(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028968
(43)【公開日】2022-02-16
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/566 20210101AFI20220208BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20220208BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20220208BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20220208BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20220208BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20220208BHJP
【FI】
H01M50/566
H01M50/176
H01M50/55 101
H01M50/533
H01M50/553
H01M50/567
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201346
(22)【出願日】2021-12-13
(62)【分割の表示】P 2018005265の分割
【原出願日】2018-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164035
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 正人
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一様態の二次電池は、正極板と負極板を含む電極体3と、開口を有し、電極体3を収容する外装体と、端子挿入孔を有し、開口を封口する封口板と、端子挿入孔を貫通する端子と、端子接続孔を有し、正極板又は負極板と電気的に接続された集電体とを有し、端子は端子接続孔内に配置され、端子接続孔は、第1孔部とこの第1孔部と接続した第2孔部とを有し、第1孔部は、第2孔部より電極体側に設けられ、第1孔部の内寸は、第2孔部の内寸より大きく、端子は、端子接続孔において最も小さい内径を有する部分の内径よりも大きな外径を有するカシメ部を有し、カシメ部と集電体は、カシメ部及び集電体の少なくとも一方が溶融し凝固した凝固部70により接合されており、凝固部70には凹部70aが形成されており、集電体の厚さ方向において、凹部70aの底部が、第2孔部より電極体側に位置する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板と負極板を含む電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
端子挿入孔を有し、前記開口を封口する封口板と、
前記端子挿入孔を貫通する端子と、
端子接続孔を有し、前記正極板又は前記負極板と電気的に接続された集電体と、
を有する二次電池であって、
前記端子は前記端子接続孔内に配置され、
前記端子接続孔は、第1孔部とこの第1孔部と接続した第2孔部とを有し、
前記第1孔部は、前記第2孔部より前記電極体側に設けられ、
前記第1孔部の内寸は、前記第2孔部の内寸より大きく、
前記端子は、前記端子接続孔において最も小さい内径を有する部分の内径よりも大きな外径を有するカシメ部を有し、
前記カシメ部と前記集電体は、前記カシメ部及び前記集電体の少なくとも一方が溶融し凝固した凝固部により接合されており、
前記凝固部には凹部が形成されており、
前記集電体の厚さ方向において、前記凹部の底部が、前記第2孔部より前記電極体側に位置する二次電池。
【請求項2】
前記端子接続孔は、前記封口板から離れる方向に向かって徐々に内径が大きくなるテーパー部を有する請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記カシメ部の少なくとも一部は、前記集電体における前記電極体側の面よりも前記電極体側に突出している請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記凝固部において前記凹部の底部に位置する部分の前記集電体の厚み方向における厚みが、前記凝固部において前記凹部の側壁部に位置する部分の前記端子接続孔の径方向における厚みよりも大きい請求項1~3のいずれかに記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の駆動用電源において、アルカリ二次電池や非水電解質二次電池等の角形二次電池が使用されている。
【0003】
これらの角形二次電池では、開口を有する有底筒状の角形外装体と、その開口を封口する封口板により電池ケースが構成される。電池ケース内には、正極板、負極板及びセパレータからなる電極体が電解液と共に収容される。封口板には正極端子及び負極端子が取り付けられる。正極端子は正極集電体を介して正極板に電気的に接続され、負極端子は負極集電体を介して負極板に電気的に接続される。
【0004】
このような角形二次電池では、正極端子と正極集電体の間、及び負極端子と負極集電体の間がそれぞれ、カシメと溶接により接続されることが好ましい。例えば、下記特許文献1においては、端子のカシメ部を集電体にレーザー溶接する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、端子と集電体の接続部の信頼性がより向上した二次電池を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一様態の二次電池は、正極板と負極板を含む電極体と、開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、端子挿入孔を有し、開口を封口する封口板と、端子挿入孔を貫通する端子と、端子接続孔を有し、正極板又は負極板と電気的に接続された集電体とを有し、端子は端子接続孔内に配置され、端子接続孔は、第1孔部とこの第1孔部と接続した第2孔部とを有し、第1孔部は、第2孔部より電極体側に設けられ、第1孔部の内寸は、第2孔部の内寸より大きく、端子は、端子接続孔において最も小さい内径を有する部分の内径よりも大きな外径を有するカシメ部を有し、カシメ部と集電体は、カシメ部及び集電体の少なくとも一方が溶融し凝固した凝固部により接合されており、凝固部には凹部が形成されており、集電体の厚さ方向において、凹部の底部が、第2孔部より電極体側に位置する。
【0008】
端子接続孔は、封口板から離れる方向に向かって徐々に内径が大きくなるテーパー部を有することが好ましい。
【0009】
カシメ部の少なくとも一部は、集電体における電極体側の面よりも電極体側に突出していることが好ましい。
【0010】
凝固部において凹部の底部に位置する部分の集電体の厚み方向における厚みが、凝固部において凹部の側壁部に位置する部分の端子接続孔の径方向における厚みよりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、信頼性の高い二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1におけるII-II線に沿った断面図である。
【
図6】正極集電体に正極タブ群を接続し、負極集電体に負極タブ群を接続した状態を示す図である。
【
図7】第1正極集電体及び第1負極集電体を取り付けた後の封口板の電極体側の面を示す図である。
【
図8】(a)は、正極端子をカシメる前の正極端子近傍の封口板の短手方向に沿った断面図である。(b)は、正極端子をカシメた後の正極端子近傍の封口板の短手方向に沿った断面図である。(c)は、正極端子と第1正極集電体を溶接した後の正極端子近傍の封口板の短手方向に沿った断面図である。
【
図9】(a)は
図8の(b)における正極端子のカシメ部の近傍の拡大図である。(b)は
図8の(c)における正極端子のカシメ部の近傍の拡大図である。
【
図10】第1正極集電体に第2正極集電体を取り付け、第1負極集電体に第2負極集電体を取り付けた後の封口板の電極体側の面を示す図である。
【
図11】負極端子近傍の封口板の長手方向に沿った断面図である。
【
図12】
図11における第1負極集電体と第2負極集電体の接続部近傍の拡大図である。
【
図14】正極端子近傍の封口板の短手方向に沿った断面図である。
【
図15】正極端子近傍の封口板の長手方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態に係る二次電池としての角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0014】
図1及び
図2に示すように角形二次電池20は、開口を有する有底角筒状の角形外装体1と、角形外装体1の開口を封口する封口板2からなる電池ケース100を備える。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。角形外装体1内には、正極板と負極板がセパレータを介して積層された電極体3が電解質と共に収容されている。
【0015】
電極体3の封口板2側の端部には、正極タブ40及び負極タブ50が設けられている。正極タブ40は第2正極集電体6b及び第1正極集電体6aを介して正極端子7に電気的に接続されている。負極タブ50は第2負極集電体8b及び第1負極集電体8aを介して負極端子9に電気的に接続されている。
【0016】
第1正極集電体6a、第2正極集電体6b及び正極端子7は金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることがより好ましい。正極端子7と封口板2の間には樹脂製の外部側絶縁部材10が配置されている。第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bと封口板2の間には樹脂製の内部側絶縁部材11が配置されている。
【0017】
第1負極集電体8a、第2負極集電体8b及び負極端子9は金属製であることが好ましく、銅又は銅合金製であることがより好ましい。また、負極端子9は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分と、銅又は銅合金からなる部分を有するようにすることが好ましい。この場合、銅又は銅合金からなる部分を第1負極集電体8aに接続し、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分を封口板2よりも外部側に突出するようにすることが好ましい。負極端子9と封口板2の間には樹脂製の外部側絶縁部材12が配置されている。第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bと封口板2の間には樹脂製の内部側絶縁部材13が配置されている。
【0018】
電極体3と角形外装体1の間には樹脂製の樹脂シートからなる電極体ホルダー14が配置されている。電極体ホルダー14は、樹脂製の絶縁シートを袋状又は箱状に折り曲げ成
形されたものであることが好ましい。封口板2には電解液注液孔15が設けられており、電解液注液孔15は封止部材16で封止されている。封口板2には、電池ケース100内の圧力が所定値以上となったときに破断し電池ケース100内のガスを電池ケース100外に排出するガス排出弁17が設けられている。封口板2の電池内部側の面であって、ガス排出弁17の周囲には環状突起2cが設けられている。
【0019】
次に角形二次電池20の製造方法及び各構成の詳細を説明する。
【0020】
[正極板]
図3は、正極板4の平面図である。正極板4は、矩形状の正極芯体4aの両面に正極活物質を含む正極活物質合剤層4bが形成された本体部を有する。本体部の端辺から正極芯体4aが突出しており、この突出した正極芯体4aが正極タブ40を構成する。なお、正極タブ40は、
図3に示すように正極芯体4aの一部であっても良いし、他の部材を正極芯体4aに接続し、正極タブ40としてもよい。また、正極タブ40において正極活物質合剤層4bと隣接する部分には、正極活物質合剤層4bの電気抵抗よりも大きな電気抵抗を有する正極保護層4dが設けられることが好ましい。なお正極芯体4aとしてはアルミニウム箔、アルミニウム合金箔等の金属箔を用いることが好ましい。正極活物質としてはリチウム遷移金属複合酸化物等を用いることが好ましい。
【0021】
[負極板]
図4は、負極板5の平面図である。負極板5は、矩形状の負極芯体5aの両面に負極活物質を含む負極活物質合剤層5bが形成された本体部を有する。本体部の端辺から負極芯体5aが突出しており、この突出した負極芯体5aが負極タブ50を構成する。なお、負極タブ50は、
図4に示すように負極芯体5aの一部であっても良いし、他の部材を負極芯体5aに接続し、負極タブ50としてもよい。なお負極芯体5aとしては銅箔、銅合金箔等の金属箔を用いることが好ましい。負極活物質としては炭素材料やシリコン材料等を用いることが好ましい。
【0022】
[電極体要素の作製]
50枚の正極板4及び51枚の負極板5を上述の方法で作製し、これらをポリオレフィン製の方形状のセパレータを介して積層し積層型の電極体要素(第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3b)を作製する。
図5に示すように、積層型の電極体要素(第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3b)は、一方の端部に、各正極板4の正極タブ40が積層された正極タブ群(第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b)、各負極板5の負極タブ50が積層された負極タブ群(第1負極タブ群50a、第2負極タブ群50b)を有する。
【0023】
電極体要素の両外面にはセパレータが配置され、テープ等により各極板及びセパレータが積層された状態に固定することができる。あるいは、セパレータに接着層を設け、セパレータと正極板4、セパレータと負極板5がそれぞれ接着されるようにしてもよい。なお、セパレータを九十九折状として正極板4と負極板5を積層してもよい。
【0024】
なお、セパレータの平面視の大きさは負極板5と同じ、あるいは負極板5よりも大きくすることが好ましい。2枚のセパレータの間に正極板4又は負極板5を配置し、セパレータの周縁を熱溶着した状態とした後、正極板4と負極板5を積層してもよい。なお、帯状の正極板と帯状の負極板を、帯状のセパレータを介して巻回し、巻回型の電極体要素とすることも可能である。
【0025】
[集電体とタブの接続]
上述の方法で2つの電極体要素を作製し、それぞれ第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3bとする。なお、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bは全く同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。ここで、第1の電極体要素3aの複数枚の正極タブ40が第1正極タブ群40aを構成する。第1の電極体要素3aの複数枚の負極タブ50が第1負極タブ群50aを構成する。第2の電極体要素3bの複数枚の正極タブ40が第2正極タブ群40bを構成する。第2の電極体要素3bの複数枚の負極タブ50が第2負極タブ群50bを構成する。
【0026】
図6は、第2正極集電体6bに第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bを接続し、第2負極集電体8bに第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bを接続した状態を示す図である。第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bの間に、第2正極集電体6bと第2負極集電体8bを配置する。そして、第1正極タブ群40aと第2正極タブ群40bを第2正極集電体6b上に配置する。第1負極タブ群50aと第2負極タブ群50bを第2負極集電体8b上に配置する。第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bはそれぞれ第2正極集電体6bに溶接接続され溶接部60が形成される。第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bはそれぞれ第2負極集電体8bに溶接接続され溶接部61が形成される。溶接方法は、超音波溶接、あるいは抵抗溶接が好ましい。なお、レーザー溶接で接続することもできる。なお、正極集電体6において、電解液注液孔15と対向する位置には集電体開口6eが設けられている。
【0027】
第2正極集電体6bには開口部6cが設けられている。開口部6cは、薄肉部6dの内部に設けられている。第2負極集電体8bには開口部8cが設けられている。開口部8cは、薄肉部8dの内部に設けられている。
【0028】
[封口板への各部品取り付け]
封口板2の正極端子挿入孔2aの周囲の電池外面側に外部側絶縁部材10を配置する。封口板2の正極端子挿入孔2aの周囲の電池内面側に内部側絶縁部材11及び第1正極集電体6aを配置する。そして、正極端子7を電池外部側から、外部側絶縁部材10の貫通孔、封口板2の正極端子挿入孔2a、内部側絶縁部材11の貫通孔及び第1正極集電体6aの端子接続孔に挿入し、正極端子7の先端を第1正極集電体6a上にカシメる。これにより、正極端子7及び第1正極集電体6aが封口板2に固定される。なお、正極端子7においてカシメられた部分と第1正極集電体6aを溶接接続することが好ましい。
【0029】
封口板2の負極端子挿入孔2bの周囲の電池外面側に外部側絶縁部材12を配置する。封口板2の負極端子挿入孔2bの周囲の電池内面側に内部側絶縁部材13及び第1負極集電体8aを配置する。そして、負極端子9を電池外部側から、外部側絶縁部材12の貫通孔、封口板2の負極端子挿入孔2b、内部側絶縁部材13の貫通孔及び第1負極集電体8aの端子接続孔に挿入し、負極端子9の先端を第1負極集電体8a上にカシメる。これにより、負極端子9及び第1負極集電体8aが封口板2に固定される。なお、負極端子9においてカシメられた部分と第1負極集電体8aを溶接接続することが好ましい。
【0030】
図7は、正極端子7、外部側絶縁部材10、内部側絶縁部材11、第1正極集電体6a、負極端子9、外部側絶縁部材12、内部側絶縁部材13、及び第1負極集電体8aが取り付けられた後の封口板2の電池内面側の面を示す図である。正極側の内部側絶縁部材11は、封口板2に沿って配置されるベース部11aを有する。封口板2の短手方向におけるベース部11aの両端には、ベース部11aから電極体3側に突出する一対の第2壁部11bが設けられている。封口板2の短手方向におけるベース部11aの両端には、ベース部11aから電極体3側に突出する一対の第1壁部11cが設けられている。内部側絶縁部材11のベース部11aの外周縁において、第2壁部11b及び第1壁部11cが設けられていない位置には、外周リブ11dが設けられている。
図7に示すように、一対の第1壁部11cの間において、第1正極集電体6aと正極端子7が接続されている。
【0031】
第1正極集電体6aの電極体3側の面には、集電体突起6xが設けられている。集電体突起6xの平面視の形状は、長方形、楕円形、あるいはトラック形状等のように、長手方向と短手方向を有する形状が好ましい。
【0032】
負極側の内部側絶縁部材13は、封口板2に沿って配置されるベース部13aを有する。封口板2の短手方向におけるベース部13aの両端には、ベース部13aから電極体3側に突出する一対の第3壁部13bが設けられている。内部側絶縁部材13のベース部13aの外周縁において、第3壁部13bが設けられていない位置には、外周リブ13cが設けられている。
【0033】
第1負極集電体8aの電極体3側の面には、集電体突起8xが設けられている。集電体突起8xの平面視の形状は、長方形、楕円形、あるいはトラック形状等のように、長手方向と短手方向を有する形状が好ましい。
【0034】
[端子と集電体の接続]
正極端子7と第1正極集電体6aの接続方法、負極端子9と第1負極集電体8aの接続方法の詳細を、負極端子9と第1負極集電体8aの接続方法を例に説明する。なお、正極端子7と第1正極集電体6aも、負極端子9と第1負極集電体8aの接続と同様の方法で行うことができる。
【0035】
図8(a)に示すように負極端子9のフランジ部9aに設けられた挿入部9bを、第1負極集電体8aに設けられた端子接続孔8yに挿入する。端子接続孔8yは、封口板2から遠い側の端部に向かって徐々に内径が大きくなるテーパー部8zを有する。挿入部9bは封口板2側から端子接続孔8yに挿入される。なお、負極端子9は、第1金属からなる第1金属部9xと、第1金属とは異なる第2金属からなる第2金属部9yを有することが好ましい。第1金属としてはアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。第2金属としては銅又は銅合金が好ましい。第1金属部9xと第2金属部9yの間に第3金属からなる層を設けてもよい。第3金属としてはニッケル等が好ましい。
【0036】
次に
図8(b)に示すように負極端子9の挿入部9bの先端を拡径するように変形させてカシメ部9cを形成する。これにより、挿入部9bの先端側の領域が第1負極集電体8a上にカシメられる。カシメ部9cはテーパー部8z上にカシメられている。そして、テーパー部8zと挿入部9bの間に隙間95が生じるようにする。カシメ部9cは、端子接続孔8yにおいて最も内径が小さい部分の内径よりも大きな外径を有する。カシメ部9cの一部は、第1負極集電体8aにおいて封口板2から遠い側の面8a1よりも、封口板2から離れる方向に突出している。また、挿入部9bの先端面には先端凹部9dが形成されるようにすることが好ましい。挿入部9bの先端面に先端凹部9dが形成されると、より安定的にカシメ部9cが形成される。次に隙間95に向けてレーザー等のエネルギー線を照射することにより、カシメ部9c及び第1負極集電体8aのテーパー部8zを溶融させる。そして、溶融した部分が凝固し、
図8(c)に示すように、凝固部70が形成される。凝固部70により負極端子9と第1負極集電体8aが接合される。溶融した負極端子9ないし第1負極集電体8aを構成する金属は、隙間95に流れ込んで凝固する。凝固部70には凹部70aが形成される。
【0037】
上述の方法で負極端子9と第1負極集電体8aを接続することにより、負極端子9と第1負極集電体8aがより強固に接続された信頼性の高い角形二次電池20となる。また、負極端子9のカシメ部9cと第1負極集電体8aのテーパー部8zの間に生じた隙間95に溶融した金属が流れ込み、溶融した金属が凝固した凝固部70に凹部70aが形成されるようにすることで、溶接欠陥であるオーバーラップが生じることを抑制できる。また、凝固部70が盛り上がった形状となることを効果的に抑制できるので、凝固部70が損傷し難いより信頼性の高い角形二次電池20となる。
【0038】
凹部70aの底部が、第1負極集電体8aにおいて封口板2から遠い側の面8a1(
図9(b)における第1負極集電体8aの上面)よりも封口板2側(
図9(b)における下方)に位置する。これにより、溶接時に溶接欠陥であるオーバーラップが生じ難くなる。よって、凝固部70の一部が欠けて落下し、短絡の原因となることを効果的に防止できる。また、凝固部70がより損傷し難くなる。
【0039】
負極端子9のカシメ部9cが、第1負極集電体8aにおいて封口板2から遠い側の面8a1よりも封口板2から離れる方向(
図8(b)における上方)に突出するように負極端子9をカシメて、エネルギー線の照射により溶融する負極端子9の溶融量(溶融した部分の体積)が、エネルギー線の照射により溶融する第1負極集電体8aの溶融量(溶融した部分の体積)よりも大きくすることが好ましい。これにより、これにより、隙間95に溶融した金属が入り込み易くなり、負極端子9と第1負極集電体8aがより強固に接続される。
【0040】
凹部70aを構成する底部と側壁部は、それぞれエネルギー線の照射により溶融した金属が凝固した凝固部70である。凝固部70において凹部70aの底部に位置する部分70xの第1負極集電体8aの厚み方向(
図9(b)において上下方向)における厚みは、凝固部70において凹部70aの側壁部に位置する部分70yの端子接続孔8yの径方向(
図9(b)において左右方向)における厚みよりも大きいことが好ましい。このような構成であると、負極端子9と第1負極集電体8aがより好ましい状態で接続される。また、凝固部70がより損傷し難くなる。
【0041】
封口板2の厚み方向において、負極端子9において封口板2から最も離れた部分は、エネルギー線の照射により溶融されないことが好ましい。これにより、製造装置や治具、あるいは他の部品が凝固部70に接触し難い構造となる。
【0042】
エネルギー線は連続発振型であっても良いし、パルス型であってもよい。なお、封口板2の厚み方向(封口板2に対して垂直な方向)から見たとき、凹部70aは環状に形成されることが好ましい。
【0043】
[第1集電体と第2集電体の接続]
図10は、第1正極集電体6aに第2正極集電体6bを取り付け、第1負極集電体8aに第2負極集電体8bを取り付けた後の封口板2の電極体3側の面を示す図である。第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bが接続された第2正極集電体6bが、内部側絶縁部材11のベース部11a上に配置されている。また、第2正極集電体6bの一部が第1正極集電体6a上に配置されている。そして、第2正極集電体6bの薄肉部6dが、第1正極集電体6aに溶接接続されており、溶接部62が形成されている。溶接部62は、開口部6cから離れた位置に形成されている。なお、レーザー等のエネルギー線の照射により溶接部62を形成することが好ましい。
【0044】
第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bが接続された第2負極集電体8bが、内部側絶縁部材13のベース部13a上に配置されている。また、第2負極集電体8bの一部が第1負極集電体8a上に配置されている。そして、第2負極集電体8bの薄肉部8dが、第1負極集電体8aに溶接接続されており、溶接部63が形成されている。溶接部63は、開口部8cから離れた位置に形成されている。なお、レーザー等のエネルギー線の照射により溶接部63を形成することが好ましい。
【0045】
第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの接続方法、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの接続方法を、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの接続方法を例に説明する。
【0046】
図11は、負極端子9の近傍の封口板2の長手方向に沿った断面図である。第2負極集電体8bは、負極タブ50(第1負極タブ群50a、第2負極タブ群50b)が接続されるタブ接続部8b1と、第1負極集電体8aが接続される集電体接続部8b2を有する。タブ接続部8b1と集電体接続部8b2の間には段差部8b3が設けられている。タブ接続部8b1は内部側絶縁部材13のベース部13a上に配置される。集電体接続部8b2は、第1負極集電体8a上に配置される。集電体接続部8b2に設けられた薄肉部8dが第1負極集電体8aに溶接されている。第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接する際、開口部8cを利用して、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの薄肉部8dの間に隙間が生じていないことを確認する。あるいは、開口部8cを利用して、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの薄肉部8dの間に生じた隙間が一定値以下であることを確認する。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを安定的に溶接できる。なお、隙間の有無、あるいは隙間の大きさは光の反射を利用して確認することが好ましい。
【0047】
開口部8cから離れた位置にエネルギー線を照射し、溶接部63が開口部8cから離れた位置に形成されるようにすることが好ましい。開口部8cの縁部に溶接部63を形成する場合と比較して、より強固な溶接部63を安定的に形成できる。
【0048】
内部側絶縁部材13のベース部13aには絶縁部材凹部13xが設けられている。絶縁部材凹部13xは、第1負極集電体8aにおいて第2負極集電体8bが溶接された面の裏
面と対向するように配置されている。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接する際に発生する熱により、内部側絶縁部材13が損傷すること抑制できる。
【0049】
第1負極集電体8aにおいて第2負極集電体8bに覆われない部分に、集電体突起8xが設けられている。これにより、第1負極集電体8aを負極端子9に接続し封口板2に組み付ける際に、第1負極集電体8aが誤った向きに組みつけられることを確実に防止できる。集電体突起8xは平面視で非対称の形状を有することが好ましい。集電体突起8xは、平面視の形状が長手方向と短手方向を有する形状であることが好ましい。なお、集電体突起8xを複数設けることもできる。例えば、平面視が真円形あるいは正方形である集電体突起8xを複数設けてもよい。なお、第1負極集電体8aにおいて平坦な面上に第2負極集電体8bが配置されている。
【0050】
[カバー部材]
図13A及び
図13Bは、第2正極集電体6bを第1正極集電体6aに接続した後の正極端子7近傍の斜視図である。なお、
図13A及び
図13Bにおいては、第2正極集電体6bに接続された第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bは図示していない。
図14は、カバー部材80を内部側絶縁部材11に接続した状態の正極端子7近傍の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
樹脂製のカバー部材80は内部側絶縁部材11に接続されて、カバー部材80が第1正極集電体6aと電極体3の間に配置される。これにより、電極体3が封口板2側に移動することがあっても、電極体3が第1正極集電体6aや封口板2に接触することを防止できる。なお、カバー部材80と内部側絶縁部材11を別々の部品とすることにより、より製造がし易い二次電池となる。
【0051】
正極タブ40と正極端子7の間を第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bで接続することができる。この場合は、封口板2の厚み方向において、カバー部材80において最も電極体3に近い部分が、正極端子7、第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bにおいて最も電極体3に近い部分よりも電極体3側に近い位置に配置されることが好ましい。
【0052】
なお、第2正極集電体を用いず、正極タブ40と正極端子7の間を第1正極集電体のみで接続することができる。この場合は、封口板2の厚み方向において、カバー部材80において最も電極体3に近い部分が、正極端子7及び第1正極集電体において最も電極体3に近い部分よりも電極体3側に近い位置に配置されることが好ましい。
【0053】
第2正極集電体6bを第1正極集電体6aに接続した後、樹脂製のカバー部材80を内部側絶縁部材11に接続する。なお、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bが接続された第2正極集電体6bを第1正極集電体6aに接続した後であって、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを一つに纏める前に、カバー部材80を内部側絶縁部材11に接続することが好ましい。
【0054】
カバー部材80は、第1正極集電体6aと対向するように配置されるカバー部80aを有する。カバー部80aは、第1正極集電体6aと電極体3の間に配置される。カバー部80aは、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの接続部と対向するように配置されることが好ましい。カバー部材80は、カバー部80aから封口板2に向かって延びる一対のカバー接続部80bを有する。カバー接続部80bは、内部側絶縁部材11に接続される。内部側絶縁部材11の第1壁部11cは、第1正極集電体6aの電極体3側の面よりも電極体3側まで延びていることが好ましい。そして、第1壁部11cにおいて第1正極集電体6aの電極体3側の面よりも電極体3側に位置する部分にカバー接続部80bを接続することが好ましい。内部側絶縁部材11の第1壁部11cに接続用開口11eを設けることができる。そして、カバー接続部80bが、カバー部80aから封口板2に向かって延びる縦壁80b1と縦壁80b1の側面に設けられた接続用突起80b2を有する
ようにする。そして、カバー接続部80bの接続用突起80b2を第1壁部11cの接続用開口11eに嵌合することにより、カバー部材80を内部側絶縁部材11に接続することができる。なお、カバー接続部80bに接続用開口を設け、この接続用開口に内部側絶縁部材11の第1壁部11cに設けた接続用突起を嵌合してもよい。
【0055】
第1壁部11cは、内部側絶縁部材11において封口板2の短手方向における両端に設けられていることが好ましい。カバー接続部80bは、カバー部材80において封口板2の短手方向における両端に設けられていることが好ましい。そして、対向するカバー接続部80bと第1壁部11cをそれぞれ接続することが好ましい。これにより、内部側絶縁部材11とカバー部材80がより安定的に接続される。
【0056】
封口板2の厚み方向において、第1正極集電体6aとカバー部80aの間には、隙間が形成されていることが好ましい。このような構成であると、カバー部80aに電極体3が接したときにカバー部80aが撓むように変形でき、衝撃を緩和できる。封口板2の厚み方向において、第1正極集電体6aとカバー部材80の距離は、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。なお、カバー部80aにおいてカバー接続部80bの根元に根元開口80cが設けられていることがより好ましい。これにより、より効果的に衝撃を緩和できる。
【0057】
封口板2の厚み方向において、カバー部80aと正極端子7の間には隙間が設けられており、カバー部80aと正極端子7が接していないことが好ましい。これにより、正極端子7と第1正極集電体6aの接続部に負荷が加わることを効果的に防止できる。
【0058】
図15に示すように、第2正極集電体6bは、正極タブ40が接続されるタブ接続部6b1と、第1正極集電体6aが接続される集電体接続部6b2を有する。タブ接続部6b1と集電体接続部6b2の間には段差部6b3が設けられている。封口板2の厚み方向において、封口板2と集電体接続部6b2の間の距離は、封口板2とタブ接続部6b1の間の距離よりも大きい。前記封口板2の厚み方向において、カバー部80aは集電体接続部6b2よりも電極体3側に位置することが好ましい。これにより、より体積エネルギー密度が高いとともに製造し易い二次電池となる。なお、正極端子7は、フランジ部7a、挿入部7b及びカシメ部7cを有する。内部側絶縁部材11には、絶縁部材凹部11xが設けられている。
【0059】
カバー部80aには、カバー部80aから第1正極集電体6aに向かって突出する支持部80dが設けられている。支持部80dは、一対のカバー接続部80bの間に配置されることが好ましい。支持部80dを複数設けてもよい。支持部80dの先端は第1正極集電体6aに接触していることが好ましい。あるいは、支持部80dの先端と第1正極集電体6aの間には小さな隙間が形成されていてもよい。例えば、支持部80dの先端と第1正極集電体6aの間に形成される隙間(封口板2の厚み方向における、支持部80dの先端と第1正極集電体6aの間の距離)は、3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。カバー部80aが撓んだときに、支持部80dの先端が第1正極集電体6aに接するようにすることができる。支持部80dが形成されていることにより、カバー部材80が損傷することを抑制できる。
【0060】
カバー部80aに、封口板2の長手方向に延びる壁状の部分、封口板2の短手方向に延びる壁状の部分、あるいは、柱状の部分等を設け、これらを支持部80dとすることができる。
【0061】
封口板2の厚み方向において、カバー部80aの電極体3側の面は、第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bのうち最も電極体3に近い部分よりも、電極体3側に配置するようにすることが好ましい。これにより、電極体3が封口板2側に移動することがあっても、電極体3が先にカバー部80aに接触するため、電極体3が第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bに接触することを抑制できる。
【0062】
第1正極集電体6aは、電極体3側の面に集電体突起6xを有することが好ましい。そして、集電体突起6xの電極体3側の端部は、正極端子7の電極体3側の端部よりも電極体3側に配置されており、集電体突起6xはカバー部80aと対向することが好ましい。これにより、カバー部80aに電極体3が接した場合でも、正極端子7と第1正極集電体6aの接続部に負荷が加わることを効果的に抑制できる。
【0063】
なお、カバー部材80は、第1正極集電体6a側及び第1負極集電体8a側の少なくとも一方に配置されていればよい。カバー部材80を第1正極集電体6aと電極体3の間に配置し、第1負極集電体8aと電極体3の間にカバー部材を配置しないようにしてもよい。
【0064】
内部側絶縁部材11は封口板2に設けられた電解液注液孔15と対向する位置に注液開口11fを有する。注液開口11fの周囲には電極体3側に延びる筒状部11gが設けられている。封口板2の厚み方向において、カバー部80aは筒状部11gの電極体3側の端部よりも電極体3側に位置することが好ましい。これにより、電極体3が封口板2側に移動したとき、筒状部11gよりも先にカバー部80aの電極体3側の面に接触するため、電極体3に局所的に負荷が加わることを抑制できる。
【0065】
[電極体の作製]
図10における第1の電極体要素3aの上面と第2の電極体要素3bの上面とが直接ないし他の部材を介して接するように第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bを湾曲させる。これにより、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを纏めて、一つの電極体3とする。なお、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを、テープ等により一つに纏めることが好ましい。あるいは、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを、箱状ないし袋状に成形した電極体ホルダー14内に配置して、一つに纏めることが好ましい。
【0066】
湾曲した第1正極タブ群40aの外面が、一対の第2壁部11bのうちの一方の内面と対向し、湾曲した第2正極タブ群40bの外面が一対の第2壁部11bのうちの他方の内面と対向することが好ましい。湾曲した第1負極タブ群50aの外面が、一対の第3壁部13bのうちの一方の内面と対向し、湾曲した第2負極タブ群50bの外面が、一対の第3壁部13bのうちの他方の内面と対向することが好ましい。
【0067】
箱状又は袋状に成形した樹脂シート製の電極体ホルダー14で包まれた電極体3を角形外装体1に挿入する。そして、封口板2と角形外装体1を溶接し、角形外装体1の開口を封口板2により封口する。そして、封口板2に設けられた電解液注液孔15を通じて角形外装体1内に電解液を注液する。その後、電解液注液孔15をブラインドリベット等の封止部材により封止する。
【0068】
角形外装体1の面積が大きい方の側壁に対して垂直な方向から見たとき、電極体ホルダー14と第2壁部11bとが重なり、電極体ホルダー14と第3壁部13bとが重なるようにすることが好ましい。これにより、第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a、あるいは第2負極タブ群50bが角形外装体1と接することをより確実に防止できる。
【0069】
上述の実施形態に係る角形二次電池20では、電極体3の封口板2側の端部に正極タブ群(第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b)及び負極タブ群(第1負極タブ群50a、第2負極タブ群50b)がそれぞれ配置されている。そして、正極タブ群は湾曲した状態で封口板2に沿って配置された第2正極集電体6bの電極体3側の面に接続されている。また、負極タブ群は湾曲した状態で封口板2に沿って配置された第2負極集電体8bの電極体3側の面に接続されている。このような構成であると、より体積エネルギー密度の高い二次電池となる。
【0070】
<その他>
上述の実施形態においては、電極体3が二つの電極体要素からなる例を示したが、これに限定されない。電極体3が三つ以上の電極体要素からなってもよい。電極体要素は、それぞれ積層型電極体に限定されず、帯状の正極板と帯状の負極板を帯状のセパレータを介して巻回した巻回型電極体であってもよい。 また、電極体3が一つの積層型電極体であってもよい。また、電極体3が、帯状の正極板と帯状の負極板を帯状のセパレータを介して巻回した一つの巻回型電極体であってもよい。
【0071】
カバー部材80は樹脂製であることが好ましい。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、又はポリフェニレンサリファイド(PPS)等からなるものとすることが好ましい。
【0072】
溶接に用いるエネルギー線としては、レーザーや電子ビーム等を用いることができる。
【0073】
上述の実施形態に係る角形二次電池20においては、正極端子と正極タブを電気的に接続する正極集電体が2つの部品からなる例を示したが、正極集電体を一つの部品としてもよい。上述の実施形態に係る角形二次電池20においては、負極端子と負極タブを電気的に接続する負極集電体が2つの部品からなる例を示したが、負極集電体を一つの部品としてもよい。また、正極端子と正極板の間の導電経路又は負極端子と負極板の間の導電経路に電流遮断機構を設けてもよい。
【0074】
正極板、負極板、セパレータ、電解質等については公知の材料を使用することができる。本発明の二次電池の電池系は限定されない。例えば、リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池とすることができる。また、本発明の二次電池の形状は、特定形状に限定されない。
【符号の説明】
【0075】
20・・・角形二次電池
1・・・角形外装体
2・・・封口板
2a・・・正極端子挿入孔
2b・・・負極端子挿入孔
2c・・・環状突起
100・・・電池ケース
3・・・電極体
3a・・・第1の電極体要素
3b・・・第2の電極体要素
4・・・正極板
4a・・・正極芯体
4b・・・正極活物質合剤層
4d・・・正極保護層
40・・・正極タブ
40a・・・第1正極タブ群
40b・・・第2正極タブ群
5・・・負極板
5a・・・負極芯体
5b・・・負極活物質合剤層
50・・・負極タブ
50a・・・第1負極タブ群
50b・・・第2負極タブ群
6a・・・第1正極集電体
6x・・・集電体突起
6b・・・第2正極集電体
6b1・・・タブ接続部
6b2・・・集電体接続部
6b3・・・段差部
6c・・・開口部
6d・・・薄肉部
6e・・・集電体開口
7・・・正極端子
7a・・・フランジ部
7b・・・挿入部
7c・・・カシメ部
8a・・・第1負極集電体
8x・・・集電体突起
8y・・・端子接続孔
8z・・・テーパー部
8b・・・第2負極集電体
8b1・・・タブ接続部
8b2・・・集電体接続部
8b3・・・段差部
8c・・・開口部
8d・・・薄肉部
9・・・負極端子
9a・・・フランジ部
9b・・・挿入部
9c・・・カシメ部
9d・・・先端凹部
9x・・・第1金属部
9y・・・第2金属部
95・・・隙間
70・・・凝固部
70a・・・凹部
10・・・外部側絶縁部材
11・・・内部側絶縁部材
11a・・・ベース部
11b・・・第2壁部
11c・・・第1壁部
11d・・・外周リブ
11e・・・接続用開口
11f・・・注液開口
11g・・・筒状部
11x・・・絶縁部材凹部
12・・・外部側絶縁部材
13・・・内部側絶縁部材
13a・・・ベース部
13b・・・第3壁部
13c・・・外周リブ
13x・・・絶縁部材凹部
14・・・電極体ホルダー
15・・・電解液注液孔
16・・・封止部材
17・・・ガス排出弁
60、61、62、63・・・溶接部
80・・・カバー部材
80a・・・カバー部
80b・・・カバー接続部
80b1・・・縦壁
80b2・・・接続用突起
80c・・・根元開口
80d・・・支持部