(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029333
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】判定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220209BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132627
(22)【出願日】2020-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 享
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与することができる判定システムを提供する。
【解決手段】判定システムにおいて、移動端末装置を貸与端末装置として貸与するサービスに使用される判定装置100は、ユーザ生体情報132と登録識別情報133とを取得する取得部111と、所有者生体情報と、所有者位置情報と、保有識別情報と、移動端末位置情報とを受信する受信部103とユーザ生体情報132と所有者生体情報とが一致する場合所有者がユーザであると判定するユーザ判定部112と、登録識別情報133と保有識別情報とが一致する場合移動端末装置が貸与端末装置であると判定する貸与端末判定部113はと移動端末装置が所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する位置判定部114と、所有者が移動端末装置を利用可能であると判定する利用判定部115と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末装置を貸与端末装置として貸与するサービスに使用される判定システムであって、
前記サービスのユーザの生体情報であるユーザ生体情報と、前記貸与端末装置を識別可能とする登録識別情報とが記憶されたメモリから前記ユーザ生体情報と前記登録識別情報とを取得する取得部と、
携帯端末装置から当該携帯端末装置の所有者の生体情報である所有者生体情報と、所有者位置情報とを受信し、前記移動端末装置から当該移動端末装置が保有する保有識別情報と、当該移動端末装置の移動端末位置情報とを受信する受信部と、
前記取得部により取得された前記ユーザ生体情報と、前記受信部により受信された前記所有者生体情報とが一致する場合、前記所有者が前記サービスを利用可能なユーザであると判定するユーザ判定部と、
前記取得部により取得された前記登録識別情報と、前記受信部により受信された前記保有識別情報とが一致する場合、当該保有識別情報を保有する前記移動端末装置が前記貸与端末装置であると判定する貸与端末判定部と、
前記受信部により受信された前記所有者位置情報と前記移動端末位置情報とに基づいて、当該移動端末位置情報を保有する前記移動端末装置が、前記所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する位置判定部と、
前記ユーザ判定部によって前記所有者が前記ユーザであると判定され、前記貸与端末判定部によって前記移動端末装置が前記貸与端末装置であると判定され、かつ前記位置判定部によって前記貸与端末装置が前記所有者から所定距離範囲内にあると判定された場合、前記ユーザと判定された前記所有者が、前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置を利用可能であると判定する利用判定部と、
を備える判定システム。
【請求項2】
前記ユーザ判定部によって、前記所有者が、前記サービスを利用可能なユーザであると判定された場合、前記移動端末装置に対して前記保有識別情報と前記移動端末位置情報とを要求する送信部を備える、
請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記移動端末装置は、車両であり、
前記送信部は、前記利用判定部が、前記ユーザと判定された前記所有者によって前記貸与端末装置と判定された前記車両を利用可能と判定した場合、前記車両に前記所有者位置情報を送信する、
請求項2に記載の判定システム。
【請求項4】
前記受信部は、前記移動端末装置から前記所有者が選択した前記車両の条件に関する条件情報を受信し、
前記メモリに記憶された複数の前記車両に関する車両情報のうち、前記受信部により受信された前記条件情報と合致する前記車両情報に対応する前記車両を選択する選択部を有し、
前記送信部は、前記選択部によって選択された前記車両に対し前記保有識別情報と前記移動端末位置情報とを要求する、
請求項3に記載の判定システム。
【請求項5】
前記送信部は、前記利用判定部によって、前記ユーザと判定された前記所有者が前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置を利用可能であると判定された場合、前記ユーザと判定された前記所有者に前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置から受信した前記保有識別情報を送信するとともに、前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置に前記ユーザと判定された前記所有者から受信した前記所有者生体情報を送信する、
請求項2から4のうちのいずれか一項に記載の判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンタカーやカーシェアリングなど、車両をユーザに貸与するサービスを管理する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、周辺の道路状況を認識し、認識結果に基づいて車両を自動的に制御することについての研究が進められており、レンタカーやカーシェアリングに用いられる車両を、自動的にユーザの位置まで走行させて、ユーザに貸与することが想定される。しかしながら、従来の技術では、車両等の貸与端末装置が貸与されるユーザが適切なユーザであるかを判定することができなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与することができる判定システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する判定システムは、移動端末装置を貸与端末装置として貸与するサービスに使用される判定システムであって、前記サービスのユーザの生体情報であるユーザ生体情報と、前記貸与端末装置を識別可能とする登録識別情報とが記憶されたメモリから前記ユーザ生体情報と前記登録識別情報とを取得する取得部と、携帯端末装置から当該携帯端末装置の所有者の生体情報である所有者生体情報と、所有者位置情報とを受信し、前記移動端末装置から当該移動端末装置が保有する保有識別情報と、当該移動端末装置の移動端末位置情報とを受信する受信部と、前記取得部により取得された前記ユーザ生体情報と、前記受信部により受信された前記所有者生体情報とが一致する場合、前記所有者が前記サービスを利用可能なユーザであると判定するユーザ判定部と、前記取得部により取得された前記登録識別情報と、前記受信部により受信された前記保有識別情報とが一致する場合、当該保有識別情報を保有する前記移動端末装置が前記貸与端末装置であると判定する貸与端末判定部と、前記受信部により受信された前記所有者位置情報と前記移動端末位置情報とに基づいて、当該移動端末位置情報を保有する前記移動端末装置が、前記所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する位置判定部と、前記ユーザ判定部によって前記所有者が前記ユーザであると判定され、前記貸与端末判定部によって前記移動端末装置が前記貸与端末装置であると判定され、かつ前記位置判定部によって前記貸与端末装置が前記所有者から所定距離範囲内にあると判定された場合、前記ユーザと判定された前記所有者が、前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置を利用可能であると判定する利用判定部と、を備えるものである。
【0007】
かかる構成によれば、ユーザ判定部は、ユーザ生体情報に基づいて、レンタルサービスの契約を要求したユーザがレンタルサービスを利用可能なユーザであるか否かを判定する。また、貸与端末判定部は、登録識別情報に基づいて、ユーザに貸与される貸与端末装置がレンタルサービスに利用可能な貸与端末装置であるか否かを判定する。また、位置判定部は、移動端末装置が、所有者から所定距離範囲内にあるか否かを判定する。また、利用判定部は、ユーザ判定部によって携帯端末装置の所有者がレンタルサービスのユーザであると判定され、貸与端末判定部によって移動端末装置が貸与端末装置であると判定され、かつ位置判定部によって貸与端末装置が所有者から所定距離範囲内にあると判定された場合、レンタルサービスのユーザと判定された携帯端末装置の所有者が、貸与端末装置と判定された移動端末装置を利用可能であると判定する。これにより、上記目的を達成する判定システムは、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与することができる。
【0008】
判定システムについて、前記ユーザ判定部によって、前記所有者が、前記サービスを利用可能なユーザであると判定された場合、前記移動端末装置に対して前記保有識別情報と前記移動端末位置情報とを要求する送信部を備える、ものであってもよい。
【0009】
かかる構成によれば、判定システムは、送信部の要求に応じた移動端末装置から、保有識別情報と移動端末位置情報とを受信する。これにより、上記目的を達成する判定システムは、レンタルサービスを利用可能なユーザからレンタルサービスの契約の要求があった場合にのみ、移動端末装置から情報を取得する。したがって、判定システムは、移動端末装置から常時、又は所定の時間間隔毎に情報を取得する場合と比して、移動端末装置との間の通信頻度を少なくして、処理負荷を低減することができる。
【0010】
判定システムについて、前記移動端末装置は、車両であり、前記送信部は、前記利用判定部が、前記ユーザと判定された前記所有者によって前記貸与端末装置と判定された前記車両を利用可能と判定した場合、前記車両に前記所有者位置情報を送信する、ものであってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、送信部は、ユーザと判定された携帯端末装置の所有者位置情報を車両に送信する。これにより、上記目的を達成する判定システムは、ユーザが車両を利用する際に、車両がユーザの位置まで移動するようにでき、レンタルサービスを利用するユーザに車両が利用しやすくすることができる。
【0012】
判定システムについて、前記受信部は、前記移動端末装置から前記所有者が選択した前記車両の条件に関する条件情報を受信し、前記メモリに記憶された複数の前記車両に関する車両情報のうち、前記受信部により受信された前記条件情報と合致する前記車両情報に対応する前記車両を選択する選択部を有し、前記送信部は、前記選択部によって選択された前記車両に対し前記保有識別情報と前記移動端末位置情報とを要求するものであってもよい。
【0013】
かかる構成によれば、選択部は、ユーザへの貸与に適した車両を選択し、送信部は、選択した車両に保有識別情報と移動端末位置情報とを要求する。これにより、上記目的を達成する判定システムは、ユーザが所望する車両をユーザに貸与しつつ、ユーザが車両を利用する際に、レンタルサービスを利用可能なユーザであるか否かを車両に判定させるようにすることができる。
【0014】
判定システムについて、前記送信部は、前記利用判定部によって、前記ユーザと判定された前記所有者が前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置を利用可能であると判定された場合、前記ユーザと判定された前記所有者に前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置から受信した前記保有識別情報を送信するとともに、前記貸与端末装置と判定された前記移動端末装置に前記ユーザと判定された前記所有者から受信した前記所有者生体情報を送信するものであってもよい。
【0015】
かかる構成によれば、判定システムは、送信部の要求に応じた移動端末装置から、保有識別情報と移動端末位置情報とを受信する。これにより、上記目的を達成する判定システムは、ユーザが車両を利用する際に、レンタルサービスに利用可能な車両であるか否かを携帯端末装置に判定させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る判定システム1の構成の一例を示す図。
【
図2】第1実施形態に係る判定装置100の構成の一例を示す図。
【
図3】ユーザ生体情報132の内容の一例を示す図。
【
図6】第1実施形態に係る判定装置100の動作の一例を示すフローチャート。
【
図7】第2実施形態における判定システム1aの構成の一例を示す図。
【
図8】第2実施形態に係る判定装置100の動作の一例を示すフローチャート。
【
図9】第2実施形態に係る判定装置100の動作の一例を示すフローチャート。
【
図10】第3実施形態に係る判定システム2の構成の一例を示す図。
【
図11】第3実施形態に係る判定装置200の構成の一例を示す図。
【
図12】第3実施形態に係る判定装置200の動作の一例を示すフローチャート。
【
図13】変形例に係る判定装置100bの一例を示す図。
【
図14】変形例に係る貸与情報134bの内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、判定システムを具体化した第1実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
[全体構成]
判定システム1は、例えば、ユーザに貸与対象の貸与端末装置を貸与するサービスにおいて、ユーザがサービスを利用可能なユーザであるかを判定し、貸与端末装置がサービスに利用可能な装置であるかを判定して、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与するシステムである。ユーザに貸与対象の貸与端末装置を貸与するサービスは、例えば、レンタカーやカーシェアリング等のサービスである。以下、レンタカーやカーシェアリング等のサービスを、「レンタルサービス」と記載する。
【0020】
図1に示すように、判定システム1は、例えば、一以上の携帯端末装置10と、一以上の貸与端末装置20と、サービス提供装置30とを備える。サービス提供装置30は、判定装置100を備える。これらの装置のうち一部は、他の装置に仮想的な装置として包含されてもよく、例えば、判定装置100の機能の一部または全部が、サービス提供装置30の機能によって実現される仮想マシンであってもよい。以降の説明では、判定装置100がサービス提供装置30の機能によって実現される仮想マシンであるものとする。
【0021】
これらの装置は、ネットワークNWを介して接続される。各装置は、ネットワークNWを介して種々の情報を送受信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。なお、
図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0022】
携帯端末装置10は、レンタルサービスのユーザが用いる装置である。以降の説明において、レンタルサービスが利用可能な者を「レンタルサービスのユーザ」、又は単に「ユーザ」と記載する。また、携帯端末装置10を所有しているものの、レンタルサービスを利用可能ではない者、又は未だレンタルサービスを利用可能であると判定システム1に判定されていないユーザを「携帯端末装置10の所有者」、又は単に「所有者」と記載する。
【0023】
携帯端末装置10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、各種パーソナルコンピュータ等の、入力装置、表示装置、通信装置、記憶装置、および演算装置を備える端末装置である。通信装置は、NIC(Network Interface Card)等のネットワークカード、無線通信モジュール等を含む。携帯端末装置10では、ウェブブラウザやアプリケーションプログラム等のUA(User Agent)が起動し、所有者の入力する内容に応じたリクエストを、サービス提供装置30に送信する。また、UAが起動された携帯端末装置10は、サービス提供装置30から取得した情報に基づいて、表示装置に各種画像を表示させる。以下、携帯端末装置10が、スマートフォン等の携帯電話により実現されるものとする。
【0024】
また、携帯端末装置10は、検出器DT1を備える。検出器DT1は、例えば、携帯端末装置10の所有者の生体情報を検出する装置である。以下、所有者の生体情報を「所有者生体情報」と記載する。検出器DT1が検出する所有者生体情報とは、例えば、指紋、顔、虹彩、静脈、手のひら、声紋、耳介等を示す情報である。検出器DT1は、検出する生体情報に応じて、指紋センサー、カメラ、赤外線用カメラ、マイク等のうち、一部、又は全部により実現される。以下、検出器DT1が、指紋を検出する装置であるものとする。携帯端末装置10は、検出器DT1によって検出された携帯端末装置10の所有者の指紋を示す所有者生体情報を、ネットワークNWを介して判定装置100に送信する。
【0025】
また、携帯端末装置10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備える。携帯端末装置10は、所定の時間間隔毎、又は判定装置100からリクエストがあった場合に、GNSS受信機により特定された携帯端末装置10の位置を示す情報を、ネットワークNWを介して判定装置100に送信する。所定の時間間隔は、例えば、数[秒]~数十[秒]である。以下、携帯端末装置10の位置を示す情報を、「所有者位置情報」と記載する。
【0026】
貸与端末装置20は、例えば、車両Mに積載される装置である。貸与端末装置20は、例えば、テレマティクスに関する制御を行う電子制御ユニットを実現するパーソナルコンピュータ等の、通信装置、記憶装置、および演算装置を備える。通信装置は、NIC等のネットワークカード、無線通信モジュール等を含む。貸与端末装置20は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末等により実現されてもよい。
【0027】
なお、上述では、貸与端末装置20がテレマティクスに関する制御を行う電子制御ユニットを実現するパーソナルコンピュータ等であり、車両Mに積載される場合について説明したが、これに限られない。貸与端末装置20は、例えば、貸与端末装置20の機能を有した車両Mそのものであってもよい。以下、レンタルサービスにおいて、車両Mがユーザへの貸与対象の物品であり、車両Mは貸与端末装置20の機能を有するものとする。この場合、車両Mは、「移動端末装置」の一例であり、車両Mのうち、レンタルサービスにおいてユーザに貸与される車両Mは、「貸与端末装置」の一例である。
【0028】
また、以降の説明において、車両Mは、自動運転車両であるものとする。この場合、車両Mは、携帯端末装置10、サービス提供装置30、判定装置100等からネットワークNWを介して取得した位置情報や走行経路を示す情報に基づいて、自動的に、運転者の操作に依らずに、将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、車両Mの到達すべき軌道点を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離ごとの車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。所定の走行距離は、例えば、数[m]程度の距離であり、所定のサンプリング時間は、例えば0コンマ数[sec]程度の時間である。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
【0029】
車両Mは、制御装置によりその走行が制御される。車両Mの制御装置は、生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両Mが通過するように、運転操作子の操作量あるいは操作の有無を検出するセンサーの検出結果に基づいて、走行駆動力出力装置、ブレーキ装置、およびステアリング装置を制御する。運転操作子には、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティック等が含まれる。走力駆動出力装置は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する装置である。走行駆動力出力装置は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、車両Mの制御装置から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0030】
また、車両Mは、GNSS受信機を備える。車両Mは、所定の時間間隔毎に、車両Mの位置を示す情報と、車両Mが保有する車両Mを識別可能な情報とを、ネットワークNWを介して判定装置100に送信する。所定の時間間隔は、例えば、数[秒]~数十[秒]である。以下、車両Mの位置を示す情報を、「移動端末位置情報」と記載し、車両Mが保有する車両Mを識別可能な情報を、「貸与端末ID」と記載する。貸与端末IDは、「保有識別情報」の一例である。貸与端末IDは、例えば、車両Mの車両ナンバーや、車両Mのシリアルナンバー等である。以下、貸与端末IDが車両Mの車両ナンバーであるものとする。
【0031】
サービス提供装置30は、例えば、UAとして起動されたウェブブラウザからのリクエストに応じてウェブページを携帯端末装置10に提供するウェブサーバである。ウェブページは、例えば、インターネット上において車両Mの貸与に係る契約を行うレンタカーサイト、カーシェアリングサイト等を構成するウェブページである。
【0032】
なお、サービス提供装置30は、UAとして起動されたアプリケーションからのリクエストに応じてコンテンツを携帯端末装置10に提供することで、レンタカーサイトやカーシェアリングサイト等の各種ウェブページと同様のサービスを提供するアプリケーションサーバであってもよい。以下、サービス提供装置30が、アプリケーションサーバであるものとする。この場合、携帯端末装置10は、UAとしてレンタカーやカーシェアリングの利用に用いられるアプリケーションを実行し、種々の情報をサービス提供装置30との間で通信する。以下、レンタカーやカーシェアリングに用いられるアプリケーションを、「レンタルアプリ」と記載する。
【0033】
携帯端末装置10の所有者は、携帯端末装置10を用いてインターネット上においてレンタルサービスを利用する場合、レンタルアプリを実行する。携帯端末装置10の所有者は、レンタルサービスの利用に係る情報を入力し、レンタルサービスの契約を要求する処理を行う。携帯端末装置10は、レンタルサービスの契約を要求する処理に伴って、ユーザの利用予定を示す利用情報と、携帯端末装置10の所有者を識別可能な情報と、検出器DT1によって検出された所有者生体情報とをサービス提供装置30に送信する。以下、携帯端末装置10の所有者を識別可能な情報を、「ユーザID」と記載する。
【0034】
ユーザIDは、例えば、レンタルアプリの最初の使用時や、レンタルサービスの最初の契約時に行われるユーザ登録において決定される。レンタルサービスのユーザが用いる携帯端末装置10の記憶装置には、例えば、ユーザ登録によって決定されたユーザIDを示す情報が記憶される。
【0035】
利用情報には、例えば、貸与された車両Mの利用を開始する貸与開始日時を示す情報と、貸与された車両Mの利用を開始する開始予定位置を示す情報と、貸与された車両Mの利用を終了する貸与終了日時を示す情報と、貸与された車両Mの利用を終了する終了予定位置とが含まれる。貸与された車両Mの利用を開始する開始予定位置を示す情報は、所有者が指定した位置を示す情報であってもよく、所有者位置情報であってもよい。以下、貸与された車両Mの利用を開始する開始予定位置を示す情報が、所有者位置情報であるものとする。
【0036】
なお、利用情報に含まれる情報は、一例であって、これに限られない。利用情報には、少なくとも所有者位置情報が含まれていればよく、他の情報が含まれていなくてもよい。また、利用情報には、上述した情報以外の情報が含まれていてもよい。
【0037】
また、複数の所有者が同一の携帯端末装置10を共用する場合、レンタルサービスのユーザは、レンタルアプリにおいて自身のユーザIDを選択して、レンタルサービスの契約を要求する処理を行う。これにより、携帯端末装置10は、レンタルサービスを利用するユーザに対応したユーザIDをサービス提供装置30に送信することができる。
【0038】
上述したように、車両Mは、自動運転車両である。このため、車両Mは、レンタルサービスの開始予定位置まで自動運転によって走行し、ユーザを乗車させる。ここで、到着した車両Mは、無人、又は同乗する他のユーザが乗車しているのみであって、車両Mに乗車しようとするユーザが、当該車両Mを利用するユーザであるかを適切に判定することが困難である。また、ユーザも、自身の近傍に存在する車両Mが、レンタルサービスに用いられる車両Mであるかを判断することが困難である。
【0039】
本実施形態の判定装置100は、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を適切に貸与する仕組みを提供する。
【0040】
[判定装置100の構成]
図2に示すように、判定装置100は、例えば、通信部102と、制御部110と、記憶部130とを備える。
【0041】
通信部102は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。通信部102は、例えば、受信部103と、送信部104とを備える。受信部103は、ネットワークNWを介して、携帯端末装置10、又は車両Mによって送信された各種情報を受信する。送信部104は、ネットワークNWを介して、携帯端末装置10、又は車両Mに各種情報を送信する。
【0042】
制御部110は、例えば、取得部111と、ユーザ判定部112と、貸与端末判定部113と、位置判定部114と、利用判定部115とを備える。制御部110の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部130に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部110の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はGPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitry)により実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0043】
記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現されてもよく、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な非一過性の記憶媒体により実現されてもよく、ドライブ装置に装着される記憶媒体であってもよい。また、記憶部130の一部又は全部は、NASや外部のストレージサーバ等、判定装置100がアクセス可能な外部装置であってもよい。記憶部130には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムの他に、ユーザ生体情報132と、登録識別情報133と、貸与情報134とが記憶される。記憶部130は、「メモリ」の一例である。
【0044】
図3に示すように、ユーザ生体情報132は、例えば、レンタルサービスを利用可能なユーザのユーザIDと、当該ユーザの所有者生体情報との対応を示す情報である。ユーザ生体情報132には、例えば、ユーザIDと、所有者生体情報とが互いに対応付けられたレコードが一以上含まれる情報である。
【0045】
レンタルサービスのユーザは、例えば、レンタルサービスのユーザ登録時に、自身の所有者生体情報を提供する。具体的には、ユーザは、携帯端末装置10が備える検出器DT1によって所有者生体情報を検出して判定装置100に提供してもよい。また、ユーザは、レンタルサービスを提供するサービス提供者の店舗に設置された検出器により所有者生体情報を検出して判定装置100に提供してもよい。以下、ユーザが、レンタルサービスの最初の利用時に、検出器DT1によって所有者生体情報を検出して判定装置100に提供する場合について説明する。
【0046】
サービス提供装置30、又は判定装置100は、例えば、新たなユーザが登録される度に、ユーザからユーザIDと所有者生体情報とを取得して、ユーザ生体情報132のレコードを生成、又は更新する機能を有する。
【0047】
図4に示すように、登録識別情報133は、例えば、レンタルサービスに利用可能な車両Mを示す貸与端末IDが一以上含まれる情報である。車両Mの所有者は、例えば、自身が所有する車両Mをレンタルサービスに用いるための貸与端末装置登録時において、貸与端末IDを判定装置100に提供する。車両Mの所有者は、例えば、レンタルサービスを提供するサービス提供者の店舗において契約時に貸与端末IDを提供してもよい。また、車両Mの所有者は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末等を用いて、レンタルサービスの登録機能を提供するウェブサイトにおいて、車両Mを登録する際に、貸与端末IDを判定装置100に提供してもよい。
【0048】
図5に示すように、貸与情報134は、例えば、レンタルサービスに用いられる車両Mに係る情報である。
図5に示す貸与情報134は、例えば、車両Mの貸与予定を契約毎に示す一以上のレコードが、貸与端末ID毎に含まれる情報である。レコードには、例えば、車両Mを利用するユーザのユーザIDと、車両Mの貸与が開始される貸与開始日時と、貸与が開始される開始予定位置と、貸与が終了する貸与終了日時と、貸与が終了する終了予定位置とを示す情報がそれぞれ含まれる。
【0049】
サービス提供装置30、又は判定装置100は、例えば、携帯端末装置10を用いてユーザがレンタルサービスの契約の要求を行う度に携帯端末装置10から利用情報を取得して、車両Mの貸与予定を決定し、決定した車両Mに対応する貸与情報134のレコードを生成、又は更新する機能を有する。
【0050】
図2に戻り、制御部110が備える各機能部について説明する。取得部111は、記憶部130に記憶されたユーザ生体情報132と、登録識別情報133とを取得する(読み出す)。
【0051】
ユーザ判定部112は、取得部111により取得されたユーザ生体情報132と、受信部103により受信された所有者生体情報とに基づいて、携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する。ユーザ判定部112は、例えば、ユーザ生体情報132に含まれる所有者生体情報と、受信部103により受信された所有者生体情報とが一致する場合、所有者がレンタルサービスを利用可能なユーザであると判定する。
【0052】
貸与端末判定部113は、取得部111により取得された登録識別情報133と、受信部103により受信された貸与端末IDとに基づいて、車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両M(つまり、貸与端末装置)であるか否かを判定する。貸与端末判定部113は、例えば、登録識別情報133に含まれる貸与端末IDと、受信部103により受信された貸与端末IDとが一致する場合、当該貸与端末IDを保有する車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両Mであると判定する。
【0053】
位置判定部114は、受信部103により受信された所有者位置情報と、移動端末位置情報とに基づいて、車両Mが所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する。所定距離範囲内は、例えば、十数[cm]~数[m]の範囲内である。位置判定部114は、例えば、登録識別情報133と、貸与情報134とに基づいて、直近の貸与予定がない車両Mを特定し、特定した車両Mの移動端末位置情報と、所有者位置情報とに基づいて、車両Mが、所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する。これにより、位置判定部114は、他の所有者に利用される予定がない車両Mであり、かつ所有者から所定距離範囲内にある車両Mを判定することができる。
【0054】
利用判定部115は、ユーザ判定部112の判定結果と、貸与端末判定部113の判定結果と、位置判定部114の判定結果が所定の結果の場合、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定する。所定の結果とは、ユーザ判定部112が携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであると判定し、貸与端末判定部113によって車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両Mであると判定し、及び位置判定部114によって車両Mが所有者から所定距離範囲内にあると判定することである。
【0055】
また、利用判定部115は、例えば、所有者が車両Mを利用可能であると判定した場合、当該車両Mに対して各種指示を行う。利用判定部115は、例えば、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mに対して、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能なユーザの所有者位置情報を提供する。具体的には、送信部104は、利用判定部115の指示に応じて、ネットワークNWを介して車両Mに所有者位置情報を送信する。車両Mの制御装置は、ネットワークNWを介して判定装置100から受信した所有者位置情報の位置まで自動運転によって車両Mを走行させる。
【0056】
また、利用判定部115は、例えば、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mに、所有者位置情報の位置に到着後、レンタルサービスの開始を指示する。車両Mの制御装置は、例えば、利用判定部115によるレンタルサービスの開始の指示に応じてドアを開ける等の処理を行い、ユーザに車両Mへの乗車を促す。
【0057】
図6に示すフローチャートは、携帯端末装置10の所有者からレンタルサービスの利用要求がある度、実行される。また、判定装置100の送信部104は、
図6に示すフローチャートとは別途、車両Mに対して常時、又は所定の時間間隔毎に貸与端末IDと移動端末位置情報との送信を要求する。そして、判定装置100の受信部103は、送信部104の要求に応じた車両Mから、貸与端末IDと移動端末位置情報とを受信する。
【0058】
図6に示すように、まず、受信部103は、携帯端末装置10から利用情報(所有者位置情報)と、ユーザIDと、所有者生体情報とを受信する(ステップS100)。次に、取得部111は、記憶部130に記憶されたユーザ生体情報132と、登録識別情報133とを取得する(読み出す)(ステップS102)。
【0059】
次に、ユーザ判定部112は、取得部111により取得されたユーザ生体情報132と、受信部103により受信された所有者生体情報とに基づいて、携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する(ステップS104)。ユーザ判定部112は、ユーザ生体情報132に含まれる所有者生体情報と、受信された所有者生体情報とが一致しないと判定した場合、携帯端末装置10の所有者が、レンタルサービスのユーザではないものとみなし、処理を終了する。ユーザ判定部112は、ユーザ生体情報132に含まれる所有者生体情報と、受信部103により受信された所有者生体情報とが一致すると判定した場合、携帯端末装置10の所有者が、レンタルサービスのユーザであるものとみなし、処理をステップS106に進める。
【0060】
貸与端末判定部113は、取得部111により取得された登録識別情報133と、受信部103により受信された貸与端末IDとに基づいて、車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両Mであるか否かを判定する(ステップS106)。受信部103は、例えば、一以上の車両Mから貸与端末ID、及び移動端末位置情報を受信する。貸与端末判定部113は、受信された一以上の貸与端末IDのいずれも、登録識別情報133に含まれる貸与端末IDと一致しないと判定した場合、これらの貸与端末IDを保有する車両Mには、レンタルサービスに利用可能な車両Mが含まれないものとみなし、処理を終了する。貸与端末判定部113は、登録識別情報133に含まれる貸与端末IDと、受信された一以上の貸与端末IDが一致する場合、一致する貸与端末IDを保有する車両Mは、レンタルサービスに利用可能な車両Mであるものとみなし、処理をステップS108に進める。
【0061】
位置判定部114は、受信部103により受信された所有者位置情報と、移動端末位置情報とに基づいて、当該移動端末位置情報の位置に存在する車両Mが、所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する(ステップS108)。位置判定部114は、例えば、所有者位置情報が示す位置と、移動端末位置情報が示す位置とが、所定距離範囲内ではない場合、車両Mが所有者から所定距離範囲内にないものとみなし、処理を終了する。位置判定部114は、例えば、所有者位置情報が示す位置と、移動端末位置情報が示す位置とが、所定距離範囲内である場合、車両Mが所有者から所定距離範囲内にあるものとみなし、処理をステップS110に進める。
【0062】
利用判定部115は、各種条件をいずれも満たした場合、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定する(ステップS110)。各種条件には、ステップS104においてユーザ判定部112によって携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであると判定されることが含まれる。また、各種条件には、ステップS106において貸与端末判定部113によって車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両Mであると判定されることが含まれる。また、各種条件には、ステップS108において位置判定部114によって車両Mが所有者から所定距離範囲内にあると判定されることが含まれる。
【0063】
また、利用判定部115は、例えば、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定した場合、当該車両Mに対して各種指示を行う。利用判定部115は、例えば、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mに対して、レンタルサービスの開始予定位置(この場合、所有者位置情報)の位置までの移動を指示する。車両Mの制御装置は、利用判定部115の指示に応じて、所有者位置情報の位置まで自動運転によって車両Mを走行させる。
【0064】
また、利用判定部115は、例えば、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mに、所有者位置情報の位置に到着後、レンタルサービスの開始を指示する。車両Mの制御装置は、例えば、利用判定部115によるレンタルサービスの開始の指示に応じてドアを開ける等の処理を行い、ユーザに車両Mへの乗車を促す。
【0065】
なお、上述では、判定装置100の送信部104が、
図6に示すフローチャートとは別途、車両Mに対して常時、又は所定の時間間隔毎に貸与端末IDと移動端末位置情報との送信を要求する場合について説明したが、これに限られない。送信部104は、ユーザ判定部112により、所有者がレンタルサービスを利用可能なユーザであると判定された場合、車両Mに対して貸与端末IDと、移動端末位置情報との送信を要求するものであってもよい。この場合、車両Mは、例えば、判定装置100からリクエストがあった場合にのみ、貸与端末IDと、移動端末位置情報とを判定装置100に送信する。
【0066】
また、利用判定部115は、例えば、各種条件を満たした車両Mが複数存在する場合、貸与情報134に更に基づいて、ユーザに貸与する一つの車両Mを決定してもよい。利用判定部115、例えば、携帯端末装置10から利用情報が取得されたタイミングが貸与終了日時と合致し、かつ終了予定位置が開始予定位置と合致するレコードであって、終了予定位置に到着以降の貸与予定がないレコードを有する車両Mを、ユーザに貸与する車両Mとして決定する。これにより、利用判定部115は、レンタルサービスに用いられる車両Mのうち、貸与されていない状態で走行する距離が短くなるような車両Mを、ユーザに貸与する車両Mとして決定する。これにより、利用判定部115は、車両Mを貸与するサービスを円滑に運用できるようにすることができる。
【0067】
第1実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1-1)判定システム1は、移動端末装置(この一例では、車両M)を貸与端末装置として貸与するサービスに使用されるものであって、受信部103と、取得部111と、ユーザ判定部112と、貸与端末判定部113と、位置判定部114と、利用判定部115とを備える。
【0068】
取得部111は、サービスのユーザの生体情報であるユーザ生体情報132と、貸与端末装置を識別可能とする登録識別情報133とが記憶されたメモリ(この一例では、記憶部130)からユーザ生体情報132と登録識別情報133とを取得する。受信部103と、携帯端末装置10から当該携帯端末装置10の所有者の生体情報である所有者生体情報と、所有者位置情報とを受信し、車両Mから当該車両Mが保有する保有識別情報(この一例では、貸与端末ID)と、当該車両Mの移動端末位置情報とを受信する。
【0069】
ユーザ判定部112は、取得部111により取得されたユーザ生体情報132と、受信部103により受信された所有者生体情報とが一致する場合、所有者がサービスを利用可能なユーザであると判定する。貸与端末判定部113は、取得部111により取得された登録識別情報133と、受信部103により受信された貸与端末IDとが一致する場合、当該貸与端末IDを保有する車両Mは、レンタルサービスに利用可能な車両M(つまり、貸与端末装置)であると判定する。位置判定部114は、受信部103により受信された所有者位置情報と移動端末位置情報とに基づいて、当該移動端末位置情報を保有する車両Mが、所有者から所定距離範囲内にあるか否か判定する。
【0070】
利用判定部115は、ユーザ判定部112によって所有者がユーザであると判定され、貸与端末判定部113によって車両Mが貸与端末装置であると判定され、かつ位置判定部114によって貸与端末装置が所有者から所定距離範囲内にあると判定された場合、ユーザと判定された所有者が、貸与端末装置と判定された車両Mを利用可能であると判定する。
【0071】
かかる構成によれば、ユーザ判定部112は、所有者がレンタルサービスのユーザであるかを判定する。貸与端末判定部113は、車両Mがレンタルサービスに利用可能な車両Mであるかを判定する。位置判定部114は、車両Mがユーザから所定距離範囲内にあるかを判定して、物理的な位置関係からユーザが車両Mを利用できるかを判定する。利用判定部115は、レンタルサービスを利用可能な適切なユーザが判定され、レンタルサービスに利用可能な適切な車両Mが判定され、かつ物理的な位置関係からユーザが車両Mを適切に利用できることが判定された場合に、ユーザも車両Mもレンタルサービスを利用できるようにする。これにより、本実施形態の判定システム1は、レンタルサービスを利用可能なユーザに、レンタルサービスに利用可能な貸与端末装置を、適切に貸与することができる。
【0072】
(1-2)判定システム1は、ユーザ判定部112によって、所有者が、レンタルサービスを利用可能なユーザであると判定された場合、車両Mに対して貸与端末IDと移動端末位置情報とを要求する送信部104を備える。かかる構成によれば、本実施形態の判定システム1は、送信部104の要求に応じた車両Mから、貸与端末IDと移動端末位置情報とを受信する。これにより、上記目的を達成する判定システム1は、レンタルサービスを利用可能なユーザからレンタルサービスの契約の要求があった場合にのみ、車両Mから情報を取得する。したがって、判定システム1は、車両Mから常時、又は所定の時間間隔毎に情報を取得する場合と比して、車両Mとの間の通信頻度を少なくして、判定装置100の処理負荷を低減することができる。
【0073】
(1-3)判定システム1について、移動端末装置は、車両Mであり、送信部104は、利用判定部115が、レンタルサービスを利用可能なユーザと判定された所有者によって貸与端末装置と判定された車両Mを利用可能と判定した場合、車両Mに所有者位置情報を送信する。かかる構成によれば、本実施形態の送信部104は、ユーザと判定された携帯端末装置10の所有者の所有者位置情報を車両Mに送信する。これにより、上記目的を達成する判定システム1は、ユーザが車両Mを利用する際に、車両Mがユーザの位置まで移動するようにでき、レンタルサービスを利用するユーザに車両Mが利用しやすくすることができる。
【0074】
<第2実施形態>
以下、図面を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態では、判定システム1aが、ユーザが車両Mに乗車する際に所有者生体情報を用いて、レンタルサービスを利用可能なユーザとレンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせる場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
本実施形態の送信部104は、利用判定部115により所有者が車両Mを利用可能であると判定された場合、貸与対象の車両Mに、車両Mを利用するユーザの携帯端末装置10から受信した所有者位置情報と、所有者生体情報とを送信する。これにより、車両Mは、自動運転により、ユーザの位置(つまり、所有者位置情報の位置)まで移動することができる。
【0076】
また、本実施形態の判定装置100は、車両Mに所有者生体情報を送信することにより、ユーザが車両Mに乗車する際に、所有者生体情報に基づいて、レンタルサービスを利用可能なユーザであるか否かを車両に判定させる。
図7に示すように本実施形態において、車両Mは、検出器DT2を備える。検出器DT2は、例えば、車両Mに乗車しようとする者の生体情報を検出する装置である。検出器DT2は、検出器DT1が検出する生体情報と同一の生体情報を検出する。したがって、以降の説明では検出器DT2が、指紋を検出する装置であるものとする。
【0077】
車両Mの制御装置は、判定装置100から受信した所有者生体情報と、車両Mの到着後に検出器DT2により検出した生体情報とが一致するか否かを判定する。車両Mの制御装置は、ネットワークNWを介して、判定結果を示す情報を判定装置100に送信する。
【0078】
本実施形態の利用判定部115は、受信部103により車両Mから受信した判定結果を示す情報に更に基づいて、車両Mに対して各種指示を行う。利用判定部115は、例えば、判定結果を示す情報が、車両Mが判定装置100から受信した所有者生体情報と、検出器DT2により検出した生体情報とが一致しないことを示す場合、車両Mにレンタルサービスの中止(又は、中断)を指示する。車両Mの制御装置は、例えば、利用判定部115によるレンタルサービスの中止の指示に応じてドアを閉める、又はドアを施錠する等の処理を行い、車両Mに乗員が乗車できないようにする。車両Mの制御装置は、例えば、利用判定部115からレンタルサービスの再開の指示があるまでは、車両Mに乗員が乗車できない状態を維持するものであってもよい。
【0079】
これにより、利用判定部115は、車両Mを貸与されていないユーザ、又は所有者が車両Mに乗車することを抑制し、車両Mを貸与されているユーザのみが車両Mに乗車できるようにする。したがって、利用判定部115は、レンタルサービスを利用可能なユーザと、レンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせることができる。
【0080】
なお、上述では、判定装置100がユーザの所有者生体情報を車両Mに提供することにより、レンタルサービスを利用可能なユーザと、レンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせる場合について説明したが、これに限られない。判定装置100は、車両Mの貸与端末IDをユーザに提供するとともに、ユーザの所有者生体情報を車両Mに提供することにより、レンタルサービスを利用可能なユーザと、レンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせるものであってもよい。
【0081】
この場合、送信部104は、利用判定部115により所有者が車両Mを利用可能であると判定された場合、ユーザと判定された所有者が用いる携帯端末装置10に、レンタルサービスに利用可能な車両Mから受信した貸与端末IDを送信する。また、送信部104は、貸与端末IDを送信するとともに、レンタルサービスに利用可能な車両Mにユーザと判定された所有者から受信した所有者生体情報を送信する。これにより、ユーザは、携帯端末装置10を用いて、携帯端末装置10が受信した貸与端末ID(この場合、車両ナンバー)を確認し、自身が乗車予定の車両Mを特定することができる。
【0082】
なお、携帯端末装置10は、車両Mから貸与端末IDを取得する機能を有していてもよい。携帯端末装置10は、例えば、携帯端末装置10が備える撮像装置により、ユーザに車両Mを撮像させることにより、貸与端末IDを取得してもよい。この場合、携帯端末装置10は、撮像装置が車両Mを撮像し、生成した画像に画像解析処理を行い、貸与端末ID(この場合、車両ナンバー)を特定する。また、携帯端末装置10は、車両Mと通信することにより貸与端末IDを取得する構成であってもよい。この場合、携帯端末装置10は、例えば、車両Mとの間で無線通信し、車両Mから貸与端末IDを取得する。無線通信とは、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)による近距離無線通信や、LTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介した無線通信等である。これらの処理は、レンタルアプリにより実行されるものであってもよい。
【0083】
携帯端末装置10は、判定装置100から受信した車両Mの貸与端末IDと、車両Mの到着後に車両Mから取得した貸与端末IDとが一致するか否かを判定する。貸与端末IDが一致する場合とは、ユーザが乗車しようとしている車両Mが、当該ユーザが乗車する予定の車両Mである場合である。携帯端末装置10は、ネットワークNWを介して、判定結果を示す情報を判定装置100に送信する。
【0084】
本実施形態の利用判定部115は、受信部103により携帯端末装置10から受信した判定結果を示す情報に更に基づいて、ユーザに対して各種指示を行う。利用判定部115は、例えば、判定結果を示す情報が、携帯端末装置10が判定装置100から受信した貸与端末IDと、車両Mから取得した貸与端末IDとが一致しないことを示す場合、携帯端末装置10に当該車両Mに乗車しないことをユーザに促すメッセージを出力させる。利用判定部115は、例えば、判定結果を示す情報が、携帯端末装置10が判定装置100から受信した貸与端末IDと、車両Mから取得した貸与端末IDとが一致することを示す場合、携帯端末装置10に当該車両Mに乗車することをユーザに促すメッセージを出力させる。携帯端末装置10は、例えば、ディスプレイにメッセージを表す画像を表示させたり、メッセージの音声をスピーカから出力させたりする。
【0085】
図8に示すフローチャートの処理は、
図6に示すステップS110の処理が実行された後に実行される。
【0086】
まず、利用判定部115は、受信部103により車両Mから判定結果を示す情報が受信されたか否かを判定する(ステップS200)。利用判定部115は、受信部103により判定結果を示す情報が受信されるまでの間、待機する。利用判定部115は、受信部103により受信された判定結果を示す情報が、車両Mが判定装置100から受信した所有者位置情報と、検出器DT2により検出した生体情報とが一致することを示すか否かを判定する(ステップS202)。
【0087】
利用判定部115は、判定結果を示す情報が、車両Mが判定装置100から受信した所有者位置情報と、検出器DT2により検出した生体情報とが一致しないことを示す場合、車両Mにレンタルサービスの中止(又は、中断)を指示する(ステップS204)。利用判定部115は、判定結果を示す情報が、車両Mが判定装置100から受信した所有者位置情報と、検出器DT2により検出した生体情報とが一致することを示す場合、車両Mにレンタルサービスの開始を指示する(ステップS206)。
【0088】
図9に示すフローチャートの処理は、
図6に示すステップS110の処理が実行された後に実行される。
図8に示すフローチャートの処理と、
図9に示すフローチャートの処理とは、同時並行して実行されてもよく、順次処理されてもよい。
【0089】
まず、利用判定部115は、受信部103により携帯端末装置10から判定結果を示す情報が受信されたか否かを判定する(ステップS300)。利用判定部115は、受信部103により判定結果を示す情報が受信されるまでの間、待機する。利用判定部115は、受信部103により受信された判定結果を示す情報が、携帯端末装置10が判定装置100から受信した貸与端末IDと、車両Mから取得した貸与端末IDとが一致することを示すか否かを判定する(ステップS302)。
【0090】
利用判定部115は、判定結果を示す情報が、携帯端末装置10が判定装置100から受信した貸与端末IDと、車両Mから取得した貸与端末IDとが一致しないことを示す場合、携帯端末装置10に当該車両Mに乗車しないことをユーザに促すメッセージを出力させる(ステップS304)。利用判定部115は、判定結果を示す情報が、携帯端末装置10が判定装置100から受信した貸与端末IDと、車両Mから取得した貸与端末IDとが一致することを示す場合、携帯端末装置10に当該車両Mに乗車することをユーザに促すメッセージを出力させる(ステップS306)。
【0091】
第2実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(2-1)移動端末位置情報は、車両Mであり、送信部104は、利用判定部115が、ユーザと判定された所有者によって、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを、利用可能と判定した場合、車両Mに所有者生体情報を送信する。かかる構成により、本実施形態の判定システム1aは、レンタルサービスに利用可能な車両Mに、当該車両Mに乗車しようとする者が、当該車両Mに乗車を予定しているユーザであって、レンタルサービスを利用可能なユーザであるかを判定させることができる。したがって、本実施形態の判定システム1aは、レンタルサービスを利用可能なユーザと、レンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせることができる。
【0092】
(2-2)送信部104は、利用判定部115によって、ユーザと判定された所有者がレンタルサービスに利用可能な車両Mを、利用可能であると判定された場合、ユーザと判定された所有者が用いる携帯端末装置10に、レンタルサービスに利用可能な車両Mから受信した貸与端末IDを送信する。また、送信部104は、貸与端末IDを送信するとともに、レンタルサービスに利用可能な車両Mにユーザと判定された所有者から受信した所有者生体情報を送信する。かかる構成により、本実施形態の判定システム1aは、レンタルサービスに利用可能な車両Mに、当該車両Mに乗車しようとする者が、当該車両Mに乗車を予定しているユーザであって、レンタルサービスを利用可能なユーザであるかを判定させることができる。また、本実施形態の判定システム1aは、ユーザが車両Mを利用する際に、レンタルサービスに利用可能な車両Mであるか否かを携帯端末装置10に判定させるようにすることができる。したがって、本実施形態の判定システム1aは、レンタルサービスを利用可能なユーザと、レンタルサービスに利用可能な車両Mとを適切に組み合わせることができる。
【0093】
<第3実施形態>
以下、図面を参照して第3実施形態について説明する。上述した実施形態では、サービス提供装置30が備える判定装置100が、サービスを利用可能なユーザであるか否かを判定する場合について説明した。第3実施形態の判定システム2では、車両Mに積載される判定装置200が、サービスを利用可能なユーザであるか否かを判定する場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
図10に示すように、判定システム2は、例えば、一以上の携帯端末装置10と、一以上の判定装置200とを備える。これらの装置は、ネットワークNWを介して接続される。各装置は、ネットワークNWを介して種々の情報を送受信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN、LAN、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。なお、
図10に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
【0095】
第3実施形態において、ユーザは、携帯端末装置10のレンタルアプリを用いて、自身が貸与を所望する車両Mを指定してレンタルサービスの契約を要求する。携帯端末装置10は、ユーザによって指定された車両Mに対して、ユーザID、所有者生体情報、及び利用情報を送信する。
【0096】
また、第3実施形態において、車両Mには、貸与端末装置20に代えて、或いは、加えて、判定装置200が積載される。
図11に示すように、判定装置200は、例えば、通信部102と、GNSS受信機105と、制御部210と、記憶部230とを備える。GNSS受信機105は、車両Mの位置を特定し、移動端末位置情報を生成する。
【0097】
制御部210は、例えば、取得部211と、ユーザ判定部212と、位置判定部213と、利用判定部214とを備える。制御部210の構成要素は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部230に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部210の構成要素の一部または全部は、LSI、ASIC、FPGA、またはGPUなどの回路部を含むハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0098】
記憶部230は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM、RAMなどの記憶装置により実現されてもよく、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体、又は非一過性の記憶媒体により実現されてもよく、ドライブ装置に装着される記憶媒体であってもよい。また、記憶部230の一部又は全部は、NASや外部のストレージサーバ等、判定装置200がアクセス可能な外部装置であってもよい。記憶部230には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムの他に、ユーザ生体情報132が記憶される。ユーザ生体情報132は、例えば、車両Mのメンテナンス時に更新される、又はネットワークNWを介して記憶部230にアクセス可能な他の装置により新たなユーザが登録される度、又は所定の時間間隔毎に生成、又は更新される。
【0099】
取得部211は、記憶部230に記憶されたユーザ生体情報132を取得する(読み出す)。また、取得部211は、また、検出器DT2によって検出された生体情報を取得する。
【0100】
ユーザ判定部212は、取得部211により取得されたユーザ生体情報132と、受信部103により受信された所有者生体情報とに基づいて、携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する。ユーザ判定部212は、例えば、ユーザ生体情報132に含まれる所有者生体情報と、受信部103により受信された所有者生体情報とが一致する場合、所有者がレンタルサービスを利用可能なユーザであると判定する。
【0101】
位置判定部213は、受信部103により受信された所有者位置情報と、GNSS受信機105により生成された移動端末位置情報とに基づいて、所有者が車両Mから所定距離範囲内に存在するか否かを判定する。所定距離範囲内は、例えば、十数[cm]~数[m]の範囲内である。
【0102】
利用判定部214は、車両Mの制御装置に対して、各種指示を行う。利用判定部214は、例えば、所有者がレンタルサービスのユーザであると判定され、かつ所有者が車両Mから所定距離範囲内に存在すると判定された場合、車両Mを利用可能であると判定する。この車両Mは、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mである。また、利用判定部214は、例えば、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定した場合、車両Mの制御装置にレンタルサービスの開始を指示する。車両Mの制御装置は、例えば、利用判定部214の指示に応じてドアを開ける等の処理を行い、ユーザに車両Mへの乗車を促す。
【0103】
図12に示すフローチャートは、ユーザからレンタルサービスの利用要求がある度、実行される。
図12に示すように、まず、受信部103は、携帯端末装置10から利用情報(所有者位置情報)と、ユーザIDと、所有者生体情報とを受信する(ステップS400)。次に、取得部211は、記憶部230に記憶されたユーザ生体情報132を取得する(読み出す)(ステップS402)。
【0104】
次に、ユーザ判定部212は、取得部211により取得されたユーザ生体情報132と、受信部103により受信された所有者生体情報とに基づいて、携帯端末装置10の所有者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する(ステップS404)。ユーザ判定部212がユーザを判定する処理は、ユーザ判定部112のユーザを判定する処理(ステップS104)と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0105】
位置判定部213は、受信部103により受信された所有者位置情報と、GNSS受信機105により生成された移動端末位置情報とに基づいて、所有者が車両Mから所定距離範囲内に存在するか否かを判定する(ステップS406)。位置判定部213が所有者が車両Mから所定距離範囲内に存在するか否かを判定する処理は、位置判定部114の判定処理(ステップS108)の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0106】
利用判定部214は、所有者がレンタルサービスのユーザであると判定され、かつ位置判定部213によって所有者が車両Mから所定距離範囲内に存在すると判定された場合、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定する(ステップS408)。また、利用判定部214は、例えば、レンタルサービスのユーザであると判定された所有者が、レンタルサービスに利用可能と判定された車両Mを利用可能であると判定した場合、車両Mの制御装置にレンタルサービスの開始を指示する。
【0107】
第3実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(3-1)判定装置200によれば、サービス提供装置を介さずに携帯端末装置10と判定装置200との間の通信によって、レンタルサービスの契約を要求したユーザと、当該ユーザに貸与された車両Mとを適切に組み合わせることができる。
【0108】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、図面を参照して上述した実施形態の変形例について説明する。変形例では、ユーザに貸与する車両Mを決定する他の態様について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0109】
○
図13に示すように、判定装置100bは、例えば、通信部102と、制御部110bと、記憶部130bとを備える。制御部110bは、例えば、制御部110が備える構成に加えて、選択部116を備える。
【0110】
記憶部130bには、記憶部130に記憶される貸与情報134に代えて、或いは、加えて、貸与情報134bが記憶される。
図14に示すように、貸与情報134bは、例えば、貸与情報134の情報に加えて、車両Mの特徴を示す情報が含まれる。車両Mの特徴を示す情報は、例えば、車両Mがユーザに貸与される際の利用価格を示す情報、車両Mの車種(或いは、サイズ)を示す情報等である。なお、車両Mの特徴を示す情報は、一例であってこれに限られず、これらの一部が含まれるものであってもよく、他の情報が含まれていてもよい。
【0111】
変形例において、利用情報には、所有者位置情報、貸与開始日時、開始予定位置、貸与終了日時、及び貸与終了位置の他、ユーザがレンタルサービスを利用するに際して車両Mの条件に関する条件情報が含まれる。条件情報とは、例えば、ユーザが貸与を所望する車両Mの利用価格を示す情報、ユーザが貸与を所望する車両Mの車種(或いは、サイズ)を示す情報等である。
【0112】
選択部116は、例えば、利用判定部115により車両Mが利用可能であると判定されたユーザに対して貸与する車両Mを選択する。選択部116は、例えば、取得部111によって携帯端末装置10から取得された条件情報に基づいて、ユーザに対して貸与する車両Mを選択する。選択部116は、例えば、条件情報と、貸与情報134bとに基づいて、選択条件1に合致する車両Mをユーザに貸与する車両Mとして選択したり、選択条件2に合致する車両Mをユーザに貸与する車両Mとして選択したりする。選択条件1に合致する車両Mは、例えば、ユーザが所望する利用価格と合致する利用価格の車両Mである。選択条件2に合致する車両Mは、例えば、ユーザが貸与を所望する車両Mの車種(或いは、サイズ)と合致する車種の車両Mである。また、選択部116は、受信部103によって受信された移動端末位置情報と、所有者位置情報とに基づいて、選択条件3に合致する車両Mを、ユーザに貸与する車両Mとして選択する。選択条件3に合致する車両Mは、例えば、移動端末位置情報の位置と、所有者位置情報の位置とが所定距離範囲内の車両M、又はレンタルサービスに利用されている車両Mの終了予定位置が、所有者位置情報の位置の近傍である車両M等である。この場合、貸与情報134bは、「車両情報」の一例である。
【0113】
〇なお、選択部116は、上述した選択条件1~3に合致する複数の車両Mが、ユーザに貸与する車両Mの候補として選択された場合、選択処理に予め定められた優先度に基づいて、候補の中からユーザに貸与する車両Mを選択してもよい。例えば、レンタルサービスにおいて、ユーザのニーズを優先する場合には、選択条件1や選択条件2に高い優先度が付され、レンタルサービスの運用を優先する場合には、選択条件3に高い優先度が付される。この優先度は、ユーザによって定められるものであってもよく、レンタルサービスのサービス提供者によって定められるものであってもよい。
【0114】
変形例の利用判定部115は、ユーザに車両Mを貸与すると判定する処理を行うが、貸与する車両Mを決定する処理を行わない。また、変形例の利用判定部115は、選択部116によって選択された車両Mの制御装置に対して各種指示を行う。
【0115】
上記変形例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
判定装置100bは、ユーザに対して貸与する車両Mを選択する選択部116を更に備え、利用判定部115は、選択部116により選択された車両Mに対して各種指示を行う。係る構成によれば、変形例の判定装置100bは、ユーザへの貸与に適した車両Mを選択し、貸与する。したがって、変形例の100bは、携帯端末装置10から取得した条件情報に更に基づいて車両Mを選択するため、ユーザのニーズに合った車両Mをユーザに貸与する車両Mとして選択することができる。
【0116】
また、利用情報には、ユーザがサービスの利用を開始する開始予定位置を示す情報が含まれる。かかる構成によれば、変形例の選択部116は、開始予定位置の近傍に存在する車両Mを、ユーザに対して貸与する車両Mとして選択する。したがって、変形例の判定装置100bは、レンタルサービスを円滑に運用できるように車両Mをユーザに貸与することができる。
【0117】
〇また、上述では、車両Mが貸与端末装置20の機能を有し、ユーザへの貸与対象の物品である場合について説明したが、これに限られない。貸与端末装置20は、貸与端末装置20をユーザに運搬する移動体(例えば、車両M)によって運搬されるものであって、車両Mとは別体の装置であってもよい。この場合、上述した判定装置100、及び判定装置100bにおいて、選択部116は、ユーザに貸与する貸与端末装置20を選択する。また、この場合、上述した判定装置100、及び判定装置100bは、利用判定部115に代えて(或いは、加えて)、運搬指示部を備える。運搬指示部は、ユーザが利用可能な貸与端末装置20、又は選択部116により選択された貸与端末装置20を、ユーザに運搬する移動体(例えば、車両M)の制御装置に、貸与端末装置20の運搬を指示する。運搬指示部により指示を受けた移動体の制御装置は、決定された、又は選択された貸与端末装置20をユーザに運搬するように、移動体を制御する。
【0118】
また、この場合、利用判定部115は、貸与が決定された車両Mに対して、開始予定位置までの移動を指示する処理に代えて、車両Mの位置、又は貸与端末装置20の位置を示す移動端末位置情報を携帯端末装置10に送信する処理を行ってもよい。レンタルアプリは、車両M、又は貸与端末装置20から取得した移動端末位置情報を、携帯端末装置10の表示装置に表示させる。ユーザは、表示装置に表示された移動端末位置情報に基づいて、貸与端末装置20の位置まで移動する。
【0119】
上記実施形態、及び変形例によれば、判定装置100、及び判定装置100bは、貸与端末装置20が車両Mとは別体の装置であっても、貸与端末装置20とユーザとを適切に組み合わせて、貸与端末装置20をユーザに貸与することができる。
【0120】
〇また、上述では、車両Mが、判定装置100、又は判定装置100bから受信した所有者生体情報に基づいて、車両Mに乗車しようとする者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する場合について説明したが、これに限られない。判定装置100、又は判定装置100bは、例えば、車両Mに乗車しようとする者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する機能を有していてもよい。この場合、受信部103は、検出器DT2によって検出された生体情報を、ネットワークNWを介して車両Mから受信する。
【0121】
ユーザ判定部112は、受信部103によって車両Mから受信した生体情報と、受信部103によって携帯端末装置10から受信した所有者生体情報とに基づいて、車両Mに乗車しようとする者がレンタルサービスのユーザであるか否かを判定する。ユーザ判定部112は、受信部103によって車両Mから受信した生体情報と、受信部103によって携帯端末装置10から受信した所有者生体情報とが一致する場合、車両Mに乗車しようとする者がレンタルサービスのユーザであると判定する。利用判定部115は、ユーザ判定部112の判定結果に更に基づいて、車両Mに各種指示を行う。
【0122】
かかる構成により、ユーザ判定部112は、車両Mに乗車しようとする者がレンタルサービスのユーザであると判定する。したがって、判定システム1は、判定装置100、又は判定装置100bがユーザを判定する機能を有するため、車両Mが有する機能を簡素化することができる。
【0123】
〇また、上述では、携帯端末装置10が、判定装置100、又は判定装置100bから受信した貸与端末IDと、自身が乗車しようとする車両Mの貸与端末IDとが一致するか否かを判定する場合について説明したが、これに限られない。判定装置100、又は判定装置100bは、例えば、貸与端末IDが一致するか否かを判定する機能を有していてもよい。この場合、受信部103は、携帯端末装置10によって取得された車両Mの貸与端末IDを、ネットワークNWを介して10から受信する。
【0124】
ユーザ判定部112は、受信部103によって車両Mから受信した貸与端末IDと、受信部103によって携帯端末装置10から受信した貸与端末IDとが一致するか否かを判定する。ユーザ判定部112は、貸与端末IDが一致する場合、ユーザが乗車しようとしている車両Mが、当該ユーザが乗車する予定の車両Mであると判定する。利用判定部115は、ユーザ判定部112の判定結果に更に基づいて、車両Mに各種指示を行う。
【0125】
かかる構成により、ユーザ判定部112は、ユーザが乗車しようとしている車両Mが、当該ユーザが乗車する予定の車両Mであるか否かを判定する。したがって、判定システム1は、判定装置100、又は判定装置100bが車両Mを判定する機能を有するため、携帯端末装置10が有する機能を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0126】
1、2…判定システム、10…携帯端末装置、20…貸与端末装置、30…サービス提供装置、DT1、DT2…検出器、100、100a、200…判定装置、102…通信部、110、110b、210…制御部、130、130b、230…記憶部、111、211…取得部、112、212…ユーザ判定部、113…貸与端末判定部、114、213…位置判定部、115、214…利用判定部、116…選択部、132…ユーザ生体情報、133…登録識別情報、134、134b…貸与情報、M…車両。