識55が案内画面50に追加的に表示される。タッチ標識55は、タッチ操作の位置とその位置に対応するレーン53の位置との間の対応関係を把握可能な適宜の位置に配置されてよいが、図5の例では判定ライン52に沿って判定ライン52の上に配置されている。
【0045】
また、タッチ標識55は、各種の表示条件に応じて適宜の位置に表示開始されてよい。例えば、押しボタンスイッチBSへの押す操作(例えば共用オブジェクト51Bが表示されている場合、或いは共用オブジェクト51Bの一部が判定ライン52への到達時期を迎える場合等の適宜に時期を限定する条件が追加されてもよい)に伴い、その押す操作が実行された押しボタンスイッチBSに対応するレーン53の位置に表示されてもよい。あるいは、タッチパッドTPへのタッチ操作に伴い、そのタッチ操作の位置とは無関係に共用オブジェクト51Bの先頭の個別オブジェクト51Sに対応するレーン53の位置に表示されてもよい。また、タッチ標識55は、例えば共用オブジェクト51Bの表示が終了した場合等の適宜の消滅条件に応じて消滅(表示終了)してもよいし、常時表示されていてもよい(この場合、表示位置は例えば最終のタッチ操作に対応する位置でよく、表示条件も省略されてよい)。
【0046】
上述のように、タッチ標識55は各種の表示条件等に応じて適宜に表示されてよいが、一例としてタッチパッドTPへのタッチ操作に伴い、そのタッチ操作の位置に対応するレーン53の位置を示すように判定ライン52に沿って表示される。そして、タッチ標識55は左右方向HDに対するタッチ操作の位置に応じて判定ライン52の上を同様に左右方向HDに移動する。また、タッチ操作の位置の変化(左右方向HDへの移動距離)とそれに対応するタッチ標識55の移動距離との間の対応関係は、各領域TRの横幅がレーン53の横幅と一致している場合には、その対応関係(タッチ操作の左右方向HDへの移動幅とタッチ標識55の左右方向HDへの移動幅との関係)も一致していることが好ましいが、タッチパッドTPには適宜の幅(例えばレーン53の横幅が4cmの場合、それと一致する4cm、或いは一つのレーン53に対応する4cmのスライド操作により二つ分のレーン53がカバーされるその半分の2cm等の適宜の幅)の各領域TRが形成されてよく、そのような場合(あるいは各領域TRの横幅がレーン53の横幅と一致している場合も同様)にはスライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係は適宜に調整されてよい。
【0047】
例えば、このような調整は、複数の楽曲が用意される場合の各楽曲、複数の難易度が用意される場合の各難易度、ユーザの熟練度を示す複数のレベル(ユーザの腕前を示す情報)が用意される場合の各レベル、或いはユーザによる設定が許容される場合の設定結果等の各種の対応条件に応じて適宜に実現されてよい。例えば、スライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係が、そのような対応関係を設定するためのゲーム画面(不図示)を通じてプレイ前にユーザによって設定される場合、その設定は左端のレーン53から右端のレーン53までに対応するスライド操作をタッチパッドTPに実行することにより実現されてよい。この場合、そのタッチパッドTPに実行されたスライド操作の移動幅が左端のレーン53から右端のレーン53までの移動幅に対応するように、スライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係(換言すれば、タッチパッドTPにおいて9つのレーン53に対応する範囲、或いは左右方向HDの幅)が設定される。このようにスライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係は適宜に設定されてよいが、図5の例では各領域TRの横幅がレーン53の横幅と一致しており、かつスライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係が一致するように設定されている。このため、ユーザは、そのタッチ標識55を目安に、各個別オブジェクト51Sの判定ライン52への到達に合わせてタッチ標識55の位置をその到達した個別オブジェクト51Sの位置と合わせる(例えば、一致させる)ようにタッチ操作の位置を左端の領域TRから右端の領域TRまで変化させる操作を共用オブジェクト51Bに対するスライド操作として実行することができる。
【0048】
タッチ標識55の形態(大きさ、形、配色等)は、例えば各レーン53の横幅と同様の幅のボックス状の形態等、適宜であってよい。例えばユーザのスライド操作が所定の評価範囲(評価期間)に基づく評価基準によって評価される場合において、その評価基準に関連していても関連していなくてもよい。具体的には、例えば、タッチ標識55は縦方向(個別オブジェクト51Sの相対的変位の方向、つまり個別オブジェクト51Sの移動方向)の幅は、その評価範囲を示すように、その評価範囲に対応する幅に形成されてもよい。同様に、タッチ標識55の横幅も、各領域TRに対するタッチ操作の終了時期(例えば各領域TRを指が離れる時期)が同様の評価範囲よって評価される場合にやはりその評価範囲に対応する幅に形成されてもよい。このようにタッチ標識55は適宜の形態を有していてよいが、図5の例では視覚的に目につきやすいように、二つのレーン53に跨がる大きさ(レーン53の二つ分の横幅)の楕円形状に形成されている。
【0049】
具体的には、図5の例では、スライド操作に伴うタッチ操作の位置が左から二番目の領域TRの中心付近に位置している場合に、それに対応する左から二番目のレーン53の中心付近に縦方向において楕円形の幅が最も広くなる部分(最厚部分)が位置するように判定ライン52に沿ってタッチ標識55が表示されている。この場合、楕円形の縦方向の幅(例えば最も厚い部分)、及び横方向の幅(二つのレーン53分の幅)は、上述のように評価範囲と一致していても、一致していなくてもよいが、一例としていずれも評価範囲とは無関係に形成される。そして、ユーザのスライド操作に伴い、同様にタッチ操作の位置に最厚部分が位置するように、このタッチ標識55の位置もスライド操作に付随して変化する。
【0050】
図6、及び図7を参照して、共用オブジェクト51Bの評価に適用される評価手法について説明する。上述のように共用オブジェクト51Bには、押しボタンスイッチBSへの押す操作、及びタッチパッドTPへのタッチ操作のいずれの操作もプレイ行為として許容されるが、両操作間には操作の難易度に相違がある。このため、押す操作が実行された場合とタッチ操作が実行された場合とでは異なる評価手法が適用される。一方、共用オブジェクト51Bに押す操作が実行される場合、要求されるプレイ行為としては通常オブジェクト51Aと一致する。この場合、通常オブジェクト51Aと同様の評価手法が共用オブジェクト51Bに適用されてもよいが、一例として要求される押す操作の難易度が考慮され、通常オブジェクト51Aと異なる評価手法が共用オブジェクト51Bに適用される。
【0051】
図6は、共用オブジェクト51Bに押しボタンスイッチBSへの押す操作が実行された場合の評価手法を説明するための説明図である。図6の例は、共用オブジェクト51Bの評価手法と通常オブジェクト51Aの評価手法とを対比するために、(a)通常オブジェクト用の評価基準、及び(b)共用オブジェクト用の評価基準を示している。図6に示すように、共用オブジェクト51Bの評価手法では、通常オブジェクト51Aに適用される評価基準に比べて、評価範囲が広く、かつ評価範囲のいずれにおいても一律に評価される基準が採用される。つまり、共用オブジェクト51Bの押す操作の評価には、通常オブジェクト51Aよりも評価基準が緩和された緩和基準が採用される。
【0052】
具体的には、まず(a)通常オブジェクト用の評価基準が示すように、通常オブジェクト51Aには評価範囲が複数段階に区分される評価基準(以下、通常評価基準と呼ぶ場合がある)が適用される。評価範囲は適宜に区分されてよいが、図6の例ではシーケンスデータQDの実行時期を基準に三つのレベルに区分されている。より具体的には、実行時期を中心とする所定期間がレベルAに、そこから前後に所定期間離れる期間がいずれもレベルBに、そのレベルBから更に前後に所定期間離れる期間がいずれもレベルCに、それぞれ区分されている。つまり、評価範囲は、レベルAを中心に、その前後の二つのレベルB、更にレベルBの前後の二つのレベルCの計五つに区分されている。これらのレベルA~Cは、レベルA、B、Cの順に評価が高い。つまり、評価範囲は、実行時期に近づくほど評価が高くなるように三つのレベルに区分されている。そして、通常オブジェクト51Aに押す操作が実行された場合、その押す操作の実際の実行時期がシーケンスデータQDの実行時期とどれだけずれているか、つまり評価範囲のいずれの区分(レベル)に属するかに応じてその押す操作が評価される。
【0053】
一方、緩和基準は通常評価基準が緩和された基準であるが、このような緩和は各種の手法により実現されてよい。例えば、緩和基準では、評価範囲の変更、及び評価範囲の区分の変更のいずれか一方のみにより実現されてもよいが、図6の例では両方の変更により基準の緩和が実現されている。具体的には、(b)共用オブジェクト用の評価基準が示すように、共用オブジェクト51Bにも押す操作用の評価範囲が設定されるが、その評価範囲は通常評価基準の評価範囲(以下、通常評価範囲と呼ぶ場合がある)よりも広く設定される。つまり、緩和基準の評価範囲(以下、緩和評価範囲と呼ぶ場合がある)は、通常評価範囲よりも広い。また、緩和評価範囲は、通常評価範囲よりも適宜に広く設定されてよいが、一例として通常評価範囲の前後が一つのレベルに対応する所定期間だけ拡大される。
【0054】
また、緩和評価範囲の区分は、例えは二つのレベルにそれぞれ対応する三つの区分等、適宜に通常評価範囲の区分に比べて変更されてよいが、図6の例では緩和評価範囲は特に区分されず、緩和評価範囲のいずれにも一つのレベルが設定される。つまり、緩和基準では、緩和評価範囲に属する限り、いずれの時期に押す操作が実行されても一律に同じレベルとして評価される。また、このようなレベルとして、レベルB、或いはレベルC等の適宜のレベルが適用されてよいが、一例としてレベルAが適用される。つまり、共用オブジェクト51Bに押す操作が実行された場合、その押す操作の時期が緩和評価範囲に属するか否かが判別され、その緩和評価範囲に属する場合には一律にレベルAとして判定される。評価手法は各種の要素で構成され、共用オブジェクト51Bと通常オブジェクト51Aとの間ではそれらの各種の要素が適宜に相違していてよいが、一例としてこのように評価基準の相違により評価手法が相違する。この例において通常評価基準、及び通常評価範囲が本発明の所定の評価基準、及び第1ずれ範囲としてそれぞれ機能する。また、緩和評価範囲、及びそこに一律に設定されるレベルAが、本発明の第2ずれ範囲、及び一つの段階としてそれぞれ機能する。
【0055】
図7は、共用オブジェクト51BにタッチパッドTPへのタッチ操作が実行された場合の評価手法を説明するための説明図である。共用オブジェクト51Bには適宜のタッチ操作が実行されてよいが、図7の例は図5の例の共用オブジェクト51Bにスライド操作が実行される場合の評価手法を示している。また、押しボタンスイッチBSを押す操作とタッチパッドTPへのスライド操作との間では、適宜の要素において評価手法が相違していてよいが、図7の例は評価基準を適用するための基準の時期が相違する場合を示している。図7の例は、このような場合において図5の例の先頭の個別オブジェクト51Sに対するタッチ操作がスライド操作を開始するために実行される場合を示している。この場合、図7に示すように、タッチ操作を評価基準に基づいて評価するために押す操作の場合と同様に評価範囲が設定され、その評価範囲には複数段階のレベルが設定されるが、それらのレベルのいずれに属するかはタッチ操作の開始時期(タッチ時期)だけでなく、その終了時期も考慮される。つまり、タッチ操作はタッチ時期及びその終了時期の組み合わせにより各レベルのいずれに属するかが判断される。
【0056】
具体的には、スライド操作の場合、最初のタッチ操作以降においてはタッチパッドTPのいずれかにタッチ操作が実行された状態が継続する。このような特性のスライド操作において押しボタンスイッチBSへの押す操作と同様に押す操作が実行された時期を基準に操作の有無が判別されてしまうと、連続的操作を実現するスライド操作を十分に活用できない可能性がある。このため、タッチパッドTPへのタッチ操作の開始時期ではスライド操作の適否は判別されず、各個別オブジェクト51Sの到達時期にその個別オブジェクト51Sが到達するレーン53に対応する領域TRにタッチ操作が実行されているか否か、換言すればその領域TRに指が位置しているか否かによって各個別オブジェクト51Sに対するタッチ操作の有無が判別される。つまり、押す操作の操作の有無の判別基準とは別の基準により各個別オブジェクト51Sに対するタッチ操作の有無が判別される。
【0057】
また、スライド操作の開始に対応するタッチ操作の場合、それ以前にタッチパッドTPにタッチ操作が実行されていない(指がタッチパッドTPから離れている)可能性もあるため、上述の判別基準はスライド操作の開始時を除く、タッチ操作の移動において適用されてもよいが、一例としてスライド操作の開始時のタッチ操作にも適用される。このため、例えばタッチパッドTPから指を離さずに特別オブジェクト51Cに対するフリック操作から連続して共用オブジェクト51Bへのスライド操作に移行するような操作が許容される。スライド操作への移行前のタッチ操作には各種のケースが考えられるが、いずれにしても本来の実行時期(シーケンスデータQDで指示される実行時期)よりも前にタッチパッドTPのいずれかの領域TRにタッチ操作が開始されていても、各個別オブジェクト51Sの判定ライン52への到達時期にその到達した個別オブジェクト51Sのレーン53に対応する領域TRにタッチ操作が実行されていれば(指が位置していれば)その個別オブジェクト51Sへのタッチ操作が実行されていると判別される。
【0058】
また、タッチ操作の有無は厳密に実行時期を基準に判別されてもよいが、ある程度の判定期間を設けるために評価範囲おいてタッチ操作が実行されている場合にタッチ操作ありと判断される。具体的には、例えば図5の例において先頭に位置する個別オブジェクト51Sに対応する左端の領域TRにその個別オブジェクト51Sの到達時期にタッチ操作が実行されていれば、それ以前にタッチパッドTPのいずれの位置にタッチ操作が実行されていたとしてもタッチ操作ありと判別される。また、その到達時期(シーケンスデータQDの実行時期)よりも前に左端の領域TRからタッチ操作の位置が離れていても、或いはその到達時期よりも後に左端の領域TRにタッチ操作が実行されたとしても、そのタッチ操作の時期が評価範囲に含まれていれば、そのタッチ操作ありと判別される。つまり、タッチ操作が領域TRに位置している時期が評価範囲に含まれるか否かにより、先頭の個別オブジェクト51Sに対するタッチ操作が実行されているか否か判別される。それ以降の個別オブジェクト51Sに関しても同様である。
【0059】
また、共用オブジェクト51Bにはスライド操作に限らず、各種のタッチ操作が実行されてよく、これらの各種のタッチ操作に応じて終了時期は適宜に判別されてよい。例えば、個別オブジェクト51S毎にタッチパッドTPへのタッチ操作が実行される場合には、各領域TRのタッチ操作の位置から指が離れたときがタッチ操作の終了時期と判別されてよい。このようにタッチ操作の終了時期は適宜に設定されてよいが、図7の例ではスライド操作の場合にはタッチ操作中の領域TRから次の領域TRに指が侵入したとき、換言すればタッチ操作が隣接する領域TRの境界を越えたときが終了時期として判別されている。
【0060】
具体的には、例えば、図5の例では左端の領域TRへのタッチ操作からスライド操作が開始し、その左端の領域TRからその隣の領域TR(左端から二番目の領域TR)にタッチ操作の位置(指の位置)が変化したとき、つまり境界を越えて左端から二番目の領域TRに指が侵入したときが終了時期(左端の領域TRから指が離れる時期)と判別され、その時期に左端の領域TRへのタッチ操作、換言すれば左端に位置する先頭の個別オブジェクト51Sへのタッチ操作が終了したと判断される。
【0061】
スライド操作用の評価範囲は、通常評価範囲、及び緩和評価範囲のいずれかと同様の評価範囲、或いはそれらとは全く別の評価範囲(適宜のレベルに区分されていてよい)等の適宜の評価範囲が利用されてよいが、図7の例では通常評価範囲と同様の評価範囲が利用される。そして、上述のように、このような評価範囲においてタッチ操作が実行されていれば、タッチ操作ありと判別されるが、タッチ操作の具体的評価、つまりそのタッチ操作が各レベルのいずれに属するかはタッチ時期、及び終了時期の両方により判断される。具体的には、評価範囲が設定される場合、その途中からタッチ操作が実行される場合、途中に対象の領域TRへのタッチ操作が終了する場合、或いは評価範囲の全期間に亘ってタッチ操作が実行されている場合といったケースが考えられる。これらはタッチ時期及び終了時期の組み合わせにより区別される。また、タッチ時期及び終了時期は適宜に組み合わされて評価に使用されてよいが、一例としてタッチ時期から終了時期までの間に含まれるレベルに基づいて、それらのうちの最も評価の高いレベルとして評価される。
【0062】
図7の例では、ケースAがタッチ時期及び終了時期の両方が評価範囲に含まれる場合を、ケースB及びケースDがタッチ時期だけが評価範囲に含まれる場合を、ケースCは終了時期だけが評価範囲に含まれる場合を、ケースEはタッチ時期及び終了時期のいずれも評価範囲に含まれない場合を、それぞれ示している。具体的には、ケースAは、タッチ時期が先のレベルCに、離れる時期(終了時期)が後のレベルCにそれぞれ属し、レベルAに属する時期を跨ぐようにスライド操作が実行される場合を示している。このケースは、最も評価の高いレベルAにおいてタッチ操作が実行されているため、レベルAと評価される。ケースBは、タッチ時期がレベルAに属するものの、離れる時期が評価範囲外に属する場合を示している。このケースも、レベルAにおいてタッチ操作が実行されているため、レベルAと評価される。ケースCは、タッチ時期が評価範囲外の時期に、離れる時期がレベルBに属する時期に、それぞれ実行される場合を示している。このケースでは、タッチ時期から離れる時期(終了時期)までの間で最も高い評価は、離れる時期のレベルBである。このため、このケースのタッチ操作は、レベルBと評価される。ケースDは、タッチ時期が後のレベルBに、離れる時期が評価外に、それぞれ属する場合を示している。このケースでも、同様にタッチ時期から離れる時期までの間で最も高い評価はレベルBである。このため、タッチ時期が属するレベルBと評価される。一方、ケースEは、タッチ時期及び離れる時期のいずれも評価範囲外の場合を示している。この場合、タッチ時期から離れる時期までの間に評価範囲内の全てが含まれ、そこには当然レベルAも含まれる。このため、レベルAと評価される。
【0063】
一方、押しボタンスイッチBSへの押す操作の場合、上述のようにあくまでもその押しボタンスイッチBSに押す操作が実行された時期が実際の実行時期として判別される。例えば、図4の例において先頭に位置する個別オブジェクト51Sに対応する左端の押しボタンスイッチBSに対して、その個別オブジェクト51Sの到達前から押す操作が実行されていたとしても、到達時期に合わせて押す操作が実行されない限り、その個別オブジェクト51Sに対する押す操作が実行されたとは判別されない。このように押す操作とタッチ操作との間では、まず評価基準を適用するための時期が相違し、このような時期を使用することにより評価手法が相違する。
【0064】
また、上述のように共用オブジェクト51Bに押す操作が実行される場合、緩和基準が適用され、タッチ評価基準よりも広い緩和評価範囲を基準に押す操作の有無が判別される。そして、押す操作が実行されたと判別される場合、その押す操作の実行時期(換言すれば開始時期)は一律に最も高いレベルAと判別される。つまり、押す操作が実行される場合、その実行時期が緩和評価範囲に属する限り、一律に最高レベルとして押す操作が評価される。このため、押す操作とタッチ操作との間では、このような評価基準(一律か複数段階か)においても評価手法が相違する。この例において共用オブジェクト51Bへの押す操作に適用される評価手法、及びスライド操作に適用される評価手法が、本発明の第1評価手法、及び第2評価手法としてそれぞれ機能する。同様に、押しボタンスイッチBSへの押す操作、及びタッチパッドTPへのタッチ操作が、本発明の一方のプレイ行為、及び他方のプレイ行為としてそれぞれ機能する。また、レベルA~レベルCの三つの段階が本発明の二以上の段階として機能する。さらに、スライド操作用の評価範囲に対応する期間が、本発明の評価期間として機能する。
【0065】
次に、シーケンスデータQDの詳細について説明する。図8は、シーケンスデータQDの構成の一例を示す図である。図8に示すように、シーケンスデータQDは、各実行時期をレーン53(押しボタンスイッチBS、或いはタッチパッドTPの各領域TRでもよい)毎に管理するシーケンスレコードQDRを含んでいる。また、シーケンスデータQDは、このようなシーケンスレコードQDRを楽曲、或いは難易度毎に管理する複数のシーケンスデータQDa、QDb、QDc等を適宜に含んでいる。シーケンスレコードQDRは、各実行時期の管理を実現するために、“実行時期”、“経路”、及び“種類”の情報を含んでいる。これらはいずれも適切なプレイ行為を示す情報として機能する。
【0066】
具体的には、“実行時期”は、各ユーザに案内されるべき実行時期、つまり押しボタンスイッチBSを押す操作、或いはタッチパッドTPへのタッチ操作(例えばフリック操作、及びスライド操作を含む)等の各種のプレイ行為を実行すべき実行時期を示す情報である。例えば、“実行時期”には、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がコンマで区切られた情報が実行時期の情報として記述される。“種類”は、オブジェクト51の種類を示す情報である。例えば、オブジェクト51は、通常オブジェクト51A、共用オブジェクト51B、及び特別オブジェクト51Cを含んでいる。このため、“種類”には、例えばこれらの通常オブジェクト51A、共用オブジェクト51B、及び特別オブジェクト51Cを識別する情報が記述される。“経路”は、各実行時期に対応するオブジェクト51が配置されるべきレーン53(経路)を示す情報である。各レーン53は、押しボタンスイッチBS毎、或いは領域TR毎に区別される。このため、“経路”の各レーン53を示す情報は、各押しボタンスイッチBS、或いは各領域TRを示す情報としても機能する(あるいは、レーン53の代わりに、これらを識別する情報が“経路”に記述されてもよい)。
【0067】
また、“実行時期”或いは“経路”にはオブジェクト51の種類(あるいは形態)に応じて適宜に実行時期、或いはレーン53を特定するための情報が記述されてよい。例えば図5の例の一連のオブジェクト群に対応する共用オブジェクト51Bの場合(“種類”にオブジェクト51の種類として共用オブジェクト51Bを示す情報が記述される場合)、先頭の個別オブジェクト51Sが配置されるべきレーン53の情報が記述されてもよい。この場合、以降の個別オブジェクト51Sはそのレーン53を基準にその隣のレーン53、更に隣のレーン53といった具合に右端のレーン53まで順次特定されてよい。このように“経路”には先頭(或いは最後尾でもよい)等の基準となるレーン53の情報だけが記述されてもよいが、一例として一連のオブジェクト群のそれぞれが配置されるべき全レーン53の情報が記述される。“実行時期”についても同様である。例えば、“実行時期”には、先頭の個別オブジェクト51Sに対応する実行時期だけ記述され、以降は所定の時間間隔毎にその実行時期から算出されてもよいが、一例として一群のオブジェクト群に対応する全実行時期が“実行時期”の情報として記述される。
【0068】
同様に、例えば図3の例の特別オブジェクト51Cの場合、“経路”には左端、或いは右端といった基準となるレーン53の情報等、適宜の情報(例えばフリック操作が実行されるべき方向等)が記述されてよいが、一例として特別オブジェクト51Cが配置される(横たわる)べき全レーン53の情報が記述される。シーケンスレコードQDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。この例において“実行時期”に記述される各実行時期、共用オブジェクト51Bに対応する実行時期、通常オブジェクト51Aに対応する実行時期が、本発明の各実行時期、一部の実行時期、及び別の実行時期としてそれぞれ機能する。なお、シーケンスデータQDには、これらに限定されず、要求するプレイ行為に応じて適宜の情報が記述されてよい。あるいは、上述の情報は適宜に省略されてもよい。
【0069】
図9は、プレイデータPDの構成の一例を示す図である。図9の例は、スライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係(タッチパッドTPにおいて9つのレーン53に対応する範囲、或いは左右方向の幅)がユーザによって設定され、その設定結果がプレイデータPDによって管理される場合のプレイデータPDを示している。図9に示すように、プレイデータPDは音楽ゲームのプレイに関連する各種実績をユーザ毎に管理するためのプレイレコードPDRを含んでいる。また、プレイレコードPDRは、このような管理を実現するために、“ユーザID”、“レベル”、“スライド設定”、及び“プレイ実績”の情報を含んでいる。
【0070】
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDを示す情報である。一方、“レベル”、“スライド設定”、及び“プレイ実績”の情報は、音楽ゲームのプレイに関連する各種実績を示す情報である。具体的には、例えば、“レベル”は、各ユーザのレベル(腕前)を示す情報である。各レベルはアルファベット、或いは称号等の各種の情報を通じて適宜に管理されてよいが、例えば各レベルが数値を通じて管理される場合、“レベル”にはそのような数値を示す情報が記述される。“スライド設定”は、スライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係(タッチパッドTPにおいて9つのレーン53に対応する範囲、或いは左右方向の幅)としてユーザによって設定されたスライド設定を示す情報である。“スライド設定”には、ユーザの設定(タッチパッドTPに9つのレーン53に対応する移動幅として実行されたスライド操作に対応する設定)に応じた情報が記述されてよいが、例えばそのような情報としてスライド設定として実行されたスライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応比率を示す情報、或いは9つの領域TRに対応する幅等が記述される。
【0071】
“プレイ実績”は、音楽ゲームのプレイ実績を示す情報である。プレイ実績は、音楽ゲームの管理等の都合により、プレイ日時、プレイ時間、プレイ回数、或いは所有するアイテム等の各種の情報を適宜に含んでいてよい。プレイレコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、プレイデータPDには、これらに限定されず、管理の都合等に応じて音楽ゲームのプレイに関連する各種の情報が適宜に記述されてよい。あるいは、上述の情報は適宜に省略されてもよい。例えば、スライド操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との間の対応関係が固定的に設定される場合(例えば各領域TRの横幅が各レーン53の横幅と一致しており、それらの移動幅が固定的に一致する場合)、“スライド設定”の情報は省略されてもよい。
【0072】
次に、図10図14を参照して、シーケンス処理、タッチ標識配置処理、タッチ標識移動処理、ボタン操作評価処理、及びタッチ操作評価処理について説明する。シーケンス処理は、プレイ行為の実行時期を案内するための処理である。図10の例は、各オブジェクト51の判定ライン52への到達によりシーケンスデータQDの各実行時期を案内する場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、案内画面50の表示開始に伴い所定の周期で繰り返し図10のシーケンス処理を開始し、まず現在時刻を取得する(ステップS101)。ゲーム提供部33は、例えば楽曲の再生開始時点からの経過時間によって楽曲上の時刻を特定する。
【0073】
続いてゲーム提供部33は、案内画面50の表示範囲に相当する時間長に存在する各実行時期をシーケンスデータQDから取得する(ステップS102)。表示範囲は、例えば、現在時刻から将来に向かって楽曲の二小節相当の時間範囲(例えば最も遠い出現位置から到達位置までオブジェクト51が所定の移動速度で移動する場合に要する時間範囲)が設定される。次にゲーム提供部33は、ステップS102で取得した各オブジェクト51の種類を判別する(ステップS103)。この判別は、シーケンスデータQDの“種類”の情報に基づいて実現される。例えば、ゲーム提供部33は、“種類”の情報が通常オブジェクト51Aを示す場合には通常オブジェクト51Aを、共用オブジェクト51Bを示す場合には共用オブジェクト51Bを、特別オブジェクト51Cを示す場合には特別オブジェクト51Cを、それぞれ各オブジェクト51の種類として判別する。
【0074】
続いてゲーム提供部33は、ステップS103で判別したオブジェクト51が配置されるべきレーン53を判別する(ステップS104)。この判別は、シーケンスデータQDの“経路”の情報に基づいて実現される。具体的には、ゲーム提供部33は、シーケンスデータQDの“経路”によって特定されるレーン53をオブジェクト51が配置されるべきレーン53として判別する。例えば、ゲーム提供部33は、共用オブジェクト51B或いは特別オブジェクト51Cの場合、これらが配置されるべきレーン53として“経路”に記述された全レーン53を判別する(あるいは、“経路”に基準となるレーン53の情報だけが記述されている場合、そのレーン53からその他のレーン53を特定することにより、共用オブジェクト51Bが配置されるべき全レーンが特定されてもよい)。
【0075】
次にゲーム提供部33は、ステップS104で特定したレーン53上における各オブジェクト51の座標を演算する。例えば、ゲーム提供部33は、この演算を次のように実行してよい。すなわち、ゲーム提供部33は、まず各実行時期と現在時刻との時間差に応じて判定ライン52(到達位置)からの時間軸方向(つまり、オブジェクト51の移動方向)におけるレーン53(移動経路)上の位置を判別する。これにより、各レーン53上にオブジェクト51を判定ライン52から時間軸に沿って配置するために必要な座標が取得される。また、例えば図5の例の一連のオブジェクト群に対応する共用オブジェクト51Bの場合、一連のオブジェクト群に対応する全個別オブジェクト51Sの座標を演算する。この演算は、先頭の個別オブジェクト51Sの実行時期を基準にそれ以降の個別オブジェクト51Sの実行時期が設定される場合、先頭の個別オブジェクト51Sの座標をまずシーケンスデータQDに記述される“実行時期”に基づいて演算し、その座標を基準に所定間隔毎に順次ずれる座標を以降の各個別オブジェクト51Sの座標として算出することにより実現されてもよい。
【0076】
続いてゲーム提供部33は、ステップS105で演算したオブジェクト51の座標に基づいて、各レーン53上の座標位置に各オブジェクト51が表示されるように各レーン53に各オブジェクト51を配置する(ステップS106)。また、ゲーム提供部33は、この配置にステップS103において判別したオブジェクト51の種類を反映する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えばステップS103において通常オブジェクト51Aと判別している場合には通常オブジェクト51Aを、共用オブジェクト51Bと判別している場合には共用オブジェクト51Bを、特別オブジェクト51Cと判別している場合には特別オブジェクト51Cを、それぞれ各レーン53上の座標位置に配置する。また、一連のオブジェクト群に対応する共用オブジェクト51Bの場合、ステップS105で演算した各オブジェクト51の座標位置に一連のオブジェクト群の各個別オブジェクト51Sを配置する。そして、ゲーム提供部33は、この配置の後に今回のシーケンス処理を終了する。これにより、通常オブジェクト51A、共用オブジェクト51B、或いは特別オブジェクト51Cといった種類に応じたオブジェクト51が所定のレーン53(時間軸として機能する)上の適切な位置に表示される。また、それらのオブジェクト51の位置は、実行時期に判定ライン52の位置と一致するように時間の経過(楽曲の進行)に従って徐々に判定ライン52に向かって移動(変位)する。つまり、案内画面50において実行時期を案内するように移動するオブジェクト51の表示が実現される。
【0077】
タッチ標識配置処理は、案内画面50にタッチ標識55を配置(表示)するための処理である。タッチ標識55は、上述のように表示条件により適宜の位置に表示開始されてよいが、図11の例はタッチパッドTPへのタッチ操作に伴い、そのタッチ操作が実行された領域TRに対応するレーン53の位置に判定ライン52に沿って表示開始される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、案内画面50の表示中(あるいは、共用オブジェクト51Bの表示中等、タッチ標識55の表示に適宜の制限がある場合にはそのような制限も考慮される)においてタッチパッドTPにタッチ操作が実行される毎に図11のタッチ標識配置処理を開始し、まずタッチパッドTPからの出力信号に応じてタッチパッドTPにおけるタッチ操作の位置を特定する(ステップS201)。
【0078】
続いてゲーム提供部33は、ステップS201で特定したタッチ操作の位置に対応する判定ライン52の位置を特定する(ステップS202)。この特定は適宜に実現されてよいが、例えばゲーム提供部33はステップS201で特定したタッチ操作の位置に対応する領域TR、及びその領域TR内における左右方向HDの位置をまず判別する。そして、ゲーム提供部33は、その特定した領域TR及びそのその領域TR内における左右方向HDに対応する判定ライン52の位置を判別し、その位置をタッチ操作の位置に対応する位置として特定する。
【0079】
次にゲーム提供部33は、ステップS202で特定した判定ライン52の位置にタッチ標識55を配置する(ステップS203)。この配置はタッチ標識55の形態等に応じて適宜に実現されてよいが、例えばゲーム提供部33は図5の例のタッチ標識55を配置する場合、ステップS202で特定した判定ライン52の位置に最厚部分が位置するように二つのレーン53に対応する横幅を有する楕円形のタッチ標識55を配置することにより、この配置を実現する。つまり、ゲーム提供部33は、そのような配置で楕円形のタッチ標識55をモニタMOに表示させる。そして、このような配置の後にゲーム提供部33は今回のタッチ標識配置処理を終了する。これにより、タッチパッドTPへのタッチ操作の位置に対応するように案内画面50の判定ライン52に沿ってタッチ標識55が表示開始される。
【0080】
タッチ標識移動処理は、案内画面50に表示されるタッチ標識55の位置を、タッチ操作の位置の変化に対応するように移動させるための処理である。図12の例は、このようなタッチ操作の位置の変化としてスライド操作が実行される場合を示しているが、これに限らず、例えばフリック操作が実行される場合にも同様の処理が実行されてよい。この場合、ゲーム提供部33はタッチパッドTPにタッチ操作が実行された後に(換言すれば図11のタッチ標識配置処理においてタッチ標識55が配置された後に)そのタッチ操作の位置から左右方向HDに指を移動させるスライド操作が実行されたときに、リフレッシュレート、或いはフレームレートの周期等の適宜の周期で図12のタッチ標識移動処理を開始し、まず終了条件が満たされるか否か判別する(ステップS301)。終了条件は、スライド操作が終了した場合に満たされる。例えば、スライド操作は、タッチパッドTPから指が離れた場合に終了する。このため、ゲーム提供部33は、ステップS301においてタッチパッドTPから指が離れたか否か判別する。そして、終了条件が満たされる場合、つまりタッチパッドTPから指が離れた(スライド操作が終了した)場合にゲーム提供部33は以降の処理をスキップし、今回のタッチ標識移動処理を終了する。
【0081】
一方、終了条件が満たされない場合、つまりタッチパッドTPから指が離れていない(スライド操作が継続している)場合、ゲーム提供部33は前回(今回の処理前)のタッチ操作の位置から現在のタッチ操作の位置までの変化量、つまりタッチパッドTPにおけるスライド操作の移動量を特定する(ステップS302)。この特定は、タッチパッドTPからの出力信号に基づいて実現される。
【0082】
続いてゲーム提供部33は、そのスライド操作の移動量に対応するタッチ標識55の移動量を特定する(ステップS303)。ゲーム提供部33は、タッチ操作の移動量とタッチ標識55の移動量とが一致している場合(換言すれば移動量の対応比率が1対1の場合)には、スライド操作の移動量からそのままタッチ標識55の移動量を特定するが、例えばタッチ操作の移動幅とタッチ標識55の移動幅との関係が対応条件に応じて調整される場合、そのような調整も実行する。具体的には、例えば対応条件としてユーザの設定結果が利用される場合、ゲーム提供部33はまずプレイデータPDの“スライド設定”を参照し、ユーザの設定結果を取得する。その設定結果に基づいてゲーム提供部33はタッチ操作の移動量に対応するタッチ標識55の移動量を適宜に調整してよいが、一例として対応比率に基づいて調整する。例えば、9つのレーン53の全横幅に対応する移動量として、その半分の幅に対応するスライド操作の移動量が設定されている場合、タッチ操作の移動量とタッチ標識55の移動量との対応比率は1対2となる。ゲーム提供部33は、このような対応比率をユーザの設定結果から算出する。そして、ゲーム提供部33は、この対応比率に基づいてスライド操作の移動量からタッチ標識55の移動量を特定する。
【0083】
次にゲーム提供部33は、ステップS303の特定結果に基づいて移動後のタッチ標識55の位置を算出する(ステップS304)。具体的には、ゲーム提供部33は、今回の処理前の位置からステップS303で特定した移動量に対応する判定ライン52における移動方向の位置(例えば座標)を算出する。続いてゲーム提供部33は、ステップS304で算出した位置にタッチ標識55が配置されるようにタッチ標識55を今回の処理前の位置から移動させる(ステップS305)。つまり、このような移動が実現されるようにタッチ標識55の表示を制御する。そして、このような移動の後にゲーム提供部33は今回のタッチ標識移動処理を終了する。これにより、スライド操作に応じてそのスライド操作の移動量に対応するようにタッチ標識55が移動する。また、ユーザの設定結果等の対応条件に応じてその移動量が調整される場合には、そのような調整も実現される。
【0084】
ボタン操作評価処理は、プレイ行為として押しボタンスイッチBSへの押す操作が実行された場合にその押す操作を評価するための処理である。ゲーム提供部33は、音楽ゲームのプレイ中(案内画面50の表示中)において所定の周期で繰り返し図13のボタン操作評価処理を開始し、まずプレイ用の押す操作が実行されたか否か判別する(ステップS401)。この判別は、各押しボタンスイッチBSからの出力信号に応じて実現される。具体的には、ゲーム提供部33は、各押しボタンスイッチBSから押す操作ありの信号が出力されている場合には、その信号を出力した押しボタンスイッチBSにプレイ用の押す操作が実行されたと判別する。あるいは、いずれの押しボタンスイッチBSからも押す操作ありの信号が出力されない場合には、プレイ用の押す操作は実行されていないと判別する。押す操作が実行されてない場合、ゲーム提供部33は、以降の処理をスキップして、今回のボタン操作評価処理を終了する。
【0085】
一方、プレイ用の押す操作が実行されている場合、ゲーム提供部33はその押す操作の詳細を判別する(ステップS402)。具体的には、ゲーム提供部33は、その押す操作が検出された押しボタンスイッチBS、及びその検出時刻を判別する。続いてゲーム提供部33は、ステップS402で判別した時刻等に対応する押す操作がシーケンスデータQDにて指示されているか否かを判別する(ステップS403)。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、検出された時刻に対して所定の評価範囲内の時刻が指定され、かつ押す操作が検出された押しボタンスイッチBSに対応するレーン53が指定されたシーケンスレコードQDRがシーケンスデータQDに含まれているか否かを判別する。さらに、そのシーケンスレコードQDRがプレイ行為の種類として押す操作を指示しているか否かを判別する。この判別は、シーケンスデータQDの“種類”の情報に基づいて実現される。例えば“種類”において通常オブジェクト51A或いは共用オブジェクト51Bといった押す操作をプレイ行為に採用するオブジェクト51が指定されている場合に、そのシーケンスレコードQDRはプレイ行為の種類として押す操作を指示していると判別される。対応する押す操作が指示されていない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回のボタン操作評価処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS403が肯定判断された場合、つまりステップS401で判別された押す操作がシーケンスデータQDにて指示されている場合、ゲーム提供部33はユーザの押す操作が検出された検出時刻(実際の実行時期)と、シーケンスデータQDにてその押す操作が実行されるべき時期として指定される実行時期との間のずれ時間を取得する(ステップS404)。続いてゲーム提供部33は、シーケンスレコードQDRにて指定されたオブジェクト51の種類(押す操作の種類)に応じてユーザが実行した押す操作を評価する(ステップS405)。この評価は、シーケンスレコードQDRにて指定されたオブジェクト51の種類(押す操作の種類)に応じた評価手法により実現される。
【0087】
具体的には、例えばオブジェクト51の種類として通常オブジェクト51Aが指定されている場合、ゲーム提供部33は通常評価基準に基づいてステップS404で取得したずれ時間を評価する。つまりずれ時間が通常評価範囲に含まれるか否か、含まれる場合には通常評価範囲のいずれのレベルの区分に属するかを判別する。そして、通常評価範囲に含まれない場合にはミス操作を、そこに含まれる場合にはずれ時間の属する区分のレベルを、それぞれユーザの押す操作の評価結果として決定する。一方、例えばオブジェクト51の種類として共用オブジェクト51Bが指定されている場合、ゲーム提供部33は緩和基準に基づいてステップS404で取得したずれ時間を評価する。つまりずれ時間が緩和評価範囲に含まれるか否か判別する。そして、緩和評価範囲に含まれない場合にはミス操作を、そこに含まれる場合には一律に同じレベルAを、それぞれユーザの押す操作の評価結果として決定する。
【0088】
次にゲーム提供部33は、ステップS405の評価結果をユーザに提示する(ステップS406)。この提示は、適宜に実現されてよいが、一例としてモニタMO(例えば案内画面50)を通じて実現される。具体的には、ゲーム提供部33は、案内画面50に評価結果を表示するとともに、その結果に伴う得点の増加や各種エフェクト等の適宜の演出を案内画面50に付加する。また、ゲーム提供部33は、その他の各種の処理等においてこの評価結果を活用するために、この評価結果を制御ユニット31の内部メモリ、あるいは記憶部32等に適宜に保存してもよい。そして、このような提示の後にゲーム提供部33は今回のボタン操作評価処理を終了する。
【0089】
図13の手順により、通常オブジェクト51A或いは共用オブジェクト51B等の押す操作を要求するオブジェクト51に対して押す操作が実行された場合に、その押す操作の実際の実行時期とシーケンスデータQDの実行時期とのずれ時間に基づいてその押す操作が評価される。また、その評価には、通常オブジェクト51Aに対する押す操作の場合には通常評価基準が、共用オブジェクト51Bに対する押す操作の場合には通常評価基準よりも基準が緩和された緩和基準が、それぞれ適用される。つまり、通常オブジェクト51Aと共用オブジェクト51Bとの間で異なる評価基準(手法)が適用され、異なる評価が実現される。
【0090】
一方、タッチ操作評価処理は、プレイ行為としてタッチパッドTPへのタッチ操作が実行された場合にそのタッチ操作を評価するための処理である。ゲーム提供部33は、音楽ゲームのプレイ中(案内画面50の表示中)において所定の周期で繰り返し図14のタッチ操作評価処理を開始し、プレイ用のタッチ操作が実行されたか否か判別する(ステップS501)。この判別は、タッチパッドTPからの出力信号に応じて実現される。タッチ操作が実行されてない場合、ゲーム提供部33は、以降の処理をスキップして、今回のタッチ操作評価処理を終了する。
【0091】
一方、プレイ用のタッチ操作が実行されている場合、ゲーム提供部33はそのタッチ操作の詳細を判別する(ステップS502)。具体的には、ゲーム提供部33は、そのタッチ操作が検出された位置(領域TR)、その検出時刻、及びその終了時刻(例えばその検出された位置から離れる時期)を判別する。続いてゲーム提供部33は、ステップS502で判別した時刻等に対応するタッチ操作がシーケンスデータQDにて指示されているか否かを判別する(ステップS503)。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、検出された時刻に対して所定の評価範囲内の時刻が指定され、かつタッチ操作が検出された領域TRに対応するレーン53が指定されたシーケンスレコードQDRがシーケンスデータQDに含まれているか否かを判別する。さらに、そのシーケンスレコードQDRがプレイ行為の種類としてタッチ操作を指示しているか否かを判別する。この判別は、シーケンスデータQDの“種類”の情報に基づいて実現される。例えば“種類”において特別オブジェクト51C或いは共用オブジェクト51Bといったタッチ操作をプレイ行為に採用するオブジェクト51が指定されている場合に、そのシーケンスレコードQDRはプレイ行為の種類としてタッチ操作を指示していると判別される。対応するタッチ操作が指示されていない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回のタッチ操作評価処理を終了する。
【0092】
なお、タッチ操作が継続的に実行されている場合には、ステップS503にて肯定判断されるまで、ステップS501~S502までの処理が繰り返し実行される。また、タッチ操作が継続的に実行されている場合、そのタッチ操作の開始時期(当初の検出時刻)は、例えばステップS504においてタッチ操作の開始時期を特定するために、タッチパッドTPから指が離れるまで等の適宜の期間保存されてよい。
【0093】
ステップS503が肯定判断された場合、ステップS501で判別されたタッチ操作のタッチ時期(そのタッチ操作が開始された時期)、及び終了時期を特定する(ステップS504)。例えば、ゲーム提供部33は、タッチ操作の検出時刻、或いはタッチ操作が継続的に実行されている場合はその継続的なタッチ操作の初期の検出時刻をタッチ時期として特定する。また、ゲーム提供部33は、例えばスライド操作の場合、シーケンスデータQDにて指示される領域TR(レーン53)からタッチ操作が離れた時期(タッチ操作の位置が隣の領域TRに移動した時期)をそのタッチ操作の終了時期として特定する。
【0094】
続いてゲーム提供部33は、シーケンスレコードQDRにて指定されたオブジェクト51の種類(タッチ操作の種類)に応じてユーザが実行したタッチ操作を評価する(ステップS505)。この評価は、シーケンスレコードQDRにて指定されたオブジェクト51の種類(タッチ操作の種類)に応じた評価手法により実現される。具体的には、例えばオブジェクト51の種類として特別オブジェクト51Cが指定されている場合、ゲーム提供部33は、所定の評価範囲において特別オブジェクト51Cが指示する全レーン53に対応する全領域TRにタッチ操作(フリック操作)が実行されているか否かまず判別する。この評価範囲は、通常評価範囲、緩和評価範囲、或いはスライド操作用の評価範囲等と一致していてもよいし、相違していてもよいが、一例として通常評価範囲と一致するように設定される。また、評価範囲内に操作対象の全領域TRにフリック操作が実行されている場合、タッチ時期におけるタッチ操作の位置や終了時期等に応じて適宜にそのフリック操作が評価されてもよいが、一例として一律のレベル(例えばレベルA等)に評価される。一方、その範囲内にフリック操作が実現されていない場合はミス操作と評価される。
【0095】
また、例えばオブジェクト51の種類として共用オブジェクト51Bが指定されている場合、ゲーム提供部33はスライド操作用の評価範囲を利用し、タッチ時期と終了時期との組み合わせにより、そのタッチ操作を評価する。具体的には、ゲーム提供部33は、タッチ時期から終了時期までの間の評価範囲に含まれる最も評価の高いレベルとしてタッチ操作を評価する。つまり、ゲーム提供部33は、図7の例のケースA~ケースEの例に従ってタッチ操作を評価する。
【0096】
また、タッチ標識55は単に位置の目安として機能してもよいが、ユーザのスライド設定等を通じてタッチ操作の位置(あるいは移動量)とタッチ標識55の位置(あるいは移動量)との間の対応関係が変化している場合等、適宜の場合にはタッチパッドTPへのタッチ操作の位置ではなく、タッチ時期等はタッチ標識55の位置に基づいて判別されてもよい。具体的には、例えば、ゲーム提供部33は、タッチ標識55の所定部分(例えば左右いずれかの端部でもよいし、最厚部分でもよい)がシーケンスデータQDで指示されるレーン53の位置に入ったときをタッチ時期と、そこから離れた時期を終了時期と判別してよい。つまり、タッチ標識55の位置が指示対象のレーン53と合っているか否かに応じて、ゲーム提供部33はタッチ時期及び終了時期を判別してもよい。そして、それらのタッチ時期、及び終了時期(換言すれば、タッチ標識55の位置)に基づいてスライド操作を評価してもよい。
【0097】
次にゲーム提供部33は、ステップS505の評価結果をユーザに提示する(ステップS506)。この提示は、適宜に実現されてよいが、一例としてモニタMO(例えば案内画面50)を通じて実現される。具体的には、ゲーム提供部33は、案内画面50に評価結果を表示するとともに、その結果に伴う得点の増加や各種エフェクト等の適宜の演出を案内画面50に付加する。また、ゲーム提供部33は、その他の各種の処理等においてこの評価結果を活用するために、この評価結果を制御ユニット31の内部メモリ、あるいは記憶部32等に適宜に保存してもよい。そして、このような提示の後にゲーム提供部33は今回のタッチ操作評価処理を終了する。
【0098】
図14の手順により、特別オブジェクト51C或いは共用オブジェクト51B等のタッチ操作を要求するオブジェクト51に対してタッチ操作(フリック操作、或いはスライド操作)が実行された場合に、そのタッチ操作が押す操作とは異なる評価手法により評価される。具体的には、例えばフリック操作、及びスライド操作のいずれの場合も、タッチパッドTPがタッチされた時期ではなく、タッチ操作が指示に対応する領域TRに位置しているか否かに応じて評価される。さらに、スライド操作の場合、そのようなタッチ操作に伴い、タッチ時期及び終了時期の組み合わせによりそのスライド操作が評価される。また、そのようなタッチ時期及び終了時期を評価する評価基準は、共用オブジェクト51Bに押す操作が実行される場合とは異なり、通常オブジェクト51Aに使用される基準と同様の基準が適用される。つまり、共用オブジェクト51Bにタッチ操作が実行された場合には、押す操作の場合とは異なる評価手法がそのタッチ操作の評価に適用される。
【0099】
以上に説明したように、この形態によれば、共用オブジェクト51Bを通じて一部の実行時期が、押しボタンスイッチBSを押す操作、及びタッチパッドTPへのタッチ操作の二種類のプレイ行為に共通する実行時期として案内画面50により案内される。また、その一部の実行時期に合わせて、より具体的には共用オブジェクト51Bの判定ライン52への到達に合わせて、押す操作が実行された場合には緩和基準を利用する押す操作用の評価手法により、タッチ操作が実行された場合にはタッチ時期等を組み合わせた基準を利用するタッチ操作(スライド操作)用の評価手法により、それぞれのプレイ行為が評価される。つまり、同じオブジェクト51Bに対するプレイ行為であっても、押す操作がプレイ行為として実行される場合と、タッチ操作がプレイ行為として実行される場合とでは異なる評価手法が適用される。このため、共用オブジェクト51Bに要求されるプレイ行為を、実際に実行されたプレイ行為の種類に応じて異なる評価手法により評価することができる。これにより、例えば押す操作はレーン53との対応関係が明確であるものの、連続操作が難しい一方で、タッチ操作は連続的操作が比較的容易であるが、レーン53との対応関係が押す操作ほど明確ではないといった、押す操作、及びタッチ操作のそれぞれの特性をそれぞれの評価結果に反映することができる。結果として、特性の相違をゲーム性の一部として活用することもできる。
【0100】
また、タッチ操作に関しては、例えば評価範囲にタッチ操作が実行されていればそのタッチ操作が評価範囲外から開始されていてもタッチ操作ありと判断される場合には、スライド操作等、タッチパッドTPの特性を利用した連続的な操作の利用を促進することもできる。一方、タッチ操作の位置を示すタッチ標識55が表示される場合には、タッチパッドTPへのタッチ操作の位置とその位置に対応する案内画面50の位置との間の対応関係の目安を案内画面50に提示することができる。このため、レーン53との対応関係が押す操作ほど明確ではない、といったタッチ操作のデメリットを補強することができる。さらに、スライド操作の移動量とそれに対応するタッチ標識55の移動量との間の対応関係が対応条件に応じて変更される場合、それらの対応関係を適宜調整することができる。一般的にこれらの対応関係が感覚的に相違している場合、スライド操作の難易度は高くなる傾向にあるが、例えば少ないスライド操作でより大きくタッチ標識55を動かせる場合には素早く適切な位置にタッチ標識55を配置することができる。このため、このような対応関係の方が好ましいと感じるユーザも存在する。したがって、例えば対応条件としてユーザの設定結果が利用される場合、これらのトレードオフの関係をユーザの意思に委ねることができる。あるいは、対応条件として、ユーザのレベル(腕前)、或いは難易度が利用される場合、腕前が高いほどタッチ標識55の操作を難しく(例えばより繊細にスライド操作と連動させる)したり、難易度に応じてタッチ操作の操作を難しくしたりすることにより、タッチ標識55の操作をゲームの難易度に反映することができる。結果として、これらによりゲームの興趣性の向上を図ることができる。
【0101】
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図10の手順のステップS106を実行することにより本発明の時期案内手段として機能する。また、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図13の手順のステップS405を実行することにより本発明の第1評価手段として機能する。同様に、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図14の手順のステップS505を実行することにより本発明の第2評価手段として機能する。さらに、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図11の手順のステップS203、或いは図12の手順のステップS305を実行することにより本発明のタッチ標識配置手段として機能する。
【0102】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、入力装置として、押しボタンスイッチBS、及びタッチパッドTPが利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、各種の押しボタンスイッチ、タッチパネル(モニタMOの表示面に配置される)、スライダ(所定方向のスライド操作を入力するもの)、つまみ(指でつまんで回転させる回転操作を入力するもの)、レバー、或いはターンテーブルを模した回転可能なテーブル等の各種楽器を模した入力装置等の各種の入力装置が適宜に使用されてよい。そして、これらの各種の入力装置に応じて適宜のプレイ行為が音楽ゲームに適用されてよい。
【0103】
具体的には、例えば、入力装置としてスッティク型の方向指示器と押しボタンスイッチとの組み合わせが採用されてもよい。この場合、例えば、方向指示器によって対象のレーン53を決定し、ボタンスイッチにより各種オブジェクト51への攻撃が実行されてもよい。つまり、これらによりオブジェクト51を打ち落とすシューティングゲームの要素を音楽ゲームは含んでいてもよい。一方で、その他の押しボタンスイッチBS、或いはタッチパッドTPにより通常の音楽ゲームも実現されてよい。この場合、通常の音楽ゲームに対応する操作は当然適切なタイミングで実行されているか否か評価される一方で、シューティングゲームに対応する操作はオブジェクト51を判定ライン52への到達前に打ち落とせたか否か(あるいは更に出来るだけ早期に打ち落とせたか否かで評価が相違してもよい)評価される。このため、これらの二種類のプレイ行為もその種類に応じて異なる評価手法を適用することができる。
【0104】
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、据え置き型のいわゆる家庭用ゲーム装置やユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はこれらのユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のゲーム機3の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。あるいは、その反対にゲーム機3の役割の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。この場合、一台のセンターサーバ2(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0105】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0106】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(CP)と、当該プレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて各実行時期を案内するための案内画面(50)を表示する表示装置(MO)と、に接続され、前記案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせて前記プレイ行為が実行された場合に前記プレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記入力装置が前記プレイ行為として異なる二種類のプレイ行為の入力に使用される場合に、前記シーケンスデータに記述される複数の実行時期の少なくとも一部の実行時期を前記二種類のプレイ行為に共通する実行時期として前記案内画面を通じて案内する時期案内手段(33)と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の一方のプレイ行為が実行された場合に、前記一方のプレイ行為を評価するための第1評価手法に基づいて前記一方のプレイ行為を評価する第1評価手段(33)と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の他方のプレイ行為が実行された場合に、前記第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいて前記他方のプレイ行為を評価する第2評価手段(33)と、を備えるものである。
【0107】
本発明によれば、一部の実行時期が二種類のプレイ行為に共通する実行時期として案内画面を通じて案内される。また、その一部の実行時期に合わせて、それらの二種類のプレイ行為の一方が実行された場合には第1評価手法により、他方が実行された場合には第1評価手法とは異なる第2手法により、各プレイ行為がそれぞれ評価される。このため、二種類のプレイ行為の要求に共用される一部の実行時期へのプレイ行為を、その種類に応じて異なる評価手法により評価することができる。これにより、二種類のプレイ行為のそれぞれの特性を各プレイ行為の評価結果に反映することができるとともに、これらの特性の相違をゲーム性の一部として活用することもできる。結果として、ゲームの興趣性の向上を図ることができる。
【0108】
入力装置は、適宜に構成されてよい。例えば、二種類のプレイ行為を入力する一つの入力装置として構成されてもよいし、二種類のプレイ行為をそれぞれ入力する二種類の入力装置として構成されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置は、前記二種類のプレイ行為をそれぞれ入力するための二種類の入力装置(BS、TP)を含んでいてもよい。
【0109】
二種類の入力装置として、適宜の入力装置が利用されてよい。例えば、押しボタンスイッチ、タッチパネル(あるいはタッチパッド)、スライダ(所定方向のスライド操作を入力するもの)、つまみ(指でつまんで回転させる回転操作を入力するもの)、レバー、或いはターンテーブルを模した回転可能なテーブル等の各種楽器を模した入力装置等の各種の入力装置が適宜に使用されてよい。そして、それらの各種の入力装置を介して入力されるプレイ行為の種類、及びその特性に応じて第1評価手法及び第2評価手法として適宜の評価手法が採用されてよい。例えば、二種類の入力装置を利用する態様において、前記二種類の入力装置として、押す操作を入力する押しボタンスイッチ(BS)、及びタッチ操作を入力するためのタッチパッド(TP)がそれぞれ利用され、前記第1評価手段は、前記押す操作が前記一方のプレイ行為として利用される場合に前記第1評価手法として前記押す操作の実行時期と前記一部の実行時期との間のずれ時間を評価する手法を利用し、前記ずれ時間に基づいて前記押す操作を評価し、前記第2評価手段は、前記タッチ操作が前記他方のプレイ行為として利用される場合に前記第2評価手法として前記一部の実行時期に基づく評価期間における前記タッチ操作の有無を評価する手法を利用し、前記評価期間において前記タッチ操作が実行されているか否かに応じて前記タッチ操作を評価してもよい。
【0110】
入力装置としてタッチパッドが利用され、第2評価手法として評価期間におけるタッチ操作の有無を評価する手法が採用される場合において、タッチ操作は評価期間に実行されていれば、評価期間前から継続的に実行されていても、評価期間の途中から実行されてもよい。具体的には、例えば、入力装置としてタッチパッドが利用され、第2評価手法として評価期間におけるタッチ操作の有無を評価する手法が採用される態様において、前記第2評価手法は、前記タッチ操作が前記評価期間よりも前に開始されていても前記評価期間において実行されている場合には前記タッチ操作が前記評価期間に実行されていると判断されるように構成されてもよい。この場合、タッチ操作を維持しつつその位置を連続的に変化させるスライド操作等、タッチパッドの特性を利用した各種の連続的な操作の利用を促進することができる。
【0111】
タッチパッドへのタッチ操作の位置とその位置に対応する案内画面の位置との間の対応関係は、視覚的に提示されてもよいし、提示されなくてもよい。また、視覚的に提示される場合において、タッチパッド側に案内画面の位置を示す情報(例えば案内画面が複数の範囲に区分される場合にそれらの各範囲を示す境界線等)が提示されてもよいし、案内画面側にタッチパッドのタッチ位置を示す補助的な標識が表示されてもよい。案内画面側に補助的な標識が表示される場合、その表示は各種の表示条件に応じて適宜に実現されてよい。例えば、タッチパッドへのタッチ操作に伴い、そのタッチ操作に対応する位置に表示開始されてもよいし、タッチ操作の位置にかかわらず所定の位置に表示開始されてもよい。あるいは、補助的な標識は押しボタンスイッチへの押す操作に伴い、適宜の条件で各種の位置に表示開始されてもよい。例えば、入力装置としてタッチパッドを利用する態様として、前記タッチ操作が実行された場合に当該タッチ操作に対応する前記案内画面の位置を示すためのタッチ標識(55)を前記案内画面に配置するタッチ標識配置手段を備える態様が採用されてもよい。この場合、タッチパッドへのタッチ操作の位置とその位置に対応する案内画面の位置との間の対応関係の目安を案内画面に提示することができる。
【0112】
また、タッチ標識は、タッチ操作の位置の目安として機能する限り、適宜の形態により適宜の位置に配置されてよい。例えば、各実行時期が各実行時期に対応する指示標識と現在時刻に対応する基準標識との間の相対的変位により案内される場合に、タッチ標識は、基準標識の近く(基準標識上でもよい)に配置されてもよいし、基準標識の近くでなくとも基準標識をユーザが見た場合にその視野に含まれる範囲に配置されてもよい。具体的には、例えば、タッチ標識が案内画面に表示される態様において、前記時期案内手段は、前記案内画面が各実行時期に対応する指示標識(51)、現在時刻に対応する基準標識(52)、及び前記指示標識が配置される経路(53)を含む場合に、前記基準標識及び前記一部の実行時期に対応する前記指示標識の位置が前記一部の実行時期において一致するように前記指示標識と前記基準標識との間に相対的変位を前記経路に沿って生じさせることにより前記案内画面を通じて前記一部の実行時期を案内し、前記タッチ標識配置手段は、前記案内画面の前記基準標識に沿って前記タッチ標識を配置してもよい。また、この態様において、前記案内画面は、前記経路として複数の経路を含み、前記基準標識は、前記複数の経路の並ぶ方向(HD)に伸びることにより前記複数の経路と交差するように配置され、前記押しボタンスイッチは、前記複数の経路にそれぞれ対応する複数の押しボタンスイッチを含み、前記タッチパッドは、前記並ぶ方向に対応する方向(HD)に所定の長さを有し、前記タッチ標識配置手段は、前記タッチパッドにおいて前記対応する方向に前記タッチ操作の位置を連続的に変化させるスライド操作が実行された場合に当該スライド操作に合わせて前記基準標識に沿って前記タッチ標識の位置を前記並ぶ方向に変化させてもよい。
【0113】
タッチパッドにスライド操作が実行される場合において、スライド操作の移動量とそれに対応して移動すべきタッチ標識の移動量とは固定的であっても、可変的であってもよい。例えば、タッチパッドにスライド操作が実行される態様において、前記タッチ標識配置手段は、前記スライド操作と当該スライド操作に対応する前記タッチ標識の前記並ぶ方向における位置の変化との対応関係を所定の対応条件に応じて調整してもよい。
【0114】
また、対応条件として、ユーザのプレイ状況を利用する条件、ユーザの選択結果を利用する条件、或いはランダム等のユーザの行為とは無関係の条件等の各種の条件が適宜に利用されてよい。例えば、対応条件を利用する態様において、前記タッチ標識配置手段は、前記入力装置を介して前記対応関係が設定される場合の設定結果、前記ゲームに選択的に複数の難易度が用意されている場合の各難易度、或いは前記ゲームをプレイするユーザに腕前を示す複数のレベルが設定されている場合の各レベルの少なくともいずれか一つを前記所定の対応条件として利用してもよい。例えば、少しのスライド操作で大きくタッチ標識が移動する場合、ユーザには繊細なスライド操作が要求される。このため、一般的にユーザが実際に実行するスライド操作の移動量とそれに対応して移動するタッチ標識の移動量とが感覚的に相違している場合、タッチ標識を適切な位置に配置するための難易度は高くなる傾向にある。一方で、少ない移動量のスライド操作により複数のレーンの多くをカバーできるほどタッチ標識を移動させることができれば、素早く所望の位置にタッチ標識を配置することができる。このため、例えば、対応条件としてユーザの設定結果が利用される場合、このようなトレードオフの関係をユーザの意思に委ねることができる。あるいは、対応条件としてユーザの腕前、或いは難易度が利用される場合、腕前が高いほどタッチ標識の操作を難しくしたり、難易度に応じてタッチ標識の操作を難しくしたりすることにより、タッチ標識の操作をゲームの難易度に反映することができる。
【0115】
また、案内画面に複数の経路が設けられる場合において、タッチパッドにおけるタッチ操作の位置は、固定的に各経路と対応していても、それらの対応関係は可変的であってもよい。例えば、複数の経路に跨がるようなスライド操作が要求される場合において、そのスライド操作の初期位置としてタッチパッドにタッチ操作した位置が、その複数の経路のいずれかの端に位置する経路に対応してもよい。つまり、スライド操作の開始時のタッチ位置に応じてタッチ操作の位置と各経路との関係が相対的(可変的)に設定されてもよい。このような場合、タッチパッドにおけるタッチ操作の絶対的な位置の評価が必ずしも適切とは限らない。このため、タッチ操作が実行される場合、その絶対的な位置ではなく、相対的な位置が評価されてもよい。タッチ標識が表示される場合、いずれにしてもタッチ標識の位置がタッチパッドにおけるタッチ操作の位置とその位置に対応する経路との関係をしめしている。このため、タッチ操作の位置とその位置に対応する経路との関係が固定的であっても可変的であっても、その関係の適切性はタッチ標識の位置に基づいて判断されてもよい。あるいは、実行時期におけるタッチ操作の有無は、タッチ標識の位置と指示標識の位置との一致度に応じて判断されてもよい。いずれにしても第2評価手法は、タッチ標識の位置を利用するように構成されてよい。
【0116】
具体的には、例えば、案内画面に複数の経路が設けられる態様において、前記第1評価手段は、前記シーケンスデータに各実行時期が各実行時期に対応する経路と関連づけられるように記述され、各実行時期に対応する経路において前記相対的変位が生じる場合に、前記第1評価手法として前記一部の実行時期に対応する経路と当該経路に対応する押しボタンスイッチとが合っているか否かを評価する手法を利用し、前記複数のボタンスイッチのうち前記押す操作が実行された押しボタンスイッチに基づいて前記押す操作を評価し、前記第2評価手段は、前記第2評価手法として前記一部の実行時期に対応する経路と前記タッチ標識の位置とが合っているか否かを評価する手法を利用し、前記タッチ標識に位置に基づいて前記タッチ操作を評価してもよい。
【0117】
各実行時期が指示標識を通じて案内される場合、一部の実行時期は各種の指示標識を通じて適宜に案内されてよい。例えば、各実行時期が指示標識を通じて案内される態様において、前記時期案内手段は、前記二種類のプレイ行為のいずれかを連続的に要求するように前記複数の経路の二以上の経路に跨がって時差的に位置する一連の指示標識(51B)を前記一部の実行時期に対応する前記指示標識として利用し、当該一連の指示標識の前記相対的変位を通じて前記一部の実行時期を案内してもよい。
【0118】
シーケンスデータは、二種類のプレイ行為に対応する一部の実行時期だけでなく、その他にも各種のプレイ行為に対応する実行時期を含んでいてよい。例えば、このような実行時期は、二種類のプレイ行為のうちの一方だけに対応する実行時期が含まれていてもよい。つまり、シーケンスデータは、同じ一方のプレイ行為に対応するものの、他方のプレイ行為にも対応するものと、他方のプレイ行為には対応しないものを含んでいてもよい。この場合において、それらの間の評価手法は一致していても、相違していてもよい。例えば、押す操作のずれ時間を評価する態様において、前記第1評価手段は、前記複数の実行時期に前記一部の実行時期とは別の実行時期が前記押す操作のための実行時期として含まれ、前記別の実行時期と前記押す操作の実際の実行時期との間のずれ時間が所定の評価基準に基づいて評価される場合に、前記第1評価手法として前記一部の実行時期と前記押す操作との間のずれ時間を前記所定の評価基準よりも緩和された緩和基準により評価する手法を利用し、前記緩和基準により前記押す操作を評価してもよい。
【0119】
また、緩和基準は、各種の手法を通じて所定の評価基準よりも緩和されていてよい。例えば、緩和基準は、所定の評価基準よりも適切と評価される範囲が広く設定されていてもよい。あるいは、緩和基準は、高評価とされる範囲が所定の評価基準よりも広く設定されていてもよい。例えば、緩和基準を利用する態様において、前記緩和基準は、前記別の実行時期と前記押す操作の実際の実行時期との間のずれ時間を複数の段階(例えばレベルA~C)に区分される第1ずれ範囲のいずれの段階に属するかに応じて評価するように前記所定の評価基準が構成される場合に、前記複数の段階のいずれか一つに一律に区分される第2ずれ範囲に属するか否かに応じて前記一部の実行時期と前記押す操作との間のずれ時間を一律に前記一つの段階として評価することにより前記所定の評価基準よりも緩和されていてもよい。
【0120】
同様に、タッチ操作は、適宜の評価基準により評価されてよい。例えば、タッチ操作は、一部の実行時期に実行されている限り、一律に評価されてもよいし、各種の条件により複数段階に評価されてもよい。このような条件として、タッチ操作の位置等の各種の条件が適宜に使用されてよい。例えば、タッチ操作は、そのタッチ操作の開始時期、或いは終了時期のいずれか一方に基づいて、或いはそれらの両方に基づいて、それぞれ複数段階のいずれかとして判別されてもよい。さらに、タッチ操作は、タッチ操作の開始期間から終了期間までの間に評価範囲が含まれる場合に、そこに含まれる評価用の段階の適宜の段階として評価されてもよい。具体的には、例えば、他方のプレイ行為としてタッチ操作を利用する態様において、前記第2評価手段は、前記評価期間として二以上の段階(例えばレベルA~C)に区分される期間を利用する場合に、前記第2評価手法として前記タッチ操作の開始時期から終了時期までの間の前記評価期間に含まれる段階に応じて評価する手法を利用し、前記開始時期から前記終了時期までの間の前記評価期間に含まれる最も評価の高い段階として前記タッチ操作を評価してもよい。
【0121】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力装置、及び前記表示装置に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0122】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(CP)と、当該プレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて各実行時期を案内するための案内画面(50)を表示する表示装置(MO)と、に接続され、前記案内画面を通じて各実行時期を案内するとともに、各実行時期に合わせて前記プレイ行為が実行された場合に前記プレイ行為を評価するゲームを提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記入力装置が前記プレイ行為として異なる二種類のプレイ行為の入力に使用される場合に、前記シーケンスデータに記述される複数の実行時期の少なくとも一部の実行時期を前記二種類のプレイ行為に共通する実行時期として前記案内画面を通じて案内する時期案内手順と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の一方のプレイ行為が実行された場合に、前記一方のプレイ行為を評価するための第1評価手法に基づいて前記一方のプレイ行為を評価する第1評価手順と、前記一部の実行時期に合わせて前記二種類のプレイ行為の他方のプレイ行為が実行された場合に、前記第1評価手法と異なる第2評価手法に基づいて前記他方のプレイ行為を評価する第2評価手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0123】
1 ゲームシステム
3 ゲーム機
33 ゲーム提供部(コンピュータ、時期案内手段、第1評価手段、第2評価手段、タッチ標識配置手段)
50 案内画面
51 オブジェクト(指示標識)
52 判定ライン(基準標識)
53 レーン(経路)
BS 押しボタンスイッチ(入力装置)
HD 左右方向(並ぶ方向、対応する方向)
MO モニタ(表示装置)
TP タッチパッド(入力装置)
QD シーケンスデータ
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14