(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029315
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】プロジェクター装置及びそれを用いた演出方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132599
(22)【出願日】2020-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】520292822
【氏名又は名称】メイリークリスタル有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】石田 新市
【テーマコード(参考)】
2K203
【Fターム(参考)】
2K203FA73
2K203FA82
2K203FB07
2K203KA03
2K203KA04
2K203KA05
2K203KA12
2K203KA19
2K203KA25
2K203KA28
2K203KA42
2K203KA62
2K203KA72
2K203KA83
2K203KA88
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】所定のイベントにおいて、過大な手間やコストを要することなく対象物に動画を投影可能としながら、大きな演出効果が得られるようにする。
【解決手段】動画投影手段としてのプロジェクター4Aとプロジェクター4Aをテーブルの上方で下向きに支持する支持アーム5とテーブル上に配置されて対象物を載せる載置板2Aとを備えて、対象物に上方から自動的に動画を投影するプロジェクター装置1Aであって、支持アーム5が載置板2Aの外縁側所定位置に基端側を固定されて立設されており、載置板2Aが電力を供給する電源手段とプロジェクター4Aの作動を制御する制御手段とコンテンツデータを入力するためのデータ入力部28とを備えており、データ入力部28に記憶媒体を接続又はデータを送信してコンテンツデータ入力することで、対象物に動画を投影しながら演出を行うことを特徴とするものとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画投影手段としてのプロジェクターと該プロジェクターをテーブルの上方で下向きに支持する支持アームと前記テーブル上に配置されて対象物を載せる載置板とを備えて、前記対象物に上方から自動的に動画を投影するプロジェクター装置において、前記支持アームは、前記載置板の外縁側所定位置に基端側を固定されて立設されており、前記載置板は、電力を供給する電源手段と前記プロジェクターの作動を制御する制御手段と投影するコンテンツを構成するコンテンツデータを入力するためのデータ入力部とを備えており、前記データ入力部に、記憶媒体を接続又はデータを送信して前記コンテンツデータ入力することで、前記対象物に前記動画を投影しながら演出を行う、ことを特徴とするプロジェクター装置。
【請求項2】
前記載置板はスピーカを備えており、動画データに加えて音声データを有した前記コンテンツデータを前記入力部から入力することで、動画の投影内容に連動しながら音声の発出を行う、ことを特徴とする請求項1に記載したプロジェクター装置。
【請求項3】
前記プロジェクターは、前記支持アーム先端側の水平軸回りに回動可能且つ所望の角度で固定可能な状態にて前記支持アームに支持されており、その投影方向が調整可能とされている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載したプロジェクター装置。
【請求項4】
前記載置板又は/及び前記支持アームには、周囲の人の存在又は/及び動きを感知するセンサが設けられており、人の存在又は/及び動きを感知することで、動画の投影又は/及び音声の発出に変化が生じるものとされている、ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載したプロジェクター装置。
【請求項5】
前記スピーカを備えている請求項2,3又は4に記載したプロジェクター装置を、前記テーブルの上に搭載するとともに前記載置板上に皿又はケーキ載せた皿を載置し、データ入力部に前記コンテンツデータを入力して、前記プロジェクターで前記皿又は前記ケーキの上面に動画を投影しながら前記スピーカで音声を発出する、ことを特徴とする演出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター装置及びそれを用いた演出方法に関し、殊に、結婚披露パーティ等のイベントで所定の対象物に動画を投影しながら演出を行う演出用のプロジェクター装置、及びそれを用いてイベントを盛り上げる演出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、結婚披露宴会場やレストラン等の施設において、プロジェクターで動画を投影しながら演出を行うサービスが普及している。例えば、特許第5919409号公報には、パーティ会場内にグラス等の多数の飲料容器をタワー状に積み上げながらその周りにスクリーンを配置し、これにプロジェクターで映像を投影するパーティ演出方法が提案されており、特開2018-101312号公報には、レストランに来店した客の目前のテーブル上に、飲食物の調理過程を表すアニメーション立体映像をプロジェクターで投影する演出方法が提案されている。
【0003】
このように、パーティ会場やレストラン等の施設において、客の目前でテーブルや壁等にアニメーション等の動画を投影するアトラクションを行うことで大きな演出効果が期待できる。しかし、このような演出を実施するには、その施設の壁や天井にプロジェクターを予め配設しておくとともに、それに電力や画像データを提供するための配線が必要になるため、その設置に多大な手間とコストを要してしまう。
【0004】
これに対し、特表2013-502606号公報には、テーブル上面に映像を投影する手段としてのプロジェクターをテーブルに付設してなるテーブル一体型コンピュータ制御プロジェクタユニットが提案されており、施設の天井や壁に予めプロジェクターを配設して配線を接続する手間とコストを不要としながら、客の目前でテーブル上に動画を投影する演出を実現可能としている。
【0005】
しかしながら、この技術の実施においては、施設内にプロジェクターを配設する手間とコストは不要になるものの、プロジェクター付スタンドを備えた専用テーブルと専用のコンピュータ制御システムの構築が必要になるため、ある程度の導入コストが必要になることに加え、既存の施設に導入するにはテーブルを交換する必要も生じる。また、テーブル中央にプロジェクターを隠すための傘のついたスタンドが立つ構成であることから、見栄えを悪くするという難点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5919409号公報
【特許文献2】特開2018-101312号公報
【特許文献3】特表2013-502606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、所定のイベントにおいて、過大な手間やコストを要することなく対象物に動画を投影可能としながら、大きな演出効果が得られるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、動画投影手段としてのプロジェクターとこのプロジェクターをテーブルの上方で下向きに支持する支持アームとテーブル上に配置されて対象物を載せる載置板とを備えて、対象物に上方から自動的に動画を投影するプロジェクター装置において、その支持アームは、載置板の外縁側所定位置に基端側を固定されて立設されており、その載置板は、電力を供給する電源手段とプロジェクターの作動を制御する制御手段と投影するコンテンツを構成するコンテンツデータを入力するためのデータ入力部とを備えており、そのデータ入力部に、記憶媒体を接続又はデータ送信してコンテンツデータ入力することで、対象物に動画を投影しながら演出を行う、ことを特徴とするものとした。
【0009】
テーブル上の対象物に動画を自動的に投影するには、プロジェクターを下向きに支持するための手段とプロジェクターに電力と動画データを適切な状態にして供給する制御手段等が必要になるが、これらをプロジェクターと一体にする場合は、ある程度のサイズと重量を備えたプロジェクター装置になるため、これを対象物の上方で支持するためには堅固な構造体が必要になるとともに、支持されるプロジェクター装置が当事者や観覧者に目立って演出のカラクリを認識させやすい状態になってしまう。そこで、上述したように、このようなプロジェクター装置のうち動画投影手段以外の要素を、対象物を載せる載置板側に設ける方式としたことで、対象物の上方で支持されるものがコンパクトに収まって認識されにくい状態になるため、意外性のある大きな演出効果が得られやすいものとなる。
【0010】
また、このプロジェクター装置において、その載置板はスピーカを備えたものとして、動画データに加えて音声データを有したコンテンツデータを前記データ入力部から入力することで、動画の投影内容に連動しながら音声の発出を行うことを特徴としたものとすれば、より大きな演出効果が得られるものとなる。
【0011】
さらに、上述したプロジェクター装置において、そのプロジェクターは、支持アーム先端側の水平軸回りに回動可能且つ所望の角度で固定可能な状態にて支持アームに支持されており、その投影方向が調整可能とされている、ことを特徴としたものとすれば、対象物の真上からずらした位置にプロジェクターを支持させながら、支持アームとプロジェクターが演出上邪魔になりにくい位置関係にして動画を投影することが可能なものとなる。
【0012】
さらにまた、上述したプロジェクター装置において、その載置板又は/及び支持アームには、周囲の人の存在又は/及び動きを感知するセンサが設けられており、人の存在又は/及び動きを感知することで、動画の投影又は/及び音声の発出に変化が生じるものとされている、ことを特徴としたものとすれば、一層演出効果に優れたものとなる。
【0013】
そして、上述したスピーカを備えているプロジェクター装置を、テーブルの上に搭載するとともにその載置板上に皿又はケーキ載せた皿を載置し、データ入力部に前記コンテンツデータを入力して、プロジェクターで皿又はケーキの上面に動画を投影しながらスピーカで音声を発出する、ことを特徴とする演出方法とすれば、所定のイベントにおいて比較的簡易な手段を用いながら手間を要することなく、大きな演出効果が得られるものとなる。
【発明の効果】
【0014】
載置板に載せた対象物の上方で動画投影手段を支持するとともにプロジェクター装置の動画投影手段以外の要素を載置板側に設ける方式とした本発明によると、様々なイベントにおいて過剰な手間やコストを要することなく対象物に動画を投影可能としながら、大きな演出効果が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明における第1の実施の形態のプロジェクター装置の斜視図である。
【
図3】
図1のプロジェクター装置の載置板の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図2のプロジェクター装置の使用状態を示す正面図である。
【
図5】本発明における第2の実施の形態のプロジェクター装置の斜視図である。
【
図6】(A)、(B)、(C)は
図5のプロジェクター装置の配置状態の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明における第1の実施の形態であるプロジェクター装置1Aを斜視図で示しており、
図2はその正面図である。このプロジェクター装置1Aは、結婚披露パーティ等のイベントにおいて、例えば新郎新婦によるケーキ入刀等のセレモニーでケーキの表面に動画を投影しながら音声を発出しながら演出を行う手段として好適なものである。
【0018】
斯かるプロジェクター装置1Aは、横長長方形のケーシングの下面側に下向きの投影孔が開口した動画投影手段である超小型のプロジェクター4Aと、このプロジェクター4Aをテーブルの上方で下向きの状態にて支持するアーチ状の支持アーム5と、その支持アーム5の基端側を固定・支持しながら上面に対象物を搭載する円盤状の載置板2Aとを備えており、テーブル上に配置した載置板2Aに載せてある対象物に対し、上方から自動的に動画を投影する機能を有している。
【0019】
その支持アーム5は、所定の厚さを有した載置板2Aの外縁側対角位置に基端側を固定された状態で垂直に立設された直管状の部材による一対の支柱50a,50bと、その支柱50a,50bの先端側開口部から各々挿設されて上端側が横向きに屈曲した管状部材による一対のアーム体51a,51bからなり、そのアーム体51a,51bの屈曲した水平部分の先端側が対向しながらその間にプロジェクター4Aを支持している。
【0020】
その円盤状の載置板2Aは、
図3の機能ブロック図に示すように、中空円盤状のケーシング20の内部に、電力を供給する電源手段としてのバッテリ25と、マイコンやアンプ等を備えてプロジェクター4Aの作動等の様々な制御を行う制御手段としてのコントロールユニット21と、プロジェクター4Aで投影するコンテンツを構成するコンテンツデータを入力するためのデータ入力部28とを備えており、プロジェクター4A以外のプロジェクター装置の要素が総て載置板2A側に配置されている点が、本発明における最大の特徴部分となっている。
【0021】
即ち、イベントにおける演出目的でテーブル上の対象物に動画を自動的に投影するには、プロジェクターを下向きに支持するための手段とプロジェクターに電力と動画データを適切な状態にして供給するための制御手段等が必要になるが、これらをプロジェクターと一体にした場合は、ある程度のサイズと重量を備えたプロジェクター装置になるため、これを対象物の上方で支持するためには堅固な構造体が必要になることに加え、支持されるプロジェクター装置が当事者や観覧者に目立つことで演出のカラクリを認識させやすい状態になってしまう、という問題があった。
【0022】
そこで、本発明において、前述したプロジェクター装置のうち動画投影手段であるプロジェクター以外の要素を、対象物を載せる載置板側に設ける方式を採用したことにより、対象物の上方で支持されるものが小さなプロジェクターだけになることから、プロジェクターを使って動画を投影していることが認識されにくい状態を確保できるため、当事者や観覧者にとって意外性のある大きな演出効果が得られるものとなる。
【0023】
載置板2Aに内蔵したデータ入力部28は、
図1に示したように、載置板2Aの周面側にSDカード用入力スロット及びAV接続端子等を露出させた状態で有しており、外部からコンテンツデータを容易に入力できるようになっている。そのため、コンテンツデータを記憶した記憶媒体であるSDカードをSDカード用スロットに挿入したりPC等から延出した接続ケーブルをAV接続端子に接続してデータ送信したりするだけで、容易にコンテンツデータを入力して載置板2Aに搭載した対象物に動画を投影しながら自動的に演出を行えるものとしている。
【0024】
また、載置板2Aには、ケーシング20の周面に開口した状態でスピーカ26a,26bを備えており、動画データに加えて音声データを有したコンテンツデータを入力することにより、動画の投影と連動させながら音声の発出を行える点も本実施の形態における重要な特徴部分となっており、これにより、対象物に動画を投影しながらその動画の内容に関連した音声を発出させるアトラクションを実施できるようになるため、より大きな演出効果が期待できるものとなる。
【0025】
さらに、この載置板2Aには、装置のON/OFF操作を行う電源スイッチ、映像の明るさを調整するツマミ、音量を調整するツマミ等の操作手段を配置した操作手段23がケーシング20の周面に露出した状態で設けられており、手動で各種操作が行えるようになっている。これに加えて、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信方式を用いた無線通信手段22も内蔵しており、スマートフォン等の携帯式無線通信手段を用いながら、装置の遠隔的な操作も行えるようになっている。
【0026】
尚、上述した無線通信手段22を介して、コンテンツデータを記憶したスマートフォンやPC等からコンテンツデータを無線的に入力することで、プロジェクター装置1Aにコンテンツの内容を実演させながら演出を行うことも可能であり、この場合は、無線通信手段22とデータ入力部28が一体となってデータ入力部を構成する。また、上述した操作手段23には、二次電池であるバッテリ25に電力を供給して充電するための充電用端子も配設されている。
【0027】
図4は、上述したプロジェクター装置1Aを用いた演出方法の一例を実施している状態を示している。この例では、結婚披露パーティにおいて新郎新婦によるケーキ入刀セレモニーにおいて、メインテーブルの上にプロジェクター装置1A搭載するとともに、その載置板2Aの上にケーキ80を載せた皿90を載置して演出を行う方式としており、そのケーキ80の上面は、動画を写しやすくするために無地のクリームの上にデコレーションを配置しない平坦な状態としている。
【0028】
そして、データ入力部28には演出用のコンテンツデータを記憶したSDカードが予め挿入・接続されており、演出担当者がスマートフォン等を操作しながら無線通信手段22を介して無線的にコントロールユニット21に指令を送ることで、プロジェクター4Aにケーキ80の上面に動画を投影させながら、スピーカ26a,26bで音声を発出させて、ケーキ入刀のセレモニーを盛り上げる演出を行う。
【0029】
このように、結婚披露パーティ等のイベントにおいて、本実施の形態のプロジェクター装置1Aのように比較的簡易な構成からなる手段を用いながら、優れた演出を容易に実行できるものであるが、対象物の上方で支持されているプロジェクター4Aは、支持アーム5の内部を挿通した図示しない電力供給配線・データ送信配線を介して載置板2A内のバッテリ25、コントロールユニット21、データ入力部28、スピーカ26a,26bに接続されていることで、極めてコンパクトなサイズに収まっていることから、当事者及び観覧者には対象物の上方からプロジェクターで投影しているようには見えず、意外性に富んだ大きな演出効果が得られることになる。
【0030】
尚、上述したプロジェクター4Aは、アーム体51a,51b先端側の水平軸回りに回動可能且つ所望の角度で固定可能な状態で支持されており、その投影方向が調整できる点も特徴としている。そのため、対象物の真上からずらした位置にプロジェクター4Aを支持させながら、支持アーム5とプロジェクター4Aが演出上邪魔にならない位置関係になるようにして、投影方向を斜め下向きの状態に投影位置を調整することも可能である。また、支持アーム5のアーム体51a,51bは、上下方向に伸縮可能な状態で支柱50a,50bに挿設されており、適度な高さに調整してから固定ネジ55a,55bで固定することができる。
【0031】
図5は、本発明における第2の実施の形態のプロジェクター装置1Bを示している。この例では、プロジェクター4Bを支持する支持アーム6が、アーチ式ではなく1本の支柱60とそれに挿設したアーム体61のみからなる片持ち式となっている点、及び、上述した第1の実施の形態で載置台2Aに内装されていたバッテリ、コントロールユニット、スピーカ36、データ入力部38等の部品類が載置台2Bには内蔵されておらず、載置台2Bに付設したケーシング30に内蔵されている点を特徴としている。
【0032】
その支持アーム6は、支柱60に挿設されたアーム体61が上下に伸縮可能でその先端側が水平に屈曲している点は、プロジェクター装置1Aと共通しているが、その先端側に支持されたプロジェクター4Bは、アーム体61の先端側が水平方向に伸縮可能且つ水平軸回りに回動可能で各々の位置・角度で固定可能とされているため、プロジェクター4Bの水平方向の位置と軸回り方向の角度が調整できるようになっている。また、プロジェクター4Bがアーム体61から釣支されていることで、その釣支している軸回り方向にも回動可能となっている。そのため、プロジェクター4Aによる投影位置・投影方向が様々な態様にて調整できるようになっている。
【0033】
さらに、各種部品を内装しながら支柱60の基端側を支持・固定しているケーシング30は、載置板2Bの端縁側に挿設されたスライド板31の上に載った状態で設けられており、このスライド板31は、載置板2Bの遠心方向に沿って所定範囲で摺動しながら伸縮と位置固定が可能とされているとともに、ケーシング30・支持アーム6・プロジェクター4Bを一体にして、載置板2Bから引き抜いて分離できるようになっている。そのため、載置板2Bに載せる対象物の大きさ・形状に合わせながら、プロジェクター4Bの投影位置を調整しやすいことに加え、載置板2Bからスライド板31を抜けば運搬・保管に便利な状態になる。
【0034】
図6は、プロジェクター装置1Bの使用状態の例を平面図で示している。上述したように、プロジェクター装置1Bは、プロジェクター4Bを片持ち式の支持アーム6の先端側で釣支しており、プロジェクター4Bが釣支されている軸回り(図では鉛直軸)方向に回動可能であるとともに、その回動した角度位置で固定可能とされている。
【0035】
そのため、実行するセレモニーやアトラクションの内容及び会場の状況に応じながら、ケーシング30や支持アーム6が邪魔にならない向きに位置調整する際に、
図6(A)、(B)、(C)に示すように、プロジェクター4Bで投影する動画の鉛直軸回りの向きを、正面に対し常に一定の向きになるようにプロジェクター4Bを回動させながら調整することもできる。
【0036】
尚、本実施の形態のプロジェクター装置1B及び上述したプロジェクター装置1Aに共通して、支持アーム5,6で支持しているプロジェクター4A,4Bの水平軸回りの角度調整について、その回動と停止を行うためのステップモータ等の駆動手段を支持アーム5,6に内蔵させるとともに、無線通信手段を介したスマートフォン等の操作で遠隔的に実行できるようにしても良い。これにより、例えば載置板2A,2Bの上に載せた対象物に動画を投影した後で、プロジェクター4A,4Bを水平軸回りに回して横向きにしながら壁等に投影すれば、観覧者に見やすい位置で動画を投影することも可能になる。
【0037】
また、上述したプロジェクター装置1A,1Bに共通して、その載置板2A,2B又は/及び支持アーム5,6に、周囲の人の存在又は/及び動きを感知するセンサを設けて、人の存在又は/及び動きを感知することで動画の投影又は/及び音声の発出に変化が生じるようにしてもよく、これにより、当事者及び観覧者に驚きを与えながら一層優れた演出効果を発揮できるものとなる。
【0038】
以上、述べたように、各種イベントにおいて、本発明により、過剰な手間やコストを要することなく対象物に動画を投影可能としながら、大きな演出効果が得られるようになった。
【符号の説明】
【0039】
1A,1B プロジェクター装置、2A,2B 載置板、4A,4B プロジェクター、5,6 支持アーム、20,30 ケーシング、21 コントロールユニット、22 無線通信手段、23 操作手段、25 バッテリ、26a,26b,36 スピーカ、28,38 データ入力部