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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029063
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】サーバ
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
A01K29/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132170
(22)【出願日】2020-08-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年5月19日株式会社RABO公式ツイッターにて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和元年9月24日株式会社RABOの自社ウェブサイトを介して公開
(71)【出願人】
【識別番号】518247173
【氏名又は名称】株式会社RABO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊豫 愉芸子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ペット用デバイスの電力消費を適切に制御するサーバーの提供。
【解決手段】ペット用デバイスを制御するサーバであって、ペットの測定データを取得する測定データ取得部と、前記測定データに基づいて、前記ペットの行動情報を生成する行動情報生成部と、前記行動情報に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、を備えるサーバを提供することができる。ペット用デバイスの電力消費を適切に制御することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用デバイスを制御するサーバであって、
ペットの測定データを取得する測定データ取得部と、
前記測定データに基づいて、前記ペットの行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、を備えるサーバ。
【請求項2】
前記測定データは加速度データを含み、
前記行動情報生成部は、前記加速度データに基づいて行動情報を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記切替制御部は、睡眠を示す行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を省電力状態に切り替える、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記切替制御部は、さらに、睡眠以外の行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記切替制御部は、さらに、自動給餌器の給餌時間に基づいて、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、請求項3又は4に記載のサーバ。
【請求項6】
ペット用デバイスを制御するサーバであって、
ユーザの在宅状況を判定する判定部と、
前記判定結果に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、
を備える、サーバ。
【請求項7】
前記判定部が、前記ユーザが帰宅したと判定した場合に、
前記切替制御部は、前記電力状態を省電力状態に切り替える、請求項6に記載のサーバ。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペット用デバイスを制御するためのサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットの健康管理に対する意識が高まっている。
【0003】
特許文献1には、愛玩動物に装着したセンサから得られる情報に基づいて、愛玩動物に提供する餌に含まれる成分構成を決定し出力する管理サーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-5534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなペット向けのサービスを実施するうえでは、ペットに装着するウェアラブルデバイスや、トイレや給餌器などのIoTデバイスが必要であるところ、電池の持続時間が課題となる。
【0006】
そこで、本発明は、ペット用デバイスの電力消費を適切に制御するサーバを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ペット用デバイスを制御するサーバであって、ペットの加速度データを取得する測定データ取得部と、前記加速度データに基づいて、前記ペットの行動情報を生成する行動情報生成部と、前記行動情報に基づいて、前記ペット用デバイスの電力モードを切り替える切替制御部と、を備えるサーバが得られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ペット用デバイスの電力消費を適切に制御するサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態による宅内における動物のセンシングを説明する概念図である。
図3】本発明の実施の形態によるサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態によるサーバのソフトウェア構成例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態による測定データ取得部及び測定データ記憶部の構成例である。
図6】本発明の実施の形態による動物情報生成部及び動物情報記憶部の構成例である。
図7】本発明の実施の形態による行動種別の分析の流れについての説明図である。
図8】本発明の実施の形態による入力されたデータ分析について説明する図である。
図9】本発明の実施の形態の説明図である。
図10】本発明の実施の形態による摂食量の測定方法を説明する図である。
図11】本発明の実施の形態による排泄量の測定方法を説明する図である。
図12】本発明の実施の形態による体重の測定方法を説明する図である。
図13】本発明の実施の形態による摂食量の測定方法を説明する図である。
図14】本発明の実施の形態による個体識別方法を説明する図である。
図15】本発明の実施の形態による処理のフローを示した図である。
図16】本発明の実施の形態によるサーバのソフトウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
ペット用デバイスを制御するサーバであって、
ペットの測定データを取得する測定データ取得部と、
前記測定データに基づいて、前記ペットの行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、を備えるサーバ。
[項目2]
前記測定データは加速度データを含み、
前記行動情報生成部は、前記加速度データに基づいて行動情報を生成する、項目1に記載のサーバ。
[項目3]
前記切替制御部は、睡眠を示す行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を省電力状態に切り替える、項目1又は2に記載のサーバ。
[項目4]
前記切替制御部は、さらに、睡眠以外の行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、項目3に記載のサーバ。
[項目5]
前記切替制御部は、さらに、自動給餌器の給餌時間に基づいて、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、項目3又は4に記載のサーバ。
[項目6]
ペット用デバイスを制御するサーバであって、
ユーザの在宅状況を判定する判定部と、
前記判定結果に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、
を備える、サーバ。
[項目7]
前記判定部が、前記ユーザが帰宅したと判定した場合に、
前記切替制御部は、前記電力状態を省電力状態に切り替える、項目6に記載のサーバ。
【0011】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
<概要>
本発明の実施の形態によるシステムは、ペットに装着する加速度センサを内蔵するウェアラブルデバイスや、体重や排泄量、食事量などの各種重量をモニタリングする重量センサを有する重量計デバイス、ペットカメラ、自動給餌器などのペット用デバイスの電力制御に関する。図1に示すように、本発明のシステムは、サーバ1と、サーバ1に、インターネット等のネットワークを介して接続される、ペットセンサ5、重量センサ8、通信端末2、ユーザ端末3を含む。図1には、説明の便宜のために、各々1つのペットセンサ5、重量センサ8、通信端末2、及びユーザ端末3が図示されているが、各々複数の端末が、本システムのネットワークに接続可能である。また、重量センサを備えた重量計デバイス以外にも、自動給餌器やペットカメラなど他のペット用デバイスがネットワークに接続されてもよい。
【0013】
ペットに装着するペットセンサ5としては、例えば加速度センサ、温度センサ等がありえる。また、重量センサ8としては、ペットの体重を測定するもの、ペットの排泄物(便、尿)を測定するもの、ペットの摂食量(餌、水)を測定するものなどがあり、ベッドやトイレ、食器自体に備えられてもよいし、それらを載せる台に設置されてよい。
【0014】
各センサが取得したデータは、通信端末2を介してサーバ1に送信される。サーバ1では、得られたデータを分析することによってペットの状態をモニタリングし、健康状態の変化を検知したり、必要な情報をユーザに提供したりする。
【0015】
サーバ1は、サービスを、アプリケーションを介してユーザ端末3に対して提供することができる。ユーザ端末3は、アプリケーションをサーバ1または別のサーバからダウンロードし、このアプリケーションを実行し、ブラウザ等のウェブページの閲覧ソフトウェアを介してサーバ1にアクセスすることで、サーバ1と情報を送受信することでき、また、サービスを受けることが可能となる。
【0016】
通信端末2は、重量センサ8及び動物、例えばネコ6に装着されたペットセンサ5と近距離無線通信を行うことで、各データを取得することができる。より具体的には、まず、図2に示すように、ネコなどの動物6に対し、首輪状(またはペンダント状)のウェアラブルデバイスが取り付けられる。ウェアラブルデバイスには、加速度センサ及び/または温度センサが内蔵される。重量センサ8及びペットセンサ5は、データをBLUETOOTH(登録商標) LAW ENERGY(BLE)等の近距離無線通信を通じて、同じ宅内に設置される受信装置7に送信し、受信装置7は、ルータ等の通信端末2にデータを転送し、通信端末2は、データをネットワークを介してサーバ1に送信する。なお、重量センサ8及びペットセンサ5は、データをBLUETOOTH(登録商標) LAW ENERGY(BLE)等の近距離無線通信を通じて、ユーザ端末3に直接送信することとしてもよい。ここで、受信装置7は、一例として、Linux(登録商標)ベースのオペレーションシステムを搭載し、また、気温を測定する温度センサ等各種センサを搭載することができる。しかしながら、組み込みのチップセット等、OSを搭載しないものであってももちろんよい。
【0017】
ペットセンサ5は、例えば加速度センサである。加速度センサ5は、図2に示すように、互いに直交する3軸方向(x軸、y軸、z軸方向)の加速度を検出するセンサであり、ネコの首部に装着する首輪に内蔵される。図2に示すように、ネコの前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向と定義し、ネコの動きに応じて各方向の加速度信号が検出できるよう首輪をネコに取り付ける。センサの種類はこれに限らず、ジャイロセンサやモーションセンサ等、ネコの動きに関する情報を取得できるあらゆるセンシング装置を採用可能である。
【0018】
ウェアラブルデバイスや重量計デバイスなどのペット用デバイスは、サーバから受信する指示情報に基づいて、電力状態を制御する制御機構を備える。例えばウェアラブルデバイスであれば、サンプリングレートを複数の値(Hz)に変更可能とすることで電力状態を変更することができる。その他、電力の消費を抑えることができるように任意の機能を停止するなどによりスリープ状態を取ることができる。
【0019】
ユーザ端末3としては、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはスマートフォン、タブレット、携帯端末、その他情報端末等であってもよい。
【0020】
<ハードウェア構成>
本実施の形態によるサーバ1とユーザ端末3とは、以下のようなハードウェア構成を有する。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していても良い。
【0021】
サーバ1は、データベース(図示せず)と接続されシステムの一部を構成する。サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0022】
図3に示すように、サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0023】
制御部10は、サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0024】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0025】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベース(図示せず)がストレージ12に構築されていてもよい。
【0026】
送受信部13は、サーバ1をネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0027】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0028】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0029】
<第1の実施形態>
本実施の形態1においては、ペットの行動に基づいて電力状態を制御することができる。
【0030】
図4は、本発明のシステムにおけるサーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ1は、測定データ取得部21、動物情報生成部22、切替制御部23、測定データ記憶部31、動物情報記憶部32、ユーザ情報記憶部33を備えることができる。
【0031】
なお、測定データ取得部21、動物情報生成部22、切替制御部23は、サーバが備える制御部10がストレージ12に記憶されているプログラムをメモリ11に読み出して実行することにより実現され、測定データ記憶部31、動物情報記憶部32、ユーザ情報記憶部33は、メモリ11およびストレージ12の少なくともいずれかにより提供される記憶領域の一部として実現される。
【0032】
測定データ取得部21は、各種測定データ取得手段から動物の状態に関するデータを取得する。測定データ取得部21は、図5に示すように、行動測定データ取得部211、重量データ取得部212、環境データ取得部213を含んでよい。動物の状態に関するデータとは、動物の行動、活動、体調、周囲環境のデータを含む。ここでいう測定データ取得手段とは、加速度センサ等のペットセンサ5や重量センサ8、カメラ等、データを取得するデバイスを含む。また、測定データ取得部21で取得した各種のデータは、測定データ記憶部31に格納される。測定データ記憶部31は、図5に示すように、行動測定データ記憶部311、重量データ記憶部312、環境データ記憶部313を含んでよく、それぞれ対応する測定データ取得部21から取得したデータが格納される。測定データ取得部21及び測定データ記憶部31は、これらのデータ以外に、動物の体温データや画像データ等、他のデータを取得する取得部及び記憶部を備えてもよい。
【0033】
行動測定データ取得部211は、ペットセンサ5によって検出され、通信端末2を介して送信された行動測定データを、サーバ1の送受信部13を介して受信する。受信された行動測定データは、行動測定データ記憶部311に格納される。または、図1において示す、分析サーバ9に内蔵されるストレージに格納することもできる。行動測定データは、ペットセンサ5が加速度センサの場合は加速度データである。そのほか、画像データや赤外線データ等、ペットの行動を把握可能な他のデータであってもよい。
【0034】
ペットセンサ5は、例えば加速度センサである。加速度センサ5は、図2に示すように、互いに直交する3軸方向(x軸、y軸、z軸方向)の加速度を検出するセンサであり、ネコなどの動物の首部に装着する首輪に内蔵される。図2に示すように、動物の前後方向をX方向、左右方向をY方向、上下方向をZ方向と定義し、動物の動きに応じて各方向の加速度信号が検出できるよう首輪を動物に取り付ける。センサの種類はこれに限らず、ジャイロセンサやモーションセンサ等、動物の動きに関する情報を取得できるあらゆるセンシング装置を採用可能である。
【0035】
重量データ取得部212は、重量測定手段から重量データを取得する。重量測定手段は、重量センサ8を備え、食事量や排泄量、体重を測定できるデバイスであれば特に制限はない。用途に応じて、トイレ、食器、水入れ等のペット用アイテムをのせることができる形状(例えばボード型)を備えていることが好ましい。重量測定手段とサーバ1とは通信ネットワークにより接続される。重量データは、時系列に取得されることが好ましい。取得された重量データは、時間情報とともに重量データ記憶部312に格納される。重量データ記憶部312は、重量データ取得部212が取得した重量データを各重量測定手段ごとに記憶する。重量データは、時間データとともに記憶される時系列データであることが好ましい。
【0036】
環境データ取得部213は、動物が飼育されている環境データを取得する。例えば、室内外に設置した温度計や湿度計から気温データ、室温データ、湿度データ等を取得する。また、インターネット上から動物がいるエリアの気候に関するデータを入手してもよい。さらに、環境データ取得部213は、災害に関する情報を取得する。災害に関する情報とは、地震、火災、洪水、津波、落雷、竜巻などの発生情報である。災害に関する情報は、室内外に設置した各種センサから取得してもよいし、インターネット上で提供されている災害情報を取得してもよく、その方法は特に問わない。取得された環境データは、環境データ記憶部313に格納される。
【0037】
動物情報生成部22は、各種測定データを分析することによって、測定対象の動物の活動に関する動物情報を生成する。すなわち、生データである測定データから、意味のある情報(特定の測定対象の重量、特定の行動の回数、時間等)を生成したものが「動物情報」である。動物情報生成部22は、図6に示すように、行動情報生成部221、重量情報生成部222等を備えることができる。また、動物情報生成部22が生成した動物に関するデータは、動物情報記憶部32に格納される。動物情報記憶部32は、行動情報記憶部321、重量情報記憶部322を含んでよい。
【0038】
行動情報生成部221は、受信した行動測定データを基に、分析サーバ9と連携しながら(または、本行動情報生成部221における単独の処理によって)、動物の行動データを生成する。
【0039】
ここで、行動情報とは、行動情報記憶部321に格納される、運動データ、睡眠データ、食事データ、トイレデータ、位置データ等を含む。より具体的には、運動データとして、運動の有無、時間とともに1日においてどれくらいの活動をしているのかといった集計データ、睡眠データとして、睡眠の有無と時間とともに1日においてどれくらいの睡眠をしているのかといった集計データ、食事データとして、食事行動の有無と時間とともに食事を何回食べたか、いつ食べたかといった集計データ、摂水行動の有無と時間とともに水を何回飲んだか、いつ飲んだかといった集計データ、トイレデータとして、排便行動の有無と時間とともに排便を何回したか、いつしたかといった集計データ、また、排尿行動の有無と時間とともに排尿を何回したか、いつしたかといった集計データ、が挙げられる。また、位置データとして、どの方向に移動したか、どの位置にいたか、その他のデータとして毛づくろいの時間と回数等が挙げられる。要するに、特定のラベル付が可能な行動の時間、回数等の情報であればよい。また、図示しないが、計測時の動物の体温を計測してもよい。
【0040】
以下、測定データとして加速度データを用いる場合の行動情報の生成フローについて説明する。まず、行動情報生成部221は、行動測定データ取得部21において検出された測定データを確認する。続いて、行動情報生成部221は、測定データを基に行動種別を判定する。行動種別の判定方法は、いくつかの既知の行動分析方法によって実現し得るが、例えば、加速度センサ5から得られたxyz軸方向の加速度データ(Gx、Gy、Gz)を、ウェーブレット変換を用いて、振動をもった信号を時刻毎に周期と振幅に分解し、各々の時刻における信号の周期性を行動スペクトルとして認識し、スペクトルの類似性に従って、事前に登録した行動要素と比較することで行動を分類することができる。
【0041】
事前に登録した行動要素の情報が無い場合は、新しい行動要素として認識し、後述の異常行動を示すデータとして、例えば、獣医師に提供することができる。または、例えば、加速度センサ5から得られた加速度データをフーリエ変換し、時間軸に沿って算出される周波数成分の平均値やピーク値を、同じまたは別の動物の行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の周波数と比較することで行動を特定したり、加速度成分を高速フーリエ変換(FFT)することにより算出された周波数成分を基に、特徴的な波形やスペクトル値を抽出し、同じまたは別の動物の行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の特徴的波形またはスペクトル値と比較することで、行動を特定することができる。また、加速度センサ5で算出される、各軸方向の姿勢(θx、θy、θz)から動物の姿勢を把握することで、行動種別を推測することもできる。
【0042】
行動種別が判定されると、行動情報生成部221は、行動種別を示すデータを行動情報として、測定データを測定した日時(または受信した日時、行動情報を生成した日時)とともに生成する。
【0043】
ここで、行動種別の分析の流れについて、図7を参照して更に説明を行う。加速度センサ5から取得した加速度データ101に対して、上述したウェーブレット変換により得られたスペクトルデータ又はフーリエ変換等により得られた成分データにすべくデータの前処理102を行う。このように前処理されたデータは、続いて、二値モデル群によるスコアリング103がされる。本実施の形態による二値モデルは、WALKモデル、RUNモデル、EATモデル、STAYモデルなどと言った具体的に表現(解釈)可能な活動のモデルと比較分析し、前処理データ102のうち特定の部分がどの行動と推測できるかをスコアリングする。例えば、図8に示されるように、入力されたデータを各モデルで分析することにより確からしさをスコアリングする。図示されている例においては、「歩く」が91、「走る」が62、「食べる」が21、「止まる」が8であり、最も高いスコアは「歩く」の91であるため、二値モデル群によるスコアリング結果としては「歩く」という行動に分類される。
【0044】
続いて、図7に戻り、多値モデル群によるスコアリング104が行われる。本実施の形態による多値モデル群によるスコアリングは、二値モデルにより得られた結果が拮抗していた場合などに、どちらの二値モデル群による結果を優先させるべきかを機械学習に基づいて判定する。例えば、図8による例では、「歩く」が91、「走る」が62という結果化がでており、「走る」という評価のスコアも比較的高い。この場合、過去の二値モデル群への入力データと判定結果の組み合わせから今回のケースで優先すべきはいずれの二値モデルなのかどうかを判定する。このように、本実施の形態においては、各行動の判定に特化した二値モデル群の結果を多値モデル群によって更に評価を行うことにより、データの正確性を向上させている。
【0045】
図7に戻り、判定された行動をルールベースに基づきさらに補正をおこなう。例えば、猫の行動上一定時間継続することが多いような「食べる」や「寝る」などの判定区間中に、突発的に「走る」などの通常起こりにくい行動を二値モデルが判定した場合、もしくは判定不能な場合に、この区間の二値モデルの予測結果を棄却し、ルールによって他の行動と推定する補正を行う。補正が完了すると、当該行動に予め登録されていた行動ラベルの付与106がなされる。なお、上記では、二値モデルによるスコアリング103の後に多値モデルによるスコアリング104を行うことを説明したが、多値モデルによるスコアリング104の後にサブモデル(二値モデル)によるスコアリングを実施するようにしてもよい。
【0046】
本実施の形態においては、特に、各動物の個体差や環境による個別的要因に対応するため、ユーザからのフィードバック107を受けることとしている。具体的には、図9に示されるように、自己の管理している動物を観察等しながら、現在の行動を(手動により)記録する。当該記録と加速度センサのデータを関連付けることにより、目視等による教師データを収集することができる。このようにして得られたフィードバックデータ108は、蓄積され、二値モデル群のモデルの精度を上げるために利用される。
【0047】
以上のように生成された行動情報は、行動情報記憶部321に格納される。行動情報は、時間データとともに記憶される時系列データであることが好ましい。なお、測定データとして、加速度データ以外の画像データ等を用いる場合も、適宜知られた方法によりペットの行動を分析し、行動情報を生成する。
【0048】
重量情報生成部222は、重量データ取得部212が取得した重量データを分析して、各種測定対象(体重、食事量、摂水量、排便量、排尿量等)を算出する。重量情報生成部222は、重量算出部を備える。重量算出部は、重量データ取得部212が取得した重量データを分析して、目的の測定対象の重量情報を出力する。重量取得手段が、複数の測定モードを設定できる場合は、重量算出部は、設定された測定モードに沿って重量を算出する。測定モードとは、下記のように少なくとも測定対象を定めるものであり、ユーザが設定することもできるし、重量測定手段に載せられたアイテムを認識して自動で設定されてもよい。
以下に、各測定モードごとの重量の算出方法の一例を示す。
【0049】
<食事量・摂水量・体重測定モード>
図10は、食事量・摂水量・体重を測定する場合の例を示す。動物が食事又は水を飲むために重量測定手段の上にのった場合、時系列の重量データは例えば図10のような挙動を示す。動物が重量測定手段の上にのる前の時点での重量と、動物がのった時の重量との差ΔW1は、動物の体重とみることができる。また、動物が重量測定手段の上にのる前の時点での重量と、動物が食事・摂水を終わって降りた時点での重量との差ΔW2は、餌又は水の減少量、すなわち摂食量・摂水量であるとみることができる。動物が重量測定手段の上にのっている最中に、動物が動くことによって重量データにブレが生じる場合は、平均値や、一定時間以上動きがなくなった時の重量データを採用する等、適宜最適な値を採用することとして良い。
【0050】
<排泄量・体重測定モード>
図11は、排泄量・体重を測定する場合の例を示す。動物が排便又は排尿するために重量測定手段の上のトイレに入った場合、時系列の重量データは例えば図11のような挙動を示す。動物がトイレに入った時の重量と、動物がトイレから出たときの重量との差ΔW3は、動物の体重とみることができる。体重は、動物がトイレに入る前の時点での重量と、トイレに入った直後の重量との差を採用してもよい。また、動物がトイレに入る前の時点での重量と、動物がトイレから出た後の時点での重量との差ΔW4は、排泄量とみることができる。動物がトイレの中に入っている最中に、動物が動くことによって重量データにブレが生じる場合は、平均値や、一定時間以上動きがなくなった時の重量データを採用する等、適宜最適な値を採用することとして良い。
【0051】
<体重測定モード>
図12は、体重を測定する場合の例を示す。動物がベッドで睡眠をとったりくつろいだりするために重量測定手段の上のベッド等にのった場合、時系列の重量データは例えば図14のような挙動を示す。動物がベッドに入った時の重量と、動物がベッドから出たときの重量との差ΔW5は、動物の体重とみることができる。
【0052】
以上のように、重量算出部は、時系列の重量データの変化から、各種測定対象の重量を推定することができる。測定対象の種類とその算出方法は上述したものに限られず、任意に設定することができる。
【0053】
重量情報生成部222は、さらに重量情報評価部を備えてもよい。重量情報評価部は、重量算出部が算出した重量情報と行動データを突き合わせて、重量情報の確からしさを評価する。重量情報評価部は、測定対象の重量情報が取得された時間(t1~t2)における行動データを行動情報記憶部321から参照し、その時のペットの行動が重量情報の測定対象と合致しているかを確認する。例えば、食事量測定モードで測定している場合に、重量データが変動したときは、前述したように重量データの変化量を「食事量」として判断するが、図13のようにその時間帯(t1~t2)における行動データが「食事」を示していれば、当該重量情報は食事量であることが確からしいと判断できる。一方で、その時間帯における行動データが「食事」ではない場合(例えば「遊んでいる」など)は、当該重量情報は食事量を示すものではない可能性があると判断する。このように、重量情報評価部は、重量情報と同時間帯における行動データが重量情報と合致している場合に、当該重量情報が確からしいと判断し、合致していない場合に当該重量情報を不確かなデータとしてタグ付けしたり、削除したりすることができる。
【0054】
重量情報生成部222は、さらに重量種別特定部を備えてもよい。重量種別特定部は、行動データによって、ごはんを食べているときと水を飲んでいるとき、または、排便をしているときと排尿をしているときを区別することができる場合は、重量算出部が算出した重量情報をさらに具体的に特定することができる。例えば、食事量・摂水量・体重測定モードで、重量測定手段の上に食器と水入れの両方を置いた場合、ΔW2は食事量と摂水量のいずれかもしくは両方の合計を示している。ここで、t1~t2における行動データが「食事」を示していれば、ΔW2は食事量であると判断することができる。同様に、排泄量・体重測定モードにおいて、ΔW4は排便量、排尿量のいずれかもしくは両方の合計を示しているが、当該重量データが取得された時間帯における行動データが「排便」であった場合、ΔW4は排便量であると判断することができる。このように、重量種別特定部は、同時間帯における行動データから、重量情報の測定対象をより具体的に特定することができる。
【0055】
重量情報生成部222は、さらに個体識別部を備えてもよい。個体識別部は、多頭飼いの場合に、重量算出部が算出した重量情報が、どの個体によるものであるかを判断することができる。多頭飼いの場合、一つの重量測定手段の上にのった個体がどの個体であるかを識別することは通常困難である。個体識別部は、測定対象の重量データが取得された時間帯(t1~t2)における、各個体の行動データを参照し、重量情報が紐づけられるべき個体を特定する。図14に示す例においては、t1~t2における個体A、個体Bの行動データから、重量測定手段が取得した重量データは、食事をしていた個体Aのものであることを判断する。このように、個体識別部は、重量情報ごとに合致する行動データを示す個体を選択し、重量情報に個体情報を付与することができる。
【0056】
また、各個体のセンサから得られる加速度データ等の波形から個体を識別してもよい。同じ行動であっても、個体ごとに波形に固有の特徴が出ることが知られている。測定対象の重量データが取得された時間帯における行動波形データについて、あらかじめ登録した各個体の行動ごとの波形と照らし合わせて特徴を比較することによって、個体を識別することができる。
【0057】
個体の識別は、上記載方法の他に、各種の方法を採用してもよい。例えば、重量測定手段を撮影することのできる画像取得手段によって得られた画像を分析することによって行ってもよい。ビデオカメラなどの画像取得手段によって経時的に動画像を撮影し、重量測定手段の上にのっている個体を画像認識によって識別する。個体識別部は、測定対象の重量データが取得された時刻における画像データから、重量情報が紐づけられるべき個体を特定することができる。
【0058】
個体識別部は、ペットの首輪等から個体情報を含むデータをBLUETOOTH(登録商標) LAW ENERGY(BLE)等の電波強度の強弱によって、重量測定手段の近くにいる個体を識別してもよい。重量測定手段若しくはその近傍に、BELの受信手段を備えておき、より近くにいる個体を認識することができる。
【0059】
個体識別部は、体重によって個体を識別することとしてもよい。あらかじめ個体の体重を登録しておき、各測定モードで体重を算出した際に、当該登録体重を参照することによって、個体を識別することができる。
【0060】
以上のように個体識別部は複数の方法によって個体を識別することができるが、このうち一つ以上を採用することができ、複数の方法を組み合わせて個体識別を行ってもよい。
【0061】
重量情報生成部222が生成した重量情報は、重量情報記憶部322に格納される。例えば、測定日時ごとに測定対象と、測定対象の重量(例:食事量)が格納されてよい。この他に、多頭飼いの場合は個体名や個体IDの情報を含んでもよい。
【0062】
ユーザ情報記憶部33は、ユーザ(飼い主)の基本情報と、ユーザが飼育する動物の基本情報を管理する。ユーザの基本情報とは、性別、年齢、職業、住所等の情報が挙げられる。ユーザが飼育する動物の基本情報は、名前、種類(犬、猫など)、品種、年齢、性別、居住地、飼育環境(屋外、屋内)、遺伝子情報、多頭飼いの有無、健康情報等を含む。健康情報としては、通院歴、病歴等が挙げられる。ひとりのユーザについて複数の動物の情報を登録することができる。また、これらのユーザの基本情報及び動物の基本情報は、例えばユーザに付与されたユーザIDに紐づけて管理される。また、動物についてIDを付与することもできる。
【0063】
切替制御部23は、ペット用デバイスの電力状態を切り替える。一実施形態として、切替制御部23は、ペットの行動情報の変化に基づいて電力状態を切り替えることができる。例えば、行動情報と電力状態とをあらかじめ対応付けて設定しておくことで、所定の行動情報が検出された場合に、電力状態を切り替えるべきかを判定することができる。一例として、第1のカテゴリの行動情報として、歩く、遊ぶ、食事、排泄、毛づくろい、くつろいでいる、などの通常の行動を登録する。また、第2のカテゴリの行動情報として、睡眠、などのペット用デバイスの電力制御を省電力状態としても問題ない行動を登録する。さらに、第3のカテゴリの行動情報として、痙攣や嘔吐など、通常よりデータ取得の精度を上げる必要のある異常行動を登録する。そして、第1のカテゴリの行動情報が検出された場合に第1の電力状態、第2のカテゴリの行動情報が検出された場合に第2の電力状態、第3のカテゴリの行動情報が検出された場合に第3の電力状態とするように、各カテゴリに対応するペット用デバイスの電力状態を設定することができる。上記第1~3の行動のカテゴリ分けと、それに基づく電力状態の切り替え設定は、これらの例に限られず、4つ以上に設定してもよいし、2つ以下でもよい。また、各行動カテゴリに登録する行動も上記の例に限らず、サーバ管理者やユーザが適宜設定することができる。
【0064】
このような設定により、切替制御部23は、例えばペットの行動情報が、「毛づくろい」から「睡眠」に変わったときに、電力制御を第1の電力状態から第2の電力状態に切り替えるよう、ペット用デバイスを制御する。また、ペットが「睡眠」から目覚めて「歩く」を開始した場合には、電力制御を第2の電力状態から第3の電力状態に切り替えるよう、ペット用デバイスを制御する。
【0065】
ここで、ペット用デバイスの電力状態の切り替えとしては、電力消費量を変更することを含み、たとえばウェアラブルデバイスであればサンプリングレートを変更することを含む。加速度センサであれば、通常時のサンプリングレートよりも低いサンプリングレートとすることで、省電力状態とすることができる。上記のように第1~第3の状態におけるサンプリングレートをあらかじめ設定しておくことができる。例えば加速度センサのサンプリングレートを上記のように切り替える場合、第2の電力状態で2Hz、第1の電力状態で10Hz、第3の電力状態で32Hzなどと設定することができるが、具体的な数値は適宜選択することができる。電力制御の方法としてはこれに限らず、所定の機能をOFFにする、電源をスリープ状態にするなど、異なる電力消費状態に切り替えることができればよい。上記のように第1~第3の電力状態を設定する場合は、第3>第1>第2の順番で電力消費が大きくなるように、またサンプリングレートが高くなるように、設定することができる。
【0066】
切替制御部23は、好ましい態様として動物情報生成部22が加速度データを分析することにより生成した行動情報に応じて電力状態を切り替えることができる。例えば、動物情報生成部22が「睡眠」行動を検出した場合に、切替制御部23は、第1の電力状態を第2の電力状態に切り替える旨の指示をペット用デバイスに送信する。ペット用デバイスは、指示情報を受信すると、サンプリングレートを下げるなどの所定の省電力状態への切り替えを実行する。
【0067】
また、「睡眠」行動に基づいて第2の電力状態とする指示を行った後に、動物情報生成部22が第1又は第3のカテゴリの行動を検出した場合には、切替制御部23は、電力状態を第1の電力状態又は第3の電力状態へと切り替える旨の指示をペット用デバイスに送信する。ペット用デバイスは、指示情報を受信すると、サンプリングレートを上げるなどの所定の電力状態への切り替えを実行する。このように制御することによって、ペットが睡眠から覚めて歩く、走る、遊ぶなどの睡眠以外の行動を開始した場合に、速やかに電力状態を切り替えることができ、通常の行動データの取得に支障を及ぼすことがない。また、ペットの睡眠は不規則であり通常予測が困難であるが、行動分類に基づいて睡眠を検知することによって、正確にペットの状態を把握し、的確な電力制御が可能となる。
【0068】
切替制御部23は、加速度データに基づく行動情報以外の情報に基づいて電力状態の切り替えを行ってもよい。例えば、カメラでペットの状態を撮影した画像データを分析することによって、ペットの行動情報を取得してもよい。画像データを用いる場合も上記と同様に、各種行動に基づいて電力状態の切り替えを行ってもよい。すなわち、例えば画像データから睡眠中であると判定された場合に省電力状態(第2の電力状態)に切り替え、睡眠以外の行動が見られる場合に通常状態(第1の電力状態)とすることができる。画像データから行動を把握する分析手法は任意の方法を採用することができる。
【0069】
また、切替制御部23は、自動給餌器などの特定のデバイスの起動に合わせて、電力状態を切り替えるようにしてもよい。例えば自動給餌器は、餌が自動的に食器に供給されるが、ペットはたとえ寝ていても餌が食器に供給される音やにおいに気が付いて起きることが多い。この習性を利用して、自動給餌器においてあらかじめ設定された食事の供給時刻情報を取得し、当該時刻になった場合に電力状態を切り替えるようにすることができる。また、飼い主であるユーザが自動給餌器を遠隔で操作する場合には、当該遠隔操作した情報を取得して、電力状態を切り替えることができる。また、自動給餌器にカメラや所定のセンサ等を設置し、餌が供給されたことを検知して、電力状態を切り替えてもよい。睡眠などの第2のカテゴリの行動を検知して第2の電力状態に制御しているときにおいて、自動給餌器の動作に基づいて電力状態を第2の電力状態から第1の電力状態へ切り替えることによって、電力状態の切り替えをよりタイムラグなく行うことができる場合がある。
【0070】
図15は、本発明の実施の形態におけるサーバ1の動作フローである。
【0071】
測定データ取得部21は、加速度データを取得する(S301)。動物情報生成部22は、加速度データを分析することによって行動情報を生成する(S302)。切替制御部23は、あらかじめ設定した所定の行動変化があるかを判断する(S303)。すなわち、生成された行動情報が、あらかじめ設定した行動カテゴリのいずれに属するかを分類し、異なる行動カテゴリへの変化が検出された場合(S303=Yes)、電力状態を所定の状態に切り替える指示を生成し、ペット用デバイスに送信する(S304)。再びステップS301に戻り、行動変化の検出と電力状態の切り替えとを繰り返す。なお、ここでは測定データとして加速度データを用いる場合を記述したが、測定データとしては行動情報を生成可能なものであれば、画像データや赤外線データなど他のデータを採用してもよい。
【0072】
本実施の形態1によれば、ペットの行動に合わせてペット用デバイスの電力状態を切り替えることができる。例えばペットの睡眠中は、ウェアラブルデバイスのサンプリングレートを低くしたり、重量計デバイスなどのペット用デバイスを省電力状態とすることができるので、電池の持ちを良くすることができる。
【0073】
<第2の実施形態>
第2の実施形態においては、飼い主であるユーザの外出/帰宅に基づいて電力状態を制御する。
【0074】
図16は、本実施形態におけるサーバ1のソフトウェア構成例である。サーバ1は、さらに判定部24を備える点で上記第1の実施形態と異なるが、その余の点では同様である。
【0075】
第2の実施形態においては、判定部24がユーザの外出および帰宅を判定し、切替制御部23は判定結果に基づいて電力状態を切り替えるものである。例えば、ユーザの外出時はペットのウェアラブルデバイスの検出精度を向上させるために第1の電力状態とし、ユーザの在宅時には第2の電力状態として検出精度を低下させることなどが考えられる。電力状態の切り替えはこれに限られず、ユーザの在宅時に第1の電力状態とし、外出時に第2の電力状態としてもよい。ここでいう第1、第2の電力状態は、上記第1の実施形態と同様に、第1の電力状態よりも第2の電力状態の方が電力消費量が低くなるような状態であり、たとえばウェアラブルデバイスであれば、第1の電力状態よりも第2の電力状態の方が低いサンプリングレートとすることを含む。
【0076】
判定部24は、ユーザの外出/帰宅を判定する。例えば判定部24は、ユーザの通常の外出時間、帰宅時間を登録しておくことで、外出/帰宅を判定してもよい。すなわち、平日は通常朝8時に外出し、夜19時に帰宅する場合、平日朝8時になったら「外出」と判定し、平日夜19時になったら「帰宅」と判定することができる。外出時間、帰宅時間は一日のうちに複数回登録してもよいし、曜日ごとに変えてもよい。また、あらかじめいつもと違う時間に外出・帰宅することが分かっている場合は、ユーザがこれらの時間を都度入力してもよい。
【0077】
また、判定部24は、スケジュール管理の外部アプリケーションと連動することによってユーザの外出/帰宅を判定してもよい。スケジュール管理のアプリケーションとしては特に制限はないが、ユーザの用事について、時間、場所などの情報を登録することができるものであればよい。判定部は、スケジュール管理アプリから、ユーザのスケジュール情報を取得する。そして、スケジュール情報に含まれるイベントに基づいて、外出/帰宅を判定することができる。例えば、スケジュールに含まれる1日のうちで最初のイベントの開始時刻において、「外出」を判定し、最後のイベントの終了時刻において「帰宅」を判定してもよい。また、移動時間を加味し、イベントの開始時刻の所定時間前を「外出」とし、イベントの終了時刻の所定時間後を「帰宅」としてもよい。移動時間を、イベントの場所と自宅との距離に応じて算出してもよい。また、スケジュール管理アプリに登録されたイベントの場所や内容などの情報に基づいて、外出を要するイベントか否かを判断してもよい。すなわち、場所が「自宅」となっていれば、当該イベントによって外出しないと判断することができる。判定部24は、機械学習などの任意の方法により、過去のイベント情報と外出の有無、外出時間/帰宅時間等の関係を学習し、スケジュール情報から外出時間・帰宅時間を推測してもよい。
【0078】
また、判定部24は、カメラで取得した画像データに基づいてユーザの外出・帰宅を判定してもよい。例えば、家の中の所定の場所を撮影した画像データにユーザが検出されない時間が所定時間以上経過した場合に、ユーザが外出したと判定し、画像データにユーザが検出された場合にユーザが帰宅したと判定してもよい。画像データからユーザを検出する方法は任意の方法を用いることができる。
【0079】
また、判定部24は、玄関のスマートロックシステムと連動してユーザの外出/帰宅を判定してもよい。判定部24は、スマートロックシステムからロックに関する情報を取得する。例えば、ロックを施錠した情報を取得した場合に「外出」と判定し、ロックを解除して入室した情報を取得した場合に「帰宅」と判定することができる。
【0080】
判定部24は、上記で述べた手段のうち複数の方法を採用してユーザの外出/帰宅を判定してもよい。例えば、通常の外出/帰宅時間であるという条件と、スマートロックシステムから取得する情報を併せて判定することとしてもよい。判定部24は、これらの方法以外にも、ユーザの外出/帰宅を判定することのできる方法を採用することができる。ユーザが外出時及び帰宅時に、ユーザ端末3を介して入力を行ってもよい。判定部24は、判定結果を切替制御部23に伝える。切替制御部23は、判定結果をもとにペット用デバイスの制御情報を生成する。
【0081】
本実施形態2によれば、ユーザの外出/帰宅を判定してペット用デバイスの電力状態を制御することができる。例えば、ペットの行動を把握するためのウェアラブルデバイスは、ユーザの外出時に特にデータ取得精度を向上させることが考えられる。
【0082】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0083】
1 サーバ
2 通信端末
3 ユーザ端末
5 ペットセンサ
8 重量センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用デバイスを制御するサーバであって、
ペットの測定データを取得する測定データ取得部と、
前記測定データに基づいて、前記ペットの行動情報を生成する行動情報生成部と、
前記行動情報に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える切替制御部と、を備え、
前記切替制御部は、前記ペット用デバイスとは異なるデバイスの起動の情報に基づいて、前記電力状態を、省電力状態から切り替える、サーバ。
【請求項2】
前記測定データは加速度データを含み、
前記行動情報生成部は、前記加速度データに基づいて行動情報を生成する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記切替制御部は、睡眠を示す行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を省電力状態に切り替える、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記切替制御部は、さらに、睡眠以外の行動情報を検出した場合に、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記切替制御部は、さらに、自動給餌器の給餌時間に基づいて、
前記電力状態を前記省電力状態から切り替える、請求項3又は4に記載のサーバ。
【請求項6】
ーザの在宅状況を判定する判定部をさらに備え、
前記切替制御部は、前記判定結果に基づいて、前記ペット用デバイスの電力状態を切り替える、請求項1~5のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記判定部が、前記ユーザが帰宅したと判定した場合に、
前記切替制御部は、前記電力状態を省電力状態に切り替える、請求項6に記載のサーバ。