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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029191
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/20 20060101AFI20220209BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220209BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
A42B3/20
A41D13/005 108
A41D13/005 103
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132416
(22)【出願日】2020-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】505227571
【氏名又は名称】国安 春子
(71)【出願人】
【識別番号】598121237
【氏名又は名称】花木 秀明
(71)【出願人】
【識別番号】520292419
【氏名又は名称】釜谷 美則
(71)【出願人】
【識別番号】520292420
【氏名又は名称】矢部 博士
(71)【出願人】
【識別番号】512083182
【氏名又は名称】國安 綾子
(71)【出願人】
【識別番号】512083193
【氏名又は名称】國安 容子
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】國安 春子
【テーマコード(参考)】
3B011
3B107
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AC01
3B011AC21
3B107CA03
3B107DA07
3B107EA14
(57)【要約】
【課題】使用者の髪型を崩すことなく、また、使用者に肉体的負担を掛けることなく容易且つ気軽に装着及び取り外しすることができるフェイスシールドを提供すること。
【解決手段】使用者Mの顔面を前方から覆う透明フィルム製のシールド2と、該シールド2が起立するようにその下端部を支持するフレーム3を備えるフェイスシールド1は、フレーム3を使用者Mの首回りを囲んで両肩に載せることによって装着される。ここで、前記シールド2は、前記フレーム3に着脱可能に取り付けられている。また、前記フレーム3に磁気部材8を取り付けたり、保温剤11または保冷剤12を収容するための収容袋9Aが設けられた布9を取り付けても良い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の顔面を前方から覆う透明フィルム製のシールドと、該シールドが起立するようにその下端部を支持するフレームを備えるフェイスシールドであって、
前記フレームを使用者の首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記シールドは、前記フレームに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記フレームは、形状を保持する1本の棒状部材または可撓性を有する1枚の帯状部材をリング状に丸め、その端部同士を接合することによって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記棒状部材または前記帯状部材の端部同士を磁石または面ファスナーによって着脱可能に接合したことを特徴とする請求項3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記フレームの前端部に、下方に向かって折り曲げられた屈曲部を形成し、当該フレームの装着時に前記屈曲部の一部が使用者の胸元部に当接して該胸元部によって受けられるよう構成したことを特徴とする請求項1~4の何れに記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記フレームに磁気部材を取り付けたことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記フレームに、保温剤または保冷剤を収容するための収容袋が設けられた布を取り付けたことを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のフェイスシールド。
【請求項8】
前記収容袋が設けられた布は、前記フレームに面ファスナーによって着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載のフェイスシールド。
【請求項9】
前記フレームに、少なくとも保温性または紫外線遮蔽効果を有する装飾布を着脱可能に取り付けたことを特徴とする請求項1~8の何れかに記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の顔面を前方から覆うためのフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医療の分野においては、手術時の血液などの飛散から執刀医などの眼を保護するためフェイスシールド(フェイスガード)が使用されている(例えば、特許文献1)。このフェイスシールドは、両眼を前方から覆うフィルム状の透明なシールドを備えており、これはヘッドバンドなどの装着部によって使用者の頭部に装着される。
【0003】
また、最近のコロナウイルス感染症の拡大に伴い、人の口からの飛沫による感染を防ぐ目的で使用者の顔面全体を前方から覆うフルフェイスタイプのフェイスシールドが医療従事者や接客業に携わる人などを中心として使用されている。一般に普及しているフルフェイスタイプのフェイスシールドは、使用者の頭部に装着されるものであって、ヘッドバンドの先端部からフィルム状のシールドが垂れ下がっている。
【0004】
この種のフルフェイスタイプのフェイスシールドの他の例としては、例えば、特許文献2において提案されているようなものもある。このフェイスシールドは、使用者の鼻と両耳に架け渡して装着されるメガネフレームに似た固定具によってフィルム状のシールドを支持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-149295号公報
【特許文献2】特開2006-057202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1において提案されたフェイスシールドは、使用者の眼を保護するためのものであって、顔面全体を保護するものではなく、その使用目的が限定されている。
【0007】
また、現在普及しているフルフェイスタイプのフェイスシールドは、ヘッドベルトを用いて使用者の頭部に装着されるものであるため、使用者が特に女性である場合には、装着時や取り外し時に女性の髪型が崩れたり、化粧の一部が剥がれるなどの問題を有している。
【0008】
さらに、特許文献2において提案されたフェイスシールドにあっては、比較的大きくて重いシールドをメガネフレームと同様に使用者の鼻と両耳によって支えるため、使用者の肉体的負担が大きいという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、使用者の髪型を崩すことなく、また、使用者に肉体的負担を掛けることなく容易且つ気軽に装着及び取り外しすることができるフェイスシールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、使用者(M)の顔面を前方から覆う透明フィルム製のシールド(2)と、該シールド(2)が起立するようにその下端部を支持するフレーム(3)を備えるフェイスシールド(1)であって、前記フレーム(3)を使用者(M)の首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、フェイスシールドは、装着状態において使用者の両肩によって支えられるため、これを長時間装着していても使用者に大きな肉体的負担を掛けることがない。また、このフェイスシールドは、フレームを使用者の首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されるため、使用者の髪型を乱すことなく、容易且つ気軽に装着及び取り外しすることができる。
【0012】
上記フェイスシールド(1)において、前記シールド(2)は、前記フレーム(3)に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0013】
上記構成によれば、シールドが汚れて清掃が必要になった場合には、これをフレームから簡単に取り外して清掃することができ、清掃後のシールドをフレームに再び簡単に取り付けて再び使用することができる。或いは、シールドが損傷したような場合には、これをフレームから簡単に取り外して新しいものと交換することができる。
【0014】
また、前記フェイスシールド(1)において、前記フレーム(3)は、形状を保持する1本の棒状部材または可撓性を有する1枚の帯状部材をリング状に丸め、その端部同士を接合することによって構成されるものとしても良い。
【0015】
上記構成によれば、フレームが形状を保持する棒状部材で構成されている場合には、その端部を外側に押し開き、その開いた部分を使用者の首回りを通過させた後、該フレームの端部の押し開きを解除すれば、当該フレームの形状が元のリング状に復帰し、その端部同士を接合することによって、該フレームが使用者の両肩に載置されてフェイスシールドが簡単に装着される。そして、以上とは逆の操作を行うことによってフェイスシールドを簡単に取り外すことができる。
【0016】
これに対して、フレームが可撓性を有する1枚の帯状部材で構成されている場合には、該フレームを使用者の首回りに巻き付け、その端部同士を接合すれば、該フレームが使用者の両肩に載置されてフェイスシールドが簡単に装着される。そして、以上とは逆の操作を行うことによってフェイスシールドを簡単に取り外すことができる。
【0017】
そして、この場合、前記棒状部材または前記帯状部材の端部同士を磁石(4)または面ファスナー(10)によって着脱可能に接合するようにしても良い。
【0018】
上記構成によれば、フレームを構成する棒状部材または帯状部材の端部同士をワンタッチで簡単に接合して使用者はフェイスシールドを簡単に装着することができ、棒状部材または帯状部材の端部同士の接合を簡単に解除してフェイスシールドを簡単に取り外すことができる。
【0019】
また、前記フェイスシールド(1)において、前記フレーム(3)の前端部に、下方に向かって折り曲げられた屈曲部(3A)を形成し、当該フレーム(3)の装着時に前記屈曲部(3A)の一部(3A2)が使用者(M)の胸元部に当接して該胸元部によって受けられるよう構成しても良い。
【0020】
上記構成によれば、フェイスシールドの装着状態において、フレームの前端部に形成された屈曲部の一部が使用者の胸元部に当接して該胸元部によって受けられるため、シールドを顔の前側のより高い位置(目、鼻、口の正面の位置)で安定的に保持することが可能となる。したがって、フェイスシールドが使用者に一層確実に装着される。
【0021】
ここで、前記フレーム(3)に磁気部材(8)を取り付けても良い。
【0022】
上記構成によれば、使用者の首回りを囲むフレームに取り付けられた磁気部材から発せられる磁気の作用によって使用者の血行を促進し、使用者の肩こりや疲労の改善を図ることができる。
【0023】
また、前記フレーム(3)に、保温剤(11)または保冷剤(12)を収容するための収容袋(9A)が設けられた布(9)を取り付けても良い。
【0024】
上記構成によれば、冬場には収容袋に保温剤を収容することによって使用者の首回りを温め、夏場には収容袋に保冷剤を収容することによって使用者の首回りを冷やして清涼感を与えることができる。
【0025】
ここで、前記収容袋(9A)が設けられた布(9)は、前記フレーム(3)に面ファスナー(10)によって着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
【0026】
上記構成によれば、冬場または夏場以外の保温または冷却が不要な場合には、不要な収容袋が設けられた布をフレームから取り外してフレーム部分をすっきりさせることができる。
【0027】
そして、前記フレーム(3)に、少なくとも保温性または紫外線遮蔽効果を有する装飾布(13)を着脱可能に取り付けても良い。
【0028】
上記構成によれば、フレームに装飾布を取り付けることによって、当該フェイスシールドのファッション性を高めることができる。そして、この装飾布が保温性を有するものであれば、この装飾布が使用者の首回りを防寒する襟巻きとして機能し、紫外線遮蔽効果を有するものであれば、使用者の首回りを有害な紫外線から保護して日焼けなどを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、使用者の髪型を崩すことなく、また、使用者に肉体的負担を掛けることなく、フェイスシールドを容易且つ気軽に装着及び取り外しすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドの斜視図である。
図2図1のA部拡大平面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドの着脱構造の一例を示す図1のB部の分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドの装着状態を示す側面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドのフレームに布を取り付けた状態を示す斜視図である。
図6】(a)は図5のC部拡大詳細図、(b)は(a)に示す収容袋に保温剤または保冷剤を収容している状態を示す部分斜視図である。
図7】本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドのフレームに装飾布を取り付けた状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施の形態2に係るフェイスシールドの斜視図である。
図9】本発明の実施の形態2に係るフェイスシールドの装着状態を示す側面図である。
図10】本発明の実施の形態3に係るフェイスシールドの斜視図である。
図11】本発明の実施の形態3に係るフェイスシールドの装着状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0032】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係るフェイスシールドの斜視図、図2図1のA部拡大平面図、図3は同フェイスシールドの着脱構造の一例を示す図1のB部の分解斜視図、図4は同フェイスシールドの装着状態を示す側面図、図5は同フェイスシールドのフレームに布を取り付けた状態を示す斜視図、図6(a)は図5のC部拡大詳細図、図6(b)は図6(a)に示す収容袋に保温剤または保冷剤を収容している状態を示す部分斜視図、図7は同フェイスシールドのフレームに装飾布を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0033】
本実施の形態に係るフェイスシールド1は、人の口からの飛沫の飛散を防ぐためのものであって、図1及び図4に示すように、使用者Mの顔面全体を前方から覆う透明フィルム製のシールド2と、該シールド2が略垂直に起立するようにその下端部を支持するフレーム3を備えている。なお、以下の説明においては、図4に示すようにフェイスシールド1を装着した使用者Mの顔が向けられる方向(図4の左方)を「前方」、その逆方向(図4の右方)を「後方」とする。また、図1に矢印に示す方向をそれぞれ「上下」及び「左右」とする。
【0034】
上記シールド2は、図1に示すように、使用者Mの顔面に沿うように円弧曲面状(半円筒状)に丸められた状態で、略垂直に起立するようにその左右の下端がフレーム3の前端部の左右にそれぞれ取り付けられている。ここで、シールド2は、無色透明または有彩色透明の薄い(厚さ100~200μm程度)の可撓性を有するフィルムであって、その材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、トリアセチルセルロース(TAC)などが選定される。あるいは、軟質の塩化ビニル樹脂材などを用いることも好ましい。
【0035】
前記フレーム3は、形状を保持する1本の棒状部材(又は細長い薄板状の部材)を図1に示すようにリング状に丸め、その後端に位置する左右の端部同士を接合することによって構成されている。ここで、本実施の形態では、フレーム3を構成する棒状部材は、図6(a)に示すように、横断面矩形の樹脂チューブ3a内に複数(2本)の金属ワイヤー3bを埋設して構成されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、フレーム3の後部の左右の端部の一方の内面には、図2に示すように、磁石4が取り付けられており、他方の外面には磁性金属板5が取り付けられている。したがって、フレーム3の後端左右の端部同士は、磁性金属板5が磁石4に吸着されることによって図2に示すように互いに接合され、接合状態から該フレーム3の後端部に外力を加えて磁石4と磁性金属板5とを切り離せば、当該フレーム3の端部同士の接合が外れ、これらの端部を引き離してフレーム3の後端部を開くことができる。このように、フレーム3の端部同士は、磁石4と磁性金属板5によって着脱可能に接合されている。
【0037】
ところで、図1及び図4に示すように、フレーム3の前端部には、下方に向かって折り曲げられた屈曲部3Aが形成されており、この屈曲部3Aを構成する左右の傾斜した支柱部3A1の各上端部に前記シールド2の左右の各下端部がそれぞれ着脱可能に取り付けられて当該シールド2が略垂直に起立している。なお、屈曲部3Aは、下側に向かって突出するように折り曲げられた部分であればよく、例えば、図示するような正面視略U字状や横向きコ字状に形成された部分あってよい。ここで、シールド2のフレーム3に対する着脱構造の一例を図3に示す。
【0038】
図3に示す例においては、フレーム2の前端左右の支柱部3A1(図3には一方のみ図示)の外面には、係止ピン6が外側方に向かって突設されている。これに対して、シールド2の左右の下端部には、シールド2よりも厚さが厚くて剛性の高い矩形の面座部材7(図3には一方のみ図示)がそれぞれ貼着されており、この面座部材7には、切欠円状(鍵穴状)の係止孔7aが形成されている。
【0039】
上記構成において、シールド2側の面座部材7に形成された係止孔7aの切欠部をフレーム3側の係止ピン6に嵌め込んでシールド2を図3の矢印方向に押し込めば、係止孔7aが係止ピン6に嵌め込まれて係止されるため、シールド2がフレーム3にワンタッチで簡単に取り付けられる。また、フレーム3に取り付けられているシールド2を図3の反矢印方向に引っ張れば、係止孔7aと係止ピン6との係止が解除されるため、シールド2をフレーム3からワンタッチで簡単に取り外すことができる。なお、図示しないが、シールド2のフレーム3に対する取付角度を調整するための角度調整機構を設けても良い。
【0040】
ところで、本実施の形態に係るフェイスシールド1においては、図1に示すように、フレーム3の左右内面(装着状態において使用者Mの首回りに対向する部位)には、複数の磁気部材8が適当な間隔で取り付けられている。なお、これらの磁気部材8は、フレーム3に埋設されていても良い。
【0041】
而して、以上のように構成されたフェイスシールド1を使用者Mは以下の要領にしたがって装着することができる。
【0042】
すなわち、使用者Mは、フェイスシールド1のフレーム3の後端部において磁石4と磁性金属板5によって接合されている左右の端部を外側に押し開き、その開いた部分を当該使用者Mの首回りを通過させた後、該フレーム3の端部の押し開きを解除すれば、当該フレーム3の形状が元のリング状に復帰する。そして、この状態からフレーム3の端部同士を磁石4と磁性金属板5との吸着によって再び接合すれば、図4に示すように、該フレーム3が使用者Mの両肩に載置されて当該フェイスシールド1が簡単に装着される。このとき、フレーム3の前端部に形成された屈曲部3Aの下端水平部3A2(図1参照)が使用者Mの胸元部に当接して該胸元部によって受けられる。
【0043】
以上のようにフェイスシールド1が使用者Mに装着されると、図4に示すように、シールド2が使用者Mの顔面の前方に略垂直に起立した状態で顔面の全体を覆うため、他人の口からの飛沫の使用者Mへの飛散と使用者Mの口からの飛沫の他人への飛散の双方がシールド2によって防がれる。なお、以上とは逆の動作によって、使用者Mは、装着していたフェイスシールド1を容易に取り外すことができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態においては、フェイスシールド1は、図4に示すように、装着状態において使用者Mの両肩によって支えられるため、これを長時間装着していても使用者Mに大きな肉体的負担を掛けることがない。また、このフェイスシールド1は、フレーム3を使用者Mの首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されるため、使用者Mの髪型を乱すことなく、容易且つ気軽にこれを装着及び取り外しすることができる。
【0045】
そして、本実施の形態においては、図4に示すフェイスシールド1の装着状態において、フレーム3の前端部に形成された屈曲部3Aの下端水平部3A2が使用者Mの胸元部に当接して該胸元部によって受けられるため、フェイスシールド1が使用者Mに一層確実に装着される。
【0046】
また、本実施の形態に係るフェイスシールド1おいては、シールド2は、フレーム3に着脱可能に取り付けられているため、シールド2が汚れて清掃が必要になった場合には、これをフレーム3から簡単に取り外して清掃することができ、清掃後のシールド2をフレーム3に再び簡単に取り付けて使用することができる。或いは、シールド2が損傷したような場合には、これをフレーム3から簡単に取り外して新しいものと交換することができる。なお、シールド2をフレーム3に角度調整可能に取り付ける構成を採用すれば、フェイスシールド1の装着状態においてシールド2の取付角度が適正でない場合には、その取付角度を調整して当該シールド2を使用者Mの顔面の前方において略垂直に起立させることができ、該シールド2にその本来の機能を十分発揮させることができる。
【0047】
さらに、本実施の形態に係るフェイスシールド1においては、装着状態において使用者Mの首回りを囲むフレーム2の左右に複数の磁気部材8を取り付けたため、これらの磁器部材8から発せられる磁気の作用によって使用者Mの血行を促進し、使用者Mの肩こりや疲労の改善を図ることができるという効果も得られる。
【0048】
ところで、図5に示すように、フェイスシールド1のフレーム3の周囲に帯状の布9を複数の面ファスナー10によって着脱可能に取り付けても良い。この布9の左右両側(布9のフレーム2への取付状態において左右両側)には、図6(a)に示すように(図6には片側のみ図示)、上面が開口する複数(図示例では、各2つ)の収容袋9Aがそれぞれ設けられており、該布9の上端縁には、各収容袋9Aの開口部を上方から覆うカバー9Bが長手方向全長に亘って設けられている。
【0049】
而して、布9に設けられた各収容袋9Aには、図6(b)に示すように、保温剤11または保冷剤12が上方から差し込まれて収容される。具体的には、布9に設けたれたカバー9Bを図6(b)に示すように、上方へと折り返して各収容袋9Aの開口部をそれぞれ開放し、気温が低い冬場であれば収容袋9Aに保温剤11を収容し、気温が高い夏場であれば収容袋9Aに保冷剤12を収容する。そして、これらの保温剤11または保冷剤12を収容した後にカバー9Bを元に戻して図6(a)に示すように各収容袋9Aの開口部を該カバー9Bによって塞げば、該収容袋9Aに収容された保温剤11または保冷剤12が収容袋9Aから外部に飛び出すことがない。
【0050】
したがって、上記構成を採用すれば、冬場には収容袋9Aに保温剤11を収容することによって使用者Mの首回りを温め、夏場には収容袋9Aに保冷剤12を収容することによって使用者Mの首回りを冷やして清涼感を与えることができる。そして、収容袋9Aが設けられた布9は、フレーム3に面ファスナー10によって着脱可能に取り付けられているため、冬場または夏場以外の保温または冷却が不要な場合には、不要な布9をフレーム3から取り外し、図1及び図4に示すように、フレーム3の部分をすっきりさせた状態でフェイスシールド1を使用することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、収容袋9Aを設けた布9をフレーム3に着脱可能に取り付けたが、収容袋9A単体をフレーム3に着脱可能に取り付けるようにしても良い。
【0052】
また、図7に示すように、フェイスシールド1のフレーム3の周囲に、丈の長いスカーフ状の装飾布13の上端縁を複数の面ファスナー14によって着脱可能に取り付けても良い。この装飾布13は、審美性の高い装飾などが施されたファッション性の高いものであって、保温性または紫外線遮蔽効果或いはその両方を有している。
【0053】
このような装飾布13をフェイスシールド1のフレーム3に着脱可能に取り付けることによって、当該フェイスシールド1のファッション性が高められる。そして、この装飾布13が保温性を有するものであれば、この装飾布13が使用者Mの首回りを防寒する襟巻きとして機能し、紫外線遮蔽効果を有するものであれば、使用者Mの首回りを有害な紫外線から保護して日焼けなどを防ぐことができる。なお、装飾布13は、面ファスナー14によってフレーム3に着脱可能に取り付けられているため、これが不要である場合には、該装飾布13をフレーム3から簡単に取り外してフェイスシールド1を図1及び図4に示す状態で使用することができる。なお、装飾布13の両端に紐をそれぞれ取り付け、これらの紐によって装飾布13を使用者Mの首に巻きつけるようにしても良い。
【0054】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図8及び図9に基づいて以下に説明する。
【0055】
図8は本発明の実施の形態2に係るフェイスシールドの斜視図、図9は同フェイスシールドの装着状態を示す側面図である。
【0056】
本実施の形態に係るフェイスシールド101も前記実施の形態1に係るフェイスシールド1と同様に、使用者Mの顔面全体を前方から覆う透明フィルム製のシールド102と、該シールド102が起立するようにその下端部を支持するフレーム103を備えている。
【0057】
ここで、フレーム103は、可撓性を有する樹脂プレートなどの1枚の帯状部材をリング状に丸め、その端部同士を面ファスナー110によって着脱可能に接合することによって構成されている。なお、図示は省略するが、面ファスナー110に代えて、当該端部同士を磁石で着脱可能に接合する構成であってもよい。
【0058】
また、シールド102は、その両側端縁と下端縁が可撓性を有する樹脂プレートなどの帯状の補強プレート115,116によってそれぞれ補強されており、これらの補強ブレー115,116の各下端部がフレーム103に取り付けられることによって、該シールド102がフレーム103に所定角度傾斜した状態(当該フェイスシールド101が図9に示すように使用者Mに装着された状態でシールド102が略垂直に起立する状態)で取付支持されている。なお、本実施の形態においては、フレーム103と補強プレート115,116は、布によって被覆されている。
【0059】
而して、本実施の形態に係るフェイスシールド101は、以下の要領にしたがって使用者Mに装着される。
【0060】
すなわち、フェイスシールド101のフレーム103の端部同士の面ファスナー110による接合を解除して該フレーム103の後端を開いた状態で、該フレーム103を使用者Mの首回りに巻き付け、その端部同士を面ファスナー110によって接合すれば、図9に示すように、該フレーム103が使用者Mの両肩に載置されてフェイスシールド101が簡単に装着される。そして、以上とは逆の操作を行うことによってフェイスシールド101を簡単に取り外すことができる。
【0061】
而して、図9に示すように、フェイスシールド101が使用者Mに装着された状態では、フレーム103に支持されたシールド102は、使用者Mの顔面との間に所定間隔をあけた状態で略垂直に起立して他人の口からの飛沫の使用者Mへの飛散と使用者Mの口からの飛沫の他人への飛散を防ぐ。
【0062】
以上のように、本実施の形態においても、フェイスシールド101は、図9に示すように、装着状態において使用者Mの両肩によって支えられるため、これを長時間装着していても使用者Mに大きな肉体的負担を掛けることがない。また、このフェイスシールド101は、フレーム103を使用者Mの首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されるため、使用者Mの髪型を乱すことなく、容易且つ気軽にこれを装着及び取り外しすることができる。
【0063】
そして、本実施の形態においても、図9に示すフェイスシールド101の装着状態において、フレーム103の前端部の一部が使用者の胸元部に当接して該胸元部によって受けられるため、フェイスシールド101が使用者に一層確実に装着される。
【0064】
なお、本実施の形態に係るフェイスシールド101においても、シールド102をフレーム103に対して着脱可能に取り付けても良い。また、前記実施の形態1に係るフェイスシールド1と同様に、フレーム103に磁気部材8(図1参照)を取り付けても良く、保温剤11や保冷剤12を収容する収容袋9A(図6参照)が設けられた布9をフレーム103に着脱可能に取り付けても良い(図5参照)。さらに、装飾布13(図7参照)をフレーム103に着脱可能に取り付けても良い。
【0065】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図10及び図11に基づいて以下に説明する。
【0066】
図10は本発明の実施の形態3に係るフェイスシールドの斜視図、図11は同フェイスシールドの装着状態を示す側面図である。
【0067】
本実施の形態に係るフェイスシールド201も前記実施の形態1に係るフェイスシールド1と同様に、使用者Mの顔面全体を前方から覆う透明フィルム製のシールド202と、該シールド202が起立するようにその下端部を支持するフレーム203を備えている。
【0068】
ここで、フレーム203は、図10に示すように、1本の棒状部材(又は細長い薄板状の部材)を前側が開放された略U字型又は略コ字型に形成した本体部203Aと、該本体部203Aの両端に連結されてシールド202を支持する一対の支持片203B,203Bとを備えて構成されている。支持片203B,203Bは、本体部203Aと同じ棒状部材(又は細長い薄板状の部材)であって、その一端(図の上端)は、留め具209でシールド202の下端に固定されている。また、支持片203B,203Bの他端(図の下端)は、ヒンジ機構を有する留め具208を支点として、本体部203Aの両端に対する回転方向の位置(図11の矢印Xに示す向きの位置)を調節可能に取り付けられている。これにより、本体部203Aに対する支持片203B,203B及びシールド202の角度(側方から見た互いの成す角度)を調節できるようになっている。したがって、本実施の形態に係るフェイスシールド201においても、シールド202がフレーム203に所定角度傾斜した状態(当該フェイスシールド201が図11に示すように使用者Mに装着された状態でシールド202が略垂直に起立する状態)で支持することができる。
【0069】
なお、フレーム203(本体部203A及び支持片203B)は、第2の形態のフェイスシールド101のように、可撓性を有する樹脂プレートなどの帯状部材であってもよい。また、ヒンジ機構を有する留め具208としては、例えば、手で締め付けたり緩めたりすることが可能な蝶ネジなどを備えた留め具を用いることができる。
【0070】
而して、本実施の形態に係るフェイスシールド201は、以下の要領にしたがって使用者Mに装着される。
【0071】
すなわち、フェイスシールド201のフレーム203を使用者Mの首回りに装着することで、図11に示すように、該フレーム203が使用者Mの両肩に載置されてフェイスシールド201が簡単に装着される。その際、シールド202が略垂直に起立して顔の正面に位置するように、留め具208で本体部203Aに対する支持片203B,203B及びシールド202の角度を調節する。
【0072】
而して、本実施の形態でも、図11に示すように、フェイスシールド201が使用者Mに装着された状態では、フレーム203に支持されたシールド202は、使用者Mの顔面との間に所定間隔をあけた状態で略垂直に起立して他人の口からの飛沫の使用者Mへの飛散と使用者Mの口からの飛沫の他人への飛散を防ぐ。
【0073】
以上のように、本実施の形態においても、フェイスシールド201は、図11に示すように、装着状態において使用者Mの両肩によって支えられるため、これを長時間装着していても使用者Mに大きな肉体的負担を掛けることがない。また、このフェイスシールド201は、フレーム203を使用者Mの首回りを囲んで両肩に載せることによって装着されるため、使用者Mの髪型を乱すことなく、容易且つ気軽にこれを装着及び取り外しすることができる。
【0074】
なお、本実施の形態に係るフェイスシールド201においても、前記実施の形態1に係るフェイスシールド1と同様に、フレーム203に磁気部材8(図1参照)を取り付けても良く、保温剤11や保冷剤12を収容する収容袋9A(図6参照)が設けられた布9をフレーム203に着脱可能に取り付けても良い(図5参照)。さらに、装飾布13(図7参照)をフレーム203に着脱可能に取り付けても良い。
【0075】
また、本実施の形態に係るフェイスシールド201では、詳細な図示は省略するが、フレーム203の本体部203Aと支持片203Bを別部材とせずこれらを一体に構成することも可能である。
【0076】
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1,101,201 フェイスシールド
2,102,202 シールド
3,103,203 フレーム
3A フレームの屈曲部
4 磁石
5 磁性金属板
6 係止ピン
7 面座部材
7a 係止孔
8 磁気部材
9 布
9A 収容袋
10,110 面ファスナー
11 保温剤
12 保冷剤
13 装飾布
14 面ファスナー
M 使用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11