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特開2022-29024末端混合ブロック型高分子界面活性剤および液中乾燥法を併用した機能性複合微粒子創成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029024
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】末端混合ブロック型高分子界面活性剤および液中乾燥法を併用した機能性複合微粒子創成
(51)【国際特許分類】
   B01J 13/04 20060101AFI20220209BHJP
   C08F 8/00 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 6/887 20200101ALI20220209BHJP
   A61K 6/62 20200101ALI20220209BHJP
   A61K 6/60 20200101ALI20220209BHJP
   C08F 293/00 20060101ALN20220209BHJP
【FI】
B01J13/04
C08F8/00
A61K6/887
A61K6/62
A61K6/60
C08F293/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132118
(22)【出願日】2020-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】390011143
【氏名又は名称】株式会社松風
(72)【発明者】
【氏名】渕上 清実
(72)【発明者】
【氏名】山本 健蔵
(72)【発明者】
【氏名】北田 直也
(72)【発明者】
【氏名】信野 和也
(72)【発明者】
【氏名】金子 光佑
(72)【発明者】
【氏名】花崎 知則
【テーマコード(参考)】
4C089
4G005
4J026
4J100
【Fターム(参考)】
4C089AA01
4C089BC08
4C089BD01
4C089BD20
4C089BE01
4C089BE03
4C089CA02
4C089CA09
4G005AA01
4G005BA12
4G005BB24
4G005DD08Z
4G005DD09Z
4G005DD22Z
4G005DD52Z
4G005DD53Z
4G005DD58Z
4G005DD59Z
4G005DD75Z
4G005EA03
4J026HA06
4J026HA11
4J026HA24
4J026HA32
4J026HA38
4J026HA48
4J026HB06
4J026HB11
4J026HB24
4J026HB32
4J026HB38
4J026HB42
4J026HB45
4J026HB48
4J026HB50
4J100CA31
4J100FA17
4J100HA08
4J100HA62
4J100HC27
4J100HC51
4J100HC85
4J100HE13
4J100HE14
4J100HG01
4J100JA52
(57)【要約】
【課題】アクリル酸エステルポリマー等の液中乾燥による機能性複合微粒子合成においては、様々な因子が影響しあい、非常に複雑な系を形成している。その制御方法においては、いかに液滴の合一を阻止するかが重要な課題であり、運動エネルギー等による液滴合一を阻止するためのなんらかの立体的障害等が必須であった。しかし、従来の攪拌速度の操作、界面活性剤の添加手順・添加量および無機粉末添加等による制御方法では、頻繁に微粒子間の合一が発生し、工業的な製造安定性に欠けていた。また、無機粉末添加による合一制御は確かに効果的ではあるが、合成後の後処理に大きな課題があった。
【解決手段】原子移動ラジカル重合(ATRP)および、電子移動により生成する活性化剤(AGET)を用いたAGET-ATRP精密合成により合成された高分子界面活性剤を用いて液中乾燥を行うことで、合一を起こすことなく、容易に所望する粒径の機能性複合微粒子が得られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液中乾燥法による機能性複合微粒子の製造方法であって、
懸濁安定剤として、以下の式で表わされる構造を含む高分子界面活性剤を用いることを特徴とする製造方法。
【化1】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixture は親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aは繰返し数を示し、式中bは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項2】
液中乾燥法による機能性複合微粒子の製造方法であって、
懸濁安定剤として、以下の式で表わされる構造を含む高分子界面活性剤を用いることを特徴とする製造方法。
【化2】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixture は疎水性を示す化学構造ユニットBが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造Aユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aは繰返し数を示し、式中bは化学構造ユニットBおよび化学構造ユニットAを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項3】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【化3】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中bおよびcは繰返し数を示し、式中aおよびdは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。


【請求項4】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【化4】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造ユニットBが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造Aユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中bおよびcは繰返し数を示し、式中aおよびdは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項5】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【化5】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、cおよびeは繰返し数を示し、式中a、dおよびfは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項6】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【化6】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、cおよびeは繰返し数を示し、式中a、dおよびfは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項7】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【化7】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、eおよびgは繰返し数を示し、式中a、d、fおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項8】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【化8】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、eおよびgは繰返し数を示し、式中a、d、fおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項9】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【化9】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、e、g、iおよびkは繰返し数を示し、式中a、d、f、i、jおよび hは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項10】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【化10】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、e、g、iおよびkは繰返し数を示し、式中a、d、f、i、jおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【請求項11】
前記高分子界面活性剤におけるZが以下の構造を有する事を特徴とする請求項1~10に記載の製造方法。
【化11】
【請求項12】
機能性複合微粒子の製造方法であって、
液中乾燥法を用い、
連続相溶液に親水性を示すユニットと疎水性を示すユニットがランダムに混在する構造を有する高分子界面活性剤を含み、
分散相溶液に重合開始剤または重合促進剤の少なくともどちらか一つを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の製造方法であって、
前記分散相溶液に、さらにポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレンのうち少なくともどれか一つを含むことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密重合により合成された末端混合ブロック型高分子界面活性剤を安定剤として用いた液中乾燥法、および、その液中乾燥法にて合成された高分子微粒子に関する。また、その液中乾燥法にて合成された機能性複合微粒子内にラジカル重合開始剤および/またはラジカル重合促進剤含有する事を特徴とする。さらには、それら高分子微粒子および機能性複合微粒子を含有する医科歯科用硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子微粒子や機能性複合高分子微粒子を合成する有用な手法として懸濁重合法が挙げられる。例えば、メチルメタクリレートモノマーに数十パーセントの過酸化ベンゾイルを溶解・懸濁させて、界面活性剤水溶液に分散させ加熱重合を行う事で、過酸化ベンゾイルを含有する機能性複合微粒子(マイクロカプセル)を合成する事が可能である。この懸濁重合は、粒径が数ミクロンから数千ミクロンまでの範囲にあるポリマー粒子を調製するための重合法であり、その操作法は確立されている(非特許文献1)。一般に利用されている懸濁重合反応系は懸濁安定剤種(界面活性剤、固体粉末等(非特許文献2))が添加されている連続相と、この連続相と相溶性がなく、重合開始剤を溶解している重合性モノマーの分散液滴相からなる。すなわち、モノマーが水不溶性であれば、連続相として水を使用して、まずO/W分散系を生成することになる。これとは逆に、モノマーが水溶性であれば、連続相として水不溶性溶媒を使用して、W/O分散系(逆相懸濁系)を生成することになる。そして、個々の分散液滴は、微小回分式反応器としての役割を演じることになり、液滴内で重合が進行する。このように液滴分散系(O/W系、W/O系)を生成する方法は一般的に、機械的エネルギーの投入によるが、分散液滴の液滴径分布や平均滴径は、最終的なポリマー粒子の粒径分布や平均粒径に近似することになるので、分散系生成条件(機械的エネルギー投入法や懸濁安定剤種および添加法)の選択が極めて重要となる。
【0003】
ここで、懸濁重合におけるポリマー粒子の粒径制御法には図1に示す様な2つの考え方がある。第一の方法は、懸濁重合プロセスに移行する前の初期液滴調製プロセスにおいて、目的とする滴径分布と平均滴径のモノマー滴群を生成し、その後懸濁重合プロセスへ移行する方法である。この場合には、初期液滴調製プロセスでは、滴径の揃ったモノマー滴を生成すること、懸濁重合プロセスでは、モノマー滴に合一や分裂を経ることなく、終始安定に維持すること、が重要なこととなっている。滴径の揃ったモノマー滴を生成する方法として、振動板ノズル法、固体膜乳化法、マイクロチャネル法、静電乳化法、フローフォーカシングデバイス法などがある。この粒径制御法では、初期液滴調製プロセスで生成したモノマー滴と最終ポリマー粒子の粒径分布と平均粒径はほぼ同じくなる。この方法の場合、生成した液滴が懸濁重合時に合一するのを防ぐために、懸濁安定剤として、例えばドデシルベンザンスルホン酸ナトリウム、懸濁安定助剤として炭酸カルシウム等の無機粉末(非特許文献2)が用いられる。炭酸カルシウムの役割は液滴表面に吸着させ、物理的に液滴の合一を防ぐために添加される。しかしながら、重合後には何らかの方法で、無機粉末を除去する必要がある。
第二の方法は、攪拌エネルギーにより分散系(O/W系、W/O系)を調製し(分裂法)、重合プロセスにおけるモノマー滴の合一と分裂の速度を制御し、その結果としてポリマー粒子の粒径分布と平均粒径を制御しようとするものである。すなわち、目的径範囲から外れている大きなポリマー含有滴と小さいポリマー含有滴には、それぞれ分裂や合一を積極的に経験させて小径のポリマー含有滴に、あるいは大きい径のポリマー含有滴にすることにより粒径分布の狭いポリマービーズを生成しようとするものである。しかしながら、この手法は多くの経験則に依存するため、数トンスケールで製造する手法としては工業的リスクが非常に高い。このような基本的な制御法の基に、懸濁重合操作におけるポリマー粒子の粒径制御は、ハード的制御法とソフト的制御法に大別される。前者には、攪拌条件(攪拌速度、攪拌翼数・形状・設置法、攪拌方式など)、反応装置形状(攪拌槽型、ループ型、邪魔板数と設置法)、分散液滴生成法(攪拌法、高速攪拌法、高圧乳化法、静止乳化法、マイクロチャネル法、固体膜乳化法、振動ノズル法、フローフォーカシングデバイス法)などによる粒径制御法がある。このようなハード的な要因により、(1)いかにして滴径の揃ったモノマー滴を生成するか、あるいは、(2)モノマー滴の分散安定性を維持したり、分散挙動(合一や分裂)制御するかがポイントとなっている。攪拌槽内における滴径分布の出現は、図2に示したように、攪拌槽内における攪拌エネルギーの不均一性(強領域での分裂と弱領域での合一)の存在と、この強弱の領域を循環するモノマー滴の頻度の不均一性による。また、この不均一性は、攪拌翼形状、攪拌翼設置位置、攪拌翼数、液深、などによっても影響をうける(非特許文献3)。一方、ソフト的制御法には、懸濁安定剤種(界面活性剤、固体粉末(非特許文献2))の選択と組み合わせ、添加法、などによる制御法がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】田中眞人:懸濁重合におけるポリマー粒子制御、アイピージー(1993)
【非特許文献2】K.Fuchigami、 Y.Taguchi、 M.Tanaka、 Advanced Powder T echnology、 20、 74-79(2009)
【非特許文献3】田中眞人、田口佳成:ダウンサイジングプロセスによる粒径制御、化学工学論文集67(11)、625-628(2003)
【0005】
ここで、攪拌エネルギーにより分散モノマー相を微粒化させる際に、モノマー相の粘度が低く、分裂抵抗が界面張力支配であるときには、平均滴径は攪拌速度および液物性により表した次式に従う。
【0006】
【数1】
【0007】
また、予備魂状重合を実施したりポリマーを溶解させたりして分散モノマー相の粘度が高くなり、分裂抵抗として粘性エネルギーと界面エネルギーが関与するときには、平均滴径は次式に従う。


【0008】
【数2】
【0009】
さらに、分散モノマー相の粘度が高くなり、分裂抵抗として粘性エネルギーが支配的となるときには、平均滴径は次式に従う。
【0010】
【数3】
ここで、dp、di、Nrはそれぞれ滴径、翼径、攪拌速度である。また、ρc、 ρd、 γ、 μd、 μc はそれぞれ、連続相密度、分散相密度、界面張力、分散相粘度、連続相粘度である。
【0011】
これらの相関式は、分裂法により液液分散系を生成する際に、液滴間合一が無視できる条件(高濃度の安定剤濃度や低ホールドアップ)においては、一般に実測値はよく適合することから、最終ポリマー粒子径についても適合することになる。その他、ポリマー粒子径の攪拌速度や液物性への依存性を表す相関式として次式が提案されている。なお、φは分散相ホールドアップである。
【0012】
【数4】
【0013】
また、液液分散系における液間合一や分裂が関与する例を以下に示す。図3に示すように、スチレンの懸濁重合過程において、攪拌強度を変化させることにより、合一や分裂を促進あるいは抑制することにより粒径制御が可能である。すなわち、重合過程において、攪拌速度を、Nr=3.3s-1からNr=2.5s-1に変化させることにより、最大径(95%累積径dp95)の合一を制御し、また、最少滴径(5%累積径dp5)の分裂を抑制することにより、最終ポリマービーズの粒径分布を狭くすることが可能となる。攪拌操作により粒径制御を実施した例として、図4に、スチレンの懸濁重合において一方向攪拌と往復動攪拌による粒径制御の結果を示した。すなわち、通常攪拌法の一方向攪拌方式(CM)では、攪拌速度とともにポリマー粒子径は減少するものの、ある攪拌速度以上になると粒径は増加している。このような粒径の攪拌速度依存性は、往復動攪拌(OM)でも観察される。これは、重合の進行とともに液滴相の粘度が増加することにより滴間合一が生じやすくなることに起因している。しかしながら、粒径分布の均一性は往復動攪拌において向上している。これは、分散液滴の循環経路を制限し合一を抑制しうる往復動攪拌方式が優れていることを示唆している。このように攪拌操作は、分散液滴の分散挙動(合一と分裂)を強く支配しているので、重合の進行により時々刻々変化する液物性により分散挙動も大きく変化する。そこで、重合率の変化(液物性の変化)に対応して攪拌速度を変化させる。すなわち、全重合時間6時間において、低下させる時間t1と増加させる時間t2を変えたことによる粒径と分布の均一性の度合い(全均一係数)をそれぞれ図5図6に示した。分散相粘度増加時における攪拌速度の低下は、合一を抑制することから粒径は減少しているものの、均一係数(Ut)は増加して粒径の均一性は低下している(図5)。また、分散液滴相の粘度増加時における攪拌速度の増加は、合一を活発にし、粒径は大きくなっているものの、均一係数(Ut)は小さくなり、粒径はより均一になっている(図6)。これらの結果より、重合過程における液物性の変化に対応した攪拌速度の選定が第二の懸濁重合方法では極めて重要であることが分かる。また、懸濁重合に代わる高分子微粒子や機能性複合微粒子(マイクロカプセル)の合成方法として、液中乾燥法がある。この合成方法は、高分子を溶解させる親溶媒の水(連続相)への溶解度を利用する。すなわち、例えばメチルメタクリレートモノマーの水への溶解度は14g/L程度であり、わずかに溶解する。この性質を利用し、液中乾燥法の利用が可能となる。詳細に説明すると、ポリメチルメタクリレートをメチルメタクリレートモノマーに溶解し、さらに芯物質として過酸化ベンゾイルを溶解させ、分散相を調製する。その分散相を何らかの機械的方法(ホモジナイザー、超音波等)で連続相に液滴として分散させた後に、ゆっくりと溶媒であるメチルメタクリレートモノマーを蒸発させる事で、過酸化ベンゾイルを芯物質としたポリメチルメタクリレート微粒子を得る。この場合、例えば水に難溶なクロロホルムを溶媒に用いた場合には、その溶媒は揮発出来ずいつまでも液滴中に残存するため、過酸化ベンゾイルを芯物質としたポリメチルメタクリレート微粒子は得られない。逆に水と自由に混和するアセトンを溶媒に用いた場合には液滴の生成が出来ず、瞬時にアセトンが連続相に溶出するため、微粒子の生成が出来ず、過酸化ベンゾイルを含有するポリメチルメタクリレートが繊維状あるいは膜状で析出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
先に述べたように、アクリル酸エステルモノマー、メタアクリル酸エステルモノマーおよびスチレンモノマーの懸濁重合においては、様々な因子が影響しあい、非常に複雑な系を形成している。先に述べた第一の懸濁重合の制御方法においては、いかに液滴の合一を阻止するかが重要な課題である。すなわち、運動エネルギー等による液滴合一を阻止するためのなんらかの立体的障害が必須であった。同様に、液中乾燥法においても、いかに液滴の合一を阻止するかが重要な課題である。
【0015】
本発明は、その機能性複合微粒子(マイクロカプセル)合成のための液中乾燥時に合一を阻止するに十分な立体障害を与え、安定的な液滴生成とビーズポリマーを得るための末端混合ブロック型高分子界面活性剤を安価に製造すること、およびそれらの界面活性剤用い合成した機能性複合微粒子(マイクロカプセル)を含有する医科歯科用硬化性組成物を提供することを目的とする。更に詳細に説明すると、精密重合による末端混合ブロック型高分子界面活性剤の合成は、例えばカチオン重合やアニオン重合等でも可能であるが、徹底的な水分除去、不活性ガスによる脱気置換が必須であるため、工業的に量産するには極めて困難である。本発明の重合方法では、それらが大幅に簡素化出来るため、製造コストが安価で容易に所望する末端混合ブロック型高分子界面活性剤の合成が可能である。すなわち、完全なABブロックコポリマーにするためのマクロイニシエーター分離操作を経る事無く合成する本合成方法では、大幅な合成コスト削減が可能となった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した様に、従来技術での懸濁重合法や液中乾燥法で合一による塊状を防ぐためには様々な因子の働きを調整する必要がある。この各因子の調整には多大な経験が必要で、特に界面活性剤の添加濃度や添加時期が重要となり、工業界においても重要なノウハウとなっている。そこで、発明者等の鋭意検討の結果、下記の化学構造式で表わされる末端混合ブロック型高分子界面活性剤を用い、液中乾燥法を行うことで、合一を起こすことなく、容易に所望する粒径のポリマービーズや機能性複合微粒子(マイクロカプセル)が得られる事を発見し、本発明を完成させた。
【0017】
本発明は、液中乾燥法による機能性複合微粒子の製造方法であって、懸濁安定剤として親水性を示すユニットと疎水性を示すユニットがランダムに混在する構造を有する高分子界面活性剤を用いることを特徴とする製造方法である。
【0018】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化1】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixture は親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aは繰返し数を示し、式中bは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0019】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化2】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixture は疎水性を示す化学構造ユニットBが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造Aユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aは繰返し数を示し、式中bは化学構造ユニットBおよび化学構造ユニットAを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0020】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化3】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中bおよびcは繰返し数を示し、式中aおよびdは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0021】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化4】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造ユニットBが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造Aユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中bおよびcは繰返し数を示し、式中aおよびdは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0022】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化5】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、cおよびeは繰返し数を示し、式中a、dおよびfは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0023】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化6】

式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、cおよびeは繰返し数を示し、式中a、dおよびfは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0024】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化8】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、eおよびgは繰返し数を示し、式中a、d、fおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0025】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化9】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、eおよびgは繰返し数を示し、式中a、d、fおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0026】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化9】
式中Aは親水性を示す化学構造ユニットを示し、式中ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、e、g、iおよびkは繰返し数を示し、式中a、d、f、i、jおよび hは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0027】
前記高分子界面活性剤が、以下の式で表されるものを好ましく用いることができる。
【化10】
式中Bは疎水性を示す化学構造ユニットを示し、式中BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットを示し、末端にハロゲン原子を有していても構わない。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中b、c、e、g、iおよびkは繰返し数を示し、式中a、d、f、i、jおよびhは化学構造ユニットAおよび化学構造ユニットBを足し合わせた総数を示し、何れも10~1000の範囲内である。
【0028】
本発明の製造方法について、液中乾燥法における連続相溶液に親水性を示すユニットと疎水性を示すユニットがランダムに混在する構造を有する高分子界面活性剤を含み、
分散相溶液に重合開始剤または重合促進剤の少なくともどちらか一つを含むことが好ましい。また、本発明の製造方法について、液中乾燥法における分散相溶液に、さらにポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレンのうち少なくともどれか一つを含むことがより好ましい。
【0029】
前記高分子界面活性剤におけるZは、以下の構造を有するものである場合、特に好ましく用いることが出来る。








【0030】
【化11】
【発明の効果】
【0031】
本発明の精密合成による末端混合型高分子界面活性剤を液中乾燥法にて用いた場合、合一を起こすことなく、容易に所望する粒径のポリマービーズや機能性複合微粒子が得られる事を発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の末端混合型高分子界面活性剤を用いる事で、液中乾燥時の液滴間の運動エネルギー等による合一より、液滴表面に付着した末端混合型高分子界面活性剤の反発力(斥力)が上回ることで、合一が阻止されるため、容易に所望する粒径のポリマービーズや機能性複合微粒子が得られるという効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】粒径制御プロセスを示す図
図2】攪拌槽内における液滴挙動を示す図
図3】懸濁重合プロセスにおける攪拌速度の変化の影響を示す図
図4】攪拌方式の影響を示す図
図5】平均粒径と均一係数に及ぼす影響を示す図(1)
図6】平均粒径と均一係数に及ぼす影響を示す図(2)
図7-1】機能性複合微粒子合成実施例の箱ひげ図(1)
図7-2】機能性複合微粒子合成実施例の箱ひげ図(2)
図7-3】機能性複合微粒子合成実施例の箱ひげ図(3)
図7-4】機能性複合微粒子合成実施例の箱ひげ図(4)
図7-5】機能性複合微粒子合成実施例の箱ひげ図(5)
図8-1】機能性複合微粒子比較合成実施例の箱ひげ図
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明における末端混合型高分子界面活性剤の分子構造は、化1~化10に示される構造であるものが好ましく、1種または複数の組み合わせで用いても良い。また、添加濃度に関しては反応器内の液滴数(分散相と連続相の体積比率:ホールドアップ)にもよるが、一般的には分散相の1%から10%が好ましい。1%より低い処理では十分に末端混合型高分子界面活性剤を液滴表面に導入出来ず、また、10%を超えた場合には臨界ミセル濃度(CMC)を超えるため、末端混合型高分子界面活性剤のみのミセルが生成し好ましくない。本発明の末端混合型高分子界面活性剤を合成する手法は特に限定しない。例えば、フリーラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、リビング重合が挙げられ、特に精密合成が必要であることからリビングラジカル重合(Living Radical Polymerization:LRP))ないしは精密ラジカル重合(Controlled Radical Polymerization:CRP)が好ましい。さらには、精密ラジカル重合として知られる原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization, ATRP)、可逆的付加-開裂連鎖移動重合(Reversible Addition/. Fragmentation Chain Transfer Polymerization:RAFT)、ニトロキシドを介した重合(Nitroxide-mediated Polymerization:NMP)を使用することができる。一方で、経済的および工業的な観点から合成する末端混合型高分子界面活性剤は、より安価かつ大量かつ精密に合成する必要がある。上記手法の中には厳密な水分管理や不活性ガスによる置換操作などが必要であり、安価かつ大量に合成するには不適切な手法がある。そのようなことから、ATRPが好ましい手法として挙げられ、中でも活性化剤が定常的に再生する開始剤(Initiators for Continuous Activator Regeneration:ICAR)、電子移動により生成する活性化剤(Activators Generated by Electron Transfer:AGET)、電子移動により再生する活性化剤(Activators ReGenerated by Electron Transfer:ARGET)、逆ATRP(Reverse ATRP)によって合成することが好ましい。さらに、この中でもAGET-ATRPにて合成することが経済的・工業的観点から好ましい。本発明の末端混合型高分子界面活性剤をATRPおよびAGET-ATRP以外で合成した場合であっても、本発明に記載の末端混合型高分子界面活性剤であれば好適に使用することができ、経済的・工業的観点を考慮しない場合は本発明の末端混合型高分子界面活性剤を合成する手法は問わない。また、一般的にATRPおよびAGET-ATRPで末端混合型高分子界面活性剤を合成する場合、モノマー転化率が80~90%時点で極性の異なるモノマーを添加するが、その場合には先に用いた極性の異なるモノマーが混在するために、合成したポリマーは完全なブロックポリマーとはならない。これを避けるため、第一段階で重合したポリマーを単離し、未重合のモノマーを除去した、いわゆる「マクロイニシエーター」を用いる場合が多い。しかしながら、該マクロイニシエーターは分離工程時に酸素等による失活を招き易い。更には、単離のために再沈殿および/または透析を繰り返す必要があるなど、非常に煩雑かつ高コストであった。ここで、一般的にATRPおよびAGET-ATRPで高分子界面活性剤を合成する場合、モノマー転化率が80~90%時点で極性の異なるモノマーを添加するが、その場合には先に用いた極性の異なるモノマーが混在するために、合成したポリマーは完全なブロックポリマーとはならない。これを避けるため、第一段階で重合したポリマーを単離し、未重合のモノマーを除去した、いわゆる「マクロイニシエーター」を用いる場合が多い。しかしながら、該マクロイニシエーターは分離工程時に酸素等による失活を招き易い。更には、単離のために再沈殿および/または透析を繰り返す必要があるなど、非常に煩雑かつ高コストであった。この問題を解決するために、第二段階目の極性の異なるモノマーを多段階的に添加・重合させ、傾斜的に極性を移行させる方法も考えられる。ここで、我々は例えばポリビニルアルコールの完全ケン化物が重合度に関係なく界面活性能を示さないのに対し、80mol%程度の部分ケン化物は重合度に関係なく界面活性能を有する事に着目した。すなわち、完全なABブロックコポリマーや極性の異なるモノマーを多段階的に添加・重合させ、傾斜的に極性を移行させて得られるグラジエントポリマーではなく、本発明の末端混合型高分子界面活性剤でも遜色ない界面活性能を有する事を発見し、本発明を完成させた。
【0034】
化1~化10に示される構造をより詳しく記載すると、Aはアクリル酸重合体、アクリル酸ナトリウム重合体、アクリル酸カリウム重合体、メタアクリル酸重合体、メタアクリル酸ナトリウム重合体、メタアクリル酸カリウム重合体、2-ヒドロキシアクリル酸重合体、2-ヒドロキシメタアクリル酸重合体、2-ヒドロキシプロピルアクリル酸重合体、2-ヒドロキシプロピルメタアクリル酸重合体、ビニルアルコール重合体、ビニルピロリドン重合体、アクリル酸アミド重合体、メタアクリル酸アミド重合体、イソプロピルアクリルアミド重合体、イソプロピルメタアクリルアミド重合体、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド重合体、ジエチルアクリルアミド重合体、ヒドロキシエチルアクリルアミド重合体、3-(メタクリロイロイルアミノ)プロピル]ジメチル(3-スルフォブチル)アンモニウム ヒドロキシド重合体、p-スチレンスルホン酸重合体、p-スチレンスルホン酸ナトリウム重合体、p-スチレンスルホン酸カリウム重合体等が挙げられる。
【0035】
Bはスチレン重合体、4-ビニルベンゾシクロブテン重合体、4-[N-(メチルアミノエチル)アミノメチル]スチレン重合体、4-ベンズヒドリルスチレン重合体、4-(ジフェニルフォスフィノ)スチレン重合体、3-ビニルアニリン重合体、1-ブロモスチレン重合体、2-ブロモスチレン重合体、4-ブロモスチレン重合体、2-クロロスチレン重合体、3-クロロスチレン重合体、4-クロロスチレン重合体、4-クロロ-α-メチルスチレン重合体、2,6-ジクロロスチレン重合体、4-ビニルベンジルクロライド重合体、ビニルベンジルクロライド重合体、2-イソプロペニルアニリン重合体、3-ビニルアニリン重合体、4-ビニルアニリン重合体、N,N-ジメチルビニルベンジルアミン構造異性体混合物重合体、3-ビニルベンゾイック酸重合体、4-ビニルベンゾイック酸重合体、3-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアナー重合体、α-メチルスチレン重合体、メチルスチレン重合体、3-メチルスチレン重合体、4-メチルスチレン重合体、2,4-ジメチルメチルスチレン重合体、2,5-ジメチルメチルスチレン重合体、2,4,6-トリメチルメチルスチレン重合体、4-tert-ブチルスチレン重合体、4-ビニルアニソール重合体、4-アセトキシスチレン重合体、4-tert-ブトシキスチレン重合体、3,4-ジメトキシスチレン重合体、2-フルオロスチレン重合体、3-フルオロスチレン重合体、4-フルオロスチレン重合体、2-(トリフルオロメチル)スチレン重合体、3-トリフルオロメチル)スチレン重合体、4-トリフルオロメチル)スチレン重合体、2,6-ジフルオロスチレン重合体、2,3,4,5,6-ペンタフルオロスチラン重合体、2-ヒドロキシエチルアクリレート重合体と2-イソシアナートエチルメタクリレートのウレタン化物、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート重合体と2-イソシアナートエチルメタクリレートのウレタン化物、3-ニトロスチレン重合体、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロライド重合体、2-ビニルナフタレン重合体、2-ビニルナフタレン重合体、4-ビニルビフェニル重合体、9-ビニルアントラセン重合体、2-クロロエチルアクリレート重合体、メチルアクリレート重合体、エチルアクリレート重合体、ブチルアクリレート重合体、ヘキシルアクリレート重合体、ラウリルアクリレート重合体、オクタデシルアクリレート重合体、tert-ブチルアクリレート重合体、イソブチルアクリレート重合体、2-エチルヘキシルアクリレート重合体、イソオクチルアクリレート重合体、3,5,5-トリメチルヘキシルアクリレート重合体、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシルアクリレート重合体、ヒドロキシプロピルアクリレート構造異性体混合物4-ヒドロキシブチルアクリレート重合体、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート重合体、イソボルニルアクリレート重合体、ペンタブロモフェニルアクリレート重合体、ペンタブロモベンジルアクリレート重合体、ペンタフルオロフェニルメタクリレート重合体、ソルケタルメタクリレート重合体、1,1,1-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-5-メンチルメタクリレート重合体、2-[(1’,1’,1’- トリフルオロ-2’-(トリフルオロメチル)-2’-ヒドロキシ)プロピル]-3-ノルボルニルメタクリレート重合体、2-(ジイソプロピルアミノ)エチルメタクリレート重合体、メタクリル酸N-ヒドロキシサクシンイミドエステル重合体、TEMPOメタクリレート重合体、2-メタクリロイルオキシエチルフォスフォリルクロリン重合体、2-N-モルフォリノエチルメタクリレート重合体、メチルメタアクリレート重合体、エチルメタクリレート重合体、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート重合体、ブチルメタアクリレート重合体、ヘキシルメタクリレート重合体、ラウリルメタクリレート重合体、ステアリルメタクリレート重合体、tert-ブチルメタアクリレート重合体、イソブチルメタクリレート重合体、2-エチルヘキシルメタクリレート重合体、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート重合体、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート重合体、グリシジルメタクリレート重合体、フルフリルメタクリレート重合体、ベンジルメタクリレート重合体、シクロヘキシルメタクリレート重合体、イソボルニルメタクリレート重合体、フェロセニルメチルメタアクリレート重合体、N-メチル-N-ビニルアセタミド重合体、ビニルプロピオネート重合体、ビニルピバレート重合体、ビニルネオデカネート構造異性体混合物重合体、ビニルデカノエート重合体、ビニルステアレート重合体、ビニルベンゾエート重合体等が挙げられる。
【0036】
本発明における末端混合型高分子界面活性剤の化学構造例を以下に記載する。式中a、a1、a2、a3、a4、a5、a6、b、b1、b2、b3、b4、b5、b6、c、c1、c2、c3、c4、c5、c6、d、d1、d2、d3、d4、d5、及びd6は繰返し数を示し、dn=bn+cn(n=1、2、3、4、5、6)であり、a、a1、a2、a3、a4、a5、a6、d、d1、d2、d3、d4、d5、及びd6は何れも10~1000の範囲内である。式中の[A-ran-B]又は[B-ran-A]はABmixture 又はBAmixtureのユニットを表しており、ABmixtureは親水性を示す化学構造ユニットAが20mol%~0.1mol%の比率で疎水性を示す化学構造Bユニットにランダムに混在するユニットであり、BAmixtureは疎水性を示す化学構造Bユニットが20mol%~0.1mol%の比率で親水性を示す化学構造ユニットAにランダムに混在するユニットである。なお、本発明における高分子界面活性剤の分子構造は化1~化10を満たす化合物であれば、何ら限定されるものではない。また、重合触媒由来のハロゲン原子はアリルトリブチル錫などハロゲン除去剤を用いてハロゲンを含まない原子および官能基に置換しても良い。置換した場合であってもハロゲン原子を含む高分子界面活性剤と同様に使用することができる。
【0037】
化1に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0038】
【化12】
【0039】
化2に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0040】
【化13】

【0041】
化3に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0042】
【化14】


【0043】
化4に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0044】
【化15】
【0045】
化5に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0046】
【化16】
【0047】
化6に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0048】
【化17】

【0049】
化7に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0050】
【化18】
【0051】
化8に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0052】
【化19】
【0053】
化9に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0054】
【化20】
【0055】
化10に含まれる高分子界面活性剤を、以下のとおり例示する。
【0056】
【化21】
【0057】
本発明の機能性複合微粒子を構成するポリマーとしては、スチレン、メチルメタアクリレート、エチルメタクリレート、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルおよび/またはそれらのコポリマー等が好ましい。本発明の機能性複合微粒子に含まれる化学重合開始剤(重合開始剤)としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
【0058】
化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
【0059】
化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
【0060】
化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0061】
化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシンなどが挙げられる。
【0062】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールを具体的に例示すると、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレリックアシッド-n-ブチルエステルなどが挙げられる。
【0063】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルを具体的に例示すると、例えば、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,2,4-トリメチルペンチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルヘキサノエート、t-チルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート及びt-ブチルパーオキシマレリックアシッドなどが挙げられる。
【0064】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートを具体的に例示すると、例えば、ジ-3-メトキシパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
【0065】
有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドが特に好ましく用いられる。
【0066】
重合促進剤を具体的に例示すると、例えば、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物などが挙げられる。
【0067】
重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンを具体的に例示すると、例えば、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N-メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N-エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN-メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
【0068】
芳香族アミンを具体的に例示すると、例えば、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-エチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-4-エチルアニリン、N,N-ジメチル-4-イソプロピルアニリン、N,N-ジメチル-4-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチル-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸-2-(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル及び4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0069】
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩を具体的に例示すると、例えば、p-トルエンスルフィン酸、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸カリウム、p-トルエンスルフィン酸リチウム、p-トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0070】
重合促進剤として用いられるボレート化合物は、1分子中に1個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p-クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-フロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、トリアルキル[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、トリアルキル(p-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びトリアルキル(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0071】
また、1分子中に2個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、ジアルキルジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p-クロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-フロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、ジアルキルジ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、ジアルキルジ(p-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びジアルキルジ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0072】
さらに、1分子中に3個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリ(p-クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-フロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリ(p-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びモノアルキルトリ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基又はn-ドデシル基等から選択される1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0073】
さらに1分子中に4個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p-クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-フロロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2--メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素、(p-フロロフェニル)トリフェニルホウ素、(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルトリフェニルホウ素、(p-ニトロフェニル)トリフェニルホウ素、(m-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(p-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(m-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素及び(p-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0074】
これらアリールボレート化合物の中でも、保存安定性の観点から、1分子中に3個又は4個のアリール基を有するボレート化合物を用いることがより好ましい。また、これらアリールボレート化合物は1種又は2種以上を混合して用いることも可能である。
【0075】
重合促進剤として用いられるバビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、バルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジフェニルバルビツール酸、1,5-ジメチルバルビツール酸、5-ブチルバルビツール酸、5-エチルバルビツール酸、5-イソプロピルバルビツール酸、5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-エチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-n-ブチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロペンチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-フェニルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-1-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、5-メチルバルビツール酸、5-プロピルバルビツール酸、1,5-ジエチルバルビツール酸、1-エチル-5-メチルバルビツール酸、1-エチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジエチル-5-ブチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-メチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-オクチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-ヘキシルバルビツール酸、5-ブチル-1-シクロヘキシルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられ、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5-ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5-トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0076】
特に好適なバルビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、5-ブチルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩などが挙げられる。
【0077】
重合促進剤として用いられるトリアジン化合物を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メチルチオフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2,4-ジクロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-ブロモフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-n-プロピル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(α,α,β-トリクロロエチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-スチリル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(o-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-ブトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(1-ナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-エチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ジアリルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンなどが挙げられる。
【0078】
上記で例示したトリアジン化合物の中で特に好ましいものは、重合活性の点で2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジンであり、また保存安定性の点で、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、及び2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を混合して用いても構わない。
【0079】
重合促進剤として用いられる銅化合物を具体的に例示すると、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅などが挙げられる。
【0080】
重合促進剤として用いられるスズ化合物を具体的に例示すると、例えば、ジ-n-ブチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ-n-オクチル錫ジラウレート及びジ-n-ブチル錫ジラウレートである。
【0081】
重合促進剤として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類を具体的に例示すると、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)などが挙げられる。
【0082】
重合促進剤として用いられるハロゲン化合物を具体的に例示すると、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
【0083】
重合促進剤として用いられるアルデヒド類を具体的に例示すると、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p-メチルオキシベンズアルデヒド、p-エチルオキシベンズアルデヒド、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
【0084】
重合促進剤として用いられるチオール化合物を具体的に例示すると、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸などが挙げられる。
【0085】
本発明における医科歯科用硬化性組成物で用いられる無機充填剤としては、それらの化学的組成は特に限定されないが、二酸化珪素、アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。特に歯科用グラスアイオノマーセメントやレジン強化型グラスアイオノマーセメントおよびレジンセメント等に使用されているフルオロアルミノケイ酸バリウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ストロンチウムガラス、フルオロアルミノケイ酸ガラス等も好適に使用できる。ここで言うフルオロアルミノケイ酸ガラスとは、酸化珪素および酸化アルミニウムを基本骨格とし、非架橋性酸素導入のためのアルカリ金属を含む。さらに修飾・配位イオンとしてストロンチウムを含むアルカリ土類金属およびフッ素を有する。また、更なるX線不透過性を付与するためにランタノイド系列の元素を骨格に組み込んだ組成物である。このランタノイド系列元素は組成域により修飾・配位イオンとしても組成に参加する。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機充填剤の本発明における歯科用組成物での組成割合としては、特に限定されないが、好ましくは25~90重量%の範囲内である。25重量%以下である場合には、硬化物の機械的(物理的)強度が低いため好ましくない。また、90重量%以上では調製したペーストの粘性が高すぎるため臨床上の操作性が悪く好ましくない。さらに、前記無機充填剤の平均粒子径は0.001~100μmであることが好ましく、より好ましくは0.001~10μmである。さらに、無機充填剤の形状は球状あるいは不定形状の何れでもよい。
【0086】
本発明における医科歯科用硬化性組成物で用いられるラジカル重合性モノマーは歯科分野で用いられている物を何ら制限なく用いる事が出来る。例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とのウレタン反応により合成される7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3, 14-ジオキサ-5, 12-ジアザヘキサデカン-1, 16-ジイルジメタクリレート(UDMA)や、HEMAやHEAと2,4-トルイレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートの各々とのウレタン反応により合成されるラジカル重合性モノマー類や、脂肪族および/または芳香族ジイソシアネートとグリセロール(メタ)クリレートや3-メタクリロール-2-ヒドロキシプロピルエステルとの反応によって得られるウレタンジアクリレート類や、1,3-ビス(2-イソシアナート, 2-プロピル)ベンゼンとヒドロキシ基を有する化合物とのウレタン反応物等が挙げられる。より具体的には、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,8,10,10,15-ペンタメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((4-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、8,10,10-トリメチル-4,13,18-トリオキソ3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)-4,4-ジメチルシクロヘキシル)エチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)エチル)-5,5-ジメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルジアクリレート、2-(2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルジアクリレート、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルジアクリレート、1-(シクロヘキシルオキシ)-17-(シクロヘキシルオキシメチル)-5,14,19-トリオキソ-4,15,18-トリオキサ-6,13-ジアザヘニコス-20-エン-2-イルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((3-((((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル)ベンジル)(メチル)カルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)プロピル メタクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)フェニル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)ブチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(メタアクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス
(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレート2, 2’-(2, 2’-(1, 3-フェニレン)ビス(プロパン-2. 2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2, 1- ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2, 2’-(2, 2’-(1, 3-フェニレン)ビス(プロパン-2. 2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2, 1- ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイルオキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルオキシ)エチルメタクリレート、2, 2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2, 2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(3-(2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)(メチル)カルバモイルキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)プロピルメタクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-(アクリロイロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)フェニルメタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-アクリロイロキシ)ブトキシ) カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)ブチルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ) カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(メタクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレートなどが挙げられる。
【0087】
本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤としては、工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤を、単独又は2種以上適宜組み合わせて使用される。以下具体的には、本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤のうち光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、水溶性アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α-ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α-アミノケトン系化合物などが挙げられる。また、それらの割合はラジカル重合性モノマーに対し、0.5wt%~5wt%が好ましい。0.5wt%より低い濃度では未重合のラジカル重合性モノマーが多くなるため機械的強度が低下する。また、5wt%より高い濃度では重合度が低下し、機械的強度が低下するためである。
【0088】
光重合開始剤として用いられるアシルフォスフィンオキサイド類を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ-(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0089】
光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩を具体的に例示すると、例えば、チオキサントン、2-クロルチオキサンセン-9-オン、2-ヒドロキシ-3-(9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1-メチル-9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1,3,4-トリメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライドなどが挙げられる。
【0090】
光重合開始剤として用いられるα-ジケトン類を具体的に例示すると、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナンスレンキノン、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。
【0091】
光重合開始剤として用いられるクマリン化合物を具体的に例示すると、例えば、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-チェノイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメトキシクマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイルクマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3,5-カルボニルビス(7-メトキシクマリン)、3-ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3,3’-カルボニルビスクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3-カルボキシクマリン、3-カルボキシ-7-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-6-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-8-メトキシクマリン、3-アセチルベンゾ[f]クマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-ニトロクマリン-3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノ)クマリン、7-メトキシ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-(4-ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3-(4-エトキシシンナモイル)-7-メトキシクマリン、3-(4-ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3-(4-ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3-[(3-ジメチルベンゾチアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3-[(1-メチルナフト[1,2-d]チアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3,3’-カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジブチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾイミダゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジオクチルアミノ)クマリン、3-アセチル-7-(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)、3,3’-カルボニル-7-ジエチルアミノクマリン-7’-ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10-[3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-オキソ-2-プロペニル]-2,3,6,7-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ
[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン、10-(2-ベンゾチアゾイル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン等の化合物などが挙げられる。
【0092】
クマリン化合物の中でも、特に、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)及び3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)が好適である。
【0093】
光重合開始剤として用いられるアントラキノン類を具体的に例示すると、例えば、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
【0094】
光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類を具体的に例示すると、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0095】
光重合開始剤として用いられるα-アミノケトン類を具体的に例示すると、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。
【0096】
光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類及びその塩、α-ジケトン類、及びクマリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
【0097】
本発明の医科歯科用硬化性組成物に含まれる重合開始剤のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
【0098】
化学重合開始剤として用いられるケトンパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。
【0099】
化学重合開始剤として用いられるハイドロパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
【0100】
化学重合開始剤として用いられるジアシルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0101】
化学重合開始剤として用いられるジアルキルパーオキサイドを具体的に例示すると、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシンなどが挙げられる。
【0102】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシケタールを具体的に例示すると、例えば、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)オクタン及び4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレリックアシッド-n-ブチルエステルなどが挙げられる。
【0103】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシエステルを具体的に例示すると、例えば、α-クミルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,2,4-トリメチルペンチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタラート、t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルヘキサノエート、t-チルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート及びt-ブチルパーオキシマレリックアシッドなどが挙げられる。
【0104】
化学重合開始剤として用いられるパーオキシジカーボネートを具体的に例示すると、例えば、ジ-3-メトキシパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート及びジアリルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
【0105】
有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルパーオキサイドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルパーオキサイドが特に好ましく用いられる。
【0106】
重合促進剤を具体的に例示すると、例えば、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物などが挙げられる。
【0107】
重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンを具体的に例示すると、例えば、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N-メチルジエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N-メチルエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N-メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N-エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN-メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
【0108】
芳香族アミンを具体的に例示すると、例えば、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-エチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-4-エチルアニリン、N,N-ジメチル-4-イソプロピルアニリン、N,N-ジメチル-4-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチル-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸-2-(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-ジメチルアミノ安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸-n-ブトキシエチルエステル及び4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0109】
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩を具体的に例示すると、例えば、p-トルエンスルフィン酸、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸カリウム、p-トルエンスルフィン酸リチウム、p-トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0110】
重合促進剤として用いられるボレート化合物は、1分子中に1個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p-クロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-フロロフェニル)ホウ素、トリアルキル(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、トリアルキル[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、トリアルキル(p-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ニトロフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、トリアルキル(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びトリアルキル(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0111】
また、1分子中に2個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、ジアルキルジフェニルホウ素、ジアルキルジ(p-クロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-フロロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、ジアルキルジ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、ジアルキルジ(p-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ニトロフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、ジアルキルジ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びジアルキルジ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基及びn-ドデシル基等からなる群から選択される少なくとも1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0112】
さらに、1分子中に3個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、モノアルキルトリフェニルホウ素、モノアルキルトリ(p-クロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-フロロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、モノアルキルトリ[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2-メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、モノアルキルトリ(p-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ニトロフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、モノアルキルトリ(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素及びモノアルキルトリ(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素(アルキル基はn-ブチル基、n-オクチル基又はn-ドデシル基等から選択される1種である)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0113】
さらに1分子中に4個のアリール基を有するボレート化合物を具体的に例示すると、例えば、テトラフェニルホウ素、テトラキス(p-クロロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-フロロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルホウ素、テトラキス[3,5-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロ-2--メトキシ-2-プロピル)フェニル]ホウ素、テトラキス(p-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ニトロフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルフェニル)ホウ素、テトラキス(p-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-ブチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(p-オクチルオキシフェニル)ホウ素、テトラキス(m-オクチルオキシフェニル)ホウ素、(p-フロロフェニル)トリフェニルホウ素、(3,5-ビストリフロロメチル)フェニルトリフェニルホウ素、(p-ニトロフェニル)トリフェニルホウ素、(m-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(p-ブチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素、(m-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素及び(p-オクチルオキシフェニル)トリフェニルホウ素のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩及びブチルキノリニウム塩などが挙げられる。
【0114】
これらアリールボレート化合物の中でも、保存安定性の観点から、1分子中に3個又は4個のアリール基を有するボレート化合物を用いることがより好ましい。また、これらアリールボレート化合物は1種又は2種以上を混合して用いることも可能である。
【0115】
重合促進剤として用いられるバビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、バルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジフェニルバルビツール酸、1,5-ジメチルバルビツール酸、5-ブチルバルビツール酸、5-エチルバルビツール酸、5-イソプロピルバルビツール酸、5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-エチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-n-ブチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジメチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロペンチルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-シクロヘキシルバルビツール酸、1,3-ジメチル-5-フェニルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-1-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、5-メチルバルビツール酸、5-プロピルバルビツール酸、1,5-ジエチルバルビツール酸、1-エチル-5-メチルバルビツール酸、1-エチル-5-イソブチルバルビツール酸、1,3-ジエチル-5-ブチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-メチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-オクチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-ヘキシルバルビツール酸、5-ブチル-1-シクロヘキシルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属類が好ましい)が挙げられ、これらバルビツール酸類の塩としては、例えば、5-ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5-トリメチルバルビツール酸ナトリウム及び1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0116】
特に好適なバルビツール酸誘導体を具体的に例示すると、例えば、5-ブチルバルビツール酸、1,3,5-トリメチルバルビツール酸、1-シクロヘキシル-5-エチルバルビツール酸、1-ベンジル-5-フェニルバルビツール酸、及びこれらバルビツール酸類のナトリウム塩などが挙げられる。
【0117】
重合促進剤として用いられるトリアジン化合物を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリブロモメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メチルチオフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2,4-ジクロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-ブロモフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-n-プロピル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(α,α,β-トリクロロエチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-スチリル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(o-メトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(p-ブトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)エテニル]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(1-ナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-エチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-[2-{N,N-ジアリルアミノ}エトキシ]-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンなどが挙げられる。
【0118】
上記で例示したトリアジン化合物の中で特に好ましいものは、重合活性の点で2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-s-トリアジンであり、また保存安定性の点で、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、及び2-(4-ビフェニリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンである。上記トリアジン化合物は1種又は2種以上を混合して用いても構わない。
【0119】
重合促進剤として用いられる銅化合物を具体的に例示すると、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅などが挙げられる。
【0120】
重合促進剤として用いられるスズ化合物を具体的に例示すると、例えば、ジ-n-ブチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジマレート、ジ-n-オクチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ-n-オクチル錫ジラウレート及びジ-n-ブチル錫ジラウレートである。
【0121】
重合促進剤として用いられるバナジウム化合物は、好ましくはIV価及び/又はV価のバナジウム化合物類である。IV価及び/又はV価のバナジウム化合物類を具体的に例示すると、例えば、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム(V)、メタバナジン酸アンモン(V)などが挙げられる。
【0122】
重合促進剤として用いられるハロゲン化合物を具体的に例示すると、例えば、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
【0123】
重合促進剤として用いられるアルデヒド類を具体的に例示すると、例えば、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体などが挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p-メチルオキシベンズアルデヒド、p-エチルオキシベンズアルデヒド、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性の観点から、p-n-オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
【0124】
重合促進剤として用いられるチオール化合物を具体的に例示すると、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸などが挙げられる。
【実施例0125】
本発明による末端混合型高分子界面活性剤の製造方法および、それらを含有する医科歯科用硬化性組成物の調製方法・物理的特性について詳しく説明するが、本発明はこれらの説明に何ら限定されるものではない。
【0126】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例1
【0127】
【化22】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるstyrene : 10.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、methyl 2-bromo-2-methylpropanoate(重合開始剤)181mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤1の粉末を得た。
【0128】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例2
【0129】
【化23】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl methacrylate : 10.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、methyl 2-bromo-2-methylpropanoate(重合開始剤)181mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤2の粉末を得た。
【0130】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例3
【0131】
【化24】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl acrylate : 8.61g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、methyl 2-bromo-2-methylpropanoate(重合開始剤)181mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤3の粉末を得た。
【0132】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例4
【0133】
【化25】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるethyl methacrylate : 11.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、methyl 2-bromo-2-methylpropanoate(重合開始剤)181mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤4の粉末を得た。
【0134】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例5
【0135】
【化26】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーである2-hydroxyethyl methacrylate : 13.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、methyl 2-bromo-2-methylpropanoate(重合開始剤)181mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末(末端混合型高分子界面活性剤前駆体5’)を得た。次に、合成した末端混合型高分子界面活性剤前駆体5’ : 10.4g、MeHQ : 23.0mg、Dibutyltin dilaurate : 1.0gを脱水脱気済アニソール中100mLに溶解し、70℃までオイルバスにて加温させた。その後、滴下ロートにて2-(Methacryloyloxy)ethyl Isocyanate : 12.6g (81.2mmol)を滴下した。なお、反応温度が80℃を超えない様に滴下速度を調整した。滴下終了後、更に70℃で6時間熟成を行った。反応終了後、アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mL/蒸留水10mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤5の粉末を得た。
【0136】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例6
【0137】
【化27】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表2合成例6に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるstyrene : 10.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、ethane-1,2-diyl bis(2-bromo-2-methylpropanoate)(重合開始剤)360mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で、重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤6の粉末を得た。
【0138】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例7
【0139】
【化28】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表2合成例7に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl methacrylate : 10.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、ethane-1,2-diyl bis(2-bromo-2-methylpropanoate)(重合開始剤)360mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤7の粉末を得た。
【0140】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例8
【0141】
【化29】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表2合成例8に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl acrylate : 8.61g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、ethane-1,2-diyl bis(2-bromo-2-methylpropanoate)(重合開始剤)360mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤8の粉末を得た。
【0142】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例9
【0143】
【化30】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表2合成例9に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるethyl methacrylate : 11.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、ethane-1,2-diyl bis(2-bromo-2-methylpropanoate)(重合開始剤)360mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤9の粉末を得た。
【0144】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例10
【0145】
【化31】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表1合成例1に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーである2-hydroxyethyl methacrylate : 13.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、ethane-1,2-diyl bis(2-bromo-2-methylpropanoate)(重合開始剤)360mg (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末(末端混合型高分子界面活性剤前駆体10’)を得た。次に、合成した末端混合型高分子界面活性剤前駆体10’ : 10.4g、MeHQ : 23.0mg、Dibutyltin dilaurate : 1.0gを脱水脱気済アニソール中100mLに溶解し、70℃までオイルバスにて加温させた。その後、滴下ロートにて2-(Methacryloyloxy)ethyl Isocyanate : 12.6g (81.2mmol)を滴下した。なお、反応温度が80℃を超えない様に滴下速度を調整した。滴下終了後、更に70℃で6時間熟成を行った。反応終了後、アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mL/蒸留水10mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤10の粉末を得た。
【0146】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例11
【0147】
【化32】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表3合成例11に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるstyrene : 10.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol) を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤11の粉末を得た。
【0148】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例12
【0149】
【化33】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表3合成例12に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl methacrylate : 10.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤12の粉末を得た。
【0150】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例13
【0151】
【化34】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表3合成例13に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるmethyl acrylate: 8.61g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤13の粉末を得た。
【0152】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例14
【0153】
【化35】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表3合成例14に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーであるethyl methacrylate: 11.4g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤14の粉末を得た。
【0154】
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例15
【0155】
【化36】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表3合成例15に記載する調合にて合成を行った。すなわち、ベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、Cu(I)Br 134mg : 0.932mmolを精秤し、脱水脱気済anisole : 30mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準), n-tributylamine(重合助触媒): 92.7mg (0.5mmol)、2,2'-bipyridine : 146mg(156mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて70℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、ラジカル重合性モノマーである2-hydroxyethyl methacrylate : 13.0g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate12.8g (100mmol)を添加し、再度加熱を続けブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末(末端混合型高分子界面活性剤前駆体15’)を得た。次に、合成した末端混合型高分子界面活性剤前駆体15’ : 10.4g、MeHQ : 23.0mg、Dibutyltin dilaurate : 1.0gを脱水脱気済アニソール中100mLに溶解し、70℃までオイルバスにて加温させた。その後、滴下ロートにて2-(Methacryloyloxy)ethyl Isocyanate : 12.6g (81.2mmol)を滴下した。なお、反応温度が80℃を超えない様に滴下速度を調整した。滴下終了後、更に70℃で6時間熟成を行った。反応終了後、アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mL/蒸留水10mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤15の粉末を得た。
【0156】
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例16
【0157】
【化37】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表4合成例16に記載する調合にて合成を行った。すなわちベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、CuBr2 7.40mg : 0.033mmolを精秤し、脱気済tetrahydrofuran : 24mL、destilled water : 6mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準)、2,2'-bipyridine : 51.5mg(0.33mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、L- ascorbic acid : 58.1mg (0.33mmol)を加え、十分に攪拌させた。攪拌後、ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate: 12.8g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるStyrene 10.4g (100mmol)を加えた。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温しブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤16の粉末を得た。
【0158】
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例17
【0159】
【化38】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表4合成例17に記載する調合にて合成を行った。すなわちベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、CuBr2 7.40mg : 0.033mmolを精秤し、脱気済tetrahydrofuran : 24mL、destilled water : 6mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準)、2,2'-bipyridine : 51.5mg(0.33mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、L- ascorbic acid : 58.1mg (0.33mmol)を加え、十分に攪拌させた。攪拌後、ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate: 12.8g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるmethyl methacrylate 10.0g (100mmol)を加えた。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温しブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤17の粉末を得た。
【0160】
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例18
【0161】
【化39】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表4合成例18に記載する調合にて合成を行った。すなわちベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、CuBr2 7.40mg : 0.033mmolを精秤し、脱気済tetrahydrofuran : 24mL、destilled water : 6mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準)、2,2'-bipyridine : 51.5mg(0.33mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、L- ascorbic acid : 58.1mg (0.33mmol)を加え、十分に攪拌させた。攪拌後、ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate: 12.8g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるmethyl acrylate 8.61g (100mmol)を加えた。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温しブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤18の粉末を得た。
【0162】
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例19
【0163】
【化40】


末端混合型高分子界面活性剤の合成は表4合成例19に記載する調合にて合成を行った。すなわちベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、CuBr2 7.40mg : 0.033mmolを精秤し、脱気済tetrahydrofuran : 24mL、destilled water : 6mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準)、2,2'-bipyridine : 51.5mg(0.33mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、L- ascorbic acid : 58.1mg (0.33mmol)を加え、十分に攪拌させた。攪拌後、ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate: 12.8g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーであるethyl methacrylate 11.4g (100mmol)を加えた。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温しブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末を得た。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤19の粉末を得た。
【0164】
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例20
【0165】
【化41】
末端混合型高分子界面活性剤の合成は表4合成例20に記載する調合にて合成を行った。すなわちベーキングを行った3方活栓付100mL容積シュレンク重合管に、CuBr2 7.40mg : 0.033mmolを精秤し、脱気済tetrahydrofuran : 24mL、destilled water : 6mL、nonane : 0.1mL(重合反応追跡用内部標準)、2,2'-bipyridine : 51.5mg(0.33mmol)の順にアルゴン気流下にて注射筒にて注入した。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温し触媒配位子を完全に溶解させた。その後、L- ascorbic acid : 58.1mg (0.33mmol)を加え、十分に攪拌させた。攪拌後、ラジカル重合性モノマーであるtert-butyl acrylate: 12.8g (100mmol)を加え、十分に攪拌し均一化した後に、dipentaerythritol hexakis(2-bromo-isobutyrate)(重合開始剤)1.15g (1.0 mmol )を添加し重合を開始させた。一定時間毎にサンプルをアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が80%になった時点でラジカル重合性モノマーである2-hydroxyethyl methacrylate 13.0g (100mmol)を加えた。そのシュレンク重合管をマグネティック攪拌下にて50℃に加温しブロックポリマーの重合を行った。この反応溶液も一定時間毎にアルゴン気流下にて抜き取り、ガスクロマトグラフにてモノマー転化率を測定した。モノマー転化率が90%になった時点で重合反応を終了させ、n-ヘキサンに添加し末端混合型高分子界面活性剤を沈殿させた。アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。その後、真空乾燥を行い極淡黄色の粉末(末端混合型高分子界面活性剤前駆体20’)を得た。次に、合成した末端混合型高分子界面活性剤前駆体20’ : 10.4g、MeHQ : 23.0mg、Dibutyltin dilaurate : 1.0gを脱水脱気済アニソール中100mLに溶解し、70℃までオイルバスにて加温させた。その後、滴下ロートにて2-(Methacryloyloxy)ethyl Isocyanate : 12.6g (81.2mmol)を滴下した。なお、反応温度が80℃を超えない様に滴下速度を調整した。滴下終了後、更に70℃で6時間熟成を行った。反応終了後、アセトン溶解およびn-ヘキサンへの添加・沈澱を繰り返し行い精製した。得られた粉末を電磁攪拌子を備えた300mL三角フラスコに全量加え、アセトン100mL/蒸留水10mLにて溶解し、1N trifluoroacetic acid 10mLをパスツールピペットにて少しずつ加え、tert-butyl acrylateを加水分解した。得られた加水分解させた末端混合型高分子界面活性剤をヴァスキングチューブに入れ透析にて中和させた。その後、凍結乾燥器にて24時間乾燥し、末端混合型高分子界面活性剤20の粉末を得た。
【0166】
機能性複合微粒子合成実施例1~20
ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例1~15およびARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例16~20にて精密合成した末端混合型高分子界面活性剤を懸濁安定剤として用い、過酸化ベンゾイル含有ポリメチルメタクリレート微粒子(機能性複合微粒子:BPOマイクロカプセル)を合成した。すなわち、バッフル板4枚付(幅1cm、高さ3cm) 500mL容積の反応フラスコに高分子界面活性剤1wt%水溶液100mLを仕込み、シリス製親水性マイクロ十字路流路(流路幅200µm)を用い、連続相溶液(同種の高分子界面活性剤1wt%含有水溶液)1.0mL/min、分散相溶液(ポリメチルメタクリレート-ポリエチルメタクリレートコポリマー:ハイパールD2528MELL 根上工業化学株式会社製20wt%/メチルメタアクリレート70wt%/過酸化ベンゾイル: BPO 10wt%)0.1mL/minで5時間送液し、エマルションを反応フラスコに導入した。導入終了後、オイルバスにて反応器内温を50℃に上げ、大気下にて液中乾燥を12時間行った。なお、エマルション導入時および液中乾燥中は6枚羽根ディスクタービン(ディスク直径3cm、羽根幅2cm、羽根高さ1cm)にて100rpmの回転速度で攪拌を継続させた。液中乾燥終了後は濾過・洗浄を行い、真空乾燥にて乾燥した。なお、機能性複合微粒子合成実施例1で使用した末端混合型高分子界面活性剤は末端混合型高分子界面活性剤合成例1で合成したものを使用し、以下同様に順次合成した末端混合型高分子界面活性剤を機能性複合微粒子合成実施例順に用いた。
【0167】
機能性複合微粒子合成実施例21~23
ARGET ATRPによる末端混合型高分子界面活性剤合成例20にて精密合成した末端混合型高分子界面活性剤を懸濁安定剤として用い、過酸化ベンゾイル含有ポリメチルメタクリレート微粒子(機能性複合微粒子:BPOマイクロカプセル)を合成した。すなわち、バッフル板4枚付(幅1cm、高さ3cm) 500mL容積の反応フラスコに高分子界面活性剤1wt%水溶液100mLを仕込み、シリス製親水性マイクロ十字路流路(流路幅200µm)を用い、連続相溶液(同種の高分子界面活性剤1wt%含有水溶液)1.0mL/min、分散相溶液(ポリメチルメタクリレート-ポリエチルメタクリレートコポリマー:ハイパールD2528MELL 根上工業化学株式会社製20wt%/メチルメタアクリレート70wt%/過酸化ベンゾイル: BPO 10wt%)0.1, 0.2 および0.3mL/minで5時間送液し、エマルションを反応フラスコに導入した。導入終了後、オイルバスにて反応器内温を50℃に上げ、大気下にて液中乾燥を12時間行った。なお、エマルション導入時および液中乾燥中は6枚羽根ディスクタービン(ディスク直径3cm、羽根幅2cm、羽根高さ1cm)にて100rpmの回転速度で攪拌を継続させた。液中乾燥終了後は濾過・洗浄を行い、真空乾燥にて乾燥した。
【0168】
機能性複合微粒子比較合成実施例1~3
ポリビニルアルコール(重合度500、 ケン化度85mol%)を懸濁安定剤として用い、過酸化ベンゾイル含有ポリメチルメタクリレート微粒子(機能性複合微粒子:BPOマイクロカプセル)を合成した。すなわち、バッフル板4枚付(幅1cm、高さ3cm) 500mL容積の反応フラスコに高分子界面活性剤1wt%水溶液100mLを仕込み、シリス製親水性マイクロ十字路流路(流路幅200µm)を用い、連続相溶液(同種の高分子界面活性剤1wt%含有水溶液)1.0mL/min、分散相溶液(ポリメチルメタクリレート-ポリエチルメタクリレートコポリマー:ハイパールD2528MELL 根上工業化学株式会社製20wt%/メチルメタアクリレート70wt%/過酸化ベンゾイル: BPO 10wt%)0.1, 0.2 および0.3mL/minで5時間送液し、エマルションを反応フラスコに導入した。導入終了後、オイルバスにて反応器内温を50℃に上げ、大気下にて液中乾燥を12時間行った。なお、エマルション導入時および液中乾燥中は6枚羽根ディスクタービン(ディスク直径3cm、羽根幅2cm、羽根高さ1cm)にて100rpmの回転速度で攪拌を継続させた。液中乾燥終了後は濾過・洗浄を行い、真空乾燥にて乾燥した。
【0169】
機能性複合微粒子合成結果
表5-1~5-5に機能性複合微粒子合成実施例1~23にて得られた機能性複合微粒子の統計量を記載する。表6に機能性複合微粒子比較合成実施例1~3にて得られた機能性複合微粒子の統計量を記載する。なお、これらの統計量は走査電子顕微鏡写真より500個の粒子径を測定し算出した。また、図7-1~7-5および図8にそれらの箱ひげ図を示す。なお、箱ひげ図内の「〇」は4分位範囲の1.5倍を超えた値を示す。これらの結果より明白な様に、本発明による末端混合型高分子界面活性剤を液中乾燥法の安定剤に用いた場合には、何れの末端混合型高分子界面活性剤も明らかにエマルション合一が阻止され、分散度の低い機能性複合微粒子が生成していることが分かった。対して、機能性複合微粒子比較合成実施例で用いた部分ケン化ポリビニルアルコールを用いた系では、粒子径の分散が非常に大きく、明らかに液中乾燥中に合一が生じている結果となった。この現象はホールドアップが増加するに従い顕著となった。対して、同様にホールドアップを増加させた機能性複合微粒子合成実施例21~23ではその様な現象は生じなかった。
【0170】
実施例1~23
機能性複合微粒子合成実施例1~23にて合成した機能性複合微粒(BPOマイクロカプセル)を用い歯科用即時重合レジンの調製を行った。すなわち、ハイパールD2528MELL 98.0wt%および機能性複合微粒(BPOマイクロカプセル)2.0wt%を十分に混合し、歯科用即時重合レジン粉材とした。また、メチルメタアクリレート88.0wt%、トリエチレングリコールジメタクジレート10.0wt%、ジメチルパラトルイジン2.0wt%を十分に混合し、歯科用即時重合レジン液材とした。これらの粉液を粉材2:液材1の質量割合で混合し、得られたペーストをISO4049で用いる金型に充填圧接し、混合3時間後に金型より取り出し、37℃にて24時間水中保存した。その後、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い曲げ強度を求めた。
【0171】
比較実施例1~3
機能性複合微粒子比較合成実施例1~3にて合成した機能性複合微粒(BPOマイクロカプセル)を用い歯科用即時重合レジンの調製を行った。すなわち、ハイパールD2528MELL 98.0wt%および機能性複合微粒(BPOマイクロカプセル)2.0wt%を十分に混合し、歯科用即時重合レジン粉材とした。また、メチルメタアクリレート88.0wt%、トリエチレングリコールジメタクジレート10.0wt%、ジメチルパラトルイジン2.0wt%を十分に混合し、歯科用即時重合レジン液材とした。これらの粉液を粉材2:液材1の質量割合で混合し、得られたペーストをISO4049で用いる金型に充填圧接し、混合3時間後に金型より取り出し、37℃にて24時間水中保存した。その後、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い曲げ強度を求めた。
【0172】
表7に実施例に基づいて作製された歯科用即時重合レジンの曲げ強度試験結果を示す。また、表8に比較実施例に基づいて作製された歯科用即時重合レジンの曲げ強度試験結果を示す。これらの結果より明らかなように、本発明の機能性複合微粒子合成実施例により合成・調製された機能性複合微粒を含有する歯科用即時重合レジンは機能性複合微粒子比較合成実施例で合成した微粒子を含有する歯科用即時重合レジンと比べて明らかに高い曲げ強度特性を有する。これは、微粒子合成時における粒径制御が適切に行われた結果と考えられた。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
【0176】
【表4】
【0177】
【表5-1】
【0178】
【表5-2】
【0179】
【表5-3】
【0180】
【表5-4】
【0181】
【表5-5】
【0182】
【表6】
【0183】
【表7】
【0184】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0185】
アクリル酸エステルポリマー、メタアクリル酸エステルポリマーおよびスチレンポリマーの液中乾燥による機能性複合微粒子合成においては、様々な因子が影響しあい、非常に複雑な系を形成している。その制御方法においては、いかに液滴の合一を阻止するかが重要な課題である。すなわち、運動エネルギー等による液滴合一を阻止するためのなんらかの立体的障害等が必須であった。しかしながら、従来の攪拌速度の操作、界面活性剤の添加手順・添加量および無機粉末添加等による制御方法では、頻繁に微粒子間の合一が発生し、工業的な製造安定性に欠けていた。また、無機粉末添加による合一制御は確かに効果的ではあるが、機能性複合微粒子合成後の後処理に大きな課題があった。本発明の高分子界面活性剤を懸濁安定材として使用することで、従来技術での煩雑な液中乾燥時操作は不要となり、非常に安定した複合微粒子合成が行えるようになった。したがって、本発明の高分子界面活性剤の機能性複合微粒子合成への応用と、その結果得られた機能性複合微粒子の医科歯科材料への応用の可能性は非常に高いと言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図7-5】
図8-1】